JP4850348B2 - ルーフ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉作動するルーフ部材を有するルーフ装置に係り、例えば、住宅等の建物のテラス用やバルコニ用、さらにはカーポート用等として利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
例えば、住宅の一階掃き出し窓の外側テラスに、目隠し用や日除け用等のためにルーフ装置が設置されることがある。このルーフ装置は、間隔を開けて配設された一対の側枠部材と、これらの側枠部材の間においてこれらの側枠部材に沿いながら住宅側の一方の端部と他方の端部の間で開閉移動可能となっているとともに、閉じ側へ下り勾配の傾斜角度を有しているルーフ部材と、このルーフ部材の閉じ側先端に設けられた先端部材と、ルーフ部材と共に移動するこの先端部材を案内させるために前記一対の側枠部材に設けられたガイドレールとを備え、これらのガイドレールに案内された先端部材と共にルーフ部材が移動することにより、ルーフ装置の屋根部分は開閉する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のルーフ装置では、このルーフ装置が屋外に設置されるものであるにもかかわらず、雨天時における雨仕舞いのための構造が必ずしも満足できるものではない。
【0004】
また、ルーフ部材が全閉状態になっていないときの雨水対策も必ずしも充分ではない。
【0005】
本発明の目的は、より確実な雨仕舞いが可能となるルーフ装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るルーフ装置は、間隔を開けて配設された一対の側枠部材と、これらの側枠部材の間においてこれらの側枠部材に沿いながら開閉移動可能となったルーフ部材とを備えているルーフ装置において、前記一対の側枠部材に、前記ルーフ部材におけるこれらの側枠部材側の両方の端部が挿入されたガイド部が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
このルーフ装置では、一対の側枠部材に、ルーフ部材におけるこれらの側枠部材側の両方の端部が挿入されたガイド部が設けられ、これにより、ルーフ部材の移動方向と直交又は略直交する方向においてルーフ部材とガイド部とが重複しているため、それぞれの側枠部材とルーフ部材との間には、この方向における隙間は存在していない。このため、隙間から雨水がルーフ装置の内部、すなわち閉状態となっているときのルーフ部材の下側の空間へ落下するのを防止でき、このため、従来のルーフ装置よりも雨仕舞いが改良されることになる。
【0008】
また、ルーフ部材におけるこれらの側枠部材側の両方の端部が側枠部材に設けられたガイド部に挿入されているため、風のあるときにこれらの両方の端部が風によってばたつくのを防止できる。
【0009】
このルーフ装置において、ガイド部の内部に挿入されるルーフ部材の側枠部材側の両方の端部は、単にガイド部の内部に挿入してもよく、あるいは、両方の端部にガイド部からの抜け止め部を設け、この抜け止め部により、ルーフ部材が側枠部材に沿いながら開閉移動するときや停止しているときにおいて、ガイド部から抜けるのを防止するようにしてもよい。
【0010】
また、このルーフ装置において、ルーフ部材の閉じ側先端に先端部材が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。先端部材が設けられている場合には、一対の側枠部材に、先端部材の両端部が挿入されて先端部材の移動を案内するガイドレールを設けてもよく、設けなくてもよい。
【0011】
このガイドレールを設ける場合には、前記ルーフ部材における側枠部材側の両方の端部を挿入するために一対の側枠部材に設ける前記ガイド部は、このガイドレールと同じものとしてもよく、このガイドレールとは別のものとしてもよい。
【0012】
