JP2002318274A - 車体運動計測装置、車体運動計測方法及びその方法を記録した記録媒体 - Google Patents
車体運動計測装置、車体運動計測方法及びその方法を記録した記録媒体Info
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- JP2002318274A JP2002318274A JP2001287334A JP2001287334A JP2002318274A JP 2002318274 A JP2002318274 A JP 2002318274A JP 2001287334 A JP2001287334 A JP 2001287334A JP 2001287334 A JP2001287334 A JP 2001287334A JP 2002318274 A JP2002318274 A JP 2002318274A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車Vの走行中の車体1の動的な姿勢変化
を高精度に計測できるようにし、もって、自動車の操縦
安定性や運転フィーリングの向上を図る。 【解決手段】 自動車Vの車体1に、人工衛星Saから
の電波を受信して位置信号を出力するGPSアンテナ2
と、車体1の回転角速度ωを検出するジャイロセンサ1
5とを配設する。自動車Vの走行中にGPSアンテナ2
からの出力を第1設定周期毎に採取して、時系列のGP
S位置データを取得するとともに、ジャイロセンサ15
からの出力を第2設定周期毎に採取して、時系列の角速
度データを取得する。車体1の位置、姿勢及びその変化
状態等を表す状態変数からなる車両状態量[X]と、状
態方程式及び出力方程式からなる物理モデルとを定義す
る。GPS位置データ及び角速度データを物理モデルに
入力し、カルマンフィルタの適用により逐次、推定演算
して、車両状態量[X]の時系列のデータを得る。この
データに基づいて車体回転軸axや車体横滑り角βに関
する表示データを演算し、ディスプレー装置10等に出
力させる。
を高精度に計測できるようにし、もって、自動車の操縦
安定性や運転フィーリングの向上を図る。 【解決手段】 自動車Vの車体1に、人工衛星Saから
の電波を受信して位置信号を出力するGPSアンテナ2
と、車体1の回転角速度ωを検出するジャイロセンサ1
5とを配設する。自動車Vの走行中にGPSアンテナ2
からの出力を第1設定周期毎に採取して、時系列のGP
S位置データを取得するとともに、ジャイロセンサ15
からの出力を第2設定周期毎に採取して、時系列の角速
度データを取得する。車体1の位置、姿勢及びその変化
状態等を表す状態変数からなる車両状態量[X]と、状
態方程式及び出力方程式からなる物理モデルとを定義す
る。GPS位置データ及び角速度データを物理モデルに
入力し、カルマンフィルタの適用により逐次、推定演算
して、車両状態量[X]の時系列のデータを得る。この
データに基づいて車体回転軸axや車体横滑り角βに関
する表示データを演算し、ディスプレー装置10等に出
力させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の運動状
態、即ち車体位置や姿勢の変化を計測する方法等に関
し、特に、自動車の操縦安定性や運転フィーリングに関
わる車体姿勢の動的な変化を正確に把握するための解析
技術の分野に属する。
態、即ち車体位置や姿勢の変化を計測する方法等に関
し、特に、自動車の操縦安定性や運転フィーリングに関
わる車体姿勢の動的な変化を正確に把握するための解析
技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のシャシー開発におい
ては操縦安定性と乗り心地との両立のために、ボディ剛
性の向上、サスペンションのフリクション低減やジオメ
トリの最適化等、種々の研究開発が行われており、いず
れも一定の成果を収めている。また、特に旋回性能の向
上という観点からは、車体のローリングに伴う左右輪間
の荷重移動やサスペンションジオメトリの変化を適切な
ものとすることが極めて重要であり、しかも、このロー
リングの大きさや速度が運転フィーリングにも重大な影
響を及ぼすことから、斯かる車体のローリング運動を把
握しようとする試みがなされている。
ては操縦安定性と乗り心地との両立のために、ボディ剛
性の向上、サスペンションのフリクション低減やジオメ
トリの最適化等、種々の研究開発が行われており、いず
れも一定の成果を収めている。また、特に旋回性能の向
上という観点からは、車体のローリングに伴う左右輪間
の荷重移動やサスペンションジオメトリの変化を適切な
ものとすることが極めて重要であり、しかも、このロー
リングの大きさや速度が運転フィーリングにも重大な影
響を及ぼすことから、斯かる車体のローリング運動を把
握しようとする試みがなされている。
【0003】すなわち、一般的に、ロールセンタなる車
体の瞬間回転中心を想定し、これが車体に対して固定さ
れているものとみなして、車体のローリング運動を取り
扱うことが行われている。具体的には、ロールセンタは
自動車の前後サスペンションについてそれぞれ静的なリ
ンクの配置等に基づいて幾何的に決定され、この前後の
ロールセンタを結んだ軸線がいわゆるロール軸として定
義されている。
体の瞬間回転中心を想定し、これが車体に対して固定さ
れているものとみなして、車体のローリング運動を取り
扱うことが行われている。具体的には、ロールセンタは
自動車の前後サスペンションについてそれぞれ静的なリ
ンクの配置等に基づいて幾何的に決定され、この前後の
ロールセンタを結んだ軸線がいわゆるロール軸として定
義されている。
【0004】そして、斯かるロール軸という概念を導入
することにより、車体の姿勢変化を直観的に理解するこ
とができるとともに、その解析的取り扱いが容易にな
る。また、前後サスペンションのそれぞれのロールセン
タ高さや旋回時のロールセンタ高さの変化等については
適切な範囲があることが、経験的に知られている。
することにより、車体の姿勢変化を直観的に理解するこ
とができるとともに、その解析的取り扱いが容易にな
る。また、前後サスペンションのそれぞれのロールセン
タ高さや旋回時のロールセンタ高さの変化等については
適切な範囲があることが、経験的に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
定義されたロール軸はあくまで便宜的なものに過ぎず、
ローリング運動が自動車全体の運動性能に及ぼす影響や
サスペンションのジオメトリ変化との関係を厳密に解析
するためには十分なものではない。特に、運転フィーリ
ングの領域にまで踏み込んで、従来より一層の性能向上
を図ろうとした場合、自動車の走行中の車体姿勢の変化
を動的にかつ正確に把握することが極めて重要なものと
なり、こうなると、前記ロール軸の考え方は甚だ不十分
なものと言わざるを得ない。
定義されたロール軸はあくまで便宜的なものに過ぎず、
ローリング運動が自動車全体の運動性能に及ぼす影響や
サスペンションのジオメトリ変化との関係を厳密に解析
するためには十分なものではない。特に、運転フィーリ
ングの領域にまで踏み込んで、従来より一層の性能向上
を図ろうとした場合、自動車の走行中の車体姿勢の変化
を動的にかつ正確に把握することが極めて重要なものと
なり、こうなると、前記ロール軸の考え方は甚だ不十分
なものと言わざるを得ない。
【0006】これに対し、車体の瞬間回転中心というロ
ールセンタの定義に立ち返って、走行中に時々刻々と変
化する車体姿勢をセンサにより計測し、この計測結果に
基づいてロールセンタの位置やその変化、ひいては車体
姿勢の動的な変化を把握しようとする考え方もあるが、
このような計測を正確に行うことは実際には極めて困難
であった。すなわち、例えば車体の前後輪に対応付けて
左右両側にそれぞれ車高センサを配設し、この各センサ
により検出される対地車高の変化に基づいて、ロールセ
ンタ位置を推定しようとする方法があるが、この方法に
よれば、ロールセンタの位置を車幅方向について特定す
ることはできても、ロールセンタ高さは測定できない。
ールセンタの定義に立ち返って、走行中に時々刻々と変
化する車体姿勢をセンサにより計測し、この計測結果に
基づいてロールセンタの位置やその変化、ひいては車体
姿勢の動的な変化を把握しようとする考え方もあるが、
このような計測を正確に行うことは実際には極めて困難
であった。すなわち、例えば車体の前後輪に対応付けて
左右両側にそれぞれ車高センサを配設し、この各センサ
により検出される対地車高の変化に基づいて、ロールセ
ンタ位置を推定しようとする方法があるが、この方法に
よれば、ロールセンタの位置を車幅方向について特定す
ることはできても、ロールセンタ高さは測定できない。
【0007】また、例えば車体の所定箇所にベクトル車
速計を配設し、これにより車体の前後又は左右方向への
移動速度を検出して、車体横滑り角を求めることも行わ
れているが、ベクトル車速計は出力の応答遅れのばらつ
きが大きい上に、車体の前後ないし左右方向への並進速
度とローリングやピッチング等による回転速度とを重畳
して検出してしまうので、その出力から車体横滑り角を
求めようとしても、誤差が大きくて十分な精度は得られ
ない。
速計を配設し、これにより車体の前後又は左右方向への
移動速度を検出して、車体横滑り角を求めることも行わ
れているが、ベクトル車速計は出力の応答遅れのばらつ
きが大きい上に、車体の前後ないし左右方向への並進速
度とローリングやピッチング等による回転速度とを重畳
して検出してしまうので、その出力から車体横滑り角を
求めようとしても、誤差が大きくて十分な精度は得られ
ない。
【0008】さらに、センサの数や種類を増やして、そ
れらの出力を総合的に処理するという方法も考えられる
が、このようにすると演算が煩雑になるだけでなく、多
数のセンサからの出力値にそれぞれ内在する誤差が積算
されることになり、結局、この方法でも十分な精度は得
られないのである。
れらの出力を総合的に処理するという方法も考えられる
が、このようにすると演算が煩雑になるだけでなく、多
数のセンサからの出力値にそれぞれ内在する誤差が積算
されることになり、結局、この方法でも十分な精度は得
られないのである。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、車体姿勢の測定のた
めのセンサやその出力信号の処理手順に工夫を凝らし
て、走行中の自動車の動的な姿勢変化を十分な精度で計
測できるようにし、もって、自動車の操縦安定性や運転
フィーリングの向上を図ることにある。
であり、その目的とするところは、車体姿勢の測定のた
めのセンサやその出力信号の処理手順に工夫を凝らし
て、走行中の自動車の動的な姿勢変化を十分な精度で計
測できるようにし、もって、自動車の操縦安定性や運転
フィーリングの向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、自動車の車体に配設したG
PSアンテナにより当該車体の位置及び姿勢の変化を直
接的に測定し、この測定により得られる時系列のデータ
に基づいて、車体の動的な姿勢変化を解析するようにし
た。
に、本発明の解決手段では、自動車の車体に配設したG
PSアンテナにより当該車体の位置及び姿勢の変化を直
接的に測定し、この測定により得られる時系列のデータ
に基づいて、車体の動的な姿勢変化を解析するようにし
た。
【0011】具体的に、請求項1の発明は、車体の運動
状態を計測する方法であって、前記車体における複数の
所定箇所に人工衛星からの電波を受信して位置信号を出
力するGPSアンテナを配設しておいて、自動車の走行
中に前記GPSアンテナからの出力を第1設定周期で採
取することにより、前記車体の位置及び姿勢の変化を表
す時系列の第1データを取得する測定データ取得ステッ
プと、前記第1データに基づいて、剛体に近似した車体
の位置及び姿勢の変化を解析する解析ステップとを有す
るものとする。
状態を計測する方法であって、前記車体における複数の
所定箇所に人工衛星からの電波を受信して位置信号を出
力するGPSアンテナを配設しておいて、自動車の走行
中に前記GPSアンテナからの出力を第1設定周期で採
取することにより、前記車体の位置及び姿勢の変化を表
す時系列の第1データを取得する測定データ取得ステッ
プと、前記第1データに基づいて、剛体に近似した車体
の位置及び姿勢の変化を解析する解析ステップとを有す
るものとする。
【0012】この方法よれば、自動車の車体に配設した
複数のGPSアンテナにより、地上に固定した絶対空間
座標系における当該車体の位置及び姿勢の変化を直接的
に測定することができる。すなわち、少なくとも3つの
GPSアンテナをそれらが1直線上に並ばないように配
置しておけば、該各GPSアンテナからの位置信号に基
づいて、剛体に近似した車体各部の位置座標を求めるこ
とができるからである。その際、GPSアンテナによる
位置信号には勿論、検出誤差が含まれるものの、速度セ
ンサの検出値の積分結果に比べれば、精度は高い。そし
て、そのようにして得られた時系列の測定データ(第1
データ)に基づいて、剛体に近似した車体の全ての部位
についての位置座標を演算することにより、動的な車体
姿勢の変化を解析的に求めることができる。
複数のGPSアンテナにより、地上に固定した絶対空間
座標系における当該車体の位置及び姿勢の変化を直接的
に測定することができる。すなわち、少なくとも3つの
GPSアンテナをそれらが1直線上に並ばないように配
置しておけば、該各GPSアンテナからの位置信号に基
づいて、剛体に近似した車体各部の位置座標を求めるこ
とができるからである。その際、GPSアンテナによる
位置信号には勿論、検出誤差が含まれるものの、速度セ
ンサの検出値の積分結果に比べれば、精度は高い。そし
て、そのようにして得られた時系列の測定データ(第1
データ)に基づいて、剛体に近似した車体の全ての部位
についての位置座標を演算することにより、動的な車体
姿勢の変化を解析的に求めることができる。
【0013】請求項2の発明では、車体にその姿勢変化
速度に関する物理量を検出する姿勢変化速度センサを配
設しておいて、測定データ取得ステップでは、自動車の
走行中に前記姿勢変化速度センサからの出力を第2設定
周期で採取することにより、時系列の第2データを取得
し、解析ステップでは、GPSアンテナによる第1デー
タと前記第2データとに基づいて、車体の位置及び姿勢
変化を解析する。
速度に関する物理量を検出する姿勢変化速度センサを配
設しておいて、測定データ取得ステップでは、自動車の
走行中に前記姿勢変化速度センサからの出力を第2設定
周期で採取することにより、時系列の第2データを取得
し、解析ステップでは、GPSアンテナによる第1デー
タと前記第2データとに基づいて、車体の位置及び姿勢
変化を解析する。
【0014】この方法によれば、従来までと同様に、自
動車の車体に配設した姿勢変化速度センサにより車体の
姿勢変化速度に関する物理量を検出し、この検出値を時
間経過に沿って積分演算することによって、車体の姿勢
を逐次、求めることができる。ここで、そのようにして
求めた姿勢のデータには相対的に大きな積分誤差が含ま
れるのであるが、このデータにGPSアンテナによる測
定データを組み合わせて、相互に補完するように適切に
補正すれば、計測精度を十分に高くすることができる。
動車の車体に配設した姿勢変化速度センサにより車体の
姿勢変化速度に関する物理量を検出し、この検出値を時
間経過に沿って積分演算することによって、車体の姿勢
を逐次、求めることができる。ここで、そのようにして
求めた姿勢のデータには相対的に大きな積分誤差が含ま
れるのであるが、このデータにGPSアンテナによる測
定データを組み合わせて、相互に補完するように適切に
補正すれば、計測精度を十分に高くすることができる。
【0015】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
ける姿勢変化速度センサにより、車体の回転角速度を検
出するようにする。
ける姿勢変化速度センサにより、車体の回転角速度を検
出するようにする。
【0016】このように、GPSアンテナによる直接的
な位置データに角速度データの積分結果を組み合わせる
ようにすれば、それぞれのデータの誤差の特性が異なる
ことから、相互補完的な補正が行い易い。しかも、剛体
に近似した車体においては何処でも角速度は同じである
から、角速度センサの出力にはその設置場所の影響を受
けないという長所がある。加えて、一般的に角速度セン
サはベクトル車速計等と比較して検出精度が高いので、
このことによっても計測精度の向上が図られる。
な位置データに角速度データの積分結果を組み合わせる
ようにすれば、それぞれのデータの誤差の特性が異なる
ことから、相互補完的な補正が行い易い。しかも、剛体
に近似した車体においては何処でも角速度は同じである
から、角速度センサの出力にはその設置場所の影響を受
けないという長所がある。加えて、一般的に角速度セン
サはベクトル車速計等と比較して検出精度が高いので、
このことによっても計測精度の向上が図られる。
【0017】請求項4の発明では、請求項2又は3のい
ずれかの発明において、車体の位置、姿勢及びそれらの
変化状態を予め設定した複数の状態変数からなる車両状
態量により模擬する物理モデルを準備し、解析ステップ
では、前記物理モデルに第1及び第2データを入力し
て、カルマンフィルタの適用により前記車両状態量の時
系列のデータを演算する。
ずれかの発明において、車体の位置、姿勢及びそれらの
変化状態を予め設定した複数の状態変数からなる車両状
態量により模擬する物理モデルを準備し、解析ステップ
では、前記物理モデルに第1及び第2データを入力し
て、カルマンフィルタの適用により前記車両状態量の時
系列のデータを演算する。
【0018】この方法によれば、カルマンフィルタの適
用により、車体の位置、姿勢及びそれらの変化状態を表
す複数の状態変数について、それぞれ物理法則に従った
適切なフィルタリングが行われる。つまり、カルマンフ
ィルタの適用により、時間経過に伴う車体の姿勢変化等
を記述するという車両状態量の意味を反映し、かつ、各
センサの誤差の特性に対応するように適切にデータを補
正することができ、このことで、高精度の解析が実現す
る。しかも、カルマンフィルタは、多数の状態変数を一
