JP4837712B2 - ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 - Google Patents
ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4837712B2 JP4837712B2 JP2008239062A JP2008239062A JP4837712B2 JP 4837712 B2 JP4837712 B2 JP 4837712B2 JP 2008239062 A JP2008239062 A JP 2008239062A JP 2008239062 A JP2008239062 A JP 2008239062A JP 4837712 B2 JP4837712 B2 JP 4837712B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hot press
- plating layer
- press molding
- plated steel
- molding method
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
この問題を解決する方法の一つとして、鋼板を800℃以上の高温に加熱した状態でプレス成型するホットプレス成型法がある。ホットプレス成型法に用いられる鋼板としては、Al系の金属からなるめっき層の形成された熱成形用鋼板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、本発明は、本発明のホットプレス成型方法によって製造された、めっき層の厚みが均一で、外観および耐食性に優れた成型品および自動車用部品を提供することを目的とする。
その結果、めっき層の厚み寸法が大きい場合には、めっき鋼板に印加された電流のうち、めっき層内を流れる電流の量が多くなるので、電流密度を小さくして電流によって生じる磁場を小さくし、上記のフレミング左手の法則に従う引力が大きくならないようにすればよいことを見出した。反対に、めっき層の厚み寸法が小さい場合には、めっき鋼板に印加された電流のうち、めっき層内を流れる電流の量が少なくなるので、電流によって生じる磁場が小さくなり、電流密度を大きくしても、上記のフレミング左手の法則に従う引力が大きくなりにくいことを見出した。すなわち、めっき層の厚み寸法を十分に小さくした場合には、生産性を向上させるために電流密度を大きくして高速加熱を行っても、めっき層の寄りを十分に防止できることを見出した。
このように本発明者らは、めっき層の厚み寸法と上記の電流密度とを制御して、上記のフレミング左手の法則に従う引力を小さくすることができることを見出し、本発明のホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品を想到した。本発明の要旨は以下のとおりである。
I≦(23−t)/0.0718 ・・・ (1)
(2) 前記めっき層の厚みが、22μm以下であることを特徴とする(1)に記載のホットプレス成型方法。
(4) (1)または(2)記載のホットプレス成型方法により製造されたことを特徴とする自動車用部品。
本実施形態のホットプレス成型方法は、表面にAlを含むめっき層の形成されためっき鋼板をホットプレス成型するためのホットプレス成型方法である。本実施形態においては、ホットプレス成型方法により製造された成型品の一例として、自動車用部品を製造する場合を例に挙げて説明する。
ホットプレス成型される鋼板の表面に、Alを含むめっき層を形成するには、例えば、所定のめっき浴に鋼板を浸漬する方法などを用いることができる。
めっき層の厚み寸法が2μm未満であると、鋼板の表面にめっき層を形成することによる効果が十分に得られず、ホットプレス成型する工程において鋼板の表面に酸化物が発生してしまう恐れや、ホットプレス成型後に得られた自動車用部品の耐久性が不十分となる恐れがある。
本実施形態においては、通電加熱方式または誘導加熱方式により、めっき鋼板に下記式(1)(ただし、式(1)中におけるtはめっき層の厚み寸法(μm)を示し、Iは電流密度(A/mm2)を示す。)を満たす電流密度で電流を印加してめっき鋼板を加熱し、所定の圧力でプレス加工成形する。
I≦(23−t)/0.0718 ・・・ (1)
なお、誘導加熱方式を用いてめっき鋼板を加熱する場合、めっき鋼板の表と裏とでは逆方向に電流が流れるため、めっき鋼板の断面に大きな電流密度分布が生じる。本発明において、誘導加熱方式を用いた場合の上記式(1)中における電流密度Iとは、加熱されるめっき鋼板の全断面の平均電流密度を意味する。
また、ホットプレス成型を行うための昇温中における昇温速度は、電流密度によって決定され、5℃/s〜400℃/sの範囲とすることが好ましく、10℃/s〜100℃/sの範囲とすることがより好ましい。
さらに、本実施形態のホットプレス成型方法において、例えば、めっき層の厚み寸法を十分に小さくした場合には、生産性を向上させるために電流密度を大きくして高速加熱を行っても、めっき層の寄りを十分に防止できる。よって、ホットプレス成型する前の昇温時間を短時間とすることができ、ホットプレス成型する工程における加熱時間を短時間とすることができ、優れた生産性が得られる。
質量%で、C:0.22%、Si:0.20%、Mn:1.20%、P:0.015%、S:0.003%、Al:0.03%、N:0.004%、Ti:0.02%、B:0.0025%、Cr:0.22%の成分を含み、残部がFeと不可避的不純物で構成されている表1に示す板厚1.0〜1.4mm、板幅80mmまたは150mm、板長さ280mmまたは400mmの実験例1〜実験例13の鋼板を用意した。そして、実験例1〜実験例13の鋼板を所定のめっき浴に浸漬して、表面にSiを10質量%含むAlからなるめっき層を形成し、実験例1〜実験例13のめっき鋼板を得た。表1に、実験例1〜実験例13のめっき鋼板のめっき付着量およびめっき層の厚みを示す。
このようにして得られた実験例1〜実験例13の成型品について、めっき層の寄りの有無を調べた。なお、めっき層の寄りは、寄りによって生じた凸部の高さが0.02mm以下である場合を「寄りなし」とし、0.02mmを超える場合を「寄りあり」とした。その結果を表1に示す。
I≦(23−t)/0.0718 ・・・ (1)
I=(23−t)/0.0718 ・・・ (2)
以上のことから、めっき層の寄りを防止し、生産性を向上させるためには、電流密度が上記式(1)を満たすことが必要であると考えられる。
