JP4841878B2 - 電子ビーム装置及び電子ビームの照射方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム装置及び電子ビームの照射方法に係り、例えば、成形アパーチャを用いて電子ビームを所望の形状に可変成形して描画する電子ビーム描画装置及びその描画方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図11は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
電子線描画装置の一例となる可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)における第1のアパーチャ410には、電子線442を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線442を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線442は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料440の露光領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−58424号公報
上述したように、EB描画装置では、成形アパーチャ(第1のアパーチャ410と第2のアパーチャ420)に設けられた開口部を組合せて所望する形状に電子ビームを成形する。また、電子ビームは、図示していないコンデンサレンズ等により絞りを調整することで所定の電流密度に制御された状態で成形アパーチャ(特に、ここでは、まず第1のアパーチャ410)に照射される。かかる場合に、照射された電子ビームのうち、開口411を通過できなかった電子のエネルギーにより成形アパーチャの温度が上昇してしまう。その結果、限界温度を超えると成形アパーチャの材料が蒸発し、成形アパーチャが劣化して寿命が短くなってしまう。或いは、損傷により直ちに使用不可能となってしまうといった問題があった。
さらに、電子ビームの電流密度は、上述したように荷電粒子ソース430から照射された所定の広がりをもつ電子ビームの絞りを調整することで制御するため、電流密度を大きくすれば、電子ビームのビーム径が小さくなり、逆に電流密度を小さくすれば、電子ビームのビーム径が大きくなる。しかしながら、成形アパーチャの開口部(開口411)は変わらないため、開口411を通過できない電子の量(数)も設定する電流密度に応じて変化することになる。そのため、いずれか1つに決めた電流密度に合わせて成形アパーチャに照射される電子ビームのうちの余分な電子を予めカットしても電流密度を変更した場合には問題が生じてしまう。例えば、変更された電流密度において、周辺の余分な電子をカットしきれていない場合には、結局、開口411を通過できない電子が増え、成形アパーチャが劣化してしまう。他方、電子をカットしすぎている場合には、成形アパーチャの開口部(開口411)に必要な強度の電子ビームが照射されない、すなわち、欠け(電子ビームの強度分布の劣化)が生じることになり所望する形状に電子ビームを成形することができなくなってしまう。
本発明は、かかる問題点を克服し、成形アパーチャの劣化を抑制しながら必要な電子ビームの強度分布を維持する電子ビーム装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の電子ビーム装置は、
電子ビームを発生する電子銃と、
電子ビームの電流密度を変化させるレンズと、
大きさの異なる複数の開口部が形成され、前記電子ビームを受けて前記複数の開口部のいずれかを通過させ、残りの電子ビームの通過を制限する制限アパーチャと、
前記制限アパーチャの開口部を通過した電子ビームを所望の形状に成形する成形アパーチャと、
を備え、
前記成形アパーチャの成形開口領域の一部を通過する電子ビームが通過する別のアパーチャを通過した電子ビームをファラデーカップに照射して電子ビームの強度を測定し、電子ビームの電流密度を変更した際、変更された電流密度の電子ビームによって成形アパーチャを通過する電子ビームのビーム強度分布の均一度が所定の値以上となるように、制限アパーチャにおける複数の開口部のうち電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする。
電子銃から発生された電子ビームを開口部に通すことで、周辺の余分な電子を予めカットすることができる。さらに、大きさの異なる複数の開口部が設けられているため、変化する成形アパーチャへ照射されるビーム径に合わせて複数の開口部のいずれかを選択することができる。
また、本発明における前記制限アパーチャは、移動可能に配置され、移動することにより前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする。
