JP4839574B2 - 端子付き電池 - Google Patents

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本発明は、扁平形状の電池容器に正負極の端子を取り付けた端子付き電池に関し、特に高低温の環境下、多湿の環境下での使用を前提として温度、水分等の影響を軽減するために樹脂材料にて電池ケースを被覆、固定した端子付き電池に関する。
コイン形、ボタン形、扁平形と称される電池容器に非水電解液を含む発電要素を収容した扁平形状の非水電解液電池(以下、コイン形電池とする)は小型薄型であるため、その特徴を生かして腕時計やキーレスエントリーなど小型化が要求される場合や、OA機器やFA機器等のメモリバックアップなど長期間の使用が要求される場合に広く用いられている。最近では、コイン形電池が有する信頼性から使用用途は多岐に亘っており、過酷な環境での使用形態であっても信頼性を維持した電池が求められている。
例えば、自動車のタイヤ空気圧を検出し、車両側へ検出値を送信する測定装置では、寒冷地の低温環境、制動時のブレーキ発熱による高温環境といった過酷な温度環境に曝され、さらに雨天、積雪による多湿環境にも曝されることになる。この測定装置が曝される平均的な環境は装置内部であっても温度60℃以上、湿度70%以上となり、特に高い速度からの急制動時には短期間ではあるが100℃を越える高温環境となってしまう。また、前記測定装置はタイヤの内部に装着されており、少なくともタイヤ寿命に至るまでは電池交換が困難であること、タイヤ空気圧の低下は重大な事故を引き起こす要因に成りうることから、機器の作動維持に必要な放電容量を有するとともに、過酷な温度、湿度環境に耐えうる高い信頼性が要求される。
このような要求に対して測定装置はタイヤ空気圧を検出するための制御部位、車両側に検出結果を送出するための送信部位、これらの動作用電源となる電池等の主要部分を装置ケース内に配置し、さらに前記主要部分を樹脂被覆することで過酷な温度、湿度環境への耐性を付与している。例えば特許文献1の測定装置は、制御基板、電池、アンテナを装置ケース内に配置し、ケース内をシリコン樹脂にて充填することで前記の各要素をモールドする構成を開示しており、高温、高湿の環境から主要部分を保護している。さらに樹脂充填の後にケース上端部を上蓋にて閉塞し、超音波溶着を施すことで密封固定しており、ケース内部への水分透過を抑制している。さらに測定装置に供せられる電池は、装置内部で樹脂被覆されることから電池容器に端子を溶接、固定しており、この端子が制御基板に電気的接続を担っている。また上記の環境に対応するために耐高温性を有する電解液を選択すると共に、封止及び絶縁機能を持つガスケットにも耐高温高湿性を付与している。
特開平8−178784号公報
一般的なコイン形一次電池は、電池容器が発電要素を圧縮することによって両者の接触を確保しており、さらに前記圧縮が発電要素の内部緊迫を維持することで放電末期に至るまで安定な放電特性を発揮している。負極に軽金属、例えばリチウムを用いたコイン形電池では、放電に伴って負極のリチウムが消費されることで負極寸法が減少していく。負極で消費されたリチウムは正極に移動し、負極寸法の減少分と同等の寸法にて正極の膨張を生じる。放電反応が進行にしても発電要素の見かけ上の寸法は殆ど変化を生じておらず、内部緊迫が維持されることから安定な放電特性を示す。然し乍、高温環境下の使用では正極へのリチウムの移動が阻害され、正極の膨張が小さい場合もある。この場合には発電要素の寸法減少を招くことから内部緊迫が低下し、放電特性の低下が懸念されるだけでなく
、内部緊迫の低下に起因する放電特性の悪化により信頼性も大きく損ねることになる。特にタイヤ空気圧の測定装置では、設計上の寿命時期を迎える前に装置の機能低下を生ず ることから装置自体の信頼性さえも低下させてしまう。
