JP4840794B2 - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、キャパシタ構造を有する電子デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノートブックコンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(Personal Digital Assistant;PDA)等に代表される携帯端末の普及により、電子デバイスの低消費電力化がますます重要になってきている。最近では、低消費電力用電子デバイスとして、上部電極(金属)/強誘電体薄膜/下部電極(金属)構造(このような構造をMFM構造と称する。)を有するキャパシタを利用した強誘電体メモリデバイスが注目されており、例えば、MFMIS(金属/強誘電体/金属/絶縁層/シリコン)構造、MFIS(金属/強誘電体/絶縁層/シリコン)などの構造を有する強誘電体メモリデバイスに関する研究もなされている。
【0003】
強誘電体メモリデバイスは、映像、音声等の大容量データを一括して高速に処理することが求められるマルチメディア機器に搭載する電子デバイスとして大いに期待されている。強誘電体メモリデバイスでは、強誘電体材料が有する誘電分極特性を利用し、外部電界によって分極の方向を制御することにより、 “0”又は“1”の2値データを記憶・保持することが可能である。記憶されたデータは、電源をオフした後でも長時間保持される。従って、DRAMと異なりデータ保持のためのリフレッシュが不要であり、またSRAMと異なり記憶データの保持の際に電圧を印加しておく必要もない。要するに記憶されたデータの保持に電力が不要であり、いわゆる不揮発性のメモリデバイスとして利用できる。
【0004】
以上に説明した特徴的な電気的性質を有する強誘電体メモリデバイスでは、一般的にキャパシタ用誘電体膜として強誘電体材料の薄膜が用いられる。この強誘電体材料の薄膜は、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で製造されている。強誘電体材料の薄膜は、高温度の酸素アニール(結晶化アニール)が必要である。例えば、主に研究が進められているチタン酸ジルコン酸鉛(PZT;PbZrTi1−X)ペロブスカイト型強誘電体材料(ABO)の結晶化アニール温度は500〜600℃であり、ストロンチウムビスマスタンタレート(SBT;SrBiTa)の結晶化アニール温度は750〜850℃であり、ビスマスチタネート(BIT;BiTi12)にランタン(La)をドープしたビスマスランタンチタネート(BLT;Bi4−XLa Ti12)層状構造強誘電体材料(BiAm−13m+3)の結晶化アニール温度は650〜700℃程度であることが既に知られている(B.H.Park,B.S.Kang,S.D.Bu,T.W.Noh,J.Lee and W.Jo,Nature,Vol.401,p.682(1999))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PZT、SBT及びBLT等に代表される強誘電体材料の薄膜を形成するためには、上記従来の技術の欄で説明したように、酸素雰囲気下での高温焼成が必要である。このような高温焼成により電極構造等へ深刻なダメージを与えてしまうという問題がある。
【0006】
具体的な例を挙げて説明すると、下部電極構造材料として一般的に用いられている白金(Pt)は、酸素の透過率が高いため、例えば、Ptの下層に設けられ従来からバリアメタルとして良く知られているチタンナイトライド(TiN)が酸化されたり、或いは、バリアメタル下層のシリコンプラグが酸化されたりしてコンタクト抵抗が増大するという問題があった。
【0007】
本発明は、強誘電体材料を形成する際の熱履歴によるデバイスに対するダメージを低減する技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、下部電極構造の一部として、窒素を含有する窒化物層を設け、その窒化物層を二つ以上の原子種と、窒素原子の少なくとも3つ以上の原子種で構成する。このような窒化物層を設けることにより、酸素、金属等の拡散に対するバリア性を付与し、デバイス製造工程に於ける熱的ダメージを低減可能にする。
【0009】
また本発明では、下部電極構造と下地の間に付着層を設ける。この付着層は、下部電極構造の最下部が窒化物層である場合に特に有効であり、下部電極構造の表面モフォロジーを向上可能にする。
【0010】
また本発明では、下部電極構造の一部としての窒化物層の組成を提供するために、窒化物層にチタン、クロム、アルミニウム、シリコンの少なくとも一つ以上を含有させる。このような組成を有する窒化物層は、酸素、金属等の拡散に対するバリア性、特に、高酸素アニールに対する酸素耐性向上を可能にする。
