JP4839530B2 - 測定妨害を低減する方法及び試薬組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、固相を用いる測定方法及び反応試薬の組成に関するものである。例えば、固相に第一の反応性成分(1)が固定化されており、ここに被検成分との反応に必要な第二の反応性成分(被検成分に対する反応性成分)を反応させる方法または直接被検成分を反応させる測定方法において、(1)の一部が固相から脱離してくることにより、その脱離した(1)が測定系での反応を妨害することを軽減するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固液反応を有する測定系、例えば免疫診断試薬では、被検成分を検出するための反応場としてポリスチレンビーズ・磁性微粒子・マイクロタイタープレートなどの固相が用いられ、固相表面に固定化された第一の反応成分と、それと反応性の液相中の成分との反応であるいわゆる固−液反応と、液相中に存在する成分どうしの反応である液−液反応が行われている。固相に固定化させる第一の反応性成分にはアビジン、ストレプトアビジン、抗体、レクチン、レセプターなどがあげられ、それと反応性の液相中に存在する成分としては、ビオチン標識蛋白質(抗体を含む)・抗原(抗原が抗体そのものである場合を含む)・レクチン結合性蛋白質・レセプター結合性蛋白質など被検成分と反応性の成分、または抗原・レクチン・レセプターなど被検成分そのものなどが上げられる。液相中に存在する他の成分としては、被検成分や被検成分を検出するための1種または複数の更なる反応性成分が考えられる。
【0003】
ここで、固相に固定化された反応性成分と液相の成分との反応は、その後の被検成分の特異的な検出において必須であり、いわゆるB/F分離(固相への結合型と遊離型との分離)を行わないホモジニアスアッセイにおいても、またB/F分離を行うヘテロジニアスアッセイにおいても、(1)との反応は固相上でのみ起こることが重要である。固相上の反応性成分(1)の一部が固相から脱離して液相中に遊離の状態で存在するときには、固相上の(1)に対して遊離の(1)が競合することにより、被検成分の特異的な検出に対して阻害的にはたらく。また、その阻害は遊離の(1)の量の増加に依存して増大する。
【0004】
固相への反応性成分の固定化には電荷や疎水性相互作用などのような物理的な性質を利用しての吸着(物理吸着)によるものと、固相上の反応性の官能基との間で化学的に共有結合をさせる方法がある。物理吸着の場合には固定化された成分が徐々に脱離してくることが問題となることが多く、試薬を構成する中間材料の調製の段階で剥がれやすいものをできるだけはがしておく、ということが行われている。また、共有結合による固定化の場合にはできるだけ安定な結合方法を選ぶことが行われているが、安定な結合方法を用いたとしても、固相の材質の制約から、共有結合反応だけでなくある程度の非特異的な物理吸着が同時に進行する可能性がある。固相の材質の制約とは、その測定試薬あるいは測定システムが求める機能、性能、製剤の形態によって、それぞれにおける使用可能な固相の材質が限定されるということである。たとえば特開2000−304749号公報においては免疫測定用容器で非特異吸着を低減する方法が試みられているが、すべての試薬形態に対応可能というわけではない。
【0005】
遊離した第一の反応性成分(1)は固相表面に保持されたままのものよりも運動の自由度がはるかに高いため、わずかな分子数であっても固相に固定化されているものに比べて液相の成分との分子数当たりの反応効率が高く、測定系への影響が大きい。具体的には、固相上に固定化されたストレプトアビジンを用いる甲状腺ホルモン(フリーT3)の測定系で、固相のストレプトアビジンのモル数と遊離のストレプトアビジンのモル数の比と遊離のストレプトアビジンによる阻害の程度の関係から、固相上のストレプトアビジンよりも遊離のストレプトアビジンのほうが液相中のビオチン化抗体との反応性が数十倍も高くなるということなどが一例としてみとめられている。
【0006】
固相からの脱離反応が保存の経過時間や温度などの環境条件によって影響を受ける場合は、固相から脱離した反応性成分の量が経時的に変化することになり、測定値への影響の程度も変化し、測定試薬としての測定値の安定性が損なわれることになる。具体的には、試薬として製造し品質検査を経て出荷されたものが、使用者によって測定の用に供されるまでに、固相の反応性成分の脱離の影響を受けて性能が低下してしまうということがあげられる。また使用者に渡った後でも、試薬の保管条件によって性能がさまざまに変化していくことになる。
【0007】
