JP4842846B2 - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこうした動力出力装置の制御方法並びにこうした動力出力装置を搭載する車両、駆動軸に動力を出力する動力出力装置に内燃機関および蓄電手段と共に組み込まれる駆動装置に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、変速機を介して駆動軸に動力を出力するモータを備える車載用の装置において、変速機の変速の際にはモータの回転数の時間微分値を用いて計算した現在回転数にヒステリシスを用いて得られたものを制御用回転数として駆動制御に用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、変速機をアップシフトするときに現在回転数が小さくなるときに現在回転数を制御用回転数として用いて制御し、変速機をアップシフトするときに現在回転数が大きくなるときには現在回転数にヒステリシスをもって得られる回転数を制御用回転数として用いて制御し、変速機をダウンシフトするときに現在回転数が大きくなるときに現在回転数を制御用回転数として用いて制御し、変速機をダウンシフトするときに現在回転数が小さくなるときには現在回転数にヒステリシスをもって得られる回転数を制御用回転数として用いて制御する。これにより、モータの回転数や現在回転数に振動が生じてもその影響を小さくしている。
特開2006−094691号公報
しかしながら、上述の動力出力装置では、変速機の変速が終了したときに制御に用いる回転数がヒステリシスの範囲内ではあるが急変する場合が生じる。上述したように、変速機を変速しているときには制御用回転数が大きくなるか小さくなるかの一方については現在回転数を用いるが他方の場合には現在回転数にヒステリシスをもって得られる回転数を用いるため、現在回転数が振動する場合には制御用回転数は振動の下側または上側に偏った回転数となる。このため、変速機の変速の終了のタイミングで制御用回転数として検出されたモータの回転数や現在回転数を用いると、変速の終了のタイミングで制御用回転数が急変する場合が生じる。変速の終了のタイミングでモータから一定のトルクを出力していると、制御用回転数の急変に伴ってモータの消費電力や回生電力も急変し、モータと電力のやりとりを行なうバッテリは、場合によっては予期しない過大な電力により充放電されることになってしまう。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置は、有段の変速機の変速の際に変速機の入力軸の回転数が急変するのを抑制することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置は、有段の変速機の変速の際に二次電池などの蓄電装置が過大な電力により充放電されるのを抑制することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両、駆動装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
入力軸を有し、前記入力軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、
前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、
前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する予想入力軸回転数演算手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求動力設定手段と、
前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定する制御用回転数設定手段と、
前記設定された制御用回転数で前記入力軸が回転しているとして前記設定された入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定すると共に入力軸回転数検出手段により検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する。そして、有段変速手段の変速段を変速しないときには入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に駆動軸回転数検出手段により検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で有段変速手段の変速段の変速を伴って内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。即ち、有段変速手段の変速段の変速を開始する前は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数に対して変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段の変速が終了した以降は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御するのである。したがって、有段変速手段の変速段の変速の開始のタイミングでは、制御用回転数は入力軸回転数か予想入力軸回転数から変速前回転数によって制限された回転数に切り替えられることになるから、変速前回転数によって制限しないものに比して、制御用回転数の急変が抑制されたものとなる。また、有段変速手段の変速段の変速の終了のタイミングでは、制御用回転数は変速後回転数によって制限された回転数から入力軸回転数か予想入力軸回転数に切り替えられることになるから、変速後回転数によって制限しないものに比して、制御用回転数の急変が抑制されたものとなる。即ち、本発明の動力出力装置では、有段変速手段の変速段を変速するときに変速の前後の変速比に駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数や変速後回転数によって制限した回転数を制御用回転数とすることにより、こうした変速前回転数や変速後回転数によって制限しないものに比して、有段変速手段の変速段の変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数が急変するのを抑制することができるのである。この結果、制御用回転数が急変することに伴って生じ得る予期しない過大な電力による蓄電手段の充放電を抑制することができる。もとより、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数を用いて制御用回転数を設定するから、検出遅れや演算遅れ,通信遅れによって実際の入力軸の回転数から大きく異なるのを抑制することができる。また、蓄電手段の入出力制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力を出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制御用回転数設定手段は、前記有段変速手段の変速段をアップシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数が小さくなるときには前記変速後回転数と前記予想入力軸回転数のうち大きい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をアップシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数が大きくなるときには前記変速前回転数と前記予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数とのうち小さい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数が大きくなるときには前記変速後回転数と前記予想入力軸回転数のうち小さい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数が小さくなるときには前記変速前回転数と前記予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数とのうち大きい方を制御用回転数として設定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記設定された制御用回転数を用いると共に前記有段変速手段の変速段の変速を考慮して、前記設定された要求駆動力と前記所定の制約とに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定し、前記電力動力入出力手段および前記電動機により入出力される電力が前記設定された入出力制限の範囲内となると共に前記入力軸に前記電力動力入出力手段および前記電動機から出力され前記有段変速手段を介して前記駆動軸に出力される駆動力が前記設定された要求駆動力以下の範囲内となる条件下で前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されて前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、過大な電力による蓄電手段の充放電をより適正に抑制することができると共に蓄電手段の入出力制限の範囲内で要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記予想入力軸回転数演算手段は、前記検出された入力軸回転数の微分値に相当する値を用いて前記予想入力軸回転数を演算する手段であるものとすることもできる。また、本発明の動力出力装置において、前記所定の制約は、前記内燃機関を効率よく運転する制約であるものとすることもできる。こうすれば、装置のエネルギ効率を向上させることができる。