度に推定演算するものであり、解析に要する時間が大幅
に短縮される。
用により、車体の位置、姿勢及びそれらの変化状態を表
す複数の状態変数について、それぞれ物理法則に従った
適切なフィルタリングが行われる。つまり、カルマンフ
ィルタの適用により、時間経過に伴う車体の姿勢変化等
を記述するという車両状態量の意味を反映し、かつ、各
センサの誤差の特性に対応するように適切にデータを補
正することができ、このことで、高精度の解析が実現す
る。しかも、カルマンフィルタは、多数の状態変数を一
度に推定演算するものであり、解析に要する時間が大幅
に短縮される。
【0019】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
ける第2設定周期を、第1設定周期よりも短く設定し、
解析ステップでは、前記第2設定周期毎の車両状態量の
変化を第2データに基づいて逐次、推定演算するととも
に、この演算結果と第1及び第2データとに基づいて、
前記第1設定周期毎の車両状態量の変化を逐次、推定演
算する。
ける第2設定周期を、第1設定周期よりも短く設定し、
解析ステップでは、前記第2設定周期毎の車両状態量の
変化を第2データに基づいて逐次、推定演算するととも
に、この演算結果と第1及び第2データとに基づいて、
前記第1設定周期毎の車両状態量の変化を逐次、推定演
算する。
【0020】こうすることで、姿勢変化速度センサによ
る測定周期を、GPSアンテナによる測定周期の限界に
制限されずに十分に短い周期とし、車体姿勢の変化にき
め細かく追従するように測定を行うことができる。これ
により、姿勢変化速度の測定値の積分誤差が大幅に低減
し、もって、車体姿勢等の計測精度をさらに向上でき
る。
る測定周期を、GPSアンテナによる測定周期の限界に
制限されずに十分に短い周期とし、車体姿勢の変化にき
め細かく追従するように測定を行うことができる。これ
により、姿勢変化速度の測定値の積分誤差が大幅に低減
し、もって、車体姿勢等の計測精度をさらに向上でき
る。
【0021】請求項6の発明では、請求項5の発明にお
ける解析ステップで、車両状態量を時間経過に沿って逐
次、推定演算した後に、時間経過を遡りながら再度、推
定演算するようにする。
ける解析ステップで、車両状態量を時間経過に沿って逐
次、推定演算した後に、時間経過を遡りながら再度、推
定演算するようにする。
【0022】すなわち、車両状態量を時間経過に沿って
逐次、推定する場合、各時刻における推定結果にはその
時刻までの過去の測定データが反映されるのみとなる
が、この発明では、時間経過を遡りながら再度、推定演
算することで、各時刻における推定結果に未来の測定デ
ータも反映させることができる。このことで、車両状態
量の推定にデータの全てを反映させて、計測精度をさら
に高めることができる。
逐次、推定する場合、各時刻における推定結果にはその
時刻までの過去の測定データが反映されるのみとなる
が、この発明では、時間経過を遡りながら再度、推定演
算することで、各時刻における推定結果に未来の測定デ
ータも反映させることができる。このことで、車両状態
量の推定にデータの全てを反映させて、計測精度をさら
に高めることができる。
【0023】請求項7の発明では、請求項4の発明にお
ける解析ステップで、状態変数の相互の関係を表す状態
方程式ないし出力方程式において車体のロール角、ピッ
チ角及びヨー角のいずれかを含む項を線形近似するよう
にする。
ける解析ステップで、状態変数の相互の関係を表す状態
方程式ないし出力方程式において車体のロール角、ピッ
チ角及びヨー角のいずれかを含む項を線形近似するよう
にする。
【0024】こうすることで、状態方程式ないし出力方
程式を線形化して、演算の容易化が図られるとともに、
数値解析手法の適用が容易になる。一方で、線形近似に
伴う僅かな誤差が新たに発生し、これが積算されること
になるが、本願発明では、GPSアンテナによる測定デ
ータを組み合わせることで、前記の積算誤差を低減でき
るから、計測の精度は十分に高い。
程式を線形化して、演算の容易化が図られるとともに、
数値解析手法の適用が容易になる。一方で、線形近似に
伴う僅かな誤差が新たに発生し、これが積算されること
になるが、本願発明では、GPSアンテナによる測定デ
ータを組み合わせることで、前記の積算誤差を低減でき
るから、計測の精度は十分に高い。
【0025】請求項8の発明では、請求項7の発明にお
いて、車体のロール角又はピッチ角のいずれかを含む項
を該ロール角及びピッチ角がいずれも微小値であるとし
て線形近似するとともに、ヨー角を含む項は、第2設定
周期毎のヨー角の変化量が微小値であるとして、各計測
時点を基点とする線形近似を行うようにする。こうする
ことで、方程式を線形化して、前記請求項7の発明の作
用効果を十分に得ることができる。
いて、車体のロール角又はピッチ角のいずれかを含む項
を該ロール角及びピッチ角がいずれも微小値であるとし
て線形近似するとともに、ヨー角を含む項は、第2設定
周期毎のヨー角の変化量が微小値であるとして、各計測
時点を基点とする線形近似を行うようにする。こうする
ことで、方程式を線形化して、前記請求項7の発明の作
用効果を十分に得ることができる。
【0026】請求項9の発明では、人工衛星からの電波
を受信してこの電波に基づく検出位置の誤差を較正する
ための補正信号を発信する基地局が設けられており、測
定データ取得ステップにおいて、前記基地局からの補正
信号に基づいて、GPSアンテナによる位置信号を較正
するようにする。こうすることで、GPSアンテナによ
る位置の測定精度が向上し、このことによっても車体姿
勢等の計測精度が向上する。
を受信してこの電波に基づく検出位置の誤差を較正する
ための補正信号を発信する基地局が設けられており、測
定データ取得ステップにおいて、前記基地局からの補正
信号に基づいて、GPSアンテナによる位置信号を較正
するようにする。こうすることで、GPSアンテナによ
る位置の測定精度が向上し、このことによっても車体姿
勢等の計測精度が向上する。
【0027】請求項10の発明は、コンピュータプログ
ラム、即ちコンピュータ装置により読み取り可能なプロ
グラムを記録した記録媒体であって、前記した請求項4
〜7のいずれか1つの発明に記載の解析ステップを備え
るコンピュータプログラムを記録したものとする。この
記録媒体のコンピュータプログラムをコンピュータ装置
に読み取らせれば、該コンピュータ装置によって請求項
4〜9のいずれか1つに記載の車体運動計測方法におけ
る解析ステップを実行することができ、これにより、当
該各請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
ラム、即ちコンピュータ装置により読み取り可能なプロ
グラムを記録した記録媒体であって、前記した請求項4
〜7のいずれか1つの発明に記載の解析ステップを備え
るコンピュータプログラムを記録したものとする。この
記録媒体のコンピュータプログラムをコンピュータ装置
に読み取らせれば、該コンピュータ装置によって請求項
4〜9のいずれか1つに記載の車体運動計測方法におけ
る解析ステップを実行することができ、これにより、当
該各請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】請求項11の発明では、請求項10の発明
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体の回転軸に
関する時系列の表示データを演算する表示データ演算ス
テップと、この表示データ演算ステップで演算した時系
列の表示データに基づいて、前記車体回転軸に関する出
力を行う出力ステップとを有するものとする。
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体の回転軸に
関する時系列の表示データを演算する表示データ演算ス
テップと、この表示データ演算ステップで演算した時系
列の表示データに基づいて、前記車体回転軸に関する出
力を行う出力ステップとを有するものとする。
【0029】このことで、車体姿勢等の解析結果に基づ
いて、従来までは実質的に計測不能だった車体回転軸の
動的な変化に関する出力が得られ、この出力に基づい
て、自動車の旋回性能や運転フィーリングを十分に向上
させることが可能になる。
いて、従来までは実質的に計測不能だった車体回転軸の
動的な変化に関する出力が得られ、この出力に基づい
て、自動車の旋回性能や運転フィーリングを十分に向上
させることが可能になる。
【0030】請求項12の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、設定時刻における車体回転軸
の位置を、車体前後方向、車体左右方向又は車体上下方
向のうちの少なくとも一方向から見た状態でそれぞれ表
示させるものとする。
における出力ステップで、設定時刻における車体回転軸
の位置を、車体前後方向、車体左右方向又は車体上下方
向のうちの少なくとも一方向から見た状態でそれぞれ表
示させるものとする。
【0031】このことで、ある時刻における瞬間的な車
体回転軸の位置が表示されることで、自動車の旋回時や
進路変更時等の車体姿勢の変化を直観的に把握できるよ
うになる。また、車両状態量の各々の時系列データと回
転軸の動きとを比較できるようになり、こうすること
で、車体運動に対する把握が容易になる。
体回転軸の位置が表示されることで、自動車の旋回時や
進路変更時等の車体姿勢の変化を直観的に把握できるよ
うになる。また、車両状態量の各々の時系列データと回
転軸の動きとを比較できるようになり、こうすること
で、車体運動に対する把握が容易になる。
【0032】請求項13の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、自動車の走行中に車体回転軸
の位置及び角度が変化する様子を、車体前後方向、車体
左右方向又は車体上下方向のうちのいずれか一方向から
見た状態で時系列に表示させるものとする。このこと
で、自動車の旋回時や進路変更時等に車体回転軸の位置
や角度の変化する様子が時系列に表示されることで、車
体姿勢の変化を極めて容易に把握できるようになる。
における出力ステップで、自動車の走行中に車体回転軸
の位置及び角度が変化する様子を、車体前後方向、車体
左右方向又は車体上下方向のうちのいずれか一方向から
見た状態で時系列に表示させるものとする。このこと
で、自動車の旋回時や進路変更時等に車体回転軸の位置
や角度の変化する様子が時系列に表示されることで、車
体姿勢の変化を極めて容易に把握できるようになる。
【0033】請求項14の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、車体回転軸が車体前後方向、
車体左右方向又は車体上下方向ののいずれか一つの軸と
なす角度を出力させるものとする。このことで、自動車
の旋回時や進路変更時等における車体回転軸の変化をき
め細かく把握することができ、これにより、車体姿勢の
変化が自動車全体の運動性能に及ぼす影響を厳密に解析
することが可能になる。
における出力ステップで、車体回転軸が車体前後方向、
車体左右方向又は車体上下方向ののいずれか一つの軸と
なす角度を出力させるものとする。このことで、自動車
の旋回時や進路変更時等における車体回転軸の変化をき
め細かく把握することができ、これにより、車体姿勢の
変化が自動車全体の運動性能に及ぼす影響を厳密に解析
することが可能になる。
【0034】請求項15の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、自動車の前輪側ないし後輪側
ロールセンタの位置を出力させるものとする。このこと
で、自動車の旋回時や進路変更時等におけるロールセン
タ位置の変化を正確に把握できるようになり、特に前輪
側ないし後輪側サスペンションの設計において有効なデ
ータが得られる。
における出力ステップで、自動車の前輪側ないし後輪側
ロールセンタの位置を出力させるものとする。このこと
で、自動車の旋回時や進路変更時等におけるロールセン
タ位置の変化を正確に把握できるようになり、特に前輪
側ないし後輪側サスペンションの設計において有効なデ
ータが得られる。
【0035】請求項16の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、車体のヨーセンタの位置を出
力させるものとする。このことで、自動車の旋回時や進
路変更時等におけるヨーセンタ位置の変化を正確に把握
できるようになり、特に自動車の前後荷重配分と運動性
能との間の関係についての解析に有効なデータが得られ
る。
における出力ステップで、車体のヨーセンタの位置を出
力させるものとする。このことで、自動車の旋回時や進
路変更時等におけるヨーセンタ位置の変化を正確に把握
できるようになり、特に自動車の前後荷重配分と運動性
能との間の関係についての解析に有効なデータが得られ
る。
【0036】請求項17の発明では、請求項11の発明
における出力ステップで、車体のピッチセンタの位置を
出力させるものとする。このことで、自動車の走行中の
ピッチセンタ位置の変化を正確に把握できるようにな
り、特に自動車の前後荷重配分や重心高さについての解
析に有効なデータが得られる。
における出力ステップで、車体のピッチセンタの位置を
出力させるものとする。このことで、自動車の走行中の
ピッチセンタ位置の変化を正確に把握できるようにな
り、特に自動車の前後荷重配分や重心高さについての解
析に有効なデータが得られる。
【0037】請求項18の発明では、請求項10の発明
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体のヨーレイ
トに関する時系列の表示データを演算する表示データ演
算ステップと、該ヨーレイトの表示データを出力させる
出力ステップとを有するものとする。このことで、自動
車の旋回時や進路変更時等におけるヨーレイトの変化を
正確に把握できるようになり、特に、操縦性の向上のた
めに有効なデータが得られる。
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体のヨーレイ
トに関する時系列の表示データを演算する表示データ演
算ステップと、該ヨーレイトの表示データを出力させる
出力ステップとを有するものとする。このことで、自動
車の旋回時や進路変更時等におけるヨーレイトの変化を
正確に把握できるようになり、特に、操縦性の向上のた
めに有効なデータが得られる。
【0038】請求項19の発明では、請求項10の発明
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体の設定箇所
における横滑り角に関する時系列の表示データを演算す
る表示データ演算ステップと、該横滑り角の表示データ
を出力させる出力ステップとを有するものとする。この
ことで、自動車の旋回時や進路変更時等におけるヨーレ
イトの変化を正確に把握できるようになり、特に、走行
安定性の向上のために有効なデータが得られる。
におけるコンピュータプログラムを、解析ステップで演
算した車両状態量のデータに基づいて、車体の設定箇所
における横滑り角に関する時系列の表示データを演算す
る表示データ演算ステップと、該横滑り角の表示データ
を出力させる出力ステップとを有するものとする。この
ことで、自動車の旋回時や進路変更時等におけるヨーレ
イトの変化を正確に把握できるようになり、特に、走行
安定性の向上のために有効なデータが得られる。
【0039】請求項20の発明は、請求項11〜19の
いずれか1つの発明における出力ステップで、異なる車
種について対比して出力を行うものとする。このこと
で、車体姿勢の変化の計測結果が異なる車種について対
比して出力されるので、それらの対比判定が容易にな
り、これに加えて、該自動車についての官能評価を別
途、実施すれば、車体姿勢の計測結果と官能評価との対
応を異なる車種について互いに関連付けて判断すること
ができる。
いずれか1つの発明における出力ステップで、異なる車
種について対比して出力を行うものとする。このこと
で、車体姿勢の変化の計測結果が異なる車種について対
比して出力されるので、それらの対比判定が容易にな
り、これに加えて、該自動車についての官能評価を別
途、実施すれば、車体姿勢の計測結果と官能評価との対
応を異なる車種について互いに関連付けて判断すること
ができる。
【0040】請求項21の発明は、車体の運動状態を計
測する装置であって、該車体に所定の測定基準面を規定
するように配設され、人工衛星からの電波を受信してそ
れぞれ位置信号を出力する少なくとも3つのGPSアン
テナと、自動車の走行中に前記各GPSアンテナからの
出力を第1設定周期で採取して、前記車体の位置及び姿
勢の変化を表す時系列の第1データを取得する測定デー
タ取得手段と、この測定データ取得手段により取得した
第1データに基づいて、剛体に近似した車体の位置及び
姿勢変化を解析する解析手段とを備える構成とする。
測する装置であって、該車体に所定の測定基準面を規定
するように配設され、人工衛星からの電波を受信してそ
れぞれ位置信号を出力する少なくとも3つのGPSアン
テナと、自動車の走行中に前記各GPSアンテナからの
出力を第1設定周期で採取して、前記車体の位置及び姿
勢の変化を表す時系列の第1データを取得する測定デー
タ取得手段と、この測定データ取得手段により取得した
第1データに基づいて、剛体に近似した車体の位置及び
姿勢変化を解析する解析手段とを備える構成とする。
【0041】前記の構成により、請求項1の発明と同様
に、自動車の走行中にその車体に配設した3つのGPS
アンテナからの位置信号がそれぞれ第1設定周期で採取
され、該車体の位置及び姿勢の変化を表す時系列の第1
データが測定データ取得手段により取得される。そし
て、その第1データに基づいて、解析手段により、剛体
に近似した車体の任意の部位についての位置座標が演算
可能となり、よって、前記請求項1の発明と同様の作用
効果が得られる。
に、自動車の走行中にその車体に配設した3つのGPS
アンテナからの位置信号がそれぞれ第1設定周期で採取
され、該車体の位置及び姿勢の変化を表す時系列の第1
データが測定データ取得手段により取得される。そし
て、その第1データに基づいて、解析手段により、剛体
