JP4841024B2 - インキ量検知センサ及びインキ漏れ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置のインキ溜り部内に溜っているインキ量を検知するインキ量検知センサ及びそのインキ量検知センサを用いてインキ溜り部からのインキの漏れ出しを防止するインキ漏れ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例の印刷装置の一例として、孔版印刷装置の構造を図6ないし図8に基づいて説明する。図6は孔版印刷装置の内部構造を示す縦断正面図、図7はインキ量検知センサの構造及びそのインキ量検知センサのインキ溜り部内への配置状態を示す正面図、図8はその側面図である。この孔版印刷装置は、画像読取部1、製版部2、印刷部3、排版部4、給紙部5、排紙部6等から構成されている。
【0003】
画像読取部1は、コンタクトガラス上に位置する原稿の画像を光学的に読み取るところである。
【0004】
製版部2は、ロール状に巻かれたマスタ原紙7を保持する保持部8、マスタ原紙7を引き出すプラテンローラ9、マスタ原紙7を加熱溶融穿孔することにより画像読取部1で読み取った原稿の画像に応じた穿孔画像を形成するサーマルヘッド10、穿孔画像が形成されたマスタ原紙7を所定長さにカットするカッタ11等から構成されている。穿孔画像が形成されたマスタ原紙7がカッタ11で所定長さにカットされることによりマスタ(図示せず)が作成される。
【0005】
印刷部3は、軸線回りに回転駆動されてその外周面にマスタが巻き付けられる多孔性で円筒状の版胴12、版胴12の外周面に接離する位置へ移動自在なプレスローラ13、版胴12の内部に設けられたインキ供給機構14、版胴12内に形成されてインキ供給機構14により供給されたインキが溜められるインキ溜り部15等から構成されている。この印刷部3では、マスタが巻き付けられた版胴12とプレスローラ13とで給紙部5から給紙された印刷用紙16を挟持し、このとき、インキ供給機構14により供給されたインキがマスタの穿孔部分から滲み出して印刷用紙16に転移することにより印刷が行われる。
【0006】
排版部4は、所定枚数の印刷が終了して不要になった使用済みのマスタを版胴12の外周面から剥がし、剥がしたマスタを収納するところであり、使用済みのマスタを版胴12の外周面から剥がす剥がし機構17と、版胴12から剥がされたマスタを収納する収納箱18とにより構成されている。
【0007】
給紙部5は、印刷部3へ給紙される印刷用紙16がセットされるところであり、排紙部6は、印刷が終了した印刷用紙16が排紙されるところである。
【0008】
インキ供給機構14は、インキ容器19、インキ容器19内のインキを吸引するインキポンプ20、インキポンプ20を駆動させるポンプ駆動モータ21、インキポンプ20で吸引したインキをインキ溜り部15へ導くインキ供給分岐管22等により構成されている。
【0009】
インキ溜り部15は、版胴12内にこの版胴12の軸線と平行な軸線をもって配置されたインキローラ23とドクターローラ24とにより挟まれて形成された楔状空間である。印刷時等に版胴12の回転とともにインキローラ23とドクターローラ24とが図7に示す矢印方向へ回転したとき、その回転に伴ってインキ溜り部15内のインキにはそのインキを回転流動させる力が作用し、インキ溜り部15内のインキは回転流動中心“A”の回りに矢印方向へ回転流動する。
【0010】
さらに、インキ溜り部15内のインキは、この回転流動を行いながら必要に応じてインキ溜り部15の長手方向へ横移動し、この横移動によりインキ溜り部15の長手方向の全域においてインキ量がほぼ均等にならされる。
【0011】
このような孔版印刷装置では、インキ溜り部15内のインキ量が下限値になったときにインキポンプ20を駆動させてインキ溜り部15内へのインキの補給を自動的に行うとともにインキ溜り部15内のインキ量が上限値になったときにインキポンプ20の駆動を停止させ、インキ溜り部15内のインキ量を所定範囲内に維持する自動インキ補給方式が採用されている。この自動インキ補給を行うため、インキ溜り部15には、インキ溜り部15内に溜っているインキの静電容量を検知することによりインキ溜り部15内に溜っているインキ量を検知する静電容量検知方式のインキ量検知センサ25が配置されている。このインキ量検知センサ25には、インキ溜り部15内のインキに差し込まれる一対の針部25a,25bが形成され、制御部(図示せず)に接続するためのリード線26が設けられている。制御部にはポンプ駆動モータ21が接続され、この制御部は、インキ量検知センサ25からインキ溜り部15内に溜っているインキの静電容量の検知値(静電容量検知出力値)が入力されると、その静電容量検知出力値に応じてポンプ駆動モータ21へ制御信号を出力し、ポンプ駆動モータ21を介してインキポンプ20をオン・オフする。このようにしてインキポンプ20がオン・オフされることにより、インキ溜り部15内へのインキの補給が自動的に行われる。
【0012】
