JP3305955B2 - セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアセテート溶液、その調製方法およびセルロースアセテートフイルムの製造方法

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JP3305955B2 JP21662496A JP21662496A JP3305955B2 JP 3305955 B2 JP3305955 B2 JP 3305955B2 JP 21662496 A JP21662496 A JP 21662496A JP 21662496 A JP21662496 A JP 21662496A JP 3305955 B2 JP3305955 B2 JP 3305955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアセテ
ート溶液の調製方法およびセルロースアセテートフイル
ムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。セルロー
スアセテートの酢化度や重合度(粘度と相関関係あり)
は、得られるフイルムの機械的強度や耐久性と密接な関
係がある。酢化度や重合度が低下するにつれて、フイル
ムの弾性率、耐折強度、寸度安定性および耐湿熱性も低
下する。写真用支持体や光学フイルムとして要求される
品質を満足するためには、セルロースアセテートの酢化
度は58%以上(好ましくは59%以上)が必要である
とされる。酢化度が58%以上のセルロースアセテート
は、一般にトリアセチルセルロース(TAC)に分類さ
れる。重合度は、粘度平均重合度として270以上が好
ましく、290以上がさらに好ましいと考えられてい
る。
【0003】セルロースアセテートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアセテ
ートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流
延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メルトキ
ャスト法では、セルロースアセテートを加熱により溶融
したものを支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成
する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法
よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することがで
きる。このため、実用的には、ソルベントキャスト法の
方が普通に採用されている。ソルベントキャスト法につ
いては、多くの文献に記載がある。最近のソルベントキ
ャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持
体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮
して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっ
ている。例えば、特公平5−17844号公報には、高
濃度ドープを冷却ドラム上に流延することにより、流延
後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案されてい
る。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアセテートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。平面性に優れ、厚みの均一なフ
イルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な
粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液
(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、
ゲル化が容易であることや支持体からの剥離が容易であ
ることも要求される。そのようなドープを調製するため
は、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒につい
ては、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないこと
も要求される。セルロースアセテートの溶媒として、様
々な有機溶媒が提案されているが、実用化されている有
機溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られてい
た。
【0005】しかしながら、メチレンクロリドのような
ハロゲン化炭化水素は、近年、地球環境保護の観点か
ら、その使用は著しく規制される方向にある。また、メ
チレンクロリドは、低沸点(41℃)であるため、製造
工程において揮散しやすい。このため、作業環境におい
ても問題である。これらの問題を防止するため、製造工
程のクローズド化が行なわれているが、密閉するにして
も技術的な限界がある。従って、メチレンクロリドの代
替となるような、セルロースアセテートの溶媒を捜し求
めることが急務となっている。
【0006】ところで、汎用の有機溶剤であるアセトン
(沸点:56℃)は、比較的低い沸点を有し、乾燥負荷
がそれほど大きくない。また、人体や地球環境に対して
も、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、ア
セトンは、セルロースアセテートに対する溶解性が低
い。置換度2.70(酢化度58.8%)以下のセルロ
ースアセテートに対しては、アセトンは若干の溶解性を
示す。セルロースアセテートの置換度が2.70を越え
ると、アセトンの溶解性がさらに低下する。置換度2.