加えて、本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記入力軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、入力軸を有し前記入力軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する予想入力軸回転数演算手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求動力設定手段と、前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定する制御用回転数設定手段と、前記設定された制御用回転数で前記入力軸が回転しているとして前記設定された入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、有段変速手段の変速段を変速するときに変速の前後の変速比に駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数や変速後回転数によって制限した回転数を制御用回転数とすることにより、こうした変速前回転数や変速後回転数によって制限しないものに比して、有段変速手段の変速段の変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数が急変するのを抑制することができる効果や、制御用回転数が急変することに伴って生じ得る予期しない過大な電力による蓄電手段の充放電を抑制することができる効果、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数を用いて制御用回転数を設定するから、検出遅れや演算遅れ,通信遅れによって実際の入力軸の回転数から大きく異なるのを抑制することができる効果、蓄電手段の入出力制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力を出力することができる効果など、と同様な効果を奏することができる。
本発明の駆動装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置に内燃機関および蓄電手段と共に組み込まれる駆動装置であって、
入力軸を有し、前記入力軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、
前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、
前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する予想入力軸回転数演算手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求動力設定手段と、
前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定する制御用回転数設定手段と、
前記設定された制御用回転数で前記入力軸が回転しているとして前記設定された入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関の制御と共に前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定すると共に入力軸回転数検出手段により検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する。そして、有段変速手段の変速段を変速しないときには入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう内燃機関の制御と共に電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に駆動軸回転数検出手段により検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で有段変速手段の変速段の変速を伴って内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関の制御と共に電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。即ち、有段変速手段の変速段の変速を開始する前は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数に対して変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段の変速が終了した以降は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御するのである。この結果、有段変速手段の変速段を変速するときに変速の前後の変速比に駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数や変速後回転数によって制限した回転数を制御用回転数とすることにより、こうした変速前回転数や変速後回転数によって制限しないものに比して、有段変速手段の変速段の変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数が急変するのを抑制することができ、制御用回転数が急変することに伴って生じ得る予期しない過大な電力による蓄電手段の充放電を抑制することができる。もとより、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数を用いて制御用回転数を設定するから、検出遅れや演算遅れ,通信遅れによって実際の入力軸の回転数から大きく異なるのを抑制することができる。また、蓄電手段の入出力制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力を出力することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、入力軸を有し前記入力軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定すると共に前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算し、
前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定し、
前記設定した制御用回転数で前記入力軸が回転しているとして前記設定した入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記駆動軸に要求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定すると共に入力軸回転数検出手段により検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する。そして、有段変速手段の変速段を変速しないときには入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう内燃機関の制御と共に電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に駆動軸回転数検出手段により検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定し、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で有段変速手段の変速段の変速を伴って内燃機関を所定の制約で運転しながら駆動軸に要求される要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関の制御と共に電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御する。