JP4837255B2 - 改善された接着性を有する重合した液晶フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、基板、特にプラスチック基板への改善された接着性を有する重合した液晶(LC)材料を含むフィルム、このようなフィルムを製造するための方法、このようなフィルムの製造のために用いられる重合可能なLC材料、このようなフィルムを含む多層並びにフィルム、材料および多層の、光学的、電気光学的、装飾またはセキュリティーデバイスおよび用途への使用に関する。
重合可能な液晶(LC)材料は、液晶ディスプレイにおける光学的フィルムの製造のために一般的に用いられている。これらの材料は、通常、2つまたは3つ以上の重合可能な基を有し(二官能性(di-functional)または多官能性(multi-functional))、架橋されて硬質フィルムを形成する、ある量の化合物を含む。しかし、これらの硬質フィルムは、しばしば、製造プロセスにおいて一般的に用いられるプラスチック基板の表面に容易に接着しない。その理由は、重合および架橋プロセスにより、フィルムが収縮するからである。従って、このようなLC材料から製造されたフィルムは、通常層剥離し、他の基板、例えば液晶ディスプレイにおいて用いるための偏光板のガラスまたはプラスチックに再付着する。しかし、層剥離および代替の基板への適用のプロセスは、時間および材料において犠牲が大きい。これはまた、フィルムの損失が、層剥離または再積層の間の損傷により生じ、製品の一層低い全体的な収量をもたらす2つのポテンシャル点(potential point)を生じる。
従来技術において、また、接着層および配向層を用いてLCポリマーフィルムをプラスチック基板に接着させることが、報告されている。例えば、特許文献1には、光学的補償シートをトリアセチルセルロース(TAC)の透明な基板上に製造する方法であって、先ずゼラチンの接着層をTACフィルム上に設けることによる方法が開示されている。次に、配向層が、重合可能な基の添加により化学的に修飾された、変性したポリビニルアルコール(PVA)の溶液を、ゼラチン層上に塗布し、溶媒を蒸発させ、重合したPVA層の表面を一定方向にラビングすることにより形成する。最後に、ディスコティックLC材料を含む光学的に異方性の層を、PVA層のラビングした表面上に塗布し、重合させる。
特許文献2には、光学的補償シートの製造方法であって、重合可能な基の添加により化学的に修飾された、変性したポリビニルアルコール(PVA)の溶液を、透明な基板上に塗布し、溶媒を蒸発させ、PVA層の表面を一定方向にラビングすることによる、前記方法が開示されている。次に、ディスコティックLC材料を含む光学的に異方性の層を、PVA層のラビングした表面上に塗布し、重合させる。その後、フィルムに、熱処理を施し、これにより、PVA層およびディスコティックLC層は、遊離の架橋可能な基を介して、互いに化学的に結合することが報告されている。
しかし、前述の方法には、多くの別個の塗布段階が必要である。さらに、アイソトロピック材料、例えばゼラチンまたはPVAを含む、いくつかの中間層、例えば接着または配向層を用いることにより、光学的フィルムの光学的性能に負の影響が生じ得る。
米国特許第5,631,051号明細書 米国特許第5,747,121号明細書
従って、プラスチック基板に良好に接着し、一方加工時間を節約し、LCフィルムの加工損傷による損失を減少させる、架橋したLC材料のフィルムを提供する有利な方法に対する必要性がある。
本発明の発明者等は、従来技術の方法の前述の欠点は、低い百分率の二官能性または多官能性化合物を含む重合可能なLC材料を用いて、例えば光学成分(component)として用いるための低い程度の架橋を有するLCポリマーフィルムを製造することにより克服することができることを見出した。このようなフィルムは、光学フィルム産業において一般的に用いられているプラスチック基板に一層良好に接着する。低い程度に架橋したLCフィルムは、柔軟であり、機械的応力に対して感受性であることができるため、これは、好ましくは、ハードコート(hardcoat)により、または高い程度の架橋を含む他の重合したLCフィルムにより被覆される。次に、高い程度に架橋した、および硬質のLCフィルムは、柔軟なLCフィルムのための保護層として作用することができ、柔軟なLCフィルムは、プラスチック基板または他のフィルムに積層させた際に、硬質のLCフィルムのための接着層として作用することができる。
WO 96/10768には、傾斜したかまたは広がった配向を有する重合したLC材料を含むフィルムの製造が記載されている。LC材料の配向は、また重合したLC材料を含むプレティルト層を適用することにより、達成される。しかし、WO 96/10768には、異なる量の二官能性または多官能性化合物を有するLC材料を用いることが開示されておらず、硬質LCフィルムの乏しい接着性および/または柔軟なLCフィルムの機械的損傷の問題を扱っていない。
用語の定義
用語「フィルム」は、いくらか顕著な機械的安定性および可撓性を示す自立性、即ち独立して立つフィルムまたは材料の層、並びに支持基板上または2枚の基板の間の被膜または層を含む。
