JP4846254B2 - 穴加工工具および穴加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被削材を切削する穴加工工具、および被削材に穴加工工具を用いて穴を成形する穴加工方法に関する。
従来から被削材に深穴、貫通穴を成形する穴加工は、略円柱状のバーの先端部に切刃を備えるヘッドを取り付けた穴加工工具を用いて行われており、この工具を旋盤等の加工機械に設け、被削材に対して相対回転させるとともに軸方向に相対移動させることにより、切刃で被削材が旋削されて深穴あるいは貫通穴が成形される(特許文献1)。このような被削材として例えば二輪車に配設されるシャフト等があり、シャフトに成形される穴が例えば二輪車を構成する部材の潤滑油の油路等に供される。
より具体的には、例えば旋盤が被削材を回転駆動されるように構成され、旋盤による被削材の回転軸を成形したい深穴の中心軸と同軸となるように被削材を固定するとともに、軸方向に切刃を対向させて設けた工具の中心軸とを同軸として工具を固定し、被削材を回転させ、この回転軸方向に工具を向けて移動させている。これにより、被削材に回転軸方向に延びる円筒状の深穴が成形される。このようにして、穴加工時において工具は被削材に対して相対回転するとともに軸方向に相対移動しており、工具の相対回転軸はバーの中心軸と同軸となる。
深穴の内周面には、穴加工の仕上げとして例えば鏡面加工等の仕上げ加工が施されることがある。この仕上げ加工により切粉が発生するが、深穴の最深部で発生するこの切粉を逃がすため、仕上げ加工の前に深穴の内径よりも径の大きい溝が設けられることがある。
実開平6−71047号公報
このような拡径溝を形成する際に従来の穴加工工具を用いると、深穴が軸方向に長くなればなるほど旋削時に最深部でバーが撓んで工具の被削材に対する相対回転軸がぶれ、要求される加工精度で拡開溝を形成できないという問題があった。特許文献1には、圧電素子によりバーの撓み量を検出し、バーの中心軸を旋盤の回転軸に一致させるように調整する装置が開示されているが、バーの撓みを制御するためにヘッドに圧電素子を設けるとともにバーの内部に電気配線を設ける必要があるなど、工具の構成が複雑化するという問題がある。また、この圧電素子を用いて撓みを調整する方法により深穴の真直度の向上を図ることができるが、この方法にも限界があって深穴が軸方向に長いと必ずしも要求される拡径溝を成形できないという課題がある。
上記問題に鑑み、本発明は、簡易な構成により軸振れ抑制して、より確実に拡径溝を成形できる穴加工工具、およびより確実に拡径溝を成形するための穴加工方法を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明に係る穴加工工具は、略円柱状のバーと、前記バーの先端部に取り付けられて切刃を備えるヘッドとから構成され、円筒状に延びる穴(例えば、実施形態における深穴41,42)が予め成形されるとともに前記穴の閉塞側端面に中心軸が前記穴の中心軸上に位置する凸円錐状または凹円錐状の第1当接部(例えば、実施形態における凸部41b、凹部42b)が形成された被削材に対して、前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転されるとともに前記中心軸方向に相対移動されて前記穴の内部に挿入され、前記切刃により前記穴の内周面に前記穴の内径よりも径の大きい拡径溝を成形するように構成される。その上で、前記ヘッドの先端面に、中心軸が前記バーの中心軸から前記切刃に対して遠ざかる方向に偏心して前記バーの中心軸と平行に延びるとともに、前記バーの中心軸上に傾斜面を有する凹円錐状または凸円錐状の第2当接部(例えば、実施形態における凹部32d、凸部33d)が設けられており、前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で前記中心軸方向に相対移動されると、前記第2当接部の前記傾斜面が前記第1当接部の傾斜面に当接し、さらに前記中心軸方向に相対移動されると前記第2当接部が前記第1当接部の前記傾斜面の方向に移動されることにより、前記中心軸方向に作用する力を前記中心軸方向に直交する方向の力に変換して前記切刃が前記穴の内周面に近づくように前記バーの先端部を撓ませて、前記切刃により前記穴の内周面に前記拡径溝を成形するように構成される
なお、上記構成の穴加工工具において、前記切刃の刃先が前記バーの中心軸と略平行に延びるように設けられていることが好ましい。
