JP4840961B2 - 高アスペクト比酸化鉄ウィスカー、高アスペクト比酸化チタンウィスカー及びこれらを含む構造並びにその製造方法 - Google Patents

高アスペクト比酸化鉄ウィスカー、高アスペクト比酸化チタンウィスカー及びこれらを含む構造並びにその製造方法 Download PDF

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本発明は、酸化鉄及び酸化チタンの微細な結晶体とその製造、及びそれらを触媒などとして適用する際に有用な接触面積拡大、或いは目詰まりなどを防止するための配列構造とその製造方法に関する。
磁気記録媒体の高保磁力化の為には、磁性粒子粉末が高い保磁力を有することが必要でありそのためには磁性粒子粉末が針状形態であり、粒子相互間で焼結が生起しておらず、粒子表面並びに粒子内部に空孔が存在しておらず実質的に高密度であることが必要である。これに対して、磁気記録用磁性粒子粉末として主に湿式反応で製造されている針状マグネタイト粒子粉末や針状マグヘマイト粒子粉末は、アスペクト比が小さく樹枝状の枝のある針状粒子である。これら磁性粒子粉末は、一般に、第一鉄塩水溶液とアルカリとを反応させて得た水溶液中の水酸化第一鉄コロイドを空気酸化し、得られた針状ゲーサイト粒子を空気中300℃付近で加熱脱水して針状ヘマタイト粒子となし、さらに水素等の還元性ガス中300〜400℃で還元して針状マグネタイト粒子とし、次いでこれを空気中200〜300℃で酸化して針状マグヘマイト粒子とすることにより得られている。こうして得られる針状結晶は湿式反応を出発としているために、樹状突起(デンドライト)を完全には排除できず、外形も紡錘状、米粒状になり易く、アスペクト比が大きく枝の無い針状マグネタイト粒子を得ることは技術的課題であった(特開平6-64927号公報、特開平7-242425号公報、特開平8-8104号公報)。これらの形状は、アスペクト比と共に磁気特性などの特性に大きく影響するが、これらの方法によりこれまでに得られているアスペクト比は、γ―Fe2O3が高々20(特公昭47-2595号公報)、針状マグネタイト粒子で高々16であった(特開平8-8104号公報)。
ウィスカーは、結晶構造が完全結晶に近く、内部に転位が存在しない場合、強度が理論値に近い値を示すようになり、理想的な高強度材料となる。そのため従来からウィスカーを利用した種々の材料・製品が開発されており、また現在も研究が盛んに行われている。例えばマイクロマシンやナノマシン等の構成要素部品を目的とした、アスペクト比が260程度まであるゲーサイトウィスカー及びその製造方法が研究されている(特開2001−240500号公報)。これは水酸化第二鉄と金属塩とを含む溶液を原料とした湿式法によりウィスカーを製造するものであり、ここで製造されたゲーサイトウィスカーは、製造上の制約で、金属塩由来の金属、例えばコバルトを15atm%<(Co/Fe)≦35atm%の範囲含んでしまい、鉄以外の置換型原子(コバルト、ニッケル、クロム、チタン)を相当量含むことが、理想に近い高強度のウィスカーを得る妨げとなっている。ここで述べるマイクロマシン用の酸化鉄ウィスカーとしては、結晶全体が高いアスペクト比の直線構造をとる、単結晶であることが望ましい。これに加えて後述するように本発明で実現したウィスカーとはそのような結晶構造のみならず、カーボンナノチューブに見られるような、断面が単層環状型、多層型、渦巻き型のもの(図10、11参照)をも含み、さらに炭素繊維に見られるような、断面がオニオン型、ラジアル型の多結晶構造、また、だるま落としの玩具ように長さ方向に結晶を繋ぎ合わせた多結晶構造をも含む。またウィスカーの外観形状は高いアスペクト比を示しながらも、直線には限定されず、全体が渦を巻いたような螺旋構造、糸同士が無秩序に絡まり合ったフエルト構造の形状のものをも含む。さらに、一点より多数のウィスカーが成長したもの、樹枝状に形成されたもの、折線状に成長したものも含まれる。
近年、地球環境の保全に対する認識が高まり、クリーンエネルギーの利用や開発、炭酸ガスの除去や削減などが大きな課題となっている。炭酸ガスを除去または削減する方法としては、例えば、アミンを用いて回収する方法が提案されている。しかしながら、この方法では資源としての再利用が不可能であり、経済的な付加価値に乏しい。更に炭酸ガスを分解するために、マグネタイト(Fe34)、還元型マグネタイトなどの微細粒状物を触媒として用いることが研究されている(機能材料1990年12月号「新物質;酸素欠陥マグネタイト」玉浦裕著 44-49頁、特開平3−245845号公報、特開平3−285829号公報)。これらの触媒は良好な触媒活性を有しているが、一層優れたものが要望されている。また、これらの触媒を用いて炭酸ガスの分解を行うに当たっては、現状では流動床を用いる固体/気相系反応(具体的には該触媒中に炭酸ガスを通す反応)以外に方法がないが、この方法には圧力損失が生ずるという欠点がある。すなわち該触媒が微細粒子であるため、炭酸ガスの流入圧力によって目詰まりや固化を起こし、触媒効率が著しく低下したり或いは固化により再利用ができなくなる。これを解決するために例えば別の物質からなる繊維の表面を還元型マグネタイトで被覆してなる繊維状マグネタイトが研究されている(特開平7−41322号公報)が、ここにおいて繊維長が3μm未満では、炭酸ガスを分解する際などに基材の繊維が折れて触媒活性の低下を起こす問題があり、基材の繊維長が50mmを越えると繊維に対してマグネタイトの被覆が困難になり触媒活性の向上が望めない問題があり、何よりも本来の触媒物質であるマグネタイト以外の物質をアスペクト比を稼ぐために繊維基材に用いなければならないという問題があった。
特開平6-64927号公報 特開平7-242425号公報 特開平8-8104号公報 特公昭47-25959号公報 特開2001−240500号公報 特開平3−245845号公報 特開平3−285829号公報 特開平7−41322号公報 機能材料1990年12月号 機能材料1990年12月号「新物質;酸素欠陥マグネタイト」玉浦裕著 44-49頁
