JP4837593B2 - 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法 - Google Patents

立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4837593B2
JP4837593B2 JP2007035745A JP2007035745A JP4837593B2 JP 4837593 B2 JP4837593 B2 JP 4837593B2 JP 2007035745 A JP2007035745 A JP 2007035745A JP 2007035745 A JP2007035745 A JP 2007035745A JP 4837593 B2 JP4837593 B2 JP 4837593B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
convex
roll
metal
display portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007035745A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008007202A (ja
Inventor
宣彦 木村
健裕 村岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Aluminum Can Corp filed Critical Showa Aluminum Can Corp
Priority to JP2007035745A priority Critical patent/JP4837593B2/ja
Publication of JP2008007202A publication Critical patent/JP2008007202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4837593B2 publication Critical patent/JP4837593B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

この発明は、主として飲料用のアルミニウム缶などの金属缶、特に缶胴の周壁に商標や内容物表示等の表示部をエンボス加工により凸状にあらわした立体表示部を有する金属缶及び当該表示部を付形するエンボス加工方法に関する。
ビール、清涼飲料などの飲料用缶として、DI缶と称されるような絞り・しごき加工によって成形されたアルミニウム缶、スチール缶などの金属缶が多く用いられている。
これらの金属缶にあっては、外観上の意匠性を向上すると共に、商標とか内容物の種類や特徴等を表示するために、缶胴の外周面に模様や文字、記号等の表示が印刷によって施されるのが通例である。
近年、かかる金属缶について、更なる個性化、差別化をはかり、訴求効果の向上を狙って、印刷による各種表示部の一部、例えば商標の表示部を、印刷表示に位置合わせした態様でエンボス加工により凸状あるいは凹状に付形して立体感を表わすものとした金属缶が出現している。
このようなエンボス加工による凸状あるいは凹状の立体表示部を有する金属缶の一例は、例えば下記特許文献1に見ることができる。
特開2003−340539号公報
このようなエンボス加工による立体表示部をあらわした金属缶の最も一般的な形態は、文字や記号等からなる情報用の表示部を、缶胴の周壁に、その基準外周面から外方に突出する凸状にあらわしたものとしている。
ところが、このような胴周外面に凸状の表示部を形成した金属缶にあっては、製缶工程あるいは製缶後の内容物の充填・封緘工程等での缶の移送時に、上記凸状表示部が隣接する他の金属缶との間で干渉し合い、これが原因となって缶に変形を生じさせたり、移送径路上での円滑な缶の移動を妨げ、所謂詰まり現象を生じさせるおそれがあるというような不具合が懸念される。
一方、このような不具合を避けるために、表示部を凹状にエンボス加工したり、あるいは表示部をとり囲むその周辺領域の広い面積部分を凹陥面にエンボス加工し、該凹陥面内に凸状の表示部を形成することも考慮され、現に一部実施化されている。ところが、これらの場合には、缶胴の基準外周面から独立形態に突出する凸状の表示部を形成したものに較べると、表示部の外観上の顕示性がやや劣り、訴求効果の点で必ずしも十分な満足度を得ることができないという難があった。
本発明は、上記のような背景のもと、缶胴の外周面に表示部を外観上凸状にあらわしたものとし、もって表示部を顕示性に優れたものとし、訴求力に優れた個性的外観を有するものとしながら、前述のような移送時の缶の詰まり現象や変形を生じるおそれのないものとした凸状表示部を有する金属缶を提供しようとするものである。