インキ量検知センサ25から出力される静電容量検知出力値に関して、孔版印刷装置が設置されている環境の変化、インキ自体の変化、インキの種類のばらつき等の印刷条件により、その値が大きく低下することがある。例えば、周囲の環境が極端に低湿になった場合や、インキ溜り部15内のインキが消費されずに長時間回転流動された場合や、インキ溜り部15内のインキが長時間放置された場合等の非通常印刷条件時には、インキ中の水分の蒸発によりインキの誘電率が低下し、インキ溜り部15内に十分な量のインキが存在するにも拘らずインキ量検知センサ25からの静電容量検知出力値が低下する。このような場合には、インキ溜り部15内に十分な量のインキが存在するにも拘らずインキ溜り部15内へのインキの補給が続行され、インキ溜り部15内のインキが異常増加し、補給されたインキがインキ溜り部15外へ漏れ出すということが発生する。インキ溜り部15外へ漏れ出したインキは、孔版印刷装置自体を汚したり、印刷部3へ給紙された印刷用紙16を汚したり、孔版印刷装置が設置されている場所の周囲を汚したりする。
【0013】
このようなインキ溜り部からのインキの漏れ出しを防止する発明としては、特開昭60−147382号公報に記載された発明が知られている。この特開昭60−147382号公報に記載された発明によれば、インキ溜り部内のインキ量が異常増加したことを検知する光学式のセンサが、インキの自動補給を行うために用いられている静電容量検知方式のインキ量検知センサとは別個に設けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭60−147382号公報に記載された発明によれば、インキの自動補給を行うための静電容量検知方式のインキ量検知センサとは別個に光学式のセンサが必要であり、各センサに対応した検知回路が別個に必要である。このため、2種類のセンサ、2種類の検知回路が必要であり、コスト高になる。
【0015】
また、2種類のセンサを有するため、センサを設置するための大きな設置スペースが必要となり、さらに、センサを設置するための部品点数、センサを設置するための組立工程数が増える。
【0016】
また、光学式のセンサは、インキ量の異常増加時などにインキが付着すると、その都度清掃しなければならず、煩雑である。さらに、インキ量の異常増加によるインキの付着が発生しなくても飛散したインキが付着することがあり、飛散したインキが光学式センサに付着すると、インキ溜り部内のインキ量が適正量であるにも拘らずインキ量が異常増加していると誤検知することがある。
【0017】
本発明は、インキ溜り部内のインキ量を所定範囲内に維持すべくインキの自動補給を行うためのインキ溜り部内のインキ量の検知と、インキ溜り部内のインキ量が異常増加したことの検知との、目的の異なる2種類のインキ量検知を行えるインキ量検知センサを提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、インキ溜り部内のインキが所定量以上に異常増加してインキ溜り部からインキ漏れすることを防止するインキ漏れ防止装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、軸線を中心に回転駆動される版胴内に形成されたインキ溜り部内に溜っているインキに差し込まれる針部を備え、前記インキ溜り部内のインキ量に応じて増減するインキに対する前記針部の接触面積に比例して増減する静電容量検知出力値をもって前記インキ溜り部内のインキ量を検知する静電容量検知方式のインキ量検知センサにおいて、前記インキ溜り部内のインキが異常増加したときにそのインキに板状に形成された部分が接触することで、インキに対する前記針部の接触面積に比例する増加量を超えて前記静電容量検知出力値を増加させる異常増加検知部を設けた。
【0020】
したがって、インキ溜り部内のインキが所定範囲内で増減している場合には、そのインキの増減に伴ってインキ溜り部内のインキに差し込まれている針部(インキ量検知センサの一部)とインキとの接触面積が変動し、その変動に応じてインキ量検知センサによりそのインキの静電容量が検知され、その静電容量検知出力値に基づいてインキ量が検知される。また、インキ溜り部内のインキが異常増加した場合には、異常増加したインキが異常増加検知部に接触してインキとインキ量検知センサとの接触面積が大きくなるので、インキ量検知センサからの静電容量検知出力値も大きくなり、インキの異常増加が検知される。このため、1つのインキ量検知センサにより、インキ溜り部内のインキ量を所定範囲内に維持すべくインキの自動補給を行うためのインキ溜り部内のインキ量の検知と、インキ溜り部内のインキ量が異常増加したことの検知との、目的の異なる2種類のインキ量検知を行える。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインキ量検知センサにおいて、前記異常増加検知部は、前記インキ溜り部内のインキに対向する部分に、水平面に対して傾斜した傾斜面部を有する。
【0026】
