JP4843857B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、車両用自動変速機の変速制御装置に関し、特に、変速のために解放される摩擦係合要素の係合油圧を調整する油圧調整弁の異常に原因する摩擦係合要素の二重係合を防止した変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機においては、第1の摩擦係合要素を解放し且つ第2の摩擦係合要素を係合することで1つの変速段を完成し、また第2の摩擦係合要素を解放し且つ第1の摩擦係合要素を係合させることで他の変速段を完成する。その際、変速段の切換え、つまり変速を良好に実行するため、各摩擦装置の係合油圧値が油圧調整弁によりきめ細かに調整される。変速時、解放される摩擦係合要素の係合油圧値を調整する油圧調整弁が異常、即ちスプールが高圧側でスティックしていると、解放すべき摩擦係合要素が係合したまま他の摩擦係合要素が係合し、2つの摩擦係合要素が共に係合する所謂二重係合が発生する。この二重係合は、自動変速機の出力軸の減速を招き、車両が停止することとなる。
【0003】
変速のために解放される摩擦係合要素の係合油圧を調整する油圧調整弁の異常に原因する摩擦係合要素の二重係合を防止する従来技術としては、係合される摩擦係合要素の係合油圧により作動する切換弁によって解放される摩擦係合要素の係合油圧を排出する方法や、変速タイミング用に設定される油圧検出スイッチを利用して摩擦係合要素の係合油圧を監視し異常であれば変速を中止する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、変速過程に進んでから変速が中止されるため、二重係合が或る程度まで進行して車速が一時的に減速することは避けられず、乗員が不快感を覚えるという問題がある。
【0005】
この出願の発明は、変速のために解放される摩擦係合要素の係合油圧を調整する油圧調整弁の異常に原因する摩擦係合要素の二重係合を防止するための変速中止判断が変速過程に移行する前段階で行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、請求項1に記載したように、第1の変速段で係合されるが第2の変速段では解放される第1の摩擦係合要素と、前記第2の変速段で係合されるが前記第1の変速段では解放される第2の摩擦係合要素と、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じて油圧値がライン油圧の油圧値よりも低い所定油圧値以下の範囲内で連続的に変化する第1の信号油圧であって且つ前記第1および第2の摩擦係合要素の何れか一方の解放開始から他方の係合完了までの変速過程における前記第1の摩擦係合要素の係合油圧の油圧値を指示する第1の信号油圧を生成する第1のリニアソレノイド弁と、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じて油圧値が前記所定油圧値以下の範囲内で連続的に変化する第2の信号油圧であって且つ前記変速過程における前記第2の摩擦係合要素の係合油圧の油圧値を指示する第2の信号油圧を生成する第2のリニアソレノイド弁と、2値信号油圧である第3の信号油圧を生成する切換弁と、前記第1の信号油圧を受け且つ前記第3の信号により切換え可能な大小2つの受圧面積を有し、前記第1の信号油圧が前記所定油圧値とされ且つ前記第3の信号油圧により大受圧面積が有効とされたときには前記第1の摩擦係合要素の係合油圧をライン油圧と同じ油圧値に保持し、前記第3の信号油圧により小受圧面積が有効とされているときには前記第1の摩擦係合要素の係合油圧を前記第1の信号油圧が指示する油圧値に調整する第1の油圧調整弁と、前記第2の信号油圧を受け且つ前記第3の信号油圧により切換え可能な大小2つの受圧面積を有し、前記第2の信号油圧が前記所定油圧値とされ且つ前記第3の信号油圧により大受圧面積が有効とされたときには前記第2の摩擦係合要素の係合油圧をライン油圧と同じ油圧値に保持し、前記第3の信号油圧により小受圧面積が有効とされているときには前記第2の摩擦係合要素の係合油圧を前記第2の信号油圧が指示する油圧値に