JP4850667B2 - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法に関する。
セラミックス基板は高電気絶縁性、高熱伝導性という特長を有するため、回路基板として広く使用され、パワーモジュール等に搭載されている。セラミックス基板の中でも、窒化アルミニウム基板は、熱伝導性に優れるため注目されている。
窒化アルミニウム基板となる窒化アルミニウム焼結体は、一般に以下の方法で製造される。すなわち、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤、バインダー、可塑剤、分散媒、離型剤等の添加剤を混合し、それを押出成形等によってシート状の成形体に加工する。次いで、成形体を空気中又は、窒素等の非酸化性雰囲気中で350〜700℃に加熱してバインダーを除去した後(脱脂)、窒素等の非酸化性雰囲気中にて1800〜1900℃で0.5〜10時間保持すること(焼成)によって製造される。
脱脂、焼成工程では、炉への成形体投入量を増やし生産性を向上させるため、成形体を積層することがある。しかし、積層すると焼成後の窒化アルミニウム焼結体の中央部が黒色化するというような色むらが発生する場合がある。そこで窒化アルミニウム焼結体の色むらを解消するために、しき粉を介して積層する方法(特許文献1)、生基板と焼成板を交互積層する方法(特許文献2)等の試みがなされている。しかしながら、特許文献1又は2に開示された方法では、色むらの程度は軽減されるものの、熱伝導性が低下したり、生産性に劣るといった課題がある。
特開平5−229872号公報 特開平10−59772号公報
生産性に優れた窒化アルミニウム焼結体の製造方法として、脱脂工程と焼成工程とを連続して行う製造方法(特許文献3)が検討されている。
特開平8−259329号公報
脱脂工程と焼成工程とを連続して行う製造方法は、通常、窒素等の非酸化性雰囲気で行われる。そのため、脱脂後の成形体(脱脂体)には、バインダーの炭素成分が1質量%程度残留するのが一般的である。炭素の残留した脱脂体を焼成すると、窒化アルミニウム焼結体に色むらが生じ、熱伝導性が低下する場合がある。
本発明の目的は、色むらの少ない窒化アルミニウム焼結体を、脱脂工程と焼成工程を連続化して生産性良く製造することである。
すなわち、本発明は、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤および有機バインダーを含む成形体を、非酸化性雰囲気中で脱脂と焼成を連続して行う窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、体積基準累積粒度分布の累積90%粒子径(以下、「d90」という)と累積10%粒子径(以下、「d10」という)の差が3.0μm以下である窒化アルミニウム粉末を用い、焼成工程において1600〜1750℃の温度領域で4〜10時間保持した後、焼結温度まで昇温することを特徴とする、色むらのない窒化アルミニウム焼結体の製造方法であり、有機バインダーが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、およびメタクリル酸からなる群より選ばれた一種以上の単量体を重合してなるアクリル系樹脂であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法であり、非酸化性ガスの流速が0.10m/s以上であることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法であり、さらに、焼結温度から1500℃までを10〜25℃/分の冷却速度で冷却することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
さらに、前記製造方法によって得られた残留炭素が0.06質量%以下である窒化アルミニウム焼結体であり、前記製造方法によって得られた相対密度が99.0%以上である窒化アルミニウム焼結体であり、得られた窒化アルミニウム焼結体に金属回路と放熱板を接合してなる窒化アルミニウム回路基板であり、絶縁破壊電圧が20kV/mm以上であることを特徴とする窒化アルミニウム回路基板である。また、窒化アルミニウム回路基板を用いてなるモジュールである。
本発明によれば、高熱伝導性で色むらのない窒化アルミニウム焼結体を、脱脂工程と焼成工程を連続化することで生産性良く製造でき、この焼結体を用いた窒化アルミニウム回路基板はモジュールへ好適に使用できる。
本発明により得られる窒化アルミニウム焼結体は、機械的特性に優れ、且つ、高い熱伝導率を有するので、厳しい使用条件下で用いられる回路基板、例えばパワーモジュール用回路基板に好適である。
