JP4837279B2 - 落射顕微鏡および蛍光フィルターセット - Google Patents

落射顕微鏡および蛍光フィルターセット Download PDF

Info

Publication number
JP4837279B2
JP4837279B2 JP2004355747A JP2004355747A JP4837279B2 JP 4837279 B2 JP4837279 B2 JP 4837279B2 JP 2004355747 A JP2004355747 A JP 2004355747A JP 2004355747 A JP2004355747 A JP 2004355747A JP 4837279 B2 JP4837279 B2 JP 4837279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
refractive index
wavelength
dichroic mirror
mirror coat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004355747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005321753A (ja
Inventor
正 渡邊
修平 堀米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2004355747A priority Critical patent/JP4837279B2/ja
Priority to US11/097,351 priority patent/US7285787B2/en
Publication of JP2005321753A publication Critical patent/JP2005321753A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4837279B2 publication Critical patent/JP4837279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/6456Spatial resolved fluorescence measurements; Imaging
    • G01N21/6458Fluorescence microscopy
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/6456Spatial resolved fluorescence measurements; Imaging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/6486Measuring fluorescence of biological material, e.g. DNA, RNA, cells
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/06Means for illuminating specimens
    • G02B21/08Condensers
    • G02B21/082Condensers for incident illumination only
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
    • G02B21/16Microscopes adapted for ultraviolet illumination ; Fluorescence microscopes

Description

本発明は、試料から放出される光を観察するために利用される落射顕微鏡に関する。
一般に、蛍光観察用落射顕微鏡は、生物や医学分野において、生物組織細胞上に蛍光標識が施された蛋白質や組織や遺伝子などを検出するのに用いられている。特に近年は、微弱な蛍光しか発しない1分子レベルの極小な試料の研究や、固定された試料ではなく生きた試料を用いた研究が盛んに行なわれている。加えて、発光性の蛋白質を細胞内に発現することが可能になり、より生理的な活性が保たれた上での検出や解析が可能になってきた。この生きた試料を観察する場合、試料へのダメージを減らし、かつ、正確に試料を観察・解析をするため、少ない照射エネルギーで、かつ、観察系に入るノイズを極力減らし、試料から発生する蛍光を効率良く検出することが求められている。また、1分子レベルのような微弱蛍光の場合、観察系に入るノイズを極力抑えることによって初めて微弱蛍光の検出が可能になる。
このノイズの発生源の一つとして、一般に蛍光フィルターセットがある。図21は、蛍光フィルターセットを備えた従来の顕微鏡の構成を示している。蛍光フィルターセット500は、図21に示されるように、励起フィルター510と光分割器520と吸収フィルター530の三つの光学素子から構成されている。励起フィルター510は、対物レンズ30と結像レンズ50と検出装置60を含む観察光学系の光軸の軸外に設けられた光源10からの光のうちの所定の波長の光だけを選択する。光分割器520は、励起フィルター510によって選択された波長の光を反射して試料40を落射照明するとともに、試料40から発生する蛍光を透過して検出装置60に導く。光分割器520は、平板状の透明基板を備えており、透明基板は、おもて面にダイクロイックミラーコートが施され、うら面に反射防止膜が施されている。光分割器520は、観察光軸に対して45度の傾きで配置される。吸収フィルター530は、光分割器520を透過した蛍光を選択的に透過し、励起フィルター510で選択された波長の光をカットする。蛍光フィルターセット500は、一般的に、蛍光色素の波長毎に用意される。
これらの光学素子(励起フィルター510と光分割器520と吸収フィルター530)は、一般的に、平行平面板に干渉膜を施した干渉フィルターで構成される。干渉膜の干渉条件は、最大透過波長をλ、誘電体の光学的な長さをt、境界における屈折角をφとすると、2t・cosφ=mλで表される。
ここで、次数mを一定とし、干渉条件を一定とすると、波長λはcosφに比例する。φは屈折角であるが、スネルの法則によって、入射角と共役な関係にあり、両者は同等と考えられる。従って、上式から、入射角が大きくなればなるほど、cosφが減少し、同時に波長λも減少し、最大透過率部分は、徐々に短波長側にシフトしていく。このため、垂直入射から斜入射に変わって、干渉膜に対する入射角が大きくなるにつれて、透過帯域と反射帯域は徐々に短波長側にシフトしていく。
蛍光フィルターセットの場合、通常、励起フィルターと吸収フィルターは垂直入射に対して最適に設計され、光分割器は45度入射に対して最適に設計されている。入射角が設計値から異なる場合、設計値の入射角では反射される波長の光が透過し、設計値の入射角では透過する波長の光が反射されてしまう。
光分割器は、効率良い蛍光観察を行なうために、望ましくは、励起フィルター(第一選択部材)の透過波長帯域の光を完全に反射し、吸収フィルター(第二選択部材)の透過波長帯域の光を完全に透過するとよい。しかし、蛍光色素の励起波長のピークと発光波長のピークは10〜20nmまで近接しているものが多いため、一般的に、励起フィルター(第一選択部材)と吸収フィルター(第二選択部材)の透過帯域は重ならない範囲でできるだけ近づけられる。しかし、光分割器は、光軸に対して45度に配置された場合、PSの偏光で分離するため、励起フィルター(第一選択部材)と吸収フィルター(第二選択部材)の透過帯域ほど、透過波長帯域と反射波長帯域を近づけることは薄膜設計上限界がある。
また、蛍光色素の励起波長の帯域が広帯域な場合、励起フィルター(第一選択部材)の透過波長帯域も広くしたい場合がある。しかし、従来の光分割器は、透明基板の片面に励起フィルター(第一選択部材)を透過した光を主に反射するための積層部分のみをもつダイクロイックミラーコートが施された構成であり、膜構成の変更だけで反射帯域の広域化には限界がある。
これら二つの要因によって、ある波長帯域に関しては、励起光が光分割器を透過するのを不所望ながら容認している。このため、光分割器で反射されずに透過した光が、蛍光フィルターセットの側壁面に入射し、側壁面で散乱し、垂直入射から外れた角度で吸収フィルターに光線が入射した場合、垂直入射の場合よりも短波長側の光まで吸収フィルターを透過して、ノイズの原因となる。また、蛍光フィルターセットの側壁面に入射した光が自家蛍光を発し、吸収フィルター側に放出された自家蛍光も吸収フィルターを透過してしまう。
これ以外にも、光源からの強く広帯域な光が励起フィルターに照射されたときに発生される散乱光や自家蛍光がある。これら散乱光や自家蛍光の一部が光分割器や吸収フィルター方向に放出されるが、これらの光の光分割器への入射角は設計値である45度入射から垂直入射に近づき、吸収フィルターヘの入射角は設計値である垂直入射から斜入射になってしまう。すなわち、光分割器の反射帯域は長波長側にシフトし、吸収フィルターの透過帯域は短波長側にシフトしてしまう。その結果、吸収フィルターの短波長側にシフトした透過帯域で、かつ、光分割器の長波長側にシフトした反射帯域以外の散乱光や自家蛍光は、光分割器や吸収フィルターを透過し、ノイズの原因となる。
このような不具合を解決するため、いくつかの技術が提案されている。
実開平7-14412号公報は、励起フィルターで選択され、光分割器で反射されずに透過した光を、蛍光フィルターセットの側壁面を鋸歯状や山形状等に加工することによって、側壁での反射時に減衰させる技術を開示している。
また、特開2001−221953号公報は、励起フィルターで選択され、光分割器で反射されずに透過した光を、蛍光フィルターセットの側壁に開口部を設け、その後方にノイズ除去装置を設けることによって、観察系へのノイズ光の進入を防ぐ技術を開示している。
さらに、特開2000−75207号公報は、励起フィルターの代わりに、反射鏡と45度入射バンドパス励起フィルターと光トラップ装置を組み合わせることによって、光分割器への入射を励起波長だけに制限し、ノイズの低減させる技術を開示している。
実開平7-14412号公報 特開2001−221953号公報 特開2000−75207号公報
実開平7-14412号公報に開示された技術は、光分割器を透過した励起光がフィルターカセットの側壁で散乱させて減衰させることによって、観察系に向かう光を減少させるが、除去には至らない。
特開2001−221953号公報に開示された技術は、光分割器を透過した励起光を除去するが、励起フィルターによって散乱され、光分割器や吸収フィルターを透過して、観察系に向かう光については考慮していない。さらに、この技術は、フィルターカセットの後方にノイズ除去装置を設ける必要があるため、装置の肥大化を招いてしまう。
特開2000−75207号公報に開示された技術は、45度入射型の励起フィルターを用いているが、干渉膜を傾けると、P偏光とS偏光に対する反射帯域が異なってしまう。このため、透過帯域と反射帯域を近接させることは困難であり、蛍光色素の励起波長と発光波長が近い場合、効率の良い蛍光観察は困難である。さらに、励起波長の光だけが完全に光分割器に入射しても、光分割器で透過してしまう成分があることには変わりなく、これによるノイズの低減は望めない。また、励起フィルターが三つの部位から構成されるため、装置の肥大化を招いてしまう。
結局、前述の技術はいずれも、蛍光フィルターセットによるノイズの発生を良好に抑えることが難しい。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、蛍光フィルターセットによるノイズの発生が良好に抑えることである。
本発明は、ひとつには、落射顕微鏡に向けられている。本発明の落射顕微鏡は、試料を照明するための光を発する光源と、前記光源からの光を選択的に透過する第一波長選択部材と、前記第一波長選択部材からの光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる光を透過する光分割器と、前記光分割器を透過した光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、前記光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、前記ダイクロイックミラーコートは前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する第一ダイクロイックミラーコートと、前記第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する前記第一ダイクロイックミラーコートと反射帯域が部分的に重なっている第二ダイクロイックミラーコートとを備えている。
本発明は、ひとつには、蛍光フィルターセットに向けられている。本発明の蛍光フィルターセットは、励起光を選択的に透過する第一波長選択部材と、前記第一波長選択部材からの励起光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる蛍光を透過する光分割器と、前記光分割器を透過した蛍光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、前記光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、前記ダイクロイックミラーコートは前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する第一ダイクロイックミラーコートと、前記第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する前記第一ダイクロイックミラーコートと反射帯域が部分的に重なっている第二ダイクロイックミラーコートとを備えている。
本発明の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された波長の光と第一波長選択部材から放出された自家蛍光と第一波長選択部材で散乱された光とを光分割器によって良好に反射することができる。これによって、ノイズの発生が抑えられる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第一実施形態]
本実施形態は正立型の顕微鏡に向けられている。図1は、本発明の第一実施形態による顕微鏡の構成を示している。図1に示されるように、顕微鏡は、光源10と、照明光学系20と、蛍光フィルターセット100と、対物レンズ30と、結像レンズ50と、検出装置60とを備えている。
対物レンズ30と結像レンズ50と検出装置60は、試料40を観察する観察光学系を構成している。光源10は、観察光学系の光軸の外に配置されている。光源10は、これに限定されないが、例えば水銀ランプで構成される。
蛍光フィルターセット100は、第一波長選択部材110と、光分割器120と、第二波長選択部材130とを備えている。第一波長選択部材110は励起フィルターとして機能し、第二波長選択部材130は吸収フィルターとして機能する。
第一波長選択部材110は所定の波長特性を有する第一光学フィルター112を備えており、第一光学フィルター112は所定の波長帯域の光だけを選択的に透過する。第二波長選択部材130は、所定の波長特性を有する第二光学フィルター132を備えており、第二光学フィルター132は所定の波長帯域の光だけを選択的に透過する。
光分割器120は、平板状透明基板122を備えており、平板状透明基板122は両面にダイクロイックミラーコート124と126が施されている。つまり、光分割器120は、第一面(おもて面)と第二面(うら面)とを持つ透明体である平板状透明基板122と、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126とを備えている。
光分割器120は、照明光学系20の光軸に対して45度の角度をなすように配置されている。平板状透明基板122のおもて面は、第一波長選択部材110と試料40の側に面し、平板状透明基板122のうら面は、第二波長選択部材130の側に面している。
光源10から発せられる光は、紫外線域から近赤外線域まで光を含んでいる。光源10からの光は、照明光学系20を通り、第一波長選択部材110に入射する。第一波長選択部材110に入射した光は、第一光学フィルター112によって選択される所定の波長帯域の光だけが第一波長選択部材110を透過する。第一波長選択部材110を透過した光すなわち励起光は、光分割器120に入射する。光分割器120に入射した励起光は、対物レンズ30に向けて反射される。光分割器120によって反射された励起光は、対物レンズ30を介して、試料40に照射される。
励起光が照射された試料40は蛍光を発する。また、励起光の一部は試料40で反射される。試料40から発生した蛍光の一部と試料40で反射された励起光の一部は対物レンズ30に入射する。つまり、対物レンズ30で収集される試料40からの光は、試料40から発生した蛍光と試料40で反射された励起光とを含んでいる。
試料40からの蛍光と励起光は、対物レンズ30を透過して光分割器120に入射する。光分割器120に入射した光のうち、蛍光は光分割器120を透過するが、ほとんどの励起光は光分割器120で反射される。光分割器120を透過した蛍光は第二波長選択部材130に入射する。第二波長選択部材130に入射した光は、第二光学フィルター132によって選択される蛍光だけを透過する。第二光学フィルター132を透過した蛍光は、結像レンズ50によって検出装置60の所定位置に結像されて試料40の蛍光像を形成する。蛍光像の結像位置の近くに接眼レンズを配置すれば、目視によって蛍光像の観察ができる。蛍光像は、非常に暗いため、通常は、冷却CCD等の電子撮像素子、特に高感度の撮像素子を配置して撮像される。
次に、本実施形態の顕微鏡で用いられる光分割器120について説明を加える。
光分割器120は、前述したように、平板状透明基板122と、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126とで構成されている。図2は、本発明の第一実施形態における、第一波長選択部材110の透過率特性Td1と、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta1と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb1、第二波長選択部材130の透過率特性Tf1とを示している。
図2に示されるように、第一波長選択部材110の透過率特性Td1の透過帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta1の反射帯域の中に位置している。また、第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb1の反射帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta1の反射帯域よりも短波長側に位置している。さらに、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta1の反射帯域と第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb1の反射帯域は部分的に重なっている。その結果、光分割器120の全体の反射帯域は短波長側に広帯域化されている。
図2から分かるように、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110を透過した励起光を反射する。第二ダイクロイックミラーコート126は、第一ダイクロイックミラーコート124の反射帯域に対して短波長側の光と、第一波長選択部材110を透過した励起光で、第一ダイクロイックミラーコート124で反射できなかった光を反射する。さらに、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、試料から発せられる蛍光を透過する。
図3は、第一波長選択部材110での散乱によって光分割器120と第二波長選択部材130に向かう光が発生する様子を示している。図4は、第一波長選択部材110の透過率特性Td1と、本実施形態の光分割器120の45度入射に対する透過率特性Tc1と、本実施形態の光分割器120の0度入射(垂直入射)に対する透過率特性Tc2とを示している。図5は、第一波長選択部材110の透過率特性と、従来の光分割器の45度入射に対する透過率特性と、従来の光分割器の0度入射(垂直入射)に対する透過率特性とを示している。
図3に示されるように、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光は、光分割器120に対して垂直入射に近くなる。
従来の光分割器は、平板状透明基板のおもて面だけにダイクロイックミラーコートが施されており、一つのダイクロイックミラーコートによって反射帯域を確保している。このため、図5に示されるように、前記従来の光分割器における反射帯域が、45度入射に対する透過率特性Te1において第一波長選択部材110の透過帯域を内側に含むことから、前記従来の光分割器は第一波長選択部材110を透過した光すなわち励起光を反射する。しかし、0度入射(垂直入射)に対する透過率特性Te2においては、その反射帯域が第一波長選択部材110の透過帯域から外れてしまうことから、前記従来の光分割器は第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光を透過してしまう。従って、従来の光分割器を使用した場合には、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光は、従来の光分割器によって反射されず、第二波長選択部材130まで到達する。
これに対して、本実施形態の光分割器120では、前述したように反射帯域が短波長側に広帯域化されているため、図4に示されるように、45度入射に対する透過率特性Tc1のみでなく、0度入射に対する透過率特性Tc2においても、反射帯域は、第一波長選択部材110の透過帯域を内側に含む。従って、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光は、本実施形態の光分割器120によって反射され、第二波長選択部材130まで到達することができない。
前記従来の光分割器を利用した例のように、第一波長選択部材110で散乱した光が、光分割器を透過して前記第二波長選択部材130まで到達すると、この光は前記第二波長選択部材に対して斜めに入射するために、前記第二波長選択部材を透過してしまう。これは第二波長選択部材130の透過率特性Tf1が、斜めに入射する光に対して短波長側にシフトして、第一波長選択部材110によって選択された波長の光を通すためである。
すなわち、本実施形態における光分割器120を使用することによって、第一波長選択部材110で散乱した光が、第二波長選択部材130まで到達することを防ぐことができて、結果として蛍光観察時のノイズ低減という効果を得ることができる。
第一ダイクロイックミラーコート124は、好ましくは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。好ましいと考えられる一例では、第一波長選択部材110によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4である。その場合、第一ダイクロイックミラーコート124は、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。すなわち、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110によって選択された波長λの光を効率良く反射する積層を含む。これに該当する第一ダイクロイックミラーコート124として、表1のAにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。このダイクロイックミラーコートの膜構成における高屈折率材料の平均的な光学膜厚は、λを475nmとしたとき、3.15×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は1.06×λ/4である。すなわち、高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている。この例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲は、λの選択によって変わるが、高屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.9〜1.2倍の範囲にあるときである。また、表1のAの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図6に示す。
Figure 0004837279
別の好ましいと考えられる例では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4である。その場合、第一ダイクロイックミラーコート124は、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。すなわち、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110によって選択された波長λの光を効率良く反射する積層を含む。これに該当する第一ダイクロイックミラーコート124として、表1のBにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。このダイクロイックミラーコートの膜構成における高屈折率材料の平均的な光学膜厚は、λを475nmとしたとき、1.11×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は3.12×λ/4である。すなわち、高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっている。この例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲は、λの選択によって変わるが、高屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.9〜1.2倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあるときである。また、表1のBの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図7に示す。
このような第一ダイクロイックミラーコート124によれば、光分割器120が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を小さくできる。このため、光分割器120は、第一波長選択部材110によって選択される波長帯域の光を効率良く反射し、第二波長選択部材130によって選択される波長帯域の光を効率良く透過することができる。
さらに別の例では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4である。その場合、第一ダイクロイックミラーコート124は、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に生じる透過帯域を有する。すなわち、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110によって選択された波長λの光を効率良く反射する積層を含む。これに該当する第一ダイクロイックミラーコート124として、表1のCにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。このダイクロイックミラーコートの膜構成における高屈折率材料の平均的な光学膜厚は、λを483nmとしたとき、3.18×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は3.14×λ/4である。すなわち、高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっている。この例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲は、λの選択によって変わるが、高屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあるときである。また、表1のCの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図8に示す。
このような第一ダイクロイックミラーコート124によれば、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を、前述の二例よりも小さくすることができる。
光分割器120は、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124と平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126の二つのダイクロイックミラーコートによって反射帯域を確保できる。このため、光分割器120の反射帯域を広域化することが可能である。これによって、第一波長選択部材110に透過帯域が広い透過率特性を持つものを適用することが可能になる(例えば図9に示す場合)。光分割器120は、試料40から発生する蛍光を効率良く透過しながらも、光分割器120を透過する励起光の光量をほとんどなくすことができるため、前述した作用によってノイズの発生を減らすことができる。また、第一波長選択部材110に超広帯域の透過率特性を持つものが適用された場合にも対応が可能である。