に近似した車体の任意の部位についての位置座標が演算
可能となり、よって、前記請求項1の発明と同様の作用
効果が得られる。
【0042】請求項22の発明では、請求項21の発明
において、車体の姿勢変化速度に関する物理量を検出す
る姿勢変化速度センサを備え、測定データ取得手段を、
自動車の走行中に前記姿勢変化速度センサからの出力を
第2設定周期で採取して、時系列の第2データを取得す
るものとし、解析手段は、GPSアンテナによる第1デ
ータと前記第2データとに基づいて、車体の位置及び姿
勢変化を解析するものとする。この構成により、請求項
2の発明と同様の作用効果が得られる。
において、車体の姿勢変化速度に関する物理量を検出す
る姿勢変化速度センサを備え、測定データ取得手段を、
自動車の走行中に前記姿勢変化速度センサからの出力を
第2設定周期で採取して、時系列の第2データを取得す
るものとし、解析手段は、GPSアンテナによる第1デ
ータと前記第2データとに基づいて、車体の位置及び姿
勢変化を解析するものとする。この構成により、請求項
2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0043】請求項23の発明では、請求項22の発明
における姿勢変化速度センサを、車体前後方向、車体左
右方向及び車体上下方向の直交3軸のうち、少なくとも
車体前後方向及び車体上下方向の各軸周りの車体回転角
速度をそれぞれ検出するように配設された角速度センサ
とする。
における姿勢変化速度センサを、車体前後方向、車体左
右方向及び車体上下方向の直交3軸のうち、少なくとも
車体前後方向及び車体上下方向の各軸周りの車体回転角
速度をそれぞれ検出するように配設された角速度センサ
とする。
【0044】ここで、少なくとも車体の前後ないし上下
方向の軸の周りの回転角速度をそれぞれ検出するように
しているのは、車体のピッチング運動がローリングやヨ
ーイングに比べて小さく、その角速度の測定を省略する
ことが可能だからである。但し、車体左右方向の軸周り
の角速度も検出した方が精度の良い計測を行うことがで
きる。そして、前記の構成により、請求項3の発明と同
様の作用効果が得られる。
方向の軸の周りの回転角速度をそれぞれ検出するように
しているのは、車体のピッチング運動がローリングやヨ
ーイングに比べて小さく、その角速度の測定を省略する
ことが可能だからである。但し、車体左右方向の軸周り
の角速度も検出した方が精度の良い計測を行うことがで
きる。そして、前記の構成により、請求項3の発明と同
様の作用効果が得られる。
【0045】請求項24の発明では、請求項21又は2
2のいずれかの発明における解析手段を、車体の位置、
姿勢及びそれらの変化状態を予め設定した複数の状態変
数からなる車両状態量により模擬する物理モデルを備
え、測定データ取得手段により取得した第1及び第2デ
ータを前記物理モデルに入力して、カルマンフィルタの
適用により前記車両状態量の時系列のデータを推定演算
する構成とする。この構成により、請求項4の発明と同
様の作用効果が得られる。
2のいずれかの発明における解析手段を、車体の位置、
姿勢及びそれらの変化状態を予め設定した複数の状態変
数からなる車両状態量により模擬する物理モデルを備
え、測定データ取得手段により取得した第1及び第2デ
ータを前記物理モデルに入力して、カルマンフィルタの
適用により前記車両状態量の時系列のデータを推定演算
する構成とする。この構成により、請求項4の発明と同
様の作用効果が得られる。
【0046】請求項25の発明では、請求項24の発明
における解析手段を、状態変数の相互の関係を表す状態
方程式ないし出力方程式において車体のロール角、ピッ
チ角及びヨー角のいずれかを含む項を線形近似して、カ
ルマンフィルタを適用するものとする。このことで、請
求項7の発明と同様の作用効果が得られる。
における解析手段を、状態変数の相互の関係を表す状態
方程式ないし出力方程式において車体のロール角、ピッ
チ角及びヨー角のいずれかを含む項を線形近似して、カ
ルマンフィルタを適用するものとする。このことで、請
求項7の発明と同様の作用効果が得られる。
【0047】請求項26の発明では、請求項25の発明
における解析手段を、車体のロール角又はピッチ角のい
ずれかを含む項を、該ロール角及びピッチ角がいずれも
微小値であるとして線形近似するとともに、ヨー角を含
む項は、第2設定周期毎のヨー角の変化量が微小値であ
るとして、各計測時点を基点とする線形近似を行うよう
に構成する。このことで、請求項8の発明と同様の作用
効果が得られる。
における解析手段を、車体のロール角又はピッチ角のい
ずれかを含む項を、該ロール角及びピッチ角がいずれも
微小値であるとして線形近似するとともに、ヨー角を含
む項は、第2設定周期毎のヨー角の変化量が微小値であ
るとして、各計測時点を基点とする線形近似を行うよう
に構成する。このことで、請求項8の発明と同様の作用
効果が得られる。
【0048】請求項27の発明では、請求項24の発明
において、解析手段により演算された車両状態量の時系
列のデータに基づいて、車体の位置及び姿勢の変化状態
を表す表示データを演算する表示データ演算手段と、こ
の表示データ演算手段により演算された表示データを出
力する出力手段とを備えるものとする。
において、解析手段により演算された車両状態量の時系
列のデータに基づいて、車体の位置及び姿勢の変化状態
を表す表示データを演算する表示データ演算手段と、こ
の表示データ演算手段により演算された表示データを出
力する出力手段とを備えるものとする。
【0049】この構成では、解析手段により演算された
車両状態量の時系列のデータに基づいて、車体の姿勢等
の変化状態を表す表示データが表示データ演算手段によ
り演算され、この演算された表示データが出力手段によ
り出力される。このことで、その出力に基づいて走行中
の自動車の動的な姿勢変化を直観的に把握できるととも
に、該主力を種々の解析演算の条件として利用できるよ
うなる。
車両状態量の時系列のデータに基づいて、車体の姿勢等
の変化状態を表す表示データが表示データ演算手段によ
り演算され、この演算された表示データが出力手段によ
り出力される。このことで、その出力に基づいて走行中
の自動車の動的な姿勢変化を直観的に把握できるととも
に、該主力を種々の解析演算の条件として利用できるよ
うなる。
【0050】請求項28の発明では、請求項21〜27
のいずれか1つの発明において、人工衛星からの電波を
受信して、この電波に基づく検出位置の誤差を較正する
ための補正信号を発信する基地局と、この基地局からの
補正信号に基づいて、GPSアンテナによる位置信号を
較正する位置信号較正手段とを備えるものとする。この
構成により、請求項9の発明と同様の作用効果が得られ
る。
のいずれか1つの発明において、人工衛星からの電波を
受信して、この電波に基づく検出位置の誤差を較正する
ための補正信号を発信する基地局と、この基地局からの
補正信号に基づいて、GPSアンテナによる位置信号を
較正する位置信号較正手段とを備えるものとする。この
構成により、請求項9の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
基いて説明する。
【0052】(車体運動計測装置の構成)図1は、本発
明の実施形態に係る車体運動計測装置Sの全体構成を示
す。この装置は、例えばテストコースにおいて自動車V
の走行中の動的な位置や姿勢の変化等を計測するための
ものであり、従来から行われているように車速センサや
ジャイロセンサ等により車体1の姿勢変化速度を測定す
るとともに、この測定結果にいわゆるグローバルポジシ
ョニングシステム(以下、GPSという)を利用した車
体位置の測定結果を融合させることで、該車体1の動的
な姿勢変化等を正確に求められるようにしたものであ
る。
明の実施形態に係る車体運動計測装置Sの全体構成を示
す。この装置は、例えばテストコースにおいて自動車V
の走行中の動的な位置や姿勢の変化等を計測するための
ものであり、従来から行われているように車速センサや
ジャイロセンサ等により車体1の姿勢変化速度を測定す
るとともに、この測定結果にいわゆるグローバルポジシ
ョニングシステム(以下、GPSという)を利用した車
体位置の測定結果を融合させることで、該車体1の動的
な姿勢変化等を正確に求められるようにしたものであ
る。
【0053】ここで、前記GPSは、周知の如く、人工
衛星Sa,Sa,…から送信される搬送波(電波)の位
相を利用して、受信位置の緯度、経度及び高さの情報を
得るものであり、この実施形態では図示の如く、該自動
車Vの車体1に4つのGPSアンテナ2,2,…を配設
している。これら4つのGPSアンテナ2,2,…は、
図示しないサスペンション装置を介して車輪3,3,…
により支持された車体1に対して、その静止状態で地面
と略水平になる仮想の測定基準面上に配置されており、
それぞれ人工衛星Sa,Sa,…からの電波を受信し
て、地上に固定された絶対空間座標系X-Y-Z(図2参
照)における位置座標、即ち東西方向、南北方向、上下
方向についての位置信号を出力する。尚、前記測定基準
面は、必ずしも自動車Vの静止状態で略水平になるよう
に設定する必要はない。
衛星Sa,Sa,…から送信される搬送波(電波)の位
相を利用して、受信位置の緯度、経度及び高さの情報を
得るものであり、この実施形態では図示の如く、該自動
車Vの車体1に4つのGPSアンテナ2,2,…を配設
している。これら4つのGPSアンテナ2,2,…は、
図示しないサスペンション装置を介して車輪3,3,…
により支持された車体1に対して、その静止状態で地面
と略水平になる仮想の測定基準面上に配置されており、
それぞれ人工衛星Sa,Sa,…からの電波を受信し
て、地上に固定された絶対空間座標系X-Y-Z(図2参
照)における位置座標、即ち東西方向、南北方向、上下
方向についての位置信号を出力する。尚、前記測定基準
面は、必ずしも自動車Vの静止状態で略水平になるよう
に設定する必要はない。
【0054】前記4つのGPSアンテナ2,2,…は、
それぞれ、車体1に配置されたGPSレシーバ4に対し
てケーブルにより接続されていて、各GPSアンテナ2
から出力される位置信号がGPSレシーバ4に入力され
るようになっている。また、該GPSレシーバ4は、同
様に車体1に配置された解析ユニット5に対してケーブ
ルにより接続されており、前記4つのGPSアンテナ
2,2,…からの位置信号に所定のノイズ除去処理等を
加えた上で、解析ユニット5に送信する。さらに、該G
PSレシーバ4には、車体1に配設された補正信号受信
機6がケーブルにより接続されていて、この受信機6が
GPS基地局7からの補正信号を受信して、GPSレシ
ーバ4に送信するようになっている。
それぞれ、車体1に配置されたGPSレシーバ4に対し
てケーブルにより接続されていて、各GPSアンテナ2
から出力される位置信号がGPSレシーバ4に入力され
るようになっている。また、該GPSレシーバ4は、同
様に車体1に配置された解析ユニット5に対してケーブ
ルにより接続されており、前記4つのGPSアンテナ
2,2,…からの位置信号に所定のノイズ除去処理等を
加えた上で、解析ユニット5に送信する。さらに、該G
PSレシーバ4には、車体1に配設された補正信号受信
機6がケーブルにより接続されていて、この受信機6が
GPS基地局7からの補正信号を受信して、GPSレシ
ーバ4に送信するようになっている。
【0055】すなわち、この実施形態のテストコース内
には、GPSの静止基地局7が設けられており、この基
地局7は、前記の如く自動車Vに配設された各GPSア
ンテナ2と同期して、第1設定周期(例えば周波数20
Hz)にて人工衛星Sa,Sa,…からの電波を受信
し、この電波から求められる位置と実際の設置位置との
間の誤差を較正する補正信号を送信機8により自動車V
に対して送信する。そして、自動車Vでは前記のように
受信機6により補正信号を受信して、解析ユニット5に
おいて各GPSアンテナ2からの位置信号をそれぞれ該
補正信号に基づいて較正する。尚、前記基地局7におけ
る電波の受信や補正信号の送信は、各GPSアンテナ2
と同期して行う必要はなく、例えば、補正信号を1秒間
に1回、送信するようにしてもよい。
には、GPSの静止基地局7が設けられており、この基
地局7は、前記の如く自動車Vに配設された各GPSア
ンテナ2と同期して、第1設定周期(例えば周波数20
Hz)にて人工衛星Sa,Sa,…からの電波を受信
し、この電波から求められる位置と実際の設置位置との
間の誤差を較正する補正信号を送信機8により自動車V
に対して送信する。そして、自動車Vでは前記のように
受信機6により補正信号を受信して、解析ユニット5に
おいて各GPSアンテナ2からの位置信号をそれぞれ該
補正信号に基づいて較正する。尚、前記基地局7におけ
る電波の受信や補正信号の送信は、各GPSアンテナ2
と同期して行う必要はなく、例えば、補正信号を1秒間
に1回、送信するようにしてもよい。
【0056】前記解析ユニット5は、図3に示すよう
に、コンピュータ装置9と、ディスプレー装置10(出
力手段)と、ハードディスクドライブ等の記憶装置11
と、フロッピー(R)ディスク、光ディスク、ディジタ
ルビデオディスク等の読み書きを行うディスクドライブ
装置12と、プリンタ13(出力手段)とを備えてい
る。前記コンピュータ装置9は、図示しないが、前記G
PSレシーバ4や補正信号受信機6、さらには後述のジ
ャイロセンサ等からの出力信号を入力するためのインタ
ーフェース回路と、前記ディスプレー装置10、記憶装
置11、ディスクドライブ装置12との間で信号の授受
を行うためのインターフェース回路と、CPUと、RO
MやRAM等のメモリとを少なくとも備えている。
に、コンピュータ装置9と、ディスプレー装置10(出
力手段)と、ハードディスクドライブ等の記憶装置11
と、フロッピー(R)ディスク、光ディスク、ディジタ
ルビデオディスク等の読み書きを行うディスクドライブ
装置12と、プリンタ13(出力手段)とを備えてい
る。前記コンピュータ装置9は、図示しないが、前記G
PSレシーバ4や補正信号受信機6、さらには後述のジ
ャイロセンサ等からの出力信号を入力するためのインタ
ーフェース回路と、前記ディスプレー装置10、記憶装
置11、ディスクドライブ装置12との間で信号の授受
を行うためのインターフェース回路と、CPUと、RO
MやRAM等のメモリとを少なくとも備えている。
【0057】そして、前記したように4つのGPSアン
テナ2,2,…からそれぞれ出力された位置信号は、コ
ンピュータ装置9により補正信号に基づいて較正された
後に、各GPSアンテナ2毎の時系列のGPS位置デー
タ(第1データ)として、記憶装置11に記憶され、詳
しくは後述するが、車体1の位置や姿勢を演算するため
に用いられる。尚、GPSアンテナ2,2,…は、3つ
以上を1直線上に並ばないように配置すれば良いが、前
記の如く4つのGPSアンテナ2,2,…を配設すれ
ば、それぞれのセンサ出力に基づいて、実際には剛体で
ない車体1の変形状態を検出することも可能なので、車
体姿勢の計測精度が向上する。
テナ2,2,…からそれぞれ出力された位置信号は、コ
ンピュータ装置9により補正信号に基づいて較正された
後に、各GPSアンテナ2毎の時系列のGPS位置デー
タ(第1データ)として、記憶装置11に記憶され、詳
しくは後述するが、車体1の位置や姿勢を演算するため
に用いられる。尚、GPSアンテナ2,2,…は、3つ
以上を1直線上に並ばないように配置すれば良いが、前
記の如く4つのGPSアンテナ2,2,…を配設すれ
ば、それぞれのセンサ出力に基づいて、実際には剛体で
ない車体1の変形状態を検出することも可能なので、車
体姿勢の計測精度が向上する。
【0058】また、図2に示すように、自動車Vの車体
1にはその重心位置Gを通る直交3軸x,y,z、即ち
車体前後方向の軸x、車体左右方向の軸y及び車体上下
方向の軸zからなる車体局所座標系x-y-zが設定され
ていて、この各軸周りの車体1の回転角速度φ′、
ζ′、ξ′をそれぞれ測定できるよう、図3に示すよう
に、3つのジャイロセンサ15,15,15(角速度セ
ンサ)が配設されている。これら3つのジャイロセンサ
15,15,15は、それぞれケーブルにより解析ユニ
ット5に接続されており、自動車Vの走行中に該各ジャ
イロセンサ15からの出力信号が第2設定周期(例えば
周波数500Hz)で解析ユニット5に入力され、それ
ぞれ車体1のロール角速度φ′、ピッチ角速度ζ′及び
ヨー角速度ξ′についての時系列の角速度データ(第2
データ)として、記憶装置11に記憶される。尚、前記
角速度φ′の記号「′」は、角度φの時間微分を示すも
のであり、以下、この明細書中で同様とする。
1にはその重心位置Gを通る直交3軸x,y,z、即ち
車体前後方向の軸x、車体左右方向の軸y及び車体上下
方向の軸zからなる車体局所座標系x-y-zが設定され
ていて、この各軸周りの車体1の回転角速度φ′、
ζ′、ξ′をそれぞれ測定できるよう、図3に示すよう
に、3つのジャイロセンサ15,15,15(角速度セ
ンサ)が配設されている。これら3つのジャイロセンサ
15,15,15は、それぞれケーブルにより解析ユニ
ット5に接続されており、自動車Vの走行中に該各ジャ
イロセンサ15からの出力信号が第2設定周期(例えば
周波数500Hz)で解析ユニット5に入力され、それ
ぞれ車体1のロール角速度φ′、ピッチ角速度ζ′及び
ヨー角速度ξ′についての時系列の角速度データ(第2
データ)として、記憶装置11に記憶される。尚、前記
角速度φ′の記号「′」は、角度φの時間微分を示すも
のであり、以下、この明細書中で同様とする。
【0059】さらに、前記図3に示すように、自動車V
には、ステアリングの操舵角度を検出する操舵角センサ
16、前記車体局所座標系x-y-zにおける車体1の加
速度を検出する加速度センサ17、車体1の所定部位に
配設されてその部位の路面に対する高さを検出する対地
車高センサ18等が配設されていて、これら各センサか
らの出力もコンピュータ装置9に入力されるようになっ
ている。
には、ステアリングの操舵角度を検出する操舵角センサ
16、前記車体局所座標系x-y-zにおける車体1の加
速度を検出する加速度センサ17、車体1の所定部位に
配設されてその部位の路面に対する高さを検出する対地
車高センサ18等が配設されていて、これら各センサか
