JP4838771B2 - 画像形成装置及びその印刷処理方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には,現在処理中の印刷ジョブの残り処理時間と,その印刷ジョブの処理中に入力された新たな印刷ジョブの処理時間を単純に比較して,その比較結果に基づいて新たな印刷ジョブの割り込みの是非を判断するものである。
また特許文献2に記載の画像形成装置では,現在ある印刷ジョブが処理中に,他の印刷ジョブが入力された場合に,新たな印刷ジョブの実行枚数が予め定められた所定の枚数より小さい場合に,先行する現在処理中の画像形成処理を中断して,新たな印刷ジョブを実行させるように構成されている。
さらに,特許文献3においては,コピー処理を優先させるために,コピー処理が実行されている時には,プリンタ処理を実行不可能に設定することで,画像形成装置まで足を運んだ操作者が,他のパソコンなどの外部装置によって操作されるプリンタ印刷処理によって待たされることがないようにしている。
また,特許文献2に記載の画像形成装置では,印刷ジョブの小さいものを自動的に先に処理することが出来,その面では画像形成装置を使用する者にとって早い処理が行われている感覚が得られる点で,ストレスの少ない画像形成装置を提供しえたものであるが,上記特許文献1と同様,他の仕事に優先して画像形成装置まで足を運んで,コピー処理をしようとする操作者の便宜は無視されている点で,画像形成装置の使用の実態に即したものとはなっていない。
この点,上記特許文献3に記載の画像形成装置では,画像形成装置まで足を運んだ操作者が,他のパソコンなどにより操作されるプリンタ印刷処理によって待たされることがないように,プリンタ印刷処理よりもコピー処理を優先させているので,操作者の利便が考慮されている点で優れたものである。しかしながら,特許文献3に記載の画像形成装置では,単純にコピー処理をプリンタ印刷処理に優先させているために,どのような条件のもとでも,コピー処理が優先されてしまい,かならずしもコピー操作とプリンタ操作の利便性の実態に即したものとはなっていない。
図3に示すように,コピージョブが新たに予約されたときには(ステップS3),該コピージョブの処理に要する時間と,既に登録されているプリンタジョブの処理に要する合計時間とを比較して(ステップS10),コピージョブの処理に要する時間の方が短い場合には(ステップS10のYes側),そのコピージョブを優先して処理している(ステップS12又はステップS16)。このように,単にコピージョブが優先的に処理されるのでなく,既に登録されているプリンタジョブの処理にかかる時間が,新たに予約されたコピージョブの処理時間より長い場合にのみ,上記コピージョブの処理が優先的に割り込まれていくので,いたずらに長いコピージョブが優先されることによるバランスの悪さが解消され,使い勝手の良い画像形成装置を提供することに成功している。
具体的に,実行中のジョブがプリンタジョブ,最先の待機ジョブ1がコピージョブ,その後続の待機ジョブ2,3がプリンタジョブである状況において,コピージョブが新たに予約された場合を考える。この場合,既登録印刷ジョブである待機ジョブ1がコピージョブであるため,図3に示されたフローチャートに従えば,ステップS7でコピージョブが含まれていると判断され(ステップS7のYes側),新たに予約されたコピージョブは通常通り既登録印刷ジョブの最後尾である待機ジョブ3の後に登録されることになる(ステップS5)。そのため,画像形成装置まで足を運んでコピージョブを実行しようとする操作者の待ち時間が長くなる。
このように,既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれる場合であっても,それに続いて多数のプリンタジョブや長時間を要するプリンタジョブなどが登録されている場合には,新たに予約されたコピージョブを既登録印刷ジョブの最後尾に登録することが最良であるとは言えない状況も考えられる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,画像形成装置に直接入力することでコピージョブを実行する操作者の待ち時間を,従来よりも更に合理的な判断のもとに決定することの出来るバランスのよい画像形成装置及びその印刷処理方法を提供することにある。
(1)上記登録された印刷ジョブ中の最新の登録にかかる最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記登録された印刷ジョブ中の上記最新印刷ジョブを除く既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれていない場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブの処理に要する時間とを比較した結果,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを優先して処理すること。
(2)上記最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれている場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブよりも後の印刷ジョブの処理に要する合計時間とを比較し,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブの次に優先して処理すること。
具体的に,実行中のジョブがプリンタジョブ,最先の待機ジョブ1がコピージョブ,その後続の待機ジョブ2〜4がプリンタジョブである状況において,コピージョブが新たに予約された場合を考える。この場合,図3に示すフローチャートでは,新たに予約されたコピージョブが,待機ジョブ4の後に登録されていたが,本発明によれば,新たに予約されたコピージョブの処理時間が待機ジョブ2〜4の処理時間よりも短い場合には,該コピージョブが待機ジョブ2〜4よりも優先して実行されることになる。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る複合機の制御装置の概略構成を示すブロック図,図2は本発明の実施の形態に係る複合機の制御装置により実行される印刷処理の制御手順の一例を説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る複合機は,他に複合コピー機やマルチプリンタなどとも称される画像形成装置の一例であり,少なくとも画像形成装置を直接操作することにより印刷処理を実行するコピージョブと,この画像形成装置と接続され画像形成装置とは別に設けられたパソコンなどの外部装置からの指示などの遠隔操作によって印刷処理を実行するプリンタ出力ジョブ(以下,単にプリンタジョブと記す)やファックスデータ出力ジョブ(以下,単にFAXジョブと記す)とが登録及び実行可能である。また,このような画像形成装置では,上記登録された印刷ジョブについて,原則として登録(印刷処理の入力)順に印刷処理が実行されるが,例外的には,予め定められた所定の優先条件に従って印刷処理が実行される。この例外的処理の内容が本発明のテーマである。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る複合機に搭載された制御装置Xは,CPUなどの演算部1と,上記演算部1に印刷ジョブの設定値を入力したり,印刷処理の開始信号を入力したりする入力部3と,設定された印刷ジョブや現在印刷処理中の印刷ジョブなどを記憶する記憶部5と,演算部1からの指示に基づいて画像形成処理を実行する周知の画像形成部7とを備えて,概略構成されている。ここに,上記記憶部5には,後述の印刷処理(図2のフローチャート参照)で用いられるジョブ登録部5−1,現在出力中ジョブ記憶部5−2,予約ジョブ記憶部5−3などが含まれている。
なお,図1は制御装置Xの概略構成を示すものであって,インターフェース,ケーブル,そのほかの具体的詳細構成については省略されている。また,当該複合機の基本的な構成については,一般的な複合機と異なるところがないため,ここでは説明を省略する。本発明の実施の形態に係る複合機は,上記制御装置Xにおいて実行される後述の印刷処理(図2のフローチャート参照)における印刷ジョブの優先順位に関する制御手法に特徴を有している。
この制御手順は,上記複合機において,画像形成処理が実行されているか,あるいはその待機中に実行される。このような状況において演算部1は,すでに登録済みの印刷ジョブがあれば,その内容を,上記記憶部5のジョブ登録部5−1に記憶する。また,現在印刷処理中であれば,現在処理中の印刷ジョブを上記記憶部5の現在出力中ジョブ記憶部5−2に,また後記する予約ジョブを予約ジョブ記憶部5−3にそれぞれ記憶する。
まず,ステップS1では,演算部1が,上記記憶部5のジョブ登録部5−1を参照して,最新の登録にかかる印刷ジョブとしてコピージョブが登録されたかどうかを判断する。即ち,新たにコピージョブを実行するための操作が行われたか否かが判断される。
ステップS1において新たにコピージョブが登録されたと判断された場合(ステップS1においてYes)には,処理はステップS2に移行する。
ステップS2では,演算部1は,現在出力中の印刷ジョブがあるかどうかを,記憶部5の現在出力中ジョブ記憶部5−2を参照して判断する。そして,演算部1は,現在何らかの印刷ジョブを出力中であると判断した場合(ステップS2においてYes)には,上記ステップS1において新たに登録されたと判断されたコピージョブを予約ジョブとして,上記記憶部5の予約ジョブ記憶部5−3に登録する(ステップS3)。
この予約ジョブという概念は,最新の登録にかかる印刷ジョブ(最新印刷ジョブに相当)を,既に登録されている他の印刷ジョブ(以下「既登録印刷ジョブ」という)と区別するためのもので,印刷ジョブの登録に順番に関する情報があれば,登録の順番で指定してもよい便宜的なものである。なお,上記既登録印刷ジョブには,現在印刷中の印刷ジョブ及びその後続に予約された待機ジョブが含まれる。
次に,演算部1は,現在出力中の印刷ジョブが,FAXジョブであるか否かを記憶部5の現在出力中ジョブ記憶部5−2を参照して判断する(ステップS31)。
ここで現在出力中の印刷ジョブがFAXジョブであると判断された場合は(ステップS31のYes側),処理はステップS32に移行し,FAXジョブではないと判断された場合には(ステップS31のNo側),処理はステップS4に移行する。
ステップS32では,演算部1は,現在出力中ジョブ記憶部5−2を参照して,現在出力中の印刷ジョブの出力枚数が複数か否かを判断する。ここで,複数であると判断されると(ステップS32のYes側),処理は後述のステップS12に移行し,複数でない(1枚である)と判断された場合には(ステップS32のNo側),処理は後述のステップS41に移行する。なお,詳細は後述するが,ステップS12では上記予約ジョブとして登録されたコピージョブが割り込みジョブとして処理される。即ち,現在処理中の印刷ジョブがFAXジョブであって,その出力枚数が複数枚であれば,後から要求されたコピージョブを常に優先的に処理することで,当該複合機を使うために足を運んだ操作者の便宜を重視する。これは,FAXジョブは,もともと時間的な緊急度が低いものであり,コピージョブタジョブのような緊急性の高いジョブを優先的に処理するようにしても問題が生じないからである。
一方,ステップS4では,演算部1は,現在出力中の印刷ジョブがコピージョブか否かを,記憶部5の現在出力中ジョブ記憶部5−2を参照して判断する。
ここで,現在出力中の印刷ジョブがコピージョブであると判断された場合には(ステップS4のYes側),該コピージョブの出力を継続したまま処理はステップS41に移行し,コピージョブでないと判断された場合には(ステップS4のNo側),該コピージョブの出力を継続したまま処理はステップS6に移行する。即ち,当該複合機では,現在処理中の印刷ジョブがコピージョブである場合には,上記予約ジョブがコピージョブであっても,常にその現在処理中のコピージョブを優先的に処理することで,先に当該複合機を使うために足を運んだ操作者の便宜を重視している。
その後,演算部1は,ステップS41又はステップS6以後の処理において,予め設定された優先条件に基づいて上記予約ジョブの優先度(処理タイミング)を判断するための処理を実行する。
まず,ステップS4で,現在出力中の印刷ジョブがコピージョブであると判断されて,ステップS41に移行した後の処理ついて説明する。なお
前述したように,上記ステップS32で実行中のFAXジョブが複数枚ではないと判断された場合も同様にステップS41以下の処理が実行される。
ステップS41では,演算部1は,記憶部5のジョブ登録部5−1を参照して,上記予約ジョブ及び現在出力中の印刷ジョブ以外に登録された待機ジョブ(すなわち出力待機中の印刷ジョブ)が存在するかどうかを判断する(ステップS41)。
ここで,上記待機ジョブが存在する場合には,演算部1は,続いて上記待機ジョブにコピージョブが含まれているかどうかを,記憶部5のジョブ登録部5−1を参照して判断する(ステップS42)。
ここで演算部1が,上記待機ジョブにコピージョブが含まれていないと判断した場合には(ステップS42のNo側),処理はステップS43に移行し,含まれていると判断されると(ステップS42のYes側),処理はステップS46に移行する。
演算部1は,上記待機ジョブにコピージョブが含まれていないと判断すると,ステップS43で,上記待機ジョブに含まれた全ての印刷ジョブの処理に要する合計の処理時間T1を算出した後,ステップS44で,予約ジョブ記憶部5−3に記憶された上記予約ジョブであるコピージョブの処理に要する処理時間T2を演算する。
その後,ステップS45では,演算部1は,上記ステップS43で計算した処理時間T1と,上記ステップS44で計算した処理時間T2とを比較する。
その結果,上記予約ジョブであるコピージョブの処理時間T2の方が,上記待機ジョブの処理時間T1よりも長い場合には(ステップS45のNo側),処理はステップS5に移行して,演算部1は,その予約ジョブを通常の印刷ジョブとしてジョブ登録部5−1に順番に登録する。その際,上記予約ジョブを予約ジョブ記憶部5−3から削除する。
また,上記予約ジョブであるコピージョブの処理時間T2が,上記処理時間T1以下(同じ又は短い)である場合には(ステップS45のYes側),処理は後述のステップS16に移行する。なお,ステップS16では,演算部1によって,上記予約ジョブであるコピージョブが,現在出力中のコピージョブの次に優先して出力される。その際,上記予約ジョブを予約ジョブ記憶部5−3から削除する。