80(酢化度60.1%)以上のセルロースアセテート
となると、アセトンは膨潤作用を示すのみで溶解性を示
さない。
【0007】J.M.G.Cowie他の論文、Mak
romol,chem.,143巻、105頁(197
1年)は、置換度2.80(酢化度60.1%)から置
換度2.90(酢化度61.3%)のセルロースアセテ
ートを、アセトン中で−80℃から−70℃に冷却した
後、加温することにより、アセトン中にセルロースアセ
テートが0.5乃至5重量%に溶解している希薄溶液が
得られたことを報告している。以下、このように、セル
ロースアセテートと有機溶媒との混合物を冷却して、溶
液を得る方法を「冷却溶解法」と称する。また、セルロ
ースアセテートのアセトン中への溶解については、上出
健二他の論文「三酢酸セルロースのアセトン溶液からの
乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34巻、57頁(198
1年)にも記載がある。この論文は、その標題のよう
に、冷却溶解法を紡糸方法の技術分野に適用したもので
ある。論文では、得られる繊維の力学的性質、染色性や
繊維の断面形状に留意しながら、冷却溶解法を検討して
いる。この論文では、繊維の紡糸のために10乃至25
重量%の濃度を有するセルロースアセテートの溶液を用
いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように冷却溶解
法を用いて、セルロースアセテートがアセトン中に溶解
している溶液を調製することが可能になった。しかし、
本発明者が研究を進めたところ、セルロースアセテート
がアセトン中に溶解している溶液は、粘度の調整が困難
であるとの問題に直面した。溶液の粘度は、フイルムの
ような製品製造における重要な条件である。溶液の粘度
が高すぎると、溶液の取り扱いが難しい。すなわち、配
管中、圧力で溶液を搬送する場合、溶液の粘度が高いと
配管中での送液に高い圧力が必要になる。一方、前述し
た特公平5−17844号公報に記載されているよう
に、高濃度ドープを冷却ドラム上に流延することによ
り、フイルム製造に要する時間を短縮することができ
る。しかし、実際に処理時間を短縮するためには、冷却
により溶液の粘度が急速に増大(最終的には固化)する
必要がある。セルロースアセテートがアセトン中に溶解
している溶液では、濃度を調整しても、適切な粘度の特
性を得ることが実質的に不可能であった。
【0009】本発明の目的は、メチレンクロリドのよう
なハロゲン化炭化水素系有機溶剤をなるべく使用せず
に、適切な粘度の特性を有しているセルロースアセテー
ト溶液を提供することである。また本発明の目的は、粘
度の調整が容易なセルロースアセテート溶液を提供する
ことでもある。さらに本発明の目的は、メチレンクロリ
ドのようなハロゲン化炭化水素系有機溶剤を成るべく使
用せずに、粘度の調整が容易なセルロースアセテート溶
液を調製することでもある。さらにまた本発明の目的
は、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素系有
機溶剤をなるべく使用せずに、優れたセルロースアセテ
ートフイルムを製造することでもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(5)により達成された。 (1)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテートが有機溶媒中に溶解しているセルロ
ースアセテート溶液であって、該有機溶媒が互いに異な
る三種類の溶媒の混合溶媒であり、第1の溶媒が炭素原
子数が3乃至12のケトンおよび炭素原子数が3乃至1
2のエステルから選ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1
乃至5の直鎖状一価アルコールから選ばれ、第3の溶媒
が沸点が30乃至170℃のアルコールおよび沸点が3
0乃至170℃の炭化水素から選ばれ、混合溶媒中に、
第1の溶媒が50乃至95重量%含まれ、第2の溶媒が
1乃至30重量%含まれ、そして第3の溶媒が1乃至3
0重量%含まれていることを特徴とするセルロースアセ
テート溶液。 (2)該有機溶媒がハロゲン化炭化水素を実質的に含ま
ない(1)に記載のセルロースアセテート溶液。 (3)該有機溶媒が互いに異なる四種類以上の溶媒の混
合溶媒であり、第4以降の溶媒が炭素原子数が3乃至1
2のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステル、炭素
原子数が1乃至5の直鎖状一価アルコール、沸点が30
乃至170℃のアルコール、沸点が30乃至170℃の
炭化水素、炭素原子数が3乃至12のエーテルおよびニ
トロメタンから選ばれる(1)に記載のセルロースアセ
テート溶液。
【0011】(4)58.0乃至62.5%の平均酢化
度を有するセルロースアセテートおよび有機溶媒との混
合物であって、該有機溶媒が互いに異なる三種類の溶媒
の混合溶媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が4乃至1
2のケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルか
ら選ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状
一価アルコールから選ばれ、第3の溶媒が沸点が30乃
至170℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃
の炭化水素から選ばれ、混合溶媒中に、第1の溶媒が5
0乃至95重量%含まれ、第2の溶媒が1乃至30重量
%含まれ、そして第3の溶媒が1乃至30重量%含まれ
ている混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程、
および冷却した混合物を0乃至100℃に加温して、有
機溶媒中にセルロースアセテートを溶解する工程からな
るセルロースアセテート溶液の調製方法。 (5)58.0乃至62.5%の平均酢化度を有するセ
ルロースアセテートおよび有機溶媒との混合物であっ
て、該有機溶媒が互いに異なる三種類の溶媒の混合溶媒
であり、第1の溶媒が炭素原子数が4乃至12のケトン
および炭素原子数が3乃至12のエステルから選ばれ、
第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価アルコ
ールから選ばれ、第3の溶媒が沸点が30乃至170℃
のアルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭化水素
から選ばれ、混合溶媒中に、第1の溶媒が50乃至95
重量%含まれ、第2の溶媒が1乃至30重量%含まれ、
そして第3の溶媒が1乃至30重量%含まれている混合
物を−100乃至−10℃に冷却する工程、冷却した混
合物を0乃至100℃に加温して、有機溶媒中にセルロ
ースアセテートを溶解する工程、得られたセルロースア
セテート溶液を支持体上に流延する工程および溶媒を蒸
発させてフイルムを形成する工程からなるセルロースア
セテートフイルムの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
[溶液の粘度]セルロースアセテート溶液は、40℃に
おける見掛け粘度が100乃至2000ポアズであるこ
とが好ましい。40℃における見掛け粘度は、120乃
至1800ポアズであることがより好ましく、140乃
至1600ポアズであることがさらに好ましく、150
乃至1500ポアズであることが最も好ましい。見掛け
粘度は、ニュートンの粘性法則が適用されない非ニュー
トン液体(セルロースアセテート溶液が含まれる)につ
いて、形式的に粘度の概念を拡張した値である。具体的
には、毛管流動を測定し、ハーゲン−ポアズイユの式を
形式的に用いて算出することができる。セルロースアセ
テート溶液は、40℃から2℃/分の速度で冷却すると
0℃以上の温度において見掛け粘度が100000ポア
ズ以上に達することが好ましい。見掛け粘度が1000
00ポアズ以上に達する温度は、2℃以上であることが
より好ましく、4℃以上であることがさらに好ましく、
6℃以上であることが最も好ましい。セルロースアセテ
ート溶液は、上記温度まで冷却すると固化することが好
ましい。ただし、固化よりも見掛け粘度の方が、測定や
判断が容易である。すなわち、40℃における見掛け粘
度を測定してから、溶液を冷却すれば、連続して見掛け
粘度が100000ポアズ以上に達する温度を測定する
ことができる。見掛け粘度が100000ポアズ以上に
達すれば、実質的に固化しているとみなすことができ
る。
【0013】[セルロースアセテート]本発明に用いる
セルロースアセテートは、平均酢化度(アセチル化度)
が58.0から62.5%である。酢化度とは、セルロ
ース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。このセルロースアセテートの酢化度の範囲は、
前述したように、写真用支持体や光学フイルムとして要
求される品質を満足するために必要とされる値である。
また、酢化度が58.0未満のセルロースアセテート
は、本発明の冷却溶解法を用いなくても、アセトン中に
溶解することができる。
【0014】セルロースアセテートは、綿花リンターま
たは木材パルプから合成することができる。綿花リンタ
ーと木材パルプを混合して用いてもよい。一般に木材パ
ルプから合成する方が、コストが低く経済的である。た
だし、綿花リンターを混合することにより、剥ぎ取り時
の負荷を軽減できる。また、綿花リンターを混合する
と、短時間に製膜しても、フイルムの面状があまり悪化
しない。セルロースアセテートは、一般に、酢酸−無水
酢酸−硫酸でセルロースを酢化して合成する。工業的に
は、メチレンクロリドを溶媒とするメチクロ法あるいは
セルロースアセテートの非溶媒(例、ベンゼン、トルエ
ン)を添加して繊維状で酢化する繊維状酢化法が用いら
れる。
【0015】セルロースアセテートの粘度平均重合度
(DP)は、250以上であることが好ましく、290
以上であることがさらに好ましい。重合度が250未満
のセルロースアセテートでは、得られるフイルムの強度
が悪化する。粘度平均重合度は、オストワルド粘度計に
て測定したセルロースアセテートの固有粘度[η]か
ら、下記の式により求める。 (1) DP=[η]/Km 式中、[η]は、セルロースアセテートの固有粘度であ
り、Kmは、定数6×10-4である。
【0016】[有機溶媒] 本発明では、セルロースアセテート溶液の調製に有機溶
媒を使用する。この有機溶媒は、メチレンクロリドのよ
うなハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ま
しい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲ
ン化炭化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量
%未満)であることを意味する。有機溶媒として、互い
に異なる三種類の溶媒の混合溶媒を用いる。
【0017】第1の溶媒は、炭素原子数が3乃至12の
ケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルから選
ばれる。ケトンおよびエステルは、環状構造を有してい
てもよい。ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、
−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有す
る化合物も、有機溶媒として用いることができる。ケト
ンおよびエステルは、アルコール性水酸基のような他の
官能基を有していてもよい。炭素原子数が3乃至12の
ケトンの例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンお
よびメチルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が
3乃至12のエステルの例には、蟻酸エチル、蟻酸プロ
ピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペ
ンチルおよび酢酸2−メトキシエチルが含まれる。ケト
ンよりもエステルの方が好ましい。エステルの炭素原子
数は、3乃至10であることが好ましく、3乃至8であ
ることがより好ましく、3乃至6であることがさらに好
ましく、3乃至5であることが最も好ましい。酢酸メチ
ルが特に好ましく用いられる。
【0018】第2の溶媒は、炭素原子数が1乃至5の直
鎖状一価アルコールから選ばれる。アルコールの水酸基
は、炭化水素直鎖の末端に結合してもよいし(第一級ア
ルコール)、中間に結合してもよい(第二級アルコー
ル)。第2の溶媒は、具体的には、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペン
タノールおよび3−ペンタノールから選ばれる。直鎖状
一価アルコールの炭素原子数は、1乃至4であることが
好ましく、1乃至3であることがさらに好ましく、1ま
たは2であることが最も好ましい。エタノールが特に好
ましく用いられる。第3の溶媒は、沸点が30乃至17
0℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭化
水素から選ばれる。アルコールは一価であることが好ま
しい。アルコールの炭化水素部分は、直鎖であっても、
分岐を有していても、環状であってもよい。炭化水素部
分は、飽和脂肪族炭化水素であることが好ましい。アル
コールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれであっても
よい。
【0019】アルコールの例には、メタノール(沸点:
64.65℃)、エタノール(78.325℃)、1−
プロパノール(97.15℃)、2−プロパノール(8
2.4℃)、1−ブタノール(117.9℃)、2−ブ
タノール(99.5℃)、t−ブタノール(82.45
℃)、1−ペンタノール(137.5℃)、2−メチル
−2−ブタノール(101.9℃)およびシクロヘキサ
ノール(161℃)が含まれる。アルコールについて
は、前記第2の溶媒の定義と重複するが、第2の溶媒と
して使用するアルコールとは異なる種類のアルコールで
あれば、第3の溶媒として使用できる。例えば、第2の
溶媒として、エタノールを使用する場合は、第2の溶媒
の定義に含まれる他のアルコール(メタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノールまた
は3−ペンタノール)を第3の溶媒として使用してもよ
い。
【0020】炭化水素は、直鎖であっても、分岐を有し
ていても、環状であってもよい。芳香族炭化水素と脂肪
族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪族炭化
水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭化水
素の例には、シクロヘキサン(沸点:80.7℃)、ヘ
キサン(69℃)、ベンゼン(80.1℃)、トルエン
(110.6℃)およびキシレン(138.4〜14
4.4℃)が含まれる。三種混合溶媒中には、第1の溶
媒が50乃至95重量%含まれる。第1の溶媒は、60
乃至92重量%含まれることが好ましく、65乃至90
重量%含まれることがさらに好ましく、70乃至88重
