JP4840435B2 - 塗布方法、及び塗布装置 - Google Patents

塗布方法、及び塗布装置 Download PDF

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Description

本発明は、粘度の高い塗液を芯体表面に塗布し、比較的厚い膜を形成する塗布方法、塗布装置、及びそれによって得られる無端ベルトに関する。特に、電子写真装置において、感光体、定着ロール、帯電ロール、転写ロール、転写ベルト、及び定着ベルト等のロール又はベルト部材を製造する際に好ましく適用することができる塗布方法及び塗布装置に関する
電子写真装置では、感光体、帯電体、転写体及び定着体などに、金属、各種プラスチック、又はゴム製の回転体が使用されている。装置の小型化或いは高性能化のために、例えば特開平8−262903号公報や特開平11−133776号公報に記載のように、定着回転体としては変形可能なものが好ましいことがあり、それには肉厚が薄い樹脂製ベルトが用いられる。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。その材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド(以後、PIと略す)樹脂が特に好ましい。
PI樹脂製の無端ベルトを作製するには、例えば、特開昭57−74131号公報記載のように、円筒体の内面にPI前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法や、特開昭62−19437号公報記載のように、円筒体内面にPI前駆体溶液を展開する内面塗布法があった。但し、これらの内面に成膜する方法では、PI前駆体を加熱反応させる際に、皮膜を円筒体から抜いて外型に載せ換える必要があり、工数が増える問題がある。
他の無端ベルトの製造方法として、例えば、特開昭61−273919号公報に記載のように、芯体の表面に、浸漬塗布法によってPI前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱した後、PI樹脂皮膜を芯体から剥離する方法もある。この方法では、外型に載せ換える工数が不要なので有利である。但し、芯体の表面に、浸漬塗布法によってPI前駆体溶液を塗布すると、一般にPI前駆体溶液は粘度が非常に高いために、塗膜の付着量が多くなり、膜厚が厚くなり過ぎるという問題がある。
そこで、例えば特開平6−23770号公報や特開平7−24859号公報に開示されているように、芯体の表面に樹脂又はその前駆体を含有する塗液を厚く付着させた後、所定の間隙の内径を有した外型を通過させて、余分の塗液を掻き落とす方法もあった。しかしながら、作業工程が増加するという短所があった。
また、PI前駆体を含有する塗液を希釈して、膜厚が厚くなりすぎないように浸漬塗布することもできるが、塗布上端部の垂れが大きくなり、膜厚の均一性が大いに損なわれる問題があった。
一方、感光体、定着ロール、帯電ロール、転写ロールには、回転体の表面に、機能性の被膜を形成したものがある。機能性被膜として、定着ロールの場合にはトナーの定着性や離型性を調整する非粘着性の被膜、帯電ロールの場合には感光体への放電特性、帯電性、電荷リーク等を調整する半導電性の被膜、転写ロールの場合には導電性、ニップ等を調整する被膜、感光体の場合には感光層又は保護層がある。このような被膜は、一般的に10〜100μmの厚みのものが所望されるが、被膜を浸漬塗布法で形成すると、やはり塗布上端部の垂れが大きくなるなどの問題がある。
特開平8−262903号公報 特開平11−133776号公報 特開昭57−74131号公報 特開昭62−19437号公報 特開昭61−273919号公報 特開平6−23770号公報 特開平7−24859号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、例えば、粘度の高い塗液を用いて、その膜厚が比較的厚い場合であっても膜厚を均一に塗布できる塗布方法、及び塗布装置を提供することを目的とする。
また、この塗布方法、及び塗布装置を用いて、電子写真感光体用支持体上に比較的厚い膜の電荷輸送層を均一に塗布することや、この塗布方法を用いて、定着ロール、帯電ロール、転写ロールの機能性被膜を均一に塗布することも目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
(1) 芯体表面に塗液を塗布する塗布方法であって、
前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けた環状体を、塗布槽に満たされた前記塗液に自由移動可能状態で設置した後、
前記環状体の孔に前記芯体を通して前記環状体が塗液面から持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さになるように、前記環状体の位置を検知し、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる制御をして、前記芯体を前記塗液から相対的に上昇させることを特徴とする塗布方法。
(2)前記環状体が塗液面から5〜50mm持ち上げられることを特徴とする前記(1)に記載の塗布方法。
)前記環状体、或いは前記塗布槽に、前記環状体の前記塗液への沈没を防止するための沈没防止部材を設けるたことを特徴とする前記(1)に記載の塗布方法。
) 芯体断面の外径よりも大きな円形の孔を設けた環状体を、塗布槽に満たされた塗液に自由移動可能状態で設置した後、
前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇させて、前記芯体表面に塗液を塗布する塗布方法であって、
前記芯体は、上昇方向先端部に当該先端部の外径が芯体の外径よりも大きくかつ前記環状体の孔の最小径未満となる間隔調節部材が設けられ、前記間隔調節部材により前記芯体の上昇時に前記芯体と前記環状体との間隙を均一に合わせることを特徴とする塗布方法。
) 芯体表面に塗液を塗布するための塗布装置であって、
前記塗液を貯留する塗布槽と、