そしてまた、かかる凸状表示部を付形するのに好適なエンボス加工方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記のような技術的課題のもと、これを解決するための手段として下記の構成を提示する。
[1]缶胴の外周面に文字、記号、図形等からなる表示部が設けられた金属缶において、
前記表示部は、その外面を缶胴の基準外周面と同一面内に位置させた状態で、該表示部の輪郭線に沿ってその外側に所定幅の溝状凹陥部が形成されることにより、実質上凸状外観を呈するものに形成されると共に、
前記溝状凹陥部は、前記表示部の輪郭線側の一側縁から缶胴の内方に向って段状に延びた急勾配の下降側壁面部と、この下降側壁面部の下端の溝底部から缶胴の基準外周面方向に向って傾斜状に延びた緩勾配の上昇底壁面部と、この上昇底壁面部の外方側縁から缶胴の基準外周面になめらかに連続した弧状連接壁面部とを有するものに形成されることにより、該溝状凹陥部の外側縁が外観上目立たない消去態様に形成されていることを特徴とする立体表示部を有する金属缶。
[2]前記溝状凹陥部は、その深さDが0.15〜0.35mmの範囲に設定されてなる前項1に記載の立体表示部を有する金属缶。
[3]前記溝状凹陥部は、その幅Wが深さDに対して、5≦W/D≦100に設定されてなる前項1または2に記載の立体表示部を有する金属缶。
[4]前記溝状凹陥部の下降側壁面部は、缶胴の半径線に対する傾斜角度θ1が、40°〜80°の範囲に設定されてなる前項1〜3のいずれか1項に記載の立体表示部を有する金属缶。
[5]前記溝状凹陥部の上昇底壁面部は、該溝状凹陥部の両側上縁を結ぶ線に対する傾斜角度θ2が、0.5°〜10°の範囲に設定されてなる前項1〜4のいずれか1項に記載の立体表示部を有する金属缶。
[6]缶胴内に挿入されるエンボス付形用の内型ロールと、該内型ロールに対向して配置されるエンボス付形用の外型ロールとを、それらの間に金属缶の缶胴の周壁を挟んで相対回転させることにより、缶胴の周壁に文字、記号、図形等からなる凸状表示部を付形するエンボス加工方法であって、
前記内型ロールは、外周面に前記表示部より大きい面積を占める凹陥面部と、該凹陥面部内にあって頂面が内型ロールの外周面と同一面内に位置する表示部形成用段状凸部とを有するものとなされる一方、
前記外型ロールは、内型ロールの前記表示部形成用段状凸部の形成領域よりやや大きい面積を有する肉盛り状の外方膨隆部と、該外方膨隆部内にあって前記内型ロールの前記表示部形成用段状凸部に対応する表示部形成用段状凹入部とを有し、かつ該凹入部の外側領域部分における前記外方膨隆部の頂面が外型ロールの外周面に向かってなだらかな緩勾配で傾斜した傾斜面に形成されたものとなされ、
前記内型ロールの表示部形成用段状凸部と外型ロールの同段状凹入部とで、缶胴周壁に前記凸状表示部を付形する一方、内型ロールの前記凹陥面部と外型ロールの外方膨隆部とで、前記凸状表示部の輪郭線に沿ってその外側に、外側縁が外観上目立たない消去態様になった溝状凹陥部を付形することを特徴とする金属缶のエンボス加工方法。
本発明による前記[1]項に記載の金属缶は、缶胴の周壁の文字、記号等の表示部の輪郭線に沿ってその外側に溝状凹陥部が形成され、しかもこの溝状凹陥部の外側縁が缶胴の基準外周面になだらかに連続した外観上目立つことのない消去態様に形成されたものとなされているから、前記表示部は、その外面ないし頂面が缶胴の基準外周面内に位置して外方に突出しないものでありながら、その外側の溝状凹陥部との相対関係において外観上は恰も缶胴の外周面から独立して浮き出した凸状エンボスの形態のものとして外観される。
従って、該表示部は、凸状に外観される視認性、顕示性の高いものとなり、ひいては金属缶に一段と優れた訴求力の向上効果を与えることができる。
しかも、凸状表示部は、その外面ないし頂面が、缶胴の基準外周面より突出していないので、空缶の移送時等において該移送径路上で詰まり現象、ブロッキング現象等を生じることがなく、また相互干渉による外力影響で缶に変形を生じるというようなおそれもない。
また、前記[2]項に記載のように、溝状凹陥部の深さDを0.15〜0.35mmの範囲に設定することにより、表示部を外観上明確に浮き上がって見える立体外観のものとなすことができ、確実に視認性の高いものとすることができる。
また、前記[3]項に記載のように、溝状凹陥部の幅Wを深さDに対して5≦W/D≦100の範囲に設定することにより、表示部が外観上明確に缶胴外周面から外向きに張り出した凸状外観を呈するものに視認されるものとなる一方、空缶の移送時に隣接する缶同士で凸状表示部が干渉し合うことのないものとすることができる。即ち、幅Wが小さすぎるときは、表示部が浮き出し状に見えにくいものとなるのに対し、広すぎるときは、表示部の頂面が缶胴の基準外周面より突出していないにもかかわらず、幅の広い溝状凹陥部との相対関係によって、空缶の移送時等に隣接する缶同士で表示部が干渉し易いものとなるおそれがある。これに対し、幅Wを上記5≦W/D≦100の範囲に設定することにより、上記のような不具合の発生を確実に回避することができる。