したがって、異常増加したインキが異常増加検知部に接触した後、そのインキが消費されて次第に減少することによりインキと異常増加検知部との接触が解消されたとき、インキは傾斜面部に沿って滑り落ちる状態となるために異常増加検知部からのインキの切れが良くなり、インキの異常増加状態が解消されたにも拘らずインキが異常増加していると誤検知されることが防止される。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインキ量検知センサにおいて、前記針部と前記異常増加検知部とは、前記インキ溜り部内で回転流動するインキの回転流動中心の軸心方向にそって所定寸法離間して配置されている。
【0028】
したがって、インキ溜り部内で異常増加したインキが異常増加検知部と針部とに接触したとき、これらの異常増加検知部と針部とがそれぞれインキ溜り部内で回転流動するインキの抵抗になっても、その2つの抵抗の相乗作用によりインキ溜り部内のインキの回転流動を大きく妨げるということが防止される。このため、インキ溜り部内でインキが異常増加した場合でもそのインキの回転流動が円滑に行われ、さらに、その回転流動に伴うインキの横移動が円滑に行われる。
【0029】
請求項4記載の発明のインキ漏れ防止装置は、軸線を中心に回転駆動される版胴内に形成されたインキ溜り部内に配置された請求項1ないし3のいずれか一記載のインキ量検知センサと、前記インキ溜り部へインキを補給するインキポンプと、前記インキ量検知センサからの検知結果に応じて前記インキポンプをオン・オフ制御する制御部と、を有する。
【0030】
したがって、インキ溜り部内のインキ量が異常増加した場合には、異常増加したインキがインキ量検知センサの異常増加検知部に接触することにより異常増加の検知が行われ、その検知結果に応じて制御部によりインキポンプがオフにされ、インキ溜り部内へそれ以上のインキ補給が停止され、インキ溜り部内からのインキの漏れ出しが防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。なお、図6ないし図8において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。本実施の形態の孔版印刷装置の基本的構造は図6において説明したものと同じであり、異なる点はインキ量検知センサ27の構造である。
【0032】
図1は、インキ量検知センサ27の構造及びそのインキ量検知センサ27のインキ溜り部15内への配置状態を示す正面図である。インキ量検知センサ27は、インキ溜り部15内のインキの静電容量を検知するセンサで、薄いステンレス等の板金で形成され、針部27aと異常増加検知部27bとが一体に形成され、非導電性の合成樹脂で形成されたブラケット28にネジ止めされている。インキ量検知センサ27の上端部にはリード線26の一端が接続され、このリード線26の他端は図示しない制御部に接続されている。制御部にはポンプ駆動モータ21が接続され、この制御部は、インキ量検知センサ27が検知したインキ溜り部15内のインキの静電容量の検知値(静電容量検知出力値)が入力されると、その静電容量検知出力値に応じてポンプ駆動モータ21へ制御信号を出力し、ポンプ駆動モータ21を介してインキポンプ20をオン・オフする。このようにしてインキポンプ20がオン・オフされることにより、インキ溜り部15内へのインキの自動補給、及び、インキ溜り部15内のインキの異常増加防止が行われる。
【0033】
針部27aは、インキ量検知センサ27をブラケット28にネジ止めした状態において、インキ溜り部15内のインキに差し込まれるように形成されており、インキ溜り部15内のインキ量が所定範囲内で増減しているときにそのインキの静電容量を検知するように機能する。
【0034】
異常増加検知部27bは、インキ量検知センサ27をブラケット28にネジ止めした状態において、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにそのインキに接触するように形成され、異常増加したインキの静電容量を検知するように機能する。この異常増加検知部27bは、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにそのインキとの接触面積が急激に大きくなる形状に形成されている。また、この異常増加検知部27bにおけるインキ溜り部15内のインキに対向する部分には、インキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動方向に沿って順方向に傾斜した傾斜面部27cが形成されている。
【0035】
図2は、インキ溜り部15内のインキ量とインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値との関係を示すグラフである。静電容量検知出力値の“A”は、制御部の制御によりポンプ駆動モータ21がオフになり、インキポンプ20によるインキの補給が停止される閾値である。
【0036】