即ち、有段変速手段の変速段の変速を開始する前は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数に対して変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定して制御し、有段変速手段の変速段の変速が終了した以降は入力軸回転数か予想入力軸回転数を制御用回転数として設定して制御するのである。この結果、有段変速手段の変速段を変速するときに変速の前後の変速比に駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数や変速後回転数によって制限した回転数を制御用回転数とすることにより、こうした変速前回転数や変速後回転数によって制限しないものに比して、有段変速手段の変速段の変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数が急変するのを抑制することができ、制御用回転数が急変することに伴って生じ得る予期しない過大な電力による蓄電手段の充放電を抑制することができる。もとより、有段変速手段の変速段を変速するときには予想入力軸回転数を用いて制御用回転数を設定するから、検出遅れや演算遅れ,通信遅れによって実際の入力軸の回転数から大きく異なるのを抑制することができる。また、蓄電手段の入出力制限の範囲内で駆動軸に要求される要求駆動力を出力することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された動力軸としてのリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、リングギヤ軸32aの動力を変速して駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に出力する変速機60と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には回転軸としてのリングギヤ軸32aがそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aから変速機60,駆動軸36,デファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG
2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
変速機60は、動力軸としてのリングギヤ軸32aと駆動軸36との間の変速段の変更を伴う動力の伝達およびリングギヤ軸32aと駆動軸36との接続の解除を行なうことができるように構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。図示するように、変速機60は、シングルピニオンの遊星歯車機構62,64,66と二つのクラッチC1,C2と三つのブレーキB1,B2,B3とにより構成されている。遊星歯車機構62は、外歯歯車のサンギヤ62sと、このサンギヤ62sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62rと、サンギヤ62sに噛合すると共にリングギヤ62rに噛合する複数のピニオンギヤ62pと、複数のピニオンギヤ62pを自転かつ公転自在に保持するキャリア62cとを備えており、サンギヤ62sはクラッチC2のオンオフによりリングギヤ軸32aに接続または接続の解除ができるようになっていると共にブレーキB1のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっており、キャリア62cはブレーキB2のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっている。遊星歯車機構64は、外歯歯車のサンギヤ64sと、このサンギヤ64sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ64rと、サンギヤ64sに噛合すると共にリングギヤ64rに噛合する複数のピニオンギヤ64pと、複数のピニオンギヤ64pを自転かつ公転自在に保持するキャリア64cとを備えており、サンギヤ64sは遊星歯車機構62のサンギヤ62sに接続され、リングギヤ64rはクラッチC1のオンオフによりリングギヤ軸32aに接続またはその解除ができるようになっており、キャリア64cは遊星歯車機構62のリングギヤ62rに接続されている。遊星歯車機構66は、外歯歯車のサンギヤ66sと、このサンギヤ66sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66rと、サンギヤ66sに噛合すると共にリングギヤ66rに噛合する複数のピニオンギヤ66pと、複数のピニオンギヤ66pを自転かつ公転自在に保持するキャリア66cとを備えており、サンギヤ66sは遊星歯車機構64のリングギヤ64rに接続され、リングギヤ66rはブレーキB3のオンオフによりその回転を停止または自由にできるようになっており、キャリア66cは遊星歯車機構62のリングギヤ62rと遊星歯車機構64のキャリア64cと駆動軸36とに接続されている。変速機60は、クラッチC1,C2とブレーキB1,B2,B3とを全てオフにすることによりリングギヤ軸32aと駆動軸36とを切り離すことができ、クラッチC1とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B2とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を1速の状態という)、クラッチC1とブレーキB2とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB1,B3とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を1速より小さな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を2速の状態という)、クラッチC1とクラッチB1とをオンとすると共にクラッチC2とブレーキB2,B3とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を2速より小さな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を3速の状態という)、クラッチC1,C2をオンとすると共にクラッチB1,B2,B3をオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転をそのまま駆動軸36に伝達する(以下、この状態を4速の状態という)。また、この変速機60は、クラッチC2とブレーキB3とをオンとすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフとすることによりリングギヤ軸32aの回転を反転かつ減速して駆動軸36に伝達する(以下、この状態をリバースの状態という)。
クラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3のオンオフは、図1に示すように、油圧式のアクチュエータ100の駆動によりクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3に対して作用させる油圧を調節することより行なわれる。この油圧式のアクチュエータ100は、オイルを圧送するオイルポンプ102と、オイルポンプ102から圧送されたオイルの圧力(ライン圧)をクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3側に調整可能な圧力をもって個別に供給可能な油圧供給部104と、を備える。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,アクチュエータ100の油圧供給部104のライン圧を検出する油圧センサ106からの油圧Poil,駆動軸36に取り付けられた回転数センサ37からの駆動軸回転数Ndなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3の油圧式のアクチュエータ100への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトレバー81のポジションとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),ドライブポジション(Dポジション),リバースポジション(Rポジション)などがある。シフトポジションSPがDポジションやRポジションのときには、変速機60は、1速〜4速の状態,リバースの状態となるようクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3のうち1速〜4速の状態,リバースの状態に対応するクラッチやブレーキを係合するものとし、シフトポジションSPがNポジションやPポジションのときには、変速機60のクラッチC1,C2やブレーキB1,B2,B3は全て開放するものとした。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクを計算し、要求トルクTd*と車速Vとに応じた変速段となるよう変速機60が制御され、要求トルクと変速機60の変速段とに応じたトルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力され
