JP4839638B2 - テスタシミュレーション装置及びテストシミュレーション方法 - Google Patents

テスタシミュレーション装置及びテストシミュレーション方法 Download PDF

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Description

本発明は、被試験対象のテスタによる試験をシミュレーションするテスタシミュレーション装置及びテストシミュレーション方法に関し、期待値判定タイミングの余裕度が短時間に得られるシミュレーションが行えるテスタシミュレーション装置及びテスタシミュレーション方法に関するものである。
テスタ(ICテスタ)は、テストプログラムに基づいて、図14(a)に示されるように、被試験対象(以下DUTと略す)に入力パターンを与え、図14(b)に示されるDUTからの出力と期待値パターンとを、図14(c)に示される期待値判定タイミング(ストローブともいわれる)で比較し、DUTの良否の判定を行うものである。近年、実際に、テスタにより、DUTの試験を行う前に、DUT、テスタをモデルとして、シミュレーションを行い、テストプログラムの動作確認を行っている。このような装置は、例えば下記特許文献1等に示される。
特開2003−256493号公報
実機のテスタを考えると、テスタやDUTには、その個体ごと、テスト実行ごとに電気的特性の微妙なバラツキが存在する。このため、期待値の判定タイミングが出力信号の値の変化点の近傍であると、そのバラツキの影響で、DUTごとに、あるいは、テスタごとに、期待値判定タイミングにおける信号の値が変わる可能性がある。この結果、DUTが正常でも、不良と判定されてしまうことがあった。
従って、バラツキによる影響を抑えるためには、期待値判定タイミングは、電気的特性の微妙なバラツキがあったとしも、信号の値が十分に安定している領域、逆に言えば、期待値判定タイミングを多少変化させても、同じ結果を示す領域の概ね中央付近に設定されることが望ましい。
そのためには、設定されている期待値判定タイミングが、前後にどの程度ずれても、同じ判定ができる許容範囲(時間)を知ることが重要である。この許容範囲を余裕度と呼ぶ。
通常のテストは、テストレートに基づいて、入力パターンと期待値の判定が設定される。従って、判定のタイミングもテストレートごとに発生し、テストレートの先頭から所定時間経過後に、判定のタイミングが発生される。また、DUTの複数の出力ピンに対し、複数のテストレートで同じ期待値判定タイミングが設定されている。このため、テスタの動作条件を変えると、期待値判定タイミングもそれらすべてのテストレートで変化する。従って、余裕度は、一つのテストレートだけを考えるのではなく、同じ期待値判定タイミングが設定されている全てのテストレートで考え、それらの全てのテストレートにおいて、安定して期待値判定ができる領域ということである。このような余裕度を求める装置を図15に示し説明する。
図15に示されるように、記憶部1は、入力パターン、期待値パターン等からなるテストパターンを含むテストプログラムを記憶する。シミュレーション手段2は、記憶部1のテストプログラムに基づいて、テスタの回路動作をシミュレーションする。そして、シミュレーション手段2は、テスタモデル21、DUTモデル22を有する。テスタモデル21は、記憶部1のテストプログラムに基づいて、テスタの回路動作をシミュレーションする。DUTモデル22は、テスタモデル21と信号の授受を行い、例えばIC,LSI等のDUTの回路動作をシミュレーションする。余裕度解析手段3は、設定手段31、余裕度演算手段32を有する。設定手段31は、記憶部1のテストプログラムの設定を行う。余裕度演算手段32は、設定手段31の設定データとシミュレーション手段2のテスタモデル21からのパス、フェイルにより余裕度を演算する。
このような装置の動作を、図16,17を用いて説明する。図16,17は、それぞれ、図15に示す装置の動作を示したフローチャート、タイミングチャートである。図17において、(a)はDUTモデル22の入力パターン、(b)はDUTモデル22の出力、(c)は期待値判定タイミングで、t0は、テストプログラムに最初に設定されている期待値判定タイミングである。
余裕度解析手段3の設定手段31が、期待値判定タイミングの初期値Sを設定データとして、記憶部1のテストプログラムに対し設定する(S1)。シミュレーション手段2が、記憶部1のテストプログラムを読み出し、テストプログラムにより、テスタモデル21を動作させる。テスタモデル21は、テストプログラムに基づいて、図17(a)に示されるように、DUTモデル22に入力パターンを出力する。この入力パターンにより、DUTモデル22は、図17(b)に示されるように、テスタモデル21に出力を行う。そして、テスタモデル21は、DUTモデル22の出力とテストプログラムの期待値パターンとの比較を、図17(c)に示されるように、期待値判定タイミングで行い、パス、フェイルの判定を行う(S2)。