また、本発明に係る穴加工方法は、略円柱状のバーと、バーの先端部に取り付けられて切刃を備えるヘッドとから構成される穴加工工具を、円筒状に延びる穴が予め成形された被削材に対して、前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転させるとともに前記中心軸方向に相対移動させて前記穴の内部に挿入前記切刃により前記穴の内周面に前記穴の内径よりも径の大きい拡径溝を成形する穴加工方法におけるものである。そこでまず、前記穴の閉塞側端面に中心軸が前記穴の中心軸上に位置する凸円錐状または凹円錐状の第1当接部を形成する。次に、前記穴加工工具を前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転させるとともに前記中心軸方向に相対移動させて、前記ヘッドの先端面に設けられた中心軸が前記バーの中心軸から前記切刃に対して遠ざかる方向に偏心して前記バーの中心軸と平行に延びるとともに、前記バーの中心軸上に傾斜面を有する凹円錐状または凸円錐状の第2当接部の前記傾斜面を前記第1当接部の傾斜面に当接させる。そして、前記穴加工工具をさらに前記中心軸方向に相対移動させて、前記第2当接部が前記第1当接部の前記傾斜面の方向に移動されることにより、前記中心軸方向の作用する力を前記中心軸方向に直交する方向の力に変換して前記切刃が前記穴の内周面に近づくように前記バーの先端部を撓ませて前記切刃の相対回転軌跡の径を漸次大きくして前記切刃により前記穴の内周面に前記拡径溝を成形する
なお、上記穴加工方法において、前記切刃の刃先が前記バーの中心軸と略平行に延びるように設けられていることが好ましい。
以上のように、本発明に係る穴加工工具は、予め成形された穴の内部に第1の当接部を設けた被削材に対して加工を施すためのものであるが、ヘッドの先端面に第2の当接部を設けており、相対移動させることにより第1の当接部と当接し、第1の当接部に作用する相対移動させる力を切刃方向に向けて作用する力に変換するようになっており、これにより切刃の相対回転軌跡を大きくすることができる。このように、ヘッドに第2の当接部を設けるという簡易な構成により、バーを強制的に相対回転軌跡の径が大きくなった切刃により深穴の内周面を切削して拡径溝を成形することができる。また、第1および第2の当接部により、従来の穴加工で行われる軸方向に相対移動させる力を作用させるとバーの先端部が強制的に撓まされることから、特別に撓ませるための機構等を設ける必要がなく、簡易な構成により拡径溝を成形できる穴加工工具を提供できる。
また、第1の当接部および第2の当接部をそれぞれ凸円錐状および凹円錐状のいずれかで形成しており、互いの円錐傾斜面を伝わせることで、バーの先端部を撓ませることが出きるようになっており、ヘッドの先端面に簡易な加工を施すだけで上記穴加工工具を提供できる。また、第1および第2の当接部が嵌合した状態になれば、バーの先端部がヘッドを切刃方向に位置させるように撓んだ状態で保持される。このため、切刃の相対回転軌跡がぶれず、拡径溝をより確実に成形することができる。
また、本発明に係る穴加工方法によれば、また、第1の当接部および第2の当接部をそれぞれ凸円錐状および凹円錐状のいずれかで形成しており、互いの円錐傾斜面を伝わせることで、バーの先端部を撓ませることができ、ヘッドの先端面に簡易な加工を施すだけで上記穴加工工具を提供できる。また、第1および第2の当接部が嵌合すれば、バーの先端部がヘッドを切刃方向に位置させるように撓んだ状態で保持される。このため、切刃の相対回転軌跡がぶれず、拡径溝をより確実に成形することができる。
また、第1の当接部は深穴成形時にともに成形され、第2の当接部はヘッドに先端面に凸円錐状あるいは凹円錐状に設けられるものである。このように、複雑な加工を施したり、新たな部材を設ける必要がなく、撓み発生手段を簡単かつ低コストで構成できる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、図1〜図7を参照して本発明に係る穴加工工具および穴加工方法の第1実施例について説明する。
図1に示すように、第1実施例の穴加工工具1は、略円柱状のバー2と、このバー2の先端に取り付けられるヘッド3とからなり、ヘッド3の本体部3aに切刃3cが備えられる。バー2は、中心軸O2方向に延びる略円柱状に成形されており、先端面2aの中心から中心軸O2方向に延びてネジ孔2bが設けられている。
ヘッド3は、略円柱状に成形される本体部3aの基端部にこのネジ孔2bに螺合するボルト部3bが設けられており、ボルト部3bを介してバー2に対して着脱自在に取り付けられるようになっている。また、本体部3aの先端部に切刃3cが径方向に突出させて設けられている。本実施例では、着脱自在のヘッド3に、図2に示す2種のヘッド31,32を用いて穴加工が行われる。
図2(a)に示すように、第1のヘッド31は、ガンドリル状に成形された第1の切刃31aが先端部に設けられている。この第1の切刃31aの先端は、第1のヘッド31をバー2に取り付けた状態において、バー2の中心軸O2に対して偏心された軸O31上に位置している。
図2(b)に示すように、第2のヘッド32は、第2の切刃32cが本体部32aに螺合して取り付けられ、その刃先が本体部32aから径方向に突出した位置にあり、第2のヘッド32をバー2に取り付けた状態において、バー2の中心軸O2と略平行に延びるようにして配設されている。本体部32aの先端面に凹円錐状に凹部32dが設けられている。この凹円錐状の凹部32dの中心軸O32は、第2のヘッド32をバー2に取り付けた状態において、バー2の中心軸O2から偏心した位置においてこのバー2の中心軸O2と平行に延びる。また、凹部32dは、バー2の中心軸O2上に円錐傾斜面32eを有している。さらに、凹部32dの中心軸O32は、第2の切刃32cに対して遠ざかる方向に偏心される。
このような第1および第2のヘッド31,32はそれぞれ、本体部31a,31bの基端部にボルト部31b,32bを有してバー2のネジ孔2bに対して螺合して取り付けられるようになっており、バー2に第1および第2のヘッド31,32のいずれかが取り付けられて穴加工工具1が構成される。
また、図4〜図7に示すように、被削材4は、中心軸O4方向に延びる略円柱状に成形されており、変速機の回転軸として供される。この被削材4は、後述する本発明の第1実施例の穴加工方法により、中心軸O4方向に延びる断面視円形状の深穴41が成形される。この深穴41は、変速機を構成する各部材に供給される潤滑油の油路に供される。
次いで、本発明に係る穴加工方法について説明する。なお、穴加工は、図3に示す旋盤を用いて行われる。この旋盤5は、被削材4の一端を保持するチャック51と、チャック51に機械的に接続されてチャック51を回転駆動するためのモータ52と、被削材4の中間部を支持するための振れ止め受53と、チャック51と同軸上に対向して配設されて穴加工工具1のバー2の基端部を保持するブッシュ54と、ブッシュ54を収容する筐体55をチャック51およびブッシュ54の軸方向に水平移動させる図示しない水平移動機構とから構成される。このような旋盤5において、チャック51に保持された被削材4はモータ52によりチャック51の軸を回転軸ORとして回転し、ブッシュ54にバー2が保持された穴加工工具1は水平移動機構によりブッシュ54の軸方向、すなわち回転軸OR方向に移動させることができる。
以下、第1実施例の穴加工方法について順を追って説明する。まず、バー2の先端部に第1のヘッド31を取り付けて穴加工工具1を構成する。そして、被削材4を中心軸O4が回転軸ORと同軸となるようにチャック51に取り付け、穴加工工具1をバー2の中心軸O2が回転軸OR、被削材4の中心軸O4と同軸となるように取り付ける。このように穴加工工具1および被削材4を旋盤5にセットし、モータ52により被削材4を回転軸OR回りに回転させ、水平移動機構により穴加工工具1を被削材4に近づける方向に移動させる。これにより、図4(a)にそれぞれ矢印R,矢印Xで示すように、穴加工工具1が、被削材4に対し、回転軸ORと同軸に位置するバー2の中心軸O2を相対回転軸として相対回転するとともに、この相対回転の軸方向において被削材4と近づく方向に相対移動する。
この相対回転および相対移動により、図4(b)に示すように、第1の切刃31cで被削材4に深穴41が旋削される。この深穴41の中心軸O41は、穴加工工具1の相対回転軸と同軸で、被削材4の中心軸O4と同軸である。第1のヘッド31に備えられる第1の切刃31cの先端は、バー2の中心軸O2に対して偏心されていることから、この旋削過程で深穴41の閉塞側端面41aには、開口側に突出した凸円錐状の凸部41bが形成される。この凸円錐状の凸部41bの中心軸は、穴加工工具1の相対回転軸と同軸で、被削材4の中心軸O4(深穴41の中心軸O41)と同軸である。
第1のヘッド31で所望する深さまで旋削した後、穴加工工具1を深穴41内から抜脱するように移動させ、ヘッド3を第1のヘッド31から第2のヘッド32に付け替える。
第2のヘッド32を取り付けた穴加工工具1においても、被削材4を回転軸ORと同軸となるようにチャック51に取り付け、穴加工工具1をバー2の中心軸O2が回転軸OR、被削材4の中心軸O4と同軸となるようにブッシュ54に取り付け、穴加工工具1を被削材4に対して相対回転させ、被削材4に近づける方向に相対移動させる。この相対移動により、第2のヘッド32の本体部32aの先端面が、第1のヘッド31により成形された深穴41の閉塞側端面41aに当接する。このとき、第2の切刃32cの相対回転半径は、穴加工工具1の相対回転中心(O2)から第2の切刃32cまでの距離に相当し、第1のヘッド31により成形された深穴41の内径に対してわずかに小さい。
第1のヘッド31により成形された深穴41の閉塞側端面41aには凸部41bが設けられており、第2のヘッド32には本体部32aの先端面において凹部32dが設けられている。また、凸部41bの中心軸O41はバー2の中心軸O2上に位置しているのに対し、凹部32dの中心軸O32はバー2の中心軸O2に対して偏心している。このため、第2のヘッド32が閉塞側端面41aに当接するとき、凹部32dの円錐傾斜面32eがバー2の中心軸O2上、すなわち凸部41bの中心軸O41上にあることから、凸部41bおよび凹部32dは互いの先端が軸方向にずれた状態で互いの円錐傾斜面41c,32eに当接する。
凸部41bおよび凹部32dの互いの円錐傾斜面41c,32eが当接し、さらに相対移動されると、図5に示すように、この第2ヘッド32に軸方向に相対移動させるように作用する力F1が切刃方向に向けるように作用する力F2に変換され、凹部32dが凸部41bの円錐傾斜面41cを伝って第2のヘッド32が軸方向に相対移動するとともに切刃方向に向けられる。このように、凹部32dが凸部41bの円錐傾斜面41cを伝って移動するに連れ、切刃方向への撓み量が漸次増すようにしてバー2の先端部が切刃方向に撓まされ、バー2の先端部の中心がモータ52による回転軸OR上からずれる。図6に示すように、さらに軸方向に相対移動させる力F1が加えられて凹部32dの先端部が凸部の先端部に達したときに、凹部32dの軸方向への相対移動が規制され、バー2は撓みおよび復動を規制される。また、バー2の基端側はブッシュ54により固定されており、バー2が先端部を撓ませた状態で保持される。
また、このように凸部41bおよび凹部32dが互いの円錐傾斜面41c,32dを当接させてバー2の撓み量が増す過程で、穴加工工具1は被削材4に対して相対回転している。バー2の撓み量が増すと、第2のヘッド32は、ブッシュ54で固定される穴加工工具1の基端部の中心軸に対して公転するようにして回転し、第2の切刃33cの相対回転軌跡の径が漸次大きくなる。このとき、第2の切刃33cは深穴41の内周面4aを切削しながら径を大きくしていき、凹部32dの先端が凸部41bの先端部に達したときに、その相対回転軌跡の径が、凹部32dの中心から第2の切刃32cの先端までの距離に相当する。これにより、深穴41の最深部において深穴41の内径よりも径の大きい拡径溝45が、深穴41と同軸上に成形される。このように、本実施例において、深穴41の閉塞側端面41aに形成される凸円錐状の凸部41bが本発明に係る第1の当接部となり、第2のヘッド32の本体部32aの先端面に設けられる凹円錐状の凹部32dが本発明に係る第2の当接部となり、これら凸部41bおよび凹部32dにより本発明に係る撓み発生手段6が構成される。
そして、図7に示すように、研磨用ヘッド39をバー2に取り付けた穴加工工具1により、深穴41の内周面4aに研磨加工が施される。研磨用ヘッド39を取り付けた穴加工工具1は、上記同様モータ52による回転軸OR、被削材4の中心軸O4とバー2の中心軸O2を同軸としてブッシュ54に取り付けられ、被削材4に対して相対回転されるとともに被削剤4に近づける方向に相対移動され、研磨用ヘッド39により、深穴41の内周面4aが研磨される。
深穴41の最深部まで穴加工工具1を軸方向に移動させると、この加工で発生する切粉を拡径溝45に逃がすことができる。また、このとき研磨用ヘッド39の先端部が深穴41の閉塞側端面41aに当接する。閉塞側端面41aは、研磨用ヘッド39の先端に設けられたドリルにより研磨され、開口側に突出する凸部41bが取り除かれ、閉塞側端面41aが均される。
以上、本発明に係る穴加工工具および本発明に係る穴加工方法について説明したが、本発明に係る穴加工工具1は、(第1の)切刃31cの先端がバー2の中心軸O2に対して偏心された第1のヘッド31を取り付けた穴加工工具1で被削材4で旋削することにより、予め成形される深穴41の閉塞側端面41aに深穴41の中心軸O41上に凸部41bが成形されるようになっており、この凸部に当接される凹部32dを第2のヘッド32の先端面に設けている。この凹部32dはバー2の中心軸O2に対して偏心されており、穴加工工具1を相対移動させると凸部41bおよび凹部32dが互いの円錐傾斜面41c,32eに当接するようになっている。このため、凸部41bおよび凹部32dを当接させた状態でさらに穴加工工具1を相対移動させる力F1を第2のヘッド32に作用させると、凹部32dが凸部41bの円錐傾斜面41を伝うようにして第2のヘッド32に切刃方向に向けて作用させる力F2に変換され、バー2の先端部を漸次切刃方向に撓ませることができ、第2の切刃33cの相対回転軌跡の径を深穴の内周面を切削させながら漸次大きくすることができ、深穴の内径よりも径の大きい拡径溝が成形される。このように、本発明に係る穴加工工具1によれば、ヘッド3に簡易な加工を施すことにより、通常の旋削を行う操作で深穴41の最深部に拡径溝45を成形できる。
また、拡径溝45が成形する過程で、凹部32dの先端部が凸部41bの先端部に達したときに、バー2の先端部が撓んだ状態で保持されることから、穴加工工具1の先端部の回転軸に対するぶれを抑えることができ、拡径溝45をより確実に成形することができる。