第二ダイクロイックミラーコート126は、好ましくは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。好ましいと考えられる一例では、第一波長選択部材110によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4である。その場合、第二ダイクロイックミラーコート126は、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。すなわち、第二ダイクロイックミラーコート126は、第一波長選択部材110よって選択された光よりも短波長側の光または長波長側の光または同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する積層を備えている。これに該当する第二ダイクロイックミラーコート126として、表1のDにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。このダイクロイックミラーコートの膜構成における高屈折率材料の平均的な光学膜厚は、λを475nmとしたとき、0.93×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は0.96×λ/4である。すなわち、高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている。この例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲は、λの選択によって変わるが、高屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあるときである。また、表1のDの膜構成を持つ第二ダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図10に示す。
加えて、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126を具備する光分割器120の分校透過率特性を図11、図12、図13に示す。図11は、第一ダイクロイックミラーコート124として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっている表1のAが施され、第二ダイクロイックミラーコート126として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている表1のDが施された例である。また、図12は、第一ダイクロイックミラーコート124として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている表1のBが施され、第二ダイクロイックミラーコート126として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている表1のDが施された例、図13は、第一ダイクロイックミラーコート124として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそ3×λ/4となっている表1のCが施され、第二ダイクロイックミラーコート126として高屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっていて、低屈折率材料の平均的な光学膜厚はおおよそλ/4となっている表1のDが施された例である。これらどの例においても、0度入射において波長λ(375nm付近)をもつ光を透過しない。
第二波長選択部材130には、斜めに入射する光によるノイズを低減するために、第一波長選択部材110で選択された波長の光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子が適用される場合が多い。しかし、本実施形態では、光分割器120は、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光をも良好に遮断するため、第二波長選択部材130に、斜めに入射する光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子を適用する必要がなくなる。
色ガラスは、分光特性の角度依存性がないため、長波長側透過・短波長側吸収タイプやバンドパス・タイプの色ガラス単独で吸収フィルターを構成したり、色ガラスに干渉膜を施すことによって励起フィルターを構成したりすることが可能である。
しかし、色ガラス単独で吸収フィルターを構成した場合、色ガラスの分光特性のバラツキが大きく、色ガラスの吸収帯域と透過帯域とが近接していないため、一番観察効率のよい蛍光の励起波長と発光波長ピークから外れた波長で、蛍光色素を励起し、そこから発光される蛍光を観察しなければならず、効率良い蛍光観察を行なえない。
また、色ガラスに干渉膜を施した場合は、斜入射にも強くなり、垂直入射の場合は、干渉膜の特性によって、蛍光の発光波長のピークを捉えやすくなる。しかし、色ガラス自体、一般的な光学ガラスに比べて自家蛍光を発しやすいので、ノイズの原因になりやすい。
さらに、近年、環境対策のため、ガラスも砒素、鉛、クロム、カドミウム等の有毒物質なしで構成されたエコガラスと呼ばれるガラスに切り換えが促進されている。しかし、色ガラスは、有毒物質なしで構成することは難しい。このため、色ガラスを用いる限り、顕微鏡のガラス部材を、地球環境に優しいエコガラスだけで構成することは無理である。
本実施形態では、第二波長選択部材130に、色ガラスを用いた光学素子を適用する必要がない。その結果、効率良い蛍光観察を少ないノイズで行なうことが可能になる。さらには、第二波長選択部材130に、エコガラスを基板に用いた光学素子を適用することが可能である。その結果、顕微鏡のガラス部材を、地球環境に優しいエコガラスだけで構成することが可能になる。
第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、通常、干渉膜によって構成される。第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の膜厚は、好ましくは、膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコート124の物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコート126の物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいとよい。つまり、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は膜厚の寸法が互いに近いとよい。
従来の光分割器は、平板状透明基板のおもて面にダイクロイックミラーコートが施され、うら面に反射防止膜が施されている。通常、ダイクロイックミラーコートの層数は20層以上あり、反射防止膜の層数は1〜9層である。このように両者の膜厚の差が大きいため、膜の応力の差が大きい。その結果、平板状透明基板が反ってしまうことがある。平板状透明基板の反りは、照明性能や観察性能に悪影響を与える。
これに対して、本実施形態の光分割器120では、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124の膜厚と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126の膜厚との差が比較的小さい。このため、第一ダイクロイックミラーコート124を構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコート126を構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺される。これによって、透明体である平板状透明基板122の反りの発生が抑えられる。これは、照明性能と観察性能の向上につながる。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態による落者顕微鏡の全体の構成は、第一実施形態と実質上同じであり、従って図1に示す通りである。しかし、本実施形態の光分割器120は、平板状透明基板122のおもて面にダイクロイックミラーコート124が施され、うら面には反射防止膜126が施されている点が、第一実施形態のそれと相違している。
おもて面のダイクロイックミラーコートは、第一実施形態におけるダイクロイックミラーコートと同様に、好ましくは屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料を積層して作られるが、その中に、第一波長選択部材110によって選択された波長の光を効率良く反射する積層と、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備え、結果としておもて面のダイクロイックミラーコート124のみで第一実施形態における光分割器と同等の透過率特性を実現している。
うら面の反射防止膜は、うら面において生じる光の反射を抑制する目的で施された反射防止膜である。
すなわち、本実施形態の光分割器は、第一実施形態とは異なり両面にダイクロイックミラーコートを備えるものではなく、従来の光分割器と同様におもて面に施されたダイクロイックミラーコートのみで光分割をおこなうものである。ただし、従来の光分割器では第一波長選択部材によって選択された波長の光を反射する積層しか備えないのに対して、本実施形態の光分割器では第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する積層と第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を、おもて面のダイクロイックミラーコートに備えることで広帯域な反射帯域を持つ光分割器を実現しており、この点が従来の光分割器とは異なる。
本実施形態では、光分割器120の透明体は平板状透明基板で構成されているが図14に示すような接合プリズムの接合面に本実施形態に相当するダイクロイックミラーコート128を施す形で構成されてもよい。
本実施形態における光分割器120は、前述したように、平板状透明基板122のおもて面にダイクロイックミラーコート124が施され、うら面には反射防止膜126が施されており、おもて面のダイクロイックミラーコート124には、第一波長選択部材110によって選択された波長の光を効率良く反射する積層と、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備えている。本実施形態の光分割器の透過率特性は、第一実施形態の説明で用いた図4と同等であり、反射帯域が短波長側に広帯域化されているため、45度入射に対する透過率特性Tc1のみでなく、0度入射に対する透過率特性Tc2においても、反射帯域は第一波長選択部材110の透過帯域を内側に含む。従って、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光は、本実施形態の光分割器120によって反射され、第二波長選択部材130まで到達することができない。
すなわち、本実施形態における光分割器120を使用することによって、第一波長選択部材110で散乱した光が、第二波長選択部材130まで到達することを防ぐことができて、結果として蛍光観察時のノイズ低減という効果を得ることができる。
本実施形態のダイクロイックミラーコート124は、既に述べたように、好ましくは屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料の積層により作られる。好ましい例では、第一波長選択部材110によって選択された波長の光を効率良く反射する14層以上の積層と、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する14層以上の積層を備える。本実施形態に相当するダイクロイックミラーコート124において好ましいと考えられる一例では、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備える。その場合、ダイクロイックミラーコート124は、波長λ付近の反射帯とそれよりも短波長側に広帯域化した反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。これに該当するダイクロイックミラーコート124として、表2と表3のaにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートおよび表2と表3のbにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。表2と表3のaのダイクロイックミラーコートの膜構成において、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層は23〜40層がこれに相当し、λを475nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3.15×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約1.12×λ/4である。また、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λよりも短波長側の光を反射する積層は5〜20層がこれに相当し、上記同様にλを475nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約0.93×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は0.94×λ/4である。同様に、表2と表3のbのダイクロイックミラーコートの膜構成においては、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層は45〜58層がこれに相当し、λを580nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3.16×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約1.16×λ/4である。また、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λよりも短波長側の光を反射する積層は23〜40層がこれに相当し、上記同様にλを580nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約0.94×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は0.95×λ/4である。