窒化アルミニウム焼結体の色むら部分には炭素含有量の高いことが多く、色むらの発生は残留炭素に起因するものと推測される。残留炭素が多いと窒化アルミニウム焼結体の緻密化が阻害されるとともに、残留炭素が窒化アルミニウムと反応して炭素化合物を生成し、色むらを発生するものと推測される。
バインダー由来の炭素は、脱脂工程で殆ど除去され、焼成工程で起こる窒化アルミニウム粉末と焼結助剤との反応によって減少する。脱脂・焼成条件によっては、窒化アルミニウム焼結体中の残留炭素含有量にばらつきを生じることがある。例えば、脱脂工程において、積層した成形体外周部では、成形体中央部と比べてバインダーの分解ガスが速やかに排出されるため残留炭素が少なくなり、色むらが発生し難くなる。一方、成形体中央部では、分解ガスの排出経路が制限されるため、残留炭素が多くなり、色むらが発生し易くなる。このように、成形体外周部と中央部の脱脂挙動の違いが色むらを引き起こす場合がある。焼成工程では、焼結温度まで急速に昇温すると、脱脂体外周部から緻密化が開始していまい、中央部で未反応の炭素が残留して、色むらが発生する場合がある。色むらを発生させないためには、脱脂・焼成条件を適正化し、色むらの発生原因である残留炭素を低減させる必要がある。
色むらの発生した窒化アルミニウム焼結体は、緻密化が不足しており、焼結体密度が低い場合が多い。このような窒化アルミニウム焼結体を用いた窒化アルミニウム回路基板は、ボイド放電を引き起こし易く、一般に、絶縁破壊電圧が低下する傾向がある。
本発明に係る窒化アルミニウム焼結体の製造方法について説明する。
窒化アルミニウム粉末に関して特に制限はなく、直接窒化法、アルミナ還元法等の公知の方法で製造された窒化アルミニウム粉末が使用できるが、中でも、生産性に優れた直接窒化法で製造された窒化アルミニウム粉末が好ましいものとして挙げられる。窒化アルミニウム粉末のd90とd10の差は、3.0μm以下であることが好ましい。d90とd10の差が3.0μmより大きいと、窒化アルミニウムの緻密化開始温度にばらつきが生じるため、脱脂・焼成条件の適正化を行っても、残留炭素を低減することが難しい場合がある。窒化アルミニウム粉末の耐加水分解性を向上させるため、空気中での加熱酸化処理や化学的酸化処理等を行うことが好ましい。
焼結助剤は特に限定されるものではなく、希土類金属の化合物、アルカリ土類金属の化合物、遷移金属の化合物等が使用できる。中でも、酸化イットリウム、或いは、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの併用が好ましい。これらの焼結助剤は、窒化アルミニウム粉末と反応し複合酸化物の液相(例えば2Y・Al、Y・Al、3Y・5Al等)を形成し、この液相が焼結体の高密度化をもたらし、同時に窒化アルミニウム粒子中の不純物である酸素等を抽出し、結晶粒界の酸化物相として偏析させることによって高熱伝導化をもたらす。複合酸化物としては、Y・Alを主に生成させることが好ましい。2Y・Alや3Y・5AlがY・Alより多く生成すると、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導性や抗折強度、回路形成時の接合性が低下する場合がある。原料の窒化アルミニウム粉末中の酸素含有量に応じて、酸化イットリウム、或いは、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの配合量を適正化することにより、複合酸化物としてY・Alを主に生成させることが出来る。
有機バインダーは、特に限定されず、例えば、ニトロセルロース、メチルセルロース等のセルロース系有機高分子、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等の含酸素有機化合物が使用可能であるが、中でも、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、およびメタクリル酸からなる群より選ばれた一種以上の単量体を重合してなるアクリル系樹脂を用いることが好ましい。アクリル系樹脂は、窒素等の非酸化性雰囲気中の脱脂において他の有機バインダーよりも熱分解性が良く、残留炭素の低減が容易である。また、必要に応じて、可塑剤、分散媒、離型剤等を併用することができる。一般に、可塑剤としてはグリセリン、グリセリントリオレート、ジエチレングリコール等が、分散媒としてはイオン交換水やエタノール、トルエン等が、離型剤としては、ステアリン酸等が使用できる。
窒化アルミニウム粉末、焼結助剤および有機バインダーの混合方法は、特に限定されるものではなく、例えばボールミル、ロッドミル、ミキサー等の公知の混合装置が使用できる。混合後、そのまま成形してもよく、また例えばスプレードライヤー法等によって造粒してから成形してもよい。成形方法は、特に限定されるものではなく、例えば押出成形法、ドクターブレード成形法、乾式プレス成形法、冷間等方圧プレス成形法(CIP法)等によって行うことができる。