前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けると共に、前記塗液に自由移動可能状態で設置する環状体と、
前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇する昇降手段と、
前記環状体の高さを検知する検知手段と、
前記検知手段による信号に基づいて、前記環状体が塗液面から持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さとなるように、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる調節をする制御手段と、
を備えることを特徴とする塗布装置。
(6)制御手段が、前記検知手段による信号に基づいて、前記環状体が塗液面から5〜50mm持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さとなるように、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる調節をすることを特徴とする前記(5)に記載の塗布装置。
) 芯体表面に塗液を塗布するための塗布装置であって、
前記塗液を満たすための塗布槽と、
前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けると共に、前記塗液に自由移動可能状態で設置する環状体と、
前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇する昇降手段と、
を備え、
前記芯体は、その上昇方向先端部に当該先端部の外径が芯体の外径よりも大きくかつ前記環状体の孔の最小径未満となる間隔調節部材が設けられ、前記間隔調節部材により前記芯体の上昇時に前記芯体と前記環状体との間隙を均一に合わせることを特徴とする塗布装置。
) 前記環状体、或いは前記塗布槽に、前記環状体の塗液への沈没を防止するための沈没防止部材が設けられることを特徴とする前記()に記載の塗布装置。
本発明の塗布方法により、膜厚が比較的厚い場合でもあっても、その膜厚を均一に塗布することができる。この塗布方法を用いて、定着体、帯電体、転写体等の機能性被膜を均一に塗布することができる。さらに、本発明により、均一な膜厚の無端ベルトを製造することができる。
以下、本発明の塗布方法について、図面を用いて説明する。なお、本発明の塗布方法と共に、本発明の塗布装置についても説明する。また、実質的に同様の機能を有するものには、全図面通して同じ符号を付して説明し、場合によってはその説明を省略することがある。
図1は、本発明の塗布方法に適用される塗布装置を示す概略構成図である。但し、塗布主要部のみを示し、周辺部は省略した。なお、本明細書において、「円筒芯体上に塗布する」とは、円筒芯体の表面上、及び該表面に層を有する場合はその層上に塗液を塗布する意味である。例えば、円筒芯体が電子写真感光体用支持体であるとき、支持体上への塗布は、表面に層を有する時は、その層上に塗布する場合を含む。また、「円筒芯体を上昇」とは、塗液面との相対関係であり、「円筒芯体を停止し、塗液面を下降」させる場合を含む。また、以下、環状体5の孔6の最小内径部分における円筒芯体1との間隙を本発明では「間隙」とし、環状体の「高さ」とは、環状体の孔の最小径部分から液面まで高さを示す。
図1に示す塗布装置は、円筒芯体1をその長手方向を垂直にしてに取り付けて塗液2に浸漬するためのチャッキング装置20(昇降手段)と、塗液2が満たされた塗布槽3とから構成されている。塗液2上には、円筒芯体1の断面の外周外径よりも大きな円形の孔6を設けた環状体5を自由移動可能状態で設置されている。チャッキング装置20は、螺旋状の溝が形成された回転軸21と、円筒芯体1をその長手方向を垂直にしてに取り付けると共に回転軸21に連結されるアーム22と、を備えている。アーム22の回転軸21との連結部には、図示しないが、回転軸21の螺旋状の溝に係合する突起部を有し、回転軸21の回転に伴いアーム22が昇降する。また、チャッキング装置20には、図1及び図3に示すように、回転軸21を駆動する駆動部23と、環状体5の高さを検知する検知器24(検知手段)と、検知器24からの情報に基づいて駆動部による回転軸21の回転速度を制御する制御部25とを備えている。
浸漬塗布装置には、必要に応じて、ポンプなどの、塗布槽3に塗液2を入れる塗液供給手段、円筒芯体1を塗液2に浸漬した際に、塗布槽3上部から溢流する塗液を受ける溢流受け手段、溢流塗液を再度容器に循環させる再供給手段、などを有していてもよい。
図1に示す塗布装置では、円筒芯体1を塗液2を塗布槽3に入れ、回転軸21の回転によりアーム22が降りと共に塗液2に円筒芯体1が浸漬し、次いで、回転軸21の逆回転によりアーム22が上がると共に円筒芯体1が上昇して塗布が行われ、皮膜形成用塗膜4が形成される。この際、円筒芯体1を孔6を通して塗液2に浸漬し、次いで、円筒芯体を上昇させ、円筒芯体1と孔6との間隙により、塗膜4の膜厚が制限される。
環状体5の材質は、塗液によって侵されないものであり、種々の金属、プラスチック等から選ばれる。環状体は、軽量化のために、例えば中空構造でもよい。
環状体5の孔6の内径と円筒芯体1の外径との間隙は、所望の膜厚を鑑みて調整する。乾燥膜厚は、濡れ膜厚と塗液の不揮発分濃度の積であるが、これから所望の濡れ膜厚が求められ、前記間隙は、所望の濡れ膜厚の1倍〜2倍にするのがよい。1倍〜2倍とするのは、塗液の粘度及び/又は表面張力、及び皮膜の収縮などにより、間隙の距離が濡れ膜厚になるとは限らないからである。
環状体5に設けられる孔6の内壁の形状は、図1の断面図に示すように、塗液に浸る下部で芯体との間隙が広く、上部が狭い形状であれば、斜めの直線状であるもののほか、階段状や曲線状でもよい。
