JP4840475B2 - セルロースエステルフィルム及びその製造方法、並びに偏光板用保護フィルム - Google Patents

セルロースエステルフィルム及びその製造方法、並びに偏光板用保護フィルム Download PDF

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Description

本発明は偏光板用保護フィルムに有用なセルロースエステルフィルムの製造方法及びセルロースエステルフィルムに関する。特に薄手化してもガラス基盤との剥離性が良好な偏光板用保護フィルムに関する。
現在、セルローストリアセテートフィルムは、その透明性や光学的欠点のない特性からハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置に好ましく使用されている。特に液晶画像表示装置では偏光板用保護フィルムとして利用されている。液晶画像表示装置は、液晶素子が組み込まれたガラス基盤の両側に偏光板を張り合わせることで構成されている。偏光板は、ポリビニルアルコールなどからなる偏光子の両側を保護フィルムで挟まれており、その保護フィルムの厚さは約80μmが一般的である。従って、1つの液晶表示装置には4枚の保護フィルムが使用されており、全部で約320μmの厚さになる。昨今、液晶表示装置の携帯性向上が求められており、偏光板用保護フィルムの薄膜化はこの要求に対して有効な手段と考えられる。
ところが、偏光板用保護フィルムを薄膜化すると、液晶表示装置の生産性が低下するという問題があった。つまり、液晶表示装置を組み立てる際、液晶素子が組み込まれたガラス基盤に偏光板を張り合わせるのであるが、この時、僅かなゴミを挟みこんだり、位置がずれるなど不良品が発生しやすいのである。このため、偏光板をガラス基盤から剥がして張り直す操作が避けられないのであるが、偏光板用保護フィルムを薄膜化するとガラス基盤と偏光板との剥離力に偏光板の強度が耐えきれず途中で破けてしまい、きれいに偏光板をガラス基盤から剥がすことができなくなるのである。
この様な剥離性を向上するには、偏光板用保護フィルムの引裂強度を向上すればよいと思われた。
セルローストリアセテートフィルムの引裂強度を向上する方法は、例えば特公昭44−32672号公報ではメチレンクロライド可溶のポリウレタン樹脂をブレンドする方法が提案されている。また、ポリエステル−ウレタン樹脂をブレンドする方法が開示されて(例えば、特許文献1参照)いる。
ところが、これらの方法によれば確かに引裂強度は向上するのであるが、上記剥離性は必ずしも改良されず、引裂強度と剥離性に相関はみられなかった。
従って、剥離性の改良されたセルロースエステルフィルムは、未だ実用化されていないのが現状である。
特公昭47−760号公報
本発明の目的は、薄膜としてもガラス基盤から偏光板を剥がす際に破れにくいセルロースエステルフィルムを提供することであり、特に、耐湿熱性、透明性、光学的等方性に優れ、かつガラス基盤から偏光板を剥がす際に破れにくいセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.アシル基の置換度が2.6〜3.0のセルロースエステルと、ポリエステルエーテル又はポリエステルと、実質的に塩素系溶媒を含まない有機溶媒との混合物を、
(1)該有機溶媒の常圧での沸点以上で、かつ発泡しない圧力条件下で溶解してドープにする方法、
(2)−100℃〜−10℃に冷却した後、その冷却物を0℃〜120℃に加温してドープにする方法、または、
(3)50気圧以上2,000気圧以下に加圧してドープにする方法、
の何れかの方法により得られたドープを、支持体上にフィルム状に流延し、該支持体に流延した生乾きのフィルムを剥離し乾燥して、膜厚が20〜60μmで、膜厚を40μmの厚さに換算した場合、フィルムの直角形引裂法による引裂強度が3.5N〜7.0Nである単層のフィルムを製造することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
2.前記有機溶媒が酢酸メチルを50%以上含むことを特徴とする前記1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
3.前記ポリエステルエーテル又はポリエステルの含有量がセルロースエステルに対し5〜30質量%であることを特徴とする前記1又は2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
4.前記セルロースエステルが70,000〜300,000の数平均分子量を有することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
5.前記1〜4の何れか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
6.前記5に記載のセルロースエステルフィルムを用いることを特徴とする偏光板用保護フィルム。
本発明により、薄膜としてもガラス基盤から偏光板を剥がす際に破れにくいセルロースエステルフィルムが得られ、特に、耐湿熱性、透明性、光学的等方性に優れ、かつガラス基盤から偏光板を剥がす際に破れにくいセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムを提供することができた。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に本発明を更に詳しく説明する。本発明のセルロースエステルフィルムは40μmに換算した直角形引裂法による引裂強度が3.5N〜7.0Nであるが、4.0N以上であることが更に好ましい。直角形引裂法による引裂強度の値は大きいほど好ましいが7.0Nが上限値である。直角形引裂法による引裂強度は、JIS K7128−1991のC法に従い、試験速度条件はA法により試験を行い、最大引裂荷重を試験片の厚さで除して求められる。この引裂強さから厚さ40μmに換算して得られる。フィルムの流延方向と、それに垂直な方向とでそれぞれ測定し、何れも上記条件を満たすことが好ましい。