かかる構成により、必要な大きさの開口部を電子ビームの通路(光路)上に可変に配置することができる。
そして、前記電子ビームの電流密度に応じて前記制限アパーチャにおける前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする。
設定する電子ビームの電流密度に応じて、成形アパーチャへ照射されるビーム径が変化するため、カットするべき余分な電子ビームの領域も電流密度に応じて変化する。そのため、前記電子ビームの電流密度に応じて前記制限アパーチャにおける前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することにより、カットするべき余分な電子ビームの領域の最適化を図ることができる。
さらに、本発明における前記電子ビーム装置は、前記成形アパーチャを通過した電子ビームの強度分布を測定し、前記電子ビームの強度分布に基づいて前記制限アパーチャにおける前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする。
電子ビームの強度分布を測定することにより、使用中の前記制限アパーチャにおける開口部の大きさが望ましい大きさかどうかを判定することができる。そして、所望する電子ビームの強度分布が得られていない場合には前記制限アパーチャにおける開口部の大きさを変更することで、所望する電子ビームの強度分布を得ることができる。
本発明の一態様の電子ビームの照射方法は、
電子ビームの電流密度を変更する工程と、
電流密度が変更された電子ビームを所望の形状に成形する成形アパーチャに電子ビームを照射し、前記成形アパーチャを通過する電子ビームの強度分布を測定する強度分布測定工程と、
測定された電子ビームの強度分布における均一度が所定の値より低い場合に、電流密度が変更された前記電子ビームの電流密度を維持した状態で前記成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が大きくなるように制限アパーチャの開口径が大きい開口部を選定して前記電子ビームのビーム径を変更するビーム径変更工程と、
を備えたことを特徴する。
電子ビームの強度分布を測定することにより、成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が望ましい大きさかどうかを判定することができる。そして、測定された電子ビームの強度分布における均一度が所定の値より低い場合に、前記電子ビームの電流密度を維持した状態で前記成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が大きくなるように前記電子ビームのビーム径を変更することにより、所定の均一度が得られるように前記成形アパーチャの開口部に電子ビームを照射することができる。
本発明によれば、電流密度が変化しても、余分な電子をカットすることができるので、成形アパーチャの劣化を抑制することができる。さらに、電流密度が変化しても、必要以上に電子をカットしないようにすることができるので電子ビームの強度分布を良好な状態に維持することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の要部構成の一例を示す概念図である。
図1において、電子ビーム装置の一例となる可変成形型EB描画装置100は、描画部150、制御回路110を備えている。描画部150は、電子鏡筒102、XYステージ105、電子銃201、制限アパーチャの一例となるコンデンサレンズ(CL)アパーチャ210、第1のコンデンサレンズ(CL)212、第2のコンデンサレンズ(CL)214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208、ファラデーカップ209を有している。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。可変成形型EB描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
図2は、実施の形態1におけるCLアパーチャの一例を示す図である。