余裕度解析手段3の余裕度演算手段32が、テスタシミュレーション手段2のテスタモデル21のパス、フェイルのデータを取得する(S3)。そして、設定手段31は、期待値判定タイミングが終了値E以上か判断し(S4)、終了値Eより小さい場合、設定データにΔtを加えて、Δtが加えられた設定データを、記憶部1のテストプログラムに設定する(S5)。再び、シミュレーション手段2は、上述のようにシミュレーションを行う(S2)。終了値E以上の場合、余裕演算手段32が、余裕度の演算を行う。つまり、余裕度演算手段32は、パスしたタイミングの最小、最大間を余裕度として求める(S6)。
大規模LSIのテストにおいて、シミュレーション手段2によるシミュレーションは、長時間要する。従って、シミュレーションを繰り返し実行して、余裕度を求めるには、さらに数倍の長時間が必要になってしまうという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、期待値判定タイミングの余裕度を短時間に得られるテスタシミュレーション装置及びテスタシミュレーション方法を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション装置において、
前記DUTモデルの出力データ、前記DUTモデルの出力と期待値パターンとを、すべてのテストレートでテストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングで比較した結果が、すべてのテストレートですべてパスした期待値判定タイミングデータに基づいて、テストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングが設定されている全てのテストレートにおける期待値判定タイミングのパスの余裕度を解析する余裕度解析手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は
被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション装置において、
テストレートごとに、DUTモデルの出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出する安定領域抽出手段と、
この安定領域抽出手段の結果により、テストレートを基準として、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングのパスの余裕度を判断する余裕度判断手段と
を備えたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項記載の発明であって、
余裕度解析手段は、
チェック範囲内において、DUTモデルの出力データの安定領域を抽出する安定領域抽出手段と、
この安定領域抽出手段の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する余裕度判断手段と
を有することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項記載の発明であって、
余裕度解析手段は、
期待値判定タイミングをチェック点により、DUTモデルの出力データと期待値パターンとを比較する期待値比較手段と、
この期待値比較手段の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する余裕度判断手段と
を有することを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1,3,4のいずれかに記載の発明であって、
余裕度解析手段に用いるDUTモデルの出力データを少なくとも取得する取得手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、
被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション方法において、
前記DUTモデルの出力データ、前記DUTモデルの出力と期待値パターンとを、すべてのテストレートでテストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングで比較した結果が、すべてのテストレートですべてパスした期待値判定タイミングデータに基づいて、テストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングが設定されている全てのテストレートにおける期待値判定タイミングのパスの余裕度を解析することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は
被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション方法において、
テストレートごとに、DUTモデルの出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出するステップと、
この抽出結果により、テストレートを基準として、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングのパスの余裕度を判断するステップと
を備えたことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項記載の発明であって、