フィルムの引裂強度の試験方法にはJIS K7128−1991に記載されているようにA法(トラウザー引裂法)、B法(エレメンドルフ引裂法)、C法(直角形引裂法)がある。光学用フィルムとしては写真フィルム用支持体が古くからセルロースエステルフィルムを使用しており、この場合パーフォレーション部の不良部分などからの破れが撮影部分にまで伝搬しないことが重要であったため、規定した荷重条件において、スリットから規定した距離まで引裂きを伝えるのに要する力を測定する方法であるところのB法のエレメンドルフ引裂法がフィルム強度の指標として広く採用されてきた。前述の特公昭44−32672号公報や特公昭47−760号公報に記載の引裂強度もこのエレメンドルフ引裂法により測定されたものである。これらの公報に記載されている引裂強度の値は40μmに換算すると数g〜数十g程度である。
ところが、偏光板をガラス基盤から剥離するのに必要な力を調べたところ、約1kgの力が必要なことが判明した。つまり、剥離に必要な力とエレメンドルフ引裂法による引裂強度の値は乖離が大きく、従来のエレメンドルフ引裂法による引裂強度を向上させる技術では、偏光板をガラス基盤から剥離する際のフィルム破れとしての剥離性を改良することはできないのである。このように剥離性と直角形引裂法による引裂強度との関係は筆者が初めて見出したものである。
以上のような高い直角形引裂法による引裂強度を備えたセルロースエステルフィルムは、従来のセルローストリアセテートをメチレンクロライドに溶解させたドープを溶液流延法により製膜する通常の溶液流延方法では製造することはできず、後に説明する製造方法により初めて製造することができるのである。
本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚は20〜60μmである。薄すぎるとフィルムの腰が弱くなりすぎ偏光板とフィルムの貼合が困難となる。この範囲より厚いと従来の偏光板用保護フィルムに対して優位性が低くなる。
本発明のセルロースエステルフィルムの特性値は、水蒸気透過率が500g/m・24H以下、動摩擦係数が0.5以下、ヘイズが0.6%以下、弾性率が2.45GPa以上、フィルム面に垂直方向の入射光に対するレタデーション値の絶対値(Re)が0〜10nm、面から45度の斜め方向の入射光に対するレタデーション値の絶対値が0〜30nm、厚み方向のレタデーション値の絶対値が0〜70nmであることが好ましい。これらの特性値が上記の範囲であることにより偏光板用保護フィルムとして良好な特性を示すのである。
水蒸気透過率はJIS Z0208−76に準じて、25℃、90%RHの条件下で測定したものである。
本発明のセルロースエステルフィルムを構成するセルロースエステルは、炭素数2〜3のアシル基を置換基として有するセルロースエステルであり、例えばセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネートなどが挙げられる。セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのように炭素数が4以上のアシル基が含まれているものでもよい。中でも炭素数2〜3のアシル基だけからなるものが好ましく、特にセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましい。アシル基の置換度は、2.6〜3.0であることが好ましい。置換度をこの範囲とすることで高温、高湿に対する耐性が良好なフィルムが得られる。アセチル基の置換度は、あまり小さすぎるとフィルムの破断強度が低くなりすぎる場合があるので1.4以上であることが好ましい。
アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96により測定することが出来る。
本発明のセルロースエステルの合成方法は、通常の方法で合成できる。例えば特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することが出来る。
セルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。綿花リンターから得られるセルロースエステルは、フィルムの製膜の際に支持体からの剥離性が特に良好であり好ましい。
本発明に使用するセルロースエステルの数平均分子量は、70,000〜300,000の範囲が、成型した場合の機械的強度が強く好ましい。更に80,000〜200,000が好ましい。
本発明で用いられるポリエステルエーテルは、炭素原子8〜12個の芳香族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸(例えばテレフタール酸、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、炭素原子2〜10個の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコール類(例えば、エチレンジオール、プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,5−ペンタンジオール)、エーテル単位の間に炭素原子2〜4個を有するポリエーテルグリコール類(例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、特に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールを構成要素とするコポリエステルエーテル)が好ましい。
ポリエステルエーテルの配合量は、セルロースエステルに対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な剥離性を呈するセルロースエステルフィルムが得られる。
本発明において、ポリエステル−ウレタンを用いることができる。本発明で用いることのできるポリエステル−ウレタンは、ポリエステルとジイソシアナートとの反応により得られるポリエステル−ウレタンであり、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 0004840475
式中、lは2、3又は4を表し、mは2、3又は4を表し、nは1〜100を表す。Rは下記に示す構造単位を表す。
Figure 0004840475
ポリエステルとしては、グリコール成分が、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、又は1,4−ブタンジオールであり、二塩基性酸成分が、コハク酸、グルタル酸、又はアジピン酸からなる両末端ヒドロキシル基を有するポリエステルであり、その重合度nは1〜100である。ポリエステルの分子量として、1,000〜4,500に当るものが特に望ましい。
ジイソシアナート成分としてはエチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリメチレンイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、p,p′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート等が挙げられる。中でも、トリレンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナートがポリウレタン化した場合セルロースエステルとの相溶性が秀れているので好ましい。
ポリエステル−ウレタンの分子量は、2,000〜50,000が好ましく、更に5,000〜15,000が好ましい。ポリエステル−ウレタンの合成は、上記のポリエステルとジイソシアナートとを混じ攪拌下加熱させる常法の合成法により、容易に得る事が出来る。また、原料のポリエステルも常法により、相当する二塩基性酸、又はこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応又はエステル交換反応による熱溶融縮合法が、或いはこれらの酸の酸クロリドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法により、末端基がヒドロキシル基となるよう適宜調整すれば容易に合成することができる。
ポリエステル−ウレタンの配合量は、セルロースエステルに対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な剥離性を呈するセルロースエステルフィルムが得られる。
本発明のポリエステルは、ポリエチレングリコールと脂肪族二塩基性酸とからなるポリエステルで、その平均分子量は700から10,000が好ましい。ポリエチレングリコールは一般式がHO−(CHCH−O)−H(nは整数)で表される。nは4以下が好ましい。脂肪族二塩基性酸とは一般式がHOOC−R−COOH(Rは脂肪族二価炭化水素基)で表されるしゅう酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などであり、炭素数9以下が好ましい。ポリエステルの合成は常法により、上記二塩基性酸またはこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成することができる。
ポリエステルの配合量は、セルロースエステルに対して5〜30質量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な剥離性を呈するセルロースエステルフィルムが得られる。
本発明に係わる溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製膜方法について説明する。
1.溶解工程:セルロースエステルのフレークに対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する工程である。
本発明で有用な溶解方法は、主溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰しない圧力下で行う方法(以下高温溶解法と呼ぶ)、セルロースエステルと有機溶媒を−100℃〜−10℃に冷却するか、またはセルロースエステルを−100℃〜−10℃の有機溶媒と混合した後、0℃〜120℃に加温する方法(以下冷却溶解法と呼ぶ)、セルロースエステルと有機溶媒を50気圧〜2,000気圧に加圧する方法(以下高圧溶解法と呼ぶ)が挙げられる。
高温溶解法で、例えば主溶媒として酢酸メチル(沸点56.32℃)を用いた場合を例に挙げると、温度は56.32℃〜120℃が好ましく、更に60℃〜90℃が好ましい。この時の沸騰しない圧力は約2気圧以上でよく、上限は特にないが約50気圧で効果は飽和するので2〜50気圧が好ましい。更に2〜10気圧が好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステルは、炭素数2〜3のアシル基を置換基として有し、アシル基の置換度は2.6〜3.0である。アセチル基の置換度が2.5以上の場合は、冷却溶解法や高圧溶解法を用いることが好ましい。
冷却溶解法については、特開平9−95538号、同9−95544号、同9−95557号公報に記載されているアセトン、酢酸メチル、ギ酸エチル等の溶媒を用いてドープを形成する方法を使用することが出来る。
高圧溶解法については、特開平11−21379号公報に記載の高圧溶解方法を使用することが出来る。公報中では有機溶媒としてアセトンを使用しているが酢酸メチルでも同様に実施できる。
このように特定の置換基を有するセルロースエステルと上述したポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルを、実質的に非塩素系の有機溶媒に通常とは異なる方法で溶解することにより、直角形引裂法による引裂強度を大きくすることができるのである。
本発明で有用な非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。特に酢酸メチルが全有機溶媒に対して50質量%以上含有していることが好ましい。全有機溶媒に対して5〜30質量%のアセトンを酢酸メチルと併用するとドープの粘度を低減でき好ましい。
本発明で実質的に塩素系溶媒を含まないとは、全有機溶媒量に対して塩素系溶媒が10質量%以下、好ましくは5質量%以下、特に全く含まないことが最も好ましい。