環境浄化に期待される技術の一つに光触媒がある。光触媒効果は光エネルギーを利用するだけで汚染物質を分解する浄化効果、悪臭物質を分解する脱臭効果、菌やウイルスを分解する抗菌効果などがある。従来の二酸化チタン成膜や二酸化チタン粒子の表面コーティングでは、反応に寄与する表面積が少なく、汚染物質が分解しきれず表面に蓄積される場合などのように、触媒効果の持続性維持や浄化作用の低下といった問題がある。 これを解決するために、例えば酸化チタンウィスカーや粒子を分散させて触媒効果発生サイトを増やすことが考えられるが、微細な酸化チタン粒子がクラスターを作り目詰まりを生じて浄化効果の低下が起こる。 その対策として汚水中にキャビテーションを発生させて分散させるとともに表面に付着した未反応汚物を取り除き触媒効果を持続させる方法が研究されているが、キャビテーションの発生には汚水中の酸化チタンウィスカー乃至酸化チタン粒子の密度を低く抑える必要があり、高触媒効果を得られない問題があった。
酸化チタンには幾つかの安定相があるが、この中でTiOは、金属的な導電性を有し、また高強度、高融点など材料として優れた性質を併せ持っている。また、TiOは触媒作用もある(特開2001−199796号公報)。チタニア(TiO2)の結晶構造には、正方晶系高温型のルチル型、正方晶系低温型のアナターゼ型および斜方晶系ブルッカイト型の3種類があり、アナターゼ型チタニアは、高い光触媒作用と光親水性作用とを有することが知られている。
酸化チタンウィスカーとしては、結晶全体が高いアスペクト比の直線構造をとる、単結晶であることが望ましい。これに加えて本発明で言うウィスカーとはそのような結晶構造のみならず、カーボンナノチューブに見られるような、断面が単層環状型、多層型、渦巻き型のものをも含み、さらに炭素繊維に見られるような、断面がオニオン型、ラジアル型の多結晶構造、まただるま落としの玩具ように長さ方向に結晶を繋ぎ合わせた多結晶構造をも含む。また、ウィスカーの外観形状は高いアスペクト比を示しながらも、直線には限定されず、全体が渦を巻いたような螺旋構造、糸同士が無秩序に絡まり合ったフエルト構造の形状のものをも含む。さらに、一点より多数のウィスカーが成長したもの、樹枝状に形成されたもの、折線状に成長したものも含まれる。
特開2001−199796号公報 特開2003−321299号公報
以上述べたように、酸化鉄及び酸化チタンの微細な針状結晶体は、その特性について種々の応用が考えられるが、その特性を発揮する結晶構造及び微細な針状の形態、或は触媒などに適用する形態として好適な配列構造は得られていなかった。
本発明は、これらの酸化物をウィスカーとして微細な針状結晶体を得ると共に、その形態をこれらの特性を発揮する高アスペクト比を実現し、且つこれらのウィスカーを密に配列した構造を実現して流体中の触媒としての接触面積確保やその他の有用な機能を提供し、さらにそれらの製造方法を提供する。
本発明のウィスカーは、上記問題を解決するために、基板上に比較的均一に密に成長している事と高アスペクト比かつ微細な酸化鉄ウィスカーと酸化チタンウィスカーである事を特徴とする。
即ち、本発明は、
鉄系材料からなる基板最表層上に直接高アスペクト比の酸化鉄ウィスカーを立設した基板であり、上記酸化鉄ウィスカーが、酸素を含有する気体雰囲気と高温度の鉄系材料基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給される鉄とから基板最表層上に直接析出成長したものとすることができる。
また、本発明は、チタン系材料からなる基板最表層上に直接高アスペクト比の酸化チタンウィスカーを立設した基板であり、上記酸化チタンウィスカーが酸素を含有する気体雰囲気と高温度のチタン系材料基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給されるチタンとから基板最表層上に直接析出成長したものとすることができる。
更に、酸化鉄ウィスカーとして、鉄以外の金属原子含有率10atm%以下、直径5nm〜2μm、アスペクト比20以上の高アスペクト比酸化鉄ウィスカーであり、その高アスペクト比酸化鉄ウィスカーとして、酸素を含有する気体雰囲気と高温度の鉄系材料基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給される鉄とから、該基板上に析出形成して得られた高アスペクト比酸化鉄ウィスカーとすることができる。
また、本発明は、直径5nm〜20μm、アスペクト比5以上の高アスペクト比酸化チタンウィスカーであり、その高アスペクト比酸化チタンウィスカーとして、酸素を含有する気体雰囲気と高温度のチタン系材料基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給されるチタンとから、該基板上に析出形成して得られた高アスペクト比酸化チタンウィスカーとすることができる。
更に本発明は、酸素を含有する気体雰囲気と高温度の鉄又はチタン系材料基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給される鉄又はチタンとから、それらの酸化物ウィスカーを析出成長させることを特徴とする、高アスペクト比酸化物ウィスカーの製造方法であり、
また、酸素を含有する気体雰囲気と高温度の金属基板を接触させることにより、該気体から供給される酸素と該基板から供給される金属とから、それらの酸化物ウィスカーを析出成長させる高アスペクト比酸化物ウィスカーの製造において、
基板の厚み方向の温度勾配を設けてウィスカーの成長を促進することを特徴とする高アスペクト比酸化物ウィスカーの製造方法である。
本発明の酸化鉄ウィスカーは大きなアスペクト比を有し、しかも、制御条件により樹枝状構造を形成しない微細な酸化鉄ウィスカーであるので磁気特性に優れ、高密度の磁気記録用磁性粒子を与える。