CLアパーチャ(CL−AP)210には、直径の大きさが異なる複数の開口部が形成されている。図2では、アパーチャ(AP)径1、AP径2、AP径3といった大中小の3つの円形の開口部が形成されている。CL−AP210は、駆動機構211により1軸方向に直線移動可能となっている。図2では、駆動機構211の詳細については省略しているが、例えば、CL−AP210の軸部材を、回転ロールを回転させることにより摩擦力で移動するようにすればよい。或いは、CL−AP210の軸部材をラックとして、円形の部材をピニオンとして、ラックアンドピニオンの歯車機構により駆動させればよい。但し、これらに限られるものではなく、直線方向に移動可能な機構であれば構わない。ここでは、電子ビーム201の進行方向に対して直角方向に直線移動する。電子ビーム200の進路(光路)が上から下に向かっているとすると水平方向に移動する。図2では、3つの円形の開口部が形成されているがこれに限るものではなく、必要に応じて2つ或いは4つ以上でも構わない。また、図2では、各開口部の中心位置が移動方向と平行な直線上に位置しているが、ずれていても構わない。ずれていた場合でも図示していないアライメントコイルにより電子ビームを偏向することで補正すればよい。
電子銃201から出た電子ビーム200は、CL212とCL214により所定の電流密度に設定されて正方形の穴(開口部)を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。かかる場合に、CL212と光路上同位置に配置されたCL−AP210のいずれかの大きさの開口部を電子ビーム200に通過させることにより、CL−AP210の開口部の外側に照射された電子の通過を制限することができる。このようにして、その後の第1の成形アパーチャ203の開口部以外に当たる余分な電子をCL−AP210にてカットすることができる。第1の成形アパーチャ203により電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1の成形アパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。かかる第2の成形アパーチャ206上での第1の成形アパーチャ像の位置は、偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2の成形アパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向されて、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。各構成は、描画データ処理回路120により処理された描画データに基づいて、所望するパターンが形成されるように制御回路110により制御される。
図3は、電子光学系について説明するための概念図である。
図3において、電子銃201から発生した電子ビーム200は、CL212とCL214により絞りが調整される。そして、図示していない第1の成形アパーチャ203を通過後、投影レンズ204により図示していない第2の成形アパーチャ206上に投影される。第2の成形アパーチャ206を通過後、対物レンズ207により焦点を合わせ、XYステージ105上の図示していない試料の所望する位置に照射される。各レンズは、電子光学系制御コンピュータ160により制御され、各レンズの励磁コイル或いは静電コイルに電子光学系制御コンピュータ160により指示された電圧がレンズ用電源152により印加されることにより所望する光学性能を発揮することができる。
図4は、電流密度とビーム径との関係を示す図である。
本実施の形態1のように、電子線描画装置にコンデンサレンズ(CL)を2つ設けた電子光学系では、CL1(CL212)とCL2(CL214)の励磁の比を変えることによって、成形アパーチャ上の電流密度を変えることができる。例えば、スループットをかせぐため、高電流密度で運用する場合、図4(c)に示すように、CL2レンズ(CL214)の励磁を弱くし、第1の成形アパーチャ203上でビームを絞ることで達成することができる。他方、空間電荷効果低減に有利な条件である低電流密度で使用する場合、図4(a)に示すように、CL2レンズ(CL214)の励磁を強くし、第1の成形アパーチャ203上でのビームの絞りを緩めることで達成することができる。ここで、電子銃201(カソード)から放出(発生)され、加速された電子が成形アパーチャにある程度以上吸収されると電子がもつエネルギーにより温度上昇が生じる。温度上昇が生じ、許容温度を超えると成形アパーチャの材質であるシリコンが蒸発してしまう。このため成形アパーチャの寿命が短くなってしまう。これを回避するためにコンデンサレンズアパーチャ(CL−AP)210が設けられている。CL−AP210は、できるだけ成形に必要な電子のみを通し、余分な電子をカットすることで、第1の成形アパーチャ203の温度上昇を抑制することができる。