このような、固相を用いた従来の測定技術に共通して潜む測定値の不安定性に対処するためには、材質・固定化方法の改良により脱離を完全になくすか測定値に影響を与えない程度にまで減少させること、あるいは測定の直前に固相を洗浄するなどして脱離した成分を一時的に実質的に反応を阻害しない程度にまで洗い去ることなどが必要となる。事前の洗浄の場合には、使用者が測定時に手作業で行うか、自動の免疫診断試装置を用いる場合にはその操作を装置に行わせることが必要になる。
【0008】
またこのほかに、固相からの反応性成分の脱離が完全に停止するような試薬形態、すなわち固相を溶液中におかず固体として固定された環境の中に置くことで脱離を停止させるということが考えられる。具体的には、固相を保護剤等の存在下で乾燥または凍結乾燥することなどがおこなわれている(特公平5−66985号公報)。この場合、製造設備のなかに試薬の乾燥をおこなうための設備が余分に必要になることや、測定時に固相を保護している成分を溶解して再びもとの溶液に戻す操作が必要になる。
【0009】
以上いずれにしても、使用者に作業上の負担を強いるか、製造工程および測定装置への負荷がその分だけかかるということになり、これらを回避する方策が望まれている。試薬溶液中にある種の添加物を加えることなどのように、単に試薬組成を変えることだけで遊離の(1)による反応阻害を低減することができれば非常に有用であるが、そのような方法はこれまでに知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題を解決するために、固相から遊離してきた反応性成分による妨害反応を中和して無害化する成分を反応系に添加することで、遊離してきた反応性成分に対する緩衝作用を発揮させ、妨害反応の影響をほとんど受けることなく安定した測定結果を与える試薬を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明者らは鋭意検討を重ね、本来なら反応系には阻害要因となる物質を一定量添加することで、逆に、固相から脱離してきた成分による阻害、特に阻害度の動的な変化を緩衝・軽減させる方法を見出した。
【0012】
即ち本発明は、固液反応を有する測定系において、反応性成分(1)が固相に固定化されており、反応性成分(1)と反応性を有しかつ反応性成分(1)が当該測定系において本来反応すべき物質よりも低分子量の物質を液相に共存させ、固相から脱離した反応成分(1)と反応させることを特徴とする、測定妨害を低減する方法である。
【0013】
また本発明は、固液反応を有する測定系の試薬組成物において、
・反応性成分(1)が固相に固定化されたもの、及び
・反応性成分(1)と反応性を有し、かつ反応性成分(1)が当該測定系において本来反応するべき物質より低分子量の物質
からなることを特徴とする、固相から脱離した(1)による測定妨害を低減するための試薬組成物である。以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0014】
なお、以下の説明の中のストレプトアビジンは、ストレプトアビジンのみに限定されるものではなく、アビジンを含めた天然物またはそれらの誘導体(重合体を含む)を含むものである。また、ビオチンとはビオチンそのものばかりではなく、ストレプトアビジンと高い親和性で結合する点でビオチンと実質的に同様の挙動を示すビオチン誘導体およびビオチン類似体たとえばビオシチン、ビスノルビオチン、テトラノルビオチン、デスチオビオチン、ビオチン化デキストラン、ビオチン化フルオレセインなどを含むものである。
【0015】
本発明のもっとも基本的な系を説明すると、固相および固相上に固定された反応性成分(1)と液相中にあって固相の反応性成分(1)が当該測定系において本来反応すべき物質(以下、第二の成分という場合がある)の三つが最低限存在する測定系ということになる。第二の成分は被検成分そのものである場合もあるが、それに限定されるものではなく、被検成分の量を何らかの信号として取出すための反応の場を提供するものであってもよい。更に、第二の反応性成分の先には第三・第四などと、被検成分が固相に連なるうえで必要な反応性の成分を必要に応じていくつでも介在させることが可能である。また、第一の反応性成分(1)が複数の反応性成分から構成されていてもよく、(1)の一部が脱離する場合も同様に考えることができる。
【0016】
具体的には、図1に例示するように固相に固定化させたストレプトアビジンと、ビオチンと結合した抗体(ビオチン化抗体)を用いる測定系において、反応液中にビオチンを共存させることで、脱離してきたストレプトアビジンとこのビオチンが反応し、目的とする固相ストレプトアビジンとビオチン化抗体との反応への遊離のストレプトアビジンの影響を低減させようとするものである。添加ビオチン自身も反応系にとって阻害要因となりレスポンスは一定量低下するが、固相のストレプトアビジンが大過剰存在することによって、遊離ストレプトアビジン量の変動に対して緩衝作用を持つことになる。