また、前記[4]項に記載のように溝状凹陥部の下降側壁面部の傾斜角度θ1を40°〜80°の範囲に設定することにより、表示部をその輪郭線に沿って段状のエッジをもった明確な浮き出し態様に外観せしめ得るものとなしうると共に、エンボス加工によって該輪郭線の部分の缶胴に破断や強度上の弱点部分を生じるのを回避しうる。
また前記[5]項に記載のように、溝状凹陥部の上昇底壁面部の傾斜角度θ2を0.5°〜10°の範囲に設定することにより、前記[3]項と同等の効果を確実に達成しうる。
また前記[6]項に記載のような特定構成の内外両型ロールを用いて凸状表示部及びその輪郭線に沿った溝状凹陥部の成形エンボス加工を行うものとすることにより、前記[1]項に記載のような凸状表示部を有する金属缶の製造を簡易かつ確実に行うことができる。
次に、この発明の好ましい実施形態を、添附図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の好適な実施形態の1つを示すアルミニウム製金属缶(1)の外観図
である。
この図示の金属缶(1)は、絞り・しごき加工によって形成された有底円筒状の缶胴(2)に、内容物充填後、蓋体(3)を巻締めして封鎖されるツーピース缶を示しているが、本発明の適用対象は、これに限定されるものではなく、底壁部材をも巻締めによって取付けるスリーピース缶、あるいは缶胴の上端部に雄ねじを有する口金部を成形し、これにねじ式キャップを装着したボトル型の金属缶にあっても同様に適用可能である。
金属缶(1)は、その缶胴(2)の周方向の1個所ないし複数個所に、所定の文字、記号、図形等からなる表示部(10)を有する。図示の例において、この表示部(10)は「SAC」の3文字を軸線方向に横向き文字で一列に表わしたものとなされている。
表示部(10)は、缶胴(2)の外周面に、望ましくは予め印刷によって表示されたのち、この印刷表示に厳密に位置合わせした状態でエンボス加工が施されることにより、実質上凸状外観を呈するものに形成されている。ここに実質上凸状外観を呈する、というのは、後述するように前記表示部(10)の外面ないし頂面が缶胴(2)の基準外周面と同一面内に位置して、外方へは突出していないものであるにも拘らず、該表示部(10)の輪郭線(10a)に沿って、その外側に所定幅かつ所定断面形状の溝状凹陥部(11)が形成されることにより、外観上恰も上記表示部(10)が凸状に缶胴(2)の外周面から突出したものであるかのように見えるものとなされていることを意味している。従って、これを凸状表示部(10)とも表現する。また、上記缶胴(2)の「基準外周面」というのは、凸状表示部(10)をエンボス加工する前の円形断面の缶胴(2)の外周面、即ち缶胴(2)の外径を決定する、表示部以外の部分の所定直径の外周面を意味するものとして用いている。
上記凸状表示部(10)及びその外側の溝状凹陥部(11)の具体的構成について、更に以下詳しく説明する。
凸状表示部(10)は、図2(A)(B)に示すように、外面ないし頂面(10b)が缶胴(2)の基準外周面(2a)と同一面内に位置する円弧面に形成されている。そして該凸状表示部(10)の輪郭線(10a)に沿って、その外側には溝状凹陥部(11)が形成されている。
溝状凹陥部(11)は、上記輪郭線(10a)側の側縁が、缶胴(2)の内方に向って急勾配の段状に延びた下降側壁面部(11a)として構成されている。そしてこの段状の下降側壁面部(11a)の下端の溝底部から、缶胴(2)の基準外周面(2a)方向に向って緩勾配の傾斜状に延びた上昇底壁面部(11b)を有し、更にこの上昇底壁面部(11b)の外方側縁から缶胴(2)の基準外周面(2a)になめらかに連続した弧状連接壁面部(11c)を有するものとなされている。従って、溝状凹陥部(11)は、その断面形状において、概略、平仮名の「へ」の字を上下反転させた逆へ字状を呈するものとなされている。
溝状凹陥部(11)がこのような断面形状を有するものとなされている結果、凸状表示部(10)は、その輪郭線(10a)が上記急勾配の段状下降側壁面部(11a)の存在によって縁を際立たせたものとなっている。一方、溝状凹陥部(11)の上記輪郭線(10a)から離れた外方の他側縁は、緩勾配の上昇底壁面部(11b)に続く弧状連接壁面部(11c)を介して缶胴(2)の基準外周面上の周壁になめらかに連続したものとなされている。その結果、上記外側縁は外観上ほとんど目立たない消去態様のものに形成されている。
従って、溝状凹陥部(11)は、金属缶(1)の外観において、その存在がほとんど溝として視認できないものとなっている。このことは、凸状表示部(10)が恰も缶胴(2)の外周面から立ち上げて凸状に形成されたものとして外観される効果をもたらす。
次に、上記凸状表示部(10)及び溝状凹陥部(11)の寸法上の好ましい設定範囲について図3を参照して説明する。
先ず、この発明の適用対象となる一般的な金属缶(1)は、ビール等の飲料用缶として汎用されている直径66.2mmおよび52.6mmの金属缶である。
このような汎用の金属缶(1)を前提として、本発明の好ましい実施形態としての凸状表示部(10)及び溝状凹陥部(11)の各部寸法は下記のとおりである。
先ず、凸状表示部(10)の高さは、溝状凹陥部(11)の深さDに依存する。換言すれば、溝状凹陥部(11)の一側縁の下降側壁面部(11a)の高さ、更に具体的には凸状表示部(10)の頂面(10b)と上記下降側壁面部(11a)の下端までの距離に依存する。
そこで、上記溝状凹陥部(11)の深さDは、0.15〜0.35の範囲に設定するのが好適である。この深さDが0.15mm未満であると、凸状表示部(10)が立体感に乏しいものとなる。逆に0.35mmを超えるときは、エンボス加工が苛酷なものとなることに起因して、缶胴の内面塗装あるいは外面塗装に剥離や割れを引き起こすおそれがあるのみならず、缶胴のアルミ材自体にクラックを生じさせるおそれがある。最も好ましい深さDは、0.25mmを中心値として、0.2〜0.3mmの範囲である。
また、溝状凹陥部(11)の幅Wの設定値も、本発明の実施上、好適性に影響を与える重要な要素の1つである。
この幅Wは、凸状表示部(10)の輪郭線(10a)の位置、即ち下降側壁面部(11a)に向かう出隅アール部の上端側の変曲点(P1)と、上昇底壁面部(11b)に続く弧状連接壁面部(11c)の、缶胴(2)の基準外周面側の変曲点(P2)との間の距離で定義される。
そこで、この溝状凹陥部(11)の幅Wは、前記深さDとの相対関係において好適範囲が定められる。即ち、上記幅Wは深さDに対して5≦W/D≦100の範囲に設定するのが好適である。幅Wが5D未満であると、溝状凹陥部(11)が凹溝として視認されやすい傾向を示すものとなり、ひいては凸状表示部(10)が独立した立体感に乏しいものとなる。逆に、幅Wが100Dを超えるような広幅なものに設定されるときは、凸状表示部(10)の立体感は強調しうるものの、これが実質的に出張り状のものとなり、缶の移送経路上で相互に干渉し合って詰まり現象を発生し易いものとなる。深さDとの相対関係における好ましい幅Wの範囲は、15≦W/D≦70の範囲であり、最も好ましい範囲は20≦W/D≦55の範囲である。
また、溝状凹陥部(11)の下降側壁面部(11a)の傾斜角度θ1も、凸状表示部(10)を明確に立体的に見せるための重要な要素である。この傾斜角度θ1は、前記変曲点(P1)を通る缶胴(2)の半径線(L1)に対する下降側壁面部(11a)の角度として定義される。
ここに、溝状凹陥部(11)の上記下降側壁面部(11a)の傾斜角度θ1は、40°〜80°の範囲に設定することが望ましい。この傾斜角度θ1を40°未満に設定する場合には、凸状表示部(10)の成形のためのエンボス加工時に、下降側壁面部(11a)の上端部あるいは下端部において缶胴周壁に破断や薄肉化による強度上の弱点部分を生じるおそれがある。逆に、傾斜角度θ1が80°を超える穏やかな勾配に設定されるときは、凸状表示部(10)に明確な立体感を表出し難いものとなる。傾斜角度θ1の好ましい範囲は、概ね50°〜70°、より好ましい範囲は60°〜65°の範囲である。
更にまた、溝状凹陥部(11)の上昇底壁面部(11b)の傾斜角度θ2は、これを0.5°〜10°の範囲に設定することが望ましい。この傾斜角度θ2は、溝状凹陥部(11)の両側上縁を結ぶ線(L2)、即ち前述の変曲点(P1)(P2)を結ぶ線(L2)に対する上昇底壁面部(11b)の傾斜角度として定義される。この傾斜角度θ2が0.5°未満であると、溝状凹陥部(11)の幅Wの徒らな増大を招き、当該幅Wが大きすぎる場合の前述の問題点と同様の問題点が派生する。一方、傾斜角度θ2が10°を超える急勾配のものに設定するときは、上記幅Wが小さすぎる場合と同様の問題点が派生する。好ましい角度θ2の範囲は、概ね1°〜5°、より好ましい範囲は1.5°〜2.5°の範囲である。
本発明の実施において、最も好適と考えられる上記各部寸法の設定数値の具体的一例を示せば、下記の通りである。
缶胴(2)の外径: 66.2mm
溝状凹陥部(11)の深さD:0.25mm
溝状凹陥部(11)の幅W: 13.0mm
幅W/深さD: 52.0
下降側壁面部(11a)の傾斜角度θ1: 63°
上昇底壁面部(11b)の傾斜角度θ2: 2°
なお、上記の各部の寸法及び角度は、エンボス成形後における金属缶の立体表示部の外周面を、コントレーサーと称される測定器を用いて、その接触子(先端半径:0.025mm、軸径:3mm、先端角度:12°)を0.5mm/sの速度で走査させることで測定した値である。
次に、上記凸状表示部(10)の形成のためのエンボス加工方法について説明する。
缶胴(2)は、従来の常法に従うDI加工によって有底円筒状に成形されたのち、外周面には予め表示部を含む化粧印刷が施される。
しかるのち、図4に示すように缶胴(2)内にエンボス付形用の内型ロール(20)を挿入配置し、缶胴(2)の外側に離間して対向配置した同じくエンボス付形用の外型ロール(30)を内型ロール(20)の近接方向に相対移動させて、両型ロール(20)(30)間に缶胴(2)の周壁を所定のニップ圧で挾み込むと同時に、両型ロール(20)(30)を同期して相対回転させることにより、上記印刷による表示部に完全に位置合わせした状態に該表示部を凸状にエンボス加工し、所期する前述の凸状表示部(10)を形成する。
ここに、上記内型ロール(20)は、鋼製あるいは硬質合成樹脂製の剛性ロールからなるものであって、図4及び図5に示すように、外周面の周方向の一部に、表示部(10)の面積より大きい面積を占める所定深さと幅をもった凹陥面部(21)が軸線方向に帯状をなす態様で設けられている。そして、この凹陥面部(21)内に、凸状表示部(10)に対応する文字等からなる表示部形成用段状凸部(22)が設けられている。この段状凸部(22)は、その頂面が内型ロール(20)の外周面と同一面内に位置し、外方へは突出しない高さのものに設定されると共に、輪郭部が求心方向に向かう半径線に沿った略垂直な断面に形成されたものとなされている。
一方、外型ロール(30)は、これも硬質合成樹脂製等の剛性ロールからなるものであって、前記内型ロール(20)の前記表示部形成用段状凸部(22)の形成領域に対応して、この領域よりやや大きい面積を占める大きさの外方膨隆部(31)を有する。この外方膨隆部(31)は、外型ロール(30)の外周面から外方に突出して肉盛り状に形成されたものであり、その高さは、最大部分において前記内型ロール(20)の凹陥面部(21)の深さ、即ち表示部形成用段状凸部(22)の高さとほぼ同じ高さを有するものとなされている。
そして、上記外方膨隆部(31)内に、前記内型ロール(20)の前記表示部形成用段状凸部(22)に対応して、それよりやや大きく、かつ深さが浅い略相似形の表示部形成用段状凹入部(32)が形成されている。
そして更に、この表示部形成用段状凹入部(32)の外側領域部分における前記外方膨隆部(31)の頂面が、外型ロール(30)の外周面に向かって穏やかな下り勾配に傾斜した傾斜面(33)に形成されたものとなされている。
而して、上記内型ロール(20)と外型ロール(30)との間に缶胴(2)の周壁を挾んで両ロールが同期して相対回転されることにより、図6に示すように、内型ロール(20)の表示部形成用段状凸部(22)と、これに対応する外型ロール(30)の表示部形成用段状凹入部(32)及び外方膨隆部(31)の傾斜面(33)とで、缶胴(2)の周壁にエンボス加工が施され、所期する前述した態様の凸状表示部(10)及び溝状凹陥部(11)が付形される。
即ち、前記内型ロール(20)の表示部形成用段状凸部(22)と外型ロール(30)の同段状凹入部(32)とで、缶胴(2)の周壁に前記凸状表示部(10)が付形される一方、内型ロール(20)の前記凹陥面部(21)と外型ロール(30)の頂面が傾斜面(33)になった外方膨隆部(31)とで、前記凸状表示部(10)の輪郭線に沿ってその外側に、外側縁が外観上目立たない消去態様になった溝状凹陥部(11)が付形される。
このように、エンボス付形用の内型ロール(20)と外型ロール(30)とを用いてそれらの間に缶胴(2)の周壁を挾んで両型ロール(20)(30)を同期して相対1回転させるという、極く普通の慣用的なエンボス加工方法を用いて、前述したような凸状表示部(10)が缶胴(2)の基準外周面から突出していないにも拘わらず、これが外観上は恰も缶胴周壁の基準外周面から独立して突出しているかのように浮き出して見える、顕示性、視認性に優れた凸状表示部(10)を備えた金属缶を簡易に能率良く製造することができる。
本発明の実施態様を示す金属缶の外観を示す斜視図である。 図1の金属缶の横断面図を示すものであって、図2(A)は図1のII−II線に沿う全体横断面図、図2(B)は図2(A)のB部の断面形状をやや誇張的に示した一部横断面図である。 缶胴に付形される凸状表示部と溝状凹陥部のそれぞれの好適な寸法設定範囲を説明するための説明図である。 凸状表示部を形成するエンボス加工態様を示す横断面図である。 エンボス成形用の内型ロールと外型ロールとを分離状態で示した外観斜視図である。 凸状表示部のエンボス加工態様を示す要部の拡大断面図である。
符号の説明
1・・・・金属缶
2・・・・缶胴
10・・・凸状表示部
10a・・凸状表示部の輪郭線
10b・・凸状表示部の頂面
11・・・溝状凹陥部
