しかしながら、特開2003−220907号公報では、節電対象電気負荷の消費電力を燃料消費量またはコストに換算して利用者に表示するにすぎず、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを利用者に対して表示することはできない。
また、内燃機関の動力を用いて発電機を駆動して蓄電装置を充電するとともに車両外部の系統電源や太陽電池などからも蓄電装置を充電可能なハイブリッド車両においては、蓄電装置に対して複数の充電パスが設けられている。そして、このようなハイブリッド車両においては、各充電パスごとに異なる充電コストを考慮してエネルギーコストを表示するのが望ましい。
さらに、エネルギーコストの表示に加えて、エネルギーコストを低減するように車両を制御できれば、エネルギーコストを実際に低減できる。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを利用者に対して表示可能なハイブリッド車両の表示装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、蓄電装置に対して複数の充電パスを有するハイブリッド車両におけるエネルギーコストを利用者に対して表示可能なハイブリッド車両の表示装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを利用者に対して表示可能なハイブリッド車両の表示方法を提供することである。
また、この発明の別の目的は、蓄電装置に対して複数の充電パスを有するハイブリッド車両におけるエネルギーコストを利用者に対して表示可能なハイブリッド車両の表示方法を提供することである。
また、この発明の別の目的は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減可能なハイブリッド車両の制御方法を提供することである。
この発明によれば、ハイブリッド車両の表示装置は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両のエネルギーコストを表示する表示装置である。そして、表示装置は、車両に蓄えられた燃料の消費量および単価ならびに車両に蓄えられた電力の消費量および単価に基づいて、車両において消費されたエネルギーのコストを算出する消費エネルギーコスト算出部と、消費エネルギーコスト算出部によって算出された消費エネルギーコストを利用者に対して表示する表示部とを備える。
好ましくは、消費エネルギーコスト算出部は、車両に蓄えられた燃料の消費量および単価に基づいて、消費された燃料のコストを算出するとともに、車両に蓄えられた電力の消費量および単価に基づいて、消費された電力のコストを算出する。表示部は、消費エネルギーコスト算出部によって算出された消費燃料コストおよび消費電力コストの少なくとも一方をさらに表示する。
好ましくは、ハイブリッド車両の表示装置は、燃料補給時の補給量および燃料単価に基づいて、車両に蓄えられている燃料のコストを算出し、その算出した蓄積燃料コストと燃料の蓄積量とに基づいて、車両に蓄えられた燃料の単価を算出する蓄積燃料単価算出部と、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、車両に蓄えられている電力のコストを算出し、その算出した蓄積電力コストと電力の蓄電量とに基づいて、車両に蓄えられた電力の単価を算出する蓄積電力単価算出部とをさらに備える。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の表示装置は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両のエネルギーコストを表示する表示装置である。そして、表示装置は、燃料補給時の補給量および燃料単価に基づいて、車両に蓄えられている燃料のコストを算出し、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、車両に蓄えられている電力のコストを算出する蓄積エネルギーコスト算出部と、蓄積エネルギーコスト算出部によって算出された蓄積燃料コストおよび蓄積電力コストを利用者に対して表示する表示部とを備える。
好ましくは、ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から電力を受けて、または電力を発生して、蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。
さらに好ましくは、ハイブリッド車両の表示装置は、発電装置による蓄電装置の充電量および発電装置の発電単価に基づいて、発電装置により蓄電装置に充電された電力のコストを算出する燃料充電コスト算出部と、充電装置による蓄電装置の充電量および充電時の電力単価に基づいて、充電装置により蓄電装置に充電された電力のコストを算出する外部充電コスト算出部とをさらに備える。表示部は、燃料充電コスト算出部により算出された電力コストおよび外部充電コスト算出部により算出された電力コストの各々をさらに表示する。
好ましくは、燃料は、ガソリンとエタノールとの混合燃料を含む。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の表示方法は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両のエネルギーコストを表示する表示方法である。そして、表示方法は、車両に蓄えられた燃料の消費量および単価ならびに車両に蓄えられた電力の消費量および単価に基づいて、車両において消費されたエネルギーのコストを算出する第1のステップと、その算出された消費エネルギーコストを利用者に対して表示する第2のステップとを備える。