図2のグラフの実線は、通常の印刷条件下、例えば、常温常湿の環境であって、かつ、インキ溜り部15内のインキが消費されずに長時間回転流動されることがなく、かつ、インキ溜り部15内のインキが長時間放置されていないような印刷条件下でのインキ溜り部15内のインキ量とそのインキ量に応じたインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値との関係を示している。“a”はインキ溜り部15内のインキと針部27aとの接触が始まったときのインキ量、“b”はインキ溜り部15内のインキが次第に増加してインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値が閾値“A”に達したときのインキ量、“c”はインキ溜り部15内のインキが異常増加して異常増加検知部27bとの接触が始まったときのインキ量である。インキが針部27aに接触し、インキ量の増加に伴ってインキと針部27a(インキ量検知センサ27の一部)との接触面積が大きくなるにつれて静電容量検知出力値も大きくなる。インキが異常増加検知部27bに接触すると、インキとインキ量検知センサ27との接触面積が急激に大きくなるので、静電容量検知出力値も急激に大きくなる。
【0037】
この通常印刷条件下では、インキ溜り部15へインキの自動補給が行われ、インキ溜り部15内のインキ量が“b”となってインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値が閾値“A”に達したとき、ポンプ駆動モータ21がオフにされ(即ち、インキポンプ20がオフにされ)、インキ溜り部15内へのインキの補給が停止される。インキ溜り部15内のインキが消費されてインキが所定量まで減少したことがインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値の出力に基づいて検知されると、ポンプ駆動モータ21がオンにされ(即ち、インキポンプ20がオンにされ)、インキ溜り部15内へのインキの補給が開始される。
【0038】
図2のグラフの破線は、非通常の印刷条件下、例えば、周囲の環境が極端に低湿になった場合や、インキ溜り部15内のインキが消費されずに長時間回転流動された場合や、インキ溜り部15内のインキが長時間放置された場合等において、インキ中の水分の蒸発によりインキの誘電率が低下し、インキ量検知センサ27による静電容量検知出力値が低下した印刷条件下でのインキ溜り部15内のインキ量とそのインキ量に応じたインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値との関係を示している。“d”は、インキ溜り部15内のインキが異常増加して異常増加検知部27bに接触して静電容量検知出力値が急激に上昇し、その静電容量検知出力値が閾値“A”に達したときのインキ量である。
【0039】
この非通常印刷条件下では、インキ溜り部15へのインキの自動補給が行われたとき、インキ溜り部15内のインキ量が“b”となってもインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値が閾値“A”に達しないのでインキの補給が続行される。そして、インキ量が“d”となってインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値が閾値“A”に達したとき、ポンプ駆動モータ21がオフにされ(即ち、インキポンプ20がオフにされ)、インキの補給が停止される。
【0040】
このような構成において、インキ溜り部15内のインキ量とインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値とが図2の実線で示したような関係となる通常印刷条件下での印刷時には、針部27aとインキとの接触面積の変化に応じてインキ量検知センサ27から出力される静電容量検知出力値が変化し、その変化に応じてインキポンプ20がオン・オフ制御され、インキ溜り部15内へのインキの自動補給が行われる。
【0041】
一方、インキ溜り部15内のインキ量とインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値とが図2の破線で示すような関係となる非通常印刷条件下での印刷時には、インキ溜り部15内に補給されたインキが異常増加検知部27bに接触してインキとインキ量検知センサ27との接触面積が急激に大きくなることにより静電容量検知出力値が急激に上昇し、インキ溜り部15内のインキが異常増加したことが検知される。そして、この検知結果に応じてインキポンプ20がオフになることによりインキの補給が停止され、インキ溜り部15へのそれ以上のインキの補給及びインキ溜り部15からのインキの漏れ出しが防止される。
【0042】
ここで、異常増加検知部27bは、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにそのインキとの接触面積が急激に大きくなる形状に形成されているので、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにはインキと異常増加検知部27bとの接触面積が急激に大きくなることに伴ってインキ量検知センサ27からの静電容量検知出力値が急激に大きくなり、インキの異常増加の検知を確実に行える。
