JP4841009B2 - アルミ電線接続端子 - Google Patents
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この場合、端子板は、例えば、紙製のものが用いられ、この端子板はコイルの外表面に取付けられ、コイルの引出線をその端子板に組み付けられた金属製の接続端子の所定の位置まで引き回わし、かつ所定のリード線と接続している。即ち、接続端子の所定の位置には引出線を案内して保持する、例えば、筒状の保持部が形成され、この保持部に引出線が圧着等により保持されると共に、接続端子の他の所定の位置にリード線がからめられることにより両者が接続される。引出線を保持する保持部には、例えば、接続端子の下方両側部に切込みを入れ、その両側部を外側に向かってほぼ弧状に折曲することによって形成されるものもある(例えば、特許文献1参照)。
一方、口出し線がビニル電線(樹脂被覆電線)で構成されるトランスやチョークコイルにおいて、芯線が銅のマグネットワイヤと芯線が錫メッキ軟銅撚り線のビニル電線との接続には、例えば特許文献2に記載の円筒状の突き合わせ用スリーブ(電線接続スリーブ)が使用される。この接続方法は、ビニル電線の端部のビニル被覆を除去し、露出させた錫メッキ軟銅撚り線の芯線を電線接続スリーブの一端側の差込口から内部に差し込み、該スリーブの一端側を押し潰して圧着する。マグネットワイヤも同様に端部の絶縁被覆を除去し、露出させた銅の芯線を電線接続スリーブの他端側の差込口から内部に差し込み、該スリーブの他端側を押し潰して圧着する。これによりマグネットワイヤとビニル電線とを電気的及び機械的に接続することができる。
ところが、アルミニウム芯線を保持する保持部が上述した筒状に形成される場合には、接続端子等との圧着部分を半田槽に浸漬させて半田付けする際に、半田は筒の両端側からしか筒内に侵入できず、半田進入方向が制限される結果、十分な半田付着量が得られず、アルミニウム芯線と接続端子等との接続信頼性に欠ける虞がある。
前記アルミ芯線端部が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されることにより接続されるアルミ芯線接続部と、該アルミ芯線接続部と一体形成されており、前記他の電線が接続される他電線接続部とを備えたアルミ電線接続端子において、
前記アルミ芯線接続部を、前記アルミ芯線端部の周面を保持したときに該周面の一部を露出させる少なくとも3つ爪形状に形成すると共に該爪間に形成される間隔寸法を前記アルミ電線接続端子の厚み寸法の5倍以下としたことを特徴とする。
尚、半田付け時に発生するガスの抜けが良いという効果も得られる。
尚、前記爪間に形成される間隔寸法を前記アルミ電線接続端子の厚み寸法の2乃至4倍とするのが好適である。
い。これにより、アルミ芯線端部の断面方向から見て180度以上の角度まで巻き付けられた爪の先端部側付近に形成されるフィレットと根元部側付近に形成されるフィレットとが該アルミ芯線端部の周面で相互に繋がるように半田を付着させることができる。この結果によっても、更に半田付着量が増大し、接続信頼性が更に大きく向上する。
アルミ芯線端部(図2、図3、図4、図6参照)に取り付けられ、他の電線(図示せず)と接続するためのアルミ電線接続端子であって、アルミ芯線端部が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されることにより接続されるアルミ芯線接続部11と、アルミ芯線接続部11と一体形成されており、他の電線が接続される他電線接続部12とを備え、全体が金属製の板材を打ち抜き折り曲げ加工等することにより形成されている。本実施形態では、例えば錫メッキされた黄銅でなる板材を所定形状に打ち抜いて折り曲げる板金加工により一体成形することに作製されている。