量%含まれることが最も好ましい。第2の溶媒は、1乃
至30重量%含まれる。第2の溶媒は、2乃至27重量
%含まれることが好ましく、3乃至24重量%含まれる
ことがさらに好ましく、4乃至22重量%含まれること
が最も好ましい。第3の溶媒は、1乃至30重量%含ま
れる。第3の溶媒は、2乃至27重量%含まれることが
好ましく、3乃至24重量%含まれることがさらに好ま
しく、4乃至22重量%含まれることが最も好ましい。
【0021】さらに他の有機溶媒を併用して、四種以上
の混合溶媒としてもよい。四種以上の混合溶媒を用いる
場合の4番目以降の溶媒も、前述した三種類の溶媒から
選択することが好ましい。前述した三種類の溶媒以外の
溶媒して、炭素原子数が3乃至12のエーテル類(例、
ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキ
シエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール)
やニトロメタンを併用してもよい。
【0022】[溶液調製(冷却溶解法)]本発明では、
冷却溶解法により、以上のような混合溶媒中にセルロー
スアセテートを溶解して、溶液(ドープ)を形成するこ
とが好ましい。溶液の調製においては、最初に、室温で
有機溶媒中にセルロースアセテートを攪拌しながら徐々
に添加する。この段階では、セルロースアセテートは、
一般に有機溶媒中で膨潤するが溶解しない。なお、室温
でセルロースアセテートを溶解できる溶媒であっても、
冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効
果がある。セルロースアセテートの量は、この混合物中
に10乃至40重量%含まれるように調整する。セルロ
ースアセテートの量は、10乃至30重量%であること
がさらに好ましい。混合溶媒中には、後述する任意の添
加剤を添加しておいてもよい。次に、混合物を−100
乃至−10℃(好ましくは−80乃至−10℃、さらに
好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50
乃至−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライア
イス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレン
グリコール溶液(−30乃至−20℃)中で実施でき
る。このように冷却すると、セルロースアセテートと混
合溶媒の混合物は固化する。
【0023】さらに、これを0乃至100℃に加温する
と、混合溶媒中にセルロースアセテートが溶解する。昇
温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温し
てもよい。このようにして、均一な溶液が得られる。な
お、溶解が不充分である場合は、冷却、加温の操作を繰
り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視に
より溶液の外観を観察するだけで判断することができ
る。冷却溶解方法においては、冷却時の結露による水分
混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。
また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時
の減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧
および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いるこ
とが望ましい。なお、セルロースアセテート(酢化度:
60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法に
よりメチルアセテート中に溶解した20重量%の溶液
は、示差走査熱量測定(DSC)によると、33℃近傍
にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この
温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液
は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラ
ス10℃程度の温度で保存する必要がある。ただし、こ
の疑似相転移温度は、セルロースアセテートの平均酢化
度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒によ
り異なる。
【0024】[フイルムの製造]調製したセルロースエ
ステル溶液は、フイルムの製造に用いることができる。
具体的には、溶液をソルベントキャスト法におけるドー
プとして利用する。ドープは、支持体上に流延し、溶媒
を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、
固形分量が18乃至35%となるように濃度を調整する
ことが好ましい。支持体表面は、鏡面状態に仕上げてお
くことが好ましい。支持体としては、ドラムまたはバン
ドが用いられる。ソルベントキャスト法における流延お
よび乾燥方法については、米国特許2336310号、
同2367603号、同2492078号、同2492
977号、同2492978号、同2607704号、
同2739069号、同2739070号、英国特許6
40731号、同736892号各明細書、特公昭45
−4554号、同49−5614号、特開昭60−17
6834号、同60−203430号、同62−115
035号各公報に記載がある。
【0025】ドープは、表面温度が10℃以下の支持体
上に流延することが好ましい。流延した2秒上風に当て
て乾燥することが好ましい。得られたフイルムを支持体
から剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度
を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることも
できる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に
記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまで
の時間を短縮することが可能である。この方法を実施す
るためには、流延時の支持体表面温度においてドープが
ゲル化することが必要である。本発明に従い製造したド
ープは、この条件を満足する。本発明に従い製造するフ
イルムの厚さは、5乃至500μmであることが好まし
く、20乃至200μmであることがさらに好ましく、
60乃至120μmであることが最も好ましい。
【0026】[その他の添加剤]セルロースアセテート
フイルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥
速度を向上するために、可塑剤を添加することができ
る。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸
エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリ
フェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジル
ホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステ
ルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステル
が代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチル
フタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DE
P)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタ
レート、(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエ
ン酸アセチルトリブチル(OACTB)が含まれる。そ
の他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチ
ル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチ
ル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル
酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DO
P、DEHP)が好ましく用いられる。DEPが特に好
ましい。
【0027】さらに、一般に結晶核形成剤(核剤)とし
て知られている化合物を添加してもよい。結晶核形成剤
は、従来から、結晶性高分子(特にポリプロピレン)を
溶融成型する場合に、その光学的性質、機械的性質、熱
的性質や成型性の向上するための改質剤として使用され
ている。本発明では、そのような化合物を結晶核形成剤
として使用するのではなく、ドープのゲル化温度を高く
するために使用することができる。上記化合物は、その
両親媒性のある化学構造から、セルロースアセテートと
の相互作用を有する。一方、上記化合物の自己凝集作用
がアセチルセルロースよりも高いため、結果としてアセ
チルセルロースの凝集を促し、ゲル化温度が高くなると
考えられる。上記化合物は、ドープの粘度を下げる効果
がある。上記化合物は、有機溶媒とセルロースアセテー
トの水酸基との溶媒和を妨害するため、ポリマーの広が
りを抑えるためであると考えられる。
【0028】結晶核形成剤(核剤)として知られている
化合物の例には、リン酸2,2’−メチレンビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタ
ブNA−11、旭電化(株)製)、リン酸ビス(4−t
−ブチルフェニル)ナトリウム(アデカスタブNA−1
0、旭電化(株)製)、ビス(p−メチルベンジリデ
ン)ソルビドール(ゲルオールMD、新日本理化(株)
製)およびビス(p−エチルビンジリデン)ソルビトー
ル(NC−4、三井東圧化学(株)製)が含まれる。セ
ルロースアセテートフイルムには、劣化防止剤(例、過
酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕
獲剤)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤に
ついては、特開平5−1907073号公報に記載があ
る。紫外線防止剤については、特開平7−11056号
公報に記載がある。
【0029】
【実施例】
[実施例1]室温において、下記の組成の混合物をタン
クに投入し、セルロースアセテートを膨潤させた後、−
70℃まで冷却し、さらに70℃まで加温してセルロー
スアセテート溶液を調製した。
【0030】 ──────────────────────────────────── 混合物組成 ──────────────────────────────────── セルロースアセテート(酢化度:59.5、重合度:300) 60重量部 酢酸メチル 272重量部 エタノール 51重量部 ブタノール 17重量部 ────────────────────────────────────
【0031】得られた溶液の40℃における見掛け粘度
を測定し、次に溶液を2℃/分の速度で冷却し、見掛け
粘度が100000ポアズに達する温度を測定した。溶
液を、有効長が6mのバンド流延機を用いてバンド状に
流延し、乾燥後、フイルムをバンドから剥ぎ取った。フ
イルムがバンドからきれいに剥ぎ取れた可動かをA(非
常に良好)〜D(不良)の4段階で評価した。さらに、
フイルムの面の状態を観察し、A(非常に良好)〜D
(不良)の4段階で評価した。結果は第1表に示す。
【0032】[実施例2〜21]セルロースアセテー
ト、混合溶媒の種類、可塑剤の添加の有無および冷却温
度を第1表に示すように変更した以外は、実施例1と同
様に溶液およびフイルムを製造して評価した。結果は第
1表に示す。
【0033】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 実 CTA 溶液粘度 フイルム 施 量 酢化 三種混合有機溶媒 塑 冷却 40 高粘 面 剥 例 wt.% 度% 第1 第2 第3 混合比 剤 温度 ℃ 温度 状 取 ──────────────────────────────────── 1 15 60.9 MA Et 1-Bu 80/15/5 ナシ −70℃ 560 15℃ B A 2 15 59.5 MA Et 1-Bu 80/10/10 ナシ −70℃ 320 13℃ B A 3 15 59.5 MA Et 1-Bu 80/15/5 ナシ −30℃ 190 10℃ A B 4 15 60.9 MA Et t-Bu 80/15/5 ナシ −70℃ 210 16℃ A A 5 15 59.5 MA Et t-Bu 80/10/10 ナシ −30℃ 230 14℃ A A 6 20 59.5 MA Et 1-Bu 80/15/5 ナシ −50℃ 760 12℃ B B 7 20 59.5 MA Et t-Bu 80/15/5 ナシ −50℃ 820 13℃ B A 8 20 60.2 MA Et 1-He 80/16/4 ナシ −50℃ 1020 17℃ B A 9 20 60.2 MA Et 1-Pe 80/16/4 ナシ −50℃ 980 16℃ B A 10 20 60.2 MA Et 2-Bu 80/15/5 ナシ −50℃ 800 18℃ B A 11 20 60.2 MA Et Me 80/15/5 ナシ −50℃ 790 12℃ B B 12 20 60.2 MA 1-Bu Me 80/15/5 ナシ −50℃ 820 16℃ B A 13 20 60.2 MA Et 1-Bu 80/15/5 ナシ −50℃ 900 18℃ B A 14 17 59.5 MA Et CNE 80/15/5 ナシ −30℃ 400 8℃ B B 15 17 60.2 MA Et CNE 80/15/5 ナシ −50℃ 620 14℃ B A 16 20 59.5 MA Et CNE 80/15/5 ナシ −30℃ 600 10℃ B B 17 20 60.2 MA Et CNE 80/15/5 ナシ −50℃ 840 18℃ B A 18 17 60.2 MA Et 1-Bu 80/15/5 アリ −70℃ 470 14℃ B A 19 17 60.2 MA Et CNE 80/15/5 アリ −70℃ 460 15℃ B A 20 17 59.5 MA Et CNE 80/14/6 アリ −30℃ 420 11℃ B B 21 17 59.5 MA Et CNOL 80/5/15 アリ −50℃ 400 11℃ B B ────────────────────────────────────
【0034】(註)CTA:セルローストリアセテート
(wt.%は、全組成物に対する重量%) 溶媒の混合比:全溶媒に対する重量% 可塑剤あり:セルローストリアセテート100重量部に
対してトリフェニルホスフェート10重量部およびビフ
ェニルジフェニルホスフェート5重量部を添加 高粘温度:冷却により見掛け粘度が100000ポアズ
に達する温度 MA:酢酸メチル Me:メタノール Et:エタノール 1-Bu:1−ブタノール t-Bu:t−ブタノール 2-Bu:2−ブタノール 1-Pe:1−ペンタノール 1-He:1−ヘキサノール CNE :シクロヘキサン CNOL:シクロヘキサノール