好ましくは、第1のステップは、車両に蓄えられた燃料の消費量および単価に基づいて、消費された燃料のコストを算出する第1のサブステップと、車両に蓄えられた電力の消費量および単価に基づいて、消費された電力のコストを算出する第2のサブステップとを含む。第2のステップは、第1のサブステップにおいて算出された消費燃料コストおよび第2のサブステップにおいて算出された消費電力コストの少なくとも一方をさらに表示する。
好ましくは、ハイブリッド車両の表示方法は、燃料補給時の補給量および燃料単価に基づいて、車両に蓄えられている燃料のコストを算出し、その算出した蓄積燃料コストと燃料の蓄積量とに基づいて、車両に蓄えられた燃料の単価を算出する第3のステップと、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、車両に蓄えられている電力のコストを算出し、その算出した蓄積電力コストと電力の蓄電量とに基づいて、車両に蓄えられた電力の単価を算出する第4のステップとをさらに備える。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の表示方法は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両のエネルギーコストを表示する表示方法である。そして、表示方法は、燃料補給時の補給量および燃料単価に基づいて、車両に蓄えられている燃料のコストを算出し、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、車両に蓄えられている電力のコストを算出する第1のステップと、その算出された蓄積燃料コストおよび蓄積電力コストを利用者に対して表示する第2のステップとを備える。
好ましくは、ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から電力を受けて、または電力を発生して、蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。表示方法は、発電装置による蓄電装置の充電量および発電装置の発電単価に基づいて、発電装置により蓄電装置に充電された電力のコストを算出する第5のステップと、充電装置による蓄電装置の充電量および充電時の電力単価に基づいて、充電装置により蓄電装置に充電された電力のコストを算出する第6のステップとをさらに備える。第2のステップは、第5のステップにおいて算出された電力コストおよび第6のステップにおいて算出された電力コストの各々をさらに表示する。
好ましくは、燃料は、ガソリンとエタノールとの混合燃料を含む。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の制御装置は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両の制御装置である。ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。そして、制御装置は、発電装置の発電単価が外部電源の電力単価よりも高いか否かを判定する判定部と、判定部により発電単価が電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量を抑制するように発電装置を制御する制御部とを備える。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の制御装置は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両の制御装置である。ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。そして、制御装置は、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、蓄電装置に蓄えられている電力のコストを算出し、その算出した蓄積電力コストと蓄電装置の蓄電量とに基づいて、蓄電装置に蓄えられた電力の単価を算出する蓄積電力単価算出部と、蓄積電力単価算出部によって算出された蓄積電力単価が外部電源の電力単価よりも高いか否かを判定する判定部と、判定部により蓄積電力単価が電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量を抑制するように発電装置を制御する制御部とを備える。
好ましくは、制御部は、判定部により発電単価が電力単価よりも高いと判定されると、蓄電装置の充電状態を示す状態量の制御目標を第1の制御目標から第1の制御目標よりも低い第2の制御目標に設定する。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の制御方法は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両の制御方法である。ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。そして、制御方法は、発電装置の発電単価が外部電源の電力単価よりも高いか否かを判定する第1のステップと、発電単価が電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量を抑制するように発電装置を制御する第2のステップとを備える。