セルロースエステルドープには、上記非塩素系有機溶媒の他に、0.1〜30質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。このことでドープを流延用支持体に流延後溶媒が蒸発をし始めアルコールの比率が多くなるとウェブ(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし、流延用支持体から剥離することを容易にでき、更に非塩素系有機溶媒のセルロースエステルの溶解を促進する効果が得られる。炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることが出来る。これらのうちドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からエタノールが最も好ましい。
ドープの固形分濃度は通常10〜40質量%が好ましく、ドープ粘度は100〜500ポイズの範囲に調整されることが良好なフィルムの平面性を得る点から好ましい。
以上のようにして調製されたドープは、濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。
ドープ中には、可塑剤、マット剤、紫外線防吸収剤、酸化防止剤、染料等を添加してもよい。
本発明では、セルロースエステルと共に配合するポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルが可塑剤としての効果を発現するので、その他の可塑剤を添加しなくても十分なフィルム特性が得られるが、その他の目的で可塑剤を添加してもよい。
例えば、フィルムの耐透湿性を向上する目的では、アルキルフタリルアルキルグリコレート類、リン酸エステルやカルボン酸エステルなどが挙げられる。
アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレートなどが挙げられる。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることが出来る。カルボン酸エステルとしては、例えばフタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルホスフェート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることが出来る。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン等も挙げられる。
中でも、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。またこれらアルキルフタリルアルキルグリコレートを2種以上混合して使用してもよい。
この目的で用いる可塑剤の量はセルロースエステルに対して1〜30質量%が好ましく、特に4〜13質量%が好ましい。
これらの化合物は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
フィルムの黄味を改善する目的では染料が添加される。色味は、通常の写真用支持体に見られる様なグレーに着色出来るものが好ましい。但し写真用支持体と異なりライトパイピングの防止の必要はないので、含有量は少なくて良く、セルロースエステルに対する質量割合で1〜100ppmが好ましく、2ppm〜50ppmが更に好ましい。セルロースエステルはやや黄味を呈しているので、青色や紫色の染料が好ましく用いられる。複数の染料を適宜組み合わせてグレーになるようにしてもよい。
フィルムが滑りにくいとフィルム同士がブロッキングし取扱性に劣る場合がある。この場合は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。マット剤の配合は、フィルムのヘイズが0.6%以下、動摩擦係数が0.5以下となるように配合することが好ましい。この目的で用いられるマット剤は、平均粒径が0.01〜1.0μm、含有量が、セルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
液晶表示装置は、屋外で使用される機会も多くなっており、偏光板用保護フィルムに紫外線をカットする機能を付与することも重要なことである。この目的で用いられる紫外線吸収剤は、可視光領域に吸収がないことが好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸系化合物などが挙げられる。例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ジ−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチルなどである。
紫外線吸収剤の添加量は、セルロースエステルに対して0.5〜20質量%の範囲が好ましく、0.6〜5質量%の範囲が更に好ましい。
フィルムの耐湿熱性を向上する目的では、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1,000ppmが更に好ましい。また、この他、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
上記の他に更に帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等も適宜添加しても良い。
2.流延工程:ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流延用支持体の表面は鏡面となっている。その他の流延する方法は流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
3.溶媒蒸発工程:ウェブ(流延用支持体上にドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