上記のような放電に伴う内部緊迫の低下を抑制する構成として、正極ケースの底面をケース内面に向けて膨出させ、膨出部分が発電要素を付勢する構成が種々提案されている。この構成であれば、膨出部分の付勢力が内部緊迫の維持しており、放電特性の悪化は低減される。上述の如く当該測定装置に供せられるコイン形電池は、正負極の端子を装着した後に樹脂被覆する構成を採用しており、電池容器は樹脂によって変形を規制されている。この規制は容器外方向への変形だけでなく、電池容器と樹脂が接着されることから容器内方向への変形も阻止している。このため、樹脂被覆された電池容器は発電要素の厚み変動に追随した変形を呈することができず、発電要素の厚みが減少した場合には内部緊迫を維持できなくなる。このため、高温環境下での使用を前提とした電池では、内部緊迫の低下に起因する放電特性の悪化が懸念され、安定な放電特性を維持できない確立が高くなることから、信頼性を要求する用途への適用は好適ではない。してみれば、高温環境からの電池保護を目的として樹脂被覆を採用した電池は、放電特性の悪化を招きやすいという問題点を有している。
本発明は上記問題点を解決するものであり、高低温、高湿度等の過酷な温度、湿度環境、あるいは振動等が付加される過酷な設置環境に供せられ、正負極端子が扁平形状の電池容器に表面に固着されたコイン形電池において、前記の環境からの保護を目的として樹脂被覆すると共に、樹脂被覆に起因する放電特性の悪化を抑制したコイン形電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のコイン形電池は、軽金属を活物質とする負極、正極を有底円筒形状の電池ケース及び封口板、並びにガスケットから構成される扁平形状の電池容器に収容してなり、前記封口板、電池ケースに正負極の端子板を取り付けた後、少なくとも電池ケースを樹脂被覆した構成を有しており、さらに電池ケースの内底面に正極を保持する有底、且つ金属製の保持部材を配したものである。そして、前記保持部材は底面の中央部が周縁部に対して膨出した形状または周縁部が中央部に対して膨出した形状を有しており、電池を被覆する樹脂が電池ケース底面の変形を規制すること、前記保持部材その形状から生じるバネ性により前記正極を負極方向へ付勢することを特徴とするものである。
上記構成によれば、金属製の保持部材が正極を負極方向へ付勢することで発電要素の厚みが減少した場合でも内部緊迫を維持している。そして正負極の接触、及び発電要素と電池容器との接触は何れも良好な状態を保ち、内部緊迫の低下に起因する放電特性の悪化が抑制される。
また、電池ケースがエポキシ樹脂等にて固定され、ケース自体の変形を規制されることから保持部材は電池ケースに対して常に面接触しており、さらに面接触の状態は発電要素の厚み変動に関係なくほぼ同等に保持される。このため、発電要素の厚みが伴う電池ケース−保持部材間における接触抵抗の上昇を生ずることはなく、接触抵抗の増加に伴う内部抵抗の上昇をも招くことはない。これに対して保持部材のみを挿入する構成では、電池容器の内圧が上昇した場合に電池ケースの変形を来たし、保持部材と電池ケースが点接触状態となってしまうことから、接触抵抗の上昇を生じてしまう。よって、本発明は電池ケースと保持部材との接触状態を良好に維持するために電池ケースの変形を規制するものであり、単に保持部材を挿入した構成とは異なる技術思想を有することは明らかである。
以上のことから、本発明の構成は発電要素の厚み変動に起因する放電特性の悪化を抑制しており、高温環境等の過酷な温度環境下でも安定した放電特性を維持できるものである
尚、本発明に係るコイン形は少なくとも電池ケースを樹脂被覆することでケース変形を抑えるものであるが、電池の使用環境に応じて電池全体を樹脂被覆することで前記環境による電池への影響を抑えられ、電池の信頼性を一層高めるものである。コイン形電池の封止に供せられる樹脂材料には、絶縁性を有することに加えて種々の因子を考慮して選択される。特に電池を含む機器の使用が想定される温度条件に合わせた選択が必要となり、高湿度が想定される条件では水分の透過性も重要な選択因子となる。さらに電池ケース底面における変形を規制することから樹脂材料の硬度も選択因子となり、併せて機器へ電池を装着した後に樹脂被覆を実施する構成では、樹脂材料の流動性、被覆時の樹脂温度等も考慮する必要がある。従って、樹脂材料に求められる要件を判断するとエポキシ樹脂の選定が好適と判断される。
さらに本発明の封口板は、電池ケースと逆向きの有底円筒形の開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分に円筒方向への延出部とその折り返し部を形成してなり、前記電池ケースの開口端部を内方に折り返してカシメ封口するものである。この構成によれば、電池内圧の上昇が生じたい場合でもカシメ封口が施された部位に内圧上昇に起因する封口板の変形が遡及せず、耐漏液性を大幅に向上させることができる。このため、高温等の過酷な温度環境に曝される電池であっても漏液の発生を確実に抑制し、電池の信頼性を高めるものであり、本発明に係る保持部材、電池ケースの構成による効果を一層高めるものである。