チェック範囲内において、DUTモデルの出力データの安定領域を抽出するステップと、
この安定領域より、期待値判定タイミングの余裕度を判断するステップと
を有することを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項記載の発明であって、
期待値判定タイミングをチェック点により、DUTモデルの出力データと期待値パターンとを比較するステップと、
この比較結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断するステップと
を有することを特徴とするものである。
本発明によれば以下のような効果がある。
請求項1,3〜5によれば、余裕度解析手段が、DUTモデルの出力データから、期待値判定タイミングの余裕度を求めるので、余裕度を短時間に得ることができる。
請求項2によれば、安定領域抽出手段が、テストレートごとに、DUTモデルの出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出し、余裕度判断手段が、安定領域抽出手段の結果により、テストレートを基準として、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングのパスの余裕度を判断するので、余裕度を短時間に得ることができる。
請求項3によれば、チェック範囲で余裕度を求めるので、正しい余裕度を求めることができる。
請求項6〜9によれば、DUTモデルの出力データから、期待値判定タイミングの余裕度を求めるので、余裕度を短時間に得ることができる
請求項8によれば、チェック範囲で余裕度を求めるので、正しい余裕度を求めることができる。
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示した構成図である。ここで、図15と同一のものは同一符号を付し説明を省略し、以下の実施例においても同様に同一のものは同一符号を付し説明を省略する。
図1に示すように、取得手段4は、シミュレーション手段2のテスタモデル21、DUTモデル22のシミュレーション結果データを取得する。記憶部M1は、取得手段4からのデータを記憶する。記憶部M2は、期待値判定タイミングの余裕度のチェックを行うチェック範囲値を記憶する。記憶部M3は、期待値判定タイミングの余裕度を記憶する。余裕度解析手段5は、記憶部M1のシミュレーション結果データの出力データ、期待値判定タイミングデータ、記憶部M2のチェック範囲値に基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析し、記憶部M3に格納する。余裕度解析手段5は、安定領域抽出手段51、余裕度判断手段52からなる。安定領域抽出手段51は、期待値判定タイミングデータにより、期待値判定タイミングごとに、チェック範囲値において、記憶部M2の出力データの安定領域を抽出する。余裕度判断手段52は、安定領域抽出手段51の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を、図2を用いて説明する。図2は図1に示す装置の動作を説明する図である。(a)はDUTモデル22の出力信号、(b)は期待値判定タイミングである。
シミュレーション手段2が、記憶部1のテストプログラムを読み出し、テストプログラムにより、テスタモデル21を動作させる。テスタモデル21は、テストプログラムに基づいて、DUTモデル22に入力パターンを出力する。この入力パターンにより、DUTモデル22はテスタモデル21に出力を行う。そして、テスタモデル21は、DUTモデル22の出力とテストプログラムの期待値パターンとの比較を行う。このとき、取得手段4は、少なくとも、シミュレーション手段2のテスタモデル21の期待値判定タイミングデータ、DUTモデル22の出力データを取得し、記憶部M1に格納する。ここで、期待値判定タイミングデータ、出力データは、通常、信号の値と信号変化時刻で示される。
余裕度解析手段5の安定領域抽出手段51は、記憶部M1からの期待値判定タイミングデータにより、図2に示すように、期待値判定タイミングt1と記憶部M2のチェック範囲値から、チェック範囲c1を求める。具体的に、チェック範囲c1の最小、最大時刻を求める。そして、安定領域抽出手段51は、チェック範囲c1で、記憶部M2の出力データの信号が変化していない安定領域s1を抽出する。具体的には、安定領域抽出手段51は、期待値判定タイミングの時刻と出力データの信号変化時刻とを比較することで、チェック範囲内で、信号変化があるかどうかを判断する。同様に、安定領域抽出手段51は、期待値判定タイミングt2とチェック範囲値から、チェック範囲c2を求める。そして、安定領域抽出手段51は、チェック範囲c2で、出力データの信号が変化していない安定領域s2を抽出する。このような動作を繰り返し、期待値判定タイミングt3,t4におけるチャック範囲c3,c4の安定領域s3,s4を抽出する。
そして、余裕度解析手段5の余裕度判断手段52は、安定領域s1〜s4から、テストレートを基準(テストレートごとに、テストレートの始点を基準にする)として、すべての期待値判定タイミングt1〜t4が前後に動いても、信号が変化しない安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。
このように、余裕度解析手段5が、DUTモデル22の出力データから、期待値判定タイミングの余裕度を求めるので、余裕度を短時間に得ることができる。また、チェック範囲で余裕度を求めるので、正しい余裕度を求めることができる。つまり、シミュレーション手段2で、期待値判定タイミングをΔtずらして、余裕度を求める場合、Δt内にフェイルする場合を求めることができないが、チェック範囲内のすべてに対しての余裕度なので、正しい余裕度を求めることができる。
なお、図3に示されるように、1つのテストレート内に、期待値判定タイミングt1,t2が2つ存在する場合があるが、同じように、チェック範囲c1,c2を求め、安定領域s1,s2を求めて、余裕度を求める構成でもよい。
また、取得手段4は、シミュレーション手段2のシミュレーション結果データのすべてを取得してもよいし、必要なデータだけ、取得する構成でもよい。また、期待値判定タイミングは、複数の比較部で、同一の期待値判定タイミングなので、取得手段4は、すべての比較部に対する期待値判定タイミングを取得する必要はなく、1つの比較部に対する期待値判定タイミングでもよい。
また、余裕度解析手段5は、チェック範囲値により余裕度を求める構成を示したが、チェック範囲値は必ずしも必要ではない。余裕度解析手段5は、期待値判定タイミングに最も近い、DUTモデル22の出力データの信号の変化点を求めて、安定領域を求める構成にしてもよい。また、チェック範囲はテストレートとしてもよい。
第2の実施例を図4に示し説明する。
図4に示すように、余裕度解析手段6は、記憶部1、記憶部M1,M2のデータに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析し、記憶部M3に格納する。余裕度解析手段6は、期待値判定タイミング抽出手段61、安定領域抽出手段62、余裕度判断手段63からなる。期待値判定タイミング抽出手段61は、記憶部1のテストプログラムから期待値判定タイミングデータを抽出する。安定領域抽出手段62は、期待値判定タイミング抽出手段61の期待値判定タイミングデータにより、期待値判定タイミングごとに、チェック範囲値において、記憶部M1の出力データの安定領域を抽出する。余裕度判断手段63は、安定領域抽出手段62の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作は、期待値判定タイミング抽出手段61が記憶部1のテストプログラムから期待値判定タイミングデータを抽出することが図1に示す装置と異なるだけで、他の動作は図1に示す装置と同じなので、説明を省略する。
第3の実施例を図5に示し説明する。
図5に示すように、安定領域解析手段7は、記憶部M1のデータに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析する。余裕度解析手段7は、安定領域抽出手段71、安定領域決定手段72、余裕度判断手段73からなる。安定領域抽出手段71は、記憶部M1のテストレートデータ、出力データにより、テストレートごとに、記憶部M1の出力データの安定領域を抽出する。安定領域決定手段72は、安定領域抽出手段71の結果より、記憶部M1の期待値判定タイミングデータより、安定領域を決定する。余裕度判断手段73は、安定領域決定手段72の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を、図6を用いて説明する。図6は図5に示す装置の動作を説明する図である。(a)はDUTモデル22の出力、(b)は期待値判定タイミングである。
余裕度解析手段7の安定領域抽出手段71は、記憶部M1からのテストレートデータ、出力データにより、図6に示すように、出力データの変化点とテストレートの区切りごとに、安定領域s1〜s5を求める。そして、安定領域決定手段72は、安定領域s1〜s5から、記憶部M1の期待値判定タイミングデータにより、期待値判定タイミングt1〜t3が含まれる安定領域s2,s4,s5を抽出する。
この安定領域s2,s4,s5から、余裕度解析手段7の余裕度判断手段73は、テストレートを基準にして、すべての期待値判定タイミングt1〜t3が前後に動いても、信号が変化しない安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。
第4の実施例を図7に示し説明する。
図7に示すように、記憶部M4はテストプログラムの期待値パターンを記憶する。余裕度解析手段8は、記憶部M1のシミュレーション結果データの出力データ、テストレートデータ、記憶部M4の期待値パターンに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析し、記憶部M3に格納する。余裕度解析手段8は、安定領域抽出手段81、余裕度判断手段82からなる。安定領域抽出手段81は、テストレートごとに、出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出する。余裕度判断手段82は、安定領域抽出手段81の結果より、テストレートを基準として、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を、図8を用いて説明する。図8は図7に示す装置の動作を説明する図である。(a)は期待値パターン、(b)はDUTモデル22の出力である。