Figure 0004837279
Figure 0004837279
すなわち、表2と表3のaおよびbのダイクロイックミラーにおいては、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備えている。これらの例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲はλの選択によって変わるが、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.9〜1.2倍の範囲にあるときである。また、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあるときである。
ちなみに、表2と表3のaのダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図15に示し、表2と表3のbのダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図16に示す。これら図15と図16から明らかなように、どちらの例においても、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを、0度入射において透過しない。
本実施形態に相当するダイクロイックミラーコート124において好ましいと考えられる別の一例では、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備える。その場合、ダイクロイックミラーコート124は、波長λ付近の反射帯とそれよりも短波長側に広帯域化した反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。これに該当するダイクロイックミラーコート124として、表2と表3のcにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。表2と表3のcのダイクロイックミラーコートの膜構成において、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層は22〜39層がこれに相当し、λを490nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約1.17×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3.21×λ/4である。また、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λよりも短波長側の光を反射する積層は4〜17層がこれに相当し、上記同様にλを490nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約0.96×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は0.95×λ/4である。
すなわち、表2と表3のcのダイクロイックミラーにおいては、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備えている。これらの例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲はλの選択によって変わるが、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して0.9〜1.2倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあるときである。また、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあるときである。
ちなみに、表2と表3のcのダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図17に示す。この図17から明らかなように、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを、0度入射において透過しない。
さらに別の例では、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備える。その場合、ダイクロイックミラーコート124は、波長λ付近の反射帯とそれよりも短波長側に広帯域化した反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有する。これに該当するダイクロイックミラーコート124として、表2と表3のdにある膜構成を持つダイクロイックミラーコートが例示できる。表2と表3のdのダイクロイックミラーコートの膜構成において、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層は29〜48層がこれに相当し、λを515nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3.30×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3.28×λ/4である。また、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λよりも短波長側の光を反射する積層は5〜24層がこれに相当し、上記同様にλを515nmとしたときにその高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約0.95×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は0.96×λ/4である。
すなわち、表2と表3のdのダイクロイックミラーにおいては、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約3×λ/4であるλを効率良く反射する積層と、高屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4、低屈折率材料の平均的な光学膜厚が約λ/4である第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層を備えている。これらの例における好ましい平均的な光学膜厚の範囲はλの選択によって変わるが、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを効率良く反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して2.9〜3.4倍の範囲にあるときである。また、第一波長選択部材によって選択された光よりも短波長側の光を反射する積層では、高屈折率材料の平均的な光学膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあり、低屈折率材料の平均的な膜厚がλ/4に対して0.8〜1.1倍の範囲にあるときである。
ちなみに、表2と表3のdのダイクロイックミラーコートの分光透過率特性を図18に示す。この図18から明らかなように、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λを、0度入射において透過しない。
この例のようなダイクロイックミラーコート124によれば、光分割器が光軸に対して45°に配置された場合に生じるPS偏光の分離を、前述の三例(表2と表3のa,b,c)よりも小さくすることができる。
光分割器120は、平板状透明基板122のおもて面に施されたダイクロイックミラーコート124が、複数の積層部分を持つことによって反射帯域を確保できる。このため、光分割器120の反射帯域を広域化することが可能である。これによって、第一波長選択部材110に透過帯域が広い透過率特性を持つものを適用することが可能となる(例えば図15に示す場合)。光分割器120は、資料40から発生する蛍光を効率良く透過しながらも、光分割器120を透過する励起光の光量をほとんどなくすことができるため、前述した作用によってノイズの発生を減らすことができる。また、第一波長選択部材110に超広帯域の透過率特性を持つものが適用された場合でも対応が可能である。
第二波長選択部材130には、斜めに入射する光によるノイズを低減するために、第一波長選択部材で選択された波長の光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子が適用される場合が多い。しかし、本実施形態では、光分割器120は、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光をも良好に遮断するため、第二波長選択部材130に、斜めに入射する光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子を適用する必要がなくなる。
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態による落射顕微鏡の全体の構成は、第一実施形態と実質上同じであり、従って図1に示す通りである。しかし、本実施形態は、光分割器120の第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の分光特性が第一実施形態のそれと相違している。本実施形態では、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、ほぼ同じ帯域を反射し、ほぼ同じ帯域を透過する分光特性を有している。
つまり、第二ダイクロイックミラーコート126は、第一ダイクロイックミラーコート124の反射帯域とほぼ同じ波長帯域の光を反射する。さらに、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、試料から発せられる蛍光を透過する。
本実施形態の光分割器120では、励起光の透過率は、片面だけにダイクロイックミラーコートが施されている従来の光分割器に比べて二乗で下げられる。その結果、本実施形態の光分割器120は、第一波長選択部材110が狭帯域な場合、励起光をほぼ完全に反射して、透過を抑えることができる。
この結果、蛍光フィルターカセット側面壁での乱反射によるノイズ発生を抑えることができる。
第一ダイクロイックミラーコート124は、好ましくは、第一実施形態と同様に、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。その詳細は、第一実施形態において述べた通りである。
さらに、第二ダイクロイックミラーコート126は、好ましくは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。一例では、高屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、低屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4である。その場合、第二ダイクロイックミラーコート126は、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長に透過帯域を有する。
このような第二ダイクロイックミラーコート126は、第一ダイクロイックミラーコート124の反射帯域を良好に補完することが可能である。
本実施形態では、光分割器120は、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光をも良好に遮断するため、第二波長選択部材130に、斜めに入射する光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子を適用する必要がなくなる。その結果、効率良い蛍光観察を少ないノイズで行なうことが可能になる。さらには、第二波長選択部材130に、エコガラスを基板に用いた光学素子を適用することが可能である。その結果、顕微鏡のガラス部材を、地球環境に優しいエコガラスだけで構成することが可能になる。
本実施形態においても、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の膜厚は、好ましくは、膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコート124の物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコート126の物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいとよい。これによって、第一ダイクロイックミラーコート124を構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコート126を構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺されるため、透明体である平板状透明基板122の反りの発生が抑えられる。これは、照明性能と観察性能の向上につながる。
第一参考例
第一参考例による落射顕微鏡の全体の構成は、第一実施形態と実質上同じであり、従って図1に示す通りである。しかし、本参考例は、光分割器120の第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の分光特性が第一実施形態のそれと相違している。
図19は、第一参考例における、第一波長選択部材110の透過率特性Td2と、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta2と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb2とを示している。
図19に示されるように、第一波長選択部材110の透過率特性Td2の短波長側の透過帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta2の反射帯域の中に位置している。また、第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb2の反射帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta2の反射帯域よりも長波長側に位置している。第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta2の反射帯域と第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb2の反射帯域は重なることなく離れている。図19のTf3は第二波長選択部材130の透過率特性を示している。
図19から分かるように、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110を透過した励起光を反射する。第二ダイクロイックミラーコート126は、第一ダイクロイックミラーコート124の反射帯域に対して長波長側の光を反射する。さらに、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、試料から発せられる蛍光を透過する。
参考例では、光分割器120は、励起光の波長帯域のほかに、それより長波長側にも反射帯域を有している。このため、第一波長選択部材110で発生するある帯域の自家蛍光をカットすることができる。その結果、例えば、第一波長選択部材110での赤の自家蛍光による影響が大きい場合は、赤の波長の光を反射するダイクロイックミラーコートを第二ダイクロイックミラーコート126に適用することによって、また、例えば、TVカメラの近赤外域の感度が強く、近赤外域の自家蛍光をカットしたい場合は、近赤外域を反射するダイクロイックミラーコートを第二ダイクロイックミラーコート126に適用することによって、ノイズを抑えることができる。
第一ダイクロイックミラーコート124は、好ましくは、第一実施形態と同様に、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。その詳細は、第一実施形態において述べた通りである。
参考例では、光分割器120は、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光をも良好に遮断するため、第二波長選択部材130に、斜めに入射する光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子を適用する必要がなくなる。その結果、効率良い蛍光観察を少ないノイズで行なうことが可能になる。さらには、第二波長選択部材130に、エコガラスを基板に用いた光学素子を適用することが可能である。その結果、顕微鏡のガラス部材を、地球環境に優しいエコガラスだけで構成することが可能になる。
参考例においても、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の膜厚は、好ましくは、膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコート124の物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコート126の物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいとよい。これによって、第一ダイクロイックミラーコート124を構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコート126を構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺されるため、透明体である平板状透明基板122の反りの発生が抑えられる。これは、照明性能と観察性能の向上につながる。
第二参考例
第二参考例による落射顕微鏡の全体の構成は、第一実施形態と実質上同じであり、従って図1に示す通りである。しかし、本参考例は、光分割器120の第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の分光特性が第一実施形態のそれと相違している。本参考例では、第一波長選択部材110と第二波長選択部材130で選択される光の波長が2つあり、光分割器120もこれに対応するコートが施されている。
図20は、第二参考例における、第一波長選択部材110の透過率特性Td3と、平板状透明基板122のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta3と、平板状透明基板122のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb3と、第二波長選択部材130の透過率特性Tf3とを示している。
図20に示されるように、第一波長選択部材110の透過率特性Td3は、二つの透過帯域を有している。第一波長選択部材110の透過率特性Td3の短波長側の透過帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta3の反射帯域の中に位置している。第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb3の反射帯域は、第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta3の反射帯域よりも長波長側に位置している。第一ダイクロイックミラーコート124の透過率特性Ta3の反射帯域と第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb3の反射帯域は重なることなく離れている。第一波長選択部材110の透過率特性Td3の長い波長側の透過帯域は、第二ダイクロイックミラーコート126の透過率特性Tb3の反射帯域の中に位置している。
図20から分かるように、第一ダイクロイックミラーコート124は、第一波長選択部材110を透過した短波長側の励起光を反射する。第二ダイクロイックミラーコート126は、第一波長選択部材110を透過した長波長側の励起光を反射する。また、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、第一波長選択部材110を透過した二つの波長の励起光の照射によって試料から発せられる二つの波長の蛍光を透過する。さらに、第二波長選択部材130は、二つの波長の励起光の照射によって試料から発せられる二つの波長の蛍光だけを選択的に透過し、結像レンズ50によって、検出装置60の所定位置に結像され試料40に蛍光像を形成する。
この結果、二つの波長の蛍光を同時に観察することが可能になる。
従来の二波長励起の蛍光フィルターセットでは、光分割器のおもて面に、二つの反射帯域を持つダイクロイックミラーコートが施される。このようなダイクロイックミラーコートは、一つの反射帯域だけを持つダイクロイックミラーコートに比べて、反射率が低い。このため、二波長励起では、一波長励起に比べて、ノイズが発生しやすい。
参考例では、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126は、それぞれ、一つの反射帯域だけを有している。このため、本参考例の光分割器120は、反射率の低下を伴うことなく、二波長励起に対応している。その結果、ノイズの発生が低減される。
参考例では、二波長を選択する例で述べたが、三波長以上の複数の波長の蛍光を同時に観察することも可能である。
第一ダイクロイックミラーコート124は、好ましくは、第一実施形態と同様に、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られる。その詳細は、第一実施形態において述べた通りである。
参考例では、光分割器120は、第一波長選択部材110での散乱によって発生した第二波長選択部材130に向かう光をも良好に遮断するため、第二波長選択部材130に、斜めに入射する光を良好に吸収する色ガラスを基板に用いた光学素子を適用する必要がなくなる。その結果、効率良い蛍光観察を少ないノイズで行なうことが可能になる。さらには、第二波長選択部材130に、エコガラスを基板に用いた光学素子を適用することが可能である。その結果、顕微鏡のガラス部材を、地球環境に優しいエコガラスだけで構成することが可能になる。
参考例においても、第一ダイクロイックミラーコート124と第二ダイクロイックミラーコート126の膜厚は、好ましくは、膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコート124の物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコート126の物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいとよい。これによって、第一ダイクロイックミラーコート124を構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコート126を構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺されるため、透明体である平板状透明基板122の反りの発生が抑えられる。これは、照明性能と観察性能の向上につながる。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
以上で述べた本発明の各実施形態の落射顕微鏡は、正立型の顕微鏡を基本としているが、前記各実施形態に用いられている本発明の技術手段は、そのまま倒立型の顕微鏡にも用いることができる。
また、光源としてはレーザー光源のような単色光源を一つまたは複数もちいてもよい。この場合は、光源側で励起波長が選択されるため、第一波長選択部材が不要になる。
本発明は、ひとつには、落射顕微鏡に向けられており、以下の各項に列記する落射顕微鏡を含んでいる。
1. 本発明の落射顕微鏡は、試料を照明するための光を発する光源と、光源からの光を選択的に透過する第一波長選択部材と、第一波長選択部材からの光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる光を透過する光分割器と、光分割器を透過した光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、ダイクロイックミラーコートは第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する積層と、第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側の光または長波長側の光または同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する積層とを備えている。
2. 本発明の別の落射顕微鏡は、第1項に記載の落射顕微鏡において、光分割器における透明体は第一面と第二面を持ち、透明体に施されたダイクロイックミラーコートは、第一面に施された第一ダイクロイックミラーコートと、第二面に施された第二ダイクロイックミラーコートとを備えている。
第1項と第2項の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された波長の光と第一波長選択部材から放出された自家蛍光と第一波長選択部材で散乱された光を光分割器によって良好に反射することができる。
3. 本発明の別の落射顕微鏡は、第2項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された波長の光を反射して試料を落射照明するとともに、前記試料から発せられる光を透過する。
第3項の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された波長の光を第一ダイクロイックミラーコートによって観察光軸から外れることなく試料に照射することができる。
4. 本発明の別の落射顕微鏡は、第3項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
5. 本発明の別の落射顕微鏡は、第3項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
6. 本発明の別の落射顕微鏡は、第3項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
第4項と第5項と第6項の落射顕微鏡によれば、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を小さくできる。このため、光分割器は、第一波長選択部材によって選択される波長帯域の光を効率良く反射し、第二波長選択部材によって選択される波長帯域の光を効率良く透過することができる。特に第6項の落射顕微鏡は、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を、第4項と第5項の落射顕微鏡よりも小さくすることができる。
7. 本発明の別の落射顕微鏡は、第3項に記載の落射顕微鏡において、第二ダイクロイックミラーコートは、第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域に対して、短波長側の光または長波長側の光または同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射するとともに、試料から発せられる光を透過する。
第7項の落射顕微鏡によれば、光分割器の反射帯域を広げたり、複数の波長の光で落射照明したり、特定の波長帯域に対する光分割器の反射率を上げたりすることができる。
8. 本発明の別の落射顕微鏡は、第7項に記載の落射顕微鏡において、第二ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、短波長側の光λまたは長波長側の光λまたは同じ帯域の光λまたはこれらの組み合わせの光の中心波長λに対して、高屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、低屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、第二ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長に透過帯域を有している。
第8項の落射顕微鏡によれば、より広い波長帯域の光で落射照明することができる。
9. 本発明の別の落射顕微鏡は、第8項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有している。
10. 本発明の別の落射顕微鏡は、第8項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有している。
11. 本発明の別の落射顕微鏡は、第8項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に生じる透過帯域を有している。