用語「液晶性またはメソゲン性材料」または「液晶性またはメソゲン性化合物」は、1つまたは2つ以上の棒型、板型またはディスク型のメソゲン性基、即ち液晶相挙動を誘発する能力を有する基を含む材料または化合物を含む。棒型または板型基を有する液晶(LC)化合物はまた、業界において、「カラマイト性(calamitic)」液晶として知られている。ディスク型基を有する液晶化合物はまた、業界において、「ディスコティック」液晶として知られている。メソゲン性基を含む化合物または材料は、必ずしもそれら自体液晶相を示す必要はない。また、これらが、他の化合物との混合物においてのみ、あるいはメソゲン性化合物もしくは材料またはこれらの混合物を重合させた際に、液晶相挙動を示すことが可能である。
単純のために、用語「液晶材料」を、液晶材料およびメソゲン性材料の両方について用い、用語「メソゲン」を、材料のメソゲン性基について用いる。
用語「ダイレクター」は、液晶材料中のメソゲンの、カラマイト性化合物の場合において分子の長軸の、またはディスコティック化合物の場合においては分子の短軸の好ましい配向方向を意味する。
用語「平面状構造」または「平面状配向」は、光学軸が、層の平面にほぼ平行である、光学的に異方性の材料の層を意味する。
用語「ホメオトロピック構造」または「ホメオトロピック配向」は、光学軸が、層の平面にほぼ垂直である、光学的に異方性の材料の層を意味する。
用語「傾斜した構造」または「傾斜した配向」は、光学軸が、層の平面に対して0〜90度の角度θで傾斜している、光学的に異方性の材料の層を意味する。
用語「広がった構造」または「広がった配向」は、層内のティルト角が、層の平面に対して垂直な方向において、0〜90°、好ましくは最小値から最大値までの範囲において単調に変化する、前に定義したティルト配向を意味する。
他に述べない限り、広がった層のティルト角は、
Figure 0004837255
式中、θ’(d’)は、層内の厚さd’における局所的なティルト角であり、dは、合計の層の厚さである、
として定義される平均ティルト角θaveとして与えられる。
用語「らせん的にねじれた構造」は、メソゲンが、分子副層内の好ましい方向においてこれらの主要な分子軸で配向しており、種々の副層中の前述の好ましい配向方向が、らせん軸の周囲に角度φでねじれている、液晶材料の1または2以上の層を含むフィルムを意味する。用語「平面状配向を有するらせん的にねじれた構造」は、前述のらせん的にねじれた構造を有するフィルムであって、らせん軸が、フィルム平面にほぼ垂直である、即ちフィルム法線に対してほぼ平行である、前記フィルムを意味する。この定義は、フィルム平面に対して、75〜90°、好ましくは80〜90°、極めて好ましくは85〜90°および最も好ましくは88〜90°のらせん軸の配向を含む。
他に述べない限りは、以下において、重合可能な液晶材料中の個別の固体または液晶化合物の重量百分率(重量%)は、前述の材料中の固体または液晶化合物の合計量に関する。
発明の概要
本発明は、重合した液晶(LC)材料を含むフィルムであって、これが、7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能な材料から得られることを特徴とする、前記フィルムに関する。
本発明は、さらに、7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能なLC材料に関する。
本発明は、さらに、プラスチック基板、前記基板上に設けられた、本発明の少なくとも1つのLCポリマーフィルムおよび、前記少なくとも1つのLCポリマーフィルムの、前記基板とは逆の表面上に設けられた、機械的応力に対する改善された耐性を有する少なくとも1つのハードコートフィルムを含む、多層に関する。
本発明は、さらに、本発明のポリマーフィルムまたは多層を製造するための方法に関する。
本発明は、さらに、本発明のフィルム、材料、多層または方法の、光学的、電気光学的、情報蓄積、装飾およびセキュリティー用途における使用に関する。
本発明は、さらに、本発明のフィルム、材料または多層を含む、光学成分またはデバイスに関する。
本発明は、さらに、本発明のフィルム、材料または多層を含む、液晶ディスプレイに関する。
本発明は、さらに、本発明のフィルム、材料または多層を含む、鑑定、確認またはセキュリティーマーキングまたは着色絵柄に関する。
本発明は、さらに、本明細書中に記載した鑑定、確認またはセキュリティーマーキングまたは着色絵柄を含む、物品または有価証券に関する。
発明の詳説
前に述べたように、本発明の低い程度に架橋したLCフィルムは、柔軟であり、いくつかの用途において、機械的応力に対して感受性である傾向がある。従って、好ましい態様において、本発明の低い程度に架橋したLCフィルムは、ハードコートまたは保護フィルムにより、損傷に対して保護されている。
好適なハードコートまたは保護フィルムは、専門家に知られており、文献中に刊行されている。特に好適であり、好ましいハードコートは、単官能性、二官能性または多官能性アクリレート、例えばメチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリプロピレンリコールジアクリレート(TPGDA)またはペンタエリスリトールテトラアクリレートを含む架橋したアクリレート配合物、さらに商業的に入手できる重合可能な配合物またはハードコート、例えばエベクリル(Ebecryl)(登録商標)270、5129または350(UCB Chemicals Ltd.から)、トップコート(Topcoat)604(Eques Coatings B.V., NL)または前述の混合物もしくは改変から選択される。
