JP4850856B2 - 伸びフランジ割れの評価方法 - Google Patents
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Description
たとえば、図14の(a)、(b)に示すように部材によっては、伸びフランジ変形のみを受ける場合や、或いは伸びフランジ変形と穴拡げ変形などを併せて受ける場合などがあり、部品形状、すなわち鋼板が受ける変形の程度に応じた材料の選定が必要となる。
例えば、穴拡げ試験法では、i)歪分布が周方向に急激に変化するのに対して、伸びフランジ変形では周方向半径方向に緩やかな歪勾配を有して変化するものである。また、ii)材料の異方性は穴拡げ率(λ)に反映されないが、材料の伸びフランジ割れはブランキング方向(ブランクの採取方向)により影響を受け、異方性がある。また、iii )穴拡げ試験では抜きシャー角は考慮できないが、伸びフランジ割れには大きな影響を与える。
このように、従来から用いられている穴拡げ試験では、実際にプレス成形する際に用いるブランクの伸びフランジ性、すなわち伸びフランジ割れにおける限界歪を適切に評価することが難しい。
非特許文献1の試験方法では、プレス成形する場合において、成形形状や成形部位の状況に応じた伸びフランジ割れ、すなわち、破断や亀裂を生じない歪(限界歪)を評価する点において有効な方法である。
しかしながら、実際に部材をプレス成形するために切断(剪断による打抜き)されたブランクは、多様な曲率半径、多様な打抜き深さの打抜き部(円弧状部)を有する複雑な形状となっている。
このため、従来のような試験片を用いて伸びフランジ割れを評価しても、実際にブランクを用いてプレス成形する際のフランジ割れの可能性を十分に反映したものとはなり難いものであった。
本発明は、これらの従来の問題点を解決するものであって、プレス成形における鋼材などの金属材料からなるブランクの伸びフランジ割れを、伸びフランジ割れを発生しない限界に近い歪、すなわち限界歪に基づいて的確に評価する方法を提供することを目的とする。
(1)金属板から切断したプレス成形用ブランクの円弧状端部を含む部分から試験片を採取し、前記試験片の上面に罫書き線または標点をマーキングした後、それぞれ異なる位置の支点に回動自在に取り付けられた1対の腕部の先端部において、前記先端部と把持部の間に前記試験片の両端部の上下面を固定し、前記1対の腕部の脚部の後端に荷重を加え、それぞれ前記支点を中心として、前記1対の腕部の先端部がそれぞれ逆方向に移動して離れることにより、前記試験片の長手方向中央部における端面が広げられるように引張及び曲げ変形を付与し、前記罫書き線または標点に基づいて前記試験片の長手方向中央部における板厚方向の端面に割れが貫通したときの歪を算出することを特徴とする伸びフランジ割れの評価方法。
なお、本発明で、円弧状端部とは、ブランクの周囲(端部)のうち、円弧状を呈する部分をいう(図5参照)。
本発明の評価方法では後述するように、試験片は成形用ブランクから直接、好ましくは、ブランクの伸びフランジ割れを生じやすい箇所、たとえば円弧状端部を含むように採取されるため、ブランクの板厚断面の性状(シャー面)、すなわち、打抜きクリアランスや、シャー角(材料を剪断する際に付ける水平面に対する刃の角度)の影響を含めた状態でのフランジ割れを評価することができる。
また、ブランクの金属板からの採取方向による限界歪の差、すなわち伸びフランジ割れの異方性も含めた形で伸びフランジ割れを評価できるため、従来の穴拡げ試験法に比べてより多くの情報を得ることができる。更に、ブランクから試験片を採取する際、曲率半径rの異なる部位を選択したり、あるいは試験片の円弧状端部の打抜き深さd(後述の図9参照)を変えることにより、限界歪−歪勾配チャートを容易に作成することができ、さまざまな形状の成形用ブランクに対応して、伸びフランジ割れに対する曲率半径や歪勾配の影響を評価することができる。
これにより、成形の際にフランジ割れが発生しないように、成形用ブランクの形状(曲率半径、打抜き深さ)を検討し、あるいは材料の選定や、金属板から成形用ブランクの板取り方法、材料の切断方法などを適切に選択することが可能となる。したがって、プレス成形用ブランクを安定してかつ、効率的にプレス成形することができる。