余裕度解析手段8の安定領域抽出手段81は、記憶部M1からのテストレートデータにより、図8に示すように、テストレートにおいて、出力データと期待値”1”とが一致する領域を安定領域s1として抽出する。同様に、安定領域抽出手段82は、次のテストレートで、出力データと期待値”0”とが一致する領域を安定領域s2として抽出する。このような動作を繰り返し、安定領域s3,s4を抽出する。ここで、安定領域s4は、期待値が”0または1”なので、テストレートの全区間が安定領域となっている。
そして、余裕度解析手段8の余裕度判断手段82は、安定領域s1〜s4から、テストレートを基準にして、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。
第5の実施例を図9に示し説明する。なお、上述のシミュレーションの結果、すべて、DUTモデル22の出力と期待値パターンとを比較した結果、パスしたシミュレーション結果データを用いたが、ここでは、フェイルも含むシミュレーション結果データを用いる。
図9に示すように、記憶部M5は、フェイルの期待値判定タイミングの余裕度を記憶する。余裕度解析手段9は、記憶部M1のシミュレーション結果データの出力データ、期待値判定タイミングデータ、テストレートデータ、良否判定データに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度、つまり、良否判定データがパス時のパス余裕度、フェイル時のフェイル余裕度を解析し、それぞれ記憶部M3,M5に格納する。余裕度解析手段9は、安定領域抽出手段91、余裕度判断手段92からなる。安定領域抽出手段91は、期待値判定タイミングデータにより、期待値判定タイミングごとに、テストレートデータによりテストレートの範囲内において、記憶部M1の出力データの安定領域を抽出する。余裕度判断手段92は、安定領域抽出手段91の結果、記憶部M1の各テストレートの良否判定データより、パス、フェイルごとに期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を、図10を用いて説明する。図10は図9に示す装置の動作を説明する図である。(a)は良否判定データ、(b)はDUTモデル22の出力、(c)は期待値判定タイミングである。
余裕度解析手段9の安定領域抽出手段91は、記憶部M1からのテストレートデータにより、図10に示すように、テストレートで、記憶部M1の出力データの信号が期待値判定タイミングと同じ信号レベルで変化していない安定領域s1を抽出する。具体的には、安定領域抽出手段91は、期待値判定タイミングの時刻と出力データの信号変化時刻とを比較することで、テストレート内で、信号変化があるかどうかを判断する。このような動作を繰り返し、期待値判定タイミングt2〜t4における安定領域s2〜s4を抽出する。
そして、余裕度解析手段9の余裕度判断手段92は、安定領域s1〜s4から、記憶部M1の良否判定データにより、パス時の安定領域s1,s2、フェイル時の安定領域s3,s4に分類する。余裕度判断手段92は、テストレートを基準にして、パス時の安定領域s1,s2の期待値判定タイミングt1,t2を動かしても、信号が変化しない安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。また。余裕度判断手段92は、テストレートを基準として、フェイル時の安定領域s3,s4の期待値判定タイミングt3,t4を動かしても、信号が変化しない安定領域の重なる範囲を求め、記憶部M5に格納する。
このように、余裕度解析手段9が、出力データ、良否判定データにより、フェイル時の期待値判定タイミングの余裕度を求めたので、余裕度が小さければ、期待値判定タイミングを変化させれば、全てのテストレートで、期待値をパスできるかどうかがわかる。
第6の実施例を図11に示し説明する。
図11に示すように、記憶部M6は、期待値判定タイミングとしてチェックする点を示すチェック点データを複数記憶する。ここで、チェック点データは、期待値判定タイミングからの相対時間で規定される。余裕度解析手段100は、記憶部M1のシミュレーション結果データの出力データ、期待値判定タイミングデータ、記憶部M4の期待値パターン、記憶部M6のチェック点データに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析し、記憶部M3に格納する。余裕度解析手段100は、期待値比較手段110、余裕度判断手段120からなる。期待値比較手段110は、期待値判定タイミング、チェック点データにより、チェック判定タイミングを生成し、このタイミングで、出力データと期待値パターンとを比較する。そして、期待値比較手段110は、チェック判定タイミング生成手段111、比較手段112からなる。チェック判定タイミング生成手段111は、期待値判定タイミングにチェック点データを加えて、チェック判定タイミングを生成する。比較手段112は、出力データをチェック判定タイミングで、期待値パターンと比較する。余裕度判定手段120は、期待値比較手段110の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を、図12を用いて説明する。図12は図11に示す装置の動作を説明する図である。(a)はDUTモデル22の出力、(b)は期待値判定タイミングである。