また、この発明によれば、ハイブリッド車両の制御方法は、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両の制御方法である。ハイブリッド車両は、燃料をエネルギーとする内燃機関と、電力を蓄える蓄電装置と、内燃機関の動力を用いて発電し、蓄電装置を充電可能なように構成された発電装置と、車両外部の電源から蓄電装置を充電可能なように構成された充電装置とを含む。そして、制御方法は、電力充電時の充電量および電力単価に基づいて、蓄電装置に蓄えられている電力のコストを算出し、その算出した蓄積電力コストと蓄電装置の蓄電量とに基づいて、蓄電装置に蓄えられた電力の単価を算出する第1のステップと、第1のステップにおいて算出された蓄積電力単価が外部電源の電力単価よりも高いか否かを判定する第2のステップと、蓄積電力単価が電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量を抑制するように発電装置を制御する第3のステップとを備える。
この発明においては、車両に蓄えられた燃料の消費量および単価ならびに車両に蓄えられた電力の消費量および単価に基づいて、車両において消費されたエネルギー(燃料および電力)のコストが算出される。そして、消費された燃料のコスト(消費燃料コスト)だけでなく消費された電力のコスト(消費電力コスト)をも含んだエネルギーコストが利用者に対して表示される。
したがって、この発明によれば、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるトータルの消費エネルギーコストを利用者に対して提示することができる。
また、この発明においては、車両に蓄えられている燃料のコスト(蓄積燃料コスト)とともに車両に蓄えられている電力のコスト(蓄積電力コスト)が算出される。そして、蓄積燃料コストだけでなく蓄積電力コストも利用者に対して表示される。
したがって、この発明によれば、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両において蓄積されているエネルギー(燃料および電力)のコストを利用者に対して提示することができる。
また、この発明においては、発電装置の発電単価が外部電源の電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量が抑制されるので、相対的に低コストの外部電源から蓄電装置を充電する際の充電量が十分確保される。
したがって、この発明によれば、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減することができる。
また、この発明においては、蓄電装置に蓄えられた電力の単価(蓄積電力単価)が外部電源の電力単価よりも高いと判定されると、発電装置による蓄電装置の充電量が抑制されるので、相対的に低コストの外部電源から蓄電装置を充電する際の充電量が十分確保される。
したがって、この発明によれば、燃料および電力をエネルギー源とするハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による表示装置が適用されるハイブリッド車両の構成を機能的に示す概略ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド車両10は、エンジン12と、モータジェネレータ14,16と、動力分割機構18と、車両駆動/制動機構20と、燃料タンク22と、センサ24とを備える。また、ハイブリッド車両10は、蓄電装置26と、センサ28と、電力変換部30と、外部充電装置32と、入力部34と、記憶部36と、表示部38と、ECU(Electronic Control Unit)40とをさらに備える。
エンジン12は、ECU40からの制御指令に基づいて、吸気管に設けられるスロットルバルブや、点火装置、燃料噴射装置など(いずれも図示せず)を動作させて動力を発生する。モータジェネレータ14は、動力分割機構18を介して受けるエンジン12の動力を用いて発電し、その発電電力を電力変換部30へ出力する。また、モータジェネレータ14は、電力変換部30からの電力によって駆動力を発生し、動力分割機構18を介してエンジン12の始動を行なう。モータジェネレータ16は、電力変換部30からの電力によって車両の駆動トルクを発生し、その発生した駆動トルクを動力分割機構18を介して車両駆動/制動機構20へ出力する。また、モータジェネレータ16は、車両の回生制動時、車両駆動/制動機構20から動力分割機構18を介して受ける回転力を用いて発電し、その発電電力を電力変換部30へ出力する。
動力分割機構18は、エンジン12とモータジェネレータ14,16とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構18としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。そして、この3つの回転軸がエンジン12およびモータジェネレータ14,16の各回転軸にそれぞれ接続され、モータジェネレータ16の回転軸が車両駆動/制動機構20に結合される。
そして、モータジェネレータ14は、エンジン12によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン12の始動を行ない得る電動機として動作するものとしてハイブリッド車両10に組込まれ、モータジェネレータ16は、車両を駆動する電動機としてハイブリッド車両10に組込まれる。