以上の通り本発明は、過酷な温湿度環境、あるいは設置環境に供せられる端子付きのコイン形電池において、発電要素の厚み変動、及び内圧上昇に起因する放電特性の悪化を抑制し、電池の信頼性を高める効果を奏するものである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。図1の断面図は、本実施形態に係る端子付きコイン形電池の構造を示している。電池ケース1、封口板2を含む電池容器には、正極6と負極4がセパレータ5を介して対向配置されており、電解液が充填されている。電池ケース1の開口部は、ガスケット3を介して封口板2を配しており、カシメ封口を施すことでコイン形状の外観を呈する電池に構成されている。
保持部材7はカップ状に形成されており、本実施形態では後述するように底面の中央部が電池ケース側に膨出した形状としている。この保持部材7は底面及び立ち上がり部分にて正極6の底面及び周面を保持しており、底面との間で電気的接続を確保している。さらに保持部材7はカシメ封口時に膨出部位を押圧することで正極6を負極4の方向へ付勢するものである。また、カシメ封口時に保持部材7の底面は電池ケース1に押圧され、両者の電気的接続を確実にしている。
さらに電池ケース1、及び封口板2の表面には各々正極端子101、負極端子201が固着されている。これら端子は何れも溶接により固着されており、コイン形状に電池を作成した後に溶接を施したものであり、さらに端子装着後にコイン形電池はエポキシ樹脂300にて樹脂被覆される。この樹脂被覆により電池ケース1の底面における変形が規制されており、前記底面が電池容器の内圧上昇や発電要素の厚み変動による変形を抑止している。
本実施形態における封口板2は電池ケース1と逆向きの有底円筒形の開口部にフランジ
部9を有しており、さらにフランジ部9の先端部分に円筒方向への延出部10とその折り返し部11を形成している。一方、電池ケース1は底部周囲に少なくとも延出部10の内径より小さい外径で段差部12を形成している。そして、ガスケット3が段差部12から延出された外周底部15の内底面上及び折り返し部11の先端上からフランジ部9上に圧縮されるようにカシメ加工を施している。電池内圧の上昇が生じた場合、電池ケース1の変形は段差部12によって変形圧力を分散し、封口板2の変形はフランジ部9を挟む両縁にて変形圧力を分散する。これら変形圧力の分散は、封口部分の変形を抑制し、高温度雰囲気下など過酷な使用条件下においても優れた耐漏液性を得ることができる。
本発明は保持部材7にて正極6を負極4の方向に付勢する構成を採用している。このため保持部材7は予め底部の中心、もしくは周縁部が膨出した形状に加工されている。図1に示す本実施形態では、カップ状の保持部材7において底面の中央部が周縁部に対して膨出した形状としており、この形状による生ずるバネ性にて正極7を負極4の方向に付勢するものである。図1はミクロ的な視点に基づき保持部材の形状を俯瞰しており、電池ケース1と保持部材7の中央部が接した状態としている。しかし、実際のコイン形電池では電池構成時の加圧力により保持部材7の底面全体が電池ケース1に接する状態となり、接触抵抗の上昇を招くことはない。また、上記のカップ状の保持部材7に代えて断面が略L字状の保持部材を用い、この保持部材の底面を周縁部に対して膨出した形状とすることで保持部材にバネ性を付与することが可能であり、本発明による効果が得られるものである。本発明に係る保持部材7は、電池容器の内部空間の高さ、すなわち容器内の厚みに対して5〜40%の値で膨出した形状とするのが好ましい。図1における保持部材7は上述のように中央部が周縁部に対して膨出した形状(以下、凸形状という)を採用しており、図1に示す通り膨出部のバネ性により正極を負極方向に付勢している。さらに前記の凸形状に代えて周縁部が中央部に対して膨出した形状(以下、凹形状という)としても良い。この凹形状を採用した保持部材では、主に保持部材の周縁部が電池ケースへ接することになり、保持部材の中央部におけるバネ性により正極を付勢することになる。
保持部材は膨出部の形状を考慮する必要がある。本実施形態の保持部材の形状は周縁部の包含する平面に対する膨出部の頂部高さで規定しており、好ましくは前述した容器内の厚みに対する比率(以下、膨出比率)が5〜40%となるように保持部材の形状を決定している。
この時、電池容器の厚みより好ましい膨出比率の範囲は異なるが、一般的な電池容器の厚みであれば上記の範囲とすることで本発明による効果が確実に奏されるものである。膨出比率が5%未満であると保持部材による正極への付勢が不十分になる虞がある。この内部緊迫の不足は放電特性を悪化させる主因となり得ることから膨出比率を5%以上に設定するのが好適である。一方、膨出比率が40%を越えると保持部材の弾性力が高まり、正極への押圧力が過大となる。このため、正極の変形を招く虞があるだけでなく、さらに保持部材の変形も不十分となり、電池ケースと保持部材との接触面積が減少した状態となり、接触抵抗の上昇も招いてしまう。さらに保持部材の弾性力によって封口板に容器外方への応力が付加されることから、カシメ強度の低下を生じせしめ、耐漏液性を大きく悪化させるものである。
以上の通り本実施形態におけるコイン形電池は、保持部材にて正極を負極方向に付勢することで内部緊迫を維持しており、安定した放電特性を持つものである。
以下、本発明の実施例について説明する。尚、本実施例では、正極にフッ化黒鉛を、負極にリチウム金属、そして電解液に有機電解液を用いると共に上述した本発明の実施形態に係るコイン形電池を作製し、評価を実施した。
(電池の作製)
本実施例では電池ケース1及び封口板2として厚み0.5mmのステンレス鋼板(SUS430)を用い、各々の形状にプレス加工にて作製した。さらに両者を絶縁保持するガスケット3はポリフェニレンサルフィド樹脂を射出成型にて作製している。これら電池ケース1、封口板2は予めガスケット3に接する部位に封止剤を塗布、乾燥することで電池作製後における耐漏液性を向上させている。また、保持部材7は電池容器と同様にステンレス鋼板(SUS430)を採用し、プレス加工によりカップ状と成型した。この時、保持部材7は図1に示す通り底面の中央部を電池ケース側に膨出させた構成としており、本実施形態における凸形状としている。膨出比率を5%になるように成型している。作製された保持部材7は後述する過程で作製した正極6を保持すると共に、カシメ封口時に膨出部位を押圧することで正極6を負極4の方向へ付勢するものである。
一方、発電要素である正極6は二酸化マンガン、導電剤及び結着剤の混合粉末を加圧成型しペレット状にしてある。より詳細には二酸化マンガン、導電剤であるカーボン及び結着剤であるフッ素樹脂粉末を混合し、ペレット状に加圧成型した後、200℃にて12時間乾燥している。セパレータ5は、ポリブチレンテレフタレートの不織布を正極より大なる径に打ち抜くことで作製される。負極4は金属リチウムであり、フープ状の金属リチウムを円形に打ち抜いた後、図1に示す形状を有する封口板2の中央内面に圧着される。電池ケース1に発電要素を各々配した後、カシメ封口することによりコイン形電池を作製した。得られた電池は直径24.5mm、厚さ5.0mmであり、BR2450(JIS規格)に相当するものであり、本発明に係る電池Aとする。また、本実施例では膨出比率が5%に設定された凹形状の保持部材7を作製し、他の構成を電池Aと同様にした電池aも作製した。
さらに本実施例は保持部材7の形状が異なる複数の電池を作製した。保持部材7として、膨出比率が3〜50%に設定された凸形状、及び凹形状のものを作製している。そして、これら保持部材を用いて他の構成は電池A、電池aと同様にした電池B〜電池E、並びに電池b〜電池eを作製した。また、膨出部位が未形成の保持部材を用いた電池も作製した。これを比較電池1とする。さらに保持部材を使用せず、電池ケース1の底面を容器内面側に膨出させた構成を有し、封口板及び発電要素の構成は電池Aと同様にした比較電池2も作製した。これら作製した電池における保持部材の膨出比率は表1に示す通りである。
(電池の評価)
電池の評価は上記の如く作製した各々の電池について高温環境下での放電容量を測定することで実施した。さらに前記評価において作製した電池をエポキシ樹脂で被覆した状態、及び未被覆の状態で放電容量の測定を実施した。放電容量の測定は、60℃の環境下に樹脂被覆された供試電池、未被覆の供試電池を曝した状態において、放電電流13mA、放電時間10msの放電条件と放電電流0.01mA、放電時間60sの放電条件を繰り返した。電池の放電電圧が2.0Vに達した時点で放電を終了した。終了時点に至るまでの容量は表1に示す通りである。尚、本実施例における電池は設計上の放電容量を550mAhとしている。