図4では、CL−AP210に形成された複数の開口部のうち、高電流密度で運用する場合に合わせた小さい径の開口部での場合を示している。かかる場合には、図4(c)に示すように、第1の成形アパーチャ203(成形AP)の開口部以外にはそれほど電子が照射されていないが、電流密度を小さくしていくと、電子ビームのビーム径が大きくなり図4(b)に示すように、第1の成形アパーチャ203(成形AP)の開口部以外に照射される電子の数も増えていく。さらに電流密度を小さくしていくと、電子ビームのビーム径がさらに大きくなり図4(a)に示すように、第1の成形アパーチャ203(成形AP)の開口部以外に照射される電子の数がさらに増えていく。このままでは、電流密度を小さくして電子ビーム描画を行なっていくうちに成形アパーチャが劣化してしまうことになるため、CL−AP210を駆動機構211により移動させ、電子ビームの通路に位置する開口部の開口径を小さいタイプの開口部、図2に示すAP径1からAP径2(若しくはAP径3)に変更することにより第1の成形アパーチャ203(成形AP)の開口部以外に照射される余分な電子の数を減少させることができる。余分な電子の数を減少させることで、第1の成形アパーチャ203(成形AP)の温度上昇を抑制することができる。
しかしながら、他方で、むやみに開口径を小さくするとビーム強度分布の劣化が問題となる。
図5は、CL−APの開口径とビーム強度分布との関係を示す図である。
電子銃201(カソード)から発生する電子ビーム200は、ある1点から発生することが理想となるが、図5(a)及び図5(b)に示すように、より中心に近い位置からの発生が多いものの発生位置にある分布を形成することになる。ここで、例えば、図5(a)に示すように、CL−APの開口径が小さすぎた場合、カソード上のP1,P2で表されるような位置から放出された電子は、第1の成形アパーチャ203(成形AP)の開口部全体を照射することができない。言い換えれば、成形アパーチャ上で不均一な分布をつくることになる。従って、かかる第1の成形アパーチャ203(成形AP)を通過した電子ビームの強度分布も一定ではなくなる。すなわち、電子ビームの強度分布が劣化することになる。成形アパーチャ像は投影・縮小などして最終的には試料面上に結ばれるので、電子ビームの強度分布が劣化すると描画パターンの精度劣化を引き起こす。
一方、例えば、図5(b)に示すように、CL−APの径サイズを広げ、CL−APの開口径が大きした場合、P1,P2で表されるような位置から放出された電子は成形アパーチャ上で均一な分布をつくるため、成形アパーチャ上でのビーム強度分布は均一となる。この場合、カソード位置P1,P2より外側から出発した電子は成形アパーチャ上で不均一な分布をつくることになると思われるが、そもそもカソード上のビーム分布がほぼゼロとなるため電子自体が放出されていない。従って成形アパーチャ上のビーム強度分布の劣化には作用しない。そこで、CL−AP210を駆動機構211により移動させ、電子ビームの通路に位置する開口部の開口径を大きいタイプの開口部、図2に示すAP径3からAP径2(若しくはAP径1)に変更することによりビーム強度分布の均一度を向上させることができる。
以上のように、CL−APの開口径が大きすぎると成形アパーチャ劣化を引き起こし、CL−APの開口径が小さすぎるとビーム強度分布の劣化を引き起こす。従って、本実施の形態1のように大きさの異なる複数の開口径の開口部が形成されたCL−AP210を駆動機構211により移動させ、電子ビームの通路に位置する開口部の開口径を変更可能に構成し各電流密度に応じてCL−APの開口径を変えることにより成形アパーチャ上の温度上昇の抑制とビーム強度分布の劣化抑制との両方を満足させることができる。
ここで、CL−AP210の材質は、高融点金属を用いることが望ましい。高融点金属を用いることで、電子ビームによる材料劣化を抑制することができる。また、描画パターンの精度に直接影響する成形アパーチャに比べ、CL−AP210の開口部は、精度を低く抑えることができる。配置位置のズレは、図示していないアライメントコイル等により補正すればよい。精度を低く抑えることができるのでより簡易に製作することができる。
また、本実施の形態1では、CL−AP210がCL212と同位置に配置されているが、これに限るものではない。成形アパーチャへの余分な電子を制限できる位置であれば構わない。ただし、CL212側に近い方がより好ましい。なるべく上流側で電子をカットすることでクーロン効果をより抑制することができる。CL212よりさらに上流側に配置するとCL−AP210を通過した後に電子ビームのビーム径がまた広がってしまうため、CL212に近い方がより好ましい。
図6は、各電流密度と各CL−APの開口径における成形アパーチャ上の温度とビーム強度分布との関係を示す図の一例である。
必要となる最適CL−APの開口径のサイズは次ぎのように決めることができる。各電流密度と各CL−APの開口径とを組み合わせた状態で、成形アパーチャ上の温度と成形アパーチャ上でのビーム強度分布を測定する。測定によって得られたデータに対し、縦軸に成形アパーチャ上の温度、横軸に成形アパーチャ上のビーム強度分布の均一度をプロットすることで、図6に示すようなグラフを得ることができる。成形アパーチャの寿命から成形アパーチャはある温度Tx以下にしなくてはならない。また、パターン精度から成形アパーチャ上のビーム強度分布はある均一度Cx以上にしなくてはならない。以上の使用条件から使用可能なCL−APの開口径のサイズを示す領域を得ることができる。