このように,本発明の実施の形態に係る複合機では,上記予約ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブ(現在実行中の印刷ジョブ及び待機ジョブを合わせた概念)にコピージョブが含まれている場合に,上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2と,上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブ(ここでは,現在実行中のコピージョブが最後のコピージョブに相当する)よりも後の印刷ジョブの処理に要する処理時間T1とを比較した結果,両時間が同じまたは上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2の方が短い場合には,上記予約ジョブであるコピージョブを優先して処理する(ステップS16)という優先条件に従って印刷処理が実行される。
一方,演算部1は,上記待機ジョブにコピージョブが含まれていると判断すると,ステップS46で,上記待機ジョブに含まれた印刷ジョブのうち,最後に登録されたコピージョブよりも後に存在する全ての印刷ジョブの処理に要する合計の処理時間T3を算出し,ステップS47で,予約ジョブ記憶部5−3に記憶された上記予約ジョブであるコピージョブの処理に要する処理時間T2を演算する。
その後,演算部1は,ステップS48で,上記ステップS46で計算した処理時間T3と,ステップS47で計算した処理時間T2とを比較する。
その結果,上記予約ジョブとしてのコピージョブの処理時間T2の方が上記処理時間T3よりも長い場合には(ステップS48のNo側),処理はステップS5に移行し,演算部1は,その予約ジョブを通常の印刷ジョブとしてジョブ登録部5−1に順番に登録する。その際,上記予約ジョブを予約ジョブ記憶部5−3から削除する。
一方,上記予約ジョブとしてのコピージョブの処理時間T2が,上記処理時間T3以下(同じ又は短い)である場合には(ステップS48のYes側),処理はステップS49に移行する。
そして,ステップS49では,演算部1は,上記予約ジョブであるコピージョブを,上記待機ジョブに含まれた最後のコピージョブの次の印刷ジョブとして登録するための処理を実行する。具体的には,上記待機ジョブに含まれた印刷ジョブの中に上記予約ジョブであるコピージョブを割り込ませて登録し,或いは,各印刷ジョブに付された優先順位番号を変更する。その際,上記予約ジョブを予約ジョブ記憶部5−3から削除する。
このように,本発明の実施の形態に係る複合機では,上記予約ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれている場合に,上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2と,上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブよりも後の印刷ジョブの処理に要する合計の処理時間T3とを比較し,両時間が同じまたは上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2の方が短い場合には,上記予約ジョブであるコピージョブを上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブの次に優先して処理する(ステップS49)という優先条件に従って印刷処理が実行される。これにより,上記既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれている場合であって,そのコピージョブの後に多数のプリンタジョブやFAXジョブなどが含まれている場合に,当該複合機を使うために足を運んでコピージョブを実行しようとする操作者の便宜を重視し,その操作者のコピージョブを上記既登録印刷ジョブにコピージョブの次に優先させることで待ち時間を短くすることができる。
次に,ステップS4で,現在出力中の印刷ジョブがコピージョブではないと判断されて,ステップS6に移行された後の処理ついて説明する。
ステップS6では,上記ステップS41と同様に,演算部1は,記憶部5のジョブ登録部5−1を参照して,上記待機ジョブが存在するかどうかを判断する。
ここで,上記待機ジョブが存在すると判断された場合には(ステップS6のYes側),演算部1は,続いて上記待機ジョブにコピージョブが含まれているかどうかを,記憶部5のジョブ登録部5−1を参照して判断する(ステップS7)。
ここで演算部1が,上記待機ジョブにコピージョブが含まれていないと判断した場合には(ステップS7のNo側),処理はステップS8に移行し,含まれていると判断されると(ステップS7のYes側),処理は上記ステップS46に移行する。上記ステップS46以後の処理については前段で説明した通りである。
一方,ステップS8では,演算部1は,現在印刷出力中の印刷ジョブの処理に要する残り時間と,上記待機ジョブに含まれた全ての印刷処理に要する時間とを合計した処理時間,即ち既登録印刷ジョブの処理に要する処理時間T4を演算する。
なお,上記ステップS6において,出力待機中の印刷ジョブがないと判断された場合も,ステップS7を迂回して当該ステップS8にジャンプする。この場合,待機中の印刷ジョブがないので,上記処理時間T4としては,単に上記現在印刷出力中の印刷ジョブの処理に要する残り時間だけが算出される。
上記ステップS8で処理時間T4が算出されると,演算部1は,続いて予約ジョブ記憶部5−3に記憶された上記予約ジョブであるコピージョブの処理に要する処理時間T2を演算する(ステップS9)。
その後,演算部1は,上記ステップS8で計算した処理時間T4と,ステップS9で計算した処理時間T2とを比較する(ステップS10)。
その結果,上記予約ジョブであるコピージョブの処理に要する処理時間T2の方が,上記処理時間T4よりも長い場合には(ステップS10のNo側),該予約ジョブを優先処理することはせず,処理はステップS5に移行し,演算部1は,その予約ジョブを通常の印刷ジョブとしてジョブ登録部5−1に順番に登録する。その際,予約されたコピージョブを予約ジョブ記憶部5−3から削除する。
一方,上記予約ジョブであるコピージョブの処理に要する処理時間T2が,上記処理時間T4以下である場合には(ステップS10のYes側),処理はステップS11に移行する。
ステップS11では,演算部1は,現在出力中ジョブ記憶部5−2を参照して,現在出力中の印刷ジョブの出力枚数が複数か否かを判断する。複数であれば処理はステップS12に,複数でなければ(1枚ならば),ステップS16に移行する。
ステップS12では,演算部1は,画像形成部7を制御して,現在出力中の印刷ジョブを中断し,上記予約ジョブであるコピージョブを割り込み出力させる。
その後,演算部1は,割り込みに係る上記予約ジョブであるコピージョブの処理が終了すると (ステップS13のYes側),画像形成部7を使って一時中断されていた印刷ジョブを再開させる(ステップS14)。
そして,この中断されていた印刷ジョブについての印刷処理が終了すると(ステップS15においてYes),次の待機ジョブの出力を開始する(ステップS18)。
こうして待機中の印刷ジョブについての印刷が終了すると(ステップS19のYes側),全ての印刷ジョブについて印刷が終了するので,処理は終了する(ステップS20)。
そして,そのコピージョブの出力が全て終了すると(ステップS17においてYes),ステップS18からステップS20において上記待機ジョブに含まれた全ての印刷ジョブについての印刷処理が終了するまで,印刷処理を継続する。
このように,本発明の実施の形態に係る複合機では,上記予約ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブ(現在実行中の印刷ジョブ及び待機ジョブを合わせた概念)にコピージョブが含まれていない場合に,上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2と,上記既登録印刷ジョブの処理に要する処理時間T4とを比較した結果,両時間が同じまたは上記予約ジョブの処理に要する処理時間T2の方が短い場合には,上記予約ジョブであるコピージョブを優先して処理する(ステップS12又はステップS16)という優先条件に従って印刷処理が実行される。
別の優先条件の考え方として,現在実行中の印刷ジョブの印刷時間より最新の登録(予約)にかかるコピージョブの印刷時間が長い場合には,現在実行中の印刷ジョブを優先的に処理するものが考えられる。現在実行中の印刷ジョブを中断するにはそれなりに無駄な時間が発生する。そのような無駄を省くために,現在実行中の印刷ジョブをある程度優先させることもバランス上必要だからである。
これはそのような最短時間の処理中であってもコピージョブを優先させた場合,かえって処理モードの切り替えなどに多大な時間がかかってしまい,効率が低下することが考えられるからである。ステップS11では,最短時間をこのような印刷1枚としている。
現在実行中のジョブがプリンタジョブが1枚であり,待機ジョブ1(最先の待機ジョブ)が, プリンタジョブ1枚であり,且つ,待機ジョブ2(2番目の待機ジョブ)がプリンタジョブ1枚であり,新たに予約された予約ジョブ(予約ジョブ)がコピージョブ2枚である場合である。
これを略して,
●パターン1