【0043】
また、異常増加検知部27bにおけるインキ溜り部15内のインキに対向する部分には、版胴の回転時(即ち、インキローラ23とドクターローラ24との回転時)にインキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動方向に沿って順方向に傾斜した傾斜面部27cが形成されているので、異常増加したインキが異常増加検知部27に接触した後、そのインキが消費されて次第に減少することによりインキと異常増加検知部27との接触が解消されたとき、インキは傾斜面部27cに沿って滑り落ちる状態となり、異常増加検知部27からのインキの切れが良くなる。このため、インキの異常増加状態が解消されたにも拘らずインキが異常増加していると誤検知されることが防止される。
【0044】
つぎに、第2の実施の形態を図3及び図4に基づいて説明する。なお、図1及び図2において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。図3はインキ量検知センサ29の構造及びそのインキ量検知センサ29のインキ溜り部15内の配置状態を示す正面図、図4はその側面図である。
【0045】
インキ量検知センサ29は、インキ溜り部15内のインキの静電容量を検知するセンサで、薄いステンレス等の板金で形成され、針部29aと異常増加検知部29bとを有し、非導電性の合成樹脂で形成されたブラケット28にネジ止めされている。
【0046】
針部29aは、インキ量検知センサ29をブラケット28にネジ止めした状態において、インキ溜り部15内のインキに差し込まれるように形成されており、インキ溜り部15内のインキ量が所定範囲内で増減しているときにそのインキの静電容量を検知するように機能する。
【0047】
異常増加検知部29bは、インキ量検知センサ29をブラケット28にネジ止めした状態において、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにそのインキに接触するように形成され、異常増加したインキの静電容量を検知するように機能する。この異常増加検知部29bは、インキ溜り部15内のインキが異常増加したときにそのインキとの接触面積が急激に大きくなる形状に形成されている。また、この異常増加検知部29bにおけるインキ溜り部15内のインキに対向する部分には、インキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動方向に沿って順方向に傾斜した傾斜面部29cが形成されている。
【0048】
針部29aと異常増加検知部29bとは、インキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動中心の軸心方向にそって所定寸法“L”離間して配置されている。この所定寸法“L”は、具体的には20mm以上であり、インキ溜り部15内で異常増加したインキが針部29aと異常増加検知部29bとに同時に接触したときに、これらの針部29aと異常増加検知部29bとがそれぞれインキ溜り部15内で回転流動するインキの抵抗になっても、その2つの抵抗の相乗作用によりインキ溜り部15内のインキの回転流動を大きく妨げることを防止できる寸法である。
【0049】
このような構成において、インキ溜り部15内で異常増加したインキが針部29aと異常増加検知部29bとに接触したとき、これらの針部29aと異常増加検知部29bとがそれぞれインキ溜り部15内で回転流動するインキの抵抗になったとしても、それらの抵抗の相乗作用によりインキ溜り部15内のインキの回転流動を大きく妨げるということが防止される。このため、異常増加したインキの回転流動が円滑に行われ、さらに、その回転流動に伴うインキの横移動が円滑に行われる。
【0050】
つぎに、第3の実施の形態を図5に基づいて説明する。本実施の形態のインキ量検知センサ30は第2の実施の形態で説明したインキ量検知センサ29と基本的な構造は同じであり、薄いステンレス等の板金で形成され、一対の針部30aと異常増加検知部30bとを有する。各針部30aと異常増加検知部30bとはそれぞれ、インキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動中心の軸心方向にそって所定寸法“L”離間して配置されている。異常増加検知部30bにおけるインキ溜り部15内のインキに対向する部分には、インキ溜り部15内で回転流動するインキの回転流動方向に沿って順方向に傾斜した傾斜面部30cが形成されている。
【0051】
このような構成において、本実施の形態では、針部30aが一対設けられているので、インキの自動補給時におけるインキの静電容量の検知精度が高くなる。
【0052】