11a・・下降側壁面部
11b・・上昇底壁面部
11c・・弧状連接壁面部
20・・・内型ロール
21・・・凹陥面部
22・・・表示部形成用段状凸部
30・・・外型ロール
31・・・外方膨隆部
32・・・表示部形成用段状凹入部
33・・・傾斜面

Claims (6)

  1. 缶胴の外周面に文字、記号、図形等からなる表示部が設けられた金属缶において、
    前記表示部は、その外面を缶胴の基準外周面と同一面内に位置させた状態で、該表示部の輪郭線に沿ってその外側に所定幅の溝状凹陥部が形成されることにより、実質上凸状外観を呈するものに形成されると共に、
    前記溝状凹陥部は、前記表示部の輪郭線側の一側縁から缶胴の内方に向って段状に延びた急勾配の下降側壁面部と、この下降側壁面部の下端の溝底部から缶胴の基準外周面方向に向って傾斜状に延びた緩勾配の上昇底壁面部と、この上昇底壁面部の外方側縁から缶胴の基準外周面になめらかに連続した弧状連接壁面部とを有するものに形成されることにより、該溝状凹陥部の外側縁が外観上目立たない消去態様に形成されていることを特徴とする立体表示部を有する金属缶。
  2. 前記溝状凹陥部は、その深さDが0.15〜0.35mmの範囲に設定されてなる請求項1に記載の立体表示部を有する金属缶。
  3. 前記溝状凹陥部は、その幅Wが深さDに対して、5≦W/D≦100に設定されてなる請求項1または2に記載の立体表示部を有する金属缶。
  4. 前記溝状凹陥部の下降側壁面部は、缶胴の半径線に対する傾斜角度θ1が、40°〜80°の範囲に設定されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体表示部を有する金属缶。
  5. 前記溝状凹陥部の上昇底壁面部は、該溝状凹陥部の両側上縁を結ぶ線に対する傾斜角度θ2が、0.5°〜10°の範囲に設定されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の立体表示部を有する金属缶。
  6. 缶胴内に挿入されるエンボス付形用の内型ロールと、該内型ロールに対向して配置されるエンボス付形用の外型ロールとを、それらの間に金属缶の缶胴の周壁を挟んで相対回転させることにより、缶胴の周壁に文字、記号、図形等からなる凸状表示部を付形するエンボス加工方法であって、
    前記内型ロールは、外周面に前記表示部より大きい面積を占める凹陥面部と、該凹陥面部内にあって頂面が内型ロールの外周面と同一面内に位置する表示部形成用段状凸部とを有するものとなされる一方、
    前記外型ロールは、内型ロールの前記表示部形成用段状凸部の形成領域よりやや大きい面積を有する肉盛り状の外方膨隆部と、該外方膨隆部内にあって前記内型ロールの前記表示部形成用段状凸部に対応する表示部形成用段状凹入部とを有し、かつ該凹入部の外側領域部分における前記外方膨隆部の頂面が外型ロールの外周面に向かってなだらかな緩勾配で傾斜した傾斜面に形成されたものとなされ、
    前記内型ロールの表示部形成用段状凸部と外型ロールの同段状凹入部とで、缶胴周壁に前記凸状表示部を付形する一方、内型ロールの前記凹陥面部と外型ロールの外方膨隆部とで、前記凸状表示部の輪郭線に沿ってその外側に、外側縁が外観上目立たない消去態様になった溝状凹陥部を付形することを特徴とする金属缶のエンボス加工方法。
JP2007035745A 2006-05-31 2007-02-16 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法 Active JP4837593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007035745A JP4837593B2 (ja) 2006-05-31 2007-02-16 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006151169 2006-05-31
JP2006151169 2006-05-31
JP2007035745A JP4837593B2 (ja) 2006-05-31 2007-02-16 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008007202A JP2008007202A (ja) 2008-01-17