バー2を撓ませる撓み発生手段6として、閉塞側端面41aに形成される凸部41bと第2のヘッド32に設けられる凹部32dとにより、バー2の先端部を撓ませるとしているが、この撓み発生手段6を構成する凸部41bは、拡径溝45を形成する前に行われる第1のヘッド31による深穴41の成形で同時に成形される。また、バー2が撓んでいく際にも、第2のヘッド32を切刃方向に向ける力F2の作用は、通常の旋盤加工で行われる相対移動の過程で行われる。このように、本実施例においては、撓み発生手段6を設けるために特別な部材、加工等を必要とせず、また、撓み発生手段6を機能させるために特別な機構、装置等を必要とせず、簡易な構成および簡易な方法により軸振れを抑制して確実に拡径溝を成形することができる。
ここで、穴加工工具1の相対回転半径の拡大は、凸部41bおよび凹部32dが当接してから凹部32dの先端部が凸部41bの先端部に達するまでの間で起こる。このため、従来の内径旋削用工具のように、切刃の刃先が径方向に尖るようにして突出する形態では、凸円錐状の凸部41bの軸方向長さに相当する長さしか拡径溝45の軸方向長さをとることができない。一方、本実施例においては、第2の切刃32cが第2のヘッド32をバー2に取り付けた状態においてバー2の中心軸O2と略平行に延びるように配設されており、この略平行に延びる刃先で深穴41の内周面4aを旋削するようになっているため、軸方向長さをより長くして拡径溝45が成形される。
また、深穴41の内周面4aの仕上げ加工と同時に、撓み発生手段6として構成されて閉塞側端面41aに突出して成形される凸部41bが取り除かれるようになっている。このように、深穴41の内周面4aの仕上げと同時に撓み発生手段6を取り除く加工が行われ、特別な加工工数を増やすことなく深穴の仕上げをよくすることができる。
次いで、本発明の第2実施例について図8〜図11を参照して説明する。なお、第2実施例において、被削材4、および旋盤5については図3,図4(a)に示した第1実施例で用いたものと同様である。このため、第1実施例と同一の部材については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
第2実施例において、穴加工工具1は、バー2が第1実施例と同様である一方、ヘッド3は、図8に示す第3のヘッド33がバー2に取り付けられて構成される。第3のヘッド33は、基端部にバー2のネジ孔2bと螺合するボルト部33bが設けられており、バー2に対して着脱自在に取り付けられる。先端部には第3の切刃33cが本体部33aに螺合して取り付けられ、その刃先が本体部33aから径方向に突出した位置でバー2の中心軸O2と略平行に延びるように配設されている。また、本体部33aの先端面に凸円錐状の凸部33dが設けられている。この凸円錐状の凸部33dの中心軸O33は、第3のヘッド33をバー2に取り付けた状態において、バー2の中心軸O2に対して偏心している。また、凸部33dは、バー2の中心軸O2上に円錐傾斜面33eが設けられる。さらに、凹部33dの中心軸O33は、第3の切刃33cに対して遠ざかる方向に偏心される。
以下、第2実施例の穴加工方法について説明する。まず、公知のドリル加工により、被削材4に深穴42が、中心軸O42を被削材4の中心軸O4と同軸と成るようにして成形される。なお、ドリルの刃先は、被削材4の中心軸O4上に位置するようにしてこのドリル加工が行われる。このため、図9に示すように、深穴42の閉塞側端壁42aには、被削材4の中心軸O4、深穴42の中心軸O42上に、凹円錐状の凹部42bが形成される。
このようにして深穴42が成形された被削材4を、第1実施例と同様にして図3に示す旋盤5のチャック51に保持し、第3のヘッド33を取り付けた穴加工工具1をブッシュに保持し、穴加工工具1を被削材4に対して図9に矢印Rで示すように相対回転させるとともに矢印Xで示すように被削材4に近づける方向に相対移動させる。なお、穴加工工具1の相対回転軸はバー2の中心軸O2であり、第3の切刃33cの相対回転半径はバー2の中心から第3の切刃33cまでの距離に相当し、ドリル加工で成形された深穴42の内径よりもわずかに小さい。この相対回転および相対移動により、第3のヘッド33の先端面が深穴42の閉塞側端面42aに当接する。
閉塞側端面42aに形成される凹部42bは、被削材4の中心軸O4上にあり、第3のヘッド33に設けられる凸部33dは、バー2の中心軸O2に対して偏心しており、また、バー2の中心軸O2上、すなわち凹部42bの中心軸O42上に円錐傾斜面33eを有している。このため、第3のヘッド33が閉塞側端面42aに当接するとき、凹部42bおよび凸部33dは、互いの先端が軸方向にずれた状態で互いの円錐傾斜面33e,42cに当接する。