本発明は、さらに、多層の製造方法であって、
7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能なLC材料の層を、基板上に、プラスチック基板上に設け、
随意に、LC材料を均一な配向に配向させ、
LC材料を重合させ、
ハードコートを、重合したLC材料の自由表面上に設ける
ことによる、前記方法に関する。
本発明の低い程度に架橋したLCフィルムは、特にプラスチック基板に対して良好な接着性を有し、従って、他の方法では基板に良好に接着しないその後のLC層のための接着またはベースコーティングとして用いることができる。
さらに、本発明の低い程度に架橋したLCフィルムは、低い程度に架橋したLCフィルムの最上部上に塗布されたその後のLC層に、配向を付与することができる。従って、これを、その後のLC層のための配向層として用いることができる。本発明のLCフィルムの厚さにおける変化により、その後のLC層の配向、特にティルト角に影響することが可能である。例えば、平面状配向を有する本発明の一層薄いLCフィルムを用いて、その後のLC層における平面状配向を誘発することができる。傾斜したかまたは広がった配向を有する本発明の一層厚いLCフィルムを用いて、その後のLC層において傾斜したかまたは広がった配向を誘発することができる。
従って、本発明の他の好ましい態様は、低い程度に架橋したかまたは柔軟なLCフィルムのベース層を含み、さらにベース層よりも高い程度の架橋を有し、従って一層硬質である、少なくとも1つの他の重合したLCフィルムを含む、多層に関する。ディスプレイまたは光学デバイスにおけるプラスチック基板または他の光学フィルム成分上に塗布または積層させた際に、硬質のLCフィルムは、柔軟なLCフィルムのための保護層として作用し、一方柔軟なLCフィルムは、硬質のLCフィルムのための配向層および/または接着層として作用する。
前記した多層において、柔軟なLCフィルムもしくは硬質のLCフィルムのいずれか、または両方のフィルムが、光学層として作用することができる。アイソトロピックまたは伸長ポリマーを含む慣用のハードコートまたは保護、接着もしくは配向層と比較して、硬質の、および柔軟なLCフィルムの組み合わせは、最終的な光学製品の光学的性能の顕著な改善を可能にする、同様の光学的特性を有するLC材料を用いることができるという利点を有する。
光学フィルム産業において、フィルムを最小の厚さに維持する要求がある。この結果、比較的高価なLC材料が節約される。しかし、前記した多層において、光学層として作用するLCフィルムの厚さを減少させることは可能ではない。その理由は、この層の厚さが、所要の光学的特性により決定されるからである。従って、この多層において、柔軟な、および硬質のLCフィルムの1つのみが、光学層として作用する場合には、他の層の厚さを減少させ、これが次に、主に、光学層のための接着、配向または保護層として作用する機能を有するのが好ましい。
光学層として作用する、高い程度に、または低い程度に架橋したLCフィルムの好ましい厚さは、フィルムまたは最終的な製品から望まれる光学的特性により、決定される。低い程度に架橋したフィルムが、主に光学層として作用せず、例えば接着もしくは配向層として作用する場合、または高い程度に架橋したLCフィルムが、主に光学層として作用せず、例えば保護もしくはハードコート層として作用する場合には、この厚さは、好ましくは、1μmより大きくなく、特に0.5μmより大きくなく、極めて好ましくは0.2μmより大きくない。
本発明は、さらに、多層の製造方法であって、
7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む第1の重合可能なLC材料の層を、プラスチック基板上に設け、
随意に、前記第1のLC材料を均一な配向に配向させ、
前記第1のLC材料を重合させ、
20重量%より多い2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む第2の重合可能なLC材料の層を、前記第1の重合したLC材料の自由表面上に設け、
随意に、前記第2のLC材料を均一な配向に配向させ、
前記第2のLC材料を重合させる
ことによる、前記方法に関する。
低い程度に架橋したLCフィルムは、好ましくは、平面状配向を有する。
高い程度に架橋したLCフィルムは、好ましくは、平面状または傾斜したかまたは広がった配向を有する。
好適なプラスチック基板、例えば光学フィルム産業において用いられている慣用の基板は、専門家に知られており、文献中に記載されている。重合のために特に好適であり、好ましい基板は、例えばポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)、特に好ましくはPETまたはTACである。
LCフィルムは、好ましくは、重合可能なLC材料から、インサイチュ(in-situ)重合により製造される。好ましい製造方法において、重合可能なLC材料を、例えばWO 01/20394、GB 2,315,072またはWO 98/04651に記載されているように、基板上に塗布し、所望の配向に配向させ、その後例えば熱または化学線に暴露することにより重合させる。
従って、本発明は、さらに、改善された接着性を有する重合したLCフィルムを基板上に製造する方法であって、
7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能なLC材料の層を、基板上に設け、
随意に、LC材料を均一な配向に配向させ、
前記LC材料を重合させ、
随意に重合したフィルムを基板から除去する
ことによる、前記方法に関する。
特に好ましくは、低い程度に架橋されたフィルムの製造のために用いられる重合可能なLC材料は、(重量%で)
70〜99%、好ましくは85〜99%、極めて好ましくは93〜99%の、1つの重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
0%より多く、7%まで、好ましくは1〜7%、極めて好ましくは2〜7%、最も好ましくは4〜7%の、2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
0〜15%、好ましくは0〜10%、極めて好ましくは0〜5%の、重合可能でない化合物、
0〜10%、好ましくは0.1〜6%の、1種または2種以上の重合開始剤
を含む。
重合可能なLC材料において用いられる重合可能な化合物は、好ましくは、メソゲン性または液晶性化合物である。従って、重合可能なLC材料は、典型的には、1種または2種以上の重合可能なキラルな、またはアキラルなメソゲン性または液晶性化合物を含む。これは、好ましくは、1つの重合可能な基を有する1種または2種以上の重合可能な化合物(単反応性(monoreactive))および2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する1種または2種以上の重合可能な化合物(二反応性(direactive)または多反応性(multireactive))を含む混合物である。
他の好ましい態様において、重合可能なLC材料は、20重量%までの1つの重合可能な官能基を有する単反応性非メソゲン性化合物を含む。代表例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである。
他の好ましい態様において、低い程度に架橋したフィルムの製造のために用いられる重合可能なLC材料は、2つより多い重合可能な基を有する化合物を含まない。
他の好ましい態様において、低い程度に架橋したフィルムの製造のために用いられる重合可能なLC材料は、アキラルな材料であり、即ち、これは、キラルな化合物を含まない。
重合可能でない化合物は、例えば添加剤、例えば界面活性剤、触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、阻害剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤(hydrophobing agent)、接着剤、流動改善剤、泡消し剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、着色剤、染料または他の補助剤を含む。
高い程度に架橋されたフィルムの製造のために用いられる重合可能なLC材料は、好ましくは、20重量%を超える、特に40重量%を超える、極めて好ましくは60重量%を超える、2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む。
高い程度に架橋したLCフィルムにおいて、20重量%までの2つまたは3つ以上の重合可能な官能基を有する非メソゲン性化合物を、重合可能なLC材料に、二反応性または多反応性の重合可能なメソゲン性化合物のわりに、またはこれに加えて添加して、架橋の程度を増大させることも可能である。二反応性非メソゲン性モノマーについての代表例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタクリレートである。多反応性非メソゲン性モノマーについての代表例は、トリメチルプロパントリメタクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
本明細書中に記載した重合可能なLC材料は、本発明の他の目的である。
本発明のために用いられる重合可能なメソゲン性単反応性、二反応性および多反応性化合物を、自体公知であり、例えば有機化学の標準的な学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartに記載されている方法により、製造することができる。
重合可能なLC混合物中で本発明の化合物と共にモノマーまたはコモノマーとして用いることができる、好適な重合可能なメソゲン性化合物の例は、例えば、WO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600およびGB 2 351 734に開示されている。しかし、これらの文献中に開示されている化合物は、単に、本発明の範囲を限定するべきではない例として見なされるべきである。
特に有用なキラルな、およびアキラルな重合可能なメソゲン性化合物(反応性メソゲン)の例を、以下のリスト中に示すが、これは、例示的であるとしてのみ解釈するべきであり、いかなる方法によっても限定することを意図せず、代わりに本発明を説明することを意図する:
Figure 0004837255
Figure 0004837255
Figure 0004837255
Figure 0004837255