Figure 0004839574
実施結果を表1に示す。樹脂が未被覆の場合、放電容量は比較電池1を除いて約550mAhであり、安定した放電特性が得られている。比較電池1は内部緊迫の不足による内部抵抗の上昇を生じており、480mAh近辺まで放電した際に13mA放電を行うと2.0Vを下回った。
樹脂被覆した場合、電池A、並びに電池C〜Eでは約550mAhの放電容量を得ることができた。しかし、比較電池1は420mAh、そして比較電池2は435mAhの放電容量しか得られず、設計上の放電容量を得られなかった。これらの原因は何れも未被覆状態の比較電池1と同様に内部緊迫の減少に起因するものである。比較電池1は樹脂被覆無しと同様の事由であり、保持部材による内部緊迫が得られないために放電容量の低下を招いたものである。比較電池2では、樹脂が未被覆の状態では設計通りの放電容量が得られたが樹脂被覆の状態では容量が得られなかった。この原因は電池ケースが樹脂により固定され、発電要素の厚み減少に応じた電池ケースの変形が得られず、且つ保持部材による内部緊迫の維持もできないためである。一方、電池B、電池bは513〜520mAhであった。これは他の電池に比べて保持部材の膨出量が小さいとから、放電末期において正極への付勢が不十分となり、発電要素の厚み減少を補うための変形量が確保できなかったものである。しかし、比較電池1,2に比べて放電容量も改善されており、且つ放電末期に至るまでの期間においては正極への付勢が十分に確保され、他の電池と同等の放電特性を有することから、放電末期に至るまでの使用を前提としない機器では本発明の効果が発揮されるものである。
上記の如く本発明に係る構成を採用した電池では、高温環境下での使用でも安定した放電特性をもつことは明らかである。しかし、保持部材の膨出量が大きくなる電池E、電池eでは、電池の組み立てに際して保持部材からの弾性力によりカシメ封口の不良を生じた電池が発生した。この不良はカシメ封口を行う際に保持部材からの弾性力が過大となり、封口板を上方へ押し上げたことに起因するものであり、コイン電池の生産性を重要視する場合には40%以下の設定が好ましい。以上のことから、本発明における特に好ましい範囲は膨出比率5〜40%であり、この範囲にある保持部材を用いることでカシメ不良に起因する生産性の低下を抑制すると同時に、内部緊迫が低下する放電条件でも放電末期に至るまで特に安定した放電特性を有する信頼性の高いコイン形電池を実現できるものである。尚、本実施例においてエポキシ樹脂による被覆を行ったが、この被覆に代えて、堅固な板状の樹脂に電池ケースの底面を接着する構成であっても本発明と同様の効果を示すものである。
本発明は、高温環境等の内部緊迫が低下する使用条件であっても安定した放電特性を有しており、過酷な環境で使用される機器の電源としての活用が好適である。
本発明の実施形態おけるコイン形電池の断面構造を示す模式図
符号の説明
1 電池ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 負極
5 セパレータ
6 正極
7 保持部材
9 フランジ部
10 延出部
11 折り返し部

Claims (2)

  1. 軽金属を活物質とする負極、正極を有底円筒形状の電池ケース及び封口板、並びにガスケットから構成される扁平形状の電池容器に収容してなり、前記封口板、電池ケースに正負極の端子板を取り付け、少なくとも電池ケースを樹脂被覆した端子付き電池であって、前記電池ケースは前記正極を保持する有底、且つ金属製の保持部材を内底面に配しており、前記保持部材は底面の中央部が周縁部に対して膨出した形状または周縁部が中央部に対して膨出した形状を有しており、前記樹脂が電池ケース底面の変形を規制すると共に、前記保持部材その形状から生じるバネ性により前記正極を負極方向へ付勢することを特徴とする端子付き電池。
  2. 封口板は、電池ケースと逆向きの有底円筒形の開口部にフランジ部を有し、フランジ部の先端部分に円筒方向への延出部とその折り返し部とを形成してなり、前記電池ケースの開口端部を内方に折り返してカシメ封口する請求項1記載の端子付き電池。
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