ガイドレールとガイド部とを同じものとした場合には、部材の兼用化、構造の簡単化を図ることができる。
【0013】
さらに、ガイド部は、側枠部材とは別部材として形成されたガイド部材を側枠部材に結合することにより側枠部材に設けてもよく、あるいは、側枠部材の一部を変形加工等することにより側枠部材の一部として形成してもよい。
【0014】
また、上記ルーフ装置において、ルーフ部材を閉じ側へ下り勾配で傾斜させてもよく、傾斜させずに水平又は略水平としてもよく、開き側へ下り勾配で傾斜させてもよい。ルーフ部材を閉じ側へ下り勾配で傾斜させる場合には、ルーフ部材の閉じ側先端に樋を設けることが好ましい。
【0015】
これによると、閉じ側へ下り勾配で傾斜しているルーフ部材上に降った雨水は閉じ側へ流下するが、この雨水は樋に落下するため、ルーフ装置の内部へ落ちるのを防止できる。このため、より確実な雨仕舞いが可能となる。
【0016】
なお、このように、閉じ側へ下り勾配で傾斜しているルーフ部材の先端に樋を設ける場合においては、この樋はルーフ部材に直接設けてもよく、また、ルーフ部材の閉じ側先端に先端部材が設けられているときは、この先端部材に樋を設けてもよい。
【0017】
後者によると、ルーフ部材と樋とを構造的に独立させることができ、それぞれの製作を容易化できる。
【0018】
また、先端部材に樋を設ける場合においては、この樋を先端部材とは異なる部材で形成して先端部材に結合してもよく、あるいは、先端部材の一部の変形加工等によって先端部材の一部に樋を形成してもよい。
【0019】
また、本発明に係るルーフ装置は、間隔を開けて配設された一対の側枠部材と、これらの側枠部材の間においてこれらの側枠部材に沿いながら開閉移動可能となっているとともに、閉じ側へ下り勾配の傾斜角度を有しているルーフ部材と、このルーフ部材の閉じ側先端に設けられた先端部材とを備えているルーフ装置において、この先端部材に樋が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
このルーフ装置では、ルーフ部材が閉じ側へ下り勾配で傾斜し、したがって、ルーフ部材上に降った雨水は閉じ側へ流下するが、ルーフ部材の閉じ側先端には先端部材が設けられているとともに、この先端部材には樋が設けられているため、雨水はこの樋に落下し、ルーフ装置の内側へ落下するのを防止できる。これにより、ルーフ部材の閉じ側先端についてより確実な雨仕舞いが可能となる。
【0021】
また、このルーフ装置によると、ルーフ部材上に降った雨水を樋でルーフ装置の外部へ排水できるため、ルーフ部材の閉じ側への下り勾配角度をそれ程大きくしなくても雨水の処理を行え、このため、ルーフ部材の傾斜角度を、ルーフ装置が設置される場所やルーフの装置の用途等に応じて任意に設定できるようになる。
【0022】
このルーフ装置においても、先端部材に設けられる樋は、先端部材とは異なる部材で形成して先端部材に結合してもよく、あるいは、先端部材の一部の変形加工等によって先端部材の一部に樋を設けてもよい。
【0023】
また、このルーフ装置において、先端部材と樋との位置関係は任意であり、例えば、ルーフ部材上を流下した雨水がそのまま先端部材上も流下して先端部材の先端側又は先端部材の途中に設けられた樋に落下するようにしてもよく、あるいは、ルーフ部材における先端部材との連結端部又はこの連結端部の近くに1個又は好ましくは複数個の排水孔を形成し、樋をこのような排水孔の下側に配置させて先端部材に設けてもよい。
【0024】
後者によると、雨水は排水孔から落下して樋で受けられることになり、先端部材の先端又は先端部材の途中から雨水が樋へ落下するのを防止できる構造になるため、雨水を良好に処理でき、外観も良好となる。
【0025】
また、ルーフ部材が布等の可撓性を有するシート等の材料で形成されている場合には、排水孔は、ルーフ部材と先端部材との連結端部又はこの連結端部の近くであって、ルーフ部材の撓んで低くなるおそれのある低位箇所により多く又はより大きな開口面積で形成し、その排水可能量を大きくすることが好ましい。