ある電流密度で使用したい場合は、この領域の中で、よりビーム分布がよく、より成形アパーチャ温度が小さい点を選べばよい。例えば、高電流密度で使用する場合はこの領域の中で点Xの条件となるCL−APの開口径を採用することができる。また、低電流密度では領域内の条件Zを選択することができる。中間の電流密度は高電流密度と低電流密度の中間の条件Yを選択することができる。
以上のように、各電流密度に応じてCL−AP210の径サイズの可変機構を設けることによって、成形アパーチャの発熱温度を上げることなく、また、成形アパーチャ上のビーム分布の良い状態で装置を運用することが可能となる。これは高精度かつ安定性の高い電子線描画装置としての運用につなげることができる。
以上のように、予め、各電流密度と各CL−APの開口径における成形アパーチャ上の温度とビーム強度分布との関係を測定しておくことで、前記電子ビーム200の電流密度に応じてCL−AP210における複数の開口部のうち前記電子ビーム200が通過するための開口部を選択することができる。その結果、選定された開口部に変更することができる。
ここで、CL−AP210の開口部の変更は、電子ビーム200の電流密度に基づいて行なってもよいが、電子ビームの強度分布を測定することにより行なっても好適である。
図7は、電子ビームの照射方法の一例を示すフローチャート図である。
図7において、電子ビームの照射方法として、ビーム強度分布測定工程(S702)、CL−AP選定工程(S704)、CL−AP設定工程(S706)、描画工程(S708)といった一連の工程を実施する。
図8は、ビーム強度分布を測定する手法を説明するための概念図である。
S(ステップ)702において、ビーム強度分布測定工程として、CL−AP210のある開口径の開口部を通過した電子ビーム200が第1の成形アパーチャ203に照射され、第1の成形アパーチャ203の成形開口230を通過した電子ビーム200が投影レンズにより第2の成形アパーチャ206に投影される。ここで、第2の成形アパーチャ206には、成形開口260の他に、成形開口230を通過する電子ビーム200のビーム強度分布を測定するための小さな穴(開口部)であるスモールアパーチャ(AP)262が形成されている。そして、第2の成形アパーチャ206に投影された電子ビーム200のうち、成形開口230領域を複数分割したある領域を通過した電子ビームのみがスモールAP262を通過するように偏向器により電子ビーム200を偏向させる。そして、スモールAP262を通過した電子ビーム200をファラデーカップ209に照射して、電子ビーム強度を測定する。スモールAP262を通過する電子ビームの位置を偏向器により偏向させることで、かかる測定を成形開口230の全領域について測定することができる。そして、測定された結果からのビーム強度分布を得ることができる。
図9は、ビーム強度分布の一例を示す図である。
図9では、縦軸をビーム強度、横軸を成形アパーチャの成形開口230の位置として、ビーム強度分布の一例を示している。ここでは、例えば、ビーム強度分布が均一ではなく、両端が欠けた分布となっている例を示している。例えば、均一化されている部分のビーム強度を100%とした場合に、欠けた部分のビーム強度の最小値が50%である場合、かかるビーム強度分布の均一度は50%と定義する。
S704において、ビーム径変更工程の一部となるCL−AP選定工程として、測定された電子ビームの強度分布における均一度が所定の値より低い場合に、前記電子ビームの電流密度を維持した状態で前記成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が大きくなるようにCL−AP210の開口径が大きい開口部を選定する。
S706において、ビーム径変更工程の一部となるCL−AP設定工程として、CL−AP210を駆動機構211により移動させることで、選定されたCL−AP210の開口部が電子ビームの通路に位置するように設定する。CL−AP210の開口部を変更することにより成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が大きくなるように前記電子ビームのビーム径を変更することができる。
S708において、描画工程として、描画部150は、試料101に所定のパターンを描画する。
以上のように、前記電子ビーム装置は、前記成形アパーチャを通過した電子ビームの強度分布を測定し、前記電子ビームの強度分布に基づいて前記制限アパーチャにおける前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更するようにしても好適である。
実施の形態2.
