JP4837600B2 - 電磁誘導型通気性発熱体及び高温過熱蒸気生成システム - Google Patents

電磁誘導型通気性発熱体及び高温過熱蒸気生成システム Download PDF

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Description

本発明は、電磁誘導型発熱体形成用材料、電磁誘導型通気性発熱体及び高温過熱蒸気生成システムに関し、更に詳しくは、水蒸気等の気体に対して耐食性に優れた電磁誘導型発熱体とすることができる電磁誘導型発熱体形成用材料、該材料からなり、水蒸気等の気体等の加熱に好適であり、また、高温過熱蒸気生成システムの構成部材として好適な電磁誘導型通気性発熱体、並びに、該材料からなる部材及び/又は該電磁誘導型通気性発熱体を備える高温過熱蒸気生成システムに関する。
過熱蒸気生成システムは、大型のセラミックス成形体の乾燥、粉体処理、金型の表面改質、水素製造装置、食品加工(加熱、乾燥、解凍、焼き、蒸し、殺菌、滅菌、脱臭等)等の分野に広く展開されている。例えば、食品加工の分野においては、過熱水蒸気が急速に普及しており、そのための過熱水蒸気生成装置としては、電磁誘導によって発熱させるための、鉄、ニッケル、チタン等の金属、ステンレス鋼及びカーボンセラミック等の材料からなる発熱体と、この発熱体を収容する収容体(炉体)と、この収容体の外側に配された励磁コイルとを備えるものが知られている(特許文献1、2等参照)。この過熱水蒸気生成装置においては、励磁コイルから発生させた磁界変化により発熱体を発熱させ、収容体に導入した水蒸気をこの発熱体に接触させ、過熱水蒸気を生成させている。
特開2004−233040号公報 特開2006−64358号公報
上記の金属、カーボンセラミック等からなる部材を発熱体として用い、これを誘導加熱させた場合、発熱温度を500℃以上とすると、該材料自体が酸化し、過熱水蒸気等を安定して生成させることが困難になるため、発熱体の最高温度を、400℃程度に設定せざるを得なかった。
本発明の目的は、電磁誘導により、物品、気体等の熱処理等のために、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱体の形成が容易な電磁誘導型発熱体形成用材料、特に、上記温度における加熱により、水蒸気、水蒸気を含む混合気体等の気体を、安定して過熱蒸気とすることができる電磁誘導型発熱体の形成が容易な電磁誘導型発熱体形成用材料;電磁誘導により、所望の温度に発熱させることができ、その発熱によって、物品、気体等の熱処理等を効率よく進めることができる電磁誘導型通気性発熱体、特に、水蒸気、水蒸気を含む混合気体等の気体を、容易に且つ効率的に過熱蒸気とすることができ、高温過熱蒸気生成システムの構成部材として好適な電磁誘導型通気性発熱体;並びに、上記電磁誘導型発熱体形成用材料からなる部材及び/又は該電磁誘導型通気性発熱体を備える高温過熱蒸気生成システムを提供することにある。
本発明者らは、ランタン系ペロブスカイト型酸化物を含む材料を用いることで、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱体の形成が容易であり、また、上記温度における加熱により、水蒸気、水蒸気を含む混合気体等の気体を、安定して過熱蒸気とすることができる電磁誘導型発熱体の形成が容易であり、特に、水蒸気を更に加熱して過熱水蒸気とした場合に耐食性に優れた電磁誘導型発熱体を与える電磁誘導型発熱体形成用材料からなり、高温過熱蒸気生成システムの構成部材として好適な電磁誘導型通気性発熱体;並びに、該材料からなる部材及び/又は該電磁誘導型通気性発熱体を備える高温過熱蒸気生成システムが得られたことを見出した。
本発明は、以下に示される。
下記一般式(I)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、下記一般式(II)で表される酸化物を含み、且つ、貫通孔を備えることを特徴とする電磁誘導型通気性発熱体。
La 1−x BO 3−y (I)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
La1−xBO3−y (II)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
下記一般式(I)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、下記一般式(III)で表される酸化物を含み、且つ、上下方向に通気可能な構造を備える発熱体と、該発熱体を収容し、且つ、略筒状である収容体と、該収容体の一方の開口部に連通された気体供給装置と、上記収容体の外側にあって、少なくとも上記発熱体を包囲するように配設された励磁コイルと、を備えることを特徴とする高温過熱蒸気生成システム。
La 1−x BO 3−y (I)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