アルミ芯線接続部11は、その金属製の板材の下端側を2箇所切り欠き、これら2つの切り欠き部分を爪相互間の間隔とする3つ爪形状に形成されている。そして、図1(B),(C)に示すように、端子本体10Aからその3つ爪11A、11B、11Cを図1(B)でいう用紙の手前側[図1(C)でいう用紙の左側]に折り曲げて形成し、アルミ芯線端部の周面をこの3つ爪11A、11B、11Cで保持したときに該周面の一部を上記爪相互間の間隔において露出させる構成となっている。尚、図1(C)に示すように、上記3つ爪11A、11B、11Cは180度以上の角度まで折り曲げて形成されている。即ち、3つ爪11A、11B、11Cが折り曲げられて端子本体10Aの下端部と共にアルミ芯線端部の周面を覆い、且つ脱落しない程度に圧着するに留めるようになっている。尚、アルミ電線接続端子10の上下方向の略中央部には、左右の(側方に張り出した)上部爪10n、10mが形成されており、これら上部爪10n、10mはアルミ電線接続端子10を後述する端子板60に固定する際に用いられる。
ここで、爪11A、11B間と爪11B、11C間に形成される各間隔Iの寸法はアルミ電線接続端子10の厚み寸法Tの5倍以下となるように形成されている。
尚、本発明者は、爪11A、11B間と爪11B、11C間に形成される各間隔Iの寸法はアルミ電線接続端子10の厚み寸法Tの2倍乃至4倍とすれば、後述する半田フィレットの載りが最も良くなり、半田付着量が最適化されることを見出している。
さて、図1に示したアルミ電線接続端子10をアルミ芯線端部(図2、図3、図4、図6参照)に取り付け接続する方法について図2を参照して説明する。尚、アルミニウム電線30のアルミ芯線端部31の絶縁被覆は予め除去されている。
1のアルミ電線接続端子の3つ爪形状のアルミ芯線接続部11に保持されたアルミ芯線端部31が半田付けされた状態を示す図であり、(B)は、比較例としての2つ爪形状のアルミ芯線接続部に保持されたアルミ芯線端部が半田付けされた状態を示す図である。
図3(A)に示すように、爪11A、11B間と爪11B、11C間に形成される各間隔Iにおいてアルミ芯線端部31の周面への半田の付着状態を確認することで半田の仕上り(付着)状態を確認することができる。また、アルミ芯線接続部11を3つ爪形状に形成したので、2つ爪に比べてアルミ芯線端部31の周面への半田付着量が増大し、接続信頼性が向上する。更に、爪11A、11B間と爪11B、11C間に形成される各間隔Iの寸法をアルミ電線接続端子10の厚み寸法の5倍以下とした。これにより、この爪間の間隔と端子の厚みとの5倍以下という比率が半田付着量に寄与し、半田付け時に半田の表面張力により爪の側面部に形成されるフィレットFが爪間に形成される上記間隔Iにおいて、図3(A)に示すように、アルミ芯線端部31の周面で相互に繋がるように半田を付着させることができる。この結果、更に半田付着量が増大し、接続信頼性が大きく向上する。
尚、図3(B)に示すように、アルミ芯線接続部を2つ爪形状に形成し、2つの爪11A、11C間に形成される間隔Iの寸法がアルミ電線接続端子10の厚みTの寸法の5倍より大きい比較例では、フィレットFは爪11A、11Cの周縁部では形成されても、上記間隔Iの爪間においてアルミ芯線端部31の周面で相互に繋がるようには形成されないので、十分な半田付着量が得られないことが分かった。
尚、アルミ芯線接続部11を3つ爪形状に形成したので、図示はしないが筒状に形成する場合に比べて、半田付け時に発生するガスの抜けが良いという効果も得られることが分かった。
図5(A),(C)に示すように、アルミ電線接続端子10が組み付けられる端子板60は、全体としてほぼ矩形をなし、上部が折り曲げられた中空の2枚重ねの絶縁性の樹脂から成る。そこで、2個のアルミ電線接続端子10を用意し、端子板60の前面上部から各アルミ電線接続端子10の上端側を差し込んで各アルミ電線接続端子10の左右の(側方に張り出した)上部爪10n、10mを端子板60の折り曲げられた上部面60Pまで引き出し、端子板60の前面上部から各爪11A、11B、11Cが突出するようにはめ込む。そして、端子板60にはめ込んだ後、各アルミ電線接続端子10の左右の上部爪10n、10mを端子板60の上部面60P上でそれぞれ広げることにより、各アルミ電線接続端子10は端子板60に固定される。
このように、端子板60にはめ込んだ後、各アルミ電線接続端子10の左右の上部爪10n、10mを端子板60の上部面60P上でそれぞれ広げるだけで各アルミ電線接続端子10を端子板60に固定できるので、組み付け作業が大変容易である。
図6において、1はコイルボビン2の胴部上にアルミニウム電線30を巻回して構成したコイル、3はコイルボビン2に組込まれたけい素鋼板を積層してなるEI型のコア、4は端子板取付部である。アルミニウム電線30から成るコイル1の巻始め、巻終わりの各引出線1a,1bが被覆を除去された状態で、上述したように、アルミ芯線端部31として各アルミ電線接続端子10に半田付け接続されている。尚、図示はしないが、各アルミ電線接続端子10の他電線接続部12には、例えば、上述したエアコンの室外機等の回路内の他の電子部品(インバータ等)と接続するためのリード線等が接続される。
このリアクタ70においては、アルミ電線接続端子10のアルミ芯線接続部11を、アルミ芯線端部31の周面を保持したときに該周面の一部を露出させる少なくとも3つ爪形状に形成したので、爪間に形成される間隔Iにおいてアルミ芯線端部31の周面への半田の付着状態を確認することで半田の仕上り(付着)状態を確認することができる。2つ爪に比べてアルミ芯線端部31の周面への半田付着量が増大し、接続信頼性が向上する。更に、爪間に形成される間隔Iの寸法をアルミ電線接続端子10の厚みTの寸法の5倍以下としたので、半田付け時に半田の表面張力により爪の側面部に形成されるフィレットが爪間に形成される間隔Iにおいてアルミ芯線端部31の周面で相互に繋がるように半田付着量が増大し、接続信頼性が大きく向上する。そして、アルミ芯線接続部11にアルミ芯線端部31が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合される構成なので、半田接合と圧着接合が共用(共存)でき、接合強度が増している。また、アルミ芯線端部31が保持された状態で半田接合される構成なので、複数の異なる線径のアルミ(芯)線を保持可能であり、アルミ電線接続端子10を複数の異なる線径のアルミ(芯)線に共用できる。更に、アルミ芯線接続部11にアルミ芯線端部31が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されるので、上述した半田槽51による浸漬半田付けを行える形状のアルミ電線接続端子10となっている。
以上のように、本実施形態によれば、銅線よりも廉価のアルミニウム電線30を巻回して構成したコイルを用いているので、リアクタ70の製造コストを大幅に節減できる上に、アルミ電線接続端子10とアルミ芯線端部31との高い接続信頼性が得られる。
本実施形態のアルミ電線接続端子100も、アルミニウム電線30のアルミ芯線端部31に取り付けられ、他の電線としてのビニル電線(樹脂被覆電線)40と接続するためのアルミ電線接続端子であって、アルミ芯線端部31が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されることにより接続されるアルミ芯線接続部110と、アルミ芯線接続部110と一体形成されており、他の電線としてのビニル電線(樹脂被覆電線)40の芯線端部41が(突き合わせ用スリーブ20を介して)接続される他電線接続部120とを備えたアルミ電線接続端子である。そして、アルミ芯線接続部110を、アルミ芯線端部31の周面を保持したときに該周面の一部を露出させる少なくとも3つ爪形状に形成すると共に該爪間に形成される間隔I(図7では図示せず、図3参照)の寸法をアルミ電線接続端子100の厚みT(図7では図示せず、図3参照)の寸法の5倍以下としている。また、アルミ芯線接続部110における3つ爪形状の爪110A、110B、110Cは、アルミ芯線端部31の断面方向から見てアルミ芯線端部31を180度以上の角度まで巻き付ける構造としている。尚、図7においては、略360度に近い角度まで巻き付けるようにしている。