図1において、試験装置は、それぞれ異なる位置に固定された支点(支柱) 4(4a、4b)にそれぞれ回動自在に取り付けられ、それぞれ先端部1at、1btと脚部1af、1bfを有する一対の腕部1(1a、1b)と、この腕部の先端部1at,1btにおいて、試験片3の両端部3a、3bの上下面をそれぞれ腕部の先端部1at,1btと共に固定する1対の把持部2(2a、2b)と、前記1対の腕部1a,1bの脚部1af、1bfに近い側の後端1ae、1beに荷重を加える荷重付与手段5を有し、前記1対の腕部は、一方の腕部の脚部1afが、他方の腕部の脚部1bfと互いに交差するように構成されている。なお、腕部の先端部1at、1btと脚部1af、1bfは、上記支点(支柱)4(4a、4b)を境として区分するものとする。
なお、図1の(b)では、把持部の板厚が腕部の板厚と同じにされており、このため、この正面図(b)では腕部と把持部とが重なった状態で示されている。
なお、支点(支柱)の間隔は、試験片に十分な引張曲げ変形を与えうるものであればよく、試験片の長手方向の大きさを勘案して適宜設定することができる。
なお、試験片は、図1の(a)、(c)に示され、また、後述するように、その長手直角方向(図1(a)の紙面左右方向)の一方の側面が成形用ブランクの円弧状端部を含むように採取され、そして試験片の円弧状端部の開放部(図6の7’参照)側が、上記試験装置による引張曲げの外側になるように、係止手段により試験装置の腕部に係止、固定される。
荷重付与を開始すると試験片に変形が始まり((a)→(b))、板厚方向の端面には微小な割れ(毛割れ)が生じる。この時点で測定された歪は、限界歪(プレス成形の伸びフランジ変形において割れが生じない最大の歪)に対して50%程度であり、限界歪に対する評価精度は低い。荷重付与がさらに増加すると変形が進行し((b)→(c))、板厚方向の端面に割れが貫通する。この時点で測定された歪は、限界歪に対して80〜100%前後となっており、限界歪に対する測定精度は極めて高い。そしてさらに、荷重付与が増加すると、試験片が破断(板厚方向の端面に開口部が生じる状態を含む)((c)→(d))する。
この時点で測定された歪は、上記の限界歪を大きく超えており(120%程度)、限界歪に対する測定精度は低いものとなっている。これは、例えば引張試験における破断伸びの状態となっており、この時点の歪では、本発明が目的とする、プレス成形における伸びフランジ割れが生じる歪、すなわち限界歪を適正に評価することはできない。
言い換えれば、図2の(b)の時点では荷重付与を停止するタイミングが早すぎ、(d)の時点では荷重付与を停止するタイミングが遅すぎ、いずれも伸びフランジ変形における限界歪を適正に評価することはできない。
したがって、本発明においては、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面に割れが貫通した時点の歪を限界歪として伸びフランジ割れを評価するものとする。この時点は、上記の図2の(c)に示したように、板厚方向の端面に上面〜下面に割れが貫通した状態(貫通割れが発生した状態)をいうものであり、この割れが進展して開口部(破断部)を形成した状態(破断)とは区別する。
このように、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面と、長手方向中央部の上面または下面を観察することにより、試験片の板厚方向の端面に割れが貫通したかどうかを判定することができる。
図5は、本発明の試験方法において使用する試験片の形状及び採取方法を説明する図である。本発明では、試験片3は部材をプレス成形するために金属板Pから切断して採取されたプレス成形用ブランクBから直接採取される。
このとき、図5に示すように試験片3は、ブランクの円弧状端部7の端面が、試験片の円弧状の端面として含まれるように採取される。
図6は、このようにして採取された試験片の形状を模式的に示す図である。試験片3は、図6に示すように、矩形の板(長手方向長さl(mm)、幅w(mm)、板厚t(mm))であり、長手方向のほぼ中央部に上記の円弧状端部7が位置するように採取され、試験片の板厚及び円弧状端部7は、それぞれ成形用ブランクの板厚、及び円弧状部形状(曲率半径)そのままである。
一方、試験片の長さl(mm)、幅w(mm)及び打ち抜き深さd(mm)(円弧状端部7の頂点と円弧状端部の開放部7’の底部との距離)は、特に限定するものではないが、成形用ブランクの大きさ、円弧状部の状況を勘案して決めればよい。
なお、開放部の底部とは、円弧状端部7の終端に相当する部分をいい、図6の標準的な試験片であれば、半円状の円弧状端部7と試験片底部の交わる部分をいう。