燃料タンク22は、エンジン12の燃料を蓄えており、エンジン12に燃料を供給する。エンジン12の燃料としては、ガソリンや軽油のほか、ガソリンとエタノールとの混合燃料であってもよい。センサ24は、燃料タンク22内の燃料量FUELを検出し、その検出した燃料量FUELをECU40へ出力する。
蓄電装置26は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。蓄電装置26は、電力変換部30へ電力を供給する。また、蓄電装置26は、電力変換部30から供給される電力によって充電される。なお、蓄電装置26として、大容量のキャパシタを用いてもよい。センサ28は、蓄電装置26の電圧VBおよび蓄電装置26に対して入出力される電流IBを検出し、その検出した電圧VBおよび電流IBをECU40へ出力する。
電力変換部30は、ECU40からの制御指令に基づいて、エンジン12の動力を用いてモータジェネレータ14が発電した電力を蓄電装置26の電圧レベルに変換し、蓄電装置26へ出力する。また、電力変換部30は、エンジン12の始動時、ECU40からの制御指令に基づいて、蓄電装置26から受ける電力を用いてモータジェネレータ14を駆動する。
また、電力変換部30は、ECU40からの制御指令に基づいて、蓄電装置26から受ける電力を用いてモータジェネレータ16を駆動する。また、電力変換部30は、車両の回生制動時、ECU40からの制御指令に基づいて、モータジェネレータ16が発電した電力を蓄電装置26の電圧レベルに変換し、蓄電装置26へ出力する。
さらに、電力変換部30は、ECU40からの制御指令に基づいて、外部充電装置32から受ける電力を蓄電装置26の電圧レベルに変換し、蓄電装置26へ出力する。なお、電力変換部30は、たとえば、インバータやコンバータなどから成る。
外部充電装置32は、車両外部の電源から蓄電装置26を充電するための装置である。外部充電装置32は、車両外部の電源から電力を入力して電力変換部30へ出力する。車両外部の電源としては、系統電源や自家発電設備など各種の電源を含む。また、外部充電装置32は、車両に搭載された太陽電池や燃料電池などを含んでもよい。
すなわち、このハイブリッド車両10では、モータジェネレータ14,16により発電して蓄電装置26を充電できるほか、外部充電装置32を用いて蓄電装置26を充電することができる。
入力部34は、このハイブリッド車両10に供給されるエネルギーの単価を入力するためのインターフェース装置である。具体的には、入力部34は、ハイブリッド車両10に補給される燃料の単価および外部充電装置32から入力される各種電力の単価を入力してECU40へ出力する。なお、この入力部34には、上記のエネルギー単価を利用者が入力するためのタッチパネルを用いることができる。また、サーバに無線接続してサーバからエネルギー単価を取得するための通信装置によって入力部34を構成してもよい。
記憶部36は、入力部34から入力された各エネルギー単価をECU40の指示に従って記憶し、また、その記憶している各エネルギー単価をECU40の指示に従ってECU40へ出力する。また、記憶部36は、後述の方法により算出される、燃料タンク22に蓄積されている燃料の単価および蓄電装置26に蓄電されている電力の単価をECU40の指示に従って記憶する。
なお、以下では、入力部34から入力される燃料補給時の燃料単価を「補給燃料単価」とも称し、燃料タンク22に蓄積されている燃料の単価を「蓄積燃料単価」とも称する。また、入力部34から入力される電力単価を「系統電力単価」などと称し、蓄電装置26に蓄電されている電力の単価を「蓄積電力単価」とも称する。
表示部38は、後述の方法によりECU40によって算出される消費エネルギーコストをECU40から受けて利用者に対して表示する。ここで、消費エネルギーコストは、このハイブリッド車両10において消費されるエネルギーのコストを示し、より具体的には、単位時間または単位距離あたりに消費される燃料のコスト(消費燃料コスト)および電力のコスト(消費電力コスト)の合計を示す。なお、表示部38は、消費エネルギーコストを消費燃料コストと消費電力コストとに分けてECU40から受け、消費燃料コストおよび消費電力コストを個別に表示することもできる。
また、表示部38は、後述の方法によりECU40によって算出される燃料タンク22の蓄積燃料コストおよび蓄電装置26の蓄積電力コストをECU40から受けて利用者に対して表示する。ここで、蓄積燃料コストは、燃料タンク22に蓄積されている燃料のコストを示す。また、蓄積電力コストは、蓄電装置26に蓄電されている電力のコストを示す。
また、表示部38は、後述の方法によりECU40によって算出される外部充電コストと燃料充電コストとをECU40から受けて個別に表示する。ここで、外部充電コストは、外部充電装置32から蓄電装置26を充電する際の総コストを示し、燃料充電コストは、エンジン12の動力を用いてモータジェネレータ14を回生駆動して蓄電装置26を充電する際のコストを示す。
ECU40は、エンジン12を駆動するための制御指令を生成し、その生成した制御指令をエンジン12へ出力する。また、ECU40は、モータジェネレータ14,16を駆動するための制御指令を生成し、その生成した制御指令を電力変換部30へ出力する。さらに、ECU40は、外部充電装置32から蓄電装置26を充電するための制御指令を生成し、その生成した制御指令を電力変換部30へ出力する。