前述の式において、Pは、重合可能な基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチリル基であり、xおよびyは、1〜12の同一の、または異なる整数であり、Aは、随意にLにより単置換、二置換もしくは三置換されている1,4−フェニレンであるか、または1,4−シクロヘキシレンであり、uおよびvは、互いに独立して0または1であり、Zは、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、Rは、極性基または無極性基であり、Terは、テルペノイド基、例えばメンチルであり、Cholは、コレステリル基であり、L、LおよびLは、互いに独立して、H、F、Cl、CNまたは、1〜7個のC原子を有する、随意にハロゲン化されているアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ基であり、rは、0、1、2、3または4である。前述の式中のフェニル環は、随意に、1個、2個、3個または4個の基Lにより置換されている。
そこで、用語「極性基」は、F、Cl、CN、NO、OH、OCH、OCN、SCN、4個までのC原子を有する、随意にフッ素化されているアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ基または1〜4個のC原子を有するモノ、オリゴもしくは多フッ素化されているアルキルもしくはアルコキシ基から選択された基を意味する。用語「無極性基」は、前の「極性基」の定義により包含されていない、1個または2個以上、好ましくは1〜12個のC原子を有する、随意にハロゲン化されているアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ基を意味する。
らせんねじれ構造を有するコレステリックLCフィルムの製造のために、重合可能なLC材料は、好ましくは、1種または2種以上のアキラルな重合可能なメソゲン性化合物および少なくとも1種のキラルな化合物を含む。キラルな化合物は、重合可能でないキラルな化合物、例えば慣用のキラルなドーパントまたは重合可能なキラルな化合物から選択することができ、このすべては、メソゲン性または非メソゲン性であることができる。
好適な重合可能なキラルな化合物は、例えば、前述のリスト中に示したものである。他の好適なキラルな重合可能な化合物は、例えば、商業的に入手できるパリオカラー(Paliocolour)(登録商標)材料(BASF AG、ドイツ国から)である。
好適な非反応性のキラルなドーパントは、例えば、商業的に入手できるRもしくはS−811、RもしくはS−1011、RもしくはS−2011、RもしくはS−3011、RもしくはS−4011、RもしくはS−5011またはCB15(Merck KGaA, Darmstadt, ドイツ国から)から選択することができる。極めて好ましいのは、高いらせんねじれ力(HTP)を有するキラルな化合物、特にWO 98/00428に記載されているソルビトール基を含む化合物、GB 2,328,207に記載されているヒドロベンゾイン基を含む化合物、WO 02/94805に記載されているキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に記載されているキラルなビナフトールアセタール誘導体、WO 02/06265に記載されているキラルなTADDOL誘導体並びにWO 02/06196およびWO 02/06195に記載されている、少なくとも1つのフッ素化結合基および末端または中心のキラルな基を有するキラルな化合物である。
重合可能な材料を、好ましくは、溶媒、好ましくは有機溶媒中に溶解するかまたは分散させる。次に、溶液または分散系を、基板上に、スピンコートまたは他の既知の手法により塗布し、溶媒を、重合前に蒸発させて除去する。ほとんどの場合において、混合物を加熱して、溶媒の蒸発を容易にするのが好適である。
重合可能なLC材料は、さらに、ポリマーバインダーまたは、1種もしくは2種以上の、ポリマーバインダーを形成することができるモノマーおよび/または1種もしくは2種以上の分散助剤を含むことができる。好適なバインダーおよび分散助剤は、例えば、WO 96/02597に開示されている。しかし、特に好ましいのは、バインダーまたは分散助剤を含まないLC材料である。
他の好ましい態様において、重合可能なLC材料は、基板上の液晶材料の平面状配向を誘発するかまたは増強する添加剤を含む。好ましくは、該添加剤は、1種または2種以上の界面活性剤を含む。好適な界面活性剤は、例えば、J. Cognard, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, 補完1、1-77 (1981)に記載されている。特に好ましいのは、非イオン系界面活性剤、まさにフルオロカーボン界面活性剤、例えば商業的に入手できるフルオロカーボン界面活性剤フルオラッド(Fluorad)FC−171(登録商標)(3M Co.から)またはゾニル(Zonyl)FSN(登録商標)(DuPontから)である。
LC材料の重合は、好ましくは、これを、化学線に暴露することにより達成される。化学線は、光、例えばUV光、IR光もしくは可視光線での照射、X線もしくはガンマ線での照射または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子での照射を意味する。好ましくは、重合を、特にUV光での光照射により実施する。化学線の源として、例えば、単一のUVランプまたはUVランプのセットを用いることができる。高いランプ出力を用いる際には、硬化時間を減少させることができる。光照射の他の可能な源は、レーザー、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視レーザーである。