La1−xBO3−y (III)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
.上記発熱体が、上記1に記載の電磁誘導型通気性発熱体である上記2に記載の高温過熱蒸気生成システム。
.上記発熱体が、下記一般式(I)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物を含む部材の積層物である上記2に記載の高温過熱蒸気生成システム。
La 1−x BO 3−y (I)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
.上記収容体の内壁面の構成材料が、AlTiOを含む上記2乃至のいずれかに記載の高温過熱蒸気生成システム。
本発明の電磁誘導型発熱体によれば、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる。また、上記温度における加熱により、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体を、安定して過熱蒸気とすることができ、特に、水蒸気を更に加熱して過熱水蒸気とした場合に耐食性に優れた電磁誘導型発熱体を得ることができる。この電磁誘導型発熱体は、気体の加熱に際しては、通常、接触処理されるが、固体の熱処理に際しては、接触処理及び非接触処理の両方を採用することができる。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体によれば、電磁誘導により、所望の温度に発熱させることができ、その発熱によって、物品、気体等の熱処理等を効率よく進めることができる。特に、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体を、分解、変質させることなく、容易に且つ効率的に過熱蒸気とすることができる。また、過熱蒸気とした場合に、該発熱体自身も分解、変質することがないので、長期使用及び繰り返し使用が可能である。
本発明の高温過熱蒸気生成システムによれば、収容体内に導入された、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体を、電磁誘導により所望の温度に発熱させた発熱体によって更に加熱して、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高い温度の過熱蒸気を、容易に且つ安定して生成及び供給することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
1.電磁誘導型発熱体形成用材料
本発明の電磁誘導型発熱体形成いる材料は、電磁誘導により発熱する発熱体の形成用材料であって、下記一般式(1)で表される酸化物(以下、「特定酸化物」ともいう。)を含む。
La1−xBO3−y (1)
〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
上記一般式(1)で表される酸化物(特定酸化物)において、元素Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種であり、これらのうちの1種のみであってよいし、2種以上の組合せであってもよい。本発明においては、上記元素Aは、Srを含むことが好ましく、この場合の酸化物は、下記一般式(2)及び(3)で表すことができる。
La1−xSrBO3−y (2)
La1−xSrxz x−xzBO3−y (3)
〔但し、Aは、Mg、Ca及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、0≦y≦0.1、且つ、0.5≦z<1である。〕
上記一般式(2)及び(3)で表される酸化物は、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
また、上記一般式(1)、(2)及び(3)で表される酸化物において、元素Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種であり、これらのうちの1種のみであってよいし、2種以上の組合せであってもよい。本発明においては、上記元素Bは、Mnを含むことが好ましい。
上記一般式(1)、(2)及び(3)で表される酸化物において、500℃以上に発熱させたときの安定性の観点から、0<x≦0.5である。また、被熱処理物(物品、気体等)の種類によらず、長期及び繰り返し使用可能等の観点から、好ましくは0<x≦0.4、より好ましくは0.1≦x≦0.3である。
本発明においては、上記特定酸化物は、上記一般式(1)において、元素AがSrである化合物、即ち、上記一般式(2)で表される化合物であって、元素BがMnであり、且つ、0.1≦x≦0.3である化合物であることが好ましい。上記電磁誘導型発熱体形成用材料が、この酸化物を含むことにより、電磁誘導型発熱体とした場合に、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させやすく、この温度において過熱水蒸気を生成させる際の耐食性に特に優れる。
上記酸化物の製造方法は、特に限定されず、La、Mg、Ca、Sr、Ba、Cr、Co又はMnを含む酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、金属アルコキシド等、通常のセラミックス製造に用いられる化合物を、固体状態で、あるいは、水及び/又は有機溶媒に溶解若しくは分散させたものを原料成分として使用することができる。固体の原料成分を用いる場合には、高温安定性、経時安定性等の観点から、各化合物の純度は、99.5質量%以上であることが好ましい。また、粒度は、特に限定されないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
上記電磁誘導型発熱体形成用材料は、上記特定酸化物を含むものであるが、後述するような、この酸化物の製造に際して生成した不可避的不純物及び下記一般式(4)で表される酸化物を含有してもよい。
LaBO3−y (4)
〔式中、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、且つ、0≦y≦0.1である。〕
上記の各成分の合計を100質量%とした場合、上記特定酸化物の含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは95〜100質量%である。この特定酸化物の含有割合が高いほど、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高い発熱温度に対する安定性に優れる。
尚、上記電磁誘導型発熱体形成用材料は、更に、アクリル系重合体、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、デンプン、ワックス等の成形用バインダー等を含有してもよい。この成形用バインダーの含有量の上限値は、上記特定酸化物を100質量部とした場合に、通常、20質量部である。
上記特定酸化物の製造に際しては、まず、各原料成分を所定の割合に配合し、必要に応じてバインダー等を配合し、乾式混合又は湿式混合により混合、分散させ、乾式混合の場合には粉末混合物を、湿式混合の場合にはスラリーを調製した後、乾燥し、粉末混合物を得る。
湿式混合を適用し、媒体として水を用いる場合には、製造しようとする酸化物の電子伝導性及び耐熱性を維持するために、塩基性成分の混入が抑制されたイオン交換水、蒸留水等を用いることが好ましい。また、必要に応じて、公知の分散剤を適量添加してもよい。湿式混合の場合は、得られたスラリーをスプレードライヤー等により乾燥させるが、このときの乾燥温度は、使用した媒体の沸点によって、適宜、設定すればよく、混合、分散させた各原料粉末が分離しないように、できるだけ短時間で乾燥させることが好ましい。
次いで、得られた粉末混合物に対して熱処理を行うことにより、上記酸化物を製造することができる。熱処理条件としては、温度は、好ましくは1200℃〜1600℃の範囲、より好ましくは1400℃〜1600℃の範囲であり、雰囲気は、大気等の酸素含有雰囲気が好ましい。尚、熱処理時間は、粉末混合物の量等によって、適宜、選択される。
上記のようにして得られた熱処理物の構成成分の大半は、上記特定酸化物であるが、バインダー由来成分、分散剤由来成分、副生成物等の不可避的不純物を含むことがある。
上記熱処理物は、そのまま、あるいは、必要に応じて、粉砕する等により、電磁誘導型発熱体形成用材料として用いることができる。従って、上記電磁誘導型発熱体形成用材料は、塊状体、粉体等の態様とすることができる。
上記電磁誘導型発熱体形成用材料によれば、電磁誘導型発熱体を容易に作製することができる。
例えば、粉末状の電磁誘導型発熱体形成用材料(成形用バインダー、焼結助剤等を含んでもよい)を、金型プレス、CIP等のプレス成形等に供して所定形状の成形体とし、これを、大気等の酸素含有雰囲気、又は、真空雰囲気にて、通常、1200℃〜1600℃の温度で熱処理することにより、電磁誘導型発熱体を得ることができる。上記範囲の温度で熱処理することで、十分な焼結性が得られる。
尚、上記電磁誘導型発熱体は、以下の方法により作製することもできる。即ち、上記特定酸化物の製造用の各原料成分を所定の割合に配合し、必要に応じてバインダー等を配合し、湿式混合によりスラリーを調製した後、押出成形又は鋳込成形により熱処理前成形体を形成し、上記と同じ条件で熱処理する方法である。
上記のようにして得られた電磁誘導型発熱体の構成成分は、上記特定酸化物を主とするが、バインダー由来成分、分散剤由来成分、副生成物等の不可避的不純物を含むことがある。
上記電磁誘導型発熱体によれば、電磁誘導により、900℃程度の高い温度にまで、自身が分解、変質、脱ガス、変形粒成長等することなく発熱させることができる。
被熱処理物に対する電磁誘導型発熱体の使用方法としては、気体を加熱する場合には、通常、電磁誘導型発熱体により加熱された雰囲気に通気されるが、固体を熱処理する場合には、接触処理及び非接触処理の両方を採用することができる。
上記電磁誘導型発熱体形成用材料は、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体、並びに、これらを更に加熱してなる過熱蒸気に対する安定性に優れる。また、該材料を用いて得られた電磁誘導型発熱体も、上記の気体及び過熱蒸気に対する安定性に優れ、特に、電磁誘導により500℃以上に発熱させた電磁誘導型発熱体は、過熱水蒸気等の過熱蒸気に接触した場合に、耐食性に優れる。更に、過熱蒸気に接触した場合に、該発熱体自身も分解、変質することがないので、長期使用及び繰り返し使用が可能である。上記安定性は、例えば、X線回折等により確認することができ、X線回折の場合、得られるパターン形状の変化が無い又は小さいことから明らかである。
2.電磁誘導型通気性発熱体
本発明の電磁誘導型通気性発熱体は、上記電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、上記特定酸化物を含み、且つ、貫通孔を備えることを特徴とする。上記特定酸化物は、好ましくは、上記一般式(2)及び(3)で表される酸化物であり、これらは、単独で含まれてよいし、組み合わせて含まれてもよい。上記一般式(2)で表される酸化物は、元素BがMnであり、且つ、0.1≦x≦0.3である化合物であることが好ましい。尚、本発明の電磁誘導型通気性発熱体は、上記特定酸化物のみからなるものであってよいし、上記特定酸化物と、上記一般式(4)で表される酸化物とからなるものであってもよい。
上記貫通孔は、一面から他面に通気するものであれば、その断面形状、孔径、長さ、数、向き等は特に限定されない。断面形状は、円形、楕円形、三角形、四角形等の多角形、星形等とすることができる。孔径について、孔の切断面を得た場合の最短長さは、通常、100μm以上である。また、この貫通孔は、一面から他面に対して、孔径が一様であってよいし、異なってもよい。更に、この貫通孔は、一面から他面に対して、直線状であってよいし、曲線状であってもよい。また、本発明の電磁誘導型通気性発熱体が、複数の貫通孔を備える場合には、断面形状、孔径、長さ、向き、隣り合う貫通孔の間隔等が一様であってよいし、異なってもよい。
尚、上記貫通孔を取り巻く壁の表面には、比表面積を大きくする等の目的で、凸部、凹部等を備えてもよい。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体の例を、図1及び図2に示すが、これらに限定されない。
図1の電磁誘導型通気性発熱体11aは、断面形状が円形であり且つ上下方向に通気可能な貫通孔115を複数有し、これらが等間隔に配列した構造を有する発熱体の例である。尚、図1の電磁誘導型通気性発熱体11aの側面(図1の手前側)には、通気をより効率よくする等のために、上下方向に半円形の断面形状を有する切り欠きが設けられている。図1に類するものとして、1以上の螺旋状連通孔を備える電磁誘導型通気性発熱体とすることもできる。
また、図2の電磁誘導型通気性発熱体11aは、すべての開口形状が同じ大きさの四角形である貫通孔115を複数有し、縦方向及び横方向に通気可能な立体メッシュ(3次元正方格子)構造を有する発熱体の例である。図2に類するものとして、3次元六方格子構造を有する電磁誘導型通気性発熱体とすることもできる。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体は、上記電磁誘導型発熱体の場合と同様にして製造することができるが、図1に示す電磁誘導型通気性発熱体11aを製造する方法について、以下に説明する。
まず、特定酸化物と、成形用バインダーと、水及び/又は有機溶媒とからなる混合物を調製する(各成分は、いずれも上記説明が適用される。)。その後、得られた混合物を、貫通孔の断面形状(円形)に対応した型を有するダイスに通過させて、押出成形体(くり抜き体)を作製する。次いで、この押出成形体を、必要に応じて、乾燥させた後、大気等の酸素含有雰囲気、又は、真空雰囲気にて、通常、1200℃〜1600℃の温度で熱処理することにより、図1に示す電磁誘導型通気性発熱体11aを得ることができる。
尚、上記のように、貫通孔を取り巻く壁の表面に、例えば、凹部を形成する場合には、上記混合物に、セルロース、カーボン等の造孔剤を配合しておいてもよい。この造孔剤の形状及び大きさは、特に限定されない。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体の他の製造方法としては、上記特定酸化物を出発原料として用い、焼結体密度を制御して貫通孔を形成する方法、セラミックファイバーを出発原料として用い、貫通孔を形成する方法等がある。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体は、例えば、断熱性を有する容器、管等の内部に配設し、電磁誘導により発熱させながら、あるいは、発熱させた後、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体を、貫通孔を取り巻く内壁等により接触させて加熱し、過熱蒸気とするのに好適である。
3.高温過熱蒸気生成システム