【0011】
また本発明では、機能膜構造として強誘電体材料を用いる。このような構成の電子デバイスは、下部電極構造に設けられた窒化物層が高い酸素耐性を有するため、電子デバイスに対する熱的ダメージを低減可能にする。
【0012】
また本発明では、機能膜構造として高温瞬時アニールにより形成された強誘電体材料を用いる。このような構成の電子デバイスは、下部電極構造に設けられた窒化物層が高い酸素透過耐性を有するとともに、瞬時アニールを用いることにより電子デバイスに対する熱的ダメージを低減する。
【0013】
また本発明では、電子デバイスを製造するための工程として、上部電極構造形成工程、機能膜構造形成工程、下部電極構造形成工程を備え、機能膜構造を形成する機能材料の結晶化アニール工程を高温瞬時アニールで行う。このような高温瞬時アニールを用いることにより、電子デバイスの製造過程での熱的ダメージを低減する。
【0014】
また本発明では、高温瞬時アニールのアニール温度を、機能膜構造を形成する材料の結晶化温度よりも100℃以上高く設定する。高温瞬時アニールのアニール温度が結晶化温度付近であると、本発明の高温瞬時アニールの効果は小さくなってしまう。また、上限に関しては、電子デバイスの構造、材料、構成により大きく異なるが、200℃以上高く設定して高温瞬時アニールを施した場合、実験した大部分の電子デバイスが熱的ダメージを受けた。本発明で検討した結果によれば、もちろん材料により異なるが、100〜150℃程度を目安にして高温瞬時アニールを行うことが好ましい。
【0015】
また本発明では、高温瞬時アニールの昇温速度を、10℃/秒以上の速さに設定するのが好ましい。高温瞬時アニール法として一般的に用いることができるRTA(Rapid Thermal Annealing)が好適である。本発明の高温瞬時アニールは、昇温速度が10℃/秒以下では効果が得にくくなる。また、300℃/秒程度の高温瞬時アニールでも効果は得られるが、温度がオーバーシュートしないように工夫しなければならず、アニール装置に冷却装置等の装備が必要となり、装置コストが高くなるデメリットも生じるようになる。低コストで、かつ、簡便に高温瞬時アニールを行うことを考慮に入れると、50〜150℃/秒程度が好適な昇温速度となる。
【0016】
また本発明では、高温瞬時アニールのアニール時間を、10分以下に設定するのが好ましい。高温瞬時アニールのアニール時間の設定は、アニール温度、昇温速度に大きく関係してくる。実験的には、0.25〜3分程度で十分な高温瞬時アニールの効果が得られている。但し、デバイスの熱的ダメージが小さいようであれば、10分程度のアニール時間の高温瞬時アニールを行い、電子デバイスの電気的特性を大いに向上するのが好ましい。
【0017】
また本発明では、高温瞬時アニール後に結晶中に導入されたダメージを回復するために結晶ダメージ回復アニールを提供する。そのために、機能膜構造を形成する工程として、有機金属分解アニール工程と、結晶化アニール工程(高温瞬時アニール)と、結晶ダメージ回復アニール工程を備えることを特徴とする。高温瞬時アニールの後に設けられる結晶ダメージ回復アニールは、比較的低温度で行う必要があり、アニール温度は結晶化温度以下(50〜100℃以下程度が好ましい)が好適である。このような結晶ダメージ回復アニール工程を結晶化アニール工程の後に施すことにより、リーク電流が大幅に低減する。結晶ダメージ回復アニール工程は電子デバイスのリーク特性向上をアシストするプロセスと位置付けられる。
【0018】
また本発明では、高温瞬時アニールをアシストする結晶ダメージ回復アニールを提供するために、機能膜構造を形成する工程として、有機金属分解アニール工程、結晶化アニール工程(高温瞬時アニール)、結晶ダメージ回復アニール工程を備える。高温瞬時アニールの後に設けられる結晶ダメージ回復アニールは、比較的長時間(昇温速度にはあまり依存しない)行われるのが好ましく、例えば、アニール時間は30〜60分程度が好適である。上記の条件で結晶ダメージ回復アニール工程を行うことにより、リーク電流が大幅に低減する。結晶ダメージ回復アニール工程は電子デバイスのリーク特性向上をアシストするプロセスと位置付けられる。
【0019】
また本発明では、高温瞬時アニールをアシストする有機金属分解アニールを提供するために、有機金属分解アニールにおいて、アニール温度を有機金属材料の分解温度以上、機能膜構造を形成する材料の結晶化温度以下で行い、且つ、有機金属分解アニールを複数回施すのが好ましい。高温瞬時アニールの前に設けられる有機金属分解アニールは、有機金属を燃焼して分解するとともに、高温瞬時アニールで結晶化する際の準備段階ともなる工程である。有機金属分解アニールを有機金属の分解温度以下で行い、その後の工程を進めると、機能膜構造が熱的ダメージを受ける。これは、機能膜構造に残存する炭化水素成分に影響していると考えられる。従って、機能膜構造に炭化水素成分が残存しないような有機金属分解アニール条件が必要である。