重合を、化学線の波長において吸収を示す開始剤の存在下で実施する。例えば、UV光により重合する際には、UV照射の下で分解されて、重合反応を開始する遊離基またはイオンを生成する光開始剤を用いることができる。UV光開始剤、特にラジカル性UV光開始剤が、好ましい。ラジカル重合のための標準的な光開始剤として、例えば、商業的に入手できるイルガキュア(Irgacure)(登録商標)またはダロキュア(Darocure)(登録商標)シリーズ(すべてCiba Geigy AGから)を用いることができ、一方陽イオン性光重合の場合には、商業的に入手できるUVI6974(Union Carbide)を用いることができる。
重合可能なLC材料は、さらに、1種または2種以上の他の好適な成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、阻害剤、共反応モノマー、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤(hydrophobing agent)、接着剤、流動改善剤、泡消し剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料を含むことができる。
また、1種または2種以上の連鎖移動剤を重合可能な材料に加えて、ポリマーフィルムの物理的特性を修正することが可能である。特に好ましいのは、チオール化合物、例えば単官能性チオール化合物、例えばドデカンチオールまたは多官能性チオール化合物、例えばトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、極めて好ましくは、メソゲン性または液晶性チオール化合物である。連鎖移動剤を加える際には、遊離のポリマー鎖の長さおよび/または本発明のポリマーフィルムにおける2つの架橋間のポリマー鎖の長さを、制御することができる。連鎖移動剤の量を増大させる際には、得られたポリマーフィルムにおけるポリマー鎖の長さは、減少している。
本発明のLCフィルムまたは多層は、光学成分、例えば液晶ディスプレイまたは投射システムにおける偏光板、補償板、円偏光板またはカラーフィルターとして、装飾絵柄として、液晶または効果顔料の製造のために、および特に空間的に変化する反射色を有する反射性フィルムとして、例えば装飾、情報蓄積またはセキュリティー使用、例えば偽造不(可)能な文書、例えば身分証明書またはクレジットカード、紙幣などのための多色絵柄として有用である。
本発明のLCフィルムまたは多層を、透過型または反射型のディスプレイにおいて用いることができる。これらを、慣用のLCDにおいて、特にDAP(配向相の変形)、もしくはVA(垂直配向)モード、例えばECB(電気的に制御された複屈折)、CSH(色超ホメオトロピック)のLCD、VANもしくはVAC(垂直配向ネマティックもしくはコレステリック)ディスプレイ、MVA(マルチドメイン(multi-domain)垂直配向)もしくはPVA(パターン化垂直配向)ディスプレイにおいて、曲がりモードのディスプレイもしくはハイブリッドタイプディスプレイ、例えばOCB(光学的に補償された曲がりセルもしくは光学的に補償された複屈折)、R−OCB(反射性OCB)、HAN(ハイブリッド配向ネマティック)もしくはパイセル(πセル)ディスプレイにおいて、さらに、TN(ねじれネマティック)、HTN(高度にねじれたネマティック)もしくはSTN(超ねじれネマティック)モードのディスプレイにおいて、AMD−TN(アクティブマトリックス駆動TN)ディスプレイにおいて、または、「超TFT」ディスプレイとしても知られているIPS(面内切換)モードのディスプレイにおいて、用いることができる。特に好ましいのは、VA、MVA、PVA、OCBおよびパイセルディスプレイである。
以下の例は、本発明を、これを限定せずに例示する作用を有する。前記および以下で、他に述べない限り、すべての温度は、摂氏度で示し、すべての百分率は重量百分率である。
例1−低い程度に架橋したLCフィルムおよび高い程度に架橋したLCフィルムを含む多層の製造
少量の二反応性化合物を有する重合可能なLC混合物M1を、以下のようにして配合した。
Figure 0004837255
Figure 0004837255
Figure 0004837255
イルガキュア907は、商業的に入手できる光開始剤である(Ciba AGから)。フルオラッドFC171は、商業的に入手できる非イオン系フルオロカーボン界面活性剤である(3M Corp.から)。
多量の二反応性化合物を有する重合可能なLC混合物M2を、以下のようにして配合した。
Figure 0004837255
M1およびM2の両方を、トルエン/シクロヘキサノン(7:3)に溶解した30%w/w溶液として調製した。
すべての場合において用いた基板は、トリアセチルセルロース(TAC)であった。
TAC基板を、3×1000mmラビングし、No 1巻き線型棒を用いて、M1の溶液で被覆した。溶媒を、室温で放置して蒸発させ、得られたフィルムを、ミニキュア(Minicure)UVランプシステムを20m/分において4回通過させることにより、重合させた。