図10に示すように、さらに穴加工工具1を相対移動させるように力F1を作用させると、被削材4に当接する凸部33dが凹部42bの円錐傾斜面42cを伝って第3のヘッド33を切刃方向に向ける力F2に変換され、バー2の先端部が切刃方向に漸次撓み量を増すようにして撓まされる。これにより、第3のヘッド33が穴加工工具1の基端部における中心軸に対して公転するように相対回転し、第3の切刃33cの相対回転軌跡の径が、深穴42の内周面4aを切削しながら大きくなり、深穴42の最深部に拡径溝45が成形される。なお、相対移動により、凸部33dの先端部が凹部42bの先端部に達するとこの状態で、第3のヘッド33cを保持することができ、バー2が撓んだ状態で保持される。このとき、第3の切刃33cの相対回転半径が第1実施例と同様にして、凸部33dの中心から第3の切刃33cまでの距離に相当する。このように、第2実施例において、深穴42の閉塞側端面42aに形成される凹円錐状の凹部42bを本発明に係る第1の当接部とし、第3のヘッド33の先端面に設けられる凸円錐状の凸部33dと本発明に係る第2の当接部とし、これら凹部42bおよび凸部33dとにより本発明に係る撓み発生手段6が構成される。
このように、本実施例においても、第1実施例と同様に、ドリル加工により予め成形した深穴42の閉塞側端面42aに凹円錐状の凹部42bが深穴42の中心軸O42上に深穴42とともに成形されるようになっており、この凹部42bに当接される凸円錐状の凸部33dが第3のヘッド33の先端面にバー2の中心軸O2に対して偏心して設けられる。穴加工工具1を軸方向に相対移動させて凹部42bおよび凸部33dの互いの円錐傾斜面42c,33eを当接させ、さらに相対移動させることにより、漸次撓み量が増すようにしてバー2の先端部を撓ませることができ、第3の切刃33cの相対回転軌跡の径を深穴の内周面を切削させながら漸次大きくでき、深穴41の内径よりも大きな径の拡径溝が成形される。また、凹部42bの先端部が凸部の先端部に達したときに、バー2の先端部を撓ませた状態で保持することができる。さらに、拡径溝45を成形するための第3の切刃33の形状は第1実施例と同様にして軸方向に略平行に延びるように配設されている。このため、第2実施例においても第1実施例と同様の効果を得ることができる。
続いて、第3実施例について図12を参照して説明する。本実施例においては、穴加工工具1、被削材4、および旋盤5については、第1実施例と同様のものである。第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して重複説明を省略する。
第3実施例における被削材4は、第1実施例において閉塞側端面を有する深穴41を成形するとしたが、本実施例では貫通穴43を設け、貫通穴43の内部において上記実施例と同様の拡径溝45を成形する。
この貫通穴43は、第1実施例と同様にして被削材4をチャック51に取り付け、第1のヘッド31を取り付けた穴加工工具1をブッシュ54に取り付け、穴加工工具1を被削材4に対して相対回転させるとともにこの相対回転の軸方向に相対移動させることで、成形される。貫通穴43の中心軸O43は、穴加工工具1の相対回転軸(バー2の中心軸O2)と同軸であり、被削材4の中心軸O4と同軸となる。また、第2実施例で深穴42を成形したようにドリル加工によって本実施例の貫通穴43を成形してもよい。
このように成形された貫通穴43の内部には、図12(a)に示すように、芯出し部材7が設けられる。芯出し部材7は、先端部71aが凸円錐状に形成される芯出し治具71を有して構成される。なお、芯出し治具71の先端部71aは、第1実施例で深穴41の閉塞側端面41aに形成された凸部41bと同じ形状となっている。この芯出し治具71は、旋盤5に設けられた図示しない治具取付機構に貫通穴43の中心軸O43上に位置するようにして取り付けられる。なお、本実施例では、円筒状に形成されるガイド部材72が芯出し部材71の外周側に設けられている。ガイド部材72の外径は貫通穴43の径とほぼ等しくされている。このため、ガイド部材72が周設された芯出し治具71を治具取付機構に取り付けることにより、ガイド部材72が貫通穴に嵌合し、芯出し治具71が貫通穴43の中心軸O43上に位置した状態で保持される。
このように芯出し部材7がセットされる被削材4に対し、第2のヘッド32が取り付けられてブッシュ54に取り付けられる穴加工工具1を相対回転させるとともに軸方向に相対移動させる。これにより、第2のヘッド32の本体部32aの先端面に設けられた凹円錐状の凹部32dが芯出し治具71の先端部71aに当接する。芯出し治具71の先端部71aは貫通穴43の中心軸O43上に配設されるのに対し、凹部32dはバー2の中心軸O2に対して偏心された中心軸O32を有していることから、先端部71aと凹部32dは互いの先端が軸方向にずれた状態で互いの円錐傾斜面を当接させる。
上記実施例と同様に、穴加工工具1をさらに軸方向に相対移動させることにより、凹部32dが芯出し治具71の先端部71aにおける円錐傾斜面を伝って相対移動させる力F1を径方向に向ける力F2に変換して第2のヘッド32を切刃方向に向けて移動させ、バー2の先端部を切刃方向に漸次撓み量を増すようにして撓ませることができ、第2の切刃32cの相対回転半径を貫通穴43の内周面4aを切削させながら漸次大きくすることができる。これにより、図12(b)に示すように、貫通穴43の内部に貫通穴43の内径よりも径の大きい拡径溝45が成形される。また、上記実施例と同様に、凹部32dの先端部が芯出し治具71の先端部71aに達することにより、バー2の先端部が撓んだ状態で保持される。このように本実施例においても、簡易な加工を施したヘッドを用いて精度のよい拡径溝45を成形することができる。
また、本実施例においては、凹部33dの当接相手となる芯出し治具71にガイド部材72を周設している。これにより、穴加工工具1を芯出し治具71に当接させた状態でさらに軸方向に相対移動させても、芯出し治具71の中心位置が保持される。このように、ガイド部材72を設けることにより、第2の切刃32cの相対回転半径が拡大するときに芯出し治具71が撓んで相対回転軸がぶれることを防ぎ、拡径溝45を精度よく成形することができる。
続いて、第4実施例について図13を参照して説明する。本実施例においては、穴加工工具1、被削材4、および旋盤5については、第2実施例と同様のものである。第2実施例と同一の部材については同一の符号を付して重複説明を省略する。
第4実施例は、第3実施例と同様に、被削材4に貫通穴44を設け、この貫通穴44の内部に拡径溝45が成形される。この貫通穴44は、第3実施例の貫通穴43と同様にして設けられる。貫通穴44の中心軸O44は、穴加工工具1の相対回転軸(バー2の中心軸O2)と同軸であり、被削材4の中心軸O4と同軸となる。
成形された貫通穴44の内部には、図13に示すように芯出し部材7′が設けられる。この芯出し部材7′は、先端部76aが凹円錐状に形成される芯出し治具76を有して構成される。なお、芯出し治具76の先端部76aは第2実施例で深穴42の閉塞側端面42aに形成された凹部42bと同じ形状となっている。この芯出し治具76は、旋盤5に設けられた図示しない治具取付機構に貫通穴44の中心軸O44上に位置するようにして取り付けられている。なお、本実施例では、第3実施例と同様にして円筒状に形成されるガイド部材77を芯出し部材76の外周側に設けており、ガイド部材77が周設された芯出し治具76を治具取付機構に取り付けることにより、ガイド部材77を貫通穴44に嵌合させ、芯出し治具76を貫通穴44の中心軸O44上に位置した状態で保持するようになっている。
このように芯出し部材7′がセットされた被削材4に対し、第3のヘッド33を取り付けた穴加工工具1を相対回転させるとともに軸方向に相対移動させる。これにより、第3のヘッド33の本体部33aの先端面に設けられた凸円錐状の凸部33dが芯出し治具76の先端部76aに当接する。芯出し治具76の先端部76aは貫通穴44の中心軸O44上に配設されるのに対し、凸部33dはバー2の中心軸O2に対して偏心された中心軸O33を有していることから、先端部76aと凸部33dは互いの先端が軸方向にずれた状態で互いの円錐傾斜面を当接させる。
上記実施例と同様に、穴加工工具1をさらに軸方向に相対移動させることにより、軸方向に相対移動させる力F1が切刃方向に向けるように作用する力F2に変換されて第3のヘッド33が切刃方向に移動するようになる。このように、軸方向の相対移動に連れてバー2の先端部を切刃方向に漸次撓み量を増すようにして撓ませることができ、第3の切刃33cの相対回転半径を貫通穴44の内周面4aを切削させながら漸次大きくすることができる。これにより、図12(b)に示すように、第3実施例と同様にして貫通穴44の内部に貫通穴44の内径よりも径の大きい拡径溝45が成形される。また、上記実施例と同様に、凸部33dの先端部が芯出し治具76の先端部76aに達することによりバー2の先端部が撓んだ状態で保持されるようになっている。
このように本実施例においても、ヘッドに簡易な加工を施すことにより、精度のよい拡径溝45を成形することができる。また、本実施例においても、芯出し治具76の中心位置を保持するためのガイド部材77が芯出し治具76に周設されており、第3の切刃33cの相対回転半径が拡大するときに相対回転軸がぶれることを防ぎ、拡径溝45をより精度よく成形することができる。
これまで、本発明に係る穴加工工具および穴加工方法の各実施例について説明したが、必ずしも上記実施例の形態に限られない。例えば、旋盤5により被削材4を軸回りに回転させ、穴加工工具1を軸方向に移動させるとしたが、穴加工工具1が相対回転可能であるとともに相対移動可能であればよく、穴加工工具1を回転させ、あるいは被削材を軸方向に移動させる形態でもよい。
また、本発明は変速機の回転軸を実施例として説明したが、必ずしも上記実施例の形態に限らず、深穴内側に拡径溝加工を施す被削材であれば、変速機の回転軸に限らず種々の部材の加工に適用することが可能である。