実施の形態1では、図2に示したようにCL−AP210を直線方向に移動させることで開口径の大きさを変更する機構を説明したが、これに限るものではない。実施の形態2では、別の構成のCL−APについて説明する。
図10は、実施の形態2におけるCLアパーチャの一例を示す図である。
図10において、CL−AP310には、直径の大きさが異なる複数の開口部が形成されている。図10では、図2と同様、AP径1、AP径2、AP径3といった大中小の3つの円形の開口部が形成されている。CL−AP310は、駆動機構311により回転方向に移動可能となっている。ここでは、歯車機構により回転させる例を記載している。但しこれに限るものではなく、例えば、CL−AP310をステッピングモータ等により回転させるように構成しても構わない。回転方向に移動可能な機構であれば構わない。CL−AP310の中心部をできるだけ簡素化することができる点で歯車機構により回転させる例の方がより好適である。図10では、3つの円形の開口部が形成されているが、図2と同様、これに限るものではなく、必要に応じて2つ或いは4つ以上でも構わない。また、図10では、各開口部の中心位置が回転中心から等距離に位置しているが、ずれていても構わない。ずれていた場合でも図示していないアライメントコイルにより電子ビームを偏向することで補正すればよい。その他の構成は、実施の形態1と同様で構わないため説明を省略する。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、可変成形型EB描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての電子ビーム装置及び電子ビームの照射方法は、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1における描画装置の要部構成の一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるCLアパーチャの一例を示す図である。 電子光学系について説明するための概念図である。 電流密度とビーム径との関係を示す図である。 CL−APの開口径とビーム強度分布との関係を示す図である。 各電流密度と各CL−APの開口径における成形アパーチャ上の温度とビーム強度分布との関係を示す図の一例である。 電子ビームの照射方法の一例を示すフローチャート図である。 ビーム強度分布を測定する手法を説明するための概念図である。 ビーム強度分布の一例を示す図である。 実施の形態2におけるCLアパーチャの一例を示す図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
符号の説明
100 可変成形型EB描画装置
101,440 試料
102 電子鏡筒
105 XYステージ
110 制御回路
120 描画データ処理回路
150 描画部
152 レンズ用電源
160 電子光学系制御コンピュータ
200 電子ビーム
201 電子銃
212,214 CL
203 第1の成形アパーチャ
206 第2の成形アパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
207 対物レンズ
209 ファラデーカップ
210,310 CL−AP
211,311 駆動機構
230,260 成形開口
262 スモールAP
410 第1のアパーチャ
411 開口
420 第2のアパーチャ
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
442 電子線

Claims (3)

  1. 電子ビームを発生する電子銃と、
    前記電子ビームの電流密度を変化させるレンズと、
    大きさの異なる複数の開口部が形成され、前記電子ビームを受けて前記複数の開口部のいずれかを通過させ、残りの電子ビームの通過を制限する制限アパーチャと、
    前記制限アパーチャの開口部を通過した電子ビームを所望の形状に成形する成形アパーチャと、
    を備え、
    前記成形アパーチャの成形開口領域の一部を通過する電子ビームが通過する別のアパーチャを通過した電子ビームをファラデーカップに照射して電子ビームの強度を測定し、前記電子ビームの電流密度を変更した際、変更された電流密度の電子ビームによって前記成形アパーチャを通過する電子ビームのビーム強度分布の均一度が所定の値以上となるように、前記制限アパーチャにおける前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする電子ビーム装置。
  2. 前記制限アパーチャは、移動可能に配置され、移動することにより前記複数の開口部のうち前記電子ビームが通過するための開口部を変更することを特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
  3. 電子ビームの電流密度を変更する工程と、
    電流密度が変更された電子ビームを所望の形状に成形する成形アパーチャに電子ビームを照射し、前記成形アパーチャを通過する電子ビームの強度分布を測定する強度分布測定工程と、
    測定された電子ビームの強度分布における均一度が所定の値より低い場合に、電流密度が変更された前記電子ビームの電流密度を維持した状態で前記成形アパーチャに照射される前記電子ビームのビーム径が大きくなるように制限アパーチャの開口径が大きい開口部を選定して前記電子ビームのビーム径を変更するビーム径変更工程と、
    を備えたことを特徴する電子ビームの照射方法。
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