余裕度比較手段110のチェック判定タイミング生成手段111は、図12(b)に示されるように、記憶部M1の期待値判定タイミングt0に、チェック点データを加えて、チェック判定タイミングt1を生成する。そして、比較手段112が、記憶部M1の出力データを、チェック判定タイミング生成手段111のチェック判定タイミングt1のときに、記憶部M4の期待値で比較し、チェック判定タイミングデータと共に、パス、フェイルを出力する。同様に、チェック判定タイミング生成手段111は、図12(b)に示されるように、期待値判定タイミングt0に、チェック点データを加えて、チェック判定タイミングt2を生成する。そして、比較手段112が、出力データを、チェック判定タイミングt2のときに、期待値で比較し、チェック判定タイミングデータと共に、パス、フェイルを出力する。このような動作を繰り返し、チェック判定タイミングt3におけるパス、フェイルの判定も行う。
そして、余裕度解析手段100の余裕度判断手段120は、チェック判定タイミングt1〜t3ごとに、すべてパスしているか判断し、すべてパスしている場合、チェック判定タイミングの区間(期待値判定タイミングも含めた区間)で、テストレートを基準として、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。
なお、チェック判定タイミング生成手段111は、期待値判定タイミングデータとチェック点データとにより、チェック判定タイミングを求める構成を示したが、チェック判定タイミング生成手段が、シミュレーション結果データのテストレートデータとチェック点データとにより、チェック判定タイミングを求める構成でもよい。この場合、チェック点データは、テストレートの始点からの相対時間で規定される。また、チェック点データを、テストレートの始点からの相対時間と次のチェック判定タイミングとの時間差を規定するものでもよい。
また、期待値判定タイミングは、シミュレーション結果データから得る構成を示したが、テストプログラムから期待値判定タイミングを得る構成でもよい。
第7の実施例を図13に示し説明する。
図13に示すように、記憶部M6は、絶対時間で規定されるチェック点データを複数記憶する。余裕度解析手段200は、記憶部M1のシミュレーション結果データの出力データ、記憶部M4の期待値パターン、記憶部M6のチェック点データに基づいて、期待値判定タイミングの余裕度を解析し、記憶部M3に格納する。余裕度解析手段200は、期待値比較手段210、余裕度判断手段220からなる。期待値比較手段210は、チェック点データのタイミングで、出力データと期待値パターンとを比較する。そして、期待値比較手段210は、時間選別手段211、比較手段212からなる。時間選別手段211は、チェック点データを選別して、チェック判定タイミングとする。比較手段212は、チェック判定タイミングで、出力データを期待値パターンと比較する。余裕度判定手段220は、期待値比較手段210の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する。
このような装置の動作を説明する。余裕度比較手段210の時間選別手段211は、記憶部M6のチェック点データから、チェック判定タイミングを選別する。つまり、チェック点データは、テストレートごとにまとめられたり、テストレートの出現順番ごとにまとめられたりしているので、チェック判定タイミングが順番に出力されるようにする。そして、比較手段212が、記憶部M1の出力データを、時間選別手段211のチェック判定タイミングのときに、記憶部M4の期待値で比較し、チェック判定タイミングデータと共に、パス、フェイルを出力する。
そして、余裕度解析手段200の余裕度判断手段220は、チェック判定タイミングごとに、すべてパスしているか判断し、すべてパスしている場合、チェック判定タイミングの区間(期待値判定タイミングも含めた区間)で、テストレートを基準として、期待値判定タイミングの余裕度を求め、記憶部M3に格納する。
本発明の第1の実施例を示した構成図である。 図1に示す装置の動作を説明する図である。 図1に示す装置の動作を説明する図である。 本発明の第2の実施例を示した構成図である。 本発明の第3の実施例を示した構成図である。 図5に示す装置の動作を説明する図である。 本発明の第4の実施例を示した構成図である。 図7に示す装置の動作を説明する図である。 本発明の第5の実施例を示した構成図である。 図9に示す装置の動作を説明する図である。 本発明の第6の実施例を示した構成図である。 図11に示す装置の動作を説明する図である。 本発明の第7の実施例を示した構成図である。 テスタの動作を説明するタイミングチャートである。 従来のテスタシミュレーション装置の構成を示した図である。 図15に示す装置の動作を示したフローチャートである。 図15に示す装置の動作を説明する図である。