本発明の高温過熱蒸気生成システム1は、上記電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、上記特定酸化物を含み、且つ、上下方向に通気可能な構造を備える発熱体11(以下、「発熱構造体」ともいう。)と、この発熱体(発熱構造体)11を収容し、且つ、略筒状である収容体12と、この収容体12の一方の開口部(気体導入口)19aに連通された気体供給装置(図示せず)と、上記収容体12の外側にあって、少なくとも上記発熱体(発熱構造体)11を包囲するように配設された励磁コイル14と、を備えることを特徴とする(図6参照)。
3−1.収容体
この収容体12は、略筒状であり、通常、円形、楕円形、多角形等の断面形状を有する筒状体が用いられる。この収容体12は、単層型筒状体であってよいし、同一の又は異なる材料からなる複層型筒状体であってもよい。尚、目的、用途等に応じて、ふくれ、くびれ、曲がり等の部分、内壁面に凹部、凸部、溝部等を有してもよい。
上記収容体12の構成材料は、電磁誘導により発熱せず、且つ、耐火性を有するものであれば、特に限定されないが、上記収容体12の内壁面の構成材料が、AlTiO(チタン酸アルミニウム、五酸化チタン二アルミニウム)を含むことが好ましい。このAlTiOの含有割合は、好ましくは70体積%以上、より好ましくは80体積%以上、更に好ましくは90体積%以上である。このAlTiOを含むことにより、900℃程度までの高い温度に対して安定であることから耐熱性に優れ、更に、断熱性、耐衝撃性、耐水蒸気性等にも優れた収容体とすることができる。尚、上記AlTiOと併用可能な材料としては、コージェライト、アルミナ、ジルコニア、石英ガラス等が挙げられる。
本発明においては、この収容体12全体がAlTiOのみからなる単層型筒状体又は複層型筒状体であることが特に好ましい。
3−2.発熱構造体
この発熱構造体11は、上記電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、上記特定酸化物を含み、且つ、上下方向に通気可能な構造を備えるものであれば、特に限定されない。上記発熱構造体11は、上記特定酸化物を含む一体物であってよいし、上記特定酸化物を含む、棒体、線材、板材、ハニカム材、網体、球体、不定形状体等の部材の1種以上を組み合わせてなる複合物であってもよい。尚、上記発熱構造体11が、複合物である場合には、上記各部材は、中実体でも、中空体でもよいが、同一材料からなるものであることが好ましい。また、この複合物である場合、全体として、各部材が連結した連続体を備えることにより、発熱構造体11の電子伝導性を維持することができ、電磁誘導による発熱を十分なものとすることができる。
上記特定酸化物は、好ましくは、上記一般式(2)及び(3)で表される酸化物であり、これらは、単独で含まれてよいし、組み合わせて含まれてもよい。上記一般式(2)で表される酸化物は、元素BがMnであり、且つ、0.1≦x≦0.3である化合物であることが好ましい。尚、上記発熱構造体11は、上記特定酸化物のみからなるものであってよいし、上記特定酸化物と、上記一般式(4)で表される酸化物とからなるものであってもよい。
上記発熱構造体11が一体物である場合、図1及び図2に示す電磁誘導型通気性発熱体11a等を用いることができる。
また、上記発熱構造体11が複合物である場合、図3〜図5の態様が例示される。
図3の発熱構造体11は、上記電磁誘導型発熱体の場合と同様にして製造した、上記特定酸化物を含む円板111aを5枚準備し、各円板の中心を結んだときに正五角形を形成するように、円板の側面を互いに接触させて配置し、これを上方にずらしながら複数段積層した積層物であり、(a)は斜視図を、(b)は上方から見た図を示す。図3の発熱構造体11は、各段における円板が接触して、見かけ上、円柱体の中心を上下方向にくり抜いたような、略筒状を有しているので、そのくり抜かれている部分が気体の流路となる。円板を用いずに、多角形状、楕円形状等の板を用い、適宜、所定間隔を設けながら積層した発熱構造体とすることもできる。
図4の発熱構造体11は、棒体(角柱等の柱状体)111bを交互に半周期ずらしながら交互積層してなるウッドパイル型構造を示す斜視図である。各棒体の配置方法によっては、上方から見たときの通気経路(流路)が直線状である場合、波線状である場合等がある。
図5の発熱構造体11は、球体111cを面方向に最密充填し、各球体の中心を結んだときに正三角形を形成するように配置及び積層した、逆オパール構造を示す斜視図である。最密充填せずに、球体を、各球体の中心を結んだときに正方形を形成するように真上に積み上げてなるオパール構造の発熱構造体とすることもできる。また、球体を用いずに、立方体、直方体等の多面体、楕円球等を積み上げてなる発熱構造体、球体、立方体等の表面から棒体、線体等が放射状に突き出してなる発熱構造体等とすることもできる。
尚、上記複合体の形成に用いる部材は、形状及び大きさがいずれも同じものを用いる必要はなく、互いに同一形状であって大きさが異なる部材の組合せ、異なる形状どうしの組合せ等とすることができる。