【0017】
以下にいくつかの具体例を示す。
1)固相抗体を抗糖鎖抗体とし、ここに糖修飾抗体を反応させる測定系においては、遊離固相抗体の影響を軽減するためには固相抗体の認識する糖を添加すればよく、
2)固相にレクチンを固定化し、ここにレクチンと反応性の糖タンパクを反応させる系においては、そのレクチンに結合性の糖鎖を添加すればよく、
3)固相抗体を抗FITC(フルオレセイン)抗体とし、ここにFITC化抗体(被検成分に対する抗体にFITCを化学結合させたもの)を反応させる測定系においては、遊離固相抗体の影響を軽減するためには固相抗体の認識するFITCを添加すればよく、
4)固相抗体を抗FITC(フルオレセイン)抗体とし、ここにFITC化FBP(葉酸結合蛋白Folate Binding Protein)などのビタミンあるいはホルモン結合蛋白を反応させる測定系においては、遊離固相抗体の影響を軽減するためには固相抗体の認識するFITCを添加すればよい。
【0018】
また5)固相抗体を抗IgG抗体(第二抗体:第一抗体と反応性の抗体)とし、ここに特異抗原と反応性の抗体(第一抗体)を反応させる測定系においては、遊離固相抗体の影響を軽減するためには第二抗体の認識する第一抗体上の部位(エピトープ)を含むペプチド断片を添加すればよく、
6)固相抗体を抗レセプター抗体とし、ここにレセプターを反応させる測定系においては、遊離固相抗体の影響を軽減するためには固相抗体の認識するレセプター上の部位(エピトープ)を含むペプチド断片を添加すればよく、
7)固相にレセプターを固定化し、ここにレセプターと反応性の物質(リガンド)を反応させる系においては、遊離レセプターの影響を軽減するためには固相レセプターと反応するリガンド上の部位を含む構造をもつ成分を添加すればよい。
【0019】
ここで測定系に共存させる物質は、第二の反応性成分よりも分子量が小さく、かつ反応性成分(1)と反応性を有するものである。すなわち、分子量の違いによる拡散速度の差によって(溶液中での物質ごとの拡散係数は分子量の関数)、固相から脱離してきた第一の反応性成分(1)が第二の反応性成分と反応するよりも早く効率的に、共存させた物質が脱離してきた(1)と優先的に反応することになる。拡散速度の差をより効果的にするためには、共存させる物質の分子量が本来の反応性成分と比べてできるだけ小さいことが望ましい。たとえば脱離する反応成分が蛋白質などの高分子を認識する抗体である場合、添加する成分は抗体によって認識される高分子抗原のなかの最小の構造であることが望ましい。たとえば認識される構造がアミノ酸の一次配列のような場合は、抗体との反応性を維持した最小のペプチドまたはその誘導体であることが望ましい。
【0020】
抗原決定基近傍の構造のみを含む成分を調製することが難しい場合は、抗原の分解産物の混合物をそのまま用いることもできる。部分分解物としてはたとえば第二の反応性成分が蛋白質の場合は、臭化シアンのような化学分解によるものと、プロテアーゼによる分解によるものがある。どちらも、種々の分解物の混合物からなり、混合物全体として第一の反応性成分(1)によって認識されるもとの抗原性を、実質的な効果を失わない範囲で維持するよう、分解が進みすぎないように配慮をすればよい。たとえば、(1)として抗ウサギFc抗体(ウサギIgGのFc部分と反応性の抗体)が用いられ、かつ被検成分と反応する第二の反応性成分がウサギの抗体である場合、ウサギ抗体の部分分解物(FabとFcの混合物)を用いることが可能である。
【0021】
共存させる物質が抗原の一部ではなくても、脱離してくる抗体の反応部位をふさぐという観点から、脱離してくる抗体に対する抗イディオタイプ抗体とすることも可能である。この場合も、抗体分子全部ではなく、抗原との反応性を有するより分子量の小さな構造単位としてFabまたはFv(抗体の部分分解や遺伝子組換えなどによって生成される、抗体の抗原結合ドメイン)などとすることが望ましい。
【0022】
同様に、抗体が認識する物質が低分子ハプテンである場合も共存させる物質はハプテンあるいはハプテン誘導体に限定されるものではなく、ハプテンと抗体への結合において競合する性質のあるものであれば、骨格構造を異にするものを用いることもできる。
【0023】