JP4837593B2 true JP4837593B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=39065748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007035745A Active JP4837593B2 (ja) 2006-05-31 2007-02-16 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4837593B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110113732A1 (en) * 2009-11-13 2011-05-19 The Coca-Cola Company Method of isolating column loading and mitigating deformation of shaped metal vessels
WO2022014205A1 (ja) * 2020-07-17 2022-01-20 東洋製罐株式会社

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0678096B2 (ja) * 1990-07-18 1994-10-05 東洋製罐株式会社 缶詰用缶胴
JP2005001670A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Mitsubishi Materials Corp 缶本体及び缶本体の製造方法並びに缶
JP3823952B2 (ja) * 2003-07-04 2006-09-20 東洋製罐株式会社 エンボス加工缶体の製造方法
JP2005075354A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Mitsubishi Materials Corp 缶本体及び缶

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008007202A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2544982C2 (ru) Язычок с выпуклыми и вогнутыми элементами
RU2630572C2 (ru) Язычок легкого открывания для торцевой крышки контейнера
US20110226636A1 (en) Ornamental and Temperature Indicating Can Ends and Tabs
ES2730965T3 (es) Recipiente con marcas nítidamente delineadas
US9884698B2 (en) Thermoplastic container in particular a bottle having a partially prismatic triangular body
TWI391298B (zh) A bottle with a necked part
JP6787508B2 (ja) 缶製造方法、缶の肩部又はチャイム部に立体成形部を形成する装置
KR20200006121A (ko) 보틀캔, 캡을 갖는 보틀캔, 및 보틀캔의 제조 방법
JP2011194474A (ja) ボトル缶の製造方法およびボトル缶
CA2952023A1 (en) System for compression relief shaping
JP6884371B2 (ja) 容器
JP3788371B2 (ja) キャップ付ボトル缶及びボトル缶
JP4837593B2 (ja) 立体表示部を有する金属缶及びエンボス加工方法
WO2017027802A1 (en) Can end tear panel with decorative relief features
US11858681B2 (en) Can body and method of manufacturing thereof
JP5475742B2 (ja) 金属缶
JPH05112357A (ja) 容易開口罐蓋
JP6084476B2 (ja) プラスチックボトルおよび物品
JP2007246101A (ja) 立体模様を有する金属缶
CN114194556B (zh)
JP7120810B2 (ja) 缶体及びその製造方法
JP2009298437A (ja) エンボス缶
TW202027875A (zh) 罐子製造方法、罐子製造裝置、罐子以及罐子製造工具組
BR122022005233B1 (pt) Recipiente de vidro
JP2008030816A (ja) 合成樹脂製ボトル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110928

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4837593

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250