図3〜図5により示される複合体は、いずれも隣り合う部材が面接触、線接触又は点接触することにより連結した連続体を構成し、乱れのない一定構造を備える発熱構造体11であることから、誘導加熱による発熱を誘起しやすく、この発熱構造体11から均一な輻射熱を与えることができ、導入される気体に対する効率的な加熱を進めることができる。
本発明の高温過熱蒸気生成システムにおいて、上記発熱構造体11は、上記収容体12の内部空間の、好ましくは、発熱構造体11の表面から収容体12の内壁までの距離がほぼ一定となるような位置に配設される。尚、上記発熱構造体11の外径、及び、上記収容体12の内径、の長さの関係は、導入される気体の加熱効率の観点から、好ましくは、前者<後者である。
3−3.気体供給装置
この気体供給装置は、上記収容体12の内部に、水蒸気、水蒸気を含む混合気体(水蒸気及び空気からなる混合気体等)等の気体を供給するために、上記収容体12の一方の開口部(気体導入口)19aに連通された装置である。
本発明においては、過熱水蒸気、又は、水蒸気を含む混合気体の過熱蒸気を生成させる場合、この気体供給装置が、水蒸気供給装置又は混合気体供給装置であることが好ましい。混合気体供給装置は、各気体を独立して供給するものであってよいし、予め、特定の気体又は全ての気体を混合してなる混合ガスを供給するものであってもよい。
上記気体供給装置は、気体製造手段等を備えてもよい。上記気体が水蒸気である場合には、イオン交換水、蒸留水、超純水等を気化させる装置である、公知のボイラー等を用いることができる。気化は、減圧下、常圧下及び加圧下のいずれで行ってもよい。
3−4.励磁コイル
この励磁コイル14は、上記収容体12の外側にあって、少なくとも上記発熱構造体11を包囲するように配設されており、通常、円状又は螺旋状に巻回されている。また、このコイル14は、高周波交流電源(図示せず)に接続され、この電源からの電力供給により磁力線を発し、上記発熱構造体11の発熱を誘起する。
上記励磁コイル14の周辺部には、発熱構造体11の発熱時に、収容体12からの輻射熱の影響を抑制するために、コイル14を冷却するための冷却手段を備えてもよい。
3−5.他の要素
本発明の高温過熱蒸気生成システムは、更に、過熱蒸気を排出するための過熱蒸気排出装置(図示せず)を備えることができる。この装置は、通常、上記収容体12の他方の開口部(過熱蒸気排出口)19bに連通される。
尚、図6に示す高温過熱蒸気生成システム1は、気密性を向上させるための部材等を含む概略図としている。
本発明の高温過熱蒸気生成システムは、上記の発熱構造体11、収容体12、気体供給装置及び励磁コイル14と、高周波交流電源、過熱蒸気排出装置等の要素が一体となったものであってよいし、高周波交流電源、過熱蒸気排出装置等の要素が一体化されたものであってよいし、それぞれ単独の装置あるいは2つ以上を組み合わせ別体として備えられていてもよい。
4.過熱蒸気製造方法
本発明の高温過熱蒸気生成システムを用いて、高周波交流電源により励磁コイル14に所定の電力を供給し、収容体12内の発熱構造体11を発熱させると同時に、又は、発熱させた後、水蒸気、水蒸気を含む混合気体等の気体を供給し、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度の過熱蒸気を容易に製造することができる。
以下、図6の高温過熱蒸気生成システムを用い、飽和水蒸気から過熱水蒸気を製造する方法について説明する。
飽和水蒸気は、収容体12の下方側の開口部(気体導入口)19aを通して、一定速度又は一定圧で、気体供給装置(図示せず)から、発熱構造体11が収容されている収容体12に導入される。一方、発熱構造体11は、予め、励磁コイル14により誘導加熱され発熱しており、導入された飽和水蒸気が発熱構造体11に接触し、又は、収容体12内の加熱空間を通気することにより、過熱水蒸気が製造される。その後、この過熱水蒸気は、過熱蒸気排出口19bから排出される。
尚、上記励磁コイル14による誘導過熱条件としては、発信周波数を、20kHz〜100kHzの範囲から選択して電力を供給することが好ましい。この範囲であれば、発熱構造体11による、所望の温度(温度範囲600℃〜900℃)への発熱を効率的に進めることができる。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記において、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
1.電磁誘導型発熱体形成用材料
参考例1
La粉末、SrO粉末及びMnO粉末を、所定の割合で湿式混合後、1400℃における固相反応により、La0.8Sr0.2MnO粉末を合成した。このLa0.8Sr0.2MnO粉末を電磁誘導型発熱体形成用材料として用い、プレス圧100kg/cmでプレス成形、プレス圧2.5t/cmでCIP成形、及び、温度1500℃で大気焼成を順次、行うことにより、円板形状(直径20mm及び厚さ5mm)のLa0.8Sr0.2MnO焼結体を得た。