第9項と第10項と第11項の落射顕微鏡によれば、第一ダイクロイックミラーコートによって、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を小くできる。さらに、第二ダイクロイックミラーコートによって第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域を補完することができる。これによって、第一波長選択部材から放出された自家蛍光や第一波長選択部材で散乱された光を効率良く反射することができる。
12. 本発明の別の落射顕微鏡は、第1項または第2項に記載の落射顕微鏡において、第一波長選択部材は、光源からの光線のうちの複数の波長の光を選択的に透過し、光分割器は、第一波長選択部材を透過した光を反射するとともに、試料から発せられる複数の波長の光を透過し、第二波長選択部材は、光分割器を透過した光のうちの所定の複数の波長の光を選択的に透過する。
第12項の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光で試料を落射照明することができる。
13. 本発明の別の落射顕微鏡は、第12項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、少なくとも一つの波長の光を反射して試料を落射照明する。
第13項の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうちの少なくとも一つの波長の光で試料を落射照明することができる。
14. 本発明の別の落射顕微鏡は、第13項に記載の落射顕微鏡において、第二ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、第一ダイクロイックミラーコートによって反射されない波長の光を反射して試料を落射照明する。
第14項の落射顕微鏡によれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光で試料を落射照明することができる。
15. 本発明の別の落射顕微鏡は、第1項〜第14項に記載の落射顕微鏡において、第一ダイクロイックミラーコートと第二ダイクロイックミラーコートの膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコートの物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコートの物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さい。
第15項の落射顕微鏡によれば、第一ダイクロイックミラーコートを構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコートを構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺させることができる。これによって、光分割器の透明体の変形が抑えられる。
本発明は、ひとつには、蛍光フィルターセットに向けられており、以下の各項に列記する蛍光フィルターセットを含んでいる。
16. 本発明の蛍光フィルターセットは、励起光を選択的に透過する第一波長選択部材と、第一波長選択部材からの励起光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる蛍光を透過する光分割器と、光分割器を透過した蛍光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、ダイクロイックミラーコートは第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する積層と、第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側の光または長波長側の光または同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する積層とを備えている。
17. 本発明の別の落射顕微鏡は、第1項に記載の落射顕微鏡において、光分割器における透明体は第一面と第二面を持ち、透明体に施されたダイクロイックミラーコートは、第一面に施された第一ダイクロイックミラーコートと、第二面に施された第二ダイクロイックミラーコートとを備えている。
第16項と第17項の蛍光フィルターセットによれば、第一波長選択部材によって選択された波長の光と第一波長選択部材から放出された自家蛍光と第一波長選択部材で散乱された光を光分割器によって良好に反射することができる。
18. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第17項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された波長の光を反射して試料を落射照明する。
第18項の蛍光フィルターセットによれば、第一波長選択部材によって選択された波長の光を第一ダイクロイックミラーコートによって観察光軸から外れることなく試料に照射することができる。
19. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第18項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
20. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第18項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
21. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第18項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有している。
第19項と第20項と第21項の蛍光フィルターセットによれば、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を小さくできる。このため、光分割器は、第一波長選択部材によって選択される波長帯域の光を効率良く反射し、第二波長選択部材によって選択される波長帯域の光を効率良く透過することができる。特に第21項の蛍光フィルターセットは、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を、第19項と第20項の蛍光フィルターセットよりも小さくすることができる。
22. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第18項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第二ダイクロイックミラーコートは、第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域に対して、短波長側の光または長波長側の光または同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射するとともに、試料から発せられる光を透過する。
第22項の蛍光フィルターセットによれば、光分割器の反射帯域を広げたり、複数の波長の光で落射照明したり、特定の波長帯域に対する光分割器の反射率を上げたりすることができる。
23. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第22項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第二ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、短波長側の光λまたは長波長側の光λまたは同じ帯域の光λまたはこれらの組み合わせの光の中心波長λに対して、高屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、低屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、第二ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長に透過帯域を有している。
第23項の蛍光フィルターセットによれば、より広い波長帯域の光で落射照明することができる。
24. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第23項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有している。
25. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第23項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有している。
26. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第23項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に生じる透過帯域を有している。
第24項と第25項と第26項の蛍光フィルターセットによれば、第一ダイクロイックミラーコートによって、光分割器が光軸に対して45度に配置された場合に生じるPS偏光の分離を小くできる。さらに、第二ダイクロイックミラーコートによって第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域を補完することができる。これによって、第一波長選択部材から放出された自家蛍光や第一波長選択部材で散乱された光を効率良く反射することができる。
27. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第16項または第17項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一波長選択部材は、光源からの光線のうちの複数の波長の光を選択的に透過し、光分割器は、第一波長選択部材を透過した光を反射するとともに、試料から発せられる複数の波長の光を透過し、第二波長選択部材は、光分割器を透過した光のうちの所定の複数の波長の光を選択的に透過する。
第27項の蛍光フィルターセットによれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光で試料を落射照明することができる。
28. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第27項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、少なくとも一つの波長の光を反射して試料を落射照明する。
第28項の蛍光フィルターセットによれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうちの少なくとも一つの波長の光で試料を落射照明することができる。
29. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第28項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第二ダイクロイックミラーコートは、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、第一ダイクロイックミラーコートによって反射されない波長の光を反射して試料を落射照明する。
第29項の蛍光フィルターセットによれば、第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光で試料を落射照明することができる。
30. 本発明の別の蛍光フィルターセットは、第16項〜第29項に記載の蛍光フィルターセットにおいて、第一ダイクロイックミラーコートと第二ダイクロイックミラーコートの膜厚の比(第一ダイクロイックミラーコートの物理膜厚/第二ダイクロイックミラーコートの物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さい。
第30項の蛍光フィルターセットによれば、第一ダイクロイックミラーコートを構成する干渉膜による応力と第二ダイクロイックミラーコートを構成する干渉膜による応力とをほぼ相殺させることができる。これによって、光分割器の透明体の変形が抑えられる。
本発明の第一実施形態による顕微鏡の構成を示している。 本発明の第一実施形態における、第一波長選択部材の透過率特性Td1と、平板状透明基板のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコートの透過率特性Ta1と、平板状透明基板のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコートの透過率特性Tb1とを示している。 第一波長選択部材での散乱によって光分割器と第二波長選択部材に向かう光が発生する様子を示している。 第一波長選択部材の透過率特性Td1と、第一実施形態の光分割器の45度入射に対する透過率特性Tc1と、第一実施形態の光分割器の0度入射(垂直入射)に対する透過率特性Tc2とを示している。 第一波長選択部材の透過率特性と、従来の光分割器の45度入射に対する透過率特性と、従来の光分割器の0度入射(垂直入射)に対する透過率特性とを示している。 表1のAの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 表1のBの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 表1のCの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 反射帯域が広域化された光分割器の二つのダイクロイックミラーコートの分光透過率特性Ta1とTb1と、この光分割器に適用可能な広い透過帯域を持つ第一波長選択部材の透過率特性Td1とを示している。 表1のDの膜構成を持つ第二ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 第一ダイクロイックミラーコートとして表1のAが施され、第二ダイクロイックミラーコートとして表1のDが施された光分割器の分校透過率特性を示している。 第一ダイクロイックミラーコートとして表1のBが施され、第二ダイクロイックミラーコートとして表1のDが施された光分割器の分校透過率特性を示している。 第一ダイクロイックミラーコートとして表1のCが施され、第二ダイクロイックミラーコートとして表1のDが施された光分割器の分校透過率特性を示している。 図1に示された光分割器に代えて適用可能な別の光分割器であって、透明体が接合プリズムで構成されている光分割器を示している。 表2と表3のaの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 表2と表3のbの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 表2と表3のcの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 表2と表3のdの膜構成を持つ第一ダイクロイックミラーの分光透過率特性を示している。 第一参考例における、第一波長選択部材の透過率特性Td2と、平板状透明基板のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコートの透過率特性Ta2と、平板状透明基板のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコートの透過率特性Tb2とを示している。 第二参考例における、第一波長選択部材の透過率特性Td3と、平板状透明基板のおもて面に施された第一ダイクロイックミラーコートの透過率特性Ta3と、平板状透明基板のうら面に施された第二ダイクロイックミラーコートの透過率特性Tb3とを示している。 蛍光フィルターセットを備えた従来の顕微鏡の構成を示している。