脱離した反応成分の測定値への影響のでかたは測定系によってことなり、脱離に非常に敏感な測定系と、同じ脱離量でも測定値にはあまり影響しない測定系がある。具体的には、測定系における分子数のバランスとして考えることができる。すなわち、固相に固定化されている成分とその脱離した成分、それらと反応性の成分(被検成分そのものまたは被検成分と反応性を有する成分)の3者の分子数の比において、脱離した成分が多いときには、反応性成分(被検成分そのものまたは被検成分と反応性の成分)と固相に固定化されている第一の反応性成分(1)の間の反応に大きな影響を与える。
【0024】
これに対して、固相に固定化された成分(1)とその脱離した成分、それと反応性の成分(被検成分そのものまたは被検成分と反応性の成分)の分子数の比において、脱離した成分が少ないときには、反応性の成分(被検成分そのものまたは被検成分と反応性の成分)の固相に固定化されている(1)との反応に与える影響は小さくなる。一般に固相上の成分はその測定系において十分な量が与えられており、実際上は脱離した成分の量とそれと反応性の成分の量の比率が影響の受け易さを決める。
【0025】
以下ストレプトアビジンを例としてより具体的な反応系で説明する。磁性微粒子などの固相に固定化されたストレプトアビジンを第一の反応性成分(1)としたときに、これと反応しかつ被検成分とも反応する第二の反応性成分としてビオチン化した抗体が用いられる場合がある。被検成分として抗原を測定する系の場合、抗原が甲状腺ホルモン(T3:トリヨードサイロニン、T4:サイロキシン)などのような低分子物質の場合は競合法による測定が一般に行われ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)のような高分子の蛋白質などの場合はサンドイッチ法による測定が行われることが一般である。
【0026】
競合法の場合は、このビオチン化抗体が被検成分(たとえば抗原であるT3)に対する抗体であり、ここに被検成分と標識物質(たとえば酵素に抗原性を保ったまた化学結合させたT3)とが競合的に反応することで、被検成分量に応じてビオチン化抗体をなかだちとして固相上に保持される標識物質の量(たとえば酵素の活性量)が変化し、被検成分の存在量が測定される。
ここで競合法における標識物質とは、競合反応の程度を測定するために酵素や蛍光・発光物質または放射性物質などで標識され、ビオチン化抗体に対して抗原と類似の反応性を有し、抗原の存在量によってそのビオチン化抗体への結合量が影響を受けるものをいう。
【0027】
サンドイッチ法の場合には、ビオチン化抗体は被検成分(たとえば抗原であるTSH)に対する第一の抗体であり、ここに被検成分が反応し、さらに被検成分に標識物質(たとえば酵素標識した別の抗TSH抗体)が反応することで被検成分の量を測定するものである。ここで標識物質とは、抗原量を測定するために酵素や蛍光・発光物質または放射性物質などで標識され、抗原との反応性を有しビオチン化抗体に結合した抗原の存在量によって固相への結合量が影響を受けるものをいう。具体的には、抗原上のビオチン化抗体が結合する部位とは別の部位に互いに排除し合うことなく結合するもう一方の抗体で、酵素や蛍光・発光物質、放射性物質などで標識されているものである。
【0028】
一般に競合法の場合は、競合反応を感度良く行わせる関係上、測定する抗原の濃度に近いレベルのビオチン化抗体を用いる必要があるが、いずれの競合法測定項目においてもビオチン化抗体の濃度は固相から脱離してくるストレプトアビジンに対して、サンドイッチ法に比べて、おおむね低いものになり、脱離したストレプトアビジンの影響を受けやすい。一方、サンドイッチ法では抗原の濃度に対してビオチン化抗体の濃度を充分高くする必要があり、脱離してきたストレプトアビジンの影響は競合法に比べて受けにくい。しかしながら、測定上問題となりうる程度の影響を受ける可能性がある。
【0029】
以上のように固相の(1)の脱離の影響を受けやすいのは一般に競合法と考えられ、脱離の問題を解決するための発明はサンドイッチ法のみならず、競合法における試薬の安定性を満足するものでなければならない。そして測定系が被検成分の高感度な検出を目指せばめざすほど、固相からの脱離を極めて低いレベルに抑える必要がある。実質的に利用可能な固相の素材は測定系の試薬構成によって制限され、特に現在一般的となっているいわゆる全自動免疫診断装置などのような、自動化された装置に搭載する試薬の場合にはその選択の幅がせまく、(1)の物理吸着がまったくない固相を選定することが難しい。また結合方法や液性によっては、化学結合していた(1)が遊離してくる場合もありうる。
【0030】
安定な測定値を得るためにはいささかでも脱離があってはならないということではなく、製造された試薬の流通および測定の用に供されるまでの期間に脱離した成分が、試薬の性能上実質的に問題のないレベルに維持されれば良いと考えられる。したがって、脱離した(1)が遊離の状態で存在しても測定において阻害的な機能を発揮するのを阻止することができるような成分を測定系に加えることで、安定した測定値を得ることができるようにすればよい。