【0035】
【発明の効果】本発明に従うと、メチレンクロリドのよ
うなハロゲン化炭化水素系有機溶剤をなるべく使用せず
に、適切な粘度の特性を有しているセルロースアセテー
ト溶液を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 1/795 G03C 1/795 B29K 1:00 B29K 1:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 1/32 C08J 3/00 - 5/24 CA(STN) PCI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
    有するセルロースアセテートが有機溶媒中に溶解してい
    るセルロースアセテート溶液であって、該有機溶媒が互
    いに異なる三種類の溶媒の混合溶媒であり、第1の溶媒
    が炭素原子数が3乃至12のケトンおよび炭素原子数が
    3乃至12のエステルから選ばれ、第2の溶媒が炭素原
    子数が1乃至5の直鎖状一価アルコールから選ばれ、第
    3の溶媒が沸点が30乃至170℃のアルコールおよび
    沸点が30乃至170℃の炭化水素から選ばれ、混合溶
    媒中に、第1の溶媒が50乃至95重量%含まれ、第2
    の溶媒が1乃至30重量%含まれ、そして第3の溶媒が
    1乃至30重量%含まれていることを特徴とするセルロ
    ースアセテート溶液。
  2. 【請求項2】 該有機溶媒がハロゲン化炭化水素を実質
    的に含まない請求項1に記載のセルロースアセテート溶
    液。
  3. 【請求項3】 該有機溶媒が互いに異なる四種類以上の
    溶媒の混合溶媒であり、第4以降の溶媒が炭素原子数が
    3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステ
    ル、炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価アルコール、沸
    点が30乃至170℃のアルコール、沸点が30乃至1
    70℃の炭化水素、炭素原子数が3乃至12のエーテル
    およびニトロメタンから選ばれる請求項1に記載のセル
    ロースアセテート溶液。
  4. 【請求項4】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
    有するセルロースアセテートおよび有機溶媒との混合物
    であって、該有機溶媒が互いに異なる三種類の溶媒の混
    合溶媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が4乃至12の
    ケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルから選
    ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価
    アルコールから選ばれ、第3の溶媒が沸点が30乃至1
    70℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭
    化水素から選ばれ、混合溶媒中に、第1の溶媒が50乃
    至95重量%含まれ、第2の溶媒が1乃至30重量%含
    まれ、そして第3の溶媒が1乃至30重量%含まれてい
    る混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程、およ
    び冷却した混合物を0乃至100℃に加温して、有機溶
    媒中にセルロースアセテートを溶解する工程からなるセ
    ルロースアセテート溶液の調製方法。
  5. 【請求項5】 58.0乃至62.5%の平均酢化度を
    有するセルロースアセテートおよび有機溶媒との混合物
    であって、該有機溶媒が互いに異なる三種類の溶媒の混
    合溶媒であり、第1の溶媒が炭素原子数が4乃至12の
    ケトンおよび炭素原子数が3乃至12のエステルから選
    ばれ、第2の溶媒が炭素原子数が1乃至5の直鎖状一価
    アルコールから選ばれ、第3の溶媒が沸点が30乃至1
    70℃のアルコールおよび沸点が30乃至170℃の炭
    化水素から選ばれ、混合溶媒中に、第1の溶媒が50乃
    至95重量%含まれ、第2の溶媒が1乃至30重量%含
    まれ、そして第3の溶媒が1乃至30重量%含まれてい
    る混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程、冷却
    した混合物を0乃至100℃に加温して、有機溶媒中に
    セルロースアセテートを溶解する工程、得られたセルロ
    ースアセテート溶液を支持体上に流延する工程および溶
    媒を蒸発させてフイルムを形成する工程からなるセルロ
    ースアセテートフイルムの製造方法。
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