なお、試験装置に関しては、これらの試験片のサイズに応じて上記試験装置の支点間距離、腕部の大きさなどを調整するようにするか、或いは、試験片のサイズに応じた支点間間隔、腕部の大きさを有する複数の試験装置を備えることが好ましいことはいうまでもない。
試験片の上面には、上述の図6に示すように罫書き線8または、標点(図示せず)がマーキングされる。これは、試験装置によって変形させた後、罫書き線8或いは標点の間隔を計測することにより、変形(歪)を計算するためのものである。罫書き線また標点の間隔は特に限定するものではないが、通常1mm〜3mmである。
図7は、試験終了後の試験片の長手方向中央部の上面の状態を示したものである。
なお、罫書き線の間隔は、罫書き線8と端面6との交点近傍での間隔を測定するものとする。貫通割れを生じた部位と罫書き線の位置が不明確な場合は、測定対象とする罫書き線の間隔数を増やし、例えば、図6のように、貫通割れ部位9を含む3つの間隔(罫書き線4本)について間隔(GL6’(mm))を測定し、これを試験前の罫書き線の間隔(GL6:3×2=6(mm))で除すること(GL6’/GL6)により歪(伸び)を計算することができる。
計測する罫書き線の間隔の個数は、被試験材料の伸びフランジ変形の程度に応じて設定すればよいが、通常1〜3個である。
すなわち、本発明の伸びフランジ性の異方性の試験方法においては、試験中、試験装置の操作者が肉眼で、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面、並びに試験片の長手方向中央部の上面の双方を観察しながら試験装置の荷重付与を制御し、板厚方向の端面に割れが貫通したことを確認した時点で荷重付与を停止する。その後、上述のように、試験片にマーキングした罫書き線または標点の間隔を測定し、間隔の変化から、伸びフランジ変形における限界歪を求めるものである。
この図から判るように、打抜き深さdが大きいほど、歪勾配は高くなり、限界歪が大きくなる。
このことは、伸びフランジ成形する部位の打抜き深さによって、すなわち歪勾配の大きさによっても、伸びフランジ成形の限界歪が異なることを意味している。したがって、成形用ブランクの伸びフランジ割れを評価することにより、ブランクの打抜き深さを適切に調整してフランジ割れを生じないブランクを設計することができ、プレス成形を安定して行うことが可能となる。
従って、本発明の方法で得られた伸びフランジ割れの結果も金属板の異方性の影響を受けている。このようなことから、金属板の圧延方向に関して板取り方向(ブランキング方向)の異なる同一形状のブランクについて、同様の箇所から試験片を採取して試験を行ない、伸びフランジ割れ、すなわち限界歪を比較評価することにより、金属板の異方性の影響を把握することできる。これに基づいて、金属板からの板取りを調整し、プレス成形において割れの生じない最適なプレス成形用ブランクを製作することもできる。
上記第一及び第二の観察手段は、特に限定するものではないが、ITV或いはCCDカメラなどが使用でき、これらの観察手段により得られた画像を記憶する手段としては、画像を記憶できる通常のコンピューター、パーソナルコンピューターなど公知の手段を適宜使用することができる。
試験片において貫通割れが発生し易い箇所は、通常、円弧状部の長手方向中央部の端面であることから、これらの観察手段は、少なくともこれらの範囲が観察可能な範囲となるように設定されることは言うまでもない。
そして、その時点での試験片の長手方向中央部における上面の罫書き線または標点の間隔を正確に確認し、測定することができ、伸びフランジ割れにおける限界歪をより高い精度で計算することができる。これに基づいて伸びフランジ割れを生じない成形用ブランクの設計ならびに製作を効率的に行うことができる。
なお、この実施形態では、第一の観察手段、第二の観察手段を備えるものとし、また、試験片の上面に罫書き線または標点が設けられ、従って第二の観察手段は、試験片を上面から観察するようなものとしている。
架台板17には、1対の腕部1(1a,1b)を回動自在に支持するための支点として1対の支柱4(4a,4b)が、垂直方向に間隔を開けて固定され、この1対の支柱4(4a,4b)には、把持部2(2a,2b)と共に、腕部の先端部1at,1btにより試験片の係止手段を構成する1対の腕部1(1a,1b)が、脚部1af、1bfを互いに交差するようにして取り付けられている。
第一の観察手段11としてのCCDカメラ11’の高さ方向及び水平方向の位置は、試験片3の位置に対して調整可能とされており、この貫通孔20を通して、試験片の長手方向中央部(円弧状部)の板厚方向の端面を観察可能となっている。
(実施例1)