また、ECU40は、後述の方法により蓄積燃料コストおよび蓄積電力コストを算出し、その算出した蓄積燃料コストおよび蓄積電力コストを表示部38へ出力する。また、ECU40は、後述の方法により消費燃料コストおよび消費電力コストを算出し、その算出した消費燃料コストおよび消費電力コストならびにそれらの合計である消費エネルギーコストを表示部38へ出力する。
また、ECU40は、入力部34から入力された各エネルギー単価を入力部34から受け、その受けた各エネルギー単価を記憶部36へ出力する。また、ECU40は、後述の方法により燃料タンク22の蓄積燃料単価を算出し、その算出した蓄積燃料単価を記憶部36へ出力する。また、ECU40は、後述の方法により蓄電装置26の蓄積電力単価を算出し、その算出した蓄積電力単価を記憶部36へ出力する。
また、ECU40は、後述の方法により外部充電コストおよび燃料充電コストを算出し、その算出した外部充電コストおよび燃料充電コストを表示部38へ出力する。
このハイブリッド車両10においては、燃料タンク22内の燃料を用いてエンジン12が駆動され、エンジン12の動力が動力分割機構18を介して車両駆動/制動機構20へ出力される。また、電力変換部30によってモータジェネレータ16が駆動され、モータジェネレータ16の動力が動力分割機構18を介して車両駆動/制動機構20へ出力される。
一方、エンジン12の動力の一部を用いてモータジェネレータ14により発電が行なわれ、蓄電装置26が充電される。また、車両の回生制動時、車両駆動/制動機構20からの回転力を用いてモータジェネレータ16により回生発電が行なわれ、その回生電力により蓄電装置26が充電される。さらに、外部充電装置32から電力変換部30を介して蓄電装置26が充電される。
また、このハイブリッド車両10においては、ハイブリッド車両10における消費エネルギーコストがECU40により算出されて表示部38に表示される。また、燃料タンク22の蓄積燃料コストおよび蓄電装置26の蓄積電力コストがECU40により算出されて表示部38に表示される。また、外部充電装置32からの外部充電コストおよびエンジン12を用いた燃料充電コストがECU40により算出されて表示部38に表示される。
図2は、図1に示したECU40による表示処理に関する制御のフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図2を参照して、ECU40は、入力部34から入力されて記憶部36に記憶されている各エネルギー単価を記憶部36から取得する(ステップS10)。次いで、ECU40は、各エネルギーの蓄積エネルギー量を算出する(ステップS20)。具体的には、ECU40は、センサ24から燃料量FUELを取得し、その取得した燃料量FUELを蓄積燃料量とする。また、ECU40は、センサ28から電流IBを取得し、その取得した電流IBを積算することによって蓄積電力量を算出する。
蓄積燃料量および蓄積電力量が算出されると、ECU40は、燃料タンク22の蓄積燃料コストを算出する(ステップS30)。さらに、ECU40は、蓄電装置26の蓄積電力コストを算出する(ステップS40)。なお、ステップS30の蓄積燃料コスト算出処理およびステップS40の蓄積電力コスト算出処理については、後ほど詳しく説明する。
そして、ECU40は、算出した蓄積燃料コストおよび蓄積電力コストを表示部38へ出力する(ステップS50)。これにより、燃料タンク22の蓄積燃料コストおよび蓄電装置26の蓄積電力コストが表示部38により利用者に対して表示される。
次いで、ECU40は、各エネルギーの消費エネルギー量を算出する(ステップS60)。具体的には、ECU40は、センサ24からの燃料量FUELの変動量に基づいて消費燃料量を算出する。なお、消費燃料量は、エンジン12の燃料噴射装置の通電時間やエンジン12の動作状態から推定してもよい。また、ECU40は、センサ28からの電流IBおよび電圧VBに基づいて消費電力量を算出する。
次いで、ECU40は、ステップS60において算出した消費燃料量を用いて、単位時間または単位距離あたりに消費される燃料のコスト(消費燃料コスト)を算出する(ステップS70)。さらに、ECU40は、ステップS60において算出した消費電力量を用いて、単位時間または単位距離あたりに消費される電力のコスト(消費電力コスト)を算出する(ステップS80)。なお、ステップS70の消費燃料コスト算出処理およびステップS80の消費電力コスト算出処理については、後ほど説明する。
そして、ECU40は、算出した消費燃料コストおよび消費電力コストならびにその合計である消費エネルギーコストを表示部38へ出力する(ステップS90)。これにより、ハイブリッド車両10において消費されているエネルギーのコストが表示部38により利用者に対して表示される。
次に、図2に示したステップS30における蓄積燃料コスト算出処理について説明する。蓄積燃料コストAfは、下式(1)によって算出される。
Af=L1×Cf1=L0×Cf0+ΔL×Cf …(1)
ここで、L1は、燃料タンク22内の燃料量であり、Cf1は、燃料タンク22に蓄積されている燃料の単価を示す蓄積燃料単価である。また、L0,Cf0は、それぞれ前回演算時の燃料量および蓄積燃料単価である。また、ΔLは、前回演算時からの燃料補給量であり、Cfは、入力部34から入力される補給燃料単価である。
式(1)の右辺を演算することにより蓄積燃料コストAfが算出され、蓄積燃料コストAfおよび燃料量L1により蓄積燃料単価Cf1が算出される。そして、燃料量L1および蓄積燃料単価Cf1がそれぞれ次回演算時のL0,Cf0として用いられる。