得られたフィルムは、透明な平面状に配向したフィルムであり、クロスハッチ(cross hatch)法により試験した際に、100%の接着性を有していた。
次に、このフィルムの試料を、再びNo 1巻き線型棒を用いて、M2の溶液で被覆し、溶媒を、室温で蒸発させ、フィルムを、前述のように硬化させた。接着性を、同様の方法において試験した。
ラビングせずに、硬化させたM1に塗布されたM2の場合において、傾斜した構造を有するM2の透明な、高い程度に架橋したポリマーフィルムが、M1層の最上部上に形成した。M2層のM1層への接着性を、クロスハッチ法を用いて試験し、100%であることが見出された。従って、低い程度に架橋したM1のフィルムは、高い程度に架橋したM2のフィルムのための接着および配向層として作用する。
M2を塗布する前にM1の層をラビングすると、配向の損失、散乱フィルムが生じ、接着が生じなかった。
例2−フィルムの厚さの低減
No 1棒を用いて、例1に記載した30%w/w溶液で、各々の単一層について約1.8μmの計算されたフィルムの厚さが得られた。No 1棒でM1およびM2の両方を塗布することにより、約3.0μmの合計の厚さを有するフィルムが作成された。
M1が、配向層および接着層としてのみ作用する用途において、好ましくは、この厚さを減少させて、比較的高価なLC材料を節約しなければならない。一層高い含量の溶媒を有する溶液を用いることにより、溶媒の蒸発後の重合可能なLC層の厚さを減少させることが可能である。
No 1棒を用いて、しかしM1溶液を15%、10%、5%および1%に希釈して、フィルムを製造し、フィルムの接着性および配向を測定した。結果を、表1に示す。
Figure 0004837255
フィルムM1の厚さを、光学的フリンジ測定システムを用いて測定した。30%溶液により、1.3μmの測定された厚さが得られた。10%溶液により、0.34μmの測定された厚さが得られた。
前記の結果から、これより低くては接着が達成されない、約0.2μmの最小の厚さがあることが明らかである。また、M1の一層厚いフィルムにより、M2の混合物配合から通常予測される平面状フィルムではなく、M2の傾斜したフィルムが生じることが明らかである。
例3−低い程度に架橋したLCフィルムおよびコレステリックLC(CLC)フィルムを含む多層の製造
重合可能なコレステリックLC混合物M3を、以下のようにして配合した。
Figure 0004837255
Figure 0004837255
パリオカラーLC756は、商業的に入手できるキラルな重合可能な材料である(BASF AG、Ludwigshafen,ドイツ国から)。
TAC基板の片を、3×1000mmラビングし、No 2巻き線型棒を用いて、M1(例1)の5%w/w溶液を塗布した。得られた被膜の理論的な厚さは、0.6μmである。溶媒を放置して蒸発させて、液晶フィルムを残し、これを次に、UV光の下で硬化させた。
次に、得られたフィルムを、2×1000mmラビングし、No 1巻き線型棒を用いて、コレステリックLC混合物M3を塗布した。溶媒の蒸発の後に、液晶フィルムを、UV光の下で硬化させた。
UV範囲において反射する、透明な、配向したCLCフィルムが得られた。これを、標準的なクロスハッチ試験を用いて、接着性について試験した。接着性は、100%であった。
例4−界面活性剤の影響
例1の混合物M1およびM2は、0.5%の界面活性成分フルオラッドFC171を含む。
M1およびM2のポリマーフィルムを、例1に記載したように製造したが、ここで、界面活性剤FC171を省略した。例1に記載したものと同一の効果が、これらの混合物およびフィルムを用いて観察された。
例5−低い程度に架橋したLCフィルムおよび架橋したアイソトロピックハードコートを含む多層の製造
M1のポリマーフィルム(「M1フィルム」)を、例1に定義したTAC基板上に製造した。以下に示すいくつかのハードコート配合物T1〜T5を、調製し、M1フィルムの最上部上に塗布し、UV暴露により硬化させた。
イルガキュア(登録商標)光開始剤は、Ciba Geigy AGから商業的に入手できる。エベクリル(登録商標)270、5129および350は、UCB Chemicals, Ltd.から商業的に入手できる。トップコート604(登録商標)は、Eques Coatings B.V.から商業的に入手できる。
5a)T1
Figure 0004837255
この配合物を、トルエンに溶解した25%w/w溶液として用いた。ハードコートは、保護されていないM1フィルムよりも大きい耐引っ掻き性を示した。これは、フィンガーネイル(fingernail)試験により例証された。
この系の耐久性を、さらに、多層を、TAC基板の自由表面において、感圧性接着剤(PSA)により、ガラススライドに積層させることにより、チェックした。次に、全体の積み重ねを、60℃および90%相対湿度において、チャンバー中に配置した。40日(960時間)後に、スライドの明らかな劣化は、発生しなかった。
次に、ハードコート表面を、TACの第2の片に、PSAにより積層させた。TACの2つの片を剥離させて離した際に、ハードコート層およびM1フィルムは、損傷されずに分離された。
5b)T2
Figure 0004837255
この配合物を、トルエンに溶解した50%w/w溶液として用いた。被膜の耐引っ掻き性は、極めて良好であることが見出され、フィンガーネイル試験により、被膜に辛うじてマーキングされたのみである。