【0031】
本発明を実施することで、測定前の固相の洗浄や乾燥による固相の固定などの特別な処置を必要とせずに、安定な測定値を長期間にわたって得ることができるようになる。すなわち、(1)を固定化した固相は固相保存のための保存液に懸濁した状態のままの試薬形態でよく、脱離した反応成分を中和するための成分は試薬を構成する他の成分のなかへ添加することができる。また、他の成分のなかに添加するのではなく、単独の溶液として独立に添加することもできる。
【0032】
以下ストレプトアビジンとビオチン化抗体を例に説明する。固相にストレプトアビジンを固定化させる系の場合、抗原との特異な反応を行う物質としてビオチン化抗体が使用される。固相から脱離してくるストレプトアビジンに対する対策としては、ビオチン化抗体溶液のなかにビオチンをあらかじめ添加しておくことで、固相から脱離してきたストレプトアビジンを中和することが可能である。
【0033】
また、ビオチン単独で添加したり標識物質の溶液に添加しておくことも可能であるが、これらの場合は脱離したストレプトアビジンがビオチン化抗体と反応してしまわないよう、ビオチン化抗体を固相と反応させる前にビオチン化抗体と混合されているか、または事前に固相と混合されていることが好ましい。こうすることによって、固相から脱離して遊離の状態にあるストレプトアビジンは添加したビオチンによって中和され、ビオチン化抗体との反応を著しく減じ、固相のストレプトアビジンとビオチン化抗体との固−液反応への阻害を減ずることになる。
【0034】
ビオチンの添加量は、固相に保持されているストレプトアビジンと遊離のストレプトアビジンおよび既に述べたビオチン化抗体の量のバランスによって決まる。したがって、以下に説明するように、測定系を考慮することなしに特定の量に一概に決まるものではない。具体的な濃度の例は実施例のなかで示されるが、以下に図2および図3を用いて量を支配する要因について説明する。
【0035】
図2は固相に固定化する第一の反応性成分にストレプトアビジンを用いた遊離トリヨードサイロニン(フリーT3またはFT3)の測定系におけるビオチン添加量のレスポンスへの影響を示したものである。図1で遊離ストレプトアビジンを含まない系に相当する。競合法におけるレスポンスとは抗原濃度ゼロのときのシグナルで、遊離のストレプトアビジンの影響が全くないときの値を100%としている。第二の反応性成分としてはビオチンを結合させた抗T3モノクローナル抗体(ビオチン化抗体)を用いている。最終的にはこのビオチン化抗体にアルカリフォスファターゼ標識T3を結合させ、固相上に保持されたアルカリフォスファターゼの活性を測定している。従って、レスポンスはこの固相のストレプトアビジンに対するビオチン化抗体の結合の度合いを反映している。
【0036】
ここで、遊離ストレプトアビジンの妨害を中和するために添加されたビオチンは、遊離のストレプトアビジンだけでなく固相上のストレプトアビジンとも反応する。そのため、過剰に添加した場合は固相のストレプトアビジンのビオチン化抗体との結合部位を減じ、レスポンスを低下させるようになる。したがって、測定値におおきな影響を与えないような上限の量が存在するが、上限値が固相のストレプトアビジンのビオチン結合部位を完全にふさいでしまう量をこえることはない。添加の上限はその測定系が添加ビオチンのレスポンスへの影響をどこまで許容するかによって決まる。
【0037】
具体的には図2ではレスポンスが大きく低下しはじめる変曲点付近、たとえば0.3μMから下の濃度が望ましいが、そうである必要はなく、たとえばビオチン添加によるレスポンスの低下が50%まで許されるのであればはじめから0.4μM添加しておくことも可能である。また、添加量が少なければレスポンスへの阻害は軽減されるが、遊離ストレプトアビジンに対する中和能力も低下する。逆にストレプトアビジンの遊離が少ないものであれば、必要以上に多くのビオチンを添加する必要はない。どの程度までの遊離ストレプトアビジンをどの程度のレスポンスの変動幅に収めるよう中和しなければならないかによって、必要なビオチンの下限は制限を受ける。
【0038】
図3に同じくFT3における遊離ストレプトアビジン量とレスポンスの関係の模式図を示した。FT3の競合法測定での抗原濃度ゼロの血清測定において、ストレプトアビジン固定化磁性微粒子懸濁液に遊離のストレプトアビジンを添加したときの添加濃度のレスポンスへの影響、およびビオチン化抗体溶液にビオチンを添加していった場合のレスポンス回復の模式図である。「無添加」の曲線に示されるように横軸方向へのわずかの遊離ストレプトアビジンの増加によってレスポンスが大きく低下する一方、濃度−1,2,3に示すようにビオチンの添加量(濃度−1<濃度−2<濃度−3)を増すことによって遊離ストレプトアビジンによるレスポンスの低下は著しく抑制される。