脱脂工程と焼成工程は連続して行うことが好ましい。バッチ炉による処理では、脱脂後、炉内を充分に冷却してから脱脂体を取り出し、その後、その脱脂体を焼成炉に投入しなければならない。また、脱脂体は脆いため、ハンドリングによる破損には細心の注意を払わねばならない。これに対し、例えばプッシャー搬送式の連続炉による処理では、成形体を非酸化性雰囲気中の炉内へ投入するだけで済むため、生産性に優れている。また、バッチ炉と異なり、炉内の温度ばらつきが小さいため、窒化アルミニウム焼結体の品質のばらつきも抑えられる。
脱脂工程では、成形体を窒素等の非酸化性雰囲気中350〜700℃で脱脂することが好ましい。空気中で脱脂すると、残留炭素を低減できるものの、窒化アルミニウム粒子中の酸素含有量が増加し、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が下がる場合がある。脱脂時間は成形体のサイズ、積層枚数に応じて適宜決定する必要があるが、通常、1〜10時間である。
焼成工程では、非酸化性雰囲気中、1600〜1750℃の温度域で4〜10時間保持して残留炭素を除去した後、1800〜1900℃の焼結温度まで昇温することが好ましい。残留炭素は、窒化アルミニウムと焼結助剤の反応生成物である複合酸化物の液相と反応してCOガスとなり、系外へ排出される。保持温度が1600℃未満であると液相が生成されないため、残留炭素が十分除去できない場合がある。一方、保持温度が1750℃を超えると、窒化アルミニウムの緻密化が進行するため、未反応の炭素が窒化アルミニウム焼結体中に取り残されてしまう場合がある。保持時間は成形体のサイズ、積層枚数に応じて適宜決定する必要があるが、通常、4〜10時間が好ましい。保持時間が4時間未満であると、残留炭素と複合酸化物の液相との反応が不十分な場合があり、一方、10時間を超えると生産性が低下する。
連続炉を流れる非酸化性ガスの流速は0.10m/s以上であることが好ましい。非酸化性ガスの流速が0.10m/s未満であると、炭素と液相の反応により生成するCOガスが炉内に滞留し、反応が抑制される場合がある。
焼成温度から1500℃まで冷却するときの冷却速度は10〜25℃/分であることが好ましい。冷却速度が10℃/分未満であると、液相が窒化アルミニウム粒子3重点の粗大な空隙や窒化アルミニウム焼結体表面に移動し、熱伝導性が低下する場合がある。一方、冷却速度が25℃/分より大きいと、冷却のために導入するガス量が多くなり、生産性に劣り好ましくない。
窒化アルミニウム焼結体の残留炭素は0.06質量%以下であることが好ましい。残留炭素が0.06質量%より多いと、窒化アルミニウム焼結体の緻密化が阻害され、色むらを生じる場合がある。本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法によれば、残留炭素0.06質量%以下の窒化アルミニウム焼結体を得ることが可能である。
窒化アルミニウム焼結体の相対密度は99.0%以上であることが好ましい。相対密度は、アルキメデス法により求めた焼結体密度を、助剤成分を加味した窒化アルミニウム焼結体の理論密度で除して求めた値である。焼結体の相対密度が99.0%未満であると、熱伝導性および抗折強度が低下する場合がある。本発明に係る窒化アルミニウム焼結体の製造方法によれば、相対密度99.0%以上の窒化アルミニウム焼結体を得ることが可能である。
窒化アルミニウム回路基板は、窒化アルミニウム焼結体に金属回路、放熱板を形成してなるものである。金属回路および放熱板用の金属板と窒化アルミニウム焼結体の接合方法は特に限定されないが、窒化アルミニウム焼結体と金属板との間にろう材を介在させ、真空中で、加熱・冷却するろう材接合法が好ましいものとして挙げられる。金属板の材質は、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデンやそれらの合金が一般的である。ろう材は、箔、粉末を用いてよいが、ペーストで用いることが好ましい。ペーストは、ろう材の金属成分に有機溶剤および必要に応じて有機結合剤を加え、ロール、ニーダー、万能混合機、らいかい機等の公知の混合機で混合することによって調製することができる。ペースト塗布方法は特に限定されず、スクリーン印刷法、ロールコーター法等の公知の方法を採用できる。
接合した金属板にエッチングレジストにより回路パターンを描いた後、エッチング行う。エッチングレジストの除去については、公知の方法を用いることができる。エッチングレジストは特に限定されず、例えば公知の紫外線硬化型や熱硬化型のものを用いることができる。また、エッチング液は、金属板の種類に応じて好適なエッチング液を選択して用いる。例えば金属が銅であるときには、塩化第2鉄溶液、塩化第2銅溶液、硫酸、過酸化水素水等が使用され、好ましいものとして、塩化第2鉄溶液、塩化第2銅溶液が挙げられる。