図3は、図2に示した蓄積燃料コスト算出処理のフローチャートである。図3を参照して、ECU40は、前回演算時の燃料量L0および蓄積燃料単価Cf0を記憶部36から読出して取得する(ステップS110)。次いで、ECU40は、補給燃料単価Cfを記憶部36から取得し、前回演算時からの燃料補給量ΔLおよび補給燃料単価Cfに基づいて、補給された燃料のコストを算出する(ステップS120)。
そして、ECU40は、燃料量L0、蓄積燃料単価Cf0および算出された補給燃料コストに基づいて、上記の式(1)を用いて燃料タンク22の蓄積燃料コストAfを算出する(ステップS130)。次いで、ECU40は、センサ24から燃料量FUEL(=燃料量L1)を取得し、蓄積燃料コストAfおよび燃料量L1に基づいて、上記の式(1)を用いて蓄積燃料単価Cf1を算出する(ステップS140)。そして、ECU40は、更新された燃料量L1および蓄積燃料単価Cf1を記憶部36へ出力する(ステップS150)。
次に、図2に示したステップS40における蓄積電力コスト算出処理について説明する。蓄積電力コストAeは、下式(2)によって算出される。
Ae=W1×Ce1=W0×Ce0+Σ(ΔW×Ce) …(2)
ここで、W1は、蓄電装置26の蓄電量であり、Ce1は、蓄電装置26に蓄電されている電力の単価を示す蓄積電力単価である。また、W0,Ce0は、それぞれ前回演算時の蓄電装置26の蓄電量および蓄積電力単価である。また、Σ(ΔW×Ce)は、外部充電装置32による蓄電装置26の充電コスト(外部充電コスト)、およびエンジン12の動力を用いてモータジェネレータ14を回生駆動して蓄電装置26を充電する際のコスト(燃料充電コスト)の和である。外部充電コストについては、さらに各充電手段(系統電源や太陽電池、燃料電池など)の和から成る。そして、ΔWは、前回演算時からの各充電手段による充電量またはモータジェネレータ14の発電による充電量であり、Ceは、入力部34から入力される各エネルギー単価またはモータジェネレータ14の発電単価である。なお、モータジェネレータ14の発電単価は、単位発電量あたりの燃料消費量および燃料タンク22の蓄積燃料単価から算出することができる。
式(2)の右辺を演算することにより蓄積電力コストAeが算出され、蓄積電力コストAeおよび蓄電量W1により蓄積電力単価Ce1が算出される。そして、蓄電量W1および蓄積電力単価Ce1がそれぞれ次回演算時のW0,Ce0として用いられる。
図4は、図2に示した蓄積電力コスト算出処理のフローチャートである。図4を参照して、ECU40は、前回演算時の蓄電量W0および蓄積電力単価Ce0を記憶部36から読出して取得する(ステップS210)。次いで、ECU40は、各エネルギー単価を記憶部36から取得し、外部充電装置32の各充電手段ごとに前回演算時からの充電量およびエネルギー単価に基づいて充電コストを算出し、その総和をとることにより外部充電コストを算出する(ステップS220)。さらに、ECU40は、モータジェネレータ14の発電による前回演算時からの充電量およびモータジェネレータ14の発電単価に基づいて燃料充電コストを算出する(ステップS230)。
そして、ECU40は、その算出した外部充電コストおよび燃料充電コストを表示部38へ出力する(ステップS240)。これにより、外部充電コストおよび燃料充電コストが表示部38により利用者に対して表示される。
次いで、ECU40は、蓄電量W0、蓄積電力単価Ce0、ならびに算出された外部充電コストおよび燃料充電コストに基づいて、上記の式(2)を用いて蓄電装置26の蓄積電力コストAeを算出する(ステップS250)。次いで、ECU40は、蓄電量W0およびセンサ28からの電流IBに基づいて蓄電装置26の蓄電量W1を算出し、蓄積電力コストAeおよび蓄電量W1に基づいて、上記の式(2)を用いて蓄積電力単価Ce1を算出する(ステップS260)。そして、ECU40は、更新された蓄電量W1および蓄積電力単価Ce1を記憶部36へ出力する(ステップS270)。
図5は、図2に示した消費燃料コスト算出処理のフローチャートである。図5を参照して、ECU40は、燃料タンク22の蓄積燃料単価Cf1を記憶部36から読出して取得する(ステップS310)。
そして、ECU40は、図2に示されるステップS60において算出された消費燃料量に蓄積燃料単価Cf1を乗算することにより、消費された燃料のコストを算出し、その算出した値を消費燃料コストとする(ステップS320)。
図6は、図2に示した消費電力コスト算出処理のフローチャートである。図6を参照して、ECU40は、蓄電装置26の蓄積電力単価Ce1を記憶部36から読出して取得する(ステップS410)。
そして、ECU40は、図2に示されるステップS60において算出された消費電力量に蓄積電力単価Ce1を乗算することにより、消費された電力のコストを算出し、その算出した値を消費電力コストとする(ステップS420)。
以上のように、この実施の形態1においては、ハイブリッド車両10において消費されたエネルギー(燃料および電力)のコストが算出される。そして、消費された燃料のコスト(消費燃料コスト)だけでなく消費された電力のコスト(消費電力コスト)をも含んだエネルギーコストが利用者に対して表示される。したがって、この実施の形態1によれば、ハイブリッド車両10におけるトータルの消費エネルギーコストを利用者に対して提示することができる。