さらに基板表面に酸化鉄ウィスカーを密に立設した配列構造を実現したことにより、反応流体中で大きな接触反応面積を確保すると共に目詰まりや固化を起こしにくく、触媒効率が高く、かつ再利用が容易な炭酸ガス分解触媒として機能を発揮するなど、酸化鉄ウィスカーの性質を利用した多くの応用を可能とした。
本発明の酸化チタンウィスカーは、大きなアスペクト比を有して、大きな有効面積を有し、光触媒として優れた特性を発揮する。
また、基板表面に酸化チタンウィスカーを密に立設した配列構造体は、流体中で触媒として用いる場合、接触反応面積が大きいと共に目詰まりや固化を起こしにくく、触媒効率が高く、かつ再利用が容易であるなど、酸化チタンウィスカーの特性を利用した多くの用途への応用が可能である。
以下に本発明の内容について酸化鉄ウィスカーを例にとり、より具体的に説明する。
本発明の酸化鉄ウィスカーの特徴は、直径がこの種のウィスカーとしては微細な5nmから、充分に太い2μmまで幅広く作り分けられ、かつ製造設備と操業時間の制約が無ければ長さが10m、100mといくらでも連続して長くできることにある。しかし磁気記録用磁性粒子や触媒などの実際の用途には、長さがセンチメートルやメートルオーダーの長いウィスカーは粉砕して、アスペクト比が二桁程度の短いものにして利用されるので、望ましくは長さ1μmから100μmまでのもので十分である。ウィスカーの長さは図2に示すような顕微鏡写真で、長さをノギス等で測定し倍率を計算することで求まる。ウィスカーの直径は、図1、図3に示すような顕微鏡写真で直径を測定して得られる。アスペクト比が厳密に制御された酸化鉄ウィスカーが必要な場合は、アスペクト比が充分大きいものを粉砕して分粒するよりも、本明細書で述べる酸化鉄生成方法において生成時間を区切ることで、均一のアスペクト比の酸化鉄ウィスカーを容易に得ることができる。 ウィスカー断面は一般には多角形であるが、本発明で言うウィスカーの直径とは、これらの多角形断面を円周内に含む円の直径をさす。
本発明で言う酸化鉄とはウスタイト(FeO、Fe0.98O、 Fe0.94O)、ヘマタイト(Fe2O3)、マグヘマイト(Fe2O3)、マグネタイト(Fe3O4)、カチオン欠陥マグネタイト(Fe3-δO4)、カチオン過剰マグネタイト(Fe3O4-δ)、鉄―酸素の全ての二元系化合物(FexOyかつ0<x≦3、0<y≦4)の各々の単体、及びここに述べた鉄―酸素化合物を複数(2種類以上)含む混合物をも指す。加えて鉄と酸素以外の原子を高だか10atm %含む、望ましくは8atm%以下、理想的には0.5atm%以下しか含まないものが良い。鉄と酸素以外の不純物原子を10atm%以上含むと、結晶内の相当量の欠陥により、ウィスカーの強度が低下する弊害が起こる。基板にSUS304鋼の、厚み1mmの板を用いて、図4に示す構成で、生成したマグネタイトウィスカーの元素分析を、透過型電子顕微鏡に搭載されている空間分解能が一桁ナノメートルのエネルギー分散型エックス線分光器で行ったところ、鉄と酸素以外の原子は検出されなかった。該エックス線分光器の最小検出限界は、比重が鉄に近い7から9の原子(クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブなど)で、0.5atm%である。
酸化鉄の結晶の寸法は、正方晶系のマグヘマイト(Fe23)のc軸方向が最も長く、2.5nmある。ここにおいて、これらの結晶からなるウィスカーの直径が小さくなると、ある直径を境にして指数関数的に強度が低下することがわかった。この制約によって請求項で言う直径5nm以上が規定される。その物理的な理由は、球形のマイクロクラスターにおいて明らかにされている以下に述べる理由と同様であると本発明者は考えている。
すなわち、少数の原子が結晶構造をとっているマイクロクラスターは直径50nm程度の大きさに小さくなると、結晶表面にある結合手が切れた原子の割合が結晶全体の原子数に対して増加することにより不安定になり、原子同士の結合力が弱くなる。ウィスカーのような一次元(線状)物質では上記の効果が、一次元に連なる結合によってある程度緩和されるので、結合力の低下が現れる寸法上の下限が低下する。酸化鉄ウィスカーでは実用上許容される直径の下限が請求項で言う直径5nmであることが明らかになった。
上限の直径2μmの値は、本発明の目的である磁気記録用磁性体及び触媒で用いられるウィスカーの直径が2μmを越えると、記録密度もしくは触媒効率の点で、産業上役に立たなくなるということから規定される。
以上に述べた酸化鉄ウィスカーは、図5で示すような鉄系材料基板を有酸素雰囲気中で加熱する方法でも、該基板表面に成長させることができる。
酸化鉄ウィスカーの生成は次に述べる2つの過程からなると考えられる。
第一過程:基板表層での鉄原子の優先酸化。
本明細書で述べている酸化鉄ウィスカー生成過程は平衡反応過程であるので、基板表面での原子の酸化挙動は酸化物の平衡解離圧po2[atm]で整理できる。この平衡解離圧po2は雰囲気(もしくは原子周囲の自由酸素分子)の酸素分圧に置きかえられ、酸素分圧がこれよりも大きいと原子は酸化され、酸素分圧がそれよりも小さければ酸化されない。図6に平衡解離圧の温度依存性の模式図を示す。横軸が温度、縦軸が平衡解離圧=平衡酸素分圧である。ちなみに空気は酸素を20.9vol%含むので、1気圧の大気中の酸素分圧は0.209atmである。例えばここで大気中に曝された200℃の材料が酸化されるか否かを知るには、構成原子の酸化物の平衡解離圧曲線が図6の200℃で、縦軸目盛の0.209より下にあれば酸化され、上にあれば酸化されないと読み取ることで知ることができる。図6中酸化物MOの平衡解離圧曲線はどの酸化鉄よりも上にある。これは原子Mが鉄と比較して、図示する温度範囲で酸素と化合しにくいことを意味し、雰囲気酸素は優先的に鉄を酸化する。このような原子に窒素、コバルト、ニッケル、銅、パラジウムなどが挙げられる。逆に酸化物LOの平衡解離圧曲線はどの酸化鉄よりも下にあり、酸素を鉄原子よりも先に奪ってしまうので酸化鉄ウィスカー生成のための固溶原子には不適である。この様な原子にはチタン、クロム、ニオブなどが挙げられる。
第二過程:最適な環境場の下でのウィスカー成長。