上記La0.8Sr0.2MnO焼結体について、900℃の過熱水蒸気に対する耐食性を評価するため、表1に示すように、水蒸気の分圧を変化させた雰囲気に曝露し、電子天秤(型式「ME215S」、ザルトリウス社製)により質量変化を測定し、材料安定性を評価した。その結果を図7に示す。
Figure 0004837600
図7から明らかなように、上記La0.8Sr0.2MnO焼結体を、表1に示すいずれの雰囲気中に1500時間連続して曝露しても、大きな質量変化が認められなかった。また、曝露後、X線回折測定を行ったところ、回折パターンに変化はなく、結晶構造的にも安定であることが分かった。
2.高温過熱蒸気生成システム
実施例
参考例1で得られたLa0.8Sr0.2MnO粉末を用い、参考例1と同条件で金型成形、CIP成形及び大気焼成することにより、円板形状(直径25mm及び厚さ4mm)の焼結体111aを得た。
その後、この焼結体を5個単位で用い、各側面を密着させて各中心を結んだときに正五角形を形成するように配置してこれを1段とし、図3に示すように、縦方向に36度ずつずらして50段積層し、上下方向に通気可能な構造を備える発熱体(発熱構造体)11を得た。
次いで、上記発熱体(発熱構造体)11を、チタン酸アルミニウム(AlTiO)からなる円筒状の収容体12(内径69mm)の中央部に、その内壁に接触しないように、支持台171上に設置した。また、この収容体12の外側であって、発熱体(発熱構造体)11を包囲するように且つ上記収容体12の外壁に接触しないように、螺旋状の励磁コイル14を配設した。そして、以下に説明する他の要素を配設し、図6に示すような高温過熱蒸気生成システム1を作製した。
図6の高温過熱蒸気生成システム1において、収容体12を励磁コイル14に対して所定位置に固定し保持するために、非磁性材料(例えば、ステンレス製)からなるブラケット151及び152並びに非磁性ステンレス製のボルト155及びナット156が用いられている。
上記収容体12の下方側には、一方のブラケット151に保持される側に、水蒸気等の気体を供給するための気体供給装置(図示せず)から連通させ接続された気体導入口19aを有している。一方、この収容体12の上方側には、他方のブラケット152に保持される側に、過熱蒸気排出口19bを有している。
また、この収容体12の上下の各端部及び外壁面には、それぞれ、これらと接するように、断熱性材料からなるシール材175及び断熱層13が配設されている。更に、上記シール材175及び断熱層13を介して、上記気体導入口19a近傍に開口部材18aが、過熱蒸気排出口19b近傍に開口部材18bが、それぞれ配設されている。各開口部材18a及び18bは、それぞれ、気体導入口19a及び過熱蒸気排出口19bを形成する各外側に突出される管状部を有するとともに、断熱層13の両端を遮断するための蓋部181a及び181bを備えている。
上記励磁コイル14は、適当なブラケットから連結されて固定されており、この励磁コイル14に適当な周波数の電圧を供給するための高周波交流電源(図示せず)に接続されている。また、励磁コイル14への電圧供給による磁界変化を利用して発熱体(発熱構造体)11を発熱させた際に、収容体12の外壁より発せられる輻射熱から励磁コイル14を保護するために、励磁コイル14の内部に冷却水を供給するための冷却系(図示せず)が備えられている。
上記収容体12は、適当な断熱材178a及び178bを介して配設されたブラケット151及び152並びにボルト155及びナット156により固定されている。また、これらのブラケット151及び152は、それぞれ、開口部材18a及び18bも固定しており、固定した開口部材18a及び18bによって、気体導入口19a及び過熱蒸気排出口19bを形成している。
上記ブラケット151には、ブラケット152、ボルト155及びナット156とともに、上記収容体12の機械的強度を補うとともに導入された気体及び/又は生成された過熱蒸気の気密性を補うために、スプリングコイル等の弾性体172と、台座159とを備えている。この弾性体172を、台座159により圧縮させた状態とし、この台座159及びブラケット152を、ボルト155及びナット156を用いて固定することにより、収容体12において確実な気密性及び機械的強度を確保できるようになっている。
上記収容体12に収容された発熱体(発熱構造体)11は、上記のように、5個の焼結体によって環状としこれを1段ごとにずらしながら積層してなる略円筒体を形成している(図3参照)。従って、気体供給装置から気体導入口19aを介して導入された水蒸気等の気体を、略筒状の上記発熱体(発熱構造体)11の貫通孔内に通し、連続した凹凸面を形成している、発熱体(発熱構造体)11の内壁面との接触効率を高めて、電磁誘導により発熱させた発熱体(発熱構造体)11により過熱蒸気を生成させるようになっている。生成された過熱蒸気は、その後、過熱蒸気排出口19bから、必要に応じて配設される、過熱蒸気排出装置により排出される。
以上の構成を有する高温過熱蒸気生成システム1を用い、以下の要領で過熱水蒸気を生成させた。尚、気体供給装置として、水蒸気製造用ボイラー及び送気ポンプを、配管を介して気体導入口19aと連結した。