【0020】
また、有機金属分解アニールを機能膜構造が形成する材料の結晶化温度以上で行い、工程を進めると、高温瞬時アニールの効果が低減してしまう。従って、高温瞬時アニールを効果的に利用し、電子デバイスを製造するためには、高温瞬時アニール前に機能膜構造を結晶化させないような有機金属分解アニール条件が必要である。更に、上記のように最適化された条件で有機金属分解アニールを複数回施すことが重要である。有機金属分解アニールを複数回施す方法としては、薄い有機金属膜を堆積し、その堆積を行う毎に有機金属分解アニールを施す。例えば、100nmの機能膜構造を製造する場合、100nmの有機金属膜を堆積し、1回有機金属分解アニールを行うよりはむしろ、20nmの有機金属膜を堆積し、有機金属分解アニールを行い、更に、20nmの有機金属膜を堆積し、有機金属分解アニールを行いというように、5回(20nm×5=100nm)に分けて有機金属膜を堆積し、5回有機金属分解アニールを行うのが好ましい。もちろん、10nmの有機金属膜を堆積し、10回有機金属分解アニールを行っても良い。このように、薄い有機金属膜に対して最適化された条件で有機金属アニールを行い、これを累積していくことにより、高温瞬時アニールをより効果的に用いることが可能となり、電子デバイスのデバイス特性向上、例えば強誘電体特性が向上する。このような点で、有機金属分解アニール工程は、結晶ダメージ回復アニール工程と同様に、高温瞬時アニールをアシストするプロセスとして位置付けることができる。
【0021】
また本発明では、下部電極形成工程を、電極層形成工程と、電子デバイスの熱的ダメージを低減する上で中心的な働きを行う窒化物層を形成する工程と、下部電極構造上の機能膜構造を保持する上で重要な働きを行う付着層形成工程とを含む。
【0022】
また本発明では、下部電極形成工程の中の特に窒化物層形成工程を提供するために、窒化物層形成工程を、窒素と化学反応させた結果として形成した窒化物層を堆積する。例えば、反応性スパッタ、CVD(Chemical VaporDeposition)法等が挙げられる。窒素の化学反応を利用して堆積する理由は、窒素組成、窒素以外の複数の原子の組成をそれぞれ最適化できるため、窒化物層の膜質が向上可能になることによる。
【0023】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1の実施の形態による強誘電体キャパシタについて図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態による強誘電体キャパシタの簡略化された構造を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態による強誘電体キャパシタ構造Aは、下部構造1と、下部電極構造3と、強誘電体膜5と、上部電極7とを有している。
【0024】
下部電極構造3は、下部構造1に向けて順に、下部電極層(Pt)3cと、バリアメタル層(CrTiN/TiN)3bと、付着層(ti)3aとを有している。バリアメタル層3bは、下部電極層3cから下部構造1に向けて順に、クロムチタンナイトライド(CrTiN)層3b−1と、チタンナイトライド(TiN)層3b−2との2層構造により構成されている。下部電極層として用いた白金層3cは、強誘電体膜5を形成する機能膜構造材料が強誘電体であるために用いられ、電極としての機能の他に触媒作用も有している。CrTiN層3b−1は、酸素(主に、酸素雰囲気中でのアニールの際の基板外側(上方)からの酸素拡散に対するバリア作用を有し、TiN層3b−2は、下部構造1を形成する材料である例えばタングステン(W)プラグからのタングステンまたはシリコン(Si)プラグからのシリコンに対する拡散バリアとして作用する。
【0025】
窒化物層として用いたCrTiN層3b−1は、Cr、Ti、Nの3種類の元素から構成されており、3元素の成分に関する組成制御が可能な反応性スパッタリング法により形成した。本実施の形態においては、他の材料であるPt、TiN、Ti等も従来のスパッタリング法により形成した。尚、TiN層及びCrTiN層に関しては、Nを含むガス雰囲気中での反応性スパッタリング法により形成することも可能である。両バリア層を連続形成しても良いし、反応性スパッタリング法により組成をTiNに追加する元素の組成を傾斜させても良い。
【0026】
尚、酸素バリア層として用いたCrTiN層の代わりに、AlTiN、SiTiN等を用いることも可能である。すなわち、Ti、N以外の元素としてはCr、Al、Siのうちから選択される少なくとも1つの元素を含むのが好ましい。
2種類以上の元素を含んでも良い。
【0027】