符号の説明
1,M1〜M6 記憶部
2 シミュレーション手段
21 テスタモデル
22 DUTモデル
4 取得手段
5〜9,100,200 余裕度解析手段
51,62,71,81,91 安定領域抽出手段
52,63,73,82,92 余裕度判断手段
110,210 期待値比較手段
120,220 余裕度判断手段

Claims (9)

  1. 被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション装置において、
    前記DUTモデルの出力データ、前記DUTモデルの出力と期待値パターンとを、すべてのテストレートでテストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングで比較した結果が、すべてのテストレートですべてパスした期待値判定タイミングデータに基づいて、テストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングが設定されている全てのテストレートにおける期待値判定タイミングのパスの余裕度を解析する余裕度解析手段を備えたことを特徴とするテスタシミュレーション装置。
  2. 被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション装置において、
    テストレートごとに、DUTモデルの出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出する安定領域抽出手段と、
    この安定領域抽出手段の結果により、テストレートを基準として、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングのパスの余裕度を判断する余裕度判断手段と
    を備えたことを特徴とするテスタシミュレーション装置。
  3. 余裕度解析手段は、
    チェック範囲内において、DUTモデルの出力データの安定領域を抽出する安定領域抽出手段と、
    この安定領域抽出手段の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する余裕度判断手段と
    を有することを特徴とする請求項1記載のテスタシミュレーション装置。
  4. 余裕度解析手段は、
    期待値判定タイミングをチェック点により、DUTモデルの出力データと期待値パターンとを比較する期待値比較手段と、
    この期待値比較手段の結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断する余裕度判断手段と
    を有することを特徴とする請求項1記載のテスタシミュレーション装置。
  5. 余裕度解析手段に用いるDUTモデルの出力データを少なくとも取得する取得手段を設けたことを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載のテスタシミュレーション装置。
  6. 被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション方法において、
    前記DUTモデルの出力データ、前記DUTモデルの出力と期待値パターンとを、すべてのテストレートでテストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングで比較した結果が、すべてのテストレートですべてパスした期待値判定タイミングデータに基づいて、テストレートの先頭から同じ時間経過後の期待値判定タイミングが設定されている全てのテストレートにおける期待値判定タイミングのパスの余裕度を解析することを特徴とするテスタシミュレーション方法。
  7. 被試験対象のテスタによる試験を、被試験対象の動作をシミュレーションするDUTモデルと、テスタの動作をシミュレーションするテスタモデルとによりシミュレーションを行うテスタシミュレーション方法において、
    テストレートごとに、DUTモデルの出力データと期待値パターンとが一致する領域を安定領域として抽出するステップと、
    この抽出結果により、テストレートを基準として、安定領域の重なる部分を求め、期待値判定タイミングのパスの余裕度を判断するステップと
    を備えたことを特徴とするテスタシミュレーション方法。
  8. チェック範囲内において、DUTモデルの出力データの安定領域を抽出するステップと、
    この安定領域より、期待値判定タイミングの余裕度を判断するステップと
    を有することを特徴とする請求項6記載のテスタシミュレーション方法。
  9. 期待値判定タイミングをチェック点により、DUTモデルの出力データと期待値パターンとを比較するステップと、
    この比較結果より、期待値判定タイミングの余裕度を判断するステップと
    を有することを特徴とする請求項6記載のテスタシミュレーション方法。
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