まず、高周波交流電源から、励磁コイル14に周波数50kHzの電圧を供給し、電磁誘導により発熱体(発熱構造体)11を900℃に発熱させた。
その後、気体供給装置から飽和水蒸気を10kg/時で供給して、気体導入口19aより導入し、発熱している発熱体(発熱構造体)11の外表面及び内表面に接触させて、700℃過熱水蒸気を生成させ、過熱蒸気排出口19bから10kg/時で排出した。
本発明に係る電磁誘導型発熱体形成材料によれば、所望の形状を有する成形品への加工が容易であることから、目的、用途等に応じた各種形状の電磁誘導型発熱体の形成に好適である。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体によれば、物品、気体等の熱処理等を効率よく進めることができ、特に、気体を加熱し、過熱水蒸気等の過熱蒸気とするのに好適である。
また、本発明の高温過熱蒸気生成システムは、酸化物、窒化物、炭化物等の無機系化合物等からなる粉体、成形品等の熱処理(加熱、乾燥、焼成等)、金型の表面改質、水素製造、調理を含む食品加工(加熱、乾燥、解凍、焼き、蒸し、殺菌、滅菌、脱臭等)、廃棄物処理等の分野に有用である。特に、潜熱の高い過熱水蒸気の、食品加工の分野への適用に好適である。
本発明の電磁誘導型通気性発熱体の一例を示す斜視図である。 本発明の電磁誘導型通気性発熱体の他の例を示す斜視図である。 本発明の高温過熱蒸気生成システムに配設される電磁誘導型発熱体の一例である積層物を示し、(a)は斜視図、(b)は積層物を上方から見た図である。 本発明の高温過熱蒸気生成システムに配設される電磁誘導型発熱体の他の例である積層物を示す斜視図である。 本発明の高温過熱蒸気生成システムに配設される電磁誘導型発熱体の他の例である積層物を示す斜視図である。 本発明の高温過熱蒸気生成システムを示す概略断面図である。 参考例1において評価した材料安定性の試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1;高温過熱蒸気生成システム
11;発熱体(発熱構造体)
11a;電磁誘導型通気性発熱体
111a;電磁誘導型発熱体(円板)
111b;電磁誘導型発熱体(棒体)
111c;電磁誘導型発熱体(球体)
115;貫通孔
12;収容体
13;断熱層
14;励磁コイル
151,152;ブラケット
159;台座
171;支持台
172;弾性体
175;シール材
178a,178b;断熱材
18a;(気体導入口側)開口部材
18b;(過熱蒸気排出口側)開口部材
181a;(気体導入口側)蓋部
181b;(過熱蒸気排出口側)蓋部
19a;気体導入口
19b;過熱蒸気排出口

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、下記一般式(2)で表される酸化物を含み、且つ、貫通孔を備えることを特徴とする電磁誘導型通気性発熱体。
    La 1−x BO 3−y (1)
    〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
    La1−xBO3−y (2)
    〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
  2. 下記一般式(1)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物であって、下記一般式(3)で表される酸化物を含み、且つ、上下方向に通気可能な構造を備える発熱体と、該発熱体を収容し、且つ、略筒状である収容体と、該収容体の一方の開口部に連通された気体供給装置と、上記収容体の外側にあって、少なくとも上記発熱体を包囲するように配設された励磁コイルと、を備えることを特徴とする高温過熱蒸気生成システム。
    La 1−x BO 3−y (1)
    〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
    La1−xBO3−y (3)
    〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
  3. 上記発熱体が、請求項に記載の電磁誘導型通気性発熱体である請求項に記載の高温過熱蒸気生成システム。
  4. 上記発熱体が、下記一般式(1)で表される酸化物を含む電磁誘導型発熱体形成用材料の焼成物を含む部材の積層物である請求項に記載の高温過熱蒸気生成システム。
    La 1−x BO 3−y (1)
    〔式中、Aは、Mg、Ca、Sr及びBaから選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、Cr、Co及びMnから選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<x≦0.5、且つ、0≦y≦0.1である。〕
  5. 上記収容体の内壁面の構成材料が、AlTiOを含む請求項乃至のいずれかに記載の高温過熱蒸気生成システム。
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