実験例1と同様の鋼板を9枚用意し、所定のめっき浴に浸漬して、それぞれの表面に8μm〜24μmの範囲で2μmずつ厚みを異ならせたSiを10質量%含むAlからなるめっき層を形成し、9枚のめっき鋼板を得た。その後、このようにして得られた9枚のめっき鋼板に対し、下記式(2)(ただし、式(2)中におけるtはめっき層の厚み寸法(μm)を示し、Iは電流密度(A/mm2)を示す。)を満たす電流密度で直接電流を印加して、通電加熱方式により950℃に加熱して、所定の圧力でホットプレス成型し、成型品とした。
I=(23−t)/0.0718 ・・・ (2)
実施例と同様の9枚のめっき鋼板を用意し、通電加熱方式により、めっきに使用した金属(Siを10質量%含むAl)の融点(600℃)より200℃低い所定温度から金属の融点直下までの温度領域で、めっき層の厚みをμmで示したときの数値を秒で示してなる時間分加熱し、実施例と同様の圧力でホットプレス成型し、成型品とした。
また、実施例において得られた成型品それぞれについて、めっき鋼板に印加した電流密度を用いて、ホットプレス成型を行う温度になるまで(300℃〜900℃になるまで)の昇温時間(加熱時間)を算出し、めっき層の厚みとの関係を調べた。その結果を図2に示す。
また、図2に、比較例におけるめっきに使用した金属の融点より200℃低い所定温度から金属の融点直下までの温度領域での加熱時間とめっき層の厚みとの関係を示した。
図2に示すように、本発明のホットプレス成型方法を用いた実施例では、めっきに使用した金属の融点より200℃低い所定温度から金属の融点直下までの温度領域で、めっきした鋼板を5秒以上加熱した比較例と比較して、めっき層の厚み寸法が22μm以下である場合における昇温時間が非常に短く、生産性に優れていることが確認できた。
Claims (4)
- 3〜15質量%のSiを含み、残部がAlと不可避的不純物とからなるめっき層が表面に形成されためっき鋼板をホットプレス成型するためのホットプレス成型方法であって、
通電加熱方式または誘導加熱方式により、前記めっき鋼板に下記式(1)(ただし、式(1)中におけるtはめっき層の厚み寸法(μm)を示し、Iは電流密度(A/mm2)を示す。)を満たす電流密度で電流を印加して、前記めっき鋼板をオーステナイト領域以上の温度まで加熱し、プレス加工成形することを特徴とするホットプレス成型方法。
I≦(23−t)/0.0718 ・・・ (1) - 前記めっき層の厚みが、22μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のホットプレス成型方法。
- 請求項1または請求項2に記載のホットプレス成型方法により製造されたことを特徴とする成型品。
- 請求項1または請求項2に記載のホットプレス成型方法により製造されたことを特徴とする自動車用部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008239062A JP4837712B2 (ja) | 2008-09-18 | 2008-09-18 | ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008239062A JP4837712B2 (ja) | 2008-09-18 | 2008-09-18 | ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010070800A JP2010070800A (ja) | 2010-04-02 |
JP4837712B2 true JP4837712B2 (ja) | 2011-12-14 |
Family
ID=42202862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008239062A Active JP4837712B2 (ja) | 2008-09-18 | 2008-09-18 | ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4837712B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011204021A (ja) | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Alps Electric Co Ltd | 多機能回転入力装置 |
JP5639864B2 (ja) * | 2010-11-30 | 2014-12-10 | 株式会社アステア | 直接通電加熱方法 |
JP5669610B2 (ja) * | 2011-02-15 | 2015-02-12 | 株式会社アステア | 直接通電加熱方法 |
JP5712752B2 (ja) * | 2011-04-11 | 2015-05-07 | 新日鐵住金株式会社 | ホットスタンプ用めっき金属板の通電加熱法及び通電加熱装置、及び、表面性状に優れたホットスタンプ成形品 |
JP6274018B2 (ja) * | 2014-06-02 | 2018-02-07 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度鋼部品及びその製造方法 |
JP6424537B2 (ja) * | 2014-09-19 | 2018-11-21 | 新日鐵住金株式会社 | ホットスタンプ用めっき金属板の通電加熱装置 |
WO2017006144A1 (en) | 2015-07-09 | 2017-01-12 | Arcelormittal | Steel for press hardening and press hardened part manufactured from such steel |
CA3082980A1 (en) | 2017-12-05 | 2019-06-13 | Nippon Steel Corporation | Aluminum-based plated steel sheet, method of manufacturing aluminum-based plated steel sheet, and method of manufacturing component for vehicle |
CN111434404B (zh) * | 2019-05-27 | 2022-03-25 | 苏州普热斯勒先进成型技术有限公司 | 一种耐腐蚀热冲压件的制造方法及装置 |