何らかの原因によって、結晶の一つの表面だけが他の表面に比べて極端に早く成長すると、非常に細長いウィスカー状の結晶が得られる。ウィスカーの成長機構には、一つ目にはただひとつの結晶表面にだけ露頭した螺旋転移による優先的なスパイラル成長、二つ目には先端に常に液滴を載せながら成長するVLS成長、そして三つ目には基板の固体表面の上に生成した結晶の根元にだけ原子の補給が行われる根元補給成長などがある。これまでに述べた酸化鉄ウィスカー生成過程は鉄原子に関して言えば上記三つ目の根元補給成長にあたるが、根元で一度生成したウィスカーの幹が根元から押し上げられて基板から徐々に離れていく過程では尚、酸化の余地がある高温と大気に曝される場合もあるので、状況は複雑である。また、図3に示す様に太さ500nm以上の酸化鉄ウィスカーには竹の節のように太さの周期的な変動を示すものもある。この現象はシリコンウィスカーのVLS成長においても見られるが、最も詳しく調べられているVLS機構においてさえ、この現象がどのようなしくみで起こるのかは明確にされていない。この様に酸化鉄ウィスカーの成長にはいまだ未知の部分が多い。
このため本発明者は次のような観点で試行錯誤を行ってきた。結晶は面方位により表面エネルギーが異なる。面内の原子密度がより大きいほど、かつ表面に立つ結合手が傾いているほど表面エネルギーは高くなり、成長も速い。また鉄原子の基板表層への拡散や雰囲気の酸素分圧で規定される原子の供給律速も酸化鉄の組成と成長方位とを左右する。さらに、基板表面雰囲気の温度勾配と、供給原子の多寡の分布もウィスカーの成長方向を左右する。図7は大気中に置かれた鉄系基板を下から加熱させながら成長させた、ウィスカーの根元の原子の挙動を模式的に示したものである。図7に示した部分は基板の低温側に相当し、温度は700℃を想定している。下から説明すると、鉄原子は内部から表層に向って拡散し、対して雰囲気中の酸素は基板内へと拡散し、基板表層ではこの酸素の分圧と鉄の濃度とに応じて下層にウスタイト(FeO)その上にマグネタイト(Fe34)そして通常ならば最表面にヘマタイト(Fe23)のスケール層ができるが、図7の場合、基板表面の雰囲気中の酸素は酸化反応に喰われるために、その分圧はマタイトの平衡解離圧よりも、低いという想定なので、マグネタイトが最表面に顔を出し、その上にマグネタイトウィスカーが成長する。ウィスカーが伸びた上方では周囲からの空気の拡散により酸素分圧は根元よりも高くなるが、酸素分圧の上昇と比較して、温度の下降勾配の方が大きいので、マグネタイトウィスカーは、ヘマタイトになることなくそのまま伸びて行く。ただし、マグネタイトは580℃で常磁性(paramagnetism)体からフェリ磁性(ferrimagnetism)体=磁鉄鉱になるが結晶構造は変化しない。しかしながら、このことが図3に示す様に竹の節のような太さの周期的な変動を示す原因であるかもしれない。真相は今後の研究を待たなくてはならない。
上記に述べた過程に加えて、鉄系材料基板の加熱されている側から不純物原子を熱拡散させると同時に、基板に温度勾配をつけることにより、不純物原子を熱拡散させ、その結果低温側の表層にウィスカーを比較的早い速度で生成させることができる。図4に示す方法が、推奨される製造方法である。高温側から不純物原子を拡散させるこの方法をとると次のような理由で、ウィスカーの成長が促進される。
基板の厚み方向に温度勾配を設け、その高温側から不純物原子である固溶原子を拡散させる。基板の高温側と比較して低温側は固溶限が小さいので、高温側から拡散してくる固溶原子を高温側に押し戻そうという働きが生じ、その結果基板の鉄原子を低温側の表層に押し出そうとする熱力学上の力が生じる。こうして掃き出された鉄原子が雰囲気の酸素と化合して酸化鉄ウィスカーとなる。以下補足を述べると、固溶原子には水素、炭素、窒素、酸素、ボロンのような侵入型原子と、カルシウム、ニッケル、クロム、シリコン、アルミニウム、硫黄、リン、バナジウム、チタン、ニオブ、モリブデン、タングステン、マンガン、銅、コバルト、タンタル、セレンのような置換型原子とがあり、酸化鉄ウィスカー生成には侵入型、置換型双方の型の原子が固溶原子として使用できる。ただし鉄に対して固溶限がない原子は鉄掃き出し効果を生じないので使用できない。その代表的なものは酸素原子である。
固溶原子を上記の目的のために拡散させるには基板に温度勾配をつけた方が有効である。その際、固溶原子供給側の高温側は、基板が溶融する温度よりも高くても低くても構わないが、低温側は基板がウィスカーを生成させる土台となるため基板の融点以下でなくてはならない。
以上は、酸化鉄ウィスカーの形成について基板に温度勾配を形成することによりウィスカーの形成を促進できることを説明したが、これらの手法は以下に実施例においても示すように酸化チタンウィスカーの形成においても有効であり、さらに原理的にはこれら以外の金属を対象とする場合にも適用することができる。
上記の理論が規定する製造条件を具体化するのには次の方法を採用することができる。以下に述べることは本発明を限定するものではないが、本特許出願までに明らかにされた推奨される条件である。
本発明で言うウィスカーを生成させる基板となる鉄系材料は次のようなものである。
(1)純鉄。この純鉄には例えば走査型トンネル顕微鏡のプローブで鉄原子一つ一
つを並べて得られるような、原子オーダーで文字通り100%の純鉄から、不可抗力の不純物を微量に含む工業的な冶金で得られる純鉄までも含む。
(2)鉄原子を重量比で10%以上99.999%以下含む合金で、0.001重量% 以上90重量%以下含まれる鉄以外の原子が次の文に列挙される原子のどれか1種かあるいは2種以上を含む化合物や混合物。鉄以外の原子とは、原子番号3番(リチウム)から103番(ローレンシウム)までの全ての原子でかつこれらからVIII族(希ガス)原子と鉄原子とを除いたものである。これらの原子には天然同位体比で同位体を含むものや、同位体分離によって質量数の同じ原子のみからなるものも含む。ここで述べる鉄以外の原子は、前記固溶原子とは異なって、酸化物の平衡解離圧の大小によっては限定されない。
