以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図27に従って説明する。
図1に示すように、自車両C(図3参照)に搭載された運転支援システム1は、走行状
況判定装置としての支援制御ユニット2、各種画面を表示するディスプレイ20、撮影装置としてのバックモニタカメラ(以下、単にカメラ30という)、スピーカ31を備えている。
支援制御ユニット2は、ナビユニット3を有している。ナビユニット3は、LSI等からなり、記憶部に記憶された運転支援プログラム等、各種プログラムに従って各種処理の主制御を行う。このナビユニット3は、自車位置演算手段としての自車位置演算部3a、合流判定部3b、場面判断手段、タイミング判定手段としての退出判定部3c及び支援制御手段としての支援制御部3dを有している。
自車位置演算部3aは、支援制御ユニット2が備えるGPS受信部4から入力した位置検出信号に基づいて、自車両Cの位置を示す絶対座標を算出する。また、支援制御ユニット2は、自車両Cに設けられた各種センサから検出信号を入力する車両側I/F部5を備えている。車両側I/F部5は、自車両Cに設けられたイグニッションモジュール40から、イグニッションモジュール40のオン信号及びオフ信号を入力し、入力した信号をナビユニット3に出力する。ナビユニット3は、オン信号を入力した場合には、運転支援システム1を起動し、オフ信号を入力した場合には運転支援システム1をシャットダウンする。
さらに、ナビユニット3の自車位置演算部3aは、車両側I/F部5を介して、自車両Cに設けられた車速センサ41から車速パルスを入力し、パルス数をカウントする。また、自車位置演算部3aは、車両側I/F部5を介してジャイロ42から方位検出信号を入力し、自律航法により自車位置を算出する。そして、自車位置演算部3aは、GPS受信部4に基づいて算出した絶対位置を、自律航法で算出した自車位置で補正して、現在の車両の位置を特定する。
合流判定部3bは、標示データ記憶手段としてのレーン情報データベース(以下、レーン情報DB7という)を用いて、自車両Cが合流を開始するか否か、本線車道R1(図2参照)への合流が終了したか否かを判断する。また、退出判定部3cは、レーン情報DB7を用いて、本線車道R1からの退出を開始したか否か、本線車道R1からの退出が終了したか否かを判断する。
レーン情報DB7には、路面標示属性データとしてのレーン情報7aが記憶されている。レーン情報7aは、有料道路のレーン本数、各レーンを区画する白線標示の種類(実線、破線)、白線標示の位置等のデータを含んでいる。
例えば、図2に示すように、取付道路としての合流路Rjと本線車道R1との間に、各レーンL1,L2の境界線BRよりも線幅が太い、標示、合流区間としての白線(以下、太破線BLという)がある場合、レーン情報7aは、その太破線BLの位置及び長さLを記憶している。また、レーン情報7aは、太破線BLが始まる基準点としての太破線開始点S1と、標示としてのゼブラゾーンZbがある場合にはそのゼブラゾーンZbの位置、ゼブラゾーンZbの基準点としての開始点S2を記憶している。尚、取付道路とは、加速車線、減速車線、登坂車線等、本線車道以外の走行車線を指す。
支援制御部3dは、合流判定部3b及び退出判定部3cに基づき、自車両Cの走行状態を判断し、合流開始又は合流終了の時点、或いは退出直前又は退出終了の時点で、情報提供、警告、操作支援のための制御を実行する。また、その支援内容に応じて、車両側I/F部5を介して、自車両Cに設けられた、エンジンECU(Electoronic Control Unit)、ABS(Antilock brake system)ECU等のECU45に制御信号を出力する。
また、支援制御ユニット2は、道路網データ記憶手段としての地図データベース(地図DB6という)を備えている。地図DB6は、道路網データとしての経路データ6a及び地図描画データ6bを格納している。経路データ6aは、全国を各区域に区画した所定の区域毎のデータであって、ノード及びリンクに関するデータ、リンクコスト、リンク種別、座標データ、道路属性データ等を有している。ノードデータは、交差点、道路の端点、高速道路の分岐点等を示す各ノードの番号等の識別データ、隣接するノードの識別データ等を有している。リンクデータは、リンクIDや、リンク長、接続ノードを示す各リンクID、通行規制を示すデータ等を有している。リンク種別は、そのリンクに対応する、高速道路、国道等、道路の種類を示す。道路属性データは、通行方向等を示すデータである。
また、地図描画データ6bは、全国の地図を分割したエリア毎に格納され、広域の地図から狭域の地図まで各階層毎に分かれている。各地図描画データ6bは、道路描画データ、背景データ等を有している。道路描画データは、地図上に表示される道路の形状を示すための形状補間点のデータや、高速道路のサービスエリア又はパーキングエリア(以下、SA/PAという)、料金所等の位置を示すデータである。背景データは、道路、市街地、河川等を描画する描画データである。