【0026】
これによると、雨天時に雨水がルーフ部材上に降り、その雨水がルーフ部材の低く撓んだ低位箇所に多く集まっても、大きな排水可能量を有する排水孔によって有効に排水することができる。
【0027】
また、上述のように、ルーフ部材に形成された排水孔から雨水を落下させるようにする場合には、先端部材と、この先端部材に連結されたルーフ部材の連結端部との間には必ずしも高低差を設けなくてもよいが、先端部材の上面が連結端部よりも高くなった高低差を設けることがより好ましい。
【0028】
このような高低差を設けると、ルーフ部材上を流下した雨水は先端部材の高くなった段差部で一旦止められることになって、雨水がこの段差部で集水されるため、ルーフ部材の排水孔からの雨水の落下をより確実なものとすることができる。
【0029】
以上の本発明に係るそれぞれのルーフ装置において、ルーフ部材は全体又は略全体又は一部が布製、合成樹脂製等によるシートで形成されたものでもよく、複数のスラットの連設で形成されたものでもよく、複数のパネルの連設で形成されたものでもよく、これらのうちの少なくとも2つの複合で形成されたものでもよく、要するに、利用目的に応じた雨仕舞いに寄与する材料で形成されたものであれば、任意なものでよい。
【0030】
また、ルーフ部材の少なくとも一部をシートで形成する場合には、シートの部分に中桟等の補強部材を配置することが好ましい。これによると、シートが撓むのを防止できる。このように、シートの部分に中桟等の補強部材を設ける場合には、この補強部材に、前述した先端部材と同様に、樋を設けてもよい。
【0031】
また、ルーフ部材の少なくとも一部をシートで形成する場合には、前記排水孔を設ける部分をシートで形成することが好ましい。
【0032】
これによると、シートは金属等の他の材料と比較して加工が容易な材料であるため、排水孔を容易にルーフ部材に形成でき、また、シートを消耗品とすることもでき、耐久年数経過後又は一定期間経過後に交換することも可能となるから、ルーフ部材に常に開口した排水孔を設けるための部材として好ましいものとなる。
【0033】
さらに、前述したようにルーフ部材の閉じ側の先端に樋を設けた場合、及びルーフ部材の閉じ側先端に設けた先端部材に樋を設けた場合において、この樋に落下した雨水をその後どのように処理するかは任意である。
【0034】
その一例は、この樋を第1樋とし、この第1樋を前記一対の側枠部材のうちの少なくとも一方の側枠部材側へ延びるものとし、この一方の側枠部材には、側枠部材とは別部材として又は側枠部材の一部として、この側枠部材に沿って延び、第1樋の端部が臨む第2樋を設けることである。
【0035】
これによると、第1樋に落下した雨水は第2樋へ流れることになり、その後は、例えば、この第2樋からルーフ装置の柱等に設けられた縦樋等によってルーフ装置の外部へ導出させることができるとともに、第2樋は、側枠部材に沿って延びる長さを有しているため、ルーフ部材の全閉時は勿論のこと、ルーフ部材の半閉時等においても第1樋に落下した雨水を第2樋へ流出させることができるようになる。
【0036】
なお、雨天のときにルーフ部材は必ず又は略必ず全閉にされると考えてよいのであれば、第2樋を、全閉となったルーフ部材又は前記先端部材が当接するルーフ装置の前枠部材等に設けてもよく、また、ルーフ部材又は先端部材に樋を設けず、この前枠部材等に、ルーフ部材上や先端部材上を流下した雨水を受けるための樋を設けてもよい。
【0037】
以上説明した本発明に係るルーフ装置において、一対の側枠部材の間においてこれらの側枠部材に沿いながら開閉移動可能となっているルーフ部材は、巻取軸による巻き取り、繰り出しで開閉作動するようになっていてもよく、また、スライド移動で開閉移動するようになっていてもよく、さらには、展張、折り畳みにより開閉移動するようになっていてもよく、開閉作動するための形態は任意である。
【0038】