らの出力もコンピュータ装置9に入力されるようになっ
ている。
【0060】そして、前記のように記憶装置11に記憶
した時系列のGPS位置データ及び角速度データに基づ
いて、コンピュータ装置9により走行中の車体の位置や
姿勢の変化状態を解析的に求め、さらに、その結果をデ
ィスプレー装置10やプリンタ13により出力したり、
或いはディスクドライブ装置12によりフロッピー
(R)ディスクや光ディスク等に書き込んで記録できる
ようになっている。すなわち、前記コンピュータ装置9
の記憶装置11には、GPS位置データや角速度データ
を取得するための測定データ取得プログラムと、その時
系列のデータに基づいて車体1の位置や姿勢ないし姿勢
変化を解析する解析プログラムと、この解析結果に基づ
いて、例えば車体回転軸や横滑り角等の所定の形態の表
示データを演算する表示データ演算プログラムと、その
表示データをディスプレー装置10等に出力させる出力
プログラムとがそれぞれ電子的に格納されている。
した時系列のGPS位置データ及び角速度データに基づ
いて、コンピュータ装置9により走行中の車体の位置や
姿勢の変化状態を解析的に求め、さらに、その結果をデ
ィスプレー装置10やプリンタ13により出力したり、
或いはディスクドライブ装置12によりフロッピー
(R)ディスクや光ディスク等に書き込んで記録できる
ようになっている。すなわち、前記コンピュータ装置9
の記憶装置11には、GPS位置データや角速度データ
を取得するための測定データ取得プログラムと、その時
系列のデータに基づいて車体1の位置や姿勢ないし姿勢
変化を解析する解析プログラムと、この解析結果に基づ
いて、例えば車体回転軸や横滑り角等の所定の形態の表
示データを演算する表示データ演算プログラムと、その
表示データをディスプレー装置10等に出力させる出力
プログラムとがそれぞれ電子的に格納されている。
【0061】言い換えると、前記した各プログラムを読
み取ったコンピュータ装置9により、自動車Vの走行中
にGPSアンテナ2,2,…からの出力を第1設定周期
で採取し、これを較正して時系列のGPS位置データを
取得するとともに、ジャイロセンサ15,15,…から
の出力を第2設定周期で採取して時系列の角速度データ
を取得する測定データ取得手段と、該測定データ取得手
段により取得したGPS位置データ及び角速度データに
基づいて、車体1の位置、姿勢ないし姿勢変化を解析す
る解析手段と、その解析結果に基づいて、車体1の位
置、姿勢ないし姿勢変化状態、即ち運動状態を表す表示
データを演算する表示データ演算手段とが構成される。
み取ったコンピュータ装置9により、自動車Vの走行中
にGPSアンテナ2,2,…からの出力を第1設定周期
で採取し、これを較正して時系列のGPS位置データを
取得するとともに、ジャイロセンサ15,15,…から
の出力を第2設定周期で採取して時系列の角速度データ
を取得する測定データ取得手段と、該測定データ取得手
段により取得したGPS位置データ及び角速度データに
基づいて、車体1の位置、姿勢ないし姿勢変化を解析す
る解析手段と、その解析結果に基づいて、車体1の位
置、姿勢ないし姿勢変化状態、即ち運動状態を表す表示
データを演算する表示データ演算手段とが構成される。
【0062】尚、前記各プログラムは、いずれも、フロ
ッピー(R)ディスク等の記録媒体に記録可能なもので
あり、この記録媒体をコンピュータ装置9のディスクド
ライブ装置12に装着してCPUにより読み取らせて、
記憶装置11に記憶させることにより、このコンピュー
タ装置9がプログラムを実行可能な状態になる。そし
て、プログラムの起動時には、コンピュータ装置9のC
PUにより所要のプログラムが記憶装置11から読み出
され、RAMに常駐して実行されることになる。
ッピー(R)ディスク等の記録媒体に記録可能なもので
あり、この記録媒体をコンピュータ装置9のディスクド
ライブ装置12に装着してCPUにより読み取らせて、
記憶装置11に記憶させることにより、このコンピュー
タ装置9がプログラムを実行可能な状態になる。そし
て、プログラムの起動時には、コンピュータ装置9のC
PUにより所要のプログラムが記憶装置11から読み出
され、RAMに常駐して実行されることになる。
【0063】前記解析プログラムは、自動車Vの車体1
を剛体に近似して、その位置、姿勢及びそれらの変化状
態を表す複数の状態変数の相互の物理的な関係を記述し
たものである。すなわち、例えばこの実施形態の物理モ
デルは、図4に示すように、18個の状態変数からなる
18次元のベクトル量である車両状態量[X]につい
て、以下の(式1)(式2)に示すような状態方程式及
び出力方程式により、車体1の位置、姿勢及びそれらの
変化状態を記述するものである。
を剛体に近似して、その位置、姿勢及びそれらの変化状
態を表す複数の状態変数の相互の物理的な関係を記述し
たものである。すなわち、例えばこの実施形態の物理モ
デルは、図4に示すように、18個の状態変数からなる
18次元のベクトル量である車両状態量[X]につい
て、以下の(式1)(式2)に示すような状態方程式及
び出力方程式により、車体1の位置、姿勢及びそれらの
変化状態を記述するものである。
【0064】 [X]′ = A[X]+Bu+w ・・・ (式1) Y = C[X]+v ・・・ (式2) 但し、前記(式1)において、uはシステムへの入力を
表し、また、Yはシステムからの出力を表すベクトル量
である。また、(式1)(式2)において、A、B、C
は、それぞれ、18個の状態変数の相互の物理的関係や
システムとの関係を表す関数や係数を要素とする行列式
である。さらに、wはシステム外乱を表す変数、vはノ
イズを表す変数である。
表し、また、Yはシステムからの出力を表すベクトル量
である。また、(式1)(式2)において、A、B、C
は、それぞれ、18個の状態変数の相互の物理的関係や
システムとの関係を表す関数や係数を要素とする行列式
である。さらに、wはシステム外乱を表す変数、vはノ
イズを表す変数である。
【0065】前記18個の状態変数は、前記図4に示す
ように、車体重心の絶対空間における位置座標X
g(Xg,Yg,Zg)と、その重心位置周りの回転角度、
即ち車体1の姿勢角W(ρ,ψ,θ)と、それら位置及
び角度の各速度成分vg、ωと各加速度成分vg′、ω′
とからなる。従って、車体1を剛体と仮定すれば、18
個の状態変数の相互の物理的関係は、幾何的な位置関係
を記述する方程式や1階の微分方程式によって記述さ
れ、これらの方程式を整理すると、前記(域1)(式
2)に示すような状態方程式及び出力方程式が得られ
る。
ように、車体重心の絶対空間における位置座標X
g(Xg,Yg,Zg)と、その重心位置周りの回転角度、
即ち車体1の姿勢角W(ρ,ψ,θ)と、それら位置及
び角度の各速度成分vg、ωと各加速度成分vg′、ω′
とからなる。従って、車体1を剛体と仮定すれば、18
個の状態変数の相互の物理的関係は、幾何的な位置関係
を記述する方程式や1階の微分方程式によって記述さ
れ、これらの方程式を整理すると、前記(域1)(式
2)に示すような状態方程式及び出力方程式が得られ
る。
【0066】そして、そのようにして定義した物理モデ
ルに対して、上述の如く取得した時系列のGPS位置デ
ータないし角速度データを入力し、車体1の位置、姿勢
及びそれらの変化についての時間的及び空間的な連続性
を考慮しながら、各データが相互に最も整合するような
状態変数の値を周知のカルマンフィルタの適用により逐
次、推定演算する。
ルに対して、上述の如く取得した時系列のGPS位置デ
ータないし角速度データを入力し、車体1の位置、姿勢
及びそれらの変化についての時間的及び空間的な連続性
を考慮しながら、各データが相互に最も整合するような
状態変数の値を周知のカルマンフィルタの適用により逐
次、推定演算する。
【0067】このような推定演算を行うことにより、各
状態変数の持つ物理的な意味を反映し、かつ各種センサ
の特性に対応する適切な補正が行われて、測定データの
誤差を最小化し、車体の位置や姿勢変化等を表す車両状
態量[X]の時系列のデータを正確に求めること、即
ち、車体1の運動状態を解析的にかつ高精度に求めるこ
とができるのである。
状態変数の持つ物理的な意味を反映し、かつ各種センサ
の特性に対応する適切な補正が行われて、測定データの
誤差を最小化し、車体の位置や姿勢変化等を表す車両状
態量[X]の時系列のデータを正確に求めること、即
ち、車体1の運動状態を解析的にかつ高精度に求めるこ
とができるのである。
【0068】以下に、この実施形態において用いる物理
モデルについて、具体的に説明する。まず、前記GPS
位置データは、各GPSアンテナ2の絶対空間座標にお
ける位置座標Xi(Xi,Yi,Zi)(i=1〜4)を出
力するものであるから、この各GPSアンテナ2の車体
局所座標における位置座標ri(rxi,ryi,rzi)
(i=1〜4)と、絶対空間座標における車体重心の位
置座標Xgとを用いて、以下の(式3)のように表され
る。
モデルについて、具体的に説明する。まず、前記GPS
位置データは、各GPSアンテナ2の絶対空間座標にお
ける位置座標Xi(Xi,Yi,Zi)(i=1〜4)を出
力するものであるから、この各GPSアンテナ2の車体
局所座標における位置座標ri(rxi,ryi,rzi)
(i=1〜4)と、絶対空間座標における車体重心の位
置座標Xgとを用いて、以下の(式3)のように表され
る。
【0069】
【数1】
【0070】ここで、前記(式3)の右辺第2項の座標
変換行列の積TρTψTθは、絶対空間座標系における
車体1のロール角ρ、ピッチ角ψ及びヨー角θについて
2次乃至3次の項(非線形項)を含むので、この(式
3)に基づいて前記(式1)(式2)の方程式を求める
と、この方程式も非線形になってしまい、演算が複雑に
なるばかりか、コンピュータによる数値解析手法の適用
が困難になる。
変換行列の積TρTψTθは、絶対空間座標系における
車体1のロール角ρ、ピッチ角ψ及びヨー角θについて
2次乃至3次の項(非線形項)を含むので、この(式
3)に基づいて前記(式1)(式2)の方程式を求める
と、この方程式も非線形になってしまい、演算が複雑に
なるばかりか、コンピュータによる数値解析手法の適用
が困難になる。
【0071】そこで、前記(式3)において予めロール
角ρ、ピッチ角ψ及びヨー角θを含む項を全て線形近似
してから、整理して、前記(式1)(式2)の形式にま
とめるようにする。すなわち、まず、以下の(式4)に
示すように、TρTψTθを展開する。
角ρ、ピッチ角ψ及びヨー角θを含む項を全て線形近似
してから、整理して、前記(式1)(式2)の形式にま
とめるようにする。すなわち、まず、以下の(式4)に
示すように、TρTψTθを展開する。
【0072】
【数2】
【0073】ここで、自動車Vの車体1のロール角ρ及
びピッチ角ψについては、その運動の特性としていずれ
も微小値であり(ρ<<1,ψ<<1)、また、絶対空
間座標系におけるヨー角θは、それ自体は大きな値にな
り得るものの、ジャイロセンサ15,15,…からの信
号を採取する周期(第2設定周期)での変化量Δθはや
はり微小値であるから(Δθ<<1)、このヨー角θに
ついては現在の計測時点を基点として線形近似を行うこ
とができる。
びピッチ角ψについては、その運動の特性としていずれ
も微小値であり(ρ<<1,ψ<<1)、また、絶対空
間座標系におけるヨー角θは、それ自体は大きな値にな
り得るものの、ジャイロセンサ15,15,…からの信
号を採取する周期(第2設定周期)での変化量Δθはや
はり微小値であるから(Δθ<<1)、このヨー角θに
ついては現在の計測時点を基点として線形近似を行うこ
とができる。
【0074】つまり、以下の(式5)に示す条件の下
に、前記(式3)の右辺第2項を線形化して、(式6)
を得る。尚、θ0は、計測時点でのヨー角θであり、逐
次更新されるものである。
に、前記(式3)の右辺第2項を線形化して、(式6)
を得る。尚、θ0は、計測時点でのヨー角θであり、逐
次更新されるものである。
【0075】
【数3】
【0076】また、以下の(式7)に示すように、前記
座標変換行列の積TρTψTθの逆行列についても同様
に線形化する。
座標変換行列の積TρTψTθの逆行列についても同様
に線形化する。
【0077】
【数4】
【0078】ここで、前記(式6)を(式3)の右辺第
2項に代入すると、以下の(式8)が得られるから、
(式3)は以下の(式9)のように表され、結局、(式
10)の如く整理できる。尚、W0は、線形化のための
基点ベクトルであって、逐次更新されるものである。
2項に代入すると、以下の(式8)が得られるから、
(式3)は以下の(式9)のように表され、結局、(式
10)の如く整理できる。尚、W0は、線形化のための
基点ベクトルであって、逐次更新されるものである。
【0079】
【数5】
【0080】そして、前記(式10)を、前記図4に示
す車両状態量[X]に着目して、整理し直せば、以下の
(式11)が得られ、従って、この実施形態の物理モデ
ルは、以下の(式12)(式13)に示す基本的な状態
方程式及び出力方程式で記述される。
す車両状態量[X]に着目して、整理し直せば、以下の
(式11)が得られ、従って、この実施形態の物理モデ
ルは、以下の(式12)(式13)に示す基本的な状態
方程式及び出力方程式で記述される。
【0081】
【数6】
【0082】
【数7】
【0083】さらに、前記(式12)(式13)を拡張
して、センサノイズvn(t)と外乱入力wn(t)とを
加えることにより、以下の(式14)(式15)が得ら
れ、このように定義した物理モデルに対して、カルマン
フィルタは、例えば、以下の(式16)〜(式18)の
ように構成される。尚、前記(式14)(式17)にお
いて、 Bw = I とすればよい。
して、センサノイズvn(t)と外乱入力wn(t)とを
加えることにより、以下の(式14)(式15)が得ら
れ、このように定義した物理モデルに対して、カルマン
フィルタは、例えば、以下の(式16)〜(式18)の
ように構成される。尚、前記(式14)(式17)にお
いて、 Bw = I とすればよい。
【0084】
【数8】
【0085】ここで、(式16)の右辺第3項のMCT
Vn(t)-1は、オブザーバゲインであって、制御サイ
クル毎に逐次更新されるものである。このようにゲイン
を逐次変更することで、この実施形態のような時変シス
テムにおいても高い演算精度を確保できる。また、Vn
(t)、Wn(t)は、それぞれセンサノイズ及び外乱
入力の分散を示す。そして、これらの値を適宜、定義し
て前記(式16)〜(式18)に基づいて演算すること
により、システムからの出力を推定することができる。
Vn(t)-1は、オブザーバゲインであって、制御サイ
クル毎に逐次更新されるものである。このようにゲイン
を逐次変更することで、この実施形態のような時変シス
テムにおいても高い演算精度を確保できる。また、Vn
(t)、Wn(t)は、それぞれセンサノイズ及び外乱
入力の分散を示す。そして、これらの値を適宜、定義し
て前記(式16)〜(式18)に基づいて演算すること
により、システムからの出力を推定することができる。
【0086】尚、上述した物理モデルでは、行列式A,
Cの中に状態変数が混じっていたり、演算式の左辺に状
態変数の二乗が現れる等、厳密には論理的取り扱いに微
妙な点もあるが、自動車Vの車速や角速度等があまり大
きく変動しないという条件の下で適用する限りにおいて
は、何ら問題は生じない。
Cの中に状態変数が混じっていたり、演算式の左辺に状
態変数の二乗が現れる等、厳密には論理的取り扱いに微
妙な点もあるが、自動車Vの車速や角速度等があまり大
きく変動しないという条件の下で適用する限りにおいて
は、何ら問題は生じない。
【0087】次に、前記したカルマンフィルタの適用に
よる車両状態量[X]の推定演算について、図5〜7に
基づいて説明する。この演算は、基本的には図5に示す
ように、コンピュータ装置9により記憶装置11から時
系列のGPS位置データ及び角速度データを読み込み、
このデータにおける時間の経過に沿って、前記した18
個の状態変数のそれぞれについて逐次、推定演算を行う
ものである。すなわち、まず、同図に実線で示すよう
に、第2設定周期毎(図例では周波数500Hz、即ち
500分の1秒毎)の車体姿勢の変化状態を表す角速度
データを入力する。そして、或る時刻において、各状態
変数についての前回の推定値(初回については初期条
件)に基づいて予測されるデータ予測値と今回の入力デ
ータ、即ち車体局所座標系におけるロール角速度φ′、
ピッチ角速度ζ′及びヨー角速度ξ′とを対比して、該
各角速度データについての測定誤差情報を更新する(誤
差情報の更新)。
よる車両状態量[X]の推定演算について、図5〜7に
基づいて説明する。この演算は、基本的には図5に示す
ように、コンピュータ装置9により記憶装置11から時
系列のGPS位置データ及び角速度データを読み込み、
このデータにおける時間の経過に沿って、前記した18
個の状態変数のそれぞれについて逐次、推定演算を行う
ものである。すなわち、まず、同図に実線で示すよう
に、第2設定周期毎(図例では周波数500Hz、即ち
500分の1秒毎)の車体姿勢の変化状態を表す角速度
データを入力する。そして、或る時刻において、各状態
変数についての前回の推定値(初回については初期条
件)に基づいて予測されるデータ予測値と今回の入力デ
ータ、即ち車体局所座標系におけるロール角速度φ′、
ピッチ角速度ζ′及びヨー角速度ξ′とを対比して、該
各角速度データについての測定誤差情報を更新する(誤
差情報の更新)。
【0088】続いて、前記角速度の入力データと更新し
た誤差情報とを物理モデルに入力して、この時刻におけ
る全ての状態変数をカルマンフィルタの適用により一度
に推定演算し(状態Xの推定)、続いて、この推定結果
に基づいて、次回の推定時刻における全ての状態変数を
予測する(状態Xの予測)。そして、このように予測し
た車両状態量[X]に基づいて、次回の入力データ値
φ′,ζ′,ξ′を予測する(測定データ予測)。以上
のような推定演算を第2設定周期毎のデータ入力に同期
して繰り返し行うことで、第2設定周期毎の車体1の位
置、姿勢及びそれらの変化を逐次、記述することができ
る。
た誤差情報とを物理モデルに入力して、この時刻におけ
る全ての状態変数をカルマンフィルタの適用により一度
