JP4846784B2 - ビークル走行軌跡計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や船舶等のようなビークル(vehicle)に搭載された移動局と、地上に固定された基準局とを有し、GPS(Global Positioning System;汎地球測位システム)から発信されるGPS信号等に基づいてビークルの走行軌跡を計測するビークル走行軌跡計測装置に関する。
従来では、GPS信号等に基づいて自動車の走行軌跡を計測する自動車走行軌跡計測装置に関する技術の一例が開示されている(例えば非特許文献1を参照)。この技術では、自動車の走行中は各種データ(例えばGPS信号や慣性データ等)を蓄積するのみとし、走行終了後に当該自動車の走行軌跡を求める。
飯沼裕美他:自動車走行軌跡計測装置の開発および実用性確認試験結果、自動車技術会学術講演会前刷集,No.1-99,9931891,p17-20
非特許文献1に記載された自動車走行軌跡計測装置では、走行終了後にしか自動車の走行軌跡を求めることができないという問題点がある。仮に走行中にGPS信号や慣性データ等に基づいて自動車の走行軌跡を求めようとしても、慣性データの積分誤差等の影響を受けたり、計算量が多くて処理が追いつかない等の理由により、実際の走行軌跡とは異なる走行軌跡になってしまっていた。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、実時間で実際の走行軌跡と同等の走行軌跡が得られるビークル走行軌跡計測装置を提供することを目的とする。
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、自動車や船舶等のようなビークルに搭載された移動局と、地上に固定された基準局とを有し、GPS衛星群から発信されるGPS信号等に基づいてビークルの走行軌跡を計測するビークル走行軌跡計測装置であって、
前記移動局には、前記GPS信号に基づいてビークルの位置を測位するビークル位置測位手段と、ビークルの姿勢角や加速度を検出するIMU(Inertial Measurement Unit;慣性姿勢計測装置)とを備え、
前記基準局には、前記GPS信号に基づいて基準局の位置を測位する基準局位置測位手段を備え、
前記移動局で観測されたビークルの位置や姿勢角,加速度を含む第1データと、前記基準局で観測された基準局の位置を含む第2データとを受けて、次に示す式(1)および式(2)からなる運動方程式に基づいて実時間でビークルの走行軌跡を計測する実時間融合処理装置を有することを要旨とする。
Figure 0004846784
式(1)および式(2)に記載した変数や定数は、次の通りである。すなわち、Rは位置ベクトル(position vector)を表し、上記第1データと第2データの両方のデータを用いてキネマティック測位計算して求める。Vは速度ベクトル(velocity vector)を表し、上記位置ベクトルR と後述する加速度計測定ベクトルAとから推定して求める。Aは第1データに含まれる加速度から地球座標へ変換した形で求められる加速度計測定ベクトル(accelerometer measurement vector)を表す。εdaはドライバの運転の揺らぎによる加速度変化率(fluctuation of acceleration vector{jerk})を表し、白色雑音をローパスフィルタで有色化して求める。wdaは駆動雑音(system noise)を表し、上記加速度計測定ベクトルAから加速度のパワースペクトルのDC成分として求める。Iは単位行列を表す。νRgはGPS観測データの観測雑音(observation noise)を表し、ビークルの走行状態によらず同一であるものとみなして計算を行う。νは加速度データの観測雑音を表し、ビークルの走行状態によらず同一であるものとみなして計算を行う。ΔTはIMU測定装置26の離散時間サンプリングタイム間隔時間(例えば0.01秒間)を表す定数値である。αは所定の角周波数(=1/時定数)を表す定数値である。 は観測ベクトルを表し、式(1)および式(2)を用いて求める。
また、上記各変数および定数の定義に用いた変数や関数は、次の通りである。すなわち、Qは駆動雑音の共分散を表し、ビークルの走行状態によらず同一であるものとみなして計算を行う。qは観測雑音の共分散を表し、ビークルの走行状態によらず同一であるものとみなして計算を行う。δはクロネッカーのデルタである。Eは期待値を表す関数である。
第1データには、例えばGPS信号のデータ(以下では単に「GPSデータ」と呼ぶ。)や、ビークルの位置,加速度,角速度,姿勢角などが該当する。第2データには、例えばGPSデータなどが該当する。なお、ビークルの位置は第1データおよび第2データの双方に含まれるGPSデータを用いてキネマティック測位計算することで求める。解決手段1では、次の四つの方法を用いて上記の式(1)および式(2)を得る。
(a)回転系の状態量である姿勢角はカルマンフィルタで推定せず、IMUからの姿勢角をそのまま使用することで、状態方程式は並進系のみを扱い、カルマンフィルタの推定の対象とする。
(b)加速度の座標変換をカルマンフィルタの外で計算することにより、状態方程式のシステム行列内の座標変換を除くことができるので、座標系の慣性系(地球座標系)に統一し、かつ状態方程式を線形化する。
(c)位置は測位精度が良好なGPS測位値で補正するので、センサバイアスの長周期モデルであるセンサバイアスモデルを除く。
(d)加速度データのパワースペクトルのDC成分(直流成分およびそれに近い成分を指す)をドライバの運転の揺らぎとして、システムの駆動源(システム雑音;以下では「駆動雑音」と呼ぶ。)とみなす。
上述した四つの方法によって得られた式(1)および式(2)によれば、状態方程式が線形で極めて簡単な形で表されるので、慣性データの積分誤差等の影響を排除し、計算量が少なくなって処理も迅速に行える。したがって、ビークルの走行中において、実時間で実際の走行軌跡と同等の走行軌跡を得ることができる。
(2)解決手段2は、自動車や船舶等のようなビークルに搭載された移動局と、地上に固定された基準局とを有し、GPS衛星群から発信されるGPS信号等に基づいてビークルの走行軌跡を計測するビークル走行軌跡計測装置であって、
前記移動局には、前記GPS信号に基づいてビークルの位置を測位するビークル位置測位手段と、ビークルの姿勢角を検出するIMUとを備え、
前記基準局には、前記GPS信号に基づいて基準局の位置を測位する基準局位置測位手段を備え、
前記移動局で観測されたビークルの位置や姿勢角を含む第1データと、前記基準局で観測された基準局の位置を含む第2データとを受けて、次に示す式(3)および式(4)からなる運動方程式に基づいて実時間でビークルの走行軌跡を計測する実時間融合処理装置を有することを要旨とする。
Figure 0004846784
解決手段2によれば、上述した四つの方法を用いて式(3)および式(4)を得る。解決手段1がドライバの運転の揺らぎを加速度変化率(ジャーク)εとして解釈したモデルを採用したのに対して、解決手段2ではドライバの運転の揺らぎを加速度Aとして解釈したモデルを採用した点で異なる。
(3)解決手段3は、解決手段1に記載したビークル走行軌跡計測装置であって、IMUで観測して更新されるデータの周波数をビークル位置測位手段で更新されるデータの周波数よりも高くし、
実時間融合処理装置は、前記ビークル位置測位手段で得られるデータの相互間におけるデータを前記IMUで得られるデータを用いて補間するカルマンフィルタを有することを要旨とする。
解決手段3によれば、ビークル位置測位手段の更新周波数が低く、これのみでは滑らかでない走行軌跡であって、さらにIMUとビークル位置測位手段とで処理する周波数が異なっていても、カルマンフィルタがIMUで得られる高い更新周波数のデータを用いて補間を行うので、滑らかな走行軌跡を得ることができる。
(4)解決手段4は、解決手段に記載したビークル走行軌跡計測システムであって、カルマンフィルタは、第1データおよび第2データの双方に含まれるGPSデータを用いてキネマティック測位計算して得られたビークルの位置と、IMUによって得られたビークルの加速度とを用いて、ビークルの横角を推定するように構成したことを要旨とする。
解決手段4によれば、カルマンフィルタはビークルの横滑角を推定するので、走行軌跡だけでなく、走行中の状態(ビークルの横滑角)をきめ細かく得ることができる。
本発明によれば、慣性データの積分誤差等の影響を排除し、計算量が少なくなって処理も迅速に行うので、ビークルの走行中において実時間で実際の走行軌跡と同等の走行軌跡を得ることができる。
本発明の構成例を模式的に表す図である。 第1ドライバモデルを模式的に表す図である。 第2ドライバモデルを模式的に表す図である。 カルマンフィルタの構成を模式的に表す図である。 カルマンフィルタの時間更新および観測更新を説明する図である。 観測雑音を有色化したシステムモデルを表す図である。 観測雑音を有色化したカルマンフィルタを表す図である。 走行軌跡の一例を表す図である。 走行軌跡の一例を表す図である。 走行中の速度を(A)に表し、横滑角を(B)に表した図である。
符号の説明
10 GPS衛星群
20 移動局
22,32 GPS受信部
24,34,42 データ処理部
26 IMU測定装置
28 操作端末
30 基準局
40 実時間融合処理装置
50 ローパスフィルタ
52 積分器
D1 第1データ
D2 第2データ
遷移行列
観測行列
カルマンゲイン
P 推定誤差共分散行列
Q 駆動雑音の共分散
位置ベクトル
V 速度
駆動雑音
A 加速度
u 横速度
v 縦速度
β 横滑角
ν 観測雑音行列
νRg GPS観測データの観測雑音
ν 加速度データの観測雑音
本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図10を参照しながら説明する。
図1には、ビークル走行軌跡計測装置の構成例を模式図で表す。ビークル走行軌跡計測装置は、移動局20や、基準局30、実時間融合処理装置40などを有する。移動局20は自動車や船舶,飛行機等のようなビークル(すなわち移動体)に搭載されるのに対し、基準局30は地上に固定される。
移動局20は、GPS受信部22や、データ処理部24、IMU測定装置26、操作端末28などを有する。GPS受信部22は、GPS衛星群10(すなわち4つ以上のGPS衛星)からそれぞれ発信されるGPS信号を受信する。IMU測定装置26は、ビークルの姿勢角や加速度等を検出する。データ処理部24はビークル位置測位手段に相当し、GPS受信部22によって受信されたGPS信号を含めてGPSデータと時系列期を取ってデータ処理部42に送信する。操作端末28は、データ処理部24でビークルの位置を測位するに当たって必要な所定値を入力する。
基準局30は、GPS受信部32やデータ処理部34などを有する。GPS受信部32は、上述したGPS受信部22と同様にして、GPS衛星群10からそれぞれ発信されるGPS信号を受信する。データ処理部34は基準局位置測位手段に相当し、GPS受信部32によって受信されたGPS信号に基づいて基準局30の位置を測位する。
実時間融合処理装置40はデータ処理部42などを有する。このデータ処理部42は、移動局20で観測されたビークルの位置や姿勢角,加速度を含む第1データD1と、基準局30で観測された基準局30の位置を含む第2データD2とを受けて、実時間でビークルの走行軌跡を計測する。第1データD1には、例えばGPSデータや、ビークルの位置,加速度(A),角速度(ω),姿勢角(w)などが該当する。第2データD2には、例えばGPSデータなどが該当する。本例ではデータ処理部24,34に送信器を備え、データ処理部42に受信器を備えている。すなわちデータ処理部42は、データ処理部24から第1データD1を受け、データ処理部34から第2データD2を受けてビークルの走行軌跡を計測する。なお、ビークルの現在位置(後述する位置ベクトルRに相当する)は、第1データD1および第2データD2の双方に含まれるGPSデータを用いてキネマティック測位計算して求める。
次に、データ処理部42でビークルの走行軌跡を計測するにあたっての計算式(運動方程式)について説明する。まず、ドライバの運転の揺らぎを加速度変化率(ジャーク)εとして解釈したドライバモデル(以下では「第1ドライバモデル」と呼ぶ。)を用いる。「ドライバの運転の揺らぎ」は、運転という不確定性のある駆動雑音を意味する。
第1ドライバモデルは、駆動雑音Wを入力とし、加速度Aを出力とするモデルであって図2に示すようなブロック図になる。このモデルでは、白色雑音を駆動雑音Wとして、ローパスフィルタ50(整形フィルタ)を通過させることで有色化したドライバの運転の揺らぎεdaをさらに、積分器52で積分して加速度Aの揺らぎとする。
また、簡略化を図るための四つの方法を以下に示す。
(a)回転系の状態量である姿勢角はカルマンフィルタで推定せず、IMUからの姿勢角をそのまま使用する。こうすることで従来の状態方程式に含まれていた回転系の状態変数[w,ω,εdω]を削除できるので、状態方程式は並進系のみを扱うことができ、カルマンフィルタの推定の対象とする。
(b)加速度の座標変換をカルマンフィルタの外で計算することにより、状態方程式のシステム行列内の座標変換行列を除く。こうすることで座標系の慣性系(地球座標系)に統一し、かつ状態方程式を線形化する。
(c)位置は測位精度が良好なGPS測位値で補正する。こうすることで、センサバイアスの長周期モデルであるセンサバイアスモデルを除く。
(d)加速度データのパワースペクトルのDC成分(直流成分およびそれに近い成分を指す)をドライバの運転の揺らぎとして、駆動雑音とみなす。すなわち従来では何らかの駆動雑音源としていたεdaを「ドライバの運転の揺らぎ」として定義した。
従来におけるビークルの運動を並進系と回転系とを併せて記述した運動方程式(以下では「状態方程式」と呼ぶ。)に対して、上述した第1ドライバモデルおよび4つの簡略法を適用すると、次のような式(1)および式(2)になる。
Figure 0004846784
式(1)を集約した行列表現にすると、次の(i)式になる。同様にして式(2)を集約した行列表現にすると、次の(ii)式になる。また、式中のyは観測ベクトル(observation vector)である。なお、以下では便宜上括弧内の表記を用いて説明する。
Figure 0004846784
次に、上述した第1ドライバモデルとは別個に、ドライバの運転の揺らぎを加速度Aとして解釈したモデル(以下では「第2ドライバモデル」と呼ぶ。)を用いる。第2ドライバモデルは、駆動雑音Wを入力とし、加速度Aを出力とするモデルであって図3に示すようなブロック図になる。このモデルでは、白色雑音を駆動雑音Wとして、ローパスフィルタ50(整形フィルタ)を通過させることで有色化した加速度Aの揺らぎとする。
第1ドライバモデルの場合と同様にして、従来の状態方程式に対して第2ドライバモデルおよび4つの簡略法を適用すると、次のような式(3)および式(4)になる。
Figure 0004846784
通常の離散時間形のカルマンフィルタにおいては、フィルタの状態更新レート(時間更新周波数)と観測値を反映するレート(観測周波数)が同じである。本発明では、これらのレート(すなわち周波数)が異なるカルマンフィルタ、具体的には時間更新周波数が観測周波数よりも高くなるように構成したカルマンフィルタを用いた。このカルマンフィルタをブロック図で表すと図4のようになる。
図4に記載した変数や定数のうち、遷移行列Fと観測行列Hについて上述した通りである。Xは状態ベクトル(state vector)を表すが、推定値であることを明示するために「^」を冠している。z−1は前回のサンプリングで得られた離散系伝達特性を表す。カルマンゲインKは次に示す式(5)のように、P(推定誤差共分散),H(観測行列)およびR(観測誤差共分散)を用いて導出される。初期条件や、フィルタ方程式、推定誤差共分散などについては次の通りである。
Figure 0004846784
図4に表したカルマンフィルタにおいて、例えば観測更新ループL1における観測周波数を5[Hz]に設定し、時間更新ループL2における時間更新周波数を100[Hz]に設定した場合には、図5のようにしてデータの更新を行う。
〔観測周波数が5[Hz]のアルゴリズム〕
i)観測更新については、GPSデータを用いてキネマティック測位計算して求めた位置ベクトルRの観測値と、IMU測定装置26によって検出されたビークルの加速度Aの観測値とを入力し、前回までの推定状態量(加速度A,ドライバの運転の揺らぎεda,位置ベクトルRの各推定値)を観測更新し、推定状態量の推定誤差共分散行列Pを観測更新する。
ii)時間更新については、観測更新した上記推定状態量に遷移行列Fを掛けて時間更新するとともに、観測更新した推定誤差共分散行列Pに遷移行列Fを掛けて駆動雑音の共分散Qを加える。
〔時間更新周波数が100[Hz]のアルゴリズム〕
i)観測更新については、IMU測定装置26によって検出されたビークルの加速度Aの観測値を入力し、前回までの推定状態量(加速度A,ドライバの運転の揺らぎεdaの各推定値)を観測更新し、推定状態量の推定誤差共分散行列Pを観測更新する。
ii)時間更新については、観測更新した推定状態量に遷移行列Fを掛けて時間更新し、観測更新した推定誤差共分散行列に遷移行列Fを掛けて駆動雑音の共分散Qを加える。
iii)運動方程式の時間更新については、上記の推定状態量の加速度Aに対して遷移行列Fを掛けて積分するととも、速度Vおよび位置ベクトルRの各推定値を時間更新し、推定状態量(V,R)を時間更新するごとに推定誤差共分散行列Pに遷移行列Fを掛け、駆動雑音の共分散Qを加える。
上述したカルマンフィルタによれば、加速度A,ドライバの運転の揺らぎεda,位置ベクトルRなどを推定(濾波)して観測データの補間を行うとともに、存在する観測データの範囲内で観測データがない状態量である速度(縦速度,横速度)を誤差の二乗平均が最小という意味で最適な推定ができる。さらには、これらの縦速度vおよび横速度uを用いて、次式により横滑角βを推定することができる。
β=tan−1(u/v)…(6)
上述した駆動雑音Wの有色化は、システムの方程式と整形フィルタの組み合わせにより実現され、結局は白色雑音を含む状態方程式が得られた(図2,図3を参照)。ここで、さらに有色な観測雑音モデルを追加してみる。
第1には、観測雑音を有色化したシステムモデルであって、ブロック図で表すと図6のようになる。当該図に表したブロック図は、上述した式(1)および式(2)で表した状態方程式をカルマンフィルタ方程式に変換したものである。