KR20230151097A (ko) * | 2021-03-02 | 2023-10-31 | 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 | 성형시스템 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6048570B2 (ja) * | 1978-12-25 | 1985-10-28 | 日新製鋼株式会社 | 連続溶融アルミニウムメツキ鋼板の連続過時効処理法 |
JPH0327900A (ja) * | 1989-06-23 | 1991-02-06 | Hitachi Ltd | 通電加熱成形法 |
FR2780984B1 (fr) * | 1998-07-09 | 2001-06-22 | Lorraine Laminage | Tole d'acier laminee a chaud et a froid revetue et comportant une tres haute resistance apres traitement thermique |
JP4884606B2 (ja) * | 2001-07-11 | 2012-02-29 | 新日本製鐵株式会社 | 加熱成形用鋼板の加熱方法 |
JP4446428B2 (ja) * | 2003-02-17 | 2010-04-07 | 新日本製鐵株式会社 | 塗装後耐食性に優れた高強度自動車部品 |
JP4815997B2 (ja) * | 2005-10-26 | 2011-11-16 | 日産自動車株式会社 | プレス成形方法およびプレス成形装置 |
JP4860542B2 (ja) * | 2006-04-25 | 2012-01-25 | 新日本製鐵株式会社 | 高強度自動車部品およびその熱間プレス方法 |
JP5005254B2 (ja) * | 2006-05-15 | 2012-08-22 | 新日本製鐵株式会社 | 昇温特性、加工性、および塗装後耐食性に優れたホットプレス用Alめっき鋼材 |
CA2721266C (en) * | 2008-04-22 | 2015-05-26 | Nippon Steel Corporation | Plated steel sheet and method of hot-stamping plated steel sheet |
KR101259258B1 (ko) * | 2008-07-11 | 2013-04-29 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 급속 가열 핫프레스용 알루미늄 도금 강판, 그 제조 방법 및 이것을 사용한 급속 가열 핫프레스 방법 |
-
2008
- 2008-09-18 JP JP2008239062A patent/JP4837712B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010070800A (ja) | 2010-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4837712B2 (ja) | ホットプレス成型方法、成型品および自動車用部品 | |
EP3239336B1 (en) | Hot press formed parts having excellent powdering resistance during hot press forming, and method for manufacturing same | |
JP5476676B2 (ja) | ホットプレス部材及びその製造方法 | |
JP6048525B2 (ja) | 熱間プレス成形品 | |
JP5444650B2 (ja) | ホットプレス用めっき鋼板及びその製造方法 | |
JPWO2018221738A1 (ja) | ホットスタンプ部材 | |
JP5573195B2 (ja) | 昇温特性に優れた熱間プレス用Alめっき鋼板及びその製造方法 | |
JP5692148B2 (ja) | 熱間プレス用Al系めっき鋼板及びその熱間プレス方法 | |
JP2011137210A (ja) | ホットスタンプ用鋼板及びその製造方法 | |
JP6269079B2 (ja) | ホットスタンプ用鋼板およびその製造方法 | |
KR20160095078A (ko) | 자동차 부품 및 자동차 부품의 제조 방법 | |
WO2009131233A1 (ja) | めっき鋼板及びめっき鋼板の熱間プレス方法 | |
KR20150127725A (ko) | 열간 프레스용 도금 강판, 도금 강판의 열간 프레스 방법 및 자동차 부품 | |
JP2010535636A (ja) | 熱機械的成形に適したテーラードブランクを製造するための被覆鋼ストリップの製造方法、それにより製造されたストリップ、及びそのような被覆ストリップの使用 | |
CN111247266B (zh) | 淬火用Al镀覆焊接管、Al镀覆中空构件及其制造方法 | |
JP2004270029A (ja) | 耐亜鉛揮発性に優れた亜鉛系めっき鋼板 | |
JP5764908B2 (ja) | 温間プレス成形方法 | |
CN113166914B (zh) | 耐蚀性和焊接性优异的用于热压的铝-铁系镀覆钢板及其制造方法 | |
JP4884606B2 (ja) | 加熱成形用鋼板の加熱方法 | |
JP7006256B2 (ja) | ホットスタンプ用溶融亜鉛めっき鋼板及びホットスタンプ用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP6274018B2 (ja) | 高強度鋼部品及びその製造方法 | |
JP4564207B2 (ja) | 800℃以上に加熱しプレス加工する高温プレス用の溶融アルミめっき鋼板 | |
JP2012062500A (ja) | 被覆熱処理鋼材およびその製造方法 | |
JP2011046993A (ja) | 被覆熱処理鋼材およびその製造方法 | |
JP5594559B2 (ja) | 高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110829 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110906 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110928 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4837712 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |