JP4840192B2 - 磁石の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁石の製造装置及び製造方法に関し、特に湿式成形に利用される磁石の製造装置及び製造方法に関する。
従来より、焼結磁石を作製する際に、磁石の原料となる磁性粉末を成形する方法として、乾式成形による方法と湿式成形による方法とが知られている。この湿式成形においては、磁性粉末と油等の溶媒とを混合してスラリー化した後、スラリーの状態で磁性粉末を成形機に注入して成形し、その後成形体から溶媒を除去する。このような湿式成形によれば、乾式成形の場合に比べて成形時の磁場配向性が高くなり、磁気特性に優れた磁石を得ることができる。
なお、希土類元素を含む希土類磁石は、高い磁気特性を有するため、小型でも高磁気特性が要求されるような用途に用いられているが、この希土類磁石においても上記の湿式成形による製造方法が有効である。
上述の湿式成形を利用した磁石の製造方法は、例えば、下記特許文献1に開示されている。この公報には、微粉砕した希土類永久磁石粉末(磁性粉末)を油等の溶媒に回収して、これを所定の濃度に濃縮した後、得られたスラリーを加圧成形し、さらに焼結する方法が開示されている。
特開平8−130142号公報
しかしながら、前述した従来の磁石の製造方法には、次のような課題が存在している。すなわち、磁性粉末の比重(例えば、7以上)と溶媒の比重(例えば、0.8〜0.9)とが大きく異なるため、スラリー中の磁性粉末と溶媒とが分離しやすい状態であり、磁性粉末と溶媒との分離が進行した結果、重量バラツキの大きな磁石が作製されることがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、磁石の重量バラツキを抑えることができる磁石の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁石の製造装置は、磁性粉末と溶媒とを含むスラリーが注入されるキャビティを有し、キャビティ内に注入されたスラリーを湿式成形する成形機と、スラリーを成形機に向けて供給するスラリー供給部と、スラリー供給部と成形機との間のスラリーの供給経路上に配置され、スラリーの磁性粉末と溶媒とを混合する混合装置とを備える。
この磁石の製造装置においては、スラリー供給部と成形機との間のスラリーの供給経路上に配置された混合装置が、スラリーの磁性粉末と溶媒とを混合する。そのため、スラリー供給部から成形機に供給される際に、スラリー中の磁性粉末と溶媒とが分離してしまう事態が有意に抑制されている。従って、この磁石の製造装置を用いて磁石を作製することで、磁石の重量バラツキの抑制が図られる。
また、混合装置によって混合されたスラリーを成形機のキャビティ内に供給すると共に、キャビティ側の端部に縮径部が形成されたノズルをさらに備える態様であってもよい。この場合、混合装置だけでなく、ノズルの縮径部においてもスラリーの分離抑制が図られる。
また、混合装置とノズルとが一体的に形成された態様であってもよい。この場合、キャビティに注入される直前にスラリーが混合されるため、スラリーのさらなる分離抑制が図られる。
本発明に係る磁石の製造方法では、磁性粉末と溶媒とを含むスラリーを、スラリー供給部から成形機に供給するスラリー供給工程と、スラリー供給工程において供給されたスラリーを、成形機で湿式成形する成形工程と、成形工程により得られた成形体を焼成し、溶媒を除去して、磁性粉末を含む磁石を形成する焼成工程とを含み、スラリー供給工程の際、スラリー供給部と成形機との間のスラリーの供給経路上に配置された混合装置により、スラリーの磁性粉末と溶媒とを混合する。
この磁石の製造方法においては、スラリー供給部と成形機との間のスラリーの供給経路上に配置された混合装置が、スラリーの磁性粉末と溶媒とを混合する。そのため、スラリー供給部から成形機にスラリーを供給するスラリー供給工程の際に、スラリー中の磁性粉末と溶媒とが分離してしまう事態が有意に抑制されている。従って、この磁石の製造方法を用いて磁石を作製することで、磁石の重量バラツキの抑制が図られる。
本発明によれば、磁石の重量バラツキを抑えることができる磁石の製造方法及び製造装置が提供される。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明においては、本発明に特に好適な希土類磁石の製造方法について説明するが、本発明の磁石の製造方法は、希土類磁石に限られず、その他の金属磁石やフェライト磁石等、磁性粉末の焼結によって得られる焼結磁石であれば特に制限無く適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る磁石の製造装置1の概略構成を示した図である。図1に示すように、製造装置1は、スラリーを作製するスラリー作製装置10と、スラリー作製装置10によって作製されたスラリーが貯留される貯留タンク30と、貯留タンク30に貯留されたスラリーが供給される成形機50とを備えている。
スラリー作製装置10は、磁石の原料である後述の磁性粉末と溶媒とを混合してスラリーを作製する装置である。このスラリー作製装置10は、プラネタリミキサであり、容器12内に磁性粉末タンク14から磁性粉末が投入され、図示しない溶媒供給手段により容器内に所定量の溶媒が供給される。そして、容器12内に配置された一対の回転翼16により磁性粉末と溶媒とが共に攪拌されて、スラリーが形成される。
容器12の下部には、スラリー搬送用の搬送管18が取り付けられており、スラリー作製装置10で作製されたスラリーは、この搬送管18を通って容器12外に搬出される。
搬送管18は、その途中に分岐部18aが設けられており、その分岐部18aにおいて2つのルートに分岐している。2つのルートのうち、一方は、スラリーを容器12内に戻すルートであり、他方は、スラリーを貯留タンク30まで搬送するルートである。なお、この分岐部18aでは、スラリーをどちらか一方のルートに配送しても、スラリーを両方のルートに配送してもよい。
そして、搬送管18の分岐部18aの手前の位置には、分散機20が搬送管18に取り付けられている。この分散機20は、例えばホモジナイザーであり、スラリー中の磁性粉末の凝集体を解砕して磁性粉末を一つ一つの一次粒子として溶媒内に分散させる機能を有する。このように搬送管18の分岐部18aの手前に分散機20を設けることで、スラリー作製装置に戻るスラリーの分散性を高めて、容器12中のスラリーの分散性向上を図ることができる上、後続の貯留タンク30に分散性の高いスラリーを搬送することができる。
スラリー作製装置10から貯留タンク30に搬送されたスラリーは、貯留タンク30の容器32に貯留される。この貯留タンク30は、スラリー作製装置10において作製されたスラリーを、成形機50に供給するまでの間、一時的に貯留しておくためのものである。この貯留タンク30の容器32内にもスラリー攪拌用の回転翼34が配置されており、スラリーが磁性粉末と溶媒とに分離してしまう事態を抑制している。
容器32の下部には、スラリー搬送用の搬送管36が取り付けられており、貯留タンク30に貯留されたスラリーは、この搬送管36を通って容器32外に搬出される。
搬送管36は、搬送管18同様、その途中に分岐部36aが設けられており、その分岐部36aにおいて2つのルートに分岐している。2つのルートのうち、一方は、スラリーを容器32内に戻すルートであり、他方は、スラリーを成形機50に向けて搬送するルートである。
この搬送管36の分岐部36aから成形機50に向かうスラリーは、図2に示すように、(混合装置としての)スタティックミキサ40及び(キャビティC側の端部に縮径部42aが形成されたノズルとしての)フルコーン型スプレーノズル42を経由した後、成形機50に供給される。
スタティックミキサ40は、内部構造の一例として、筒状部材の内部に180度ねじられた板状エレメントが複数配設された構造を有し、その内部を通過するスラリーの混合をおこなう装置であり、この内部をスラリーは分岐と合流とを繰り返しながら通過していく。そのため、スタティックミキサ40から排出されたスラリーは、十分な混合がおこなわれており、溶媒中に高い分散性で磁性粉末が分散することとなる。
そして、スタティックミキサ40から排出されたスラリーは、搬送管36の端部に設けられたスプレーノズル42から成形機50のキャビティCに向けて噴出される。このスプレーノズル42には、スラリー流路の径が縮められた縮径部42aが、成形機50のキャビティC側に設けられている。そして、スラリーはスプレーノズル42から噴射される際、この縮径部42aにおいて混合される。なお、スプレーノズル42の内部には、スラリーを旋回させるエレメントが配設されており、スラリーは、スプレーノズル42内で旋回し、縮径部42aを通って排出される。
続いて、製造装置1の成形機50について説明する。
成形機50は、貯留タンク30から供給されるスラリーを湿式成形する装置である。この成形機50は、下型52と、下型52を上下方向に案内するガイド孔54aが形成されたガイド部54と、ガイド部54の上端部側に配置された上型56とを備えている。そして、ガイド部54のガイド孔54aの内周面と、下型52の上面と、上型56の下面とによって、成形機50のキャビティCが画成される。なお、図示は省略しているが、キャビティCの周囲には磁場印加手段(コイル等)が設けられており、成形の際に磁場を印加することが可能となっている。
上型56は、スラリーの注入時にはガイド部54から取り外され、成形時にはガイド部54のガイド孔54aを塞ぐように移動される。この上型56には、成形中にスラリーから出る溶媒をキャビティ外部に排出するための溶媒排出路56aが形成されている。さらに、成形中には、上型56とガイド部54との間に、溶媒排出路56aからの磁性粉末の流出を防止するためのフィルタ58を介在させる。このフィルタ58には、布製、紙製等のフィルタ(ろ紙)を採用することができる。
この成形機50においては、スラリーを成形する際、下型52が上昇するにつれてキャビティC内のスラリーが次第に圧縮される。このとき、スラリー中の溶媒だけが、フィルタ58を通過して、上型56に設けられた溶媒排出路56aからキャビティ外部に排出される。このようにしてスラリーを圧縮して得られた成形体は、例えば、上型56を取り外して成形機50のキャビティCから取り出される。
次に、上述した製造装置1を用いて磁石を作製する製造方法の手順について、図3を参照しつつ説明する。ここで、図3は、本発明の実施形態に係る磁石の製造方法の手順を示したフローチャートである。
磁石の製造においては、まず、所望の組成を有する磁石が得られるような合金を準備する(ステップS11)。この工程では、例えば、磁石の組成に対応する金属等の元素を含む単体、合金や化合物等を、真空又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で溶解した後、これを用いて鋳造法やストリップキャスト法等の合金製造プロセスを行うことによって所望の組成を有する合金を作製する。
ここで、磁石としては、例えば、希土類元素として主にNdやSmを含むものが挙げられ、希土類元素と、希土類元素以外の遷移元素とを組み合わせた組成を有するものが好適である。具体的には、希土類元素(「R」で表す)としてNd、Pr及びDyのうちの少なくとも1種を含み、Bを必須元素として1〜12原子%含み、且つ残部がFeであるR−Fe−B系の組成を有するものが好ましい。このような希土類磁石は、必要に応じて、Co、Ni、Mn、Al、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含む組成を有していてもよい。
次に、得られた合金を粗粉砕して、数百μm程度の粒径を有する微粒子とした後(ステップS12)、更に微粉砕して(ステップS13)、1〜10μm(好ましくは3〜5μm)程度の粒径を有する磁性粉末を得る。合金の粗粉砕は、例えば、ジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等の粗粉砕機を用いるか、または、合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づく自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。また、微粉砕は、粗粉砕された粉末を、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて更に粉砕することによって行うことができる。
次いで、上述したスラリー作製装置10を用いて、磁性粉末と溶媒とを混合してスラリーを作製する(ステップS14;スラリー作製工程)。溶媒としては、磁石の湿式成形におけるスラリーに用いられる溶媒を特に制限無く適用できる。例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられる。溶媒は、磁性粉末の酸化をを防ぐために油が好ましい。
なお、スラリー作製工程においては、溶媒以外に、所望の特性が得られる他の添加剤を更に加えることもできる。添加剤としては、例えば、磁性粉末の分散を促進することができるカチオン系、アニオン系、ベタイン系、非イオン系界面活性剤等の分散剤が挙げられる。
その後、スラリー作製装置10において作製したスラリーを貯留タンク30で一時的に貯留した後、貯留タンク30から成形機50へスラリーを供給する(ステップS15;スラリー供給工程)。このスラリー供給工程の際、貯留タンク30と成形機50との間のスラリーの搬送管36(供給経路)に配置されたスタティックミキサ40により、スラリーの磁性粉末と溶媒とが混合される。そして、成形機50のキャビティCに供給されたスラリーを、磁場印加手段により磁場を印加しながら成形する(ステップS16;成形工程)。
次いで、成形工程により得られた成形体に対し、例えば真空加熱を行うことにより、成形体に残存した溶媒や添加剤を除去する脱溶媒を行う(ステップS17)。脱溶媒は、成形体中の溶媒の大部分を除去できるような条件とし、例えば、10〜3000Pa程度に減圧した条件下、100〜160℃で1〜5時間加熱することが好ましい。なお、かかる脱溶媒の工程では、通常は成形体の焼結は進行しないが、一部焼結が進行していても構わない。
その後、脱溶媒された成形体を焼成して、焼結体を得る(ステップS18;焼成工程)。焼結は、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、成形体を1000〜1200℃、1〜10時間加熱した後、急冷することによって行うことができる。
焼結後、得られた焼結体を焼成時よりも低い温度で加熱すること等によって、焼結体に時効処理を施す(ステップS19)。時効処理は、例えば、700〜900℃で1〜3時間、更に500〜700℃で1〜3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近で1〜3時間加熱する1段階加熱等の適宜の条件で行う。このような時効処理によって、焼結体の磁気特性を向上させることができる。
そして、このようにして得られた焼結体に対し、所望のサイズに切断したり、表面を平滑化したりする処理を行うことによって、目的とする希土類磁石が得られる。なお、得られた希土類磁石には、その表面上に酸化層や樹脂層等の劣化を防止するための保護層が更に設けられてもよい。
以上で詳細に説明したとおり、上述した磁石の製造装置1及び製造方法においては、貯留タンク30と成形機50との間のスラリーの搬送管36に取り付けられたスタティックミキサ40が、スラリーの磁性粉末と溶媒とを混合する。そのため、貯留タンク30から成形機50に供給される際に、スラリー中の磁性粉末と溶媒とが分離してしまう事態が有意に抑制される。すなわち、スラリーの溶媒の比重がおよそ0.8〜0.9に対し、スラリーの磁性粉末の比重は7を超えるため、貯留タンク30から成形機50に供給する間に、スラリー中の溶媒と磁性粉末とが分離してしまう(例えば、スラリー中において磁性粉末が沈降してしまう)事態が生じるが、供給経路上に溶媒と磁性粉末とを混合するスタティックミキサ40を配置することで、このような事態の発生が効果的に抑制される。その結果、スラリー中に磁性粉末が均一に分散された状態で成形がおこなわれることとなり、作製される磁石の重量バラツキが抑制がされる。
また、上述したとおり、スタティックミキサ40によって混合されたスラリーは、スプレーノズル42によって成形機50のキャビティC内に供給され、そのスプレーノズル42には縮径部42aが設けられている。そのため、スラリーは、スタティックミキサ40だけでなく、スプレーノズル42の縮径部42aにおいても分離抑制がおこなわれ、より分散性の高いスラリーがキャビティC内に注入されることとなる。
なお、スタティックミキサ40とスプレーノズル42とは、必要に応じて、図4に示すように一体的に設けてもよい。この場合、成形機50のキャビティCに注入される直前にスラリーが混合されるため、すなわち、スラリーは混合された直後にキャビティCに注入されるため、溶媒と磁性粉末とのさらなる分離抑制が実現される。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、混合装置は、静止型混合機のスタティックミキサに限らず、搬送経路上に配置可能なものであれば、例えば、ミキサーカートリッジ((株)日本省力技術研究所)等であってもよい。ノズルについても、フルコーンスプレーノズルに限らず、他の型のもの(フルコーン型でなくとも楕円型等)も用いることができる。また、成形機にスラリーを供給するスラリー供給部として貯留タンクを例に説明したが、貯留タンクを設けない製造装置の場合には、スラリー作製装置等の他の装置が本発明のスラリー供給部となる。
本発明に係る磁石の製造方法は、少なくともスラリー作製工程、スラリー供給工程、成形工程及び焼成工程を含む製造方法であり、本発明による効果が十分に得られる限り、他の一部の工程は省略してもよい。また、上述したように、本発明は、希土類磁石に限らず、他の金属磁石やフェライト磁石等の希土類磁石以外の磁石の製造に適用することできる。そして、他の磁石に適用した場合であっても、上述した実施形態と同様、重量バラツキが抑制された磁石を作製することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Nd:30%,Dy:1.8%,Al:0.2%,Co:0.5%,B:1.0%,残部Feからなるインゴットを粗粉砕した後、ジェットミルを用い、窒素雰囲気下で平均粒径が4μmとなるまで微粉砕を行い、希土類磁石の原料粉末を得た。次に、得られた原料粉末を分留点が200〜250℃である合成油と混合した後、この混合物に対し、原料粉末濃度91%で60分の混練を行った。得られた混練物を、上記の合成油を加えて希釈し、原料粉末濃度が70%であるスラリーを調製した。
次いで、得られたスラリーを貯留タンクに入れ、上述した実施形態同様にして、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテッド製)を取り付けた搬送管を通し、その搬送管の先端部に装着されたフルコーン型スプレーノズル(スプレーイングシステムジャパン株式会社;商品名フルジェットノズル)から成形機の金型(キャビティ)にスラリーを注入した。次に、15kOeの磁場中、圧力2.0tonの条件で、キャビティ中で上パンチと下パンチとの間でスラリーを加圧するようにして成形体を形成した。加圧中に、上パンチ側に配置されたろ布からスラリー中の溶媒を除去した。
その後、得られた成形体に対し、100Paの真空中、150℃、1時間の加熱処理を施し、成形体に含まれる合成油を除去し(脱溶媒)、さらに、加熱処理した成形体に、0.067Paの真空中、1100℃、5時間の条件で焼成処理をおこない、その後、得られた焼結体に500℃、1時間の条件で時効処理を施すことにより、希土類磁石を得た。
(比較例1)
上記実施例1とは、スタティックミキサーとスプレーノズルとを使用しなかった点でのみ異なる方法で、希土類磁石を得た。
(特性評価)
得られた2種類の希土類磁石について磁気特性を測定した。また、金型注入前のスラリーをサンプリングして、スラリーの分離状態を目視で確認した。さらに、得られた成形体各50個につき、重量のばらつきを確認した。その結果を下記表1に示す。なお、表中の「成形体重量バラツキ」は、(重量の最大値―重量の最小値)/(重量の平均値)により算出した。
Figure 0004840192
上記表1の結果より、実施例1に係る磁石は、比較例1に係る磁石に比べて、高い磁気特性(残留磁束密度(Br)及び配向度)を有することがわかった。また、成形体重量バラツキに関しても、実施例1に係る磁石のほうが、比較例1に係る磁石に比べて優れている。さらに、比較例1に係るスラリーはスラリーの分離(磁性粉末と溶媒との分離)が確認されたが、実施例1に係るスラリーではそのような分離は確認されなかった。
本発明の実施形態に係る磁石の製造装置を示した概略構成図である。 図1に示した貯留タンクから成形機までのスラリーの搬送経路について示した概略構成図である。 本発明の実施形態に係る磁石の製造方法の手順を示したフローチャートである。 上記とは異なる態様の磁石の製造装置を示した概略構成図である。
符号の説明
1…磁石の製造装置、10…スラリー作製装置、18,36…搬送管、20…分散機、30…貯留タンク、40…スタティックミキサ、42…スプレーノズル、42a…縮径部、50…成形機、C…キャビティ。

Claims (4)

  1. 磁性粉末と溶媒とを含むスラリーが注入されるキャビティを有し、前記キャビティ内に注入された前記スラリーを湿式成形する成形機と、
    前記磁性粉末と前記溶媒とが混合された前記スラリーを前記成形機に向けて供給するスラリー供給部と、
    前記スラリー供給部と前記成形機との間の前記スラリーの供給経路上に配置され、前記スラリーの前記磁性粉末と前記溶媒とを再度混合する混合装置と
    を備える、磁石の製造装置。
  2. 前記混合装置によって混合された前記スラリーを前記成形機の前記キャビティ内に供給すると共に、前記キャビティ側の端部に縮径部が形成されたノズルをさらに備える、請求項1に記載の磁石の製造装置。
  3. 前記混合装置と前記ノズルとが一体的に形成された、請求項2に記載の磁石の製造装置。
  4. 磁性粉末と溶媒とが混合されたスラリーを、スラリー供給部から成形機に供給するスラリー供給工程と、
    前記スラリー供給工程において供給された前記スラリーを、前記成形機で湿式成形する成形工程と、
    前記成形工程により得られた成形体を焼成し、前記溶媒を除去して、前記磁性粉末を含む磁石を形成する焼成工程とを含み、
    前記スラリー供給工程の際、前記スラリー供給部と前記成形機との間の前記スラリーの供給経路上に配置された混合装置により、前記スラリーの前記磁性粉末と前記溶媒とを再度混合する、磁石の製造方法。
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