実行中のジョブ: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ1: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ2: プリンタジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 2枚
と記す。以下の例においても同様である。
この場合,実行中の印刷ジョブは1枚(この例では所定の最短時間を1枚として設定している)のため実行中の印刷ジョブには割り込み不可である。また,実行中のジョブ+待機ジョブ1+待機ジョブ2=3枚>予約ジョブ2枚であるので,現在実行中のジョブの次に予約ジョブを優先出力することになる。
●パターン2
実行中のジョブ: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ1: FAXジョブ 1枚
待機ジョブ2: プリンタジョブ 5枚
予約ジョブ: コピージョブ 2枚
この場合,現在実行中の印刷ジョブは1枚のため割り込み不可である。また,実行中のジョブ+待機ジョブ1+待機ジョブ2=7枚>予約ジョブ2枚であるので,実行中のプリンタジョブの次に予約ジョブを優先出力することになる。
●パターン3
実行中のジョブ: コピージョブ 5枚
待機ジョブ1: プリンタジョブ 5枚
待機ジョブ2: FAXジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 3枚
上記の通り,実行中のジョブがコピージョブのため割り込み不可である。また,待機ジョブ1+待機ジョブ2=6枚>予約ジョブ3枚であるので,実行中のジョブの次に予約ジョブを優先出力することになる。
●パターン4
実行中のジョブ: FAXジョブ 1枚
待機ジョブ1: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ2: プリンタジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 7枚
現在実行中のジョブはFAXであるが,1枚のため割り込み不可である。一方,実行中のジョブ+待機ジョブ1+待機ジョブ2=3枚<予約ジョブ7枚のため割り込み不可となり,待機ジョブ2の次に予約ジョブを出力(割り込みなし)することになる。
●パターン5
実行中のジョブ: コピージョブ 2枚
待機ジョブ1: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ2: プリンタジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 1枚
この場合,実行中のジョブはコピージョブのため割り込み不可である。
そして,待機ジョブ1+待機ジョブ2=2>予約ジョブ1枚であるので,予約ジョブの割り込みが成立し,実行中のジョブの次に予約ジョブを優先出力することになる。
●パターン6
実行中のジョブ: プリンタジョブ 1枚
待機ジョブ1: コピージョブ 3枚
待機ジョブ2: FAXジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 5枚
この例では,実行中のジョブは1枚のため割り込み不可である。ここで,待機ジョブ1がコピージョブであって待機ジョブにコピージョブが含まれているため,その待機ジョブ1よりも後の待機ジョブ2≧予約ジョブであれば,予約ジョブが待機ジョブ1の次に優先されるが,ここでは,待機ジョブ2<予約ジョブであるため割り込み不可と判断される。最終的に,待機ジョブ2の次に予約ジョブを出力(割り込みなし)することになる。
●パターン7
実行中のジョブ: FAXジョブ 3枚
待機ジョブ1: プリンタジョブ 2枚
待機ジョブ2: プリンタジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 3枚
この例では,実行中のジョブがFAXジョブであって複数枚であるため,予約ジョブであるコピージョブが実行中のFAXジョブに割り込んで優先出力される。その後,割り込んだコピージョブが終了すると,停止されていたFAXジョブが再開されることになる。
●パターン8
実行中のジョブ: プリンタジョブ 2枚
待機ジョブ1: コピージョブ 1枚
待機ジョブ2: FAXジョブ 1枚
待機ジョブ3: プリンタジョブ 3枚
予約ジョブ: コピージョブ 3枚
この場合,待機ジョブ1がコピージョブであって待機ジョブにコピージョブが含まれているため,その待機ジョブ1よりも後の待機ジョブ2及び待機ジョブ3の合計≧予約ジョブであれば,予約ジョブが待機ジョブ1の次に優先される。ここでは,待機ジョブ2及び待機ジョブ3≧予約ジョブであるため,予約ジョブは,待機ジョブ1であるコピージョブの次に優先出力される。その後,待機ジョブ2,3が出力される。
●パターン9
実行中のジョブ: コピージョブ 5枚
待機ジョブ1: コピージョブ 5枚
待機ジョブ2: FAXジョブ 3枚