また、この実施の形態1においては、燃料タンク22に蓄えられている燃料のコスト(蓄積燃料コスト)とともに蓄電装置26に蓄えられている電力のコスト(蓄積電力コスト)が算出される。そして、蓄積燃料コストだけでなく蓄積電力コストも利用者に対して表示される。したがって、この実施の形態1によれば、ハイブリッド車両10において蓄積されているエネルギー(燃料および電力)のコストを利用者に対して提示することができる。
さらに、この実施の形態1においては、蓄電装置26を充電するパスが複数存在する。すなわち、エンジン12の動力を用いてモータジェネレータ14を回生駆動して蓄電装置26を充電できるほか、外部充電装置32を用いて蓄電装置26を充電することができる。そして、エンジン12の動力を用いて蓄電装置26を充電する際のコスト(燃料充電コスト)および外部充電装置32から蓄電装置26を充電する際のコスト(外部充電コスト)が算出されて利用者に対して表示される。したがって、この実施の形態1によれば、各充電パスごとの充電コストを利用者に対して提示することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1に加えて、ハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減するための制御が実行される。
この実施の形態2におけるハイブリッド車両10Aは、図1に示したハイブリッド車両10の構成において、ECU40に代えてECU40Aを備える。ECU40Aは、モータジェネレータ14の発電単価を系統電力単価と比較し、発電単価が系統電力単価よりも高いとき、モータジェネレータ14による発電量を抑制するようにエンジン12および電力変換部30を制御する。
より具体的には、ECU40Aは、センサ28からの電圧VBおよび電流IBを用いて、蓄電装置26の充電状態(State of Charge:SOC)を示す状態量(以下、単に「SOC」とも称し、0〜100%で表される。)を算出し、SOCが一定の範囲内に入るように蓄電装置26の充放電を制御する。そして、ECU40Aは、発電単価が系統電力単価よりも高いとき、発電単価が系統電力単価以下のときよりもSOCの制御範囲を低く設定する。SOCの制御範囲が低く設定されると、モータジェネレータ14による発電量は抑制される。
発電単価が系統電力単価よりも高いときにモータジェネレータ14による発電量を抑制するのは、モータジェネレータ14による発電電力よりも単価の低い系統電力による充電量を十分に確保できるからである。そして、充電地点において系統電源から蓄電装置26を充電することにより、蓄電装置26の蓄積電力コストが低減する。
なお、ECU40Aのその他の構成(機能)は、実施の形態1におけるECU40と同じである。また、ハイブリッド車両10Aのその他の構成(機能)は、実施の形態1におけるハイブリッド車両10と同じである。
図7は、蓄電装置26のSOCの制御範囲を示した図である。図7を参照して、SU1は、SOCの制御上限値を示し、SL1は、SOCの制御下限値を示す。そして、ECU40は、制御上限値SU1および制御下限値SL1により規定される制御範囲ΔS1内にSOCが制御されるように蓄電装置26の充放電を制御する。
ここで、ECU40は、モータジェネレータ14の発電単価が系統電力単価よりも高いとき、制御上限値SU1をSU2に下げ、制御下限値SL1をSL2に下げる。したがって、ECU40は、発電単価が系統電力単価よりも高いとき、制御上限値SU2および制御下限値SL2により規定される制御範囲ΔS2内にSOCが制御されるように蓄電装置26の充放電を制御する。これにより、モータジェネレータ14による発電量が抑制される。
図8は、この実施の形態2におけるECU40Aによるコスト低減制御のフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図8を参照して、ECU40Aは、入力部34から入力されて記憶部36に記憶されている系統電力単価Ceを記憶部36から読出して取得する(ステップS510)。また、ECU40Aは、モータジェネレータ14の発電単価を算出する(ステップS520)。なお、モータジェネレータ14の発電単価は、単位発電量あたりの燃料消費量および燃料タンク22の蓄積燃料単価から算出することができる。
次いで、ECU40Aは、モータジェネレータ14の発電単価が系統電力単価Ceよりも高いか否かを判定する(ステップS530)。ECU40Aは、発電単価が系統電力単価Ce以下であると判定すると(ステップS530においてNO)、蓄電装置26のSOCの制御上下限値として制御上限値SU1および制御下限値SL1を設定する(ステップS550)。
一方、ステップS530において発電単価が系統電力単価Ceよりも高いと判定されると(ステップS530においてYES)、ECU40Aは、蓄電装置26のSOCの制御上下限値として制御上限値SU2(<SU1)および制御下限値SL2(<SL1)を設定する(ステップS540)。
以上のように、この実施の形態2においては、モータジェネレータ14の発電単価が系統電力単価Ceよりも高いと判定されると、モータジェネレータ14の発電による蓄電装置26の充電量が抑制されるので、相対的に低コストの系統電源から蓄電装置26を充電する際の充電量が十分確保される。したがって、この実施の形態2によれば、ハイブリッド車両10Aにおけるエネルギーコストを低減することができる。
[実施の形態3]
この実施の形態3でも、実施の形態2と同様に、ハイブリッド車両におけるエネルギーコストを低減するための制御が実行される。
実施の形態3におけるハイブリッド車両10Bは、図1に示したハイブリッド車両10の構成において、ECU40に代えてECU40Bを備える。ECU40Bは、上述の方法により蓄電装置26の蓄積電力単価Ce1を算出する。そして、ECU40Bは、蓄積電力単価Ce1を系統電力単価と比較し、蓄積電力単価Ce1が系統電力単価よりも高いとき、モータジェネレータ14による発電量を抑制するようにエンジン12および電力変換部30を制御する。
より具体的には、ECU40Bは、センサ28からの電圧VBおよび電流IBを用いて蓄電装置26のSOCを算出し、SOCが一定の範囲内に入るように蓄電装置26の充放電を制御する。そして、ECU40Bは、蓄積電力単価Ce1が系統電力単価よりも高いとき、蓄積電力単価Ce1が系統電力単価以下のときよりもSOCの制御範囲を低く設定する。SOCの制御範囲が低く設定されると、モータジェネレータ14による発電量は抑制される。
蓄積電力単価Ce1が系統電力単価よりも高いときにモータジェネレータ14による発電量を抑制するのは、蓄電装置26に蓄電されている電力よりも単価の低い系統電力による充電量を十分に確保できるからである。そして、充電地点において系統電源から蓄電装置26を充電することにより、蓄電装置26の蓄積電力コストが低減する。
なお、ECU40Bのその他の構成(機能)は、実施の形態1におけるECU40と同じである。また、ハイブリッド車両10Bのその他の構成(機能)は、実施の形態1におけるハイブリッド車両10と同じである。
図9は、この実施の形態3におけるECU40Bによるコスト低減制御のフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図9を参照して、このフローチャートは、図8に示したフローチャートにおいて、ステップS520,S530に代えてそれぞれステップS525,S535を含む。すなわち、ステップS510において系統電力単価Ceが記憶部36から取得されると、ECU40Bは、蓄電装置26の蓄積電力単価Ce1を記憶部36から読出して取得する(ステップS525)。なお、この蓄積電力単価Ce1は、図4に示されるステップS260において算出され、ステップS270において記憶部36へ出力されたものである。
次いで、ECU40Bは、蓄積電力単価Ce1が系統電力単価Ceよりも高いか否かを判定する(ステップS535)。ECU40Bは、蓄積電力単価Ce1が系統電力単価Ceよりも高いと判定すると(ステップS535においてYES)、ステップS540へ処理を進め、蓄電装置26のSOCの制御上下限値として制御上限値SU2および制御下限値SL2を設定する。
一方、ステップS535において蓄積電力単価Ce1が系統電力単価Ce以下であると判定されると(ステップS535においてNO)、ECU40Bは、ステップS550へ処理を進め、蓄電装置26のSOCの制御上下限値として制御上限値SU1および制御下限値SL1を設定する。
以上のように、この実施の形態3においては、蓄電装置26に蓄えられた電力の単価(蓄積電力単価)が系統電力単価よりも高いと判定されると、モータジェネレータ14の発電による蓄電装置26の充電量が抑制されるので、相対的に低コストの系統電源から蓄電装置26を充電する際の充電量が十分確保される。したがって、この実施の形態3によれば、ハイブリッド車両10Bにおけるエネルギーコストを低減することができる。
なお、上記の各実施の形態においては、ハイブリッド車両10,10A,10Bは、動力分割機構18によりエンジン12の動力を車両駆動/制動機構20とモータジェネレータ14とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型であるが、この発明は、モータジェネレータ14を駆動するためにのみエンジン12を用い、モータジェネレータ12により発電された電力を使うモータジェネレータ16でのみ車両の駆動力を発生するシリーズ型のハイブリッド車両にも適用することができる。
なお、上記において、ステップS70,S80においてECU40により実行される処理は、この発明における「消費エネルギーコスト算出部」による処理に対応する。また、ステップS120〜S140においてECU40により実行される処理は、この発明における「蓄積燃料単価算出部」による処理に対応し、ステップS220〜S260(ステップS240を除く)においてECU40により実行される処理は、この発明における「蓄積電力単価算出部」による処理に対応する。さらに、ステップS30,S40においてECU40により実行される処理は、この発明における「蓄積エネルギーコスト算出部」による処理に対応する。
また、さらに、エンジン12は、この発明における「内燃機関」に対応し、モータジェネレータ14は、この発明における「発電装置」に対応する。また、さらに、外部充電装置32は、この発明における「充電装置」に対応する。また、さらに、ステップS230においてECU40により実行される処理は、この発明における「燃料充電コスト算出部」による処理に対応し、ステップS220においてECU40により実行される処理は、この発明における「外部充電コスト算出部」による処理に対応する。
また、さらに、ステップS530においてECU40Aにより実行される処理およびステップS535においてECU40Bにより実行される処理は、この発明における「判定部」による処理に対応し、ステップS540においてECU40A,40Bにより実行される処理は、この発明における「制御部」による処理に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。