また、支援制御ユニット2は、画像処理手段としての画像プロセッサ8を備えている。画像プロセッサ8は、画像処理を行う他、地図描画データ6bに基づいた描画データを生成し、VRAM9に一時記憶する。そして、描画データに基づき、自車位置周辺の地図をディスプレイ20に表示する。
また、支援制御ユニット2は、画像データ入力部10を備えている。画像データ入力部10は、ナビユニット3の制御に従って、自車両Cに設けられたカメラ30を駆動制御して、映像信号としての画像データGを逐次取得する。カメラ30は、図3に示すように、自車両Cのバックドア等、車両の後端に取り付けられている。このカメラ30は、カラー画像を撮像するデジタルカメラであって、広角レンズ、ミラー等から構成される光学機構と、CCD撮像素子(いずれも図示せず)とを備えている。カメラ30は、自車両Cの後端を含む、後方数メートルを撮像範囲Zとしている。画像データ入力部10は、カメラ30によってアナログ/デジタル変換された画像データGを取得して、画像プロセッサ8に出力する。
画像プロセッサ8は、入力した画像データGに対し、公知の白線認識処理を行う。例えば、画像データGに対しエッジ検出処理を行い、検出されたエッジ点に対し、ハフ変換等を行って直線を検出する。そして、路面方向に延びる直線を、白線として認識する。また、エッジが等間隔で検出される場合、その形状に基づき太破線BLであると判断する。
またエッジを検出すると、そのエッジ検出画像を鳥瞰画像に変換する。そして、その鳥瞰画像を用いて、白線と自車両Cとの相対距離、相対方向を算出する。また、画像プロセッサ8は、太破線BLが検出された場合、所定のタイミングで、自車両Cが太破線BLを越えたか否かを判断する。自車両Cが、合流路Rj側から本線車道R1側に向かって合流する際に、画像プロセッサ8により太破線BLを越えたと判断されると、合流判定部3bは合流終了であると判断する。また、自車両Cが本線車道R1から退出路Rw(図18参照)に退出する際に、画像プロセッサ8により太破線BLを越えたと判断されると、退出判定部3cは退出開始であると判断する。
また、支援制御ユニット2は、ユーザ入力I/F部11を備えている。ディスプレイ20は、タッチパネルであって、このタッチパネルにおいて入力操作が行われると、ユーザ入力I/F部11を介して、入力操作に応じた信号がナビユニット3に出力される。また
、ディスプレイ20に隣設された操作スイッチ21がユーザにより入力操作されると、同じようにユーザ入力I/F部11を介して、入力操作に応じた信号がナビユニット3に出力される。
さらに、支援制御ユニット2は、音声プロセッサ12を備える。音声プロセッサ12は、音声ファイルを格納した図示しないメモリやデジタル/アナログ変換器等を備え、その音声ファイルを使用して、スピーカ31から案内音声や警告音を出力する。
(処理手順)
次に、本実施形態の処理手順について、図4〜図14に従って説明する。本実施形態では、運転支援システム1を、高速道路の本線車道R1に合流又は本線車道R1から退出する際の支援を行うシステムとして説明する。
図4は、運転支援処理のメインフローである。図4に示すように、ナビユニット3は、また、運転支援の開始を待機する(ステップS101)。例えば、自車位置が、既に高速道路上にある場合、及び高速道路のインターチェンジ周辺にある場合等に運転支援を開始すると判断しても良い。或いは、運転支援システム1が起動している間、常に運転支援を開始すると判断するようにしてもよい。
運転支援を開始すると判断した場合(ステップS101においてYES)、ナビユニット3は、支援タイミング判定処理を行う(ステップS102)。支援タイミング判定処理では、合流判定部3b及び退出判定部3cが、自車両Cの現在の状況が合流開始場面としての合流開始シーン、合流終了場面としての合流終了シーン、退出開始場面としての退出開始シーン及び退出終了場面としての退出終了シーンのいずれかに該当するか否かを判断する。そして、各シーンのいずれかに該当すると判断した場合には、そのシーンに応じたタイミング判定処理を行い、合流開始、合流終了、退出開始及び退出終了の各タイミングを検出する。
支援タイミング判定処理を行うと、ナビユニット3の支援制御部3dは、合流判定部3b及び退出判定部3cの検出結果に基づき、支援タイミングであるか否かを判断する(ステップS103)。例えば、合流判定部3bが現在の状況が合流開始であると判断すると(ステップS103においてYES)、支援制御部3dは、ECU45、音声プロセッサ12等を制御して、合流開始時に応じた支援を実行する(ステップS104)。支援内容は、各種情報提供、警告、操作支援等、特に限定されない。