待機ジョブ3: コピージョブ 3枚
予約ジョブ: コピージョブ 2枚
上記の通り,実行中のジョブがコピージョブのため割り込み不可である。ここで,待機ジョブの最後の待機ジョブ3がコピージョブであるため,予約ジョブは,待機ジョブ3の後に出力される。
●パターン10
実行中のジョブ: コピージョブ 5枚
待機ジョブ1: コピージョブ 5枚
待機ジョブ2: FAXジョブ 1枚
待機ジョブ3: プリンタジョブ 1枚
予約ジョブ: コピージョブ 3枚
この場合,実行中のジョブがコピージョブであるため割り込みは不可能である。ここで,待機ジョブ1がコピージョブであって待機ジョブにコピージョブが含まれているため,その待機ジョブ1よりも後の待機ジョブ2及び待機ジョブ3の合計≧予約ジョブであれば,予約ジョブが待機ジョブ1の次に優先される。しかし,ここでは,待機ジョブ2及び待機ジョブ3の合計<予約ジョブであるため,結局,予約ジョブは待機ジョブ3の後に出力される。
1…演算部
3…入力部
5…記憶部
5−1…ジョブ登録部
5−2…現在出力中ジョブ記憶部
5−3…予約ジョブ記憶部
7…画像形成部
S1,S2,…処理手順(ステップ)番号
Claims (2)
- 少なくとも当該画像形成装置を直接操作することにより印刷処理を実行するコピージョブと,当該画像形成装置と接続され当該画像形成装置とは別に設けられた外部装置からの指示によって印刷処理を実行するプリンタ出力ジョブ及びファックスデータ出力ジョブとが登録及び実行可能で,登録された印刷ジョブについて,原則として登録順に,また例外的に予め定められた所定の優先条件に従って印刷処理を実行する画像形成装置であって,
上記優先条件に,
上記登録された印刷ジョブ中の最新の登録にかかる最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記登録された印刷ジョブ中の上記最新印刷ジョブを除く既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれていない場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブの処理に要する時間とを比較した結果,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを優先して処理すること,
上記最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれている場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブよりも後の印刷ジョブの処理に要する合計時間とを比較し,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブの次に優先して処理すること,
が含まれてなることを特徴とする画像形成装置。 - 少なくとも当該画像形成装置を直接操作することにより印刷処理を実行するコピージョブと,当該画像形成装置と接続され当該画像形成装置とは別に設けられた外部装置からの指示によって印刷処理を実行するプリンタ出力ジョブ及びファックスデータ出力ジョブとが登録及び実行可能で,登録された印刷ジョブについて,原則として登録順に,また例外的に予め定められた所定の優先条件に従って印刷処理を実行する画像形成装置の印刷処理方法であって,
上記優先条件に,
上記登録された印刷ジョブ中の最新の登録にかかる最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記登録された印刷ジョブ中の上記最新印刷ジョブを除く既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれていない場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブの処理に要する時間とを比較した結果,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを優先して処理すること,
上記最新印刷ジョブがコピージョブであって,且つ上記既登録印刷ジョブにコピージョブが含まれている場合に,上記最新印刷ジョブの処理に要する時間と,上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブよりも後の印刷ジョブの処理に要する合計時間とを比較し,両時間が同じまたは上記最新印刷ジョブの処理に要する時間の方が短い場合には,上記最新印刷ジョブであるコピージョブを上記既登録印刷ジョブ中に含まれた最後のコピージョブの次に優先して処理すること,
が含まれてなることを特徴とする画像形成装置の印刷処理方法。
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