に推定演算し(状態Xの推定)、続いて、この推定結果
に基づいて、次回の推定時刻における全ての状態変数を
予測する(状態Xの予測)。そして、このように予測し
た車両状態量[X]に基づいて、次回の入力データ値
φ′,ζ′,ξ′を予測する(測定データ予測)。以上
のような推定演算を第2設定周期毎のデータ入力に同期
して繰り返し行うことで、第2設定周期毎の車体1の位
置、姿勢及びそれらの変化を逐次、記述することができ
る。
【0089】また、第1設定周期毎(図例では20H
z、即ち20分の1秒毎)に、前記と同様の推定演算
を、角速度データに加えて、GPS位置データも加味し
て行う。すなわち、図の例では前記した第2設定周期毎
(500分の1秒毎)の推定演算のうちの25回に1回
は、同図に破線で示すように、GPSアンテナ2,2,
…の各位置座標Xi(i=1〜4)も入力し、角速度の
入力値φ′,ζ′,ξ′を加えた全ての情報に基づい
て、車両状態量[X]の推定を行う。
z、即ち20分の1秒毎)に、前記と同様の推定演算
を、角速度データに加えて、GPS位置データも加味し
て行う。すなわち、図の例では前記した第2設定周期毎
(500分の1秒毎)の推定演算のうちの25回に1回
は、同図に破線で示すように、GPSアンテナ2,2,
…の各位置座標Xi(i=1〜4)も入力し、角速度の
入力値φ′,ζ′,ξ′を加えた全ての情報に基づい
て、車両状態量[X]の推定を行う。
【0090】このときには、予め前回の推定演算により
予想した車両状態量[X]に基づいて、角速度の入力デ
ータ値だけでなく、GPS位置の入力データ値も予測し
ておき、これらの予測データと今回の入力データ、即ち
ロール角速度φ′、ピッチ角速度ζ′及びヨー角速度
ξ′、並びにGPSアンテナ2,2,…の各位置座標X
i(i=1〜4)についてのデータの対比を行い、該各
データについての測定誤差情報を更新する。そして、前
記角速度及びGPS位置の入力データと更新した誤差情
報とを物理モデルに入力して、前記と同様に車両状態量
[X]を推定し、さらに、次回の推定時刻における車両
状態量[X]と角速度データとを予測するのである。
予想した車両状態量[X]に基づいて、角速度の入力デ
ータ値だけでなく、GPS位置の入力データ値も予測し
ておき、これらの予測データと今回の入力データ、即ち
ロール角速度φ′、ピッチ角速度ζ′及びヨー角速度
ξ′、並びにGPSアンテナ2,2,…の各位置座標X
i(i=1〜4)についてのデータの対比を行い、該各
データについての測定誤差情報を更新する。そして、前
記角速度及びGPS位置の入力データと更新した誤差情
報とを物理モデルに入力して、前記と同様に車両状態量
[X]を推定し、さらに、次回の推定時刻における車両
状態量[X]と角速度データとを予測するのである。
【0091】そのようにGPSアンテナ2,2,…とジ
ャイロセンサ15,15,…とを組合わせて用いるよう
にしているのは、主に、それらのセンサにより求められ
る物理量に含まれている誤差の特性に対して効果的に対
応するためである。すなわち、一般的に、GPSアンテ
ナ2は、位置を直接的に検出するものであるから、重心
位置Xgや姿勢角Wの測定に関しては、該GPSアンテ
ナ2からの出力値が相対的に高い精度を有する。しか
し、センサの分解能そのものはジャイロセンサ15に比
べて低く、従って、GPSによる位置データを微分して
得られる速度データの精度は十分なものではない。
ャイロセンサ15,15,…とを組合わせて用いるよう
にしているのは、主に、それらのセンサにより求められ
る物理量に含まれている誤差の特性に対して効果的に対
応するためである。すなわち、一般的に、GPSアンテ
ナ2は、位置を直接的に検出するものであるから、重心
位置Xgや姿勢角Wの測定に関しては、該GPSアンテ
ナ2からの出力値が相対的に高い精度を有する。しか
し、センサの分解能そのものはジャイロセンサ15に比
べて低く、従って、GPSによる位置データを微分して
得られる速度データの精度は十分なものではない。
【0092】一方、ジャイロセンサ15は、そもそもの
分解能が高いことに加えて、車体1のロール角速度φ′
等を直接的に計測するものであるから、車体1の回転角
速度については、ジャイロセンサ15からの出力は極め
て高い精度を有する。また、剛体に近似した車体1にお
いては何処でも角速度は同じであるから、この車体1の
任意の部位の速度を角速度データに基づいて精度良くに
求めることができる。但し、その角速度データを積分し
て位置Xや姿勢角W等を求めようとすると、検出値その
ものに内在する誤差や上述の如き線形近似に起因する誤
差が積分されてしまい、十分な精度は得られなくなる。
分解能が高いことに加えて、車体1のロール角速度φ′
等を直接的に計測するものであるから、車体1の回転角
速度については、ジャイロセンサ15からの出力は極め
て高い精度を有する。また、剛体に近似した車体1にお
いては何処でも角速度は同じであるから、この車体1の
任意の部位の速度を角速度データに基づいて精度良くに
求めることができる。但し、その角速度データを積分し
て位置Xや姿勢角W等を求めようとすると、検出値その
ものに内在する誤差や上述の如き線形近似に起因する誤
差が積分されてしまい、十分な精度は得られなくなる。
【0093】また、図6(a)(b)にそれぞれ実線で
模式的に示すように、一般に、車体1の実際の姿勢は連
続的に変化するものであって、その重心位置や姿勢角が
所定以上、大きく変化することはない。従って、仮にG
PSアンテナ2,2,…により測定された位置のデータ
に基づいて、同図(a)に破線で示すように車体1の向
きが飛び飛びに大きく変化しているという結果が得られ
た場合には、これに加速度データを加味して演算結果を
修正することにより、同図(b)に破線で示すように、
車体1の計測結果を実線の枠内、即ち車体1の実際の軌
跡に沿うように収めることができる。
模式的に示すように、一般に、車体1の実際の姿勢は連
続的に変化するものであって、その重心位置や姿勢角が
所定以上、大きく変化することはない。従って、仮にG
PSアンテナ2,2,…により測定された位置のデータ
に基づいて、同図(a)に破線で示すように車体1の向
きが飛び飛びに大きく変化しているという結果が得られ
た場合には、これに加速度データを加味して演算結果を
修正することにより、同図(b)に破線で示すように、
車体1の計測結果を実線の枠内、即ち車体1の実際の軌
跡に沿うように収めることができる。
【0094】以上述べたようなデータの特性を考慮し
て、この実施形態では、GPSアンテナ2,2,…によ
る直接的な位置の測定データとジャイロセンサ15,1
5,…による角速度の測定データとを組み合わせ、それ
ぞれの誤差の特性と車体1の位置や姿勢の連続性という
幾何的な制限とに的確に対応して、データの相互補完的
な補正を行うことにより、解析の精度を十分に高くする
ことができるのである。
て、この実施形態では、GPSアンテナ2,2,…によ
る直接的な位置の測定データとジャイロセンサ15,1
5,…による角速度の測定データとを組み合わせ、それ
ぞれの誤差の特性と車体1の位置や姿勢の連続性という
幾何的な制限とに的確に対応して、データの相互補完的
な補正を行うことにより、解析の精度を十分に高くする
ことができるのである。
【0095】ここで、一般的に、GPSアンテナ2によ
る測定は、ジャイロセンサ15等のように短い周期で行
うことができないので、GPSアンテナ2とジャイロセ
ンサ15とを組み合わせるにあたっては、前記したよう
に、角速度データは例えば500分の1秒という極めて
短い時間間隔で取得し、このデータに基づいて車体1の
位置、姿勢及びそれらの変化状態をきめ細かく推定する
ようにしている。そして、20分の1秒間隔で得られる
GPSアンテナ2からの位置信号に基づいて、前記50
0分の1秒間隔の推定結果を補正することで、推定精度
を向上させている。
る測定は、ジャイロセンサ15等のように短い周期で行
うことができないので、GPSアンテナ2とジャイロセ
ンサ15とを組み合わせるにあたっては、前記したよう
に、角速度データは例えば500分の1秒という極めて
短い時間間隔で取得し、このデータに基づいて車体1の
位置、姿勢及びそれらの変化状態をきめ細かく推定する
ようにしている。そして、20分の1秒間隔で得られる
GPSアンテナ2からの位置信号に基づいて、前記50
0分の1秒間隔の推定結果を補正することで、推定精度
を向上させている。
【0096】つまり、GPSアンテナ2とジャイロセン
サ15との組み合わせによる計測精度の向上という作用
効果を得ながら、これに加えて、ジャイロセンサ15に
よる測定周期を、GPSアンテナ2による測定周期の限
界に制限されることなく、十分に短くして、積分誤差そ
のものを低減することにより、車体姿勢の計測精度をさ
らに向上させているものである。
サ15との組み合わせによる計測精度の向上という作用
効果を得ながら、これに加えて、ジャイロセンサ15に
よる測定周期を、GPSアンテナ2による測定周期の限
界に制限されることなく、十分に短くして、積分誤差そ
のものを低減することにより、車体姿勢の計測精度をさ
らに向上させているものである。
【0097】加えて、この実施形態では、前記した車両
状態量[X]の推定演算において、精度向上のためのさ
らなる工夫を凝らしている。すなわち、図7に模式的に
示すように、車両状態量[X]のデータを求める際、ま
ず、同図の左側から右側に向かって、前記したような車
両状態量[X]の推定演算とデータの対比と測定誤差情
報の更新とを交互に繰り返し実行し、GPS位置データ
及び加速度データにおける測定時間の経過に沿って、車
体1の位置、姿勢及びそれらの変化状態を表す車両状態
量[X]を逐次、推定演算する。続いて、図の右端側に
示すように時間を反転させて、今度は時間経過を遡りな
がら再度、同様の演算を繰り返し行うようにしている。
すなわち、車両状態量[X]を時間経過に沿って推定し
た場合、その各時刻における推定結果にはそれまでの過
去の測定データ(過去の誤差情報)が反映されるのみと
なるが、これに加えて、時間経過を遡りながら再度、推
定を行うことで、角時刻における車両状態量[X]の推
定結果に対して過去及び未来の全ての測定データ(過去
及び未来の誤差情報)を反映させることができ、これに
より、車両状態量[X]の推定精度が大幅に向上するの
である。
状態量[X]の推定演算において、精度向上のためのさ
らなる工夫を凝らしている。すなわち、図7に模式的に
示すように、車両状態量[X]のデータを求める際、ま
ず、同図の左側から右側に向かって、前記したような車
両状態量[X]の推定演算とデータの対比と測定誤差情
報の更新とを交互に繰り返し実行し、GPS位置データ
及び加速度データにおける測定時間の経過に沿って、車
体1の位置、姿勢及びそれらの変化状態を表す車両状態
量[X]を逐次、推定演算する。続いて、図の右端側に
示すように時間を反転させて、今度は時間経過を遡りな
がら再度、同様の演算を繰り返し行うようにしている。
すなわち、車両状態量[X]を時間経過に沿って推定し
た場合、その各時刻における推定結果にはそれまでの過
去の測定データ(過去の誤差情報)が反映されるのみと
なるが、これに加えて、時間経過を遡りながら再度、推
定を行うことで、角時刻における車両状態量[X]の推
定結果に対して過去及び未来の全ての測定データ(過去
及び未来の誤差情報)を反映させることができ、これに
より、車両状態量[X]の推定精度が大幅に向上するの
である。
【0098】ここで、上述した方法により解析的に求め
た車体横滑り角βについて、ベクトル車速計等による測
定結果と比較して、その計測精度を検証した結果につい
て、説明する。この車体横滑り角βというのは、図8に
一例を示すように、車体1を上下方向から見て、その進
行方向が車体前後方向に対してなす角度のことであり、
同図に示すように車体前後方向に対し左側を正の値と、
また、右側を負の値として定義している。車体横滑り角
βは、車体1の重心位置においては自動車Vの全体とし
ての移動方向を示すものであるが、重心位置以外では主
にヨーイング運動の影響を強く受けるため、同図に示す
ように、レーンチェンジのための旋回初期等の時期にお
いては、例えば車体後端部の横滑り角βrが重心位置の
値βgとは大きく異なる値になる。
た車体横滑り角βについて、ベクトル車速計等による測
定結果と比較して、その計測精度を検証した結果につい
て、説明する。この車体横滑り角βというのは、図8に
一例を示すように、車体1を上下方向から見て、その進
行方向が車体前後方向に対してなす角度のことであり、
同図に示すように車体前後方向に対し左側を正の値と、
また、右側を負の値として定義している。車体横滑り角
βは、車体1の重心位置においては自動車Vの全体とし
ての移動方向を示すものであるが、重心位置以外では主
にヨーイング運動の影響を強く受けるため、同図に示す
ように、レーンチェンジのための旋回初期等の時期にお
いては、例えば車体後端部の横滑り角βrが重心位置の
値βgとは大きく異なる値になる。
【0099】そして、図9(a)は、自動車Vのレーン
チェンジの際に、車体1の重心位置についての横滑り角
βgと車体後端部での横滑り角βrとの変化を、それぞ
れ、この実施形態の車体運動計測装置Sにより計測する
とともに、車体1の後端部左側のGPSアンテナ2と上
下方向について同一箇所に配置したベクトル車速計によ
り測定し、それらの結果を対比して示したものである。
但し、後述する同図(b)との比較のために、計測装置
Sにおいては、車両状態量[X]の推定演算を時間経過
に沿ってのみ行うようにしている。尚、ベクトル車速計
による測定結果は、車体1に配設したジャイロセンサ1
5からの出力を用いて補正するとともに、出力遅れにつ
いては経験的な補正を行っている。
チェンジの際に、車体1の重心位置についての横滑り角
βgと車体後端部での横滑り角βrとの変化を、それぞ
れ、この実施形態の車体運動計測装置Sにより計測する
とともに、車体1の後端部左側のGPSアンテナ2と上
下方向について同一箇所に配置したベクトル車速計によ
り測定し、それらの結果を対比して示したものである。
但し、後述する同図(b)との比較のために、計測装置
Sにおいては、車両状態量[X]の推定演算を時間経過
に沿ってのみ行うようにしている。尚、ベクトル車速計
による測定結果は、車体1に配設したジャイロセンサ1
5からの出力を用いて補正するとともに、出力遅れにつ
いては経験的な補正を行っている。
【0100】そして、前記図(a)に実線で示すグラフ
は、計測装置Sによる車体重心位置の横滑り角βgの変
化を示すものであり、一方、破線で示すグラフは、ベク
トル車速計による測定結果を基に、車体重心位置につい
ての横滑り角βgに換算したものである。また、図に一
点鎖線で示すのは、計測装置Sによる車体後端部の横滑
り角βrであり、二点鎖線で示すのは、ベクトル車速計
による測定結果を基にしたものである。同図によれば、
この実施形態にの計測装置Sによる解析的な計測の結果
が、適切な補正を行った後の実測結果と良く対応してい
ることが分かる。
は、計測装置Sによる車体重心位置の横滑り角βgの変
化を示すものであり、一方、破線で示すグラフは、ベク
トル車速計による測定結果を基に、車体重心位置につい
ての横滑り角βgに換算したものである。また、図に一
点鎖線で示すのは、計測装置Sによる車体後端部の横滑
り角βrであり、二点鎖線で示すのは、ベクトル車速計
による測定結果を基にしたものである。同図によれば、
この実施形態にの計測装置Sによる解析的な計測の結果
が、適切な補正を行った後の実測結果と良く対応してい
ることが分かる。
【0101】次に、同図(b)は、前記の同図(a)と
同様の計測結果を示すものであるが、今度は、前記図7
に示すように、計測装置Sにおいて車両状態量[X]の
推定演算を時間経過に沿って行った後に、時間を反転さ
せて、時間経過を遡りながら再度、推定演算を行ったも
のである。同図に実線又は一点鎖線で示すグラフによれ
ば、データの変動が抑制されて、車体横滑り角βは時間
の経過とともにスムーズに変化するするものとなってい
る。これは、自動車Vのレーンチェンジの際に得られた
GPS位置データ及び角速度データの全てを反映させる
ことにより、計測装置Sにおける車両状態量[X]の推
定精度が向上し、この結果として、車体横滑り角βの計
測精度が大きく向上したことによると考えられる。
同様の計測結果を示すものであるが、今度は、前記図7
に示すように、計測装置Sにおいて車両状態量[X]の
推定演算を時間経過に沿って行った後に、時間を反転さ
せて、時間経過を遡りながら再度、推定演算を行ったも
のである。同図に実線又は一点鎖線で示すグラフによれ
ば、データの変動が抑制されて、車体横滑り角βは時間
の経過とともにスムーズに変化するするものとなってい
る。これは、自動車Vのレーンチェンジの際に得られた
GPS位置データ及び角速度データの全てを反映させる
ことにより、計測装置Sにおける車両状態量[X]の推
定精度が向上し、この結果として、車体横滑り角βの計
測精度が大きく向上したことによると考えられる。
【0102】以下、前記の如き構成の計測装置Sにより
車体1の位置や姿勢の変化を求める具体的な手順につい
て、図10及び図11のフローチャートに基づいて、説
明する。まず、図10のフローは、GPSアンテナ2,
2,…ないしジャイロセンサ15,15,…からの出力
信号を所定周期で採取する測定データ取得ステップの制
御手順を示し、このフローの各制御手順は、解析ユニッ
ト5の記憶装置11から読み出された測定データ取得プ
ログラムがCPUにより所定の周期(周波数500H
z)で実行されることにより、実現される。
車体1の位置や姿勢の変化を求める具体的な手順につい
て、図10及び図11のフローチャートに基づいて、説
明する。まず、図10のフローは、GPSアンテナ2,
2,…ないしジャイロセンサ15,15,…からの出力
信号を所定周期で採取する測定データ取得ステップの制
御手順を示し、このフローの各制御手順は、解析ユニッ
ト5の記憶装置11から読み出された測定データ取得プ
ログラムがCPUにより所定の周期(周波数500H
z)で実行されることにより、実現される。
【0103】図10に示すフローにおいてスタート後の
ステップSA1では、初期設定として、自動車Vの静止
状態又は直進走行においてジャイロセンサ15,15,
…の零点をリセットするとともに、コンピュータ装置9
のRAMをクリアする。また、作業者による入力に従っ
て、データの測定を行うデータ測定時間を設定する。続
いて、ステップSA2において、GPSアンテナ2,
2,…ないしジャイロセンサ15,15,…からの信号
を入力する。この際、各ジャイロセンサ15からの信号
は500Hzであり、一方、各GPSアンテナ2からの
位置信号は20Hzであるから、殆どの場合、位置信号
は入力しない。そこで、続くステップSA3において位
置信号が入力しているかどうか判定し、この判定がYE
Sであれば、ステップSA4に進んで、その位置信号を
補正信号により較正して、ステップSA5に進む。一
方、前記ステップSA3における判定がNOであれば、
そのままステップSA5に進む。
ステップSA1では、初期設定として、自動車Vの静止
状態又は直進走行においてジャイロセンサ15,15,
…の零点をリセットするとともに、コンピュータ装置9
のRAMをクリアする。また、作業者による入力に従っ
て、データの測定を行うデータ測定時間を設定する。続
いて、ステップSA2において、GPSアンテナ2,
2,…ないしジャイロセンサ15,15,…からの信号
を入力する。この際、各ジャイロセンサ15からの信号
は500Hzであり、一方、各GPSアンテナ2からの
位置信号は20Hzであるから、殆どの場合、位置信号
は入力しない。そこで、続くステップSA3において位
置信号が入力しているかどうか判定し、この判定がYE
Sであれば、ステップSA4に進んで、その位置信号を
補正信号により較正して、ステップSA5に進む。一
方、前記ステップSA3における判定がNOであれば、
そのままステップSA5に進む。
【0104】このステップSA5において、前記のよう
にして採取した信号をそれぞれ記憶装置11に記憶させ
ることにより、時系列のGPS位置データ及び角速度デ
ータをそれぞれ取得し、続くステップSA6では、前記
データ採取時間が経過したかどうか判定して、時間が経
過していなければ(NO)前記ステップSA2にリター
ンして、データの採取を継続する一方、時間が経過して
いれば(YES)、データの採取を終了する。このよう
にして、作業者が設定したデータ測定時間に亘る時系列
のGPS位置データ及び角速度データがそれぞれ得られ
る。
にして採取した信号をそれぞれ記憶装置11に記憶させ
ることにより、時系列のGPS位置データ及び角速度デ
ータをそれぞれ取得し、続くステップSA6では、前記
データ採取時間が経過したかどうか判定して、時間が経
過していなければ(NO)前記ステップSA2にリター
ンして、データの採取を継続する一方、時間が経過して
いれば(YES)、データの採取を終了する。このよう
にして、作業者が設定したデータ測定時間に亘る時系列
のGPS位置データ及び角速度データがそれぞれ得られ
る。
【0105】次に、図11のフローは、前記の如く取得
したGPS位置データ及び角速度データに基づいて車両
状態量[X]の時系列のデータを求め、そのデータに基
づいて、ディスプレー装置10等に車体1の回転軸や横
滑り角β等に関する表示を行わせる手順を示したもので
ある。このフローの各制御手順は、それぞれ、解析ユニ
ット5の記憶装置11から読み出された解析プログラ
ム、表示データ演算プログラム又は出力プログラムのい
ずれかがコンピュータ装置9のCPUにより実行される
ことにより、実現される。
したGPS位置データ及び角速度データに基づいて車両
状態量[X]の時系列のデータを求め、そのデータに基
づいて、ディスプレー装置10等に車体1の回転軸や横
滑り角β等に関する表示を行わせる手順を示したもので
ある。このフローの各制御手順は、それぞれ、解析ユニ
ット5の記憶装置11から読み出された解析プログラ
ム、表示データ演算プログラム又は出力プログラムのい
ずれかがコンピュータ装置9のCPUにより実行される
ことにより、実現される。
【0106】まず、図11に示すフローのスタート後の
ステップSB1では、作業者による入力に従って、車体
姿勢の姿勢を解析する時間範囲、即ち解析時間範囲を設
定する。続いて、ステップSB2において、前記解析時
間範囲に対応するGPS位置データ及び角速度データを
記憶装置11から読み込み、続くステップSB3におい
て上述した車両状態量[X]の演算を行う。すなわち、
時系列の角速度データないしGPS位置データをその解
析時間範囲の始期から終期に亘って、時間の経過に沿っ
て物理モデルに入力し、第2設定周期毎の車両状態量
[X]を逐次、推定演算する。そして、その後に時間を
反転させて、前記角速度データないしGPS位置データ
をその解析時間範囲の終期から始期に亘って、時間の経
過を遡るように物理モデルに入力し、前記と同様に車両
状態量[X]を逐次、推定演算する。
ステップSB1では、作業者による入力に従って、車体
姿勢の姿勢を解析する時間範囲、即ち解析時間範囲を設
定する。続いて、ステップSB2において、前記解析時
間範囲に対応するGPS位置データ及び角速度データを
記憶装置11から読み込み、続くステップSB3におい
て上述した車両状態量[X]の演算を行う。すなわち、
時系列の角速度データないしGPS位置データをその解
析時間範囲の始期から終期に亘って、時間の経過に沿っ
て物理モデルに入力し、第2設定周期毎の車両状態量
[X]を逐次、推定演算する。そして、その後に時間を
反転させて、前記角速度データないしGPS位置データ
をその解析時間範囲の終期から始期に亘って、時間の経
過を遡るように物理モデルに入力し、前記と同様に車両
状態量[X]を逐次、推定演算する。
【0107】前記の演算により、前記解析時間の範囲に
おける車体1の姿勢及び姿勢変化状態を表す時系列の車
両状態量[X]のデータが得られる。そして、そのよう
にして求めた車両状態量[X]の時系列のデータを、ス
テップSB4において記憶装置11に記憶させる。続い
て、ステップSB5において、作業者により選択された
形態の表示データを演算する。これは、例えば図12〜
16等に示すように、車体回転軸等の位置の変化を種々
の形態でディスプレー装置10等に表示させたり、或い
は、車体回転軸の傾斜角度の変化をグラフ化したりする
ものである。
おける車体1の姿勢及び姿勢変化状態を表す時系列の車
両状態量[X]のデータが得られる。そして、そのよう
にして求めた車両状態量[X]の時系列のデータを、ス
テップSB4において記憶装置11に記憶させる。続い
て、ステップSB5において、作業者により選択された
形態の表示データを演算する。これは、例えば図12〜
16等に示すように、車体回転軸等の位置の変化を種々
の形態でディスプレー装置10等に表示させたり、或い
は、車体回転軸の傾斜角度の変化をグラフ化したりする
ものである。
【0108】続いて、ステップSB6において、作業者
により選択された対比車両について、前記ステップSB
5と同様に表示データを演算する。すなわち、解析ユニ
ット5の記憶装置11には、複数の異なる自動車Vにつ
いての車体位置や姿勢の計測結果(車両状態量[X]の
時系列のデータ)が記憶されており、この中から、任意
の自動車Vについてのデータを選択して、今回の計測結
果と対比して表示させることができるものである。尚、
作業者による対比車両の選択が行われなければ、このス
テップはスキップする。そして、続くステップSB7に
おいて、前記ステップSB5ないしステップSB6にお
いて演算した表示データをディスプレー装置10等に出
力して、解析及び出力の制御を終了する。
により選択された対比車両について、前記ステップSB
5と同様に表示データを演算する。すなわち、解析ユニ
ット5の記憶装置11には、複数の異なる自動車Vにつ
いての車体位置や姿勢の計測結果(車両状態量[X]の
時系列のデータ)が記憶されており、この中から、任意
の自動車Vについてのデータを選択して、今回の計測結
果と対比して表示させることができるものである。尚、
作業者による対比車両の選択が行われなければ、このス
テップはスキップする。そして、続くステップSB7に
おいて、前記ステップSB5ないしステップSB6にお
いて演算した表示データをディスプレー装置10等に出
力して、解析及び出力の制御を終了する。
【0109】前記図11に示すフローのステップSB2
〜4の各ステップが、時系列のGPS位置データ及び角
速度データに基づいて、車両状態量[X]の時系列のデ
ータを求めるという解析ステップに対応しており、続く
ステップSB5が、その車両状態量の[X]データに基
づいて、車体回転軸、ヨーレイト、車体横滑り角β等の
表示データを演算する表示データ演算ステップに対応し
ている。また、ステップSB7は、それらの表示データ
をディスプレー装置10等に出力させる出力ステップに
対応している。
〜4の各ステップが、時系列のGPS位置データ及び角
速度データに基づいて、車両状態量[X]の時系列のデ
ータを求めるという解析ステップに対応しており、続く
ステップSB5が、その車両状態量の[X]データに基
づいて、車体回転軸、ヨーレイト、車体横滑り角β等の
表示データを演算する表示データ演算ステップに対応し
ている。また、ステップSB7は、それらの表示データ
をディスプレー装置10等に出力させる出力ステップに
対応している。
【0110】(車体回転軸についての演算)次に、前記
図11に示すフローのステップSB5において、車両状
態量[X]のデータに基づいて、車体回転軸の表示デー
タを求める方法について、具体的に説明する。ここで、
車体回転軸というのは、図12に模式的に示すような車
体1の空間的な回転軸axのことであり、従来から便宜
的に用いられているロール軸とは異なるものであって、
車体1の動的な姿勢変化を正確に把握しようとした場合
には極めて有効な指標となるものである。
図11に示すフローのステップSB5において、車両状
態量[X]のデータに基づいて、車体回転軸の表示デー
タを求める方法について、具体的に説明する。ここで、
車体回転軸というのは、図12に模式的に示すような車
体1の空間的な回転軸axのことであり、従来から便宜
的に用いられているロール軸とは異なるものであって、
車体1の動的な姿勢変化を正確に把握しようとした場合
には極めて有効な指標となるものである。
【0111】この実施形態の計測装置Sにおいては、車
体1の瞬間的な回転中心というロールセンタの定義に立
ち返り、上述の如く求めた車両状態量[X]の時系列の
データに基づいて、まず、ロールセンタの位置を特定す
る。すなわち、上述したように、剛体とみなした車体1
における任意の部位での位置及び速度は、該車体1の重
心位置Xg及びその速度と、該重心位置周りの姿勢角W
及び角速度ωとによって記述できるから、車体局所座標
系x-y-zにおいて、重心速度vr(vx,vy,vz)と
角速度ω(φ′,ζ′,ξ′)とを用いて、車体1上の
任意の点x(x0,y0,z0)における速度ベクトルvx
(Vx,Vy,Vz)は、 vx = vr + ω×x ・・・(式19) として、表される(但し、「×」はベクトル積を表
す)。
体1の瞬間的な回転中心というロールセンタの定義に立
ち返り、上述の如く求めた車両状態量[X]の時系列の
データに基づいて、まず、ロールセンタの位置を特定す
る。すなわち、上述したように、剛体とみなした車体1
における任意の部位での位置及び速度は、該車体1の重
心位置Xg及びその速度と、該重心位置周りの姿勢角W
及び角速度ωとによって記述できるから、車体局所座標
系x-y-zにおいて、重心速度vr(vx,vy,vz)と
角速度ω(φ′,ζ′,ξ′)とを用いて、車体1上の
任意の点x(x0,y0,z0)における速度ベクトルvx
(Vx,Vy,Vz)は、 vx = vr + ω×x ・・・(式19) として、表される(但し、「×」はベクトル積を表
す)。
【0112】ここで、車体1の瞬間回転中心を求めるた
めには、車体左右方向及び車体上下方向についての速度
成分がいずれも零になる点を求めればよいから、まず、
前記速度vx、重心速度vr、角速度ω及び位置座標xを
3軸x,y,zについての単位ベクトルi,j,kを用
いて、 vx = Vxi +Vyj +Vzk ・・・ (式20) vr = vxi +vyj +vzk ・・・ (式21) ω = φ′i+ζ′j+ξ′k ・・・ (式22) x = x0i +x0j +x0k ・・・ (式23) として整理する。
めには、車体左右方向及び車体上下方向についての速度
成分がいずれも零になる点を求めればよいから、まず、
前記速度vx、重心速度vr、角速度ω及び位置座標xを
3軸x,y,zについての単位ベクトルi,j,kを用
いて、 vx = Vxi +Vyj +Vzk ・・・ (式20) vr = vxi +vyj +vzk ・・・ (式21) ω = φ′i+ζ′j+ξ′k ・・・ (式22) x = x0i +x0j +x0k ・・・ (式23) として整理する。
【0113】そして、前記(式20)〜(式23)によ
り、車体左右方向及び車体上下方向についての速度成分
がいずれも零になる点は、以下の2つの式を満たすもの
であるから、車体1の瞬間的な回転中心が1つの直線、
即ち車体回転軸axとして定義できることが分かる。
り、車体左右方向及び車体上下方向についての速度成分
がいずれも零になる点は、以下の2つの式を満たすもの
であるから、車体1の瞬間的な回転中心が1つの直線、
即ち車体回転軸axとして定義できることが分かる。
【0114】 vy+ξ′x0−φ′z0 = 0 ・・・ (式24) vz+φ′y0−ζ′x0 = 0 ・・・ (式25) 従って、前記(式24)及び(式25)の2式に車両状
態量[X]の時系列のデータのうちから所要のものを代
入することにより、車体回転軸axを一義的に求めるこ
とができるから、自動車Vの走行中の車体回転軸axの
変化に関する時系列のデータが得られる。これにより、
従来までは実質的に計測不能だった車体回転軸axの動
的な変化を表示等できるので、車体姿勢の変化を直観的
に把握することが可能になる。
態量[X]の時系列のデータのうちから所要のものを代
入することにより、車体回転軸axを一義的に求めるこ
とができるから、自動車Vの走行中の車体回転軸axの
変化に関する時系列のデータが得られる。これにより、
従来までは実質的に計測不能だった車体回転軸axの動
的な変化を表示等できるので、車体姿勢の変化を直観的
に把握することが可能になる。
【0115】すなわち、例えば、作業者により入力設定
された設定時刻における瞬間的な車体回転軸axの位置
は、前記図12の(a)(b)(c)にそれぞれ示すよ
うに、車体上下方向、車体左右方向又は車体前後方向の
うちの少なくとも一方向から見た状態で表示させること
ができ、この表示を見れば、自動車Vの旋回時や進路変
更時等における車体1の瞬間的な姿勢変化の傾向が直観
的に把握できる。
された設定時刻における瞬間的な車体回転軸axの位置
は、前記図12の(a)(b)(c)にそれぞれ示すよ
うに、車体上下方向、車体左右方向又は車体前後方向の
うちの少なくとも一方向から見た状態で表示させること
ができ、この表示を見れば、自動車Vの旋回時や進路変
更時等における車体1の瞬間的な姿勢変化の傾向が直観
的に把握できる。
【0116】また、前記のように求めた車体回転軸ax
を時系列に表示させれば、自動車Vの旋回時や進路変更
時等において、車体回転軸axの位置及び角度が変化す
る様子を容易に把握することができる。例えば図13
は、自動車Vが走行車線を左から右にレーンチェンジす
るときに、車体上下方向から見て、車体回転軸axの位
置がどのように変化するかを示している。この図では、
自動車Vの前後方向についての移動は連続的に表示せず
に、車体回転軸axを所定間隔を空けてまとめて表示し
ているが、車体姿勢の変化を理解する上で非常に有効な
表示が得られる。また、同図においては、実線及び破線
によりそれぞれ異なる種類の2台の自動車について定比
して、車体回転軸axの軌跡を表示しており、実線で示
すA車は、破線で示すB車に比べて車体回転軸axの車
幅方向の移動が大きいことが分かる。
を時系列に表示させれば、自動車Vの旋回時や進路変更
時等において、車体回転軸axの位置及び角度が変化す
る様子を容易に把握することができる。例えば図13
は、自動車Vが走行車線を左から右にレーンチェンジす
るときに、車体上下方向から見て、車体回転軸axの位
置がどのように変化するかを示している。この図では、
自動車Vの前後方向についての移動は連続的に表示せず
に、車体回転軸axを所定間隔を空けてまとめて表示し
ているが、車体姿勢の変化を理解する上で非常に有効な
表示が得られる。また、同図においては、実線及び破線
によりそれぞれ異なる種類の2台の自動車について定比
して、車体回転軸axの軌跡を表示しており、実線で示
すA車は、破線で示すB車に比べて車体回転軸axの車
幅方向の移動が大きいことが分かる。
【0117】前記A車及びB車について車体回転軸ax
の変化する様子を個別に表示させたのが、図14及び図
15である。この各図は、車体1を固定した状態で、前
記図13と同様に車体回転軸の位置を時系列に表示した
ものであり、各図の横軸に示す車体前後方向についての
原点0は、自動車Vの後輪車軸に対応する位置である。
また、各図の縦軸に示す車体左右方向についての原点0
は、車体1の左右方向の中心に対応する位置である。そ
して、該各図には、自動車Vの旋回初期(T=0)か
ら、切り返しの開始に相当する0.9秒後(T=0.
9)、さらには直進状態への復帰開始に相当する1.7
秒後(T=1.7)における車体回転軸axの位置及び
角度の変化が示されている。前記図14においては、A
車のレーンチェンジにおける旋回初期に、車体1が、右
側後方の軸を中心に車体左側が沈むようにローリング
し、その後、ステアリングの切り返しに伴い一旦、車体
右側が沈むようにローリングしてから、やや遅れて、車
体左側が浮くようにローリングしながら、直進状態に戻
る様子が見られる。
の変化する様子を個別に表示させたのが、図14及び図
15である。この各図は、車体1を固定した状態で、前
記図13と同様に車体回転軸の位置を時系列に表示した
ものであり、各図の横軸に示す車体前後方向についての
原点0は、自動車Vの後輪車軸に対応する位置である。
また、各図の縦軸に示す車体左右方向についての原点0
は、車体1の左右方向の中心に対応する位置である。そ
して、該各図には、自動車Vの旋回初期(T=0)か
ら、切り返しの開始に相当する0.9秒後(T=0.