窒化アルミニウム回路基板の絶縁破壊電圧は、20kV/mm以上であることが好ましい。本発明でいう絶縁破壊電圧とは、JIS C2110に準じて試料に電圧を加えたときに破壊する最小電圧のことである。絶縁破壊電圧が20kV/mm未満であると、絶縁不良を起こす場合がある。本発明に係る窒化アルミニウム焼結体の製造方法によれば、絶縁破壊電圧が20kV/mm以上の窒化アルミニウム回路基板を得ることが可能である。
[実施例1]
直接窒化によって製造した窒化アルミニウム粉末を、空気中650℃で3時間加熱し、酸化処理を施した。酸化処理後の窒化アルミニウム粉末のd90とd10の差は2.2μm、酸素含有量は0.90質量%であった。酸化処理後の窒化アルミニウム粉末100質量部に酸化イットリウム粉末3.5質量部と酸化アルミニウム粉末2.8質量部を添加し、ボールミルにて1時間混合して原料粉末を得た。原料粉末100質量部にアクリル系樹脂バインダー8質量部、グリセリン2質量部、ステアリン酸4質量部、オレイン酸2質量部、イオン交換水4質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1分間混合し混合物を得た。次に、混合物を単軸押出機にて厚み0.8mmのシート状に成形し、成形体を金型付きプレス機により90mm×90mmの寸法に打ち抜いた。成形体には離型剤として窒化ホウ素粉を1mg/cmの塗布量で塗布した。
成形体を20枚積層し、図1及び図2に記載したプッシャー搬送式の連続炉の一端から供給し、窒素雰囲気中、表1に示す条件で脱脂・焼成することで窒化アルミニウム焼結体を作製した。表1に示す昇温速度とは、保持温度までの昇温速度および保持温度から焼結温度1820℃までの昇温速度を表している。得られた窒化アルミニウム焼結体の複合酸化物相、残留炭素、外観(色むらの有無)、熱伝導率、相対密度を測定した。結果を表1に示す。
得られた窒化アルミニウム焼結体に、金属回路及び金属放熱板としてアルミニウム板を以下の方法にて接合し、窒化アルミニウム回路基板を作製した。窒化アルミニウム焼結体の両面に70mm×70mm×0.2mmtのろう合金箔を貼付け、さらにその両面から70mm×70mm×0.2mmtのアルミニウム板を挟んだものを、カーボンスペーサーを隔てて10枚積層した。それをカーボン治具に設置した後、620℃で2時間保持して窒化アルミニウム焼結体とアルミニウム板を接合した。接合体の一主面には所定の形状の回路パターンを、もう一方の主面には放熱板パターンを形成させるため、UV硬化型レジストインクをスクリーン印刷した後、UVランプを照射させてレジスト膜を硬化させた。次いで、レジスト塗布した部分以外を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングした後、フッ化アンモニウム水溶液にてレジスト剥離し、図3に示すに窒化アルミニウム回路基板を作製した。得られた窒化アルミニウム回路基板の絶縁破壊電圧を評価した。結果を表1に示す。
〈使用材料〉
窒化アルミニウム粉末:1850℃以上に加熱した管状電気炉の頂部からアルミニウム粉末を噴射させてアルミニウム蒸気とし、管内に供給した窒素ガスと反応させて窒化アルミニウムを合成する直接窒化法により作製した。平均粒径1.5μm、酸素含有量0.80質量%。
酸化イットリウム粉末:信越化学工業社製、商品名「Yttrium Oxide」
酸化アルミニウム粉末:アドマテックス社製、商品名「AO−500」
アクリル系樹脂バインダー:ユケン工業社製、商品名「セランダーYB165L2」(主成分アクリル酸エステル。)
グリセリン:花王社製、商品名「エキセパール」
ステアリン酸:サンノプコ社製、商品名「ノプコセラLU−6418」
オレイン酸:和光純薬工業社製
窒化ホウ素粉:電気化学工業社製、商品名「デンカボロンナイトライドMGP」
アルミニウム板:三菱アルミニウム株式会社製、商品名「1085材」
ろう合金箔:東洋精箔株式会社製、商品名「A2017R−H合金箔」
UV硬化型レジストインク:互応化学工業株式会社製、商品名「PER−27B−6」
〈評価方法〉
粒度分布:ヘキサメタリン酸とアンモニアとイオン交換水を混合し、PH9になるように調製した分散媒40mgを50mlの容器に入れ、そこに窒化アルミニウム粉末1mgを添加して超音波ホモジナイザー(トミー精工社製「UD−200」)で1分間処理した後、日機装社製「マイクロトラック粒度分布測定装置9320HRA」により測定した。
酸素含有量:LECO社「酸素/窒素同時分析計」により測定した。
残留炭素:窒化アルミニウム焼結体を粉砕し、堀場製作所社製「固体中炭素分析装置EMIA−110にて分析した。