環状体5は、図4(a)に示すように、その孔6の最小内径部分を含む構成部材52と、この構成部材52に脱着可能なそれ以外の構成部材53とが、孔6の開口軸方向に分かれた構造であってもよい。このような構成とすることで、例えば、所望とする円筒芯材1のサイズ、或いは所望とする塗膜4の厚さに合わせて、孔6の最小内径部分サイズを変化させた構成部材52のみを交換すれば、所望とする環状体5を準備することができ、低コスト化が実現できる。また、例えば、孔6の最小内径部分を含む構成部材52よりも比重が重い材料で、それ以外の構成部材53を作製して、環状体の重心を低くし、持ち上がり時の安定性を向上させることができる。なお、環状体5は、図4(b)に示すように、その孔6の最小内径部分を含む構成部材52と、この構成部材52に脱着可能なそれ以外の構成部材53とが、孔6の開口軸方向とは略直交方向に分かれた構造であってもよい。
そして、図2に示す塗布方法に適用される塗布装置では、塗液2を環状塗布槽7に入れ、その下部から上部へ円筒芯体1を通過させると、塗布が行われる。環状塗布槽7の底部には、塗液が漏れないよう、シール材8を取り付ける。シール材は、ポリエチレンやシリコーンゴム、フッソ樹脂等の柔軟性板材からなる。これ以外の構成は、図1に示す塗布装置と同様な構成である。
この環状塗布槽7を用いる環状塗布方法は、図1に示した浸漬塗布方法より、塗液が少なくてすむ利点がある。環状体5を塗液2上に自由移動可能状態で設置するのは、前記と同じである。
このように、本発明の塗布方法において、環状体5は、塗液2上でわずかの力で動くことができるよう、自由移動可能状態で設置するが、その方法としては、環状体5を塗液上に浮遊させる方法のほか、環状体5をロールやベアリングで支える方法、環状体5をエア圧で支える方法、などがある。また、図1又は2に示すように、環状体5の沈没防止のために、環状体5の外周面又は塗布槽3に、環状体を支えて塗液2への沈没を防止するための支持棒51を設けてもよい。この沈没防止部材としての支持棒51は、環状体5の外周面に設けられる場合、例えば、図2に示すように、環状体5が塗液2にある程度浸る高さで塗布槽3の外壁上端に当接する長さで設けられ、塗布槽3に設けられる場合、例えば、図1に示すように、塗布槽内壁の所定の箇所に、環状体5が塗液2にある程度沈むと干渉するように設けられる。なお、沈没防止部材の構成は、支持棒に限らず、環状体5の沈没を防止する構成であれば、例えば、板状、突起状、リング状の如何なる構成であってもよい。
本発明の塗布方法においては、環状体5の孔6を通して円筒芯体1を上昇させると、塗液2の介在により、円筒芯体1と環状体5との間隙にて摩擦抵抗が生じ、環状体5には上昇力が作用し、環状体5は持ち上げられる。
このように環状体5が持ち上げられた際、環状体5は円筒芯体1との摩擦抵抗が周方向で一定になるように水平方向に移動し、間隙が周方向で一定になる。環状体5が一方向にずれた場合、間隙が狭まろうとした部分では摩擦抵抗が大きくなり、その反対側では間隙が広がって摩擦抵抗が小さくなる不均衡状態が生じるが、摩擦抵抗が大きな部分は小さくなるよう、すなわち間隙が広くなるように環状体5が水平方向に移動するので、環状体5が円筒芯体1と接触することはなく、常に一定間隙が保たれる。
円筒芯体1を上昇させる際、円筒芯体1が多少傾いていても、あるいは、円筒芯体1の上昇手段にフレを有する場合でも、環状体5は円筒芯体1に追随して水平方向に動きうるので、膜厚は一定に塗布できる利点もある。
このように環状体5が作用するには、環状体5は、ある程度、持ち上げられなくてはならない。環状体5の持ち上げられる高さが低い場合、環状体5が中心位置に復元する力が弱いので、間隙が周方向である方向にずれて塗布されることになるが、その場合の膜厚は、図5に示すように、正弦波のうねりが生じたものとなる。すなわち、間隙が広い部分の膜厚は厚く、逆の部分の膜厚は薄くなるのである。ここで、うねりの山と谷の差の膜厚を、「うねりによる膜厚むら」と指すこととする。うねりによる膜厚むらは、使用される無端ベルトの用途にもよるが、通常、平均膜厚の5%以下であることを必要とされる。
これを達成するために本発明者等が検討した結果では、環状体5の孔6の最小内径部分が塗液2液面から持ち上げられつつ、かつ環状体5の底面が塗液2液面から離脱しないような所望の高さになるようにして、円筒芯体1を塗液2から相対的に環状体5の孔6を通じて上昇させることがよいと判明した。特に、この環状体5の孔6の最小内径部分が持ち上げられる高さは、塗液2液面から5mm以上、好ましくは、5〜50mmであることがよいと判明した。
この環状体5の上昇力は、円筒芯体1の上昇速度が速いほど強くなるが、環状体5が持ち上げられすぎて、その底面が液面から離れてしまうと、底面から塗液2中に空気が巻き込まれるようになり、塗膜4に気泡が入る問題が生じる。また、環状体5の底面が塗液2液面から離れると、塗布終了時に環状体5が塗液2液面に落下することになるが、その際にはやはり塗液2に泡が巻き込まれるので、塗布作業を繰り返す場合は非常に不都合である。
ここで、本発明において、環状体5を塗液2から引上げると、塗液2はある程度の高さの粘度を有するため、環状体5底面に追随して、環状体5底面縁部から塗液2液面の裾が形成されるが、この裾が環状体5底面縁部よりも外側に位置している場合、「環状体5の底面が塗液2液面から離脱しない」と見なし、内側に位置した場合、「環状体5の底面が塗液2液面から離脱した」と見なす。なお、この塗液2液面の裾が、環状体5底面縁部よりも内側に位置してしまうと、この裾から空気が巻きこまれ、上述のように塗膜4に気泡が入る問題が生じることとなる。
以上の理由により、円筒芯体1を上昇させる際には、環状体5は高すぎず低すぎず、一定範囲の高さであることが必要である。そのために本発明では、円筒芯体1の上昇速度を調節するのである。すなわち、環状体5の持ち上げ量(高さ)が低い場合は速度を速くし、逆に、環状体が上がりすぎて、その底面が液面から離れようとした場合には、上昇速度を遅くする。但し、本発明においては、円筒芯体1の上昇速度は、塗布開始時よりも減じる制御を行う。
このため、図1に示す塗布方法においては、検知器24により、環状体の高さを検知して、それに応じて制御部25により駆動部23を制御し回転軸21の回転速度を速くしたり遅くしたりして、環状体5の上昇速度を調整する。この検知器24には、機械式や光学式の各種検知器を用いることができ、例えば、光学式スイッチ、レーザー式距離計や超音波式距離計等を使用することができる。また、検知器24を使用せず、簡便には、目視で環状体の高さを判断し、手動で速度を調整することもできる。
なお、塗布時に環状体5が持ち上げられる高さは、次の条件ほど高くなる。
(1)環状体5と円筒芯体1との間隙が狭い(すなわち膜厚が薄い)。
(2)塗液2の粘度が高い。
(3)環状体5の質量が軽い。
ここで、環状体5と円筒芯体1との間隙は、目的とする膜厚を得るために必須の条件であるし、塗液2の粘度は容易には変更できない場合が多いので、塗布速度を所望値にしたい場合は、環状体5の質量を調整するのが好都合である。その場合、環状体5が図4に示すように分離した構造であると、孔6の最小内径部分を含む構成部材52はそのままで、それ以外の構成部材53を重さの違うものに交換すればよい。
環状体5の質量と塗布速度(円筒芯体1の上昇速度)の関係は、円筒芯体1を相対的に上昇させる速度が、環状体の質量に対して、比例の関係である。例えば、芯体の直径が0.366mφの場合、2.6kgの環状体を塗液に浮かべた後、芯体を上昇させ、環状体の高さを約20mmに安定させた時の芯体上昇速度は0.67m/minであり、次に、3.8kgの環状体5を塗液2に浮かべた後、芯体1を上昇させ、環状体5の高さを約20mmに安定させた時の芯体上昇速度は1.0m/minであった。いずれも、環状体5の質量が1kgあたり、0.26m/minの塗布速度であった。この関係は、塗布速度を所望値にしたい場合の、環状体設計の目安となる。さらに、環状体5の重さを2回変えて実験したところ、環状体の質量と塗布速度の関係は、図6のグラフに示すように直線比例の関係であった。
なお、円筒芯体1を上昇させて環状体5が持ち上げられて、環状体5が水平方向に移動し、環状体5と円筒芯体1との間隙が均一になるまでには、多少の時間がかかることもある。その場合は、円筒芯体の上部では、膜厚の均一領域が減ることとなる。
そこで、円筒芯体1の上昇方向先端部に当該先端部の外径が芯体の外径よりも大きくかつ前記環状体の孔の最小径未満となる間隔調節部材を設けることが好ましい。具体的には、例えば、図7に示すように、環状体5の位置合わせを行わせられるよう、先端部の外径が環状体5の孔6の最小径と略同等となる板状の間隙調節部材9を設ける。
間隙調節部材9は、円筒芯体1の上昇方向先端部が、間隙にほぼ等しいか、少し薄い厚さの突起物が好ましく、板状であることがより好ましい。間隙調節部材9は、図7に示すように、少なくとも3ヵ所以上にあればよい。この板状の場合、円筒芯体1の上端部に全周にわたってあってもよい。図8に示すように、間隙調節部材9が取り付けられた円筒芯体1部分が環状体5の孔6が通過することで、環状体5は強制的に位置合わせが行われ、円筒芯体1の上昇直後から円筒芯体1との間隙は均一になるのである。このように、円筒芯体1の上昇直後から、環状体5との間隔が一定となり、円筒芯体1全体に渡ってうねりよる膜厚むらを小さいくできる。特に、環状体5が塗液2中に持ち上げられる高さが5mm未満でも、うねりによる膜厚むらを小さくできる。もちろん、高さが5mm以上であれば更に好ましい。
次に、円筒芯体について説明する。被塗布物としての円筒芯体1は、感光体の場合、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属や、導電性を付与したプラスチックが用いられる。被塗布物が帯電ロールの場合、円筒芯体1は芯金の周囲に例えばシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性に優れたゴム材からなる弾性層を設けたロールが用いられる。被塗布物が帯電ロールの場合、円筒芯体1は芯金の周囲に例えばウレタンゴムやスポンジ等の弾性層を設けたロールが用いられる。
以下、本発明の塗布方法により作製される無端ベルトについて説明する。
本発明の塗布方法により無端ベルトを作製するには、円筒芯体1に皮膜形成用塗液を塗布した後、乾燥、加熱硬化、焼成のいずれか又は全ての処理を施して皮膜を形成し、形成された皮膜を芯体から剥離する。上述のように、本発明の塗布方法は膜厚を均一に塗布できるので、これにより作製された無端ベルトは、うねりによる膜厚むらが少なく、膜厚の正弦波成分のうねりが平均膜厚の5%以下ものとなる。
無端ベルトを作製するための円筒芯体は、ベルトの脱離のためには熱膨張率が大きい方がよいという観点から、アルミニウムが好適である。また、皮膜の剥離性を良くするため、その表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で表面を被覆したり、あるいは表面に離型剤を塗布することも有効である。
なお、アルミニウムは200℃以上に加熱すると、強度が低下して変形を起こしやすいが、そのようなアルミニウムの熱変形は、芯体形状への冷間加工中に歪みが蓄積していると発生しやすい。その歪みを取り去るには、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし)する方法がある。但し、焼鈍によっても熱変形が起こりうるので、芯体形状への加工は、焼鈍後に施す必要がある。前記焼鈍は、アルミニウム素材を300〜400℃に加熱し、空気中で自然に冷却すればよい。
次に塗液2について説明する。本明細書において、「塗液2」とは、種々の溶液、分散液などの液体を含む意である。
塗液2は、摩擦力により環状体5を持ち上げる関係から、粘度が200mPa・s以上であることが好ましく、400mPa・s以上がより好ましい。粘度が200mPa・s以上の塗液は、上端部での垂れは少なくなる。したがって、従来の浸漬塗布方法において常に課題であった上端部での垂れを、本発明の方法では低減することができる。
被塗布物(円筒芯体1)が有機感光体の場合、本発明の塗布方法は、膜厚が厚い電荷輸送層に適用するのがよい。電荷発生層は一般に、膜厚が薄いので、従来の浸漬塗布方法で塗布可能である。但し、膜厚の厚い電荷発生層が必要な場合は、本発明の塗布方法を用いることができる。
本発明の塗布方法に好ましい電荷輸送層に関して、簡単に述べる。電荷輸送層はヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物などの電荷輸送剤を、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステルなどのバインダー樹脂と混合して塗液にされる。バインダー樹脂は分子量が大きいほど摩耗しにくくなり好ましいが、分子量が大きいと塗液にした際の粘度が高くなるので、従来の浸漬塗布方法では膜厚が厚くなり過ぎて、塗布が困難であった。また、粘度を下げるために希釈溶剤の量を多くすれば、垂れによる膜厚の不均一が拡大する問題があった。しかしながら、本発明の塗布方法では、塗液の粘度が高い場合でも、膜厚を制御することができるので、従来の浸漬塗布方法より分子量が大きなバインダー樹脂を採用することができる。
塗液2には各種の溶媒が用いられる。この溶媒として、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、クロロセン等の塩素化炭化水素;アセトン、ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が挙げられる。これらを単独又は複数を混合して使用することもできる。
塗液2の固形分濃度は20〜50%程度、粘度は200〜8000mPa・s程度が好ましく、より好ましくは400mPa・s以上である。これは、従来の浸漬塗布方法に適用される電荷輸送層の塗液より、高濃度、高粘度である。電荷輸送層の膜厚は、15〜40μm程度が一般的であるが、本発明では特に25μm以上の膜厚を塗布したい場合に好ましい。塗布の条件として、上昇速度が0.1〜0.8m/min程度であるのが好ましい。
次に、定着ロールの表面に形成される機能性被膜に関して、簡単に述べる。該機能性被膜としては、例えば特開平9−22212号や特開平11−338283号に記載されている離型層が挙げられる。その塗液はフッ素ゴムを主体とし、必要に応じてフッ素樹脂粒子やSiC、Al2O3等の無機粒子を混合したものが挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン(VdF)を主成分とするもの、VdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、上記VdF−HFP共重合体とテトラフルオロエチレン(TFE)との3元共重合体、TFEとプロピレンとの交互共重合体等のフッ素系エラストマーが挙げられる。この他、VdF−クロロトリフルオロエチレン共重合体や、例えばシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム等とVdFを主成分とする上記フッ素系エラストマーとの混合物を用いることもできる。これらのフッ素ゴムは、前記弾性層の構成材料とすることもできる。なお、フッ素ゴムを主体とする塗液の粘度は200mPa・s以上である場合が多く、このような高粘度の塗液を用いると、従来の浸漬塗布方法では膜厚が厚くなりすぎるが、環状体を用いることにより、塗布が可能となる。離型層の厚さは5〜30μmの範囲が好ましい。
本発明の塗布方法を適用するのが好ましい帯電ロール及び転写ロールの表面に形成される機能性被膜に関して、簡単に述べる。
これらの機能性被膜に用いられる塗液2は、ナイロン系やウレタン系、アクリル系などのバインダー樹脂の、単独、又は導電性粒子を分散した液である。なお、弾性層を有しないハード転写ロールに適用される塗液2は、後述する転写ベルトの材料と同じであってよい。
これらの塗液2において、導電性粒子は、無端ベルトを帯電体或いは転写ベルトとして使用する場合に挙げるものと同じでよいが、一般にバインダー樹脂溶液に導電性粒子を分散すると、粘度が10〜30%上昇する性質があり、粘度は200mPa・s以上になることがある。そのような場合、従来は浸漬塗布方法では膜厚が厚くなりすぎるので塗布できなかったが、環状体を用いることにより、やはり塗布が可能となる。帯電ロール又は転写ロールに塗布される被膜の厚さは2〜30μmの範囲が好ましい。
無端ベルトを作製する場合、塗液2は樹脂材料及び/又はこれらの前駆体(以下、「樹脂材料等」という場合がある)を含有するものである。樹脂材料等として、ポリイミド(PIと略す)、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、フタル酸系ポリエステル、ポリカーボネート等がある。これらの中では、強度や寸法安定性の面でPIが特に好ましい。樹脂材料等を含有する塗液の固形分濃度は、15〜50%程度、粘度は10〜1000Pa・s、上昇速度は0.1〜1.5m/min程度であるのが好ましい。無端ベルトの厚さは、25〜200μmの範囲であることが好ましい。
無端ベルトを作製するには、円筒芯体1を環状体5の孔6を通して上記塗液2から引き上げて、芯体の表面に塗布する。塗液を乾燥後、塗膜を芯体ごと所定温度で加熱すると、樹脂材料等が硬化し、皮膜が形成される。乾燥時に塗液が下方に垂れる場合、芯体を横にして回転しながら乾燥させてもよい。形成された皮膜を芯体から剥離して無端ベルトを得る。
乾燥時に、残留溶剤を完全に除去できない場合、あるいは加熱反応時に樹脂から発生する水等の気化成分が除去しきれない場合、樹脂皮膜に膨れが生じることが避けられないことがある。これは特にPI樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような場合に顕著である。
その場合、芯体の表面を、Ra0.2〜2μm程度に粗面化することが有効である。これにより、PI樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、芯体とPI樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れを防止することができる。芯体表面の粗面化には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。
無端ベルトを接触帯電フィルムのような帯電体、或いは転写ベルトとして使用する場合、樹脂材料等の中に必要に応じて予め導電性粒子を分散させる。導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質;銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金;酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2・In23複合酸化物等の導電性金属酸化物;チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
無端ベルトから定着ベルトを製造するには、無端ベルト表面にトナーの付着を防止するために、非粘着性被膜を形成することが好ましい。非粘着性の材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂層の厚さは5〜50μmが好ましく、10〜45μmがより好ましい。
フッ素樹脂層を形成するには、その水分散液を塗布して焼き付け加工する方法を適用することが好ましい。塗布方法としては、図9に示すような浸漬塗布方法が塗膜の平滑性や膜厚の均一性の面で好ましい。図9に示すような浸漬塗布をするには、皮膜形成用塗膜4を形成した円筒芯体1を、フッ素樹脂分散液10に浸漬し、次いで上昇させて、フッ素樹脂の塗膜11を形成する。
その際、芯体表面にフッ素樹脂分散液が塗布されたり、芯体と塗膜の隙間にフッ素樹脂分散液が侵入することを防止するために、芯体をその中心軸を垂直にした際に下端側となる部分の塗膜の端部、及び芯体表面の露出部分があれば、その部分に被覆材12により被覆処理を施すことが好ましい。
前記フッ素樹脂の水分散液の粘度が高く、やはり膜厚が厚くなりすぎる場合には、環状体を用いる本発明の塗布方法を採用することもできる。また、塗布後、溶媒を乾燥し、フッ素樹脂を焼成する。焼成の際に、皮膜形成用塗膜の熱処理を同時に行ってもよい。
本発明の塗布方法によって得られる無端ベルトは、ロールの表面にかぶせることにより、表面が機能性被膜(例えばPI樹脂等)からなる定着ロール、帯電ロール、又は転写ロールを製造することができる。すなわち、定着ロールを製造する場合には、芯金の周囲にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴム材からなる弾性層を設けたロールの表面に、無端ベルトをかぶせる。帯電ロールや転写ロールを製造する場合、金属の筒体、又は芯金の周囲に導電性を付与したゴムやスポンジ等の弾性層を設けたロールの表面に、導電性粒子を分散させた無端ベルトをかぶせる。
ロールの表面にPI樹脂からなる無端ベルトをかぶせることにより、耐久性を増すことができる。無端ベルトをロールの表面にかぶせる際は、ロールに設けられている弾性層を収縮させて行うことがよい。その場台、弾性層を冷却して収縮させてから無端ベルトをロールの表面にかぶせる方法もある。さらに、弾性層と無端ベルトのずれを防止するために、接着剤を介在させてもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1)
ポリイミド前駆体のN−メチルピロリドン溶液(商品名:UワニスS、宇部興産(株)製)を塗液2とした。固形分濃度は約18%、粘度は5Pa・sである。これを図1に示す構成と同様な内径80mm、高さ500mmの塗布槽に入れた。
外径30mm、長さ400mmのアルミニウム製円筒を用意し、球形アルミナ粒子(不二製作所社製、粒径105〜125μm)によるブラスト処理により、表面をRa0.8μmに粗面化した後、表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理し、芯体1とした。
一方、環状体として、高さが25mm、外径が60mmで、最も狭い部分の内径が31.2mmの孔6を設けたポリアセタール樹脂製の中空体を作製した。その内壁は傾斜面である。この環状体の質量は0.29kgであった。
環状体を上記塗液に浮かべた。環状体の液面からの高さは、目視によって検出するようにした。まず、環状体を沈まないように固定して、芯体をその中に1m/minの速度で浸漬した。次いで環状体の固定を解除し、芯体を0.7m/minの速度で上昇させたところ、環状体はすぐに液面より約20mm持ち上げられ、芯体の上昇と共に、環状体の高さは増した。そこで、速度を徐々に減じたところ、芯体が約60mm上昇した時点で、環状体の高さは約20mmで安定したので、芯体の上昇速度を一定にした。その時の速度は0.4m/minであった。
芯体の上昇途中で環状体が芯体に接触することはなく、塗布後には、芯体に濡れ膜厚が約600μmの塗膜4が形成された。その膜厚は芯体と環状体の孔の間隙により定まり、芯体の上昇速度には左右されなかった。
その後、芯体の軸方向を水平にして20rpmで回転させながら、120℃で60分間乾燥し、次いで芯体を縦にして200℃で30分間、380℃で1時間加熱して樹脂を反応させた。室温に冷えてから皮膜を取り出すことにより、ポリイミド樹脂製の無端ベルトを得ることができた。
膜厚を測定すると、上端部から30mmを除いて、70μmで均一であった。上端部から30mm内の膜厚は、周方向で厚い部分と薄い部分があったが、これは、環状体が水平方向に移動して、芯体との間隙が均一に合うまでに、多少の時間がかかったためと考えられる。
次に、生産性を考えて、塗布速度を1m/minとしたかったので、環状体底面に環状の錘りを取り付け、質量を2.5倍の0.73kgとしたところ、塗布速度は1m/minにすることができた。
実施例2)
実施例1において、図7に示す構造と同様に芯体の上昇方向先端部に、間隙調節部材として、5mm角に切った0.5mm厚のポリエチレンシートを3箇所、120°ずつずらして貼り付けた。芯体を塗液に浸漬する際には、その部分が環状体の最小内径部分の位置まで浸漬した。これにより、環状体は塗布の最初から中心位置が合わされたことになる。次いで、他は実施例1と同様にして塗布作業を行い、乾燥後に間隙調節部材を除去した。
得られた無端ベルトの膜厚を測定すると、上端から10mmより下の部分は70μmで均一であり、実施例1よりも膜厚均一部分は多く得られた。
(比較例1)
実施例1において、環状体を使用しないで芯体への塗布を行ったところ、濡れ膜厚が約2mm以上に塗布され、厚すぎるばかりでなく、下端からの液の滴下があり、乾燥することが困難であった。環状体を使用しないと、このように膜厚が厚くなりすぎた。
(比較例2)
比較例1において、N−メチルピロリドンとジオキサンの1:1混合溶剤で塗液を希釈して、粘度150mPa・s、固形分濃度約10%に調整した以外は、比較例1と同様に芯体へ塗布したところ、濡れ膜厚が約120μmの被膜が形成された。しかし、固形分濃度も低いので、最終膜厚が18μmにしかならず、当初目的の膜厚、即ち実施例1で得られた70μmの膜厚より薄いものしか得られなかった。
(比較例3)
実施例1において、芯体の上昇速度を最初から0.7m/minの一定速度で塗布を行ったところ、環状体は芯体の上昇と共にどんどん上昇し、芯体が上から約90mm通過した時点で環状体の下部が液面から離れ、塗布終了時には約100mmの高さになり、芯体の上昇停止と共に環状体は液上に落下した。その際、塗膜には細かい気泡が多数発生し、また、塗液にも泡が混入した。塗液は粘度が高いために、泡はなかなか消える事はなく、次の塗布作業に支障をきたした。
(実施例3)
外径68mm、長さ400mmのアルミニウム製円筒を用意した。これは、外径70mm、長さ400mmの素管を300℃で10分間加熱し、冷却した後、表面を切削して外径を68mmにしたものである。次いで、球形アルミナによるブラスト処理により、表面をRa0.9μmに粗面化した後、表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、300℃で30分間、焼き付け処理して芯体とした。
図2に示すものと同様な構成である内径100mm、高さ50mmの環状塗布槽に、中央に内径67mmの穴を設けた0.5mm厚の軟質ポリエチレン製の環状シール材を取り付けた。その穴に、外径68mm、長さ60mmのポリエーテル樹脂製の中間体を嵌めた後、実施例1と同じ塗液2を塗布槽に入れた。
また、環状体は、最小内径69.2mm、最大内径80mmで、内壁が傾斜面であり、外径86mm、高さ30mmのアルミニウム加工品であり、その外側に3本の支持棒を取り付け、支持棒が環状塗布槽の外壁上端に載るようにして環状体を塗液上に設置した。環状体の高さは、上記支持棒の近傍に設けた2つの光学式スイッチによって検出するようにした。
塗布は、芯体1をまず1m/minの速度で上昇させた。環状体が液面から30mm上昇した時に、上限スイッチが作動して速度を減少させ、20mmの高さで下限スイッチが作動して速度を増すように制御して塗布した。これにより、芯体が約50mm上昇した時点からは、速度はほぼ0.5m/minとなった。
塗布終了後、芯体には濡れ膜厚が約600μmのPI前駆体塗膜が形成された。次いで、軸方向を水平にして20rpmで回転させながら、120℃で60分間乾燥すると、約150μm厚のPI前駆体皮膜が形成された。端部の片側の皮膜には、幅20mmのポリエステル粘着テープを一周にわたって張り付け、皮膜と芯体の露出部分とを被覆した。
図8に示すように、PFAの水性塗料(商品名:710CL、三井デュポンフロロケミカル社製、濃度60%、粘度400mPa・s、溶媒として水のほかに、エタノール、t-ブタノールを含む)を、内径90mm、高さ480mmの塗布槽に入れた。この中に前記芯体を、被覆を下側にして垂直にし、上部のPI前駆体皮膜を5mmだけ残して浸漬した。次いで0.3m/分の速度で引き上げ、PFA塗膜を形成した。
80℃で10分間の乾燥後、被覆を除去した。次に150℃で20分間、続いて200℃で20分間加熱乾燥させた。これにより、PI前駆体皮膜からは溶剤が除去され、PFA塗膜からは水が除去された。その後、380℃で30分間加熱してPI前駆体皮膜を反応させてPI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、無端ベルトを得た。膜厚を測定すると、上端から30mmを除いて、PI樹脂は75μm、PFA層は30μmであった。この無端ベルトを320mmの長さに切断して、無端定着ベルトとした。PI樹脂とPFA層の密着性は強固であった。
実施例4)
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンの等モルを反応させて、PI前駆体の溶液を用意した。濃度は23質量%、粘度は約10Pa・sに調整した。PI前駆体溶液に、カーボンブラック(商品名:スペシャルブラック4、デグザヒュルス社製)を固形分質量比23%で混合し、次いで高圧ジェットミルにより2時間分散し、塗液とした。
一方、外径366mm、長さ500mmのアルミニウム製円筒を用意し、その表面には実施例1と同じく粗面化処理とシリコーン系離型剤の処理をして、芯体とした。環状体として、外径400mm、最小内径367.2mm、高さ30mmのステンレス製の中空リングを作製し、この内壁は傾斜面とした。質量は2.1kgであった。
次いで、環状体の液面からの高さをレーザー式距離計(キーエンス(株)製)で測定し、それが常に20mmになるよう、芯体の上昇速度を0.5〜1m/minの範囲で調整して塗布を行ったところ、0.55m/minの速度で安定した。次いで、実施例1と同様にして乾燥と加熱を行った。
室温に冷えてからPI樹脂皮膜を取り外すことにより、PI樹脂製の無端ベルトを得ることができた。この無端ベルトの膜厚は75μmであり、周方向に膜厚分布を調べると、図10に示すような正弦波のうねりが見られ、山と谷の膜厚差は3μmあった。平均膜厚に対するうねりの比率は4%であり、また、体積抵抗を測定すると、約109Ωcmであり、電子写真用転写ベルトとして使用することができた。
実施例5)
実施例4において、連続的な生産を行うには、塗布時間は30秒以内とする方が好都合である。そこで、環状体として、最小内径は同じにして外径を変え、4.0kgの質量のものを作製した。これを使用して塗布したところ、安定した塗布速度は1.1m/minとなり、長さ500mmの芯体に対し、30秒以内で塗布することができた。
(比較例4)
実施例4において、芯体の上昇速度を最初から0.2m/minの一定速度で塗布を行ったところ、環状体は芯体の上昇と共に少し液面から持ち上がったが、その高さは最大でも約3mm程度であった。他は同様にして無端ベルトを作製し、膜厚を測定すると、平均膜厚は75μmであったが、周方向に膜厚分布を調べると、図10に示すような正弦波のうねりが見られ、山と谷の膜厚差は6μmあった。平均膜厚に対するうねりの比率は8%であり、用紙の搬送ベルトとして使用することはできるが、転写ベルトとして使用すると、転写トナーの色ずれの原因になるため、品質的に劣るものであった。
実施例6)
実施例4において、環状体として、図4(a)に示す構造と同様な、その孔の最小内径部分を含む構成部材と、この構成部材に脱着可能なそれ以外の他の構成部材とが、孔の開口軸方向に分かれた構造のものを用いた以外は、実施例4と同様に塗布したところ、良好なPI樹脂製の無端ベルトを得ることができた。用いた環状体は、内壁を傾斜面した外径400mm、最小内径367.2mm、高さ30mmであり、最小内径部分を含む構成部材はアルミニウム製で構成し(質量1.3kg)、他の構成部材はステンレス製で構成した(質量1.5kg)ものを用いた(総質量2.8kg)。
実施例7)
また、実施例5と同様に、連続的な生産を行うために、上記他の構成部材として、実施例6のものに代えて、質量2.7kgのものを用い、環状体の総質量を4kgとして塗布を行なったこところ、実施例5と同様に塗布速度を早くすることができた。
本発明の塗布方法を説明するための概略構成図である。 本発明の他の塗布方法を説明するための概略構成図である。 本発明の塗布方法に用いるチャッキング装置の構成を示すブロック図である。 本発明の塗布方法に用いる環状体を示す概略断面図である。 無端ベルトの膜厚に見られる正弦波のうねりを示す関係図である。 環状体の質量と塗布速度の関係を示す関係図である。 本発明の塗布方法に用いる間隙調節部材が設けられた筒状芯体を示す概略構成図である。 間隙調節部材を説明するための説明図である。 浸漬塗布法を説明するための概略構成図である。 実施例4及び比較例4で得られた無端ベルトの膜厚に見られる正弦波のうねりを示す関係図である。
符号の説明
1 円筒芯体
2 塗液
3 塗布槽
4 皮膜形成用塗膜
5 環状体
6 孔
7 環状塗布槽
8 シール材
9 間隙調節部材
10 フッ素樹脂分散液
11 塗膜
12 被覆材
20 チャッキング装置
21 回転軸
22 アーム
23 駆動部
24 検知器
25 制御部

Claims (8)

  1. 芯体表面に塗液を塗布する塗布方法であって、
    前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けた環状体を、塗布槽に満たされた前記塗液に自由移動可能状態で設置した後、
    前記環状体の孔に前記芯体を通して前記環状体が塗液面から持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さになるように、前記環状体の位置を検知し、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる制御をして、前記芯体を前記塗液から相対的に上昇させることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記環状体が塗液面から5〜50mm持ち上げられることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記環状体、或いは前記塗布槽に、前記環状体の前記塗液への沈没を防止するための沈没防止部材を設けるたことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  4. 芯体断面の外径よりも大きな円形の孔を設けた環状体を、塗布槽に満たされた塗液に自由移動可能状態で設置した後、
    前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇させて、前記芯体表面に塗液を塗布する塗布方法であって、
    前記芯体は、上昇方向先端部に当該先端部の外径が芯体の外径よりも大きくかつ前記環状体の孔の最小径未満となる間隔調節部材が設けられ、前記間隔調節部材により前記芯体の上昇時に前記芯体と前記環状体との間隙を均一に合わせることを特徴とする塗布方法。
  5. 芯体表面に塗液を塗布するための塗布装置であって、
    前記塗液を貯留する塗布槽と、
    前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けると共に、前記塗液に自由移動可能状態で設置する環状体と、
    前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇する昇降手段と、
    前記環状体の高さを検知する検知手段と、
    前記検知手段による信号に基づいて、前記環状体が塗液面から持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さとなるように、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる調節をする制御手段と、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  6. 制御手段が、前記検知手段による信号に基づいて、前記環状体が塗液面から5〜50mm持ち上げられつつ、かつ前記環状体の底面が塗液面から離脱しないような一定の高さとなるように、前記芯体の上昇速度を塗布開始時よりも減じる調節をすることを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
  7. 芯体表面に塗液を塗布するための塗布装置であって、
    前記塗液を満たすための塗布槽と、
    前記芯体断面の外径よりも大きな孔を設けると共に、前記塗液に自由移動可能状態で設置する環状体と、
    前記環状体の孔に前記芯体を通して前記芯体を前記塗液から相対的に上昇する昇降手段と、
    を備え、
    前記芯体は、その上昇方向先端部に当該先端部の外径が芯体の外径よりも大きくかつ前記環状体の孔の最小径未満となる間隔調節部材が設けられ、前記間隔調節部材により前記芯体の上昇時に前記芯体と前記環状体との間隙を均一に合わせることを特徴とする塗布装置。
  8. 前記環状体、或いは前記塗布槽に、前記環状体の塗液への沈没を防止するための沈没防止部材が設けられることを特徴とする請求項に記載の塗布装置。
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