図11に示したような試験装置を用いて、成形用ブランクの伸びフランジ割れを評価する試験を行った。この実施例では、第一の観察手段及び第二の観察手段を使用することなく、肉眼で観察しながら試験を行った。なお、試験片の係止手段である腕部の先端部1at、1btおよび把持部2a、2bが試験片の上下面と対向して接触する部分には格子状に凹凸を形成し、粗面とした。
試験に使用した成形用ブランクは、自動車の車体部材をプレス成形するために使用される板厚3.2mmの熱延鋼板をブランクの長手方向が鋼板の圧延方向(L方向)とほぼ同じとなるように板取りをし、シャークリアランスを板厚の20%としてシャーにより打抜き、図5に示すような形状のブランクBを製作した。この成形用ブランクBから、ブランクの円弧状部7が試験片の長手方向のほぼ中央部となるように切り出して試験片3を採取した。
この試験片の形状は、図6に示したように長さl:100mm、幅w:35mmとし、板厚3.2mmとした。なお、試験片に含まれた円弧状端部7は、曲率半径r:約15mm、打抜き深さd:約15mmであった。試験片の上面には、罫書き線の間隔(ゲージ長さ:GL)を2mmとしてマーキングした。なお、試験片は5個を作製した。
そして図1に示すように、試験片の円弧状端部の開放端が引張曲げの外側になるように、係止手段により試験片3を試験装置に取り付け、荷重付与手段5によって1〜5トンの荷重を腕部の後端1ae,1beに加え、試験片に引張曲げ変形を付与した。このとき、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面、及び長手方向中央部の上面を拡大鏡を使用して肉眼で観察しながら、荷重付与を制御し、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面に割れが貫通した時点で荷重の付与を停止した。
試験終了後、試験片を取り外し、試験片の長手方向中央部上面の罫書き線の間隔を罫書き線と端面との交点近傍において測定し、歪を計算した。測定した罫書き線の間隔数は3個(GL=2mm×3=6mm)とした。同様の試験を上記の各試験片に対して繰り返した。
その結果、歪の値は、73%〜91%であり、平均値は82%と、ややばらつきが大きかったが、このブランクの伸びフランジ割れを評価することができた。
また、図3の(a)に示すのと同様に、腕部の先端部及び把持部の試験片の係止面と対向する面に形成されていた粗面の模様が、ずれたりすることなく試験後の試験片の両端部の上面および下面に鮮明に転写されており、確実に力が伝達されていることが判った。
(実施例2)
試験後、コンピューターから記憶させた第一の観察手段及び第二の観察手段による画像を再現し、再現画像に基づいて、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面に割れが貫通した時点を試験者が目視により確認した。
次いで、第一の観察手段及び第二の観察手段によって確認した貫通割れの発生時点における第二の観察手段の画像に基づいて試験片の上面の罫書き線を確認し、実施例1と同様にその間隔を測定して歪を計算した。同様の試験を上記の試験片について繰り返した。
その結果、歪の値は、81%〜87%で、平均値は84%であり、実施例1に比べて、やや大きな歪が得られ、ばらつき小さくなっており、測定の精度が向上していることが判った。このブランクの伸びフランジ割れをより精度よく評価することができた。
また、図3の(a)に示すのと同様に、腕部の先端部及び把持部の試験片の係止面と対向する面に形成されていた粗面の模様が、ずれたりすることなく試験後の試験片の両端部の上面および下面に鮮明に転写されており、確実に力が伝達されていることが判った。
(実施例3)
試験後、コンピューターに記憶させた第一の観察手段及び第二の観察手段による画像を再現し、再現画像に基づいて、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面に割れが貫通した時点を試験者が目視により確認した。
次いで、第一の観察手段によって確認した割れが貫通した時点の第二の観察手段の画像を、画像に基づいて歪を計算する手段を有するコンピューターに送り、歪を自動的に計算した。同様の試験を上記の試験片について繰り返した。
その結果、歪は83%〜87%で、平均値は85%であった。実施例1に比べてややや大きな歪が得られ、バラツキもさらに小さくなっており、測定精度がより向上していることが判った。これによって、この成形用ブランクの伸びフランジ割れの限界歪が的確に評価でき、効率的なブレス成形が可能であることが確認された。また、実施例1と同様、係止手段の粗面の模様が、ずれを生じることなく試験後の試験片の両端部の上面および下面に転写されており、確実に力が伝達されていることが確認された。