符号の説明
10…光源、20…照明光学系、30…対物レンズ、40…試料、50…結像レンズ、60…検出装置、100…蛍光フィルターセット、110…第一波長選択部材、112…第一光学フィルター、120…光分割器、122…平板状透明基板、124…第一ダイクロイックミラーコート、126…第二ダイクロイックミラーコート、128…ダイクロイックミラーコート、130…第二波長選択部材、132…第二光学フィルター。

Claims (30)

  1. 試料を照明するための光を発する光源と、
    前記光源からの光を選択的に透過する第一波長選択部材と、
    前記第一波長選択部材からの光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる光を透過する光分割器と、
    前記光分割器を透過した光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、
    前記光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、前記ダイクロイックミラーコートは前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する第一ダイクロイックミラーコートと、前記第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する前記第一ダイクロイックミラーコートと反射帯域が部分的に重なっている第二ダイクロイックミラーコートとを備えていることを特徴とする落射顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の落射顕微鏡において、前記光分割器における前記透明体は前記第一波長選択部材側の第一面と前記第二波長選択部材側の第二面を持ち、前記透明体に施されたダイクロイックミラーコートは、第一面に施された前記第一ダイクロイックミラーコートと、第二面に施された前記第二ダイクロイックミラーコートとを備えていることを特徴とする落射顕微鏡。
  3. 請求項2に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、少なくとも前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する積層を備えることで前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を反射して試料を落射照明するとともに、前記試料から発せられる光を透過することを特徴とする落射顕微鏡。
  4. 請求項3に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  5. 請求項3に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  6. 請求項3に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  7. 請求項3に記載の落射顕微鏡において、前記第二ダイクロイックミラーコートは、前記第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域に対して、短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射するとともに、試料から発せられる光を透過することを特徴とする落射顕微鏡。
  8. 請求項7に記載の落射顕微鏡において、前記第二ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、短波長側の光λまたは長波長側の光λまたは同じ帯域の光λまたはこれらの組み合わせの光の中心波長λに対して、高屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、低屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、前記第二ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長に透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  9. 請求項8に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  10. 請求項8に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  11. 請求項8に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に生じる透過帯域を有していることを特徴とする落射顕微鏡。
  12. 請求項1または請求項2に記載の落射顕微鏡において、前記第一波長選択部材は、光源からの光線のうちの複数の波長の光を選択的に透過し、前記光分割器は、前記第一波長選択部材を透過した光を反射するとともに、試料から発せられる複数の波長の光を透過し、前記第二波長選択部材は、前記光分割器を透過した光のうちの所定の複数の波長の光を選択的に透過することを特徴とする落射顕微鏡。
  13. 請求項12に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートは、前記第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、少なくとも一つの波長の光を反射して試料を落射照明することを特徴とする落射顕微鏡。
  14. 請求項13に記載の落射顕微鏡において、前記第二ダイクロイックミラーコートは、前記第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、前記第一ダイクロイックミラーコートによって反射されない波長の光を反射して試料を落射照明することを特徴とする落射顕微鏡。
  15. 請求項1〜請求項14に記載の落射顕微鏡において、前記第一ダイクロイックミラーコートと前記第二ダイクロイックミラーコートの膜厚の比(前記第一ダイクロイックミラーコートの物理膜厚/前記第二ダイクロイックミラーコートの物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいことを特徴とする落射顕微鏡。
  16. 励起光を選択的に透過する第一波長選択部材と、
    前記第一波長選択部材からの励起光を反射して試料を落射照明するとともに、試料から発せられる蛍光を透過する光分割器と、
    前記光分割器を透過した蛍光を選択的に透過する第二波長選択部材とを備えており、
    前記光分割器は、透明体と、その透明体に施されたダイクロイックミラーコートとからなり、前記ダイクロイックミラーコートは前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を効率良く反射する第一ダイクロイックミラーコートと、第一波長選択部材よって選択された光よりも短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射する前記第一ダイクロイックミラーコートと反射帯域が部分的に重なっている第二ダイクロイックミラーコートとを備えていることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  17. 請求項16に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記光分割器における前記透明体は前記第一波長選択部材側の第一面と前記第二波長選択部材側の第二面を持ち、前記透明体に施されたダイクロイックミラーコートは、第一面に施された前記第一ダイクロイックミラーコートと、第二面に施された前記第二ダイクロイックミラーコートとを備えていることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  18. 請求項17に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、前記第一波長選択部材によって選択された波長の光を反射して試料を落射照明するとともに、前記試料から発せられる光を透過することを特徴とする蛍光フィルターセット。
  19. 請求項18に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  20. 請求項18に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  21. 請求項18に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に前記第一波長選択部材からの光を反射する反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に前記試料から発せられた光を透過する透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  22. 請求項18に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第二ダイクロイックミラーコートは、前記第一ダイクロイックミラーコートの反射帯域に対して、短波長側のまたは同じ帯域の光またはこれらの組み合わせの光を反射するとともに、試料から発せられる光を透過することを特徴とする蛍光フィルターセット。
  23. 請求項22に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第二ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、短波長側の光λまたは長波長側の光λまたは同じ帯域の光λまたはこれらの組み合わせの光の中心波長λに対して、高屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、低屈折率材料は平均的な光学膜厚が約λ/4であり、前記第二ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長に透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  24. 請求項23に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  25. 請求項23に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  26. 請求項23に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、屈折率が2.0以上の高屈折率材料と、屈折率が1.5以下の低屈折率材料とを20層以上積層して作られており、前記第一波長選択部材によって選択された光の中心波長λに対して、高屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、低屈折率材料の平均的な光学膜厚は約3×λ/4であり、前記第一ダイクロイックミラーコートは、波長λの付近に反射帯域を有し、反射帯域よりも長波長側に生じる透過帯域を有していることを特徴とする蛍光フィルターセット。
  27. 請求項16または請求項17に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一波長選択部材は、光源からの光線のうちの複数の波長の光を選択的に透過し、前記光分割器は、前記第一波長選択部材を透過した光を反射するとともに、試料から発せられる複数の波長の光を透過し、前記第二波長選択部材は、前記光分割器を透過した光のうちの所定の複数の波長の光を選択的に透過することを特徴とする蛍光フィルターセット。
  28. 請求項27に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートは、前記第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、少なくとも一つの波長の光を反射して試料を落射照明することを特徴とする蛍光フィルターセット。
  29. 請求項28に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第二ダイクロイックミラーコートは、前記第一波長選択部材によって選択された複数の波長の光のうち、前記第一ダイクロイックミラーコートによって反射されない波長の光を反射して試料を落射照明することを特徴とする蛍光フィルターセット。
  30. 請求項16〜請求項29に記載の蛍光フィルターセットにおいて、前記第一ダイクロイックミラーコートと前記第二ダイクロイックミラーコートの膜厚の比(前記第一ダイクロイックミラーコートの物理膜厚/前記第二ダイクロイックミラーコートの物理膜厚)が1/3よりも大きく、3よりも小さいことを特徴とする蛍光フィルターセット。
JP2004355747A 2004-04-05 2004-12-08 落射顕微鏡および蛍光フィルターセット Active JP4837279B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004355747A JP4837279B2 (ja) 2004-04-05 2004-12-08 落射顕微鏡および蛍光フィルターセット