さて、図7に示したアルミ電線接続端子100をアルミ芯線端部31に取り付け接続する方法について説明すれば、先ず、アルミ電線接続端子100のアルミ芯線接続部110の折り曲げられた3つ爪110A、110B、110C部分にアルミニウム電線30のアルミ芯線端部31を横方向から差し込み、3つ爪110A、110B、110C部分をアルミ芯線端部31の周面に圧着させる。これにより、アルミ芯線端部31の周面は、アルミ芯線接続部110により覆われると共に爪110A、110B間と爪110B、110C間に形成される各間隔Iから露出する。このとき、アルミ芯線端部31の周面はアルミ芯線接続部110と接触する程度に覆われ、且つ脱落しない程度に圧着されるに留まり、それらによって押し潰されることはないので、アルミニウム電線30がアルミ電線接続端子100から引きちぎれることはない。続いて、アルミニウム電線30が取り付けられたアルミ電線接続端子100を半田が溶融されている半田槽内に浸漬し、所定時間経過後にかかるアルミ電線接続端子100を半田槽から取り出す。このとき、本実施形態では、アルミニウム電線30とアルミ電線接続端子100は直線状の状態で浸漬及び取出しできるため、かかる作業を簡易に行うことができる。これにより、アルミ芯線端部31の周面は、アルミ芯線接続部110の3つ爪110A、110B、110C部分に半田付けされる。
本実施形態においても、爪110A、110B間と爪110B、110C間に形成される各間隔Iにおいてアルミ芯線端部31の周面への半田の付着状態を確認することで半田の仕上り(付着)状態を確認することができる。また、アルミ芯線接続部110を3つ爪形状に形成したので、2つ爪に比べてアルミ芯線端部31の周面への半田付着量が増大し、接続信頼性が向上する。更に、爪110A、110B間と爪110B、110C間に形成される各間隔Iの寸法をアルミ電線接続端子100の厚み寸法の5倍以下としたので、この爪間の間隔と端子の厚みとの5倍以下という比率が半田付着量に寄与し、半田付け時に半田の表面張力により爪の側面部に形成されるフィレットが爪間に形成される上記間隔Iにおいてアルミ芯線端部31の周面で相互に繋がるように半田を付着させることができる。この結果、更に半田付着量が増大し、接続信頼性が大きく向上する。そして、アルミ芯線接続部110にアルミ芯線端部31が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合される構成なので、半田接合と圧着接合が共用(共存)でき、接合強度が増す。更に、アルミ芯線接続部110にアルミ芯線端部31が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されるので、半田槽による浸漬半田付けを行える形状のアルミ電線接続端子100とすることができる。
る構成となっているので、半田付着量が増大し、接続信頼性が大きく向上している。
11A、11B、11C、110A、110B、110C 爪、 12 他電線接続部
30 アルミニウム電線、 31 アルミ芯線端部、 40 ビニル電線、
41 芯線端部、 50 半田、 51 半田槽
Claims (3)
- アルミニウム電線のアルミ芯線端部に取り付けられ、他の電線と接続するためのアルミ電線接続端子であって、
前記アルミ芯線端部が圧着されて保持されると共に該保持された状態で半田接合されることにより接続されるアルミ芯線接続部と、該アルミ芯線接続部と一体形成されており、前記他の電線が接続される他電線接続部とを備えたアルミ電線接続端子において、
前記アルミ芯線接続部を、前記アルミ芯線端部の一方の側面側から該側面に接触させた状態で前記アルミ芯線端部を囲むように保持したときに該側面の一部を露出させる少なくとも3つ爪形状に形成すると共に該爪間に形成される間隔寸法を前記アルミ電線接続端子の厚み寸法の5倍以下としたことを特徴とするアルミ電線接続端子。 - 前記爪間に形成される間隔寸法を前記アルミ電線接続端子の厚み寸法の2乃至4倍としたことを特徴とする請求項1に記載のアルミ電線接続端子。
- 前記アルミ芯線接続部における少なくとも3つ爪形状の爪は、アルミ芯線端部の断面方向から見て該アルミ芯線端部を180度以上の角度まで巻き付ける構造としたことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミ電線接続端子。
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