また、インキ溜り部15内で異常増加したインキが針部30aと異常増加検知部30bとに接触したとき、これらの針部30aと異常増加検知部30bとがインキ溜り部15内で回転流動するインキの抵抗になったとしても、これらの抵抗の相乗作用によりインキ溜り部15内のインキの回転流動を大きく妨げるということが防止される。このため、異常増加したインキの回転流動が円滑に行われ、さらに、その回転流動に伴うインキの横移動が円滑に行われる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のインキ量検知センサによれば、インキ溜り部内のインキ量を所定範囲内に維持すべくインキの自動補給を行うためのインキ溜り部内のインキ量の検知を針部を用いて行うことができ、インキ溜り部内のインキ量が異常増加したことの検知を異常増加検知部を用いて行うことができ、目的の異なる2種類のインキ量検知を1つのインキ量検知センサで行うことができる。
【0056】
請求項2記載の発明によれば、異常増加したインキが異常増加検知部に接触した後、そのインキが消費されて次第に減少することによりインキと異常増加検知部との接触が解消されたとき、インキは傾斜面部に沿って滑り落ちる状態となるために異常増加検知部からのインキの切れが良くなり、インキの異常増加状態が解消されたにも拘らずインキが異常増加していると誤検知されることを防止できる。
【0057】
請求項3記載の発明によれば、インキ溜り部内で異常増加したインキが異常増加検知部と針部とに接触したとき、これらの異常増加検知部と針部とがそれぞれインキ溜り部内で回転流動するインキの抵抗になっても、その2つの抵抗の相乗作用によりインキ溜り部内のインキの回転流動を大きく妨げるということを防止でき、インキ溜り部内でインキが異常増加した場合でもそのインキの回転流動を円滑に行わせ、さらに、その回転流動に伴うインキの横移動を円滑に行わせることができる。
【0058】
請求項4記載の発明のインキ漏れ防止装置によれば、インキ溜り部内でインキが異常増加したことがインキ量検知センサで検知されると、その検知結果に応じて制御部によりインキポンプがオフにされてインキ溜り部内へのインキ補給が停止されるので、インキ溜り部内へのそれ以上のインキの補給が停止され、インキ溜り部内からのインキの漏れ出しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態におけるインキ量検知センサの構造及びそのインキ量検知センサのインキ溜り部内への配置状態を示す正面図である。
【図2】 インキ溜り部内のインキ量とインキ量検知センサからの静電容量検知出力値との関係を示すグラフである。
【図3】 第2の実施の形態におけるインキ量検知センサの構造及びそのインキ量検知センサのインキ溜り部内への配置状態を示す正面図である。
【図4】 その側面図である。
【図5】 第3の実施の形態におけるインキ量検知センサの構造及びそのインキ量検知センサのインキ溜り部内への配置状態を示す側面図である。
【図6】 従来例の孔版印刷装置の概略構造を示す縦断正面図である。
【図7】 従来例のインキ量検知センサの構造及びそのインキ量検知センサのインキ溜り部への配置状態を示す正面図である。
【図8】 その側面図である。
【符号の説明】
12 版胴
15 インキ溜り部
20 インキポンプ
27,29,30 インキ量検知センサ
27a,29a,30a 針部
27b,29b,30b 異常増加検知部
27c,29c,30c 傾斜面部
Claims (4)
- 軸線を中心に回転駆動される版胴内に形成されたインキ溜り部内に溜っているインキに差し込まれる針部を備え、前記インキ溜り部内のインキ量に応じて増減するインキに対する前記針部の接触面積に比例して増減する静電容量検知出力値をもって前記インキ溜り部内のインキ量を検知する静電容量検知方式のインキ量検知センサにおいて、
前記インキ溜り部内のインキが異常増加したときにそのインキに板状に形成された部分が接触することで、インキに対する前記針部の接触面積に比例する増加量を超えて前記静電容量検知出力値を増加させる異常増加検知部を設けた、
ことを特徴とするインキ量検知センサ。 - 前記異常増加検知部は、前記インキ溜り部内のインキに対向する部分に、水平面に対して傾斜した傾斜面部を有することを特徴とする請求項1記載のインキ量検知センサ。
- 前記針部と前記異常増加検知部とは、前記インキ溜り部内で回転流動するインキの回転流動中心の軸心方向にそって所定寸法離間して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインキ量検知センサ。
- 軸線を中心に回転駆動される版胴内に形成されたインキ溜り部内に配置された請求項1ないし3のいずれか一記載のインキ量検知センサと、
前記インキ溜り部へインキを補給するインキポンプと、
前記インキ量検知センサからの検知結果に応じて前記インキポンプをオン・オフ制御する制御部と、
を有することを特徴とするインキ漏れ防止装置。
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