CrTiNを酸素バリア層として用いた場合の典型的な酸素バリア特性を図2に示す。図2中の酸素アニールは、酸素雰囲気中で、アニール時間を30分とし、アニール温度をパラメータとした。図2の横軸はアニール温度であり、縦軸はCrTiNの比抵抗である。○印はCrリッチなCr0.69Ti0.31N、□印は、CrとTiがほぼ同等なCr0.54Ti0.46N、△印はCr0.32Ti0.68Nをそれぞれ用いた場合の結果である。尚、参考のために、●印でTiNを用いた場合のデータも示す。
【0028】
CrTiNを用いた場合は、アニール温度が600℃までは比抵抗が変化しないが、その後、急激に比抵抗が増加し、酸化されたことを意味している。酸素に対するバリア性は、CrTiN中のCrの組成が大きい程良好であった。一方、Crを含有しないTiNは、酸素に対するバリア性が著しく低く、400℃〜500℃程度でも酸化されている。この結果より、酸素に対するバリア性に関しては、TiNに比べてTiNにCrも含まれるCrTiNの方が優れていることがわかる。
【0029】
図3は、本実施の形態による強誘電体薄膜を形成する際の工程を示すフローチャート図であり、図4は、本実施の形態による強誘電体薄膜製造工程の要部を示す断面図である。本実施の形態においては、簡便な方法であるゾルゲル法を用いて強誘電体薄膜を形成した。また、本実施の形態においては、熱履歴の条件だけではなく、熱履歴を与えるタイミング(プロセスインテグレーション)が重要な意味を有することがわかる。これらを十分に説明するためには、ゾルゲル法が最も良い例であるが、その他の形成方法であるスパッタリング法、CVD法により形成した場合も、ゾルゲル法で形成した強誘電体メモリデバイスと同様の傾向を有するものと考えられる。
【0030】
また、図3及び図4に示すフローチャート図は、ゾルゲル液が形成可能な材料を用いる全ての電子デバイスに適用可能であり、強誘電体薄膜の形成工程のみにその適用が限定されるものではない。
【0031】
また、強誘電体材料に関しては、本実施形態に於いては、BLT(BLT;Bi4-XLaXTi3O12)を例にして説明するが、他の強誘電体材料、例えば、PZT(PZT;PbZrXTi1-XO3)、SBT(SBT;SrBi2Ta2O9)に関しても、同様の熱履歴を与えるタイミング(プロセスインテグレーション)であれば、同様の結果が得られるものと推定される。
【0032】
尚、本実施の形態においては、簡略化した構造として上部電極/強誘電体薄膜/下部電極のキャパシタ構造を形成したが、実際の強誘電体メモリデバイスは、例えば、所望の設計を施したCMOSトランジスタからなる集積回路の上層に絶縁膜を介して強誘電体薄膜キャパシタを設け、上部電極と下部電極との間に適切な電圧が印加されると、強誘電体薄膜キャパシタにデータが書き込まれ、保持される。このような強誘電体メモリデバイスの構造や動作原理等に関しては、数多くの文献に開示されている。
【0033】
ここで、図1、図3及び図4を参照しつつ、本実施の形態による強誘電体メモリデバイスの製造方法について具体的に説明する。
【0034】
まず、下部構造1上に下部電極構造3を形成し(図(a)、図のステップS1)、この下地となる基板にゾルゲル液(5)を塗布する(図(b)、図のステップ2)。本実施の形態で用いたゾルゲル液は、5〜10重量%のBLT(Bi3.35La0.75Ti12)であり、塗布(スピンコート)条件は、2500rpm、20秒である。この際のBLT薄膜5の膜厚は、ゾルゲル液の粘度、スピンコートの回転数により決まる。検討結果によれば、5重量%のBLTを2500rpmでスピンコートした場合にはBLT薄膜の膜厚は約25nm、10重量%の場合には約75nmであった。また、下部構造1上に下部電極3cとして白金(Pt)層が形成されている基板を用いた。これは、Pt層により形成される下部電極3が、BLT薄膜の結晶化の際に触媒作用を有するためであり、本実施の形態では、具体的にはPt(200nm)層3cを下部構造1であるシリコンウエハ上に形成した構造(図1と同じ構造)を用いた。
【0035】
次に、塗布したゾルゲル液を乾燥させる(ステップS3)。本実施の形態においては、乾燥条件は240℃、10分間であり、ホットプレートを用い、空気中で乾燥させた。これにより、ゾルゲル液中の溶媒を蒸発させることができる。乾燥温度は、溶媒を蒸発させることができる温度以上であって、かつ、BLTが結晶化する温度以下であるのが好ましい。
【0036】
次いで、下地基板(1、3)上に堆積されたゾルゲル液の有機金属を分解するために、有機金属分解アニールを行った(図3のステップS4)。有機金属分解アニール条件(酸素雰囲気中)は、温度300〜500℃、時間10分で、RTAを用いた。BLT薄膜のトータル膜厚は、図3に示すように、上述のゾルゲル液塗布(ステップS2)〜有機金属分解アニール(ステップS4)のサイクル(1からNまで)の回数により制御可能である。本実施の形態に於いては、150nm(10重量%の場合はN=2、5重量%の場合はN=6)の条件でBLT薄膜を形成した。