5c)T3
Figure 0004837255
この配合物を、溶媒なしで用いた。コーティングの耐引っ掻き性は、優れていることが見出された。TACの第2の片への、PSAでの積層の際に、ハードコート層のその後の層剥離を、M1フィルムに損傷を生じずに、M1フィルムから除去した。
5d)T4
トップコート604(登録商標)(Eques Coatings B.V.から)を、M1フィルムに塗布し、硬化させた。この材料は、激しい摩耗に対して耐性である硬質のコーティングを生じた。
5e)T5
Figure 0004837255
この配合物を、溶媒なしで用いた。透明な、耐引っ掻き性のハードコートが得られ、これは、層剥離の際にM1フィルムから分離した。

Claims (14)

  1. プラスチック基板、前記基板上に設けられた7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能な材料から得られることを 特徴とする少なくとも1つのLCポリマーフィルムおよび、前記少なくとも1つのLCポリマーフィルムの、前記基板とは逆の表面上に設けられた、機械的応力 に対する改善された耐性を有する少なくとも1つのハードコートフィルムを含む、多層。
  2. 重合可能なLC材料が、
    70〜99重量%の1つの重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
    0重量%より多く、7重量%までの、2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
    0〜15重量%の重合可能でない化合物、
    0〜10重量%の1種または2種以上の重合開始剤
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多層。
  3. ハードコートフィルムが、単官能性、二官能性または多官能性アクリレートを含む架橋アクリレート配合物から選択されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の多層。
  4. 前記ハードコートフィルムが、20重量%より多い2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合したLC材料を含むことを特徴とする、請求項に記載の多層。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の多層の製造方法であって、
    7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合可能な第1のLC材料の層を、プラスチック基板上に設け、
    前記第1のLC材料を重合させ、
    ハードコートを、重合した前記第1のLC材料の自由表面上に設ける
    ことによる、前記方法。
  6. 請求項に記載の多層の製造方法であって、
    7重量%を超えない2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む第1の重合可能なLC材料の層を、プラスチック基板上に設け、
    前記第1のLC材料を重合させ、
    20重量%より多い2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する化合物を含む重合した第2の重合可能なLC材料の層を、前記第1の重合したLC材料の自由表面上に設け、
    前記第2のLC材料を重合させる
    ことによる、前記方法。
  7. 第1の重合可能なLC材料が、
    70〜99重量%の1つの重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
    0重量%より多く、7重量%までの、2つまたは3つ以上の重合可能な基を有する1種または2種以上の化合物、
    0〜15重量%の重合可能でない化合物、
    0〜10重量%の1種または2種以上の重合開始剤
    を含む、請求項またはに記載の製造方法。
  8. 第1のLC材料を、重合前に均一な配向に配向させる、請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 第2のLC材料を、重合前に均一な配向に配向させる、請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の多層の、光学的、電気光学的、情報蓄積、装飾およびセキュリティー用途における使用。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の少なくとも1つの多層を含む、光学成分またはデバイス。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の少なくとも1つの多層または請求項11に記載の成分を含む、液晶ディスプレイ。
  13. 請求項1〜のいずれか一項に記載の少なくとも1つの多層または請求項11に記載の成分を含む、セキュリティーマーキングまたは着色絵柄。
  14. 請求項13に記載のセキュリティーマーキングまたは着色絵柄を含む、物品または有価証券。
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