る動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図5は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,回転数センサ37からの駆動軸回転数Nd,変速機60bの変速比G,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、変速機60の変速比Gは、変速機60の状態に基づいて得られるものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したモータMG2の回転数Nm2に基づいてその変化率ΔNm2を計算すると共に(ステップS110)、変化率ΔNm2に定数kmg2を乗じたものにモータMG2の回転数Nm2を加えて、モータECU40によりモータMG2を制御するときのモータMG2の回転数、即ち、制御時に予想されるモータMG2の回転数である予想モータ回転数Nm2estを設定する(ステップS120)。ここで、変化率ΔNm2は、入力したモータMG2の回転数Nm2と前回このルーチンを実行したときに入力したモータMG2の回転数Nm2との回転数差を用いたり、この回転数差を駆動制御ルーチンの起動間隔時間で除したものを用いることができる。また、定数kmg2は、ステップS100でモータMG2の回転数Nm2を入力するまでの演算遅れや通信遅れの時間とステップS100でモータMG2の回転数Nm2を入力してからモータECU40により実際にモータMG2が制御されるまでの時間との和に相当するものとして設定することができる。即ち、モータMG2の回転数Nm2は、モータECU40により演算された後に通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に入力されるから演算遅れや通信遅れが生じ、実際のモータMG2の回転数とは異なるものとなる。一方、予想モータ回転数Nm2estは、こうした演算遅れや通信遅れを補正するものとなる。
続いて、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*を設定すると共に(ステップS130)、設定した要求トルクTd*に基づいてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS140)。要求トルクTd*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTd*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTd*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Ndを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。
次に、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS150)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
そして、変速機60の変速段を変速している最中であるか否かを判定し(ステップS160)、変速中でないときには、入力したモータMG2の回転数Nm2を制御用回転数Nm2*に設定する(ステップS170)。
こうして制御用回転数Nm2*を設定すると、設定した制御用回転数Nm2*とエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルクTm1tmpを計算し(ステップS210)、要求トルクTd*を変速機60のギヤ比Gで除したものにモータトルクTm1tmpを動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクとしてのモータトルクTm2tmpを式(3)により計算する(ステップS220)。ここで、式(1)および(3)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30および変速機60の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を図8に示す。なお、図8には変速機60が2速の状態のときを示した。図中左側は動力分配統合機構30の共線図であり、左の31軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、34軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、32軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数を示す。図中右側は変速機60の共線図であり、64r,66s軸は遊星歯車機構64のリングギヤ64rおよび遊星歯車機構66のサンギヤ66sの回転数を示し、62r,64c,66c軸は駆動軸36の回転数Noである遊星歯車機構62のリングギヤ62rおよび遊星歯車機構64のキャリア64cおよび遊星歯車機構66のキャリア66cの回転数を示し、62c軸は遊星歯車機構62のキャリア62cの回転数を示し、66r軸は遊星歯車機構66のリングギヤ66rの回転数を示し、62s,64s軸は遊星歯車機構62のサンギヤ62sおよび遊星歯車機構64のサンギヤ64sの回転数を示す。図中左右の共線図を結ぶ点線は、シフトポジションSPがDポジションのときに接続される回転要素(32軸と64r,66s軸)を示す。なお、32軸上の2つの太線矢印はモータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクとモータMG2から出力されるトルクTm2とを示し、62r,64c,66c軸の2つの太線矢印は、R軸に出力されるこれらのトルクが変速機60を介して駆動軸36に出力されるトルクを示す。式(1)および(3)は、図8の共線図から容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2*/ρ (1)
Tm1tmp=ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm2tmp=Td*/Gest+Tm1tmp/ρ (3)
次に、次式(4)および式(5)を共に満たすモータトルクTm1tmpの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する(ステップS230)。ここで、式(4)はモータMG1やモータMG2によりリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTd*を予想ギヤ比Gestで除した値までの範囲内となる関係であり、式(5)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を図9に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内のトルク指令Tm1*の最大値と最小値として求めることができる。
0≦−Tm1tmp/ρ+Tm2tmp≦Td*/G (4)
Win≦Tm1tmp・Nm1+Tm2tmp・Nm2*≦Wout (5)
こうしてトルク制限Tm1min,Tm1maxを設定すると、ステップS210で設定したモータトルクTm1tmpを式(6)によりトルク制限Tm1min,Tm1maxで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS240)。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差を制御用回転数Nm2*で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(7)および式(8)により計算すると共に(ステップS250)、ステップS220で設定したモータトルクTm2tmpを式(9)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS260)。
Tm1*=max(min(Tm1tmp,Tm1max),Tm1min) (6)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2* (7)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2* (8)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (9)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS270)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS160で変速機60変速中であると判定されたときには、変速がアップシフトのときには図10に例示するアップシフト変速時制御用回転数設定処理により制御用回転数Nm2*を設定し(ステップS180)、変速がダウンシフトのときには図11に例示するダウンシフト変速時制御用回転数設定処理により制御用回転数Nm2*を設定し(ステップS190)、設定した制御用回転数Nm2*を駆動軸回転数Ndで除して変速時における変速機60の変速比Gを計算し(ステップS200)、設定した制御用回転数Nm2*と計算した変速比Gを用いてステップS210以降の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。以下、アップシフト変速時制御用回転数設定処理およびダウンシフト変速時制御用回転数設定処理について説明する。
図10のアップシフト変速時制御用回転数設定処理が実行されると、まず、そのときの駆動軸回転数Ndに変速の前後の変速比Gpre,Gaftを乗じて変速機60の入力軸でありモータMG2の回転軸であるリングギヤ軸32aの変速前の変速比Gpreによる回転数である変速前回転数Npreと変速後の変速比Gaftによる回転数である変速後回転数Naftを計算する(ステップS300)。いま、アップシフトを考えているから、変速前回転数Npreは変速後回転数Naftより大きな値となる。続いて、予想モータ回転数Nm2estを前回の制御用回転数(前回Nm2*)と比較し(ステップS310)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)より小さいときには予想モータ回転数Nm2estを仮回転数Nm2tmpとして設定し(ステップS320)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)以上のときには予想モータ回転数Nm2estを前回の制御用回転数(前回Nm2*)に所定値hisを加えたもの(前回Nm2*+his)と比較して(ステップS330)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)に所定値hisを加えたものより小さいときには前回の制御用回転数(前回Nm2*)を仮回転数Nm2tmpとして設定し(ステップS340)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)に所定値hisを加えたものより大きいときには予想モータ回転数Nm2estから所定値hisを減じたものを仮回転数Nm2tmpとして設定する(ステップS350)。ここで、所定値hisは、ヒステリシスの程度を示すものであり、モータMG2の特性などに基づいて定めることができる。そして、次式(10)に示すように、設定した仮回転数Nm2tmpをステップS300で計算した変速前回転数Npreと変速後回転数Naftで制限して制御用回転数Nm2*を設定して(ステップS360)、アップシフト変速時制御用回転数設定処理を終了する。このアップシフト変速時制御用回転数設定処理では、基本的には、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)より小さいときには予想モータ回転数Nm2estが制御用回転数Nm2*に設定され、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)より大きいときには、所定値hisを用いたヒステリシスにより制御用回転数Nm2*を設定することになる。このように予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって制御用回転数Nm2*を設定することにより、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estの振動によってモータMG2から出力されるトルクが振動してしまうのを抑制するのである。図12にアップシフトの際に振動がないものとした予想モータ回転数Nm2estと予想モータ回転数Nm2estの振動に対してヒステリシスにより対応した仮回転数Nm2tmpの時間変化の様子を一例を示す。図中、実線が振動がないものとした予想モータ回転数Nm2estを示し、一点鎖線が仮回転数Nm2tmpを示す。図12では、変速機60のアップシフトが開始される時間T1のタイミングで仮回転数Nm2tmpの設定が開始され、変速機60のアップシフトが終了する時間T2のタイミングで仮回転数Nm2tmpの設定が終了する。上述のヒステリシスの処理では、仮回転数Nm2tmpは予想モータ回転数Nm2estの振動の下側に沿ったものとなる。このため、変速機60のアップシフトが終了する時間T2のタイミングでは、仮回転数Nm2tmpと振動のない予想モータ回転数Nm2estでは回転数差が生じる。図5の駆動制御ルーチンでは、変速機60の変速段の変速が終了すると、モータMG2の回転数Nm2が制御用回転数Nm2*に入力されるから、アップシフトの最中に仮回転数Nm2tmpを制御用回転数Nm2*として設定するものとすれば、アップシフトの終了のタイミングで制御用回転数Nm2*が急変することになる。この制御用回転数Nm2*の急変は、バッテリ50の入出力制限Win,Woutによっては過大な電力によりバッテリ50を充放電してしまう場合が生じる。実施例では、こうした制御用回転数Nm2*の急変が生じないように、仮回転数Nm2tmpを変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定しているのである。こうした制御用回転数Nm2*の急変はアップシフトの終了のタイミングだけでなく、アップシフトの開始のタイミングにも生じ得るが、仮回転数Nm2tmpを変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定することにより、アップシフトの開始のタイミングにも生じ得る制御用回転数Nm2*の急変も抑制することができる。なお、予想モータ回転数Nm2estの減少側についてヒステリシスを持たせないのは、モータMG2の回転数Nm2が減少するアップシフトの際の予想モータ回転数Nm2estと制御用回転数Nm2*との間のズレを抑制するためである。
Nm2*=max(min(Nm2tmp,Npre),Naft) (10)
図11のダウンシフト変速時制御用回転数設定処理では、まず、アップシフト変速時制御用回転数設定処理と同様に、そのときの駆動軸回転数Ndに変速の前後の変速比Gpre,Gaftを乗じて変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとを計算する(ステップS400)。ダウンシフトでは、変速前回転数Npreは変速後回転数Naftより小さな値となる。続いて、予想モータ回転数Nm2estを前回の制御用回転数(前回Nm2*)と比較し(ステップS410)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)以上のときには予想モータ回転数Nm2estを仮回転数Nm2tmpとして設定し(ステップS420)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)より小さいときには予想モータ回転数Nm2estを前回の制御用回転数(前回Nm2*)から所定値hisを減じたもの(前回Nm2*−his)と比較して(ステップS430)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)から所定値hisを減じたもの以上のときには前回の制御用回転数(前回Nm2*)を仮回転数Nm2tmpとして設定し(ステップS440)、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)から所定値hisを減じたものより小さいときには予想モータ回転数Nm2estに所定値hisを加えたものを仮回転数Nm2tmpとして設定する(ステップS450)。そして、次式(11)に示すように、設定した仮回転数Nm2tmpをステップS400で計算した変速前回転数Npreと変速後回転数Naftで制限して制御用回転数Nm2*を設定して(ステップS460)、ダウンシフト変速時制御用回転数設定処理を終了する。このダウンシフト変速時制御用回転数設定処理では、基本的には、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)以上のときには予想モータ回転数Nm2estが制御用回転数Nm2*に設定され、予想モータ回転数Nm2estが前回の制御用回転数(前回Nm2*)より小さいときには、所定値hisを用いたヒステリシスにより制御用回転数Nm2*を設定することになる。また、ダウンシフトの終了のタイミングで制御用回転数Nm2*が急変することがないように、仮回転数Nm2tmpを変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定している。これにより、ダウンシフトの際にも、予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって制御用回転数Nm2*を設定することにより、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estの振動によってモータMG2から出力されるトルクが振動してしまうのを抑制することができると共にダウンシフトの終了のタイミングで制御用回転数Nm2*が急変することによって生じ得る過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑制することができる。こうした制御用回転数Nm2*の急変はダウンシフトの終了のタイミングだけでなく、ダウンシフトの開始のタイミングにも生じ得るが、仮回転数Nm2tmpを変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定することにより、ダウンシフトの開始のタイミングにも生じ得る制御用回転数Nm2*の急変も抑制することができる。なお、予想モータ回転数Nm2estの増加側についてヒステリシスを持たせないのは、モータMG2の回転数Nm2が増加するダウンシフトの際の予想モータ回転数Nm2estと制御用回転数Nm2*との間のズレを抑制するためである。
Nm2*=max(min(Nm2tmp,Naft),Npre) (11)
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、変速機60の変速段を変速しているときには、演算遅れや通信遅れを考慮したモータMG2の回転数である予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって得られる仮回転数Nm2tmpを変速の前後の変速比Gpre,Gaftを用いて計算した変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定し、この制御用回転数Nm2*を用いてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2,変速機60を制御するから、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estの振動によってモータMG2から出力されるトルクが振動してしまうのを抑制することができると共に変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数Nm2*が急変するのを抑制することができる。この結果、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estの振動することによって生じ得る過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑制することができると共に変速の開始のタイミングや終了のタイミングで制御用回転数Nm2*が急変することによって生じ得る過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑制することができる。もとより、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転しながら駆動軸36に要求トルクTd*を出力するよう制御するから、過大な電力によるバッテリ50の充放電を抑制することができると共に効率よく要求トルクTd*に応じたトルクを駆動軸36に出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60の変速段を変速していないときには、モータMG2の回転数Nm2を制御用回転数Nm2*として設定してエンジン22やモータMG1,MG2,変速機60を制御するものとしたが、変速機60の変速段を変速していないときには、予想モータ回転数Nm2estを制御用回転数Nm2*として設定してエンジン22やモータMG1,MG2,変速機60を制御するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、変速機60の変速段を変速しているときには予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって得られる仮回転数Nm2tmpを変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定するものとしたが、予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって得られる仮回転数Nm2tmpを変速後回転数Naftだけによって制限して制御用回転数Nm2*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、上述した式(4),(5)を満たす範囲内でモータトルクTm1tmpを制限するトルク制限Tm1min,Tm1maxを求めてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したが、式(4),(5)を満たす範囲内によるトルク制限Tm1min,Tm1maxの制限を受けることなくモータトルクTm1tmpをそのままモータMG1のトルク指令Tm1*として設定すると共にこのトルク指令Tm1*を用いて式(7),(8)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxを求めてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するものとしても構わない。この他、モータMG2の回転数Nm2や予想モータ回転数Nm2estを用いてバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*Tm2*を設定するものであれば、如何なる手法を用いるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の回転数Nm2の微分値に相当する変化率ΔNm2に定数kmg2を乗じたものにモータMG2の回転数Nm2を加えて予想モータ回転数Nm2estを計算するものとしたが、こうしたモータMG2の回転数Nm2の微分値に相当するものを用いずに予想モータ回転数Nm2estを計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、4段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速段は4段に限られるものではなく、2段以上の変速段をもって変速可能な変速機であればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に変速機60を介して接続された動力軸としてのリングギヤ軸32aにエンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸36に変速機60を介して接続された動力軸32bに接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を動力軸32b,変速機60,駆動軸36を介して駆動輪39a,39bに伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
実施例では、本発明の最良の形態として動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20として説明したが、こうした自動車に搭載されない動力出力装置としてもよい。また、こうした動力出力装置に内燃機関と共に組み込まれる駆動装置の形態としてもよい。さらに、動力出力装置の制御方法の形態としても構わない。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、変速機60が「有段変速手段」に相当し、動力分配統合機構30とモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、図示しない電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算すると共に演算した残容量(SOC)と温度センサ51により検出された電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算するバッテリECU52が「入出力制限設定手段」に相当し、駆動軸36の駆動軸回転数Ndを検出する回転数センサ37が「駆動軸回転数検出手段」に相当し、回転位置検出センサ44とこの回転位置検出センサ44からの信号に基づいてモータMG2の回転数Nm2(即ち入力軸としてのリングギヤ軸32aの回転数)を演算するモータECU40とが「入力軸回転数検出手段」に相当し、変速機60の変速段を変速していないときにはモータMG2の回転数Nm2を制御用回転数Nm2*として設定し、変速機60の変速段を変速しているときには予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって得られる仮回転数Nm2tmpを変速の前後の変速比Gpre,Gaftを用いて計算した変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定する図5の駆動制御ルーチンのステップS160〜S190の処理およびステップS180の処理としての図10のアップシフト変速時制御用回転数設定処理やステップS190の処理としての図11のダウンシフト変速時制御用回転数設定処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「制御用回転数設定手段」に相当し、要求トルクTd*に基づいて効率よくエンジン22を運転するためのエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*を設定すると共に制御用回転数Nm2*を用いてバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に要求トルクTd*を出力するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する図5の駆動制御ルーチンのステップS130〜S150およびステップS210〜S270の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによりエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*とによりモータMG1,MG2を制御するモータECU40と油圧シーケンスにより変速機60の変速段を変速制御するハイブリッド用電子制御ユニット70とが「制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当する。さらに、対ロータ電動機130も「電力動力入出力手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「有段変速手段」としては、4段変速の変速機60に限定されるものではなく、入力軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段のものであれば如何なるものとしても構わない。「電力動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせによるものや対ロータ電動機130に限定されるものではなく、入力軸に接続されると共に入力軸とは独立に回転可能に内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って入力軸と出力軸とに動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、入力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電力動力入出力手段および電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「入出力制限設定手段」としては、バッテリ50の残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の入出力制限Win,Woutを設定するものに限定されるものではなく、残容量(SOC)や電池温度に加えて蓄電手段の他の状態に応じて入出力制限Win,Woutを設定するなど、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「駆動軸回転数検出手段」としては、回転数センサ37に限定されるものではなく、駆動輪39a,39bに取り付けられた図示しない車輪速センサからの信号に基づいて演算することにより駆動軸36の回転数を得るものなど、駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「入力軸回転数検出手段」としては、回転位置検出センサ44からの信号により入力時区であるリングギヤ軸32aの回転数としてのモータMG2の回転数Nm2を演算するものに限定されるものではなく、入力軸に直接取り付けられた回転数センサなど、入力軸の回転数である入力軸回転数を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「予想入力軸回転数演算手段」としては、モータMG2の回転数Nm2の微分値に相当する変化率ΔNm2に定数kmg2を乗じたものにモータMG2の回転数Nm2を加えて予想モータ回転数Nm2estを計算するものに限定されず、検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36の要求トルクTd*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて駆動軸36の要求トルクTd*を設定するなど、駆動軸に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御用回転数設定手段」としては、変速機60の変速段を変速していないときにはモータMG2の回転数Nm2を制御用回転数Nm2*として設定し、変速機60の変速段を変速しているときには予想モータ回転数Nm2estに対してヒステリシスをもって得られる仮回転数Nm2tmpを変速の前後の変速比Gpre,Gaftを用いて計算した変速前回転数Npreと変速後回転数Naftとにより制限して制御用回転数Nm2*を設定するものに限定されるものではなく、有段変速手段の変速段を変速しないときには検出された入力軸回転数や演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、有段変速手段の変速段を変速するときには演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、要求トルクTd*に基づいて効率よくエンジン22を運転するためのエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*を設定すると共に制御用回転数Nm2*を用いてバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に要求トルクTd*を出力するようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22やモータMG1,MG2,変速機60を制御するものに限定されるものではなく、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で有段変速手段の変速段の変速を伴って内燃機関を所定の制約で運転しながら設定された要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。駆動軸に動力を出力する動力出力装置に内燃機関と共に組み込まれる駆動装置としたときの「制御手段」としては、動力出力装置としたときの「制御手段」からエンジンECU24を除いたもの、即ち、設定した制御用回転数で入力軸が回転しているとして設定した入出力制限の範囲内で有段変速手段の変速段の変速を伴って内燃機関を所定の制約で運転しながら設定された要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関の制御と共に電力動力入出力手段と電動機と有段変速手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両、駆動装置の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 変速機60が2速の状態のときの動力分配統合機構30および変速機60の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 トルク制限Tm1min,Tm1maxの一例を示す説明図である。 アップシフト変速時制御用回転数設定処理の一例を示すフローチャートである。 ダウンシフト変速時制御用回転数設定処理の一例を示すフローチャートである。 アップシフトの際に振動がないものとした予想モータ回転数Nm2estと仮回転数Nm2tmpの時間変化の様子を一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、32b 動力軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 駆動軸、37 回転数センサ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、62,64,66 遊星歯車機構、62s,64s,66s サンギヤ、62c,64c,66c キャリア、62r,64r,66r リングギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 アクチュエータ、102 オイルポンプ、104 油圧供給部、MG1,MG2 モータ、C1,C2 クラッチ、B1,B2,B3 ブレーキ。

Claims (9)

  1. 内燃機関と、入力軸を有し、前記入力軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求動力設定手段と、前記入力軸の回転数を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置において、
    前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する予想入力軸回転数演算手段と、
    前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定する制御用回転数設定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記入力軸の回転数として前記設定された制御用回転数を用いて制御する手段である、
    動力出力装置。
  2. 前記制御用回転数設定手段は、前記有段変速手段の変速段をアップシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数がそのときに設定されている制御用回転数より小さくなるときには前記変速後回転数と前記予想入力軸回転数のうち大きい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をアップシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数がそのときに設定されている制御用回転数より大きくなるときには前記変速前回転数と前記予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数とのうち小さい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数がそのときに設定されている制御用回転数より大きくなるときには前記変速後回転数と前記予想入力軸回転数のうち小さい方を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときに前記演算された予想入力軸回転数がそのときに設定されている制御用回転数より小さくなるときには前記変速前回転数と前記予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数とのうち大きい方を制御用回転数として設定する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記制御手段は、前記設定された制御用回転数を用いると共に前記有段変速手段の変速段の変速を考慮して、前記設定された要求駆動力と前記所定の制約とに基づいて前記内燃機関を運転すべき目標運転ポイントを設定し、前記電力動力入出力手段および前記電動機により入出力される電力が前記設定された入出力制限の範囲内となると共に前記入力軸に前記電力動力入出力手段および前記電動機から出力され前記有段変速手段を介して前記駆動軸に出力される駆動力が前記設定された要求駆動力以下の範囲内となる条件下で前記内燃機関が前記設定された目標運転ポイントで運転されて前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段
    変速手段とを制御する手段である請求項1または2記載の動力出力装置。
  4. 前記予想入力軸回転数演算手段は、前記検出された入力軸回転数の微分値に相当する値を用いて前記予想入力軸回転数を演算する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記所定の制約は、前記内燃機関を効率よく動作させる動作ライン上で該内燃機関を運転する制約である請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置。
  6. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記入力軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段である請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  8. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置に内燃機関および蓄電手段と共に組み込まれる駆動装置であって、入力軸を有し、前記入力軸と前記駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求動力設定手段と、前記入力軸の回転数を用いて前記設定された入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関の制御と共に前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する制御手段と、を備える駆動装置において、
    前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算する予想入力軸回転数演算手段と、
    前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定する制御用回転数設定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記入力軸の回転数として前記設定された制御用回転数を用いて制御する手段である、
    駆動装置。
  9. 内燃機関と、入力軸を有し前記入力軸と駆動軸との間で動力を変速して伝達する有段変速手段と、前記入力軸に接続されると共に該入力軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記入力軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記駆動軸の回転数で
    ある駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記入力軸の回転数である入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、を備え、前記入力軸の回転数を用いて前記設定した入出力制限の範囲内で前記有段変速手段の変速段の変速を伴って前記内燃機関を所定の制約で運転しながら前記駆動軸に要求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する動力出力装置の制御方法において、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限を設定すると共に前記検出された入力軸回転数に基づいて制御時における予想される前記入力軸の回転数である予想入力軸回転数を演算し、
    前記有段変速手段の変速段を変速しないときには前記検出された入力軸回転数または前記演算された予想入力軸回転数を制御用回転数として設定し、前記有段変速手段の変速段を変速するときには前記演算された予想入力軸回転数に対してヒステリシスをもって得られる回転数を変速の前後における変速段の変速比に前記検出された駆動軸回転数を乗じて得られる変速前回転数と変速後回転数によって制限して得られる回転数を制御用回転数として設定し、
    前記入力軸の回転数として前記設定した制御用回転数を用いて前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記有段変速手段とを制御する、
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。

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