また、本発明におけるルーフ部材の開閉移動とは、ルーフ部材の移動機構に応じてなされるルーフ部材の巻き取り、繰り出しやスライド移動、展張、折り畳み等によるルーフ部材先端の前進後退であり、ルーフ部材が閉移動したときには、ルーフ部材でルーフ装置の屋根部分が遮蔽され、ルーフ部材が開移動したときには、この屋根部分が開放される。
【0039】
なお、ルーフ部材を開閉移動させるための移動機構は、任意であり、例えば、ルーフ部材の閉移動と開移動の両方をモーター等の駆動源や重力を用いた自動式としてもよく、これらの両方を手で操作する操作部材による又は直接手で操作する手動式としてもよく、閉移動と開移動の一方をモーター等の駆動源や重力を用いた自動式とし、他方を手で操作する操作部材による又は直接手で操作する手動式としてもよい。
【0040】
また、以上説明した本発明に係るルーフ装置は、開閉作動するルーフ部材によって屋根部分だけが開閉し、この屋根部分の下側の空間の周囲前面や側面等における少なくとも一部が常時開放されたものでもよく、あるいは、周囲前面や側面等における少なくとも一部が常時閉鎖されたものでもよい。
【0041】
また、この周囲前面や側面等における少なくとも一部を開閉体で開閉自在としてもよい。これによると、ルーフ装置全体で開閉される箇所が屋根部分を含めて複数となり、多機能性を有することになるため、本発明に係るルーフ装置を目隠し用や日除け用、植物栽培用等の各種用途で用いることができる。
【0042】
このように、屋根部分以外に、周囲の少なくとも一部を開閉体で開閉自在とする場合には、開閉作動するルーフ部材の移動範囲を屋根部分を越えてこの周囲の一部まで達する範囲とし、これにより、同じルーフ部材によって屋根部分と周囲の一部とを開閉するようにしてもよい。
【0043】
また、以上説明した本発明に係るルーフ装置は、住宅等の建物の掃き出し窓の外側テラスやバルコニ、屋上テラス等に設置することができ、また、カーポート用等としても用いることができ、その用途、使用形態等は任意である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態に係るルーフ装置を図面に基づいて説明する。図1に示されている本実施形態に係るルーフ装置1は、住宅2の一階の掃き出し窓2Aの外側テラス2Bに設置された掃き出し窓テラス用のものである。
【0045】
ルーフ装置1の骨組みは、テラス2Bに左右2本設置された柱10と、これらの柱10の上端間に掃き出し窓2Aと平行に架設された前枠部材11と、この前枠部材11から住宅2の外壁2C側へ平行に延びる左右一対の側枠部材12と、これらの側枠部材12の間に配置されているとともに、外壁2Cに取り付けられたボックス13とで形成されている。
【0046】
図2は、ルーフ装置1の屋根部分1Aを示す平面図である。屋根部分1Aは、前枠部材11と左右の側枠部材12とボックス13とで外周四辺が形成された四角形となっており、この四角形の内側開口部がルーフ部材14で開閉されるようになっている。そして、ルーフ部材14の先端には先端部材15が連結されている。
【0047】
このため、これらのルーフ部材14と先端部材15を含んで屋根部分1Aを開閉するための開閉体Aが形成されている。
【0048】
図3は図2のS3−S3線断面図である。この図3に示されているように、左右の側枠部材12は住宅2側から前枠部材11側へ下り勾配で傾斜しており、これらの側枠部材12の間において側枠部材12に沿いながら開閉作動するようになっているルーフ部材14は、屋根部分1Aにおける住宅2側の端部から前枠部材11側の端部へと下り勾配で移動することにより閉じ作動するようになっている。したがって、先端部材15は、ルーフ部材14の閉じ側先端に設けられている。
【0049】
ボックス13の内部には巻取軸16が回転自在に収納され、また、前枠部材11の内部には回転軸17が回転自在に収納されている。巻取軸16にはルーフ部材14の住宅2側の端部が結合されていてこのルーフ部材14が巻き取られており、回転軸17には、先端部材15に一端が結合された金属製ワイヤー又は合成樹脂製紐等による紐状部材18の他端部が結合されていて、この紐状部材18が巻き取られている。また、この紐状部材18は、図2に示されているとおり、先端部材15の長さ方向である左右方向に2本ある。
【0050】
図3の巻取軸16と回転軸17は、これら毎に個別に設けられた図示外のモータで同期して正逆回転し、正回転したときには、ルーフ部材14が巻取軸16から繰り出されるとともに、紐状部材18は回転軸17に巻き取られ、逆回転したときには、ルーフ部材14が巻取軸16に巻き取られるとともに、紐状部材18は回転軸17から繰り出される。これにより、閉じ側へ下り勾配で傾斜しているルーフ部材14が側枠部材12に沿いながら開閉作動するようになっている。
【0051】
なお、巻取軸16と回転軸17とをスプロケットやチェーン等による同期回転手段で連結し、巻取軸16と回転軸17のうちの一方に接続したモータでこの一方を回転させることにより、他方を連動させて同期回転させるようにしてもよい。
【0052】
図1で示すように、本実施形態に係るルーフ装置1では、左右の柱10の間の開口部も上下動する開閉体19で開閉されるようになっている。具体的には、左右の柱10の間には中間柱20が設けられ、この中間柱20の左右両側のそれぞれの開口部毎に開閉体19が配置されている。それぞれの開閉体19は、シート部材19Aと、このシート部材19Aの下端に結合された水切り部材19Bとからなり、シート部材19Aの上端は、柱10と中間柱20との間において前枠部材10の下部に設けられているボックス21の内部に挿入されている。
【0053】
図3に示されているとおり、このボックス21の内部には巻取軸22が回転自在に収納されており、シート部材19Aの上端が結合されているこの巻取軸22が図示外のモータで正逆回転することにより、巻取軸22による開閉体19の巻き取り、繰り出しがなされる。これにより、中間柱20の左右両側の開口部がそれぞれの開閉体19で開閉され、この開閉のための開閉体19の上下動は、柱10と中間柱20のそれぞれの側面に設けられているガイドレール23で開閉体19が案内されながらなされる。
【0054】
以上において、ルーフ部材14及びシート部材19Aは、防水性と遮光性を有する布製又は合成樹脂製等のシート材料で形成されている。
【0055】
なお、図面で示されている本実施形態に係るルーフ装置1は、左右の柱10の間である前面開口部だけが開閉体19で開閉されるようになっているが、左右の側面も、図1の二点鎖線で示す水平梁24と住宅2側の柱25とを設けることにより、開閉体19と同様な開閉体で開閉できるようにしてもよい。
【0056】
図4は、図3のS4−S4線断面図である。左右一対の側枠部材12の互いに対向する内側の側面にはガイドレール26が取り付けられており、図1に示すように、それぞれの側枠部材12の全長に亘って延びているこれらのガイドレール26には、図4に示すとおり、ルーフ部材14の左右の側端部14A及び先端部材15の左右の側端部15Aが挿入されたガイド溝26Aが形成され、このガイド溝26Aはガイドレール26の全長に亘って形成されている。また、先端部材15の側端部15Aは、この側端部15Aを除く先端部材15の本体部15Bよりも上下寸法が小さい薄厚状となっており、側端部15Aと本体部15Bとの間の段差部がガイドレール26の側面に当接することにより、左右のガイドレール26に間において、ルーフ部材15と先端部材16を含んで形成されている屋根部分1Aの前述した開閉体Aが左右方向に位置決めされている。
【0057】
このため、開閉体Aは、左右のガイドレール26で左右方向に位置決めされかつ案内されながら屋根部分1Aを開閉作動するようになっており、ガイドレール26は、ルーフ部材14と先端部材15の移動を案内するためのガイド部を側枠部材12に形成するものとなっている。そして、ルーフ部材14と先端部材15を含んで形成されている開閉体Aの左右の側端部のうち、巻取軸16に巻き取られていなくて屋根部分1Aに露出している部分は、常時ガイドレール26の内部に挿入されている。
【0058】
図5は、図4のS5−S5線断面図である。ルーフ部材14における先端部材15との連結端部14Bの近くには、排水孔27が形成されている。この排水孔27は、図2に示されているように、ルーフ部材14の幅方向(左右方向)に複数個形成され、それぞれの排水孔27は左右方向に長い長孔である。これにより、ルーフ部材14上に降った雨水が排水孔27の箇所で左右方向に延伸した場合に、有効に排水できるようになっている。また、図5に示すとおり、先端部材15の下面には樋部材28が結合され、上向きに開口部しているこの樋部材28は、先端部材15を越えてルーフ部材14側へ延びる幅寸法を有し、このため、樋部材28は排水孔27の下側に配置されている。
【0059】
また、ルーフ部材14の連結端部14Bは先端部材15の上面15Cよりも低い位置となっており、このため、この上面15Cと連結端部14Bとの間には、上面15Cが高くなった高低差の段差部15Dが存在している。
【0060】
また、先端部材15に設けられた樋になっている樋部材28は、図2に示されているとおり、左右一対の側枠部材12の方向へ延びている。それぞれの側枠部材12には、図4で示すように、ガイドレール26の下側において樋部材29が結合され、先端部材15に設けられた樋部材28の両方の端部28Aは、上方からこの樋部材29に臨んでいる。
【0061】
図2で示すように、側枠部材12の樋となっている樋部材29は、側枠部材29の前記ボックス13側の端部から前記前枠部材11の近くまで延び、その先端部29Aは、図3で示すように、前枠部材11の下部において前記ボックス21上面及び中間柱20の上部に配置されている樋部材30に上方から臨んでいる。前枠部材11の樋となっているこの樋部材30は、前枠部材11の全長に亘って設けられ、その一方の端部は、図1で示した左右の柱10のうちの一方に沿って配設されている縦樋部材31に接続されている。
【0062】
以上において、先端部材15の樋部材28は第1樋部材であり、側枠部材12の樋部材29は第2樋部材で、前枠部材11の樋部材30は第3樋部材である。
【0063】
以上の本実施形態に係るルーフ装置1では、雨天時に降った雨水がルーフ部材14上に落ちると、このルーフ部材14は閉じ側へ下り勾配で傾斜しているため、そのまま先端部材15側へルーフ部材14上を流下する。また、ルーフ部材14の左右の側端部14Aは、側枠部材12のガイド部となっているガイドレール26の内部に先端部材15の左右の側端部15Aと共に挿入されているため、ガイドレール26の近くに降った雨水もルーフ部材14上を先端部材15側へ流下する。
【0064】
ルーフ部材14上を流下して先端部材15に達した雨水は、図5で示されているように、ルーフ部材14と先端部材15との間に先端部材15の上面15Cが高くなった高低差の段差部15Dが存在するため、この段差部15Dで止められて集水されることになり、そして、段差部15Dは左右方向に延びているため、段差部15Dに沿って左右方向に延伸した雨水は左右方向に長い排水孔27から先端部材15の第1樋部材28へ落下する。この後、雨水は第1樋部材28に沿って流下し、左右一対の側枠部材12に設けられている第2樋部材29へ落下する。
【0065】
なお、第1樋部材28から両方の第2樋部材29へ確実に雨水が流れるように、第1樋部材28の長さ方向中央部を高くしてこの第1樋部材28を先端部材15に配置してもよい。このためには、例えば、図5で示されている第1樋部材28の長さ方向両端部と先端部材15との間にスペーサを介在させればよい。
【0066】
第2樋部材29に達した雨水は、この第2樋部材29が側枠部材12と同じく、ルーフ部材14の閉じ側へ下り勾配で傾斜しているため、前枠部材11側へ流下し、そして、前枠部材11の第3樋部材30へ落下する。この後、雨水は、図1で示されている縦樋部材31へ達し、この縦樋部材31からルーフ装置1の外部へ排水されることになる。
【0067】
以上説明した本実施形態によると、ルーフ部材14の左右の側端部14Aは側枠部材12のガイド部となっているガイドレール26の内部に挿入され、これらの側端部14Aとガイドレール26との間には、ルーフ部材14の移動方向と直交又は略直交する方向における隙間がないため、この隙間から雨水がルーフ装置1の内部の空間に落下するのを防止できることになり、ルーフ部材14の左右両側部についてのより確実な雨仕舞いが可能となる。
【0068】
また、ルーフ部材14の左右の側端部14Aがガイドレール26の内部に挿入されているため、強風時にこれらの側端部14Aがばたつくのを防止できる。
【0069】
さらに、ルーフ部材14の左右の側端部14Aが挿入されたガイドレール26は、先端部材15の移動を案内するためのガイドレールにもなっているため、部材を兼用化でき、少ない部材点数で構造の簡単化を図ることができる。
【0070】
また、ルーフ部材14における先端部材15との連結端部14Bの近くには排水孔27が形成され、この排水孔27の下側に先端部材15の樋部材28が配置されているため、ルーフ部材14上を先端部材15側へ流下した雨水は、先端部材15を越えることなく、排水孔27から樋部材28へ落下することになる。このため、雨水が先端部材15を越えてルーフ装置1の内部の空間に落下するのを防止でき、この箇所でのより確実な雨仕舞いも可能となる。
【0071】
さらに、先端部材15とルーフ部材14の連結端部14Bとの間には、先端部材15の上面15Cが高くなった段差部15Dがあるため、先端部材15の手前に達した雨水はこの段差部15Dで集水され、より確実に排水孔27から樋部材28へ落下する。
【0072】
また、排水孔27は左右方向に長い長孔であるため、段差部15Dで左右方向に延伸する雨水を有効に排水孔27から樋部材28へ落下させることができる。
【0073】
また、ルーフ部材14はシートで形成されているため、ルーフ部材14はその自重によって左右方向の中央部が下方に撓んだ状態になっており、このため、ルーフ部材14上を流下する雨水は自ずとルーフ部材14の左右方向中央部へ集まりながら先端部材15側へ流下することになり、先端部材15もその自重で左右方向の中央部が低くなった状態に多少撓むため、先端部材15の左右の端部から雨水が落下することはない。
【0074】
さらに、以上のようにルーフ部材14上に降った雨水をより確実に排水孔27や第1樋部材28を介してルーフ装置1の外部へ排出できるため、ルーフ部材14の閉じ側へ下り勾配角度をそれ程大きくしなくても雨水の排出を行えることになる。この結果、ルーフ部材14の傾斜角度を、例えば、このルーフ装置1が付設される住宅の構造や形状等に応じて任意に定めることが可能になり、ルーフ装置1の外観性を向上させることもできる。
【0075】
また、ルーフ部材14はシートで形成されているため、ルーフ部材14に排水孔27を容易に形成できる。
【0076】
また、シート製のルーフ部材14は消耗品であって、先端部材15に接着又はビス等で取り外し可能に取り付けられ、耐久年数経過後や一定期間経過後に交換されるものであるため、交換されるそれぞれのルーフ部材14に排水孔27を設けておくことにより、ルーフ装置1で用いられているルーフ部材14により確実に開口状態となった排水孔27を設けておくことができる。
【0077】
また、先端部材15に設けられた第1樋部材28の端部28Aが臨む側枠部材12の第2樋部材29は、側枠部材12の長さ方向に延びているため、雨水が、ルーフ部材14を全閉状態としているときは勿論のこと、半閉状態等の所望の閉状態としているときに降ってきても、第1樋部材28を流下した雨水を第2樋部材29で受けることができる。
【0078】
また、本実施形態に係るルーフ装置1は、屋根部分1Aだけではなく、前面開口部も開閉体19で開閉自在となっているため、このルーフ装置1を幅広く目隠し用や日除け用、さらには雨除け等の用途で用いることができるようになり、各種の目的、各種の場所で使用できる多機能化を達成できる。
【0079】
なお、以上の本実施形態に係る効果の説明は雨天時の雨水についてであったが、降った雪等が溶け、これが水となった場合にも、以上と同じ効果を達成できる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によると、より確実な雨仕舞いが可能となるいう効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る掃き出し窓テラス用のルーフ装置の全体斜視図である。
【図2】図1のルーフ装置の屋根部分を示す平面図である。
【図3】図2のS3−S3線断面図である。
【図4】図3のS4−S4線断面図である。
【図5】図4のS5−S5線断面図である。
【符号の説明】
1 ルーフ装置
11 前枠部材
12 側枠部材
14 ルーフ部材
15 先端部材
16 巻取軸
26 側枠部材のガイド部を形成するガイドレール
27 排水孔
28 先端部材の樋(第1樋)である樋部材
29 側枠部材の樋(第2樋)である樋部材
30 前枠部材の樋である樋部材
Claims (7)
- 間隔を開けて配設された一対の側枠部材と、これらの側枠部材の間においてこれらの側枠部材に沿いながら開閉移動可能となったルーフ部材とを備えているルーフ装置において、
前記一対の側枠部材に、前記ルーフ部材におけるこれらの側枠部材側の両方の端部が挿入されたガイドレールが設けられており、前記ルーフ部材は閉じ側へ下り勾配の傾斜角度を有しているとともに、このルーフ部材の閉じ側先端に樋が設けられ、
前記ルーフ部材の閉じ側先端にこのルーフ部材と結合された先端部材が設けられ、この先端部材における前記側枠部材側の側端部は、この側端部を除く前記先端部材の本体部よりも上下寸法が小さくなっており、前記側端部が前記ガイドレールの内部に挿入されることにより、前記側端部と前記本体部との間の段差部が前記ガイドレールの側面に当接し、
前記樋は第1樋であり、この第1樋は前記一対の側枠部材のうちの少なくとも一方の側枠部材側へ延びており、この一方の側枠部材には、この側枠部材に沿って延び、前記第1樋の端部が臨む第2樋が設けられ、
前記第2樋は前記ガイドレールの下側に配置され、この第2樋は、前記一対の側枠部材の間隔方向に対向している外側壁部と内側壁部とを有するとともに、前記外側壁部の上下寸法は前記内側壁部の上下寸法よりも大きくなっており、前記第1樋の前記端部は前記内側壁部の上端を越えて前記第2樋の内部に臨んでいるとともに、前記外側壁部の上端は前記ガイドレールの下面に達していることを特徴するルーフ装置。 - 請求項1に記載のルーフ装置において、前記ルーフ部材における前記先端部材との連結端部又はこの連結端部の近くには排水孔が形成され、前記第1樋はこの排水孔の下側に配置されていることを特徴とするルーフ装置。
- 請求項2に記載のルーフ装置において、前記排水孔は、前記ルーフ部材の幅方向に長い長孔であることを特徴とするルーフ装置。
- 請求項2又は3に記載のルーフ装置において、前記先端部材と、この先端部材に連結された前記ルーフ部材の連結端部との間には、先端部材の上面が連結端部よりも高くなった高低差があることを特徴とするルーフ装置。
- 請求項2〜4のいずれかに記載のルーフ装置において、前記ルーフ部材のうちの少なくとも前記排水孔が形成されている部分はシートで形成されていることを特徴とするルーフ装置
- 請求項1〜5のいずれかに記載のルーフ装置において、前記第1樋の長さ方向中央部は、この第1樋の長さ方向両端部よりも高くなっており、前記第2樋は、前記一対の側枠部材の両方に設けられていることを特徴とするルーフ装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のルーフ装置において、前記ルーフ部材で開閉される屋根部分の下側は空間になっており、この空間の周囲のうちの少なくとも一部が開閉体で開閉自在となっていることを特徴とするルーフ装置。
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