【0039】
ここで単なる遊離ストレプトアビジンの中和だけを考えるのであれば、遊離ストレプトアビジンと添加ビオチンのモル数関係のみが束縛条件ということになる。しかし、遊離ストレプトアビジンの量は用いられる固相化ストレプトアビジンの量とその脱離率によるものであり、また一回の測定当たりに使われる固相ストレプトアビジンの量そのものも測定試薬の形態によってさまざまである。さらに反応のもう一方の成分として使われるビオチン化抗体の量もさまざまであり、測定値にどのように影響するかということに関しては、ビオチン化抗体に対する固相ストレプトアビジンと遊離ストレプトアビジンの競争関係によるものであるから、ビオチン化抗体が遊離ストレプトアビジンに対して相対的に多ければビオチン添加の必要量が相対的に減じる。
【0040】
このように、ストレプトアビジンとビオチン化抗体を用いる測定系では添加するビオチンの量を一概には規定できず、個々の試薬形態ごとに図2および図3のような関係性および目標とする試薬性能の制約を受けて規定されるものである。また、このことはストレプトアビジンとビオチン化抗体を用いる測定系に限定されるものではなく、固相および固相に固定化された第一の反応性成分とそれと反応性の液相中の第二の反応性成分を用いる系の全てに適用されるものである。
【0041】
またストレプトアビジン−ビオチン(またはビオチン化抗体)の系のように極めて親和性の高い(結合定数の高い)反応系のみならず、抗原−抗体、レクチン−糖鎖、レセプター−リガンド、結合蛋白−結合分子など種々の反応系において、それぞれの結合定数によっても添加する反応性成分の量が影響を受ける。すなわち、固相から脱離した第一の反応性成分(1)(例えば、遊離ストレプトアビジンに相当)と第二の反応性成分(例えば、ビオチン化抗体に相当)との反応は液相どうしのいわゆる液−液反応のため、同じく液相中に共存させる物質(例えば、ビオチンに相当)は、固相上の第一の反応性成分(1)(例えば、固相ストレプトアビジンに相当)よりも遊離の第一の反応性成分への反応の選択性が高い。しかも、第一の反応性成分と第二の反応性成分との結合定数が高いほどその選択性も高いので好ましい。
【0042】
なぜなら、反応初期の短時間の液−液反応の間に脱離した第一の反応性成分(1)と共存させた物質との中和反応が終了しない場合、共存させた物質に比べて一般的に圧倒的に大量に存在するの固相上の成分(1)と、共存させた物質との反応がより進行するということになる。
【0043】
そのため、親和性が低い場合には脱離した第一の反応性成分(1)を中和するためにより多くの量の共存物質を共存させる必要が生じ、しかも固相上の第一の反応性成分(1)への結合量も多くなるため選択性が低下し、十分な中和効果を得ようとするとレスポンスまでもが大きく低下してしまうということになる。従って、より親和性の低い系では共存させた物質の単位量あたりの効果が減じ、脱離した第一の反応性成分(1)の影響を中和するためには親和性の高い系に比べてより広い濃度範囲のなかから目的に応じた量を選択することになる。
【0044】
このように、反応性成分間の結合定数の影響も添加すべき反応性成分の量に影響を与える。以上のことから、ビオチンや抗体などを測定系に共存させる量は、0.01−1000pmol/アッセイが好ましく、更に好ましくは0.1−100pmol/アッセイである。
【0045】
【実施例】
以下に本発明を更に詳細に説明するために実施例を示す。しかし本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0046】
実施例1 競合法による遊離トリヨードサイロニン(T3)測定系
ポリスチレンを基材とする磁性微粒子(ダイナル社ダイナビーズ)の表面にストレプトアビジンをエポキシ基を介して固定化した。抗T3抗体にビオチンを化学結合させたものをビオチン化抗体とし、ウシ小腸アルカリフォスファターゼ(ALP)にT3を化学結合させたものを標識体(T3−ALP)とした。
【0047】
ビオチン化抗体67μlと被検試料(血清)33μlを37℃5分間反応させ、そののちストレプトアビジン固定化磁性微粒子を1mlあたり10mg含む溶液10μlと3分間反応させた。固相に結合しなかった成分を洗浄によって除き、さらに固相とT3−ALPを反応させ、固相ストレプトアビジンに保持されたビオチン化抗体のうち、被検成分と反応していないビオチン化抗体に対しT3−ALPを結合させた。被検試料中の遊離T3濃度が高いほど固相に結合するALPが減少し、ALPの酵素活性によるシグナルが減少した。抗原濃度がゼロのときがシグナルが最も高くなり、このときのシグナル強度をレスポンスとよぶ。酵素活性は発光基質(Tropics社CSPD)を50μl分注し、5分間の反応の発光強度をベルトールド社製ルミノメーターLB96Vで測定した。