(3)鉄原子を重量比で0.001重量%以上10%未満含むもので、鉄以外に含まれ
る原子は、その酸化物が温度50℃から1500℃の間で平衡解離圧がヘマタイト(Fe23)よりも高いもの。この様な原子には、例えばコバルト、ニッケル、銅などがあり、そのような性質をもつ原子を1種もしくは2種以上を含む鉄化合物もしくは鉄混合物。
(4)上記1,2、3で述べた材料を層状に組み合わせたり、部分的にはめ込んで組み
合わせたり、混合させたり、共析物とさせている材料。
上記(1)、(2)、(3)、(4)の基板を用いると、生成するウィスカー内に鉄以外の金属原子が拡散して混入する場合があり、このときの混入量は高だか10atm%であり、これを不可避的不純物原子と呼ぶ。
基板の形状は問わない、板・箔状でも棒状でも、機械加工もしくは鋳物や接着・熔接で複雑な形状に仕上げられたものでも、前記に述べた原理を満たすもので、固体であればどんな形でも良い。
基板に付加される温度は、ウィスカーが生成する低温側基板表面が50℃以上1500℃以下、望ましくは600℃以上1000℃以下。加熱側は、前者低温側よりも温度が高いという条件で、100℃以上2000℃以下が望ましく、加熱側は場合によっては基板が溶融状態でも構わない。
ウィスカー生成箇所の雰囲気は前記に述べた原理を満たしていれば、通常大気、もしくは湿度と温度とが制御された空気でもよい。加えて純酸素や、酸素を0.001vol%以上100vol%未満含むもので、他の気体が次に述べる気体のどれか1種かあるいは2種以上含む気体でも良い。他の気体とは水素、ヘリウム、窒素、弗素、ネオン、塩素、アルゴン、臭素、クリプトン、ヨウ素、アンモニア、キセノン、ラドン、二酸化炭素、一酸化炭素、酸化窒素、酸化二窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄、弗化水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、アルコール類、硫化水素、フロン類、オゾンである。ここで弗素、塩素、弗化水素などは酸素よりも鉄を酸化させ(電子を奪い)やすいので、例えばウスタイトのウィスカーを成長させる場合、成長途中のウスタイトが酸素と化合してマグネタイトやヘマタイトに変わってしまう条件下では、雰囲気に塩素を添加してやると、ウスタイトに酸素がアタックする前に先に塩素がアタックして気体のFeClの形でウィスカーを削って行くので、ウィスカーは細くなるもののウスタイトウィスカーがそのまま成長する。問題であるのは、酸化鉄のウィスカーは高だか100ミクロンの間隔で成長するのに、その隙間にプローブを差し込んでウィスカーが生成する根元周辺のミクロンスケールの範囲の温度と酸素分圧とを測定する手段が現在の技術にはないことである。そのために、前記第二過程で述べた、所定の酸化鉄ウィスカーを成長させる「最適な環境場」を実現させるための雰囲気は、個々の装置と設定条件に則して、試行錯誤で設定せざるを得ないのが実状である。
次に発明の内容について酸化チタンウィスカーを例にとり、より具体的に説明する。
本発明の酸化チタンウィスカーの特徴は、直径がこの種のウィスカーとしては微細な5nmから、充分に太い20μmまで幅広く作り分けられ、かつ製造設備と操業時間の制約が無ければ長さが10m、100mといくらでも連続して長くできることにある。しかし触媒などの実際の用途には、長さがセンチメートルやメートルオーダーの長いウィスカーは粉砕して、アスペクト比が二桁程度の短いものにして利用されるので、望ましくは長さ1μmから100μmまでのもので十分である。ウィスカーの長さ、直径は酸化鉄ウィスカーと同様に顕微鏡写真で、ノギス等で測定し倍率を計算することで求まる。アスペクト比が制御された酸化チタンウィスカーが必要な場合は、アスペクト比が充分大きいものを粉砕して分粒するよりも、本明細書で述べる酸化チタンウィスカー生成方法において酸素分圧、生成時間、温度を適切に制御することで、均一のアスペクト比の酸化チタンウィスカーを得ることができる。 ウィスカー断面は図8に図示すように一般には多角形であるが、本発明で言うウィスカーの直径とは、それらの多角形断面を円周内に含む円の直径をさす。
本発明で言う酸化チタンとはTiO、TiO2、Ti2O、Ti2O3、Ti2O5、Ti3O、Ti3O5、Ti3O7、Ti4O7、さらにTinO2n-1, n=4〜9などの単体、及びこれらの混合物をも指す。 加えてチタンと酸素以外の原子を高だか10atm%含む、望ましくは8atm%以下、理想的には0.5atm%以下しか含まないものが良い。チタンと酸素以外の不純物原子を10atm%以上含むと、結晶内の相当量の欠陥により、ウィスカーの強度が低下する弊害が起こる。
酸化チタンの結晶からなるウィスカーの直径が小さくなると、ある直径を境にして指数関数的に強度が低下することがわかった。この制約によって請求項で言う直径5nm以上が規定される。その物理的な理由は、球形のマイクロクラスターにおいて明らかにされている以下に述べる理由と同様であると本発明者は考えている。すなわち、少数の原子が結晶構造をとっているマイクロクラスターは直径50nm程度の大きさになると、結晶表面にある結合手が切れた原子の割合が結晶全体の原子数に対して増加することにより不安定になり、原子同士の結合力が弱くなる。ウィスカーのような一次元(線状)物質では上記の効果が、一次元に連なる結合によってある程度緩和されるので、結合力の低下が現れる寸法上の下限が低下する。酸化チタンウィスカーでは実用上許容される直径の下限が請求項で言う直径5nmであることが明らかになった。
上限の直径20μmの値は、本発明の目的である触媒で用いられるウィスカーの直径が20μmを越えると、ウィスカー体積に対し表面積が小さくなり触媒効率の点で、産業上役に立たなくなるということから規定される。