【0037】
次に、Pt下部電極が形成されたシリコンウエハ(1、3)上にBLT薄膜5が形成された構造で、BLTの結晶化アニール(RTA、酸素雰囲気中)を行う。この結晶化アニールが本実施の形態を特徴付ける工程である。結晶化アニールは、一般的な結晶化アニールと異なり、昇温速度を高くし、結晶化アニール温度を高めにし(従来のBLT薄膜の結晶化温度は650〜700℃程度)、アニール時間を短くすることを特徴とする(以降、このような特徴を有する結晶化アニールを高温瞬時アニールと称することがある)。本実施の形態では、高温瞬時アニール条件は、昇温速度が70℃/sec、高温瞬時アニール温度が750℃、高温瞬時アニール時間が30秒であった。また、このような高温瞬時アニールは、各サイクルの仮焼後に毎回行っても良い。この場合、トータルの熱履歴を予め計算し、トータル高温瞬時アニール時間をサイクル数で除算することで実質的な1回のアニール時間を求めることができる。
【0038】
次に、キャパシタ形成のために、上部電極を形成(図4(c)参照)する。本実施の形態においては、簡単のため所望サイズの直径を有する細孔パターンを有するメタルマスクを用い、蒸着法によりPt膜を堆積した。堆積後のPt上部電極7の直径は200μmである。最後に、プロセスダメージを緩和するために、結晶ダメージ回復アニール(RTA、酸素雰囲気中)を行った。結晶ダメージ回復アニール条件(RTA、酸素雰囲気中)は、550℃〜650℃、30分〜60分である。
【0039】
本実施の形態による電子デバイスの製造方法は、高温瞬時アニールを用いて薄膜の結晶化を行うことを特徴とするとともに、図3に示す有機金属分解アニール工程S4と、結晶化アニール(高温瞬時アニール)S5と、結晶ダメージ回復アニールS7と、をそれぞれ関連付けて適正化することにより、最大限、電子デバイスの特性を向上するようにプロセス設計を行うことを特徴とする。
【0040】
このように、有機金属分解アニールと、高温瞬時アニールと、結晶ダメージ回復アニールと、を関連付けたトータルのプロセスは、高温瞬時アニールプロセスとして位置付けられるものである。すなわち、高温瞬時アニールのみでは、強誘電体薄膜の高品質化が不十分である。例えば、強誘電体薄膜を高温瞬時アニールのみで処理すると、強誘電体薄膜が得られるものの、強誘電体特性、リーク特性に問題が生じる場合もある。有機金属分解アニールを最適化し、強誘電体特性を向上すること、結晶ダメージ回復アニールを最適化し、リーク電流特性を向上することが必要である。このような意味で、高温瞬時アニールを、有機金属分解アニール及び結晶ダメージ回復アニールとコンビネーションすることにより、相乗効果が得られる。
【0041】
以下に、実験データに基づき、高温瞬時アニールプロセスの最適化について説明する。尚、図4から図13までの実験に用いた下地基板(1、3)は、下部電極層(Pt)3cの下層に窒化物層(CrTiN/TiN)3bを設けた下部電極構造を有し、更に、TiNの下層にはTi層3aを付着層として挿入している。下地基板として、Pt/CrTiN/TiN/Ti層を用いた理由は、一般的に用いられるPt/Tiに比べて高温での酸素耐性が低いためであり、熱ダメージに乏しい電極構造の例として図1と同様の構造を用いた。
【0042】
また、付着層(Ti)は、酸素雰囲気下での高温アニールによるPt/CrTiN/TiNの剥離を防止するための層であり、例えば、700℃、酸素雰囲気の高温アニールで、付着層であるTi層が存在しない場合には、BLT/Pt/CrTiN/TiN膜が剥離することを実験的に確認した。
【0043】
図5は、BLT薄膜の配向性に及ぼす高温瞬時アニール温度の影響を示す図である。図5に示すように、高温瞬時アニール時間を30秒、昇温速度を70℃/secと一定とし、高温瞬時アニール温度を変化させてBLT薄膜を結晶化させたところ、高温瞬時アニールの温度が高くなるにつれて配向性が向上した。しかしながら、高温瞬時アニールの温度が800℃に達するとサブピークが観測されるようになり、これは、膜に熱ダメージが入っていることを示す。従って、高温瞬時アニールの温度は、750℃程度が最適と考えられる。従来の結晶化アニール(昇温速度;0.8℃/sec、アニール時間;30min)条件においては、アニール温度を750℃にすると、本実施の形態による下部電極構造(Pt/CrTiN/TiN/Ti)が大きな熱ダメージを受け、膜の剥離が生じる。熱的ダメージに弱い電子デバイスを製造する場合には、特に高温瞬時アニールプロセスが有効であることが分かる。
【0044】
図6は、BLT薄膜の強誘電体特性に及ぼすゾルゲル法のサイクル回数N(図3)の影響を示す図である。BLT薄膜のトータル膜厚を150nmで一定とし、サイクル回数N(塗布回数)を2、6と変化させた。サイクル回数Nが2の場合は、10重量%のゾルゲル液を用いてBLT薄膜を形成した(75nm/回)。また、サイクル回数が6の場合は、5重量%のゾルゲル液を用いてBLT薄膜を形成した(25nm/回)。