US11/097,351 US7285787B2 (en) 2004-04-05 2005-04-04 Epi-illumination microscope and fluorescence filter set

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004111356 2004-04-05
JP2004111356 2004-04-05
JP2004355747A JP4837279B2 (ja) 2004-04-05 2004-12-08 落射顕微鏡および蛍光フィルターセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005321753A JP2005321753A (ja) 2005-11-17
JP4837279B2 true JP4837279B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=35095928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004355747A Active JP4837279B2 (ja) 2004-04-05 2004-12-08 落射顕微鏡および蛍光フィルターセット

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7285787B2 (ja)
JP (1) JP4837279B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090080194A1 (en) * 2006-02-15 2009-03-26 Li-Cor, Inc. Fluorescence filtering system and method for molecular imaging
JP5021254B2 (ja) * 2006-09-06 2012-09-05 オリンパス株式会社 顕微鏡装置の制御方法、顕微鏡装置
GB0715168D0 (en) * 2007-08-03 2007-09-12 Enigma Diagnostics Ltd Illumination apparatus for use in fluorescence-based detection
JP2009122203A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Shimadzu Corp 光学フィルタ、蛍光分析用フィルタセット及びその光学フィルタを用いた蛍光測定装置
DE102008035770A1 (de) 2008-07-31 2010-02-18 Eads Deutschland Gmbh Optischer Partikeldetektor sowie Detektionsverfahren
WO2010032306A1 (ja) * 2008-09-18 2010-03-25 株式会社島津製作所 蛍光画像検出装置及び蛍光画像検出方法
WO2013070485A1 (en) * 2011-11-07 2013-05-16 Corning Incorporated Apparatus for substance detection
US9375172B2 (en) 2011-11-07 2016-06-28 Corning Incorporated Apparatus for substance detection
JP6237626B2 (ja) * 2012-07-19 2017-11-29 株式会社ニコン 光学装置及び撮像装置
WO2015087824A1 (ja) * 2013-12-09 2015-06-18 株式会社ニコン 光学装置、測定装置、測定方法、スクリーニング装置及びスクリーニング方法
JP6457186B2 (ja) * 2014-03-27 2019-01-23 オリンパス株式会社 蛍光キューブ及び光学顕微鏡
US9541750B2 (en) 2014-06-23 2017-01-10 Li-Cor, Inc. Telecentric, wide-field fluorescence scanning systems and methods
CN108351301B (zh) * 2015-09-02 2021-03-09 英思克斯公司 用于彩色成像的系统和方法
EP3371572B1 (en) 2015-11-05 2021-05-05 Inscopix, Inc. System for optogenetic imaging
US9645291B1 (en) 2016-04-18 2017-05-09 Ii-Vi Incorporated Voltage-tunable optical filters for instrumentation applications

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS523585B2 (ja) * 1972-07-23 1977-01-28
CH556548A (de) * 1972-09-19 1974-11-29 Balzers Patent Beteilig Ag Aus abwechselnd hoch- und niederbrechenden oxidschichten aufgebautes verlustarmes, hochreflektierendes vielschichtsystem.
JPS53125045A (en) * 1977-04-08 1978-11-01 Ricoh Co Ltd Multilaer film reflecting mirror
JPS547359A (en) * 1977-06-17 1979-01-20 Canon Inc Dichroic film having suitable half-width
JPS54110855A (en) * 1978-02-17 1979-08-30 Canon Inc Dichroic film
US4709144A (en) * 1986-04-02 1987-11-24 Hewlett-Packard Company Color imager utilizing novel trichromatic beamsplitter and photosensor
JP2637432B2 (ja) * 1987-06-30 1997-08-06 ホ−ヤ株式会社 レーザ光反射フィルタレンズ
US5072382A (en) * 1989-10-02 1991-12-10 Kamentsky Louis A Methods and apparatus for measuring multiple optical properties of biological specimens
US5296961A (en) * 1991-04-23 1994-03-22 Coherent, Inc. Dichroic optical filter
US5371624A (en) * 1991-11-29 1994-12-06 Olympus Optical Co., Ltd. Reflected fluorescence microscope
JP3222546B2 (ja) * 1992-06-04 2001-10-29 旭光学工業株式会社 紫外線照射装置の多層膜反射鏡および紫外線照射装置
US5339198A (en) * 1992-10-16 1994-08-16 The Dow Chemical Company All-polymeric cold mirror
JPH07209516A (ja) * 1994-01-21 1995-08-11 Nippon Electric Glass Co Ltd 光学多層膜フィルタ
JPH08254612A (ja) * 1995-03-15 1996-10-01 Canon Inc 多層膜光学部品およびその製造方法
JP3526489B2 (ja) * 1995-05-25 2004-05-17 オリンパス株式会社 落射蛍光顕微鏡
JPH08320412A (ja) * 1995-05-26 1996-12-03 Nikon Corp 反射型帯域フィルター
JPH0996720A (ja) * 1995-09-29 1997-04-08 Omron Corp 光学装置
JP3699761B2 (ja) * 1995-12-26 2005-09-28 オリンパス株式会社 落射蛍光顕微鏡
JP2000098244A (ja) * 1998-09-24 2000-04-07 Olympus Optical Co Ltd 蛍光顕微鏡
DE19858206C2 (de) * 1998-12-17 2001-10-11 Leica Microsystems Verfahren zur Anpassung von Anregungsintensitäten bei einem Multiband-Fluoreszenz-Mikroskop und Multiband-Fluoreszenz-Mikroskop zur Durchführung des Verfahrens
DE19903486C2 (de) * 1999-01-29 2003-03-06 Leica Microsystems Verfahren und Vorrichtung zur optischen Untersuchung von strukturierten Oberflächen von Objekten
JP3065081B1 (ja) * 1999-09-08 2000-07-12 セイコーエプソン株式会社 投写型表示装置
US7105795B2 (en) * 2001-07-06 2006-09-12 Palantyr Research, Llc Imaging system, methodology, and applications employing reciprocal space optical design
WO2003019161A1 (en) * 2001-08-23 2003-03-06 D.N.R. - Imaging Systems Ltd. Optical system and method for inspecting fluorescently labeled biological specimens
US6750457B2 (en) * 2001-08-29 2004-06-15 Becton Dickinson And Company System for high throughput analysis
JP2004012702A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Nikon Corp 蛍光観察用の落射照明装置およびそれを備えた蛍光顕微鏡
US6906859B2 (en) * 2002-06-05 2005-06-14 Nikon Corporation Epi-illumination apparatus for fluorescent observation and fluorescence microscope having the same
JP4488299B2 (ja) * 2004-07-22 2010-06-23 オリンパス株式会社 ダイクロイックミラー、蛍光フィルタセットおよび顕微鏡装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7285787B2 (en) 2007-10-23
JP2005321753A (ja) 2005-11-17
US20050231715A1 (en) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7285787B2 (en) Epi-illumination microscope and fluorescence filter set
JP3999479B2 (ja) 光学装置
JP4198086B2 (ja) 蛍光観察用装置
CA2845636C (en) Glucose sensor
US7126751B2 (en) Anti-reflection film and microscope having optical element with the same anti-reflection film applied thereto
US20070188760A1 (en) Fluorescence filtering system and method for molecular imaging
KR20100125014A (ko) 생의학용 반사/형광 복합 in-vivo 공초점 레이저 주사 현미경
US8933417B2 (en) Combined lens and reflector, and an optical apparatus using the same
JP4533628B2 (ja) 表面下自己蛍光の分光装置
WO2022247946A1 (zh) 一种多荧光图像获取系统和方法及应用
KR20190024510A (ko) 분광기용 집광 광학계 및 이를 포함하는 라만 분광 시스템
US8456628B2 (en) Spectroscopy system
JP4488299B2 (ja) ダイクロイックミラー、蛍光フィルタセットおよび顕微鏡装置
JPH09292572A (ja) 落射型蛍光顕微鏡
JP4786154B2 (ja) 反射防止膜を設けた光学素子を備えた顕微鏡
JP2009019961A (ja) 蛍光検出システム
CN106662738A (zh) 光学元件
JP2006038940A5 (ja)
JP2007298310A (ja) 光学装置
US20080030858A1 (en) Optical filter and optical apparatus
JP6457186B2 (ja) 蛍光キューブ及び光学顕微鏡
Balaa et al. Live cell imaging with surface plasmon-mediated fluorescence microscopy
US20130308126A1 (en) Lightguides to simplify total emission detection for multiphoton microscopy
JP2004013128A (ja) 蛍光顕微鏡
CN116559072A (zh) 微型显微拉曼装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110928

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4837279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250