通常のカルマンフィルタでは、観測雑音は白色であるが、ここでは図6のループ60で観測雑音を有色化している。この有色化により、y(観測データ)のパワースペクトル表現の自由度が増加する。
第2には、観測雑音を有色化したカルマンフィルタであって、ブロック図で表すと図7のようになる。当該図6に表したブロック図は、上述した式(3)および式(4)で表した状態方程式をカルマンフィルタ方程式に変換したものである。
上述した式(1)および式(2)にかかる状態方程式と、式(3)および式(4)にかかる状態方程式はいずれも線形で極めて簡単な形で表されるので、慣性データの積分誤差等の影響を排除し、計算量が少なくなって処理も迅速に行える。したがって、ビークルの走行中において、実時間で実際の走行軌跡と同等の走行軌跡を得ることができる。
また、時間更新周波数が観測周波数よりも高くなるように構成したカルマンフィルタを用いたので、IMU測定装置26とデータ処理部24とで処理する周波数が異なっていても、カルマンフィルタがIMU測定装置26で得られるデータを用いて補間を行うので、滑らかな走行軌跡を得ることができる。
さらに、カルマンフィルタは、キネマティック測位計算して求めたビークルの位置ベクトルRと、IMU測定装置26によって得られた加速度Aとを用いて、ビークルの速度V(詳細には縦速度vや横速度u)や横滑角βを推定するので、走行軌跡だけでなく、走行中の状態(ビークルの速度Vや横滑角β)をきめ細かく得ることができる。
ビークルとして自動車を用いて2種類のテストコースを走行させ、この走行中に得られた走行軌跡を図8と図9に表す。図8には「J」字状を周回するコースの例を示し、図9には「8」字状を周回するコースの例を示す。いずれのコースを走行させた場合でも、推定誤差共分散行列P、駆動雑音の共分散Q、観測雑音行列ν(観測雑音νRg,観測雑音ν)およびそれらの雑音比(ν/Q)は走行条件によらずほぼ同一であった。したがって、どのような走行路であってもビークル(本例は自動車)の走行中において、実時間で実際の走行軌跡と同等の走行軌跡を得ることができる。
また、走行中に得られた速度(縦速度v,横速度u)の変化を図10(A)に表し、上記式(6)によって得られた横滑角βの変化を図10(B)に表す。したがって、どのような走行路であっても、走行中の状態(ビークルの速度や横滑角)をきめ細かく得ることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することができる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、ビークルとして自動車を適用した。この形態に代えて、航空機(ミサイルを含む)や、船舶、屋外用の搬送車などにも同様に適用することが可能である。これらの移動体であっても、走行中の状態(速度や横滑角等)をきめ細かく得ることができる。

Claims (3)

  1. 自動車や船舶等のようなビークルに搭載された移動局と、地上に固定された基準局とを有し、GPS衛星群から発信されるGPS信号等に基づいてビークルの走行軌跡を計測するビークル走行軌跡計測装置であって、
    前記移動局には、前記GPS信号に基づいてビークルの位置を測位するビークル位置測位手段と、ビークルの姿勢角や加速度を検出するIMUとを備え、
    前記基準局には、前記GPS信号に基づいて基準局の位置を測位する基準局位置測位手段を備え、
    前記移動局で観測されたビークルの位置や姿勢角,加速度を含む第1データと、前記基準局で観測された基準局の位置を含む第2データとを受けて、次に示す式(1)および式(2)からなる運動方程式に基づいて実時間でビークルの走行軌跡を計測する実時間融合処理装置を有するビークル走行軌跡計測装置。
    Figure 0004846784
  2. 請求項1に記載したビークル走行軌跡計測装置であって、
    IMUで観測して更新されるデータの周波数をビークル位置測位手段で更新されるデータの周波数よりも高くし、
    実時間融合処理装置は、前記ビークル位置測位手段で得られるデータの相互間におけるデータを前記IMUで得られるデータを用いて補間するカルマンフィルタを有するビークル走行軌跡計測装置。
  3. 請求項2に記載したビークル走行軌跡計測装置であって、
    カルマンフィルタは、第1データおよび第2データの双方に含まれるGPS信号のデータを用いてキネマティック測位計算して得られたビークルの位置と、IMUによって得られたビークルの加速度とを用いて、ビークルの横滑角を推定するように構成したビークル走行軌跡計測装置。
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