熱伝導率:10mm×10mmに加工した窒化アルミニウム焼結体を、アルバック理工社製「レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000」により測定した。
絶縁破壊電圧:JIS C2110に準じて測定した。
焼結体密度:アルキメデス法により測定した。
複合酸化物相:日本電子社製「JDX3500」を用いX線回折ピークを測定し、結晶粒界に偏析した複合酸化物相を調べた。
[実施例2]
保持温度を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
保持時間を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
昇温速度を0.4℃/分とし、1600〜1750℃の温度域での滞留時間を6.25時間としたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
窒化アルミニウム粉末の粒度分布を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
有機バインダーをセルロース系高分子に変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
〈使用材料〉
セルロース系高分子:信越化学工業社製、商品名「メトローズ60SH−4000」
[実施例7]及び[実施例8]
非酸化性ガスの流速を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例9]〜[実施例11]
焼結温度から1500℃までの冷却速度を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例12]
保持温度及び保持時間を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[実施例13]
保持温度、保持時間及び焼結温度から1500℃までの冷却速度を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
1600〜1750℃の温度域で保持を行わないこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[比較例2]〜[比較例5]
保持温度または保持時間を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。結果を表1に示す。
[比較例6]
窒化アルミニウム粉末の粒度分布を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。評価結果を表1に示す。
本発明により製造された窒化アルミニウム焼結体は、色むらがなく且つ高い熱伝導性を有するので、通常の回路基板はもとより、厳しい使用条件下で用いられる回路基板、例えばパワーモジュール用回路基板として好適な材料である。
実施例で使用した連続炉 図1の連続炉の断面図 窒化アルミニウム回路基板の一実施の態様を示す説明図
符号の説明
1 炉壁
2 アウターボックス
3 インナーボックス
4a 非酸化性ガス導入管
4b 非酸化性ガス導入管
4c 非酸化性ガス導入管
4d 非酸化性ガス導入管
5a 非酸化性ガス排出管
5b 非酸化性ガス排出管
5c 非酸化性ガス排出管
5d 非酸化性ガス排出管
6 窒化アルミニウム焼結体
7 窒化アルミニウム成形体
8 セッター
9 プッシャー
10 ヒーター
11 回路側金属板
12 放熱板側金属板
13 窒化アルミニウム基板

Claims (3)

  1. 窒化アルミニウム粉末、焼結助剤および有機バインダーを含む成形体を、非酸化性雰囲気中で脱脂と焼成を連続して行う窒化アルミニウム焼結体の製造方法において、体積基準累積粒度分布の累積90%粒子径と累積10%粒子径の差が3.0μm以下である窒化アルミニウム粉末を用い、焼成工程において1600〜1750℃の温度領域で4〜10時間保持した後、焼結温度まで昇温することを特徴とする、色むらのない窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 有機バインダーが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、及びメタクリル酸からなる群より選ばれた一種以上の単量体を重合してなるアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  3. 焼結温度から1500℃までを10〜25℃/分の冷却速度で冷却することを特徴とする請求項1又は2記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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