【0045】
図6に示すように、サイクル回数Nが6の場合のBLT薄膜は、サイクル回数Nが2の場合のBLT薄膜と比較すると、良好なヒステリシス特性を示すことがわかる。この結果より、1サイクル(1回)で形成する膜厚を薄くし、サイクル回数Nを増加させることにより、BLT薄膜の強誘電体特性が向上することが分かる。
【0046】
図7は、BLT薄膜の強誘電体特性に及ぼす結晶ダメージ回復アニールの影響を示す図である。図3に示す上部電極形成工程S6の後に行う結晶に入ったダメージの回復アニールS7の影響を調べた。結晶に入ったダメージの回復アニールの条件は、酸素雰囲気下、温度600℃、昇温速度0.8℃/sec、アニール時間60分間である。前述のように、高温瞬時アニールプロセスは、結晶ダメージの回復アニール及び有機金属分解アニールと密接に関連していると考えられる。まず、強誘電体特性に関して調べたが、BLT薄膜の強誘電体特性と結晶ダメージの回復アニールの有無との間に大きな関連性は見出せなかった。
【0047】
図8は、BLT薄膜のリーク特性に及ぼす結晶ダメージの回復アニールの影響を示す図である。結晶ダメージの回復アニールの条件は、図7と同じである。図8から明らかなように、高温瞬時アニールと上部電極形成後の結晶ダメージの回復アニールとの両方を行うことにより、高温瞬時アニールのみの場合と比べてBLT薄膜のリーク特性は格段に改善されることがわかる。この結果より、BLT薄膜のリーク特性と結晶ダメージの回復アニールとの関連性が高いことがわかる。
【0048】
図9は、BLT薄膜のリーク特性に及ぼす結晶ダメージの回復アニール温度の影響を示す図である。酸素雰囲気下、結晶ダメージの回復アニール時間を30分(昇温速度;0.8℃/sec)と一定にし、結晶ダメージの回復アニール温度を変えてリーク特性を調べた結果、600℃以上で回復アニールを行うことにより、リーク特性が改善した。少なくとも、650℃までは、600℃とほぼ同等の効果が得られることを確認した。結晶ダメージの回復アニール温度が700℃を越えると、デバイスに熱的ダメージを与えることも確認されている。
【0049】
図10は、BLT薄膜のリーク特性に及ぼす結晶ダメージの回復アニール時間の影響を示す図である。酸素雰囲気下、結晶ダメージの回復アニール温度を600℃(昇温速度;0.8℃/sec)と一定にし、結晶ダメージの回復アニール時間を変えてリーク特性を調べたところ、アニール時間の増加に伴いリーク特性が著しく改善されていることがわかる。以上のことから、BLT薄膜のリーク特性は、比較的低温度で、かつ、長時間の結晶ダメージの回復アニールを施すことにより、著しく改善されることが分かる。
【0050】
図7から図10までを参照して説明したように、高温瞬時アニールプロセスにおいて、リーク特性が結晶ダメージの回復アニールと密接に関連することが分かった。次いで、BLT薄膜の強誘電体特性と有機金属分解アニールとの関連性を調べた。図11は、BLT薄膜の強誘電体特性に及ぼす有機金属の分解アニール温度の影響を示す図である。図11に示すように、BLT薄膜の強誘電体特性は、有機金属分解アニール温度が500℃の時に向上が見られた(400℃以下では、本実施の形態によるゾルゲル液中の有機金属の分解が困難になると考えられる)。一方、リーク特性は、ほとんど改善されなかった。また、有機金属分解アニール温度が600℃以上になると結晶化が開始され、高温瞬時アニールによる効果が抑制されてしまうことが考えられる。従って、BLT薄膜の強誘電体特性は、500℃程度の有機金属分解アニールを施すことにより、改善される。
【0051】
以上の結果をまとめると、BLT薄膜の強誘電体特性は、有機金属分解アニールと関連し、そのリーク特性は結晶ダメージの回復アニールと大きく関連するという実験結果が得られた。ここで、従来のアニールで形成したBLT薄膜と、本実施の形態によるアニール(高温瞬時アニールプロセス)で形成したBLT薄膜との電気的特性を比較した。従来のアニール条件は、結晶化アニールが700℃、0.8℃/sec、30分であり、回復アニールが700℃、0.8℃/sec、10分である。本実施の形態によるアニール条件は、結晶化アニール(高温瞬時アニール)が750℃、70℃/sec、30秒、結晶ダメージ回復アニールが600℃、0.8℃/sec、60分である。
【0052】
図12は、本実施の形態による高温瞬時アニールプロセスにより形成したBLT薄膜の強誘電体特性と、従来のアニールプロセスにより形成したBLT薄膜の強誘電体特性とを比較した図である。本実施の形態による高温瞬時アニールプロセスにより形成したBLT薄膜は、従来のアニールプロセスのBLT薄膜と比較すると、スリムな(残留分極が0近傍における傾きが大きい(立ち上がりが早い))ヒステリシスループを描いており、強誘電体特性が改善されていることが確認された。このようにスリムなヒステリシスループが得られるのは、高温瞬時アニールプロセスにより、導電材料(発明者はTiであると推定している)の拡散が抑制されたためと考えられる。