【0048】
ここで、血清中のT3は蛋白質と結合した状態のものと遊離した状態のもの(フリーT3またはFT3)とが存在し、本測定ではFT3のみを測定した。FT3の測定においては固相から脱離してくるストレプトアビジンがビオチン化抗体と反応して固相に保持されているストレプトアビジンとの反応性を失わせるため、レスポンスの低下をまねく。また、この磁性微粒子の保存中に脱離が徐々に進行したり、脱離の速度が温度変化の影響を受ける場合、得られるレスポンスが変動するとともに、抗原濃度それぞれにおけるシグナルも変動する。
【0049】
図4は実際に市販のストレプトアビジン固定化磁性微粒子(ダイナル社)について、脱離を促進するために温度を40℃にあげて加速試験を行ったときのストレプトアビジンの脱離のようすを示したものである。磁性微粒子濃度は10mg/mlである。脱離量の測定はビオチン標識アルカリフォスファターゼを用いた競合法による。ストレプトアビジン固定化磁性微粒子を冷蔵(たとえば4℃)で長期(1ヶ月〜1年)にわたって保存した場合にも同様の脱離がゆっくりと起こっている。
【0050】
図4のような結果をもとに、種々のレベルの脱離したストレプトアビジンのモデル系として、洗浄直後の磁性微粒子(遊離ストレプトアビジンを含まない)にそれぞれの濃度のストレプトアビジンを外部から添加したものを調製し、レスポンスを測定したものが図5である。FT3の競合法測定における抗原濃度ゼロの血清測定における添加ストレプトアビジンのレスポンス(黒丸)への影響と、ビオチンをビオチン化抗体溶液中の濃度換算で0.15μM添加した場合(黒四角)のレスポンスを示す。破線黒丸印の横軸方向に示されているわずかな濃度の遊離ストレプトアビジンの増加によって、レスポンスが著しく低下する。実線黒四角印は、反応系にビオチンをビオチン化抗体溶液中の濃度に換算して0.15μMになるように添加したものである。ビオチンを添加したものではレスポンスが遊離ストレプトアビジン濃度の変化の影響をきわめて受けにくくなっていることが示されている。
【0051】
本ストレプトアビジン固定化磁性微粒子と同様のものを種々調製したところ、製造方法の影響をうけるものの、1年間の冷蔵保存中に脱離してくるストレプトアビジンの濃度が1μg/mlを越えることはまれであった。したがって、0から1μg/ml付近の濃度の間で遊離ストレプトアビジンの濃度が変動するようなことがあっても、0.15μMのビオチン添加を行えばレスポンスへの影響をほとんど受けなくすることが可能である。
【0052】
実施例2
サンドイッチ法におけるレスポンスとは一定の濃度の抗原を測定したときのシグナルの強さをいい、ここではTSHの10μIU/mlの濃度のものを測定した。測定は、上記TSH試料33μlとアルカリフォスファターゼ標識抗TSH抗体33μlおよびビオチン化抗TSH抗体33μlを37℃で5分間液相で反応させ、さらに実施例1と同様のストレプトアビジン固定化磁性微粒子10μlを37℃で3分間攪拌しながら反応させた。固相に結合しなかった成分を洗浄によって除き、基質としてCSPD50μlと反応させ5分間の発光強度を測定した。図6に甲状腺刺激ホルモン(TSH)のサンドイッチ測定における遊離ストレプトアビジンの影響を示した。TSHのサンドイッチ法での抗原濃度10μIU/mlの血清測定における添加ストレプトアビジンのレスポンス(黒丸)への影響と、ビオチンをビオチン化抗体溶液中の濃度換算で0.15μM添加した場合(黒四角)のレスポンスを示す。
【0053】
サンドイッチ法においては、競合法に比べかなり高い濃度のビオチン化抗体を用いることから、前述のように遊離ストレプトアビジンの影響は受けにくくなっている。この測定系では実施例1の測定におけるビオチン化抗体のおよそ200倍のビオチン化抗体が用いられている。
【0054】
そのため、ビオチン無添加でもストレプトアビジンの影響は実施例1のほぼ10分の1に低減されているが、それでも遊離ストレプトアビジンの影響はまだ残り、脱離量が通常観察される上限の1μg/ml付近に近づくにつれて測定値に影響を及ぼすと考えられる。この場合もビオチン化抗体溶液中の濃度にして0.15μMのビオチンを添加することでレスポンスへの影響はほぼ完全に抑えられる。
【0055】
実施例3
固相にストレプトアビジンではなく抗体を直接固定化した場合には、脱離してくる抗体が反応を阻害する。そこで、ストレプトアビジン−ビオチン系におけるビオチンに相当するものとして遊離抗体によって認識される構造を含む成分を添加する必要がある。固相抗体が認識するものが第二の抗体である場合には、第二の抗体の構造のうち固相抗体によって認識される部分を含むペプチドまたは蛋白質を添加すればよい。甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)のうち遊離サイロキシン(FT4)の2ステップ反応測定系における遊離固相抗体の影響を調べた。
【0056】
まず液相反応でウサギの抗T4抗体の希釈液90μlと被検成分(血清)10μlとを37℃5分間液相反応させ、次にヤギの抗ウサギIgG抗体(Fc特異)を固定化した磁性微粒子10mg/mlの10μlと37℃で3分間攪拌反応させた。磁性微粒子を洗浄ののち、標識物(T4結合アルカリフォスファターゼ)を反応させ、遊離の標識物を洗浄によって除去し、CSPDを基質として固相に結合したアルカリフォスファターゼの活性を測定した。結果を図7に示す。ヤギの抗ウサギIgG(Fc特異)抗体を固定化した磁性微粒子を用いたFT4の競合法測定での抗原濃度ゼロの血清測定において、遊離固相抗体による阻害の影響を回避するため、反応時に特異抗体溶液にウサギIgGのパパイン消化物(FabとFcの混合物)を添加したときのレスポンスへの影響を示す。
【0057】
破線黒丸印は横軸方向の遊離の固相抗体の増加存在によってレスポンスがどのように低下していくかを示している。ここで、液相反応のときにウサギ免疫グロブリンをパパインで分解してFabとFcの混合物としたものを0.1μg添加したときのレスポンスの変化を示したものが実線黒四角印である。ウサギ免疫グロブリン分解物の添加によって、遊離固相抗体の影響を受けにくくなっている。この場合、効果をになっているのはウサギ免疫グロブリン分解物のなかのIgGのFcであり、精製されたFcを添加してもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明による添加物は、固相から脱離してきた第一の反応性成分に対する緩衝作用を有することになり、本発明によって固相担体の液中保存において試薬製造時からの長期にわたって安定な測定値をあたえる免疫診断試薬を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストレプトアビジン−ビオチン化抗体反応系を例とした、固−液反応系の模式図である。
【図2】添加ビオチンのレスポンスへの影響を示す図である。
【図3】遊離ストレプトアビジンのレスポンスへの影響と、ビオチンの添加効果を示す図である。
【図4】ストレプトアビジンの脱離の時間経過を示す図である。
【図5】FT3測定における遊離ストレプトアビジンの影響とビオチン添加の効果を示す図である。
【図6】ストレプトアビジン固定化磁性微粒子を用いたTSH測定における、遊離ストレプトアビジンの影響とビオチン添加の効果を示す図である。
【図7】FT4測定における遊離固相抗体の影響と抗体添加の効果を示す図である。

Claims (5)

  1. 固液反応を有する測定系において、反応性成分(1)が固相に固定化されており、反応性成分(1)が当該測定系において本来反応すべき物質が存在する液相に、反応性成分(1)と反応性を有しかつ反応性成分(1)が当該測定系において本来反応すべき物質よりも低分子量の物質を共存させ、固相から脱離した反応性成分(1)と反応させることを特徴とする、測定妨害を低減する方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、固相に固定化された(1)がアビジンまたはストレプトアビジンであり、固相から脱離した(1)と反応させる物質がビオチンまたはその誘導体であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、固相に固定化された(1)が抗体であり、固相から脱離した(1)と反応させる物質が当該抗体によって認識される部位を含む抗原の一部からなる物質であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、固相に固定化された(1)が抗体であり、固相から脱離した(1)と反応させる物質が脱離した(1)に対する抗体であることを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、(1)に対する抗体がその抗イディオタイプ抗体であることを特徴とする方法。
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