調整する第2の油圧調整弁と、所定の入力信号に基づいて完成すべき変速段と変速要否を判定し、変速要のときには前記切換弁を操作して前記第1の油圧調整弁の前記第1の信号油圧の受圧面積および前記第2の油圧調整弁の前記第2の信号油圧の受圧面積をそれぞれ大受圧面積から小受圧面積に切換えた後、前記第1および第2のリニアソレノイド弁のソレノイド電流値を調整して変速過程を実行する制御装置とを備えた車両用自動変速機の変速制御装置であって、前記制御装置が変速要と判定し前記切換弁を操作して前記第1および第2の油圧調整弁の受圧面積を大受圧面積から小受圧面積に切換えたときに前記第1および第2の油圧調整弁の何れかの出力油圧値が、ライン油圧と同じ油圧値から、同油圧値よりは低いが前記所定油圧値が指示する油圧値よりは高い設定油圧値以下に低下したことを検出するための油圧低下検出装置が設けられており、前記制御装置は、前記油圧低下検出装置が油圧低下を検出しないことに応じて前記変速過程の実行に進まないように構成されていることを特徴とする車両要自動変速機の変速制御装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明の一実施形態に係る車両用自動変速機の変速制御装置の概略構成を示す図であり、図2は第1の変速段から第2の変速段への変速作用を示す図である。
【0008】
図1において、第1の摩擦係合要素Aは、第1の変速段で係合されるが第2の変速段では解放されるものである。第2の摩擦係合要素Bは、第2の変速段で係合されるが第1の変速段では解放されるものである。
【0009】
第1のリニアソレノイド弁11は、ライン油圧PLの油圧値に対して所定量低く調整された油圧値のモジュレータ油圧PMが供給される油圧路PPMからオリフィスO1と第1の油圧調整弁13を順次経てドレン油圧路EXに至る油圧路の油圧調整弁13の下流側に介在され、ソレノイド電流値に応じた油圧値の第1の信号油圧PP1を上流側(油圧調整弁13側)に生成するものである。信号油圧PP1は、摩擦係合要素A、Bの何れか一方の解放開始から他方の係合完了までの変速過程における摩擦係合要素Aの係合油圧PAの油圧値を指示するものであり、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じてモジュレータ油圧の油圧値(ライン油圧の油圧値よりも低い所定油圧値)以下の範囲内で連続的に変化する。リニアソレノイド弁11は常開型のものであり、ソレノイド電流値の増加に伴って信号油圧PP1の油圧値が上昇する。
【0010】
第2のリニアソレノイド弁12は、上記モジュレータ油圧路PPMからオリフィスO2と第2の油圧調整弁14を順次経てドレン油圧路EXに至る油圧路の油圧調整弁14の下流側に介在され、ソレノイド電流値に応じた油圧値の第2の信号油圧PP2を上流側(油圧調整弁14側)に生成するものである。信号油圧PP2は、摩擦係合要素A、Bの何れか一方の解放開始から他方の係合完了までの変速過程における摩擦係合要素Bの係合油圧PBの油圧値を指示するものであり、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じてモジュレータ油圧PMの油圧値(所定油圧値)以下の範囲内で連続的に変化する。リニアソレノイド弁12は、常閉型のものであり、ソレノイド電流値の増加に伴って信号油圧PP2の油圧値が低下する。
【0011】
切換弁15は、油圧路PPをライン油圧路PPLとドレン油圧路EXの何れか一方に選択的に連通することにより油圧路PPに第3の信号油圧PP3を生成する。信号油圧PP3はライン油圧の油圧値とドレン油圧値との間で切換わる2値信号油圧である。
【0012】
第1の油圧調整弁13は、下方の第1スプール13aと、上方の第2スプール13bと、休止時にスプール13a、13bを図示の休止位置に復帰させるスプリング13cとを備える。第1のスプール13aの上端のランドと第2のスプール13bの下方部とは同径であり、これらの間には信号油圧PP1が作用する油圧室13dが形成される。第2スプール13bの上方部は下方部よりも大径であり、この上方部とリニアソレノイド弁11との間にも信号油圧PP1が作用する油圧室13eが形成される。油圧室13d、13eは第2スプール13bに形成された軸方向孔により互いに連通する。第2スプール13bの上方部の下端面が露出する油圧室13fには信号油圧PP3が供給される。
【0013】
油圧調整弁13の油圧室13fの信号油圧PP3が高油圧である場合(ライン油圧PLの油圧値になっている場合)、第1の信号油圧PP1によりスプール13bに作用する下向きの付勢力よりも大きな付勢力が信号油圧PP3によりスプール13bに働き、信号油圧PP1がスプール13aを下方へ付勢するように働く受圧面積は、スプール13aの上端面の面積である小受圧面積になる。この状態においては、信号油圧PP1によってスプール13aに働く下向きの付勢力と摩擦係合要素Aの係合油圧PAによってスプール13aに働く上向きの付勢力との大小関係に応じてスプール13aが摺動して摩擦係合要素Aをライン油圧路PPLとドレン油圧路EXの何れかに連通することで係合油圧PAを、図2に示す調整油圧幅PCの範囲内で、信号油圧PP1が指示する油圧値に調整する。
【0014】
また、信号油圧PP3が低油圧になっている場合(ドレン油圧路EXの油圧値になっている場合)は、信号油圧PP1がスプール13aを下方へ付勢するように働く受圧面積はスプール13bの上端面の面積である大受圧面積になる。この状態で信号油圧PP1が所定油圧値(モジュレータ油圧値)であれば、信号油圧PP1によりスプール13aに働く下向きの付勢力によってスプール13aは係合油圧PAの高さの如何に拘わらず摩擦係合要素Aをライン油圧路PPLに連通する位置に保持され、従って摩擦係合要素Aの係合油圧PAはライン油圧PLと同じ油圧値になる。
【0015】
第2の油圧調整弁14は、下方の第1スプール14aと、上方の第2スプール14bと、休止時にスプール14a、14bを図示の休止位置に復帰させるスプリング14cとを備える。第1のスプール14aの上端のランドと第2のスプール14bの下方部とは同径であり、これらの間には信号油圧PP2が作用する油圧室14dが形成される。第2スプール14bの上方部は下方部よりも大径であり、この上方部とリニアソレノイド弁12との間にも信号油圧PP2が作用する油圧室14eが形成される。油圧室14d、14eは、第2スプール14bに形成された軸方向孔により互いに連通する。第2スプール14bの上方部の下端面が露出する油圧室14fには信号油圧PP3が供給される。
【0016】
油圧調整弁14の油圧室14fの信号油圧PP3が高油圧である場合(ライン油圧PLの油圧値になっている場合)、第2の信号油圧PP2によりスプール14bに作用する下向きの付勢力よりも大きな付勢力が信号油圧PP3によりスプール14bに働き、信号油圧PP2がスプール14aを下方へ付勢するように働く受圧面積は、スプール14aの上端面の面積である小受圧面積になる。この状態においては、信号油圧PP2によってスプール14aに働く下向きの付勢力と摩擦係合要素Bの係合油圧PBによってスプール14aに働く上向きの付勢力との大小関係に応じてスプール14aが摺動して摩擦係合要素Bをライン油圧路PPLとドレン油圧路EXの何れかに連通することで係合油圧PBを、図2に示す調整油圧幅PCの範囲内で、信号油圧PP2が指示する油圧値に調整する。
【0017】
また、信号油圧PP3が低油圧になっている場合(ドレン油圧路EXの油圧値になっている場合)は、信号油圧PP2がスプール14aを下方へ付勢するように働く受圧面積はスプール14bの上端面の面積である大受圧面積になる。この状態で信号油圧PP2が所定油圧値(モジュレータ油圧値)であれば、信号油圧PP2によりスプール14aに働く下向きの付勢力によってスプール14aは係合油圧PBの高さの如何に拘わらず摩擦係合要素Bをライン油圧路PPLに連通する位置に保持され、従って摩擦係合要素Bの係合油圧PBはライン油圧PLと同じ油圧値になる。
【0018】
制御装置16は、基本的には、エンジン回転数、トルクコンバータのタービン回転数、歯車変速機の出力軸回転数、エンジンスロットル開度等の所定の入力信号に基づいて完成すべき変速段と変速要否を決定し、この決定に基づいて第1および第2のリニアソレノイド弁11および12と切換弁15を操作するものである。例えば、完成すべき変速段が第1の変速段であるときには、リニアソレノイド弁11のソレノイド電流値を、信号油圧PP1の油圧値が信号油圧PP1の上限値(所定油圧値)となる電流値に調整し、リニアソレノイド弁12のソレノイド電流値を、信号油圧PP2の油圧値がその下限値となる電流値に調整し、切換弁15を信号油圧PP3を低油圧となる位置に操作する。これにより、油圧調整弁13が摩擦係合要素Aの係合油圧PAをライン油圧と同じ油圧値に保持し、油圧調整弁14が摩擦係合要素Bの係合油圧PBをドレン油圧値に低下させるので、第1の変速段が完成する。
【0019】
制御装置16は、第1の変速段を完成している下で、完成すべき変速段が第2の変速段であり、第1の変速段から第2の変速段への変速要を決定すると、この決定時点t1からの経過時間がt2(図2参照)になった時点で切換弁15を切換えて信号油圧PP3を低油圧から高油圧に切換え、経過時間がt3〜t4になるまでの期間においてリニアソレノイド弁11、12のソレノイド電流値を時間経過に従って変化させて図2に示すように係合油圧PAを低下させるとともに係合油圧PBを上昇させ、経過時間がt4になった時点で切換弁15を切換えて信号油圧PP3を高油圧から低油圧に切り換えて係合油圧PBをライン油圧値に保持する。その際、係合油圧PAをライン油圧と同じ油圧値に保持している油圧調整弁13のスプール13aがスティックを起こしていると、切換弁15の切換え且つリニアソレノイド11のソレノイド電流値を変化させても係合油圧PAが低下せず、係合油圧PAが低下しないまま係合油圧PBが上昇することで摩擦係合要素A、Bの二重係合が発生し、車速が減速することとなる。また、第2の変速段から第1の変速段に変速する場合は、切換え弁15およびリニアソレノイド11、12の操作により係合油圧PA、PBが時間経過に従って調整されるものであり、その際の作用は図2において係合油圧PAを係合油圧PBと読み替えるとともに係合油圧PBを係合油圧PAと読み替えることで示される。第2の変速段から第1の変速段に変速する際に油圧調整弁14のスプール14aがスティックを起こしていると、摩擦係合要素A、Bの二重係合が発生する。
【0020】
第1の変速段から第2の変速段への変速またはその逆の変速時の摩擦係合要素A、Bの二重係合を防止するため、この出願の発明に従って、油圧調整弁13の出力油圧、即ち係合油圧PAに応動する圧力応動スイッチ17aと、油圧調整弁14の出力油圧、即ち係合油圧PBに応動する圧力応動スイッチ17bが設けられ、これら圧力応動スイッチ17a、17bの出力が制御装置16に入力される。圧力応動スイッチ17aの出力は、油圧調整弁13の出力油圧=係合油圧PAの油圧値がライン油圧PLの油圧値より低く且つ調整油圧幅PCの上限値よりも高い設定油圧値PR(図2参照)を上回っているときにはオン(またはオフ)となり、また油圧調整弁13の出力油圧値が設定油圧値PR以下であるときにはオフ(またはオン)となる。圧力応動スイッチ17bの出力は、油圧調整弁14の出力油圧値が設定油圧値PRを上回っているときにはオン(またはオフ)となり、また油圧調整弁14の出力油圧値が設定油圧値PR以下であるときにはオフ(またはオン)となる。
【0021】
そして、制御装置16は、この出願の発明に従って、第1の変速段から第2の変速段に、またはその逆に変速する際、切換弁15の切換えの実行から所定時間以内に圧力応動スイッチ17aまたは17bの出力がオンからオフに切換わる場合には摩擦係合要素AまたはBの解放開始から摩擦係合要素BまたはAの係合完了までの変速過程の実行に進むが、切換弁15の切換えの実行から所定時間以内に圧力応動スイッチ17aまたは17bの出力がオンからオフに切換わらない場合には変速過程の実行に進まないしないように構成されている。これにより、油圧調整弁13、14のスプール13a、14aのスティックに原因する摩擦係合要素の二重係合が完全に(二重係合に進む前に)防止される。
【0022】
圧力応動スイッチ17a、17bを設ける代わりに係合油圧PA、PBを検出する2つの圧力センサを設け、これら圧力センサから制御装置16に入力される油圧値が、切換弁15を操作してから所定時間以内に設定油圧値PR以下に低下した否か判定することとしてもよい。
【0023】
また、図2の係合油圧PA、PBのパターンは、経過時間に従って調整されることに限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、この出願の発明に係る車両用変速機の変速制御装置は、変速のために解放される摩擦係合要素の係合油圧を調整する油圧調整弁の異常に原因する摩擦係合要素の二重係合を防止するための判断が変速過程に進む前段階で行えるため、摩擦係合要素に二重係合を完璧に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の一実施形態に係る車両要自動変速機の変速制御装置の概略構成を示す図である。
【図2】この出願の発明の一実施形態における変速作用を示す図である。
【符号の説明】
A・・・第1の摩擦係合要素
B・・・第2の摩擦係合要素
11・・・第1のリニアソレノイド弁
12・・・第2のリニアソレノイド弁
13・・・第1の油圧調整弁
14・・・第2の油圧調整弁
15・・・切換弁
16・・・制御装置
17a、17b・・・圧力応動スイッチ
Claims (1)
- 第1の変速段で係合されるが第2の変速段では解放される第1の摩擦係合要素と、前記第2の変速段で係合されるが前記第1の変速段では解放される第2の摩擦係合要素と、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じて油圧値がライン油圧の油圧値よりも低い所定油圧値以下の範囲内で連続的に変化する第1の信号油圧であって且つ前記第1および第2の摩擦係合要素の何れか一方の解放開始から他方の係合完了までの変速過程における前記第1の摩擦係合要素の係合油圧の油圧値を指示する第1の信号油圧を生成する第1のリニアソレノイド弁と、ソレノイド電流値が連続的に変化されることに応じて油圧値が前記所定油圧値以下の範囲内で連続的に変化する第2の信号油圧であって且つ前記変速過程における前記第2の摩擦係合要素の係合油圧の油圧値を指示する第2の信号油圧を生成する第2のリニアソレノイド弁と、2値信号油圧である第3の信号油圧を生成する切換弁と、前記第1の信号油圧を受け且つ前記第3の信号により切換え可能な大小2つの受圧面積を有し、前記第1の信号油圧が前記所定油圧値とされ且つ前記第3の信号油圧により大受圧面積が有効とされたときには前記第1の摩擦係合要素の係合油圧をライン油圧と同じ油圧値に保持し、前記第3の信号油圧により小受圧面積が有効とされているときには前記第1の摩擦係合要素の係合油圧を前記第1の信号油圧が指示する油圧値に調整する第1の油圧調整弁と、前記第2の信号油圧を受け且つ前記第3の信号油圧により切換え可能な大小2つの受圧面積を有し、前記第2の信号油圧が前記所定油圧値とされ且つ前記第3の信号油圧により大受圧面積が有効とされたときには前記第2の摩擦係合要素の係合油圧をライン油圧と同じ油圧値に保持し、前記第3の信号油圧により小受圧面積が有効とされているときには前記第2の摩擦係合要素の係合油圧を前記第2の信号油圧が指示する油圧値に調整する第2の油圧調整弁と、所定の入力信号に基づいて完成すべき変速段と変速要否を判定し、変速要のときには前記切換弁を操作して前記第1の油圧調整弁の前記第1の信号油圧の受圧面積および前記第2の油圧調整弁の前記第2の信号油圧の受圧面積をそれぞれ大受圧面積から小受圧面積に切換えた後、前記第1および第2のリニアソレノイド弁のソレノイド電流値を調整して変速過程を実行する制御装置とを備えた車両用自動変速機の変速制御装置であって、前記制御装置が変速要と判定し前記切換弁を操作して前記第1および第2の油圧調整弁の受圧面積を大受圧面積から小受圧面積に切換えたときに前記第1および第2の油圧調整弁の何れかの出力油圧値が、ライン油圧と同じ油圧値から、同油圧値よりは低いが前記所定油圧値が指示する油圧値よりは高い設定油圧値以下に低下したことを検出するための油圧低下検出装置が設けられており、前記制御装置は、前記油圧低下検出装置が油圧低下を検出しないことに応じて前記変速過程の実行に進まないように構成されていることを特徴とする車両要自動変速機の変速制御装置。
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