9)、さらには直進状態への復帰開始に相当する1.7
秒後(T=1.7)における車体回転軸axの位置及び
角度の変化が示されている。前記図14においては、A
車のレーンチェンジにおける旋回初期に、車体1が、右
側後方の軸を中心に車体左側が沈むようにローリング
し、その後、ステアリングの切り返しに伴い一旦、車体
右側が沈むようにローリングしてから、やや遅れて、車
体左側が浮くようにローリングしながら、直進状態に戻
る様子が見られる。
【0118】一方、図15に示すB車の場合は、前記A
車と同様に旋回外輪を沈ませるようにローリングしてい
るものの、旋回初期から切り返し、さらには直進状態へ
復帰するまでの間、車体左側と車体右側とが同期して逆
向きに回動し、車体旋回軸axが車体中心部近傍に安定
的に位置していることが分かる。また、このB車の場合
には、A車に比べて車体回転軸axの角度変化も小さ
く、さらに直進状態に復帰するときの収束性も高い。そ
して、このような車体回転軸の変化の様子を別途、実行
した官能評価の結果と対照した結果、車体回転軸axの
安定しているB車の運転フィーリングが相対的に優れて
いることが確認された。
車と同様に旋回外輪を沈ませるようにローリングしてい
るものの、旋回初期から切り返し、さらには直進状態へ
復帰するまでの間、車体左側と車体右側とが同期して逆
向きに回動し、車体旋回軸axが車体中心部近傍に安定
的に位置していることが分かる。また、このB車の場合
には、A車に比べて車体回転軸axの角度変化も小さ
く、さらに直進状態に復帰するときの収束性も高い。そ
して、このような車体回転軸の変化の様子を別途、実行
した官能評価の結果と対照した結果、車体回転軸axの
安定しているB車の運転フィーリングが相対的に優れて
いることが確認された。
【0119】また、図16(a)(b)は、前記の如く
時系列に求めた車体回転軸axのデータに基づいて、自
動車Vの車体後方側から見た後輪側ロールセンタ位置の
表示例である。この例では、ローリングした状態の車体
1が地面に対してなす角度は同じであるが、同図(a)
に示すように後輪側ロールセンタが旋回外輪側(左側)
に位置する場合、車体1の後部が図に矢印で示すように
ジャッキアップして、オーバーステア傾向が強まるとと
もに、運転者は、全体として浮き上がるような挙動によ
って不安感を抱き易い。一方、同図(b)に示すように
ロールセンタが旋回内輪側にあれば、図に矢印で示すよ
うに車体全体として沈み込むような挙動になるから、好
ましい運転フィーリングが得られる。このように、自動
車Vの旋回時や進路変更時等におけるロールセンタ位置
の変化を正確に把握できることは、特に、サスペンショ
ンの設計において有効なものとなる。
時系列に求めた車体回転軸axのデータに基づいて、自
動車Vの車体後方側から見た後輪側ロールセンタ位置の
表示例である。この例では、ローリングした状態の車体
1が地面に対してなす角度は同じであるが、同図(a)
に示すように後輪側ロールセンタが旋回外輪側(左側)
に位置する場合、車体1の後部が図に矢印で示すように
ジャッキアップして、オーバーステア傾向が強まるとと
もに、運転者は、全体として浮き上がるような挙動によ
って不安感を抱き易い。一方、同図(b)に示すように
ロールセンタが旋回内輪側にあれば、図に矢印で示すよ
うに車体全体として沈み込むような挙動になるから、好
ましい運転フィーリングが得られる。このように、自動
車Vの旋回時や進路変更時等におけるロールセンタ位置
の変化を正確に把握できることは、特に、サスペンショ
ンの設計において有効なものとなる。
【0120】さらに、この実施形態の計測装置Sによれ
ば、自動車Vの旋回時や進路変更時等における車体回転
軸axの変化をより詳細に出力させることもできる。す
なわち、例えば図17は、自動車Vの直進状態からステ
アリングを所定角度だけ左側に操舵して、左側に旋回さ
せるいわゆるJターンのときに、車体1を地面に水平な
左右方向から見て、車体回転軸axが該車体1の前後方
向に対してなす傾斜角度α(図12参照)が時間の経過
とともにどのように変化するかを示したグラフ図であ
る。このグラフは、前記A車、B車を含む4種類の自動
車Vについて、車体回転軸axの傾斜角度を対比して示
したものである。このように車体回転軸axの角度の変
化が定量的に求められ、車体1の姿勢変化についてより
きめの細かい情報が得られれば、車体姿勢の変化が自動
車Vの全体の運動性能に及ぼす影響についても厳密に解
析することが可能になる。
ば、自動車Vの旋回時や進路変更時等における車体回転
軸axの変化をより詳細に出力させることもできる。す
なわち、例えば図17は、自動車Vの直進状態からステ
アリングを所定角度だけ左側に操舵して、左側に旋回さ
せるいわゆるJターンのときに、車体1を地面に水平な
左右方向から見て、車体回転軸axが該車体1の前後方
向に対してなす傾斜角度α(図12参照)が時間の経過
とともにどのように変化するかを示したグラフ図であ
る。このグラフは、前記A車、B車を含む4種類の自動
車Vについて、車体回転軸axの傾斜角度を対比して示
したものである。このように車体回転軸axの角度の変
化が定量的に求められ、車体1の姿勢変化についてより
きめの細かい情報が得られれば、車体姿勢の変化が自動
車Vの全体の運動性能に及ぼす影響についても厳密に解
析することが可能になる。
【0121】また、図18は、同じくJターンのときに
車体1のヨーセンタ位置が時間の経過とともにどのよう
に変化するかを示す。このグラフに示すヨーセンタ位置
は、自動車Vの静止状態で後輪車軸を通る水平面と車体
回転軸とが交差する点の車体前後方向の距離を、該後輪
車軸位置を原点0として、計測したものである。また、
このグラフも、前記A車、B車を含む4種類の自動車V
について対比して示したものである。このグラフによれ
ば、自動車Vの旋回時等において、車体1の旋回中心が
車体前後方向について移動する様子が正確に把握できる
ので、特に、自動車Vの前後荷重配分と運動性能との間
の関係についての解析の際に有効なデータが得られる。
車体1のヨーセンタ位置が時間の経過とともにどのよう
に変化するかを示す。このグラフに示すヨーセンタ位置
は、自動車Vの静止状態で後輪車軸を通る水平面と車体
回転軸とが交差する点の車体前後方向の距離を、該後輪
車軸位置を原点0として、計測したものである。また、
このグラフも、前記A車、B車を含む4種類の自動車V
について対比して示したものである。このグラフによれ
ば、自動車Vの旋回時等において、車体1の旋回中心が
車体前後方向について移動する様子が正確に把握できる
ので、特に、自動車Vの前後荷重配分と運動性能との間
の関係についての解析の際に有効なデータが得られる。
【0122】尚、この実施形態の計測装置Sによる計測
結果の表示形態は、上述したような車体回転軸axに関
するものに限られないことは勿論であり、例えば、車両
状態量[X]の時系列のデータに基づいて、自動車Vの
旋回時や進路変更時等におけるヨーレイトやピッチレイ
トの変化を求め、これを表示するグラフを出力するよう
にしてもよい。或いは、前記図9(b)に示すように、
レーンチェンジの際の車体横滑り角βの変化をグラフ化
して、出力することもできる。
結果の表示形態は、上述したような車体回転軸axに関
するものに限られないことは勿論であり、例えば、車両
状態量[X]の時系列のデータに基づいて、自動車Vの
旋回時や進路変更時等におけるヨーレイトやピッチレイ
トの変化を求め、これを表示するグラフを出力するよう
にしてもよい。或いは、前記図9(b)に示すように、
レーンチェンジの際の車体横滑り角βの変化をグラフ化
して、出力することもできる。
【0123】したがって、この実施形態に係る車体運動
計測装置Sによれば、自動車Vの走行中の車体1の位
置、姿勢及びそれらの変化状態を18個の状態変数から
なる車両状態量[X]を用いて定義し、この車両状態量
[X]の変化を、GPSアンテナ2,2,…やジャイロ
センサ15,15,…による測定データに基づいて、カ
ルマンフィルタの適用により逐次、演算することによ
り、車体1の位置や姿勢の変化をきめ細かくかつ正確に
記述することができる。しかも、その際、GPS位置デ
ータと角速度データとがそれぞれ持っている誤差特性の
相違点や車体姿勢の連続性という物理的な意味を適切に
反映させて、車両状態量[X]、即ち18個の状態変数
の値をそれぞれ正確に推定し、かつこの推定結果に基づ
いて測定データの修正等を行うことにより、解析的な計
測の精度を極めて高くすることができる。
計測装置Sによれば、自動車Vの走行中の車体1の位
置、姿勢及びそれらの変化状態を18個の状態変数から
なる車両状態量[X]を用いて定義し、この車両状態量
[X]の変化を、GPSアンテナ2,2,…やジャイロ
センサ15,15,…による測定データに基づいて、カ
ルマンフィルタの適用により逐次、演算することによ
り、車体1の位置や姿勢の変化をきめ細かくかつ正確に
記述することができる。しかも、その際、GPS位置デ
ータと角速度データとがそれぞれ持っている誤差特性の
相違点や車体姿勢の連続性という物理的な意味を適切に
反映させて、車両状態量[X]、即ち18個の状態変数
の値をそれぞれ正確に推定し、かつこの推定結果に基づ
いて測定データの修正等を行うことにより、解析的な計
測の精度を極めて高くすることができる。
【0124】そして、そのようにして得られた解析結
果、即ち、車両状態量[X]の時系列のデータに基づい
て、走行中の車体1の動的な姿勢変化を正確に把握でき
るようになれば、その結果を自動車Vのシャシー開発等
に反映させて、旋回性能や運転フィーリングを十分に向
上させることが可能になる。すなわち、例えば、本願発
明の計測装置Sを用いれば、上述したように、従来まで
は実質的に計測不能だった動的な車体回転軸axに関す
る種々の知見が得られるので、この車体回転軸axの動
的な変化を1つの指標として、自動車Vのシャシーを作
り込んでいけば、操縦安定性の向上と良好な乗り心地と
を高次元で両立し、なおかつ卓越した運転フィーリング
をも実現することができるのである。
果、即ち、車両状態量[X]の時系列のデータに基づい
て、走行中の車体1の動的な姿勢変化を正確に把握でき
るようになれば、その結果を自動車Vのシャシー開発等
に反映させて、旋回性能や運転フィーリングを十分に向
上させることが可能になる。すなわち、例えば、本願発
明の計測装置Sを用いれば、上述したように、従来まで
は実質的に計測不能だった動的な車体回転軸axに関す
る種々の知見が得られるので、この車体回転軸axの動
的な変化を1つの指標として、自動車Vのシャシーを作
り込んでいけば、操縦安定性の向上と良好な乗り心地と
を高次元で両立し、なおかつ卓越した運転フィーリング
をも実現することができるのである。
【0125】加えて、この実施形態の計測装置Sによれ
ば、上述の如く、異なる車種についての計測結果を対比
して出力することができるから、例えば、開発途上の自
動車Vについての車体姿勢等の計測結果を、テストドラ
イバによる官能評価において評価の高い別の車種につい
ての計測結果と対比することにより、車体姿勢等の変化
と官能評価との対応を異なる車種について互いに関連付
けて行うことができる。言い換えると、自動車の運転フ
ィーリングに関する官能評価を、本願発明の計測装置S
による計測結果に基づいて定量化して、判断することが
可能になる。
ば、上述の如く、異なる車種についての計測結果を対比
して出力することができるから、例えば、開発途上の自
動車Vについての車体姿勢等の計測結果を、テストドラ
イバによる官能評価において評価の高い別の車種につい
ての計測結果と対比することにより、車体姿勢等の変化
と官能評価との対応を異なる車種について互いに関連付
けて行うことができる。言い換えると、自動車の運転フ
ィーリングに関する官能評価を、本願発明の計測装置S
による計測結果に基づいて定量化して、判断することが
可能になる。
【0126】(他の実施形態)尚、本発明の構成は、前
記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種
々の構成も包含するものである。すなわち、前記実施形
態に係る車体運動計測装置Sでは、車体1の姿勢変化状
態の測定をジャイロセンサ15によって行うようにして
いるが、これに限らず、例えば速度センサを用いて行う
ようにしてもよい。また、前記実施形態においてさらに
加速度センサや角加速度センサ等を追加すれば、車体位
置や姿勢の解析の精度はさらに向上する可能性がある。
記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種
々の構成も包含するものである。すなわち、前記実施形
態に係る車体運動計測装置Sでは、車体1の姿勢変化状
態の測定をジャイロセンサ15によって行うようにして
いるが、これに限らず、例えば速度センサを用いて行う
ようにしてもよい。また、前記実施形態においてさらに
加速度センサや角加速度センサ等を追加すれば、車体位
置や姿勢の解析の精度はさらに向上する可能性がある。
【0127】また、車両状態量[X]については、図4
に示すものに限らないことは言うまでもない。すなわ
ち、前記実施形態に示した物理モデルはあくまで一例に
過ぎず、センサの種類や個数に応じて、適切な状態変数
を設定することができる。また、システムへの入力や出
力についても種々の設定が可能である。
に示すものに限らないことは言うまでもない。すなわ
ち、前記実施形態に示した物理モデルはあくまで一例に
過ぎず、センサの種類や個数に応じて、適切な状態変数
を設定することができる。また、システムへの入力や出
力についても種々の設定が可能である。
【0128】また、前記実施形態においては、GPSア
ンテナ2,2,…からの位置信号を20Hzで採取する
一方、ジャイロセンサ15,15,…からの信号は50
0Hzで採取するようにしているが、これらの周波数に
限らないことはいうまでもないし、両者の信号はいずれ
も同じ周期で採取するようにしてもよい。
ンテナ2,2,…からの位置信号を20Hzで採取する
一方、ジャイロセンサ15,15,…からの信号は50
0Hzで採取するようにしているが、これらの周波数に
限らないことはいうまでもないし、両者の信号はいずれ
も同じ周期で採取するようにしてもよい。
【0129】さらに、前記実施形態においては、自動車
Vの車体に解析ユニット5を搭載して、GPSアンテナ
2,2,…やジャイロセンサ15,15,…からの信号
を採取した後に、直ちにこれらの信号データに基づい
て、車体姿勢等の解析を行えるようにしているが、これ
に限るものではない。
Vの車体に解析ユニット5を搭載して、GPSアンテナ
2,2,…やジャイロセンサ15,15,…からの信号
を採取した後に、直ちにこれらの信号データに基づい
て、車体姿勢等の解析を行えるようにしているが、これ
に限るものではない。
【0130】すなわち、例えば、自動車Vの車体1には
センサからの出力信号を採取して、記憶手段11に記憶
させるための最小限度のシステムを搭載し、このシステ
ムにより採取したデータをフロッピー(R)ディスクや
光ディスク等の記録媒体に記録する。そして、その記録
媒体のデータを別のコンピュータ装置により読み出し
て、このコンピュータ装置により解析して、車体1の姿
勢変化を求めるようにすることもできる。加えて、その
ようにする場合には、GPSアンテナ2からの位置信号
を較正するための補正信号も前記記録媒体に記録させて
おき、その補正信号に基づく位置信号の較正も前記した
別のコンピュータ装置によって行うようにしてもよい。
センサからの出力信号を採取して、記憶手段11に記憶
させるための最小限度のシステムを搭載し、このシステ
ムにより採取したデータをフロッピー(R)ディスクや
光ディスク等の記録媒体に記録する。そして、その記録
媒体のデータを別のコンピュータ装置により読み出し
て、このコンピュータ装置により解析して、車体1の姿
勢変化を求めるようにすることもできる。加えて、その
ようにする場合には、GPSアンテナ2からの位置信号
を較正するための補正信号も前記記録媒体に記録させて
おき、その補正信号に基づく位置信号の較正も前記した
別のコンピュータ装置によって行うようにしてもよい。
【0131】
【発明の効果】以上、説明したように、本願の請求項1
の発明に係る車体運動計測方法によると、自動車の車体
に配設したGPSアンテナにより、当該車体の位置及び
姿勢の変化を直接的に測定し、この測定により得られた
時系列の第1データに基づいて、剛体に近似した車体各
部の位置座標を演算することにより、車体の動的な位置
や姿勢の変化を解析的にかつ従来よりも正確に求めるこ
とができる。
の発明に係る車体運動計測方法によると、自動車の車体
に配設したGPSアンテナにより、当該車体の位置及び
姿勢の変化を直接的に測定し、この測定により得られた
時系列の第1データに基づいて、剛体に近似した車体各
部の位置座標を演算することにより、車体の動的な位置
や姿勢の変化を解析的にかつ従来よりも正確に求めるこ
とができる。
【0132】請求項2の発明によると、車体に配設した
姿勢変化速度センサにより、該車体の姿勢変化速度に関
する物理量を測定し、この測定により得られた時系列の
第2データと、GPSアンテナによる第1データとを組
み合わせて、相互に補完するように適切に補正すること
により、車体姿勢等の計測精度を向上できる。
姿勢変化速度センサにより、該車体の姿勢変化速度に関
する物理量を測定し、この測定により得られた時系列の
第2データと、GPSアンテナによる第1データとを組
み合わせて、相互に補完するように適切に補正すること
により、車体姿勢等の計測精度を向上できる。
【0133】請求項3の発明によると、姿勢変化速度と
して回転角速度を検出することにより、GPSアンテナ
による測定結果との相互補完的な補正が容易になり、車
体の位置及び姿勢変化の計測精度がさらに向上する。
して回転角速度を検出することにより、GPSアンテナ
による測定結果との相互補完的な補正が容易になり、車
体の位置及び姿勢変化の計測精度がさらに向上する。
【0134】請求項4の発明によると、第1データ及び
第2データをカルマンフィルタにより処理して、車体の
位置、姿勢及びそれらの変化状態を表す複数の状態変数
についてそれぞれ物理法則に従った適切なフィルタリン
グを行うことができ、このことにより、該状態変数から
なる車両状態量の推定演算、即ち車体の位置及び姿勢変
化の計測精度を極めて高いものとすることができる。
第2データをカルマンフィルタにより処理して、車体の
位置、姿勢及びそれらの変化状態を表す複数の状態変数
についてそれぞれ物理法則に従った適切なフィルタリン
グを行うことができ、このことにより、該状態変数から
なる車両状態量の推定演算、即ち車体の位置及び姿勢変
化の計測精度を極めて高いものとすることができる。
【0135】請求項5の発明によると、姿勢変化速度セ
ンサによる測定周期を十分に短く設定して、この測定値
の積分誤差を低減することにより、車体姿勢等の計測精
度をさらに向上できる。
ンサによる測定周期を十分に短く設定して、この測定値
の積分誤差を低減することにより、車体姿勢等の計測精
度をさらに向上できる。
【0136】請求項6の発明によると、車両状態量の推
定演算を時間経過に沿って行うのみならず、時間経過を
遡るようにして再度、行うことにより、各時刻における
推定演算結果に全てのデータを反映させて、計測精度を
さらに高めることができる。
定演算を時間経過に沿って行うのみならず、時間経過を
遡るようにして再度、行うことにより、各時刻における
推定演算結果に全てのデータを反映させて、計測精度を
さらに高めることができる。
【0137】請求項7の発明によると、状態方程式ない
し出力方程式を線形線形化して、演算の容易化が図られ
るとともに、数値解析手法の適用が容易になる。
し出力方程式を線形線形化して、演算の容易化が図られ
るとともに、数値解析手法の適用が容易になる。
【0138】請求項8の発明によると、請求項7の発明
の効果を十分に得ることができる。
の効果を十分に得ることができる。
【0139】請求項9の発明によると、基地局からの補
正信号によって、GPSアンテナによる位置信号を較正
することで、車体姿勢等の計測精度をさらに向上でき
る。
正信号によって、GPSアンテナによる位置信号を較正
することで、車体姿勢等の計測精度をさらに向上でき
る。
【0140】請求項10の発明の記録媒体によると、請
求項4〜9の車体姿勢解析方法における解析ステップを
コンピュータ装置によって実行することができ、よっ
て、それらの発明と同様の効果が得られる。
求項4〜9の車体姿勢解析方法における解析ステップを
コンピュータ装置によって実行することができ、よっ
て、それらの発明と同様の効果が得られる。
【0141】請求項11の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、車体回転軸の動的な変化に関する出力が得られるの
で、自動車の旋回性能や運転フィーリングを十分に向上
させることができるようになる。
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、車体回転軸の動的な変化に関する出力が得られるの
で、自動車の旋回性能や運転フィーリングを十分に向上
させることができるようになる。
【0142】請求項12の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、瞬間的
な車体回転軸の位置を表示させることができ、これによ
り、旋回時等の車体姿勢等の変化を直観的に把握できる
ようになる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、瞬間的
な車体回転軸の位置を表示させることができ、これによ
り、旋回時等の車体姿勢等の変化を直観的に把握できる
ようになる。
【0143】請求項13の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体回
転軸の動的な変化を時系列に表示させることができ、こ
れにより、車体姿勢等の変化を極めて容易に把握できる
ようになる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体回
転軸の動的な変化を時系列に表示させることができ、こ
れにより、車体姿勢等の変化を極めて容易に把握できる
ようになる。
【0144】請求項14の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、解析結
果の出力に基づいて車体回転軸の変化をきめ細かく把握
できるようになり、よって、車体姿勢等の変化が自動車
全体の運動性能に及ぼす影響を厳密に解析できるように
なる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、解析結
果の出力に基づいて車体回転軸の変化をきめ細かく把握
できるようになり、よって、車体姿勢等の変化が自動車
全体の運動性能に及ぼす影響を厳密に解析できるように
なる。
【0145】請求項15の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、ロール
センタの位置を出力させることができるので、特にサス
ペンションの設計において有効なデータが得られる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、ロール
センタの位置を出力させることができるので、特にサス
ペンションの設計において有効なデータが得られる。
【0146】請求項16の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体の
ヨーセンタの位置を出力させることができるので、特に
自動車の前後荷重配分と運動性能との間の関係について
の解析に有効なデータが得られる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体の
ヨーセンタの位置を出力させることができるので、特に
自動車の前後荷重配分と運動性能との間の関係について
の解析に有効なデータが得られる。
【0147】請求項17の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体の
ピッチセンタの位置を出力させることができるので、特
に自動車の前後荷重配分や重心高さについての解析に有
効なデータが得られる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、車体の
ピッチセンタの位置を出力させることができるので、特
に自動車の前後荷重配分や重心高さについての解析に有
効なデータが得られる。
【0148】請求項18の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、旋回時等におけるヨーレイトの変化を正確に把握で
きるようになり、特に操縦性の向上のために有効なデー
タが得られる。
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、旋回時等におけるヨーレイトの変化を正確に把握で
きるようになり、特に操縦性の向上のために有効なデー
タが得られる。
【0149】請求項19の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、旋回時等におけるヨーレイトの変化を正確に把握で
きるようになり、特に、走行安定性の向上のために有効
なデータが得られる。
ンピュータプログラムの表示データ演算ステップと出力
ステップとをコンピュータ装置によって実行させること
で、旋回時等におけるヨーレイトの変化を正確に把握で
きるようになり、特に、走行安定性の向上のために有効
なデータが得られる。
【0150】請求項20の発明の記録媒体によると、コ
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、異なる
車種について対比して出力を行うことができ、それらの
対比判定が容易になるとともに、計測結果と官能評価と
の対応を異なる車種について互いに関連付けて判断する
ことができる。
ンピュータプログラムの出力ステップにおいて、異なる
車種について対比して出力を行うことができ、それらの
対比判定が容易になるとともに、計測結果と官能評価と
の対応を異なる車種について互いに関連付けて判断する
ことができる。
【0151】請求項21の発明に係る車体運動計測装置
によると、自動車の車体に配設された少なくとも3つの
GPSアンテナと、測定データ取得手段と、解析手段と
によって、請求項1の発明の車体運動計測方法を実行す
ることができ、これにより、該請求項1の発明と同様の
効果が得られる。
によると、自動車の車体に配設された少なくとも3つの
GPSアンテナと、測定データ取得手段と、解析手段と
によって、請求項1の発明の車体運動計測方法を実行す
ることができ、これにより、該請求項1の発明と同様の
効果が得られる。
【0152】請求項22の発明では、請求項2の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0153】請求項23の発明では、請求項3の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0154】請求項24の発明では、請求項4の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0155】請求項25の発明では、請求項7の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0156】請求項26の発明では、請求項8の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【0157】請求項27の発明では、車体の位置及び姿
勢の変化状態を表す表示データを出力手段により出力さ
せることで、自動車の動的な姿勢変化等を直観的に把握
できるようになり、併せて、この出力を種々の解析演算
の条件として利用できるようなる。
勢の変化状態を表す表示データを出力手段により出力さ
せることで、自動車の動的な姿勢変化等を直観的に把握
できるようになり、併せて、この出力を種々の解析演算
の条件として利用できるようなる。
【0158】請求項28の発明では、請求項9の発明と
同様の効果が得られる。
同様の効果が得られる。
【図1】本発明の実施形態に係る車体運動計測装置の全
体構成図である。
体構成図である。
【図2】絶対空間座標と車体局所座標とをそれぞれ示す
説明図である。
説明図である。
【図3】車体運動計測装置の構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図4】車両状態量の定義の一例を示す説明図である。
【図5】カルマンフィルタの適用による車両状態量の推
定演算の手順を示す機能ブロック図である。
定演算の手順を示す機能ブロック図である。
【図6】誤差情報の補正における幾何的制限を模式的に
示す説明図である。
示す説明図である。
【図7】車両状態量の推定演算における時間の反転につ
いて模式的に示す説明図である。
いて模式的に示す説明図である。
【図8】旋回初期の車体横滑り角を示す説明図である。
【図9】車体横滑り角の計測結果を、ベクトル車速計に
よる測定結果と対比して示すグラフ図である。
よる測定結果と対比して示すグラフ図である。
【図10】測定データ取得プログラムの流れを示すフロ
ーチャート図である。
ーチャート図である。
【図11】解析プログラム、表示データ演算プログラム
及び出力プログラムについて、それぞれ流れを示すフロ
ーチャート図である。
及び出力プログラムについて、それぞれ流れを示すフロ
ーチャート図である。
【図12】設定時刻における車体回転軸の位置を、(a)
車体上下方向、(b)車体左右方向及び(c)車体前後方向か
ら見て、それぞれ表示した説明図である。
車体上下方向、(b)車体左右方向及び(c)車体前後方向か
ら見て、それぞれ表示した説明図である。
【図13】自動車のレーンチェンジ走行における車体回
転軸の変化を時系列に表示した説明図である。
転軸の変化を時系列に表示した説明図である。
【図14】A車についての車体回転軸の変化を表示した
説明図である。
説明図である。
【図15】B車についての図14相当図である。
【図16】自動車の後輪側ロールセンタ位置を表示した
説明図である。
説明図である。
【図17】自動車のJターン走行時における車体回転軸
の傾斜角度の時間経過に対する変化を示すグラフ図であ
る。
の傾斜角度の時間経過に対する変化を示すグラフ図であ
る。
【図18】自動車のJターン走行時におけるヨーレイト
位置の時間経過に対する変化を示すグラフ図である。
位置の時間経過に対する変化を示すグラフ図である。
S 車体運動計測装置 V 自動車 1 車体 ax 車体回転軸 2 GPSアンテナ 5 解析ユニット 7 基地局 9 コンピュータ装置(測定データ取得手段、
解析手段、表示データ演算手段) 10 ディスプレー装置(出力手段) 13 プリンタ(出力手段) 15 ジャイロセンサ(角速度センサ)
解析手段、表示データ演算手段) 10 ディスプレー装置(出力手段) 13 プリンタ(出力手段) 15 ジャイロセンサ(角速度センサ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 弘行 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 吉本 光洋 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 吉岡 透 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 2F029 AA02 AB07 AD01 5B056 BB00 BB03 HH00 5J062 BB01 CC07 DD12 DD23 EE04 FF04 GG02
Claims (28)
- 【請求項1】 車体の運動状態を計測する方法であっ
て、 前記車体における複数の所定箇所にそれぞれ人工衛星か
らの電波を受信して位置信号を出力するGPSアンテナ
を配設しておいて、 自動車の走行中に前記GPSアンテナからの出力を第1
設定周期で採取することにより、前記車体の位置及び姿
勢の変化を表す時系列の第1データを取得する測定デー
タ取得ステップと、 前記第1データに基づいて、剛体に近似した車体の位置
及び姿勢の変化を解析する解析ステップとを有すること
を特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 車体に、その姿勢変化速度に関する物理量を検出する姿
勢変化速度センサを配設しておいて、 測定データ取得ステップでは、自動車の走行中に前記姿
勢変化速度センサからの出力を第2設定周期で採取する
ことにより、時系列の第2データを取得し、 解析ステップでは、GPSアンテナによる第1データと
前記第2データとに基づいて、車体の位置及び姿勢変化
を解析することを特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項3】 請求項2において、 姿勢変化速度センサにより車体の回転角速度を検出する
ことを特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項4】 請求項2又は3のいずれかにおいて、 車体の位置、姿勢及びそれらの変化状態を、予め設定し
た複数の状態変数からなる車両状態量により模擬する物
理モデルを準備し、 解析ステップでは、前記物理モデルに第1及び第2デー
タを入力して、カルマンフィルタの適用により前記車両
状態量の時系列のデータを演算することを特徴とする車
体運動計測方法。 - 【請求項5】 請求項4において、 第2設定周期は、第1設定周期よりも短く設定し、 解析ステップでは、前記第2設定周期毎の車両状態量の
変化を第2データに基づいて逐次、推定演算するととも
に、この演算結果と第1及び第2データとに基づいて、
前記第1設定周期毎の車両状態量の変化を逐次、推定演
算することを特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項6】 請求項5において、 解析ステップでは、車両状態量を時間経過に沿って逐
次、推定演算した後に、時間経過を遡りながら再度、推
定演算することを特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項7】 請求項4において、 解析ステップでは、状態変数の相互の関係を表す状態方
程式ないし出力方程式において車体のロール角、ピッチ
角及びヨー角のいずれかを含む項を線形近似することを
特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項8】 請求項7において、 車体のロール角又はピッチ角のいずれかを含む項を、該
ロール角及びピッチ角がいずれも微小値であるとして線
形近似するとともに、ヨー角を含む項は、第2設定周期
毎のヨー角の変化量が微小値であるとして、各計測時点
を基点とする線形近似を行うことを特徴とする車体運動
計測方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1つにおいて、 人工衛星からの電波を受信して、この電波に基づく検出
位置の誤差を較正するための補正信号を発信する基地局
を設け、 測定データ取得ステップにおいて、前記基地局からの補
正信号に基づいて、GPSアンテナによる位置信号を較
正することを特徴とする車体運動計測方法。 - 【請求項10】 請求項4〜9のいずれか1つに記載の
解析ステップを備えることを特徴とするコンピュータプ
ログラムを記録した記録媒体。 - 【請求項11】 請求項10において、 解析ステップで演算した車両状態量のデータに基づい
て、車体の回転軸に関する時系列の表示データを演算す
る表示データ演算ステップと、 前記表示データ演算ステップで演算した表示データに基
づいて、前記車体回転軸に関する出力を行う出力ステッ
プとを有することを特徴とするコンピュータプログラム
を記録した記録媒体。 - 【請求項12】 請求項11において、 出力ステップでは、設定時刻における車体回転軸の位置
を、車体前後方向、車体左右方向又は車体上下方向のう
ちの少なくとも一方向から見た状態でそれぞれ表示させ
ることを特徴とするコンピュータプログラムを記録した
記録媒体。 - 【請求項13】 請求項11において、 出力ステップでは、自動車の走行中に車体回転軸の位置
及び角度が変化する様子を、車体前後方向、車体左右方
向又は車体上下方向のうちのいずれか一方向から見た状
態で時系列に表示させることを特徴とするコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体。 - 【請求項14】 請求項11において、 出力ステップでは、車体回転軸が車体前後方向、車体左
右方向又は車体上下方向ののいずれか一つの軸となす角
度を出力させることを特徴とするコンピュータプログラ
ムを記録した記録媒体。 - 【請求項15】 請求項11において、 出力ステップでは、自動車の前輪側ないし後輪側ロール
センタの位置を出力させることを特徴とするコンピュー
タプログラムを記録した記録媒体。 - 【請求項16】 請求項11において、 出力ステップでは、車体のヨーセンタの位置を出力させ
ることを特徴とするコンピュータプログラムを記録した
記録媒体。 - 【請求項17】 請求項11において、 出力ステップでは、車体のピッチセンタの位置を出力さ
せることを特徴とするコンピュータプログラムを記録し
た記録媒体。 - 【請求項18】 請求項10において、 解析ステップで演算した車両状態量のデータに基づい
て、車体のヨーレイトに関する時系列の表示データを演
算する表示データ演算ステップと、 前記ヨーレイトの表示データを出力させる出力ステップ
とを有することを特徴とするコンピュータプログラムを
記録した記録媒体。 - 【請求項19】 請求項10において、 解析ステップで演算した車両状態量のデータに基づい
て、車体の設定箇所における横滑り角に関する時系列の
表示データを演算する横滑り角データ演算ステップと、 前記横滑り角の表示データを出力させる出力ステップと
を有することを特徴とするコンピュータプログラムを記
録した記録媒体。 - 【請求項20】 請求項11〜19のいずれか1つにお
いて、 出力ステップでは、異なる車種について対比して出力を
行うことを特徴とするコンピュータプログラムを記録し
た記録媒体。 - 【請求項21】 車体の運動状態を計測する装置であっ
て、 前記車体に所定の測定基準面を規定するように配設さ
れ、人工衛星からの電波を受信してそれぞれ位置信号を
出力する少なくとも3つのGPSアンテナと、 自動車の走行中に前記各GPSアンテナからの出力を第
1設定周期で採取して、前記車体の位置及び姿勢の変化
を表す時系列の第1データを取得する測定データ取得手
段と、 前記測定データ取得手段により取得した第1データに基
づいて、剛体に近似した車体の位置及び姿勢変化を解析
する解析手段とを備えることを特徴とする車体運動計測
装置。 - 【請求項22】 請求項21において、 車体の姿勢変化速度に関する物理量を検出する姿勢変化
速度センサを備え、 測定データ取得手段は、自動車の走行中に前記姿勢変化
速度センサからの出力を第2設定周期で採取して、時系
列の第2データを取得するものであり、 解析手段は、GPSアンテナによる第1データと前記第
2データとに基づいて、車体の位置及び姿勢変化を解析
するものであることを特徴とする車体運動計測装置。 - 【請求項23】 請求項22において、 姿勢変化速度センサは、車体前後方向、車体左右方向及
び車体上下方向の直交3軸のうち、少なくとも車体前後
方向及び車体上下方向の各軸周りの車体回転角速度をそ
れぞれ検出するように配設された角速度センサからなる
ことを特徴とする車体運動計測装置。 - 【請求項24】 請求項21又は22のいずれかにおい
て、 解析手段は、 車体の位置、姿勢及びそれらの変化状態を、予め設定し
た複数の状態変数からなる車両状態量により模擬する物
理モデルを備え、 測定データ取得手段により取得した第1及び第2データ
を前記物理モデルに入力して、カルマンフィルタの適用
により前記車両状態量の時系列のデータを推定演算する
ように構成されていることを特徴とする車体運動計測装
置。 - 【請求項25】 請求項24において、 解析手段は、状態変数の相互の関係を表す状態方程式な
いし出力方程式において車体のロール角、ピッチ角及び
ヨー角のいずれかを含む項を線形近似して、カルマンフ
ィルタを適用するように構成されていることを特徴とす
る車体運動計測装置。 - 【請求項26】 請求項25において、 解析手段は、車体のロール角又はピッチ角のいずれかを
含む項を、該ロール角及びピッチ角がいずれも微小値で
あるとして線形近似するとともに、ヨー角を含む項は、
第2設定周期毎のヨー角の変化量が微小値であるとし
て、各計測時点を基点とする線形近似を行うように構成
されていることを特徴とする車体運動計測装置。 - 【請求項27】 請求項24において、 解析手段により演算された車両状態量の時系列のデータ
に基づいて、車体の位置ないし姿勢の変化状態を表す表
示データを演算する表示データ演算手段と、 前記表示データ演算手段により演算された表示データを
出力する出力手段とを備えることを特徴とする車体運動
計測装置。 - 【請求項28】 請求項21〜27のいずれか1つにお
いて、 人工衛星からの電波を受信して、この電波に基づく検出
位置の誤差を較正するための補正信号を発信する基地局
が設けられ、 前記基地局からの補正信号に基づいて、GPSアンテナ
による位置信号を較正する位置信号較正手段を備えるこ
とを特徴とする車体運動計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287334A JP2002318274A (ja) | 2001-02-13 | 2001-09-20 | 車体運動計測装置、車体運動計測方法及びその方法を記録した記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-35866 | 2001-02-13 | ||
JP2001035866 | 2001-02-13 | ||
JP2001287334A JP2002318274A (ja) | 2001-02-13 | 2001-09-20 | 車体運動計測装置、車体運動計測方法及びその方法を記録した記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002318274A true JP2002318274A (ja) | 2002-10-31 |
Family
ID=26609328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001287334A Pending JP2002318274A (ja) | 2001-02-13 | 2001-09-20 | 車体運動計測装置、車体運動計測方法及びその方法を記録した記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002318274A (ja) |
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-
2001
- 2001-09-20 JP JP2001287334A patent/JP2002318274A/ja active Pending
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