以上に述べた酸化チタンウィスカーは、本発明の酸化鉄ウィスカーと同様な原理で生成されると考えられる。 図4、図5で示される装置で、基板に純チタンを含むチタン系材料基板に有酸素ガスを接触させることにより、該基板中のチタンと接触した該酸素ガスが反応して該基板表面に生成される。また、制御された酸化雰囲気中にあるチタン系材料に、温度勾配をつけることにより、不純物原子を熱拡散させ、その結果低温側の表層に該ウィスカーを比較的早い速度で生成させることができる。 図4に示す方法が推奨される製造方法である。
以上に述べた酸化チタンウィスカーは、何らかの原因によって、結晶の一つの表面だけが他の表面に比べて極端に早く成長するとし、非常に細長いウィスカー状の結晶がとして得られる。ウィスカーの成長機構には、一つ目にはただひとつの結晶表面にだけ露頭した螺旋転移による優先的なスパイラル成長、二つ目には先端に常に液滴を載せながら成長するVLS成長、そして三つ目には基板の固体表面の上に生成した結晶の根元にだけ原子の補給が行われる根元補給成長などがある。これまでに述べた本製造法での酸化チタンウィスカー生成過程はチタン原子に関して言えば上記三つ目の根元補給成長にあたると考えられるが、根元で一度生成したウィスカーの幹が根元から押し上げられて基板から徐々に離れていく過程では尚、酸化の余地がある高温と大気酸素に曝される場合もあるので、状況は複雑である。この様に酸化チタンウィスカーの成長にはいまだ未知の部分が多いので、酸化鉄ウィスカー生成の第二過程で既に述べたのと同様、所定の酸化チタンウィスカーを成長させる「最適な環境場」を実現させるための雰囲気は、個々の装置と設定条件に則して、試行錯誤で設定せざるを得ないのが実状である。
本発明で言う酸化チタンウィスカーを生成させる基板となるチタン系材料は次のようなものである。
(5) チタン。この純チタンには例えば走査型トンネル顕微鏡のプローブでチタン原子一つ一つを並べて得られるような、原子オーダーで文字通り100%の純チタンから、不可抗力の不純物を微量に含む工業的な冶金で得られる純チタンまでも含む。
(6) チタン原子を重量比で10%以上99.999%以下含む合金で、0.001重量%以上90重量%以下含まれるチタン以外の原子が次の文に列挙される原子のどれか1種かあるいは2種以上を含む化合物や混合物。チタン以外の原子とは、原子番号3番(リチウム)から103番(ローレンシウム)までの全ての原子でかつこれらからVIII族(希ガス)原子とチタン原子とを除いたものである。これらの原子には天然同位体比で同位体を含むものや、同位体分離によって質量数の同じ原子のみからなるものも含む。
(7) チタン原子を重量比で0.001重量%以上10%未満含むもので、チタン以外に含まれる原子は、その酸化物が温度50℃から580℃の間で平衡解離圧がTiOよりも高いもの。この様な原子には、例えばスズ、バナジウム、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、シリコン、銅などがあり、そのような性質をもつ原子を1種もしくは2種以上を含むチタン化合物もしくはチタン混合物。一方、チタンへの合金元素で使用してはいけないものとして、リン、カルシウムなどが上げられる。
(8) 上記1,2、3で述べた材料を層状に組み合わせたり、部分的にはめ込んで組み合わせたり、混合させたり、共析物とさせている材料。
上記(5)、(6)、(7)、(8)の基板を用いると、生成するウィスカー内にチタン以外の金属原子が拡散して混入する場合があり、このときの混入量は高だか10atm%であり、これを不可避的不純物原子と呼ぶ。
基板の形状は問わない、板・箔状でも棒状でも、機械加工もしくは鋳物や接着・熔接で複雑な形状に仕上げられたものでも、前記に述べた原理を満たすもので、固体であればどんな形でも良い。
酸化チタンウィスカーないし酸化鉄ウィスカーが基板の上に成長した酸化物結晶から成長している場合は、それらの酸化物結晶粒は粒同士で強固に結合して、粒とウィスカーが連続した結晶をなし巨視的に基板を形成している。すなわち、ウィスカーの成長方位は、根元の結晶粒の面方位を反映している。これらのウィスカーの結晶性は、根元の結晶粒からエピタキシャル成長した無欠陥完全結晶である場合もあるし、内部にらせん転位や刃状転位やキンクなどの結晶欠陥を有するウィスカーである場合もある。
図10に示すのは、全長にわたって結晶欠陥を有する酸化鉄ウィスカーの電子顕微鏡写真である。
この効果により本発明で述べるウィスカーは、触媒に使用される場合でも、ガス流れから受ける外部応力に対して、基板から脱落しにくいので、実用性に優れている。
ウィスカーの生える方向をそろえるためには、基板の酸化物結晶の方位に配向性を持たせれば良い。そのためには、面方位が(110)や(100)などに揃った基板に用い、この最表面を酸化させ、ウィスカーを成長させる基板とする。もしくは基板表層の酸化物結晶粒を選択エッチングすることで、ウィスカーの成長しやすい酸化物結晶面を残す、という方法が採れる。
また、ウィスカーの生える密度を上げるためには、基板表層の酸化物結晶粒径を細かくするという方法を取れる。そのほかの方法として、図2に示す様に、1つの酸化鉄結晶粒から複数のウィスカーを成長させるという方法を採用することができる。
また、基板のウィスカー発生側の表面に引張り、圧縮、せん断力による塑性変形を与え、基板金属の結晶粒を微細化したり、歪を与えて、多数の転位を導入することによりそこに高密度にウィスカーを成長させる方法も採用することができる。
本発明においては基板の形状は問わない。板・箔状でも棒状でも、機械加工もしくは鋳物や接着・熔接で複雑な形状に仕上げられたものでも、使用目的に応じどんな形でも良い。 ハニカム状、チューブ状の基板とし、内壁、外壁にウィスカーを成長させてもよい。
本発明で規定する酸化鉄ウィスカーは、樹枝状粒子が混在していない微細な酸化鉄ウィスカーを得ることができ、高密度の磁気記録用磁性体として最適な素材である。さらにその細さと強度の高さからマイクロマシンの部品として有用である。
また、基板上に上向きに成長した微細な直径の高アスペクト比の酸化鉄ウィスカーを形成した構造は、触媒効率の高い目詰まりを生じない炭酸ガス分解用の優れた触媒として有用である。
また、基板上に上向きに成長した微細な直径の高アスペクト比の酸化チタンウィスカー形成した構造は、光触媒として応用することにより、反応面積が大きく、目詰まりの起こりにくい特性を発揮することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図4を参照しながら基板上にウィスカーを発生させる方法について説明する。まず受け台15に固定された金属製の受け円盤16に基板10を乗せる。 図4には図示されてないが、燃焼ガスボンベ、酸素ボンベ、流量計がバーナーに配管されている。燃焼ガス流量、酸素ガス流量を調整しガスに点火しテーパー穴を通して炎18により基板の加熱面12を加熱する。 熱電対で基板のウィスカー発生面11の温度を測定し、燃焼ガス、酸素ガス流量を調整し、ウィスカー成長に適切な温度を得る。次にウィスカー成長に必要な穴14を有する金属製の蓋円盤13を乗せ、成長に適切な時間加熱する。
蓋円盤13に開けられた穴14は適切な長さ径を有するウィスカーを成長させるに必要量の酸素を含む大きさであることが必要である。あるいは、ウィスカー成長に適切な酸素分圧を有する酸素ガスを含むガス(例えばアルゴンガス)を流すことでもよい。また、図示してないが穴14にガス管を配管し酸素原を含むガスを封入する事も、一定の流量で流す事も可能である。
また、加熱方法は炎18以外の方法を取ることも可能である。たとえば熱線による加熱、高温ガスによる加熱、高温の金属による接触加熱等によって基板温度のより均一化が行える。
図4では基板は蓋円盤13、受け円盤16により挟まれているが、円形である必要はなく、基板の形態により適切な形状であればよい。
本ウィスカー発生法ではウィスカー成長過程におけるウィスカー温度、加熱時間、酸素分圧はウィスカー密度、ウィスカー径と長さ、ウィスカー形態を制御し目的のものを得るため適切な条件を選ぶことが必要である。
[実施例]
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
穴14とテーパー穴径を20mmとし、穴の中心部と円周部で大きな温度差を得るために薄い0.1mmのSUS304箔を基板10とし、プロパンガスと酸素ガスで炎18を点火して穴17より該基板を加熱し、15分間加熱した。中心に近い部分では径約200nm〜1.7ミクロン、約長さ0.2mmまでの無数のウィスカーが観測された。中心から7mm離れた辺りでは、より小さい径50nm〜100nm, 長さ約20ミクロンのウィスカーが観測された。
同じサイズのSUS304箔の基板を同じ条件で加熱し、蓋円盤13を外して加熱し、該基板表面の温度変化が少なくなったところで温度測定をしたところ、酸化鉄ウィスカーの発生した部分の温度は約900℃〜450℃であリ,酸化鉄ウィスカーの発生は450℃前後から900℃前後で起こった。
次にSUS304の代わりに0.1mm厚のチタン箔を基板として使用し20分間加熱してウィスカーを成長させた。中心に近い部分では径約200nm〜10ミクロン、長さ約0.4mmまでの無数のウィスカーが観測された。中心から7mm離れた辺りでは、より小さい径10nm以下〜100nm, 長さ約400nmまでの酸化チタンウィスカーが観測された。
同じサイズのチタン箔の基板を同じ条件で加熱し、蓋円盤13をはずし加熱し該基板表面の温度変化が少なくなったところで温度測定をしたところ、酸化チタンウィスカーの発生した部分の温度は約850℃〜450℃であリ、化鉄ウィスカーの発生は450℃前後から850℃前後で起こった。
図5を参照しながら反応管内で基板上にウィスカーを発生させる方法について説明する。まず、基板20を基板ホルダー21上に固定し、反応管22の中に入れ、電気炉23の中に反応管を固定する。反応管に接続されたガス導入ライン24から酸素を含むガスを導入し、ガス排気ライン25より排気しながら反応管内のガス圧を設定し、ガス内の酸素分圧をウィスカー成長に適切な分圧に設定する。
図5には図示されていないが、ガス導入ライン24には、酸素ガス、不活性ガス、ガス流量計、反応管内の基板20の温度を測定する熱電対、反応管内のガス圧を測定する計器、ガスの流入量をコントロールするバルブが接続されている。 また、ガス排気ライン25には排気用真空ポンプ、リリーフバルブ、ガスの流出量をコントロールするバルブが接続されている。
次に電気炉23により反応管を加熱し、ガス流量に対応したウィスカー成長に適切な基板温度に適切な時間保つ。
基板20を加熱した後に適切な酸素分圧を有するガスを流すことにってもウィスカーは成長する。 あるいは、始に反応管内の酸素分圧を決めガスを反応管内に導入し、ガス導入ライン、ガス導出ラインのバルブを閉じ、ガスの流入、流出なしでウィスカーを成長させることもできる。
本ウィスカー発生法ではウィスカー成長過程におけるウィスカー温度、加熱時間、酸素分圧はウィスカー密度、ウィスカー径と長さ、ウィスカー形態を制御し目的のものを得るため適切な条件を選ぶことが必要である。
基板22として、1mm厚さの純鉄板を使用し、酸素分圧20,000Paの酸素ガスとアルゴンガスを反応管22に封印し、約5分間で650℃まで加熱し、1時間温度を650℃に保った。 その後冷却し、表面を観測したところ、径100nm以下長さ約2ミクロンの酸化鉄ウィスカーが表面に均一に密集してほぼ該基板に垂直に該基板表面に発生した。冷却後の酸素分圧はほぼゼロに近かった。酸化鉄ウィスカー成長は酸素分圧20,000Paから圧力測定装置の測定限界である0.1Pa近くまでの分圧で行なわれた。
次に、基板22として、1mm厚さの純チタン板を使用し、酸素分圧20,000Paの酸素ガスとアルゴンガスを反応管22に封印し、約5分間で750℃まで加熱し、2時間温度を750℃に保った。 その後冷却し表面を観測したところ、直径50nm以下長さ1ミクロンの酸化チタンウィスカーが表面に均一に密集してほぼ該基板に垂直に該基板表面に発生した。冷却後の酸素分圧はほぼゼロに近かった。酸化チタンウィスカー成長はウィスカー成長は酸素分圧20,000Paから0.1Pa近くまでの分圧で行なわれた。
メタンガスと酸素の予混合ガス炎を、基板にSUS304鋼の、厚さ1mmの板を用いて、図4に示す構成で、ウィスカーの生成を行った。 ガス管に内径1/4インチ管を使用し、メタンガスと酸素ガスは化学量論比よりも酸素を7vol%減らして、これを流量総計毎分5リットルで燃焼ガスとして供給した。 炎の当たっていない側の基板のウィスカー発生面の最高温度部が700℃の状態になるように炎の位置を決め、2時間保持した。その結果、炎の当たっているのとは反対の基板表面の、直径1cmの円状の範囲から10μm四方当たり10本の密度でマグネタイトウィスカーが生成し、長さ100nm〜1cm、直径50nm以下〜300nmであった。
図4に示す構成で、ウィスカーの生成を行った。図4の基板にSS400鋼の、厚み2mmの板を用いて、その他の条件は実施例1と同一の条件で1時間生成を行った。その結果炎の当たっているのとは反対の基板面の、直径1cmの円状の範囲から無数のマグネタイトとヘマタイトの混晶ウィスカーが生成し、最も長いものは長さ8.5mm、直径1.9μmであった。
酸素10vol%、窒素88vol%、塩素2vol%のガスを雰囲気に用い、基板にSWRS92A(ピアノ線材用)鋼の厚み0.1mmの板を用いて、そのほかの条件は実施例1と同一の条件で5分間生成を行った。その結果炎の当たっているのとは反対の基板表面の、直径8mmの円状の範囲から10μm四方当たり8本の密度でウスタイトウィスカーが生成し、最も長いものは長さ280nm、直径5nmであった
図4に示す構成で、ウィスカーの生成を行った。図4の基板に純チタンの、厚み2mmの板を用いて、温度条件以外は実施例1と同一の条件で、炎の当たっていない側の基板のウィスカー発生面の最高温度部が710℃の状態になるように炎の位置を決め、1時間生成を行った。その結果炎の当たっているのとは反対の基板面の、直径1.5cmの円状の範囲から無数の酸化チタンウィスカーが生成し、最も長いものは長さ1mm、直径16μmであった。
図5に示す構成で、30mm x 30mm, 厚さ1mmの純鉄を基板としウィスカーの生成を行った。 アルゴンと酸素ガスの混合気体を15CCMで流し、排気流量を調整し気体の圧力を500Paに保ち、酸素分圧を150Paとして、5分で700℃に昇温度し、30分その温度に保った。その後、混合ガスの流れを止め、反応管内を排気し、電気炉の蓋を開き空冷した。 径50nm以下〜100nm, 長さ約1ミクロンのマグネタイトウィスカーが基板表面全体に均一に、基板表面にほぼ垂直の向きで密集して成長した。
基板に30mm×30mm, 厚さ1mmの純チタンの板を用いて、そのほかの条件は実施例6と同一の条件でウィスカー生成を行った。 径50nm〜100nm, 長さ約500nmの二酸化チタントウィスカーが基板表面全体に均一に、基板表面にほぼ垂直の向きで密集して成長した。
図5に示す構成で、直径1mmで長さ10cmのSS40鋼のワイヤー、直径1mmで長さ10cmのインバーのワイヤー、直径1mmで長さ10cmの304のワイヤー、直径1mmで長さ10cmの純鉄のワイヤーを基板とし、各々のワイヤー表面でのウィスカー生成を行なった。 アルゴンと酸素ガスの混合気体を15CCMで流し、排気流量を調整し気体の圧力を500Paに保ち、酸素分圧を150Paとして、5分で750℃に昇温度し、30分その温度に保った。その後、混合ガスの流れを止め、反応管内を排気し、電気炉の蓋を開き空冷した。 各々のワイヤー表面に径50nm以下〜100nm, 長さ約200nm〜1ミクロンの酸化鉄ウィスカーが基板表面全体に表面にほぼ垂直の向きで密集して成長した。
ウスタイトウィスカー先端部の電界放射走査電子顕微鏡写真。直径5nm、長さ230nm。 マグネタイトとヘマタイトの混晶ウィスカーの成長根元。直径100nm〜3μm。最も長いもので直径1μm、長さ1cm。背景は基板表面のマグネタイト多結晶。 マグネタイトウィスカーの先端(直径750nm、長さ4.2m。太さの周期的な変動を呈す。) 燃焼炎によるウィスカー発生用の基板とウィスカー発生装置例の断面図。 反応管でのウィスカー発生用の基板とウィスカー発生装置例の断面図。 各種酸化物の平衡解離圧模式図。 成長中の酸化鉄ウィスカー根元断面模式図 酸化チタンウィスカーの成長した基板。 基板上に均一に密に成長した酸化鉄ウィスカー。 渦巻状、階段状のウィスカー。 ナノチューブ状ウィスカー。
符号の説明
10 基板
11 ウィスカー発生面
12 加熱面
13 蓋円盤
14 穴
15 受け台
16 円盤
17 テーパー穴
18 炎
19 バーナー
20 基板
21 基板ホルダー
22 反応管
23 電気炉
24 ガス導入ライン
25 ガス排気ライン

Claims (4)

  1. 酸素を含有する雰囲気中で、純鉄又は合金鋼材からなる基板を加熱することにより、
    該雰囲気中の酸素と基板中の鉄の表層に向けた拡散とにより供給される鉄との間のCu又 はAg微粒子を介しない、直接の反応により該基板表面の金属結晶粒上に成長せしめたマグネタイトウィスカーを形成した基板。
  2. 酸素を含有する雰囲気中で、純鉄又は合金鋼材からなる基板を加熱することにより、
    該雰囲気中の酸素と基板中の鉄の表層に向けた拡散とにより供給される鉄との間のCu又 はAg微粒子を介しない、直接の反応により該基板表面の金属結晶粒上に成長せしめて得られた、鉄以外の金属原子含有率10atm%以下、直径5nm〜2μm、アスペクト比20以上の高アスペクト比ウィスカー。
  3. 酸素を含有する雰囲気中で、純鉄又は合金鋼材からなる基板を加熱することにより、
    該雰囲気中の酸素と基板中の鉄の表層に向けた拡散とにより供給される鉄との間のCu又 はAg微粒子を介しない、直接の反応により該基板表面の金属結晶粒上に成長せしめることを特徴とする、マグネタイトウィスカーの製造方法。
  4. 上記基板の加熱において、基板の厚み方向で基板表面に向けて温度が低くなる温度勾配を設けてウィスカーの成長を促進することを特徴とする請求項3記載のマグネタイトウィスカーの製造方法。
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