【0053】
図13は、本実施の形態による高温瞬時アニールプロセスで形成したBLT薄膜のリーク特性と、従来のアニールプロセスで形成したBLT薄膜のリーク特性との比較を示す図である。本実施の形態による高温瞬時アニールプロセスで形成したBLT薄膜は、従来のアニールプロセスのBLT薄膜と比較すると、著しくリーク電流が低減しておりリーク特性の改善が確認された。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態による電子デバイスの製造方法における高温瞬時アニールプロセスは、加熱プロセスが必要な場合であって熱ダメージの影響を受けやすい電子デバイスを製造する際に非常に効果的であり、電気的特性が大きく向上することが実験的に確認された。また、本実施の形態による高温瞬時アニールプロセスは、有機金属分解アニール及び結晶ダメージ回復アニールと深い関連性があり、有機金属分解アニールは強誘電体特性の向上に寄与し、結晶ダメージの回復アニールはリーク電流特性の向上に寄与することがわかる。
【0055】
本発明の電子デバイスによれば、電極層、窒化物層、付着層から構成される下部電極構造が酸素、金属等を有効にバリアすること、下部電極構造下の下地に強く保持されていることにより、熱的ダメージを低減した電子デバイスを提供することができる。
【0056】
また、窒化物層にチタン、クロム、アルミニウム、シリコンのいずれかの2つの成分を含有させることにより、熱的ダメージが大きく低減した電子デバイスを提供することができる。
【0057】
更に、機能膜構造として強誘電体材料を用いることにより、最も好適に熱的ダメージを低減可能にした電子デバイスを提供できる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態による電子デバイスの製造方法によれば、機能膜構造を形成する機能材料の結晶化アニールを高温瞬時アニールで行い、そのアニール温度を機能膜構造を形成する機能材料の結晶化温度よりも100℃以上の高さにし、その昇温速度を10℃/秒以上の速くし、そのアニール時間を10分以下の時間にすることにより、電子デバイスに製造過程における熱的ダメージを低減し、電子デバイスの特性を向上させることができる。
【0059】
また、高温瞬時アニールは、有機金属分解アニール、結晶ダメージの回復アニールと密接に関係し、結晶ダメージの回復アニール温度を機能膜構造を形成する材料の結晶化温度以下、アニール時間を30分以上60分以下にすることにより、リーク電流特性を向上させることができる。
【0060】
さらに、有機金属分解アニールのアニール温度を有機金属材料の分解温度以上、機能膜構造を形成する材料の結晶化温度以下にすることにより、デバイス特性、特に強誘電体デバイスの場合における残留分極の大きなデバイスを製造できる。
【0061】
また、下部電極構造を、電極層と、窒化物層と、付着層とで構成することにより、熱的ダメージを低減し、デバイス特性を向上した電子デバイスの製造方法を提供できる。また、窒化物層を、窒素を導入した化学反応を用いて形成することにより、3成分以上の他成分から形成される窒化物層が製造可能となり、酸素、金属等に対するバリア性を著しく向上させることができる。
【0062】
以上、本実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、強誘電体材料を形成する際の熱履歴によるデバイスに対するダメージを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による強誘電体キャパシタの概略構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による酸素バリア層の酸素バリア特性を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による強誘電体薄膜を形成する工程の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施の形態による強誘電体薄膜の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜の配向性に及ぼすFlashing温度の影響を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜の強誘電体特性に及ぼすゾルゲル法のサイクル回数の影響を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜の強誘電体特性に及ぼす回復アニールの影響を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜のリーク特性に及ぼす回復アニールの影響を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜のリーク特性に及ぼす回復アニール温度の影響を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜の強誘電体特性に及ぼす回復アニール時間の影響を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態によるBLT薄膜の強誘電体特性に及ぼす仮焼温度の影響を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるFlashingアニールプロセスで形成したBLT薄膜の強誘電体特性と、従来のアニールプロセスで形成したBLT薄膜の強誘電体特性とを比較した図である。
【図13】本発明の一実施の形態によるFlashingアニールプロセスで形成したBLT薄膜のリーク特性と、従来のアニールプロセスで形成したBLT薄膜のリーク特性とを比較した図である。
【符号の説明】
1…下部構造(シリコンウエハ、多結晶シリコンプラグ、タングステンプラグなど)、3…下部電極構造、3a…Ti密着層、3b…バリアメタル層、3b−1…CrTiN層、3b−2…TiN層、3c…下部電極(Pt)、5…強誘電体薄膜(BLT薄膜)、7…上部電極(Pt)。

Claims (7)

  1. 下部構造の上にキャパシタ構造を形成する電子デバイスの製造方法であって、
    前記下部構造上にバリアメタル層を形成する工程と、
    該バリアメタル層上に下部電極層を形成する工程と、
    該下部電極層上にBLTからなる強誘電体膜を形成する工程と、
    BLTからなる強誘電体膜上に上部電極層を形成する工程であって、前記下部電極上に前記BLTからなる強誘電体膜の有機金属材料を堆積する工程と、有機金属分解アニールを行い、結晶化アニールを行い、結晶ダメージ回復アニールを行う工程とを含んでおり、
    前記有機金属分解アニールのアニール温度を、前記有機金属材料の分解温度以上、前記BLTからなる強誘電体膜を形成する材料の結晶化温度以下で行い、前記結晶化アニール工程が酸素雰囲気下での高温瞬時アニール工程であり、前記高温瞬時アニールのアニール温度を、前記BLTからなる強誘電体膜を形成する材料の結晶化温度よりも100〜150℃高く設定し、前記結晶ダメージ回復アニールのアニール温度を、前記BLTからなる強誘電体膜を形成する材料の結晶化温度よりも50〜100℃低く設定し、
    前記下部構造上にバリアメタル層を形成する工程は、前記下部構造側から前記上部電極側に向けて、TiN拡散防止層と、TiNに加えてCr、Al及びSiのうちから選択される少なくとも1の元素を加えた酸素透過防止層との2層構造を形成する工程であることを特徴とする電子デバイスの製造方法において、
    前記BLTからなる強誘電体膜の有機金属材料を堆積する工程と、前記有機金属分解アニール工程と、その後の前記高温瞬時アニールと、を複数サイクル行うことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  2. 前記高温瞬時アニールの昇温速度が10℃/秒以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記高温瞬時アニールのアニール時間が10分以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記結晶ダメージ回復アニール工程のアニール時間が30分以上60分以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記有機金属分解アニール工程を複数サイクル施す工程における1回のアニール時間は、実質的にトータルのアニール時間を前記サイクル数で除算して求めた時間であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記拡散防止膜と酸素透過防止膜とは、窒素を導入して化学反応させる連続工程により形成されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記下部構造上にバリアメタル層を形成する工程は、TiNに対してCr、Al及びSiのうちから選択される少なくとも1の元素の組成を前記下部構造側から前記上部電極側に向けて増加させた傾斜構造を反応性スパッタリング法により形成する工程を含むことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
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