本発明に係る穴加工工具を示す側面図である。 第1実施例において穴加工工具に取り付けられるヘッドを示し、(a)が第1のヘッド、(b)が第2のヘッドを示す側面図である。 旋盤を示す側面図である。 第1実施例の穴加工方法について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第1実施例の撓み発生手段について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第1実施例の穴加工方法について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 仕上げ加工について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第2実施例において上記穴加工工具に取り付けられるヘッドを示す側面図である。 第2実施例の穴加工方法について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第2実施例の撓み発生手段について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第2実施例の穴加工方法について示す穴加工工具および被削材の側面図である。 第3実施例の穴加工工具および芯出し部材について示す側面図である。 第4実施例の穴加工工具および芯出し部材について示す側面図である。
符号の説明
O 中心軸
OR 回転軸
1 穴加工工具
2 バー
3 ヘッド
4 被削材
5 旋盤
6 撓み発生手段
7,7′ 芯出し部材
32d 凹部(第2の当接部)
33d 凸部(第2の当接部)
41,42 深穴
41a,42a 閉塞側端面
41b 凸部(第1の当接部)
42b 凹部(第1の当接部)
43,44 貫通穴
45 拡径溝
71,76 芯出し治具
71a,76a 先端部(第1の当接部)

Claims (4)

  1. 略円柱状のバーと、前記バーの先端部に取り付けられて切刃を備えるヘッドとから構成され、円筒状に延びる穴が予め成形されるとともに前記穴の閉塞側端面に中心軸が前記穴の中心軸上に位置する凸円錐状または凹円錐状の第1当接部が形成された被削材に対して、前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転されるとともに前記中心軸方向に相対移動されて前記穴の内部に挿入され、前記切刃により前記穴の内周面に前記穴の内径よりも径の大きい拡径溝を成形する穴加工工具であって
    前記ヘッドの先端面中心軸が前記バーの中心軸から前記切刃に対して遠ざかる方向に偏心して前記バーの中心軸と平行に延びるとともに、前記バーの中心軸上に傾斜面を有する凹円錐状または凸円錐状の第2当接部が設けられており、
    前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で前記中心軸方向に相対移動されると、前記第2当接部の前記傾斜面が前記第1当接部の傾斜面に当接し、さらに前記中心軸方向に相対移動されると前記第2当接部が前記第1当接部の前記傾斜面の方向に移動されることにより、前記中心軸方向に作用する力を前記中心軸方向に直交する方向の力に変換して前記切刃が前記穴の内周面に近づくように前記バーの先端部を撓ませて、前記切刃により前記穴の内周面に前記拡径溝を成形することを特徴とする穴加工工具。
  2. 前記切刃の刃先が前記バーの中心軸と略平行に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。
  3. 略円柱状のバーと、前記バーの先端部に取り付けられて切刃を備えるヘッドとから構成される穴加工工具を、円筒状に延びる穴が予め成形された被削材に対して、前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転させるとともに前記中心軸方向に相対移動させて前記穴の内部に挿入前記切刃により前記穴の内周面に前記穴の内径よりも径の大きい拡径溝を成形する穴加工方法であって
    前記穴の閉塞側端面に中心軸が前記穴の中心軸上に位置する凸円錐状または凹円錐状の第1当接部を形成し、
    前記穴加工工具を前記バーの中心軸が前記穴の中心軸と同軸上に位置した状態で相対回転させるとともに前記中心軸方向に相対移動させて、前記ヘッドの先端面に設けられた中心軸が前記バーの中心軸から前記切刃に対して遠ざかる方向に偏心して前記バーの中心軸と平行に延びるとともに、前記バーの中心軸上に傾斜面を有する凹円錐状または凸円錐状の第2当接部の前記傾斜面を前記第1当接部の傾斜面に当接させ、
    前記穴加工工具をさらに前記中心軸方向に相対移動させて、前記第2当接部が前記第1当接部の前記傾斜面の方向に移動されることにより、前記中心軸方向の作用する力を前記中心軸方向に直交する方向の力に変換して前記切刃が前記穴の内周面に近づくように前記バーの先端部を撓ませて、前記切刃の相対回転軌跡の径を漸次大きくして前記切刃により前記穴の内周面に前記拡径溝を成形することを特徴とする穴加工方法。
  4. 前記切刃の刃先が前記バーの中心軸と略平行に延びるように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の穴加工方法。
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