(比較例)
ただし、試験片の取り付けには、本発明のような把持部を有する係止手段を使用せず、図11の(a)に示すように試験片3の両端部にノックピン穴(φ10mm)を設け、ノックピンを挿入することにより試験片を試験装置に係止、固定した。試験方法は、実施例1と同様に、荷重付与手段によって1〜5トンの荷重を腕部の後端に加え、試験片に引張曲げ変形を付与した。
このとき、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面、及び長手方向中央部の上面を拡大鏡を使用して肉眼で観察しながら、荷重付与を制御し、試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面に割れが貫通した時点で荷重の付与を停止した。試験後、実施例1と同様に歪の計測、計算を行った。同様の試験を上記の試験片について繰り返した。
その結果、歪は70%〜90%と大きくばらついており、平均値は80%であり、本発明の1〜3に比べて低い値となり、正確な伸びフランジ割れの限界値を測定することができなかった。また、図12の(c)に示すように、試験後の試験片の両端部のノックピンのピン穴が、試験片の長手方向に変形しており、引張曲げ力が均等に伝達されておらず、上記のような歪の測定値のばらつきの原因となっていることが確認された。
1at、1bt 腕部の先端部
1af、1bf 腕部の脚部
1ae、1be 腕部の後端
2、2a、2b 把持部
2’ ボルト
3 試験片
3a、3b 試験片の端部(両端部)
4、4a、4b 支点(支柱)
5 荷重付与手段
6 板厚方向の端面
7 円弧状端部(打抜き部)
7’ 円弧状端部の開放部
8 罫書き線
9 貫通割れ部
10 破断部
11 第一の観察手段
11’ CCDカメラ
12 第二の観察手段
12’ CCDカメラ
13 試験装置
14 基台
15 補強支材
16 壁部材
17 架台板
18 支持板
19 載置台
20 貫通孔
22 垂直支柱
23 高さ調整部材部材
24 水平部材
25 水平距離調整部材
26 支持片
27 支持部材
28 油圧シリンダー
29 ヘッド
30 アクチュエーター
41 押し上げパンチノックピン孔
42 ノックピン孔
43 試験片
44 回転中心ピン
45 油圧ジャッキ
46 押し上げパンチの脚部
47 切り欠き部
48 罫書き線
51 中心軸
52 自転機構
53 加圧ヘッド
54 帯状試料
55 保持チャック
56 張力付加機構
57 画像認識手段
58 張力測定器
d 試験片の打抜き部の抜き深さ
l 試験片の長さ
r、R 試験片の円弧状部(打抜き部)の曲率半径
t 試験片(金属板)の板厚
w 試験片の幅
z 粗面
B ブランク
P 金属板(鋼板)
Claims (3)
- 金属板から切断したプレス成形用ブランクの円弧状端部を含む部分から試験片を採取し、前記試験片の上面に罫書き線または標点をマーキングした後、それぞれ異なる位置の支点に回動自在に取り付けられた1対の腕部の先端部において、前記先端部と把持部の間に前記試験片の両端部の上下面を固定し、前記1対の腕部の脚部の後端に荷重を加え、それぞれ前記支点を中心として、前記1対の腕部の先端部がそれぞれ逆方向に移動して離れることにより、前記試験片の長手方向中央部における端面が広げられるように引張及び曲げ変形を付与し、前記罫書き線または標点に基づいて前記試験片の長手方向中央部における板厚方向の端面に割れが貫通したときの歪を算出することを特徴とする伸びフランジ割れの評価方法。
- 前記試験片の長手方向中央部における板厚方向の端面を第一の観察手段により観察し、試験片の長手方向中央部における上面を第二の観察手段により観察し、観察した試験片の長手方向中央部の板厚方向の端面及び上面の画像をそれぞれ記憶手段に記憶し、前記記憶手段により記憶した画像に基づいて、前記第一の観察手段により観察した試験片の板厚方向の端面に割れが貫通したときの歪を、前記第二の観察手段により観察した前記罫書き線または標点に基づいて算出することを特徴とする請求項1記載の伸びフランジ割れの評価方法。
- 前記歪を、計算手段を用いて自動的に算出することを特徴とする請求項2記載の伸びフランジ割れの評価方法。
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