4.剥離工程:支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが出来る)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来るのである。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量は決められる。
5.乾燥工程:ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いてウェブを乾燥する工程である。乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃で、70〜180℃が好ましい。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しようとする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この観点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
6.巻き取り工程:ウェブを残留溶媒量が2質量%以下となってからフィルムとして巻き取る工程である。残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることが出来る。巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
セルロースエステルフィルムの膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよい。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
溶液流延製膜法を通しての流延直後からの乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないことは勿論のことである。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例中の各測定及び評価方法は以下の方法で行った。
〈セルロースエステルの置換度〉
置換度は、ケン化法によって測定するものとする。乾燥したセルロースアシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定の1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化する。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N硫酸で過剰の水酸化ナトリウムを滴定する。また、上記と同様な方法により、ブランクテストを行う。さらに滴定が終了した溶液の上澄み液を希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、常法により有機酸の組成を測定する。そして、下記に従って置換度(%)を算出する。
TA=(Q−P)×F/(1,000×W)
DSace=(162.14×TA)/{1−42.14×
TA+(1−56.06×TP)×(AL/AC)}
DSacy=Ssce×(AL/AC)
式中、Pは試料の滴定に要する1N硫酸量(ml)、Qはブランクテストに要する1N硫酸量(ml)、Fは1N硫酸の力価、Wは試料質量、TAは全有機酸量(mol/g)、AL/ACはイオンクロマトグラフで測定した酢酸(AC)と他の有機酸(AL)とのモル比、DSaceはアセチル基の置換度、DSacyは炭素原子量3または4のアシル基の置換度を示す。
〈セルロースエステルの数平均分子量〉
高速液体クロマトグラフィにより下記条件で測定する。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:MPW×1(東ソー(株)製)
試料濃度:0.2質量%
流量:1.0ml/分
試料注入量:300μl
標準試料:ポリスチレン
温度:23℃。
〈フィルムの引裂強度〉
JIS K7128−1991に準じて測定した。測定結果は、40μmの厚さに換算して表示した。
〈剥離性〉
得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用い、ポリビニルアルコールからなる偏光膜の両側に張り合わせ偏光板を作製する。得られた偏光板を100×100mmのサイズに打ち抜き、ガラス基盤に貼合する。4角の1カ所から偏光板をガラス基盤から少し剥離し、剥離した偏光板を掴みガラス基盤を押さえながら対角線の方向に剥離していく。同様の操作を各10枚のサンプルで実施し、10枚とも完全に剥離できた場合を◎、1枚のみ部分的に剥離残りが生じた場合を○、2枚〜5枚の剥離残りが生じた場合を△、6枚以上剥離残りが生じた場合を×とした。実用的には、ランク○以上であることが好ましい。
参考例1
アジピン酸とエチレングリコールからなる平均分子量2,125のジヒドロキシポリエステルとトリレンジイソシアナートとから常法により平均分子量7,300のポリエステル−ウレタンを得た(この化合物をP1とする)。得られた化合物(P1)30質量部と酢化度60.9%のセルローストリアセテート(数平均分子量200,000)100質量部とトリフェニルフォスフェイト10質量部を酢酸メチル350質量部とアセトン125質量部とエタノール25質量部からなる混合溶媒に混合し膨潤させた。次に、この混合物を二重構造の密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら外側のジャケットに冷媒を導入した。これにより内側容器内の混合物を−70℃まで冷却した。混合物が均一に冷却されるまで30分冷却した。密閉容器の外側のジャケット内の冷媒を排出し、代わりに温水をジャケットに導入。続いて内容物を攪拌し、40分かけて80℃まで上げた。容器内は2気圧となった。攪拌しながら50℃まで温度を下げ常圧に戻し、一晩そのまま放置しドープを得た。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、製膜に供した。
得られたドープを、ダイからステンレスベルト上に流延した。ステンレスベルトの裏面から35℃の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥ぎ取った。
次いで剥ぎ取ったフィルムの両端を固定しながら130℃で10分間乾燥させ、膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は400g/m・24h、ヘイズは0.4%、弾性率は3.00GPa、フィルム面内のレタデーション値は5nm、厚み方向レタデーション値は20nm、動摩擦係数は0.5、エレメンドルフ法による引裂強度は0.10N、直角形引裂法による引裂強度は3.5Nであった。尚、フィルム流延方向(MD)とフィルム流延方向に垂直な方向(TD)の各々につきエレメンドルフ法と直角形引裂法で測定したが、いずれの場合も同一数値を示した。以下の参考例2〜10及び比較例1及び2も同様にMDとTDで同一数値であった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ1枚に剥離残りが発生した(剥離性:ランク○)。結果を表1に示した。
参考例2
アセチル基の置換度2.85のセルローストリアセテート(数平均分子量200,000)100質量部、上記化合物(P1)30質量部、酢酸メチル350質量部、アセトン150質量部を加圧密閉容器に投入し、1,000気圧の圧力を30分間加えた。その後圧力を開放し常圧とした。この操作を3回繰り返しドープを得た。ドープ温度を40℃で一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを用いて参考例1と同様にして、膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は450g/m・24h、ヘイズは0.3%、弾性率は3.10GPa、フィルム面内のレタデーション値は3nm、厚み方向レタデーション値は30nm、動摩擦係数は0.4、エレメンドルフ法による引裂強度は0.11N、直角形引裂法による引裂強度は3.8Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ1枚に剥離残りが発生した(剥離性:ランク○)。結果を表1に示した。
参考例3
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、数平均分子量100,000のセルロースエステル100質量部、上記化合物(P1)30質量部、酢酸メチル210質量部、エタノール90質量部を加圧密閉容器に投入し、80℃に加温して容器内圧力を5気圧とし、撹拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させドープを得た。ドープ温度を40℃まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを用いて参考例1と同様にして、膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は350g/m・24h、ヘイズは0.3%、弾性率は2.80GPa、フィルム面内のレタデーション値は2nm、厚み方向レタデーション値は60nm、動摩擦係数は0.3、エレメンドルフ法による引裂強度は0.15N、直角形引裂法による引裂強度は5.0Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りは発生せず良好な剥離性(ランク◎)を示した。結果を表1に示した。
参考例4
参考例3の化合物(P1)の添加量を30質量部から10質量部に変更した以外は参考例3と同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は360g/m・24h、ヘイズは0.2%、弾性率は2.95GPa、フィルム面内のレタデーション値は2nm、厚み方向レタデーション値は40nm、動摩擦係数は0.4、エレメンドルフ法による引裂強度は0.11N、直角形引裂法による引裂強度は5.5Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りは発生せず良好な剥離性(ランク◎)を示した。結果を表1に示した。
比較例1
上記化合物(P1)30質量部と酢化度60.9%のセルローストリアセテート(数平均分子量200,000)100質量部とトリフェニルフォスフェイト10質量部をメチレンクロライド475質量部とメタノール25質量部を加圧密閉容器に投入し、35℃で撹拌しながらドープを得た。そのまま一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを用いて参考例1と同様にして、膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は400g/m・24h、ヘイズは0.7%、弾性率は2.50GPa、フィルム面内のレタデーション値は5nm、厚み方向レタデーション値は20nm、動摩擦係数は0.6、エレメンドルフ法による引裂強度は0.09N、直角形引裂法による引裂強度は2.0Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りが発生し剥離性に劣っていた(ランク×)。結果を表1に示した。
比較例2
酢化度60.9%のセルローストリアセテート(数平均分子量200,000)100質量部、トリフェニルフォスフェイト10質量部、メチレンクロライド475質量部、メタノール25質量部を加圧密閉容器に投入し、35℃で撹拌しながらドープを得た。そのまま一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し製膜に供した。
得られたドープを用いて参考例1と同様にして、膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は550g/m・24h、ヘイズは0.6%、弾性率は2.90GPa、フィルム面内のレタデーション値は5nm、厚み方向レタデーション値は20nm、動摩擦係数は0.6、エレメンドルフ法による引裂強度は0.05N、直角形引裂法による引裂強度は2.3Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りが発生し剥離性に劣っていた(ランク×)。結果を表1に示した。
実施例5
トランス異性体含有量が少なくとも70%を有する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール91モル%、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール9モル%からなるポリエステルエーテルを常法により得た(化合物P2とする)。化合物(P2)を用いて以下のように行った。
参考例3の化合物(P1)及び添加量30質量部を、化合物(P2)、添加量10質量部に変更した以外は参考例3と同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は400g/m・24h、ヘイズは0.5%、弾性率は2.70GPa、フィルム面内のレタデーション値は5nm、厚み方向レタデーション値は60nm、動摩擦係数は0.5、エレメンドルフ法による引裂強度は0.08N、直角形引裂法による引裂強度は4.0Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りは発生せず良好な剥離性(ランク◎)を示した。結果を表1に示した。
実施例6
トリエチレングリコールとアジピン酸とから平均分子量2,500のポリエステルを常法により得た(化合物P3とする)。化合物(P3)を用いて以下のように行った。
参考例3の化合物(P1)及び添加量30質量部を、化合物(P3)、添加量10質量部に変更した以外は参考例3と同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。得られたフィルムの水蒸気透過率は450g/m・24h、ヘイズは0.5%、弾性率は2.65GPa、フィルム面内のレタデーション値は6nm、厚み方向レタデーション値は65nm、動摩擦係数は0.5、エレメンドルフ法による引裂強度は0.08N、直角形引裂法による引裂強度は4.0Nであった。得られたフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて偏光板を10枚作製し、ガラス基盤からの剥離性について評価したところ10枚とも全て剥離残りは発生せず良好な剥離性(ランク◎)を示した。結果を表1に示した。
実施例7
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、数平均分子量100,000のセルロースエステル100質量部、上記化合物(P2)30質量部、酢酸メチル210質量部、エタノール90質量部を用いた以外は参考例1と同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。エレメンドルフ法と直角形引裂法の測定値及びガラス基盤からの剥離性の結果を表1に示した。
実施例8
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、数平均分子量100,000のセルロースエステル100質量部、上記化合物(P2)30質量部、酢酸メチル210質量部、エタノール90質量部を用いた以外は参考例2と同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。エレメンドルフ法と直角形引裂法の測定値及びガラス基盤からの剥離性の結果を表1に示した。
実施例9
実施例7で化合物(P2)の代わりに化合物(P3)を用いた以外は同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。エレメンドルフ法と直角形引裂法の測定値及びガラス基盤からの剥離性の結果を表1に示した。
実施例10
実施例8で化合物(P2)の代わりに化合物(P3)を用いた以外は同様にして膜厚40μmのフィルムを得た。エレメンドルフ法と直角形引裂法の測定値及びガラス基盤からの剥離性の結果を表1に示した。
Figure 0004840475
表1から直角形引裂法による引裂強度が3.5N以上、特に4.0N以上では良好な剥離性を示すことが分かる。本発明のセルロースエステルの製造方法によれば、偏光板用保護フィルムとしたときに何れも良好な剥離性を示すセルロースエステルフィルムが得られることが分かる。

Claims (6)

  1. アシル基の置換度が2.6〜3.0のセルロースエステルと、ポリエステルエーテル又はポリエステルと、実質的に塩素系溶媒を含まない有機溶媒との混合物を、
    (1)該有機溶媒の常圧での沸点以上で、かつ発泡しない圧力条件下で溶解してドープにする方法、
    (2)−100℃〜−10℃に冷却した後、その冷却物を0℃〜120℃に加温してドープにする方法、または、
    (3)50気圧以上2,000気圧以下に加圧してドープにする方法、
    の何れかの方法により得られたドープを、支持体上にフィルム状に流延し、該支持体に流延した生乾きのフィルムを剥離し乾燥して、膜厚が20〜60μmで、膜厚を40μmの厚さに換算した場合、フィルムの直角形引裂法による引裂強度が3.5N〜7.0Nである単層のフィルムを製造することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記有機溶媒が酢酸メチルを50%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記ポリエステルエーテル又はポリエステルの含有量がセルロースエステルに対し5〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  4. 前記セルロースエステルが70,000〜300,000の数平均分子量を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  6. 請求項5に記載のセルロースエステルフィルムを用いることを特徴とする偏光板用保護フィルム。
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