支援を実行すると、ナビユニット3は、運転支援を終了するか否かを判断する(ステップS105)。例えば、自車両Cが高速道路のインターチェンジから一般道路に退出した場合等には、運転支援を終了すると判断する。運転支援を終了すると判断した場合には(ステップS105においてYES)、運転支援処理を一旦終了し、ステップS101に戻り、運転支援が再開されるのを待機する。運転支援処理を終了しないと判断した場合には(ステップS105においてNO)、ステップS102に戻り、支援タイミング判定処理を行う。
(支援タイミング判定処理)
次に、支援タイミング判定処理について、図5に従って説明する。まず、ナビユニット3の自車位置演算部3aは、自車位置及び地図DB6に基づき、自車両Cの前方の分岐を検出する(ステップS1)。このとき、経路データ6aや地図描画データ6bに基づき、自車位置の前方であって、自車位置から所定距離(例えば1km)内において、合流路Rjから本線車道R1に合流するための分岐や、本線車道R1から退出路Rw(図18参照)に退出するための分岐等を示すノードがあるか否かを判断する(ステップS2)。また、図24に示すように、SA/PAの側道Rj2の分岐や、図18に示すような本線車道R1からSA/PAの側道Rw2に退出する分岐も検出する。
分岐があると判断すると(ステップS2においてYES)、ナビユニット3は、自車両Cが合流路Rj、退出路Rw及び本線車道R1のうち、どの種類の道路を走行しているのかをステップS3〜S5において判断する。そして、現在走行している道路種別を判別すると、その道路種別に応じて、自車両Cの現在の状態が、合流終了シーン、退出終了シーン、退出開始シーン又は合流開始シーンに該当するか否かをステップS6〜S9において判断する。
詳述すると、まず、ナビユニット3の合流判定部3bは、自車両Cが合流路Rjを走行している状態であるか否かを判断する(ステップS3)。このとき、自車位置演算部3aは、図示しないメモリに記憶された、合流路走行フラグがオンであるか否かを判断する。合流路走行フラグは、自車両Cが合流路Rj上の所定の範囲を走行中であるか否かを示すフラグであって、自車両Cが合流路Rjを走行している場合には、オンとなり、それ以外の場合にはオフとなる。
支援タイミング判定処理を初回に行う場合等には、自車位置演算部3aは、経路データ6a又は地図描画データ6bのリンク種別に基づき、自車位置が、図15に示すような本線車道R1に接続する合流路Rj上にあるか否かを判断する。合流路Rjは、料金所と本線車道R1を連結する合流路Rjでも良いし、SA/PAから本線車道R1に接続する側道Rj2(図24参照)でも良い。このとき、合流路Rjを走行していると判断すると(ステップS3においてYES)、合流判定部3bは、合流終了シーン判定を行う(ステップS6)。合流終了シーンとは、自車両Cが合流路Rjから本線車道R1への合流を終了する状態を指す。この合流終了シーン判定は、合流終了のタイミングを的確に検出するために予め行われる処理である。
(合流終了シーン判定)
この合流シーン判定について、図6に従って説明する。まず、合流判定部3bは、レーン情報7aに基づき、合流路Rjと本線車道R1を区画する太破線BLがあるか否かを判断する(ステップS6−1)。図15に示すように、太破線BLが合流路Rjと本線車道R1との間に標示されている場合には(ステップS6−1においてYES)、ステップS6−2に進む。
ステップS6−2では、合流判定部3bは、レーン情報7aに基づき太破線BLの長さを読み出し、その長さL(図15参照)が、所定の長さ未満であるか否かを判断する(ステップS6−4)。本実施形態では、所定の長さを300mに設定している。
太破線BLの長さLが所定の長さ(300m)未満であると判断すると(ステップS6−4においてYES)、合流判定部3bは、自車位置から太破線開始点S1までの相対距離を算出する(ステップS6−5)。この際、合流判定部3bは、レーン情報7aに含まれる太破線開始点S1の座標を取得し、自車位置との相対距離を算出する。このとき、合流路Rjの形状に沿って相対距離を算出するが、太破線開始点S1と自車位置とを直線で連結した場合の相対距離を算出してもよい。そして、算出した相対距離に基づき、自車位置が予め設定した所定距離範囲D1内にあるか否かを判断する(ステップS6−6)。ここでは、図15に示すように、所定距離範囲D1は、太破線開始点S1の500m前〜太破線開始点S1を過ぎた150m先とする。
自車位置と太破線開始点S1との相対距離に基づき、自車位置が所定距離範囲D1内にあると判断した場合(ステップS6−6においてYES)、合流判定部3bは、合流終了シーンを示すシーン判別フラグをオンとする(ステップS6−7)。
一方、ステップS6−4において、図16に示すように、太破線BLの長さLが所定の
長さ(300m)以上であると判断すると(ステップS6−4においてNO)、ステップS6−5と同じように、太破線開始点S1までの相対距離を算出する(ステップS6−8)。さらに、ステップS6−6と同じように、太破線開始点S1までの相対距離が、所定距離範囲D2内であるか否かを判断する(ステップS6−9)。ここでは、所定距離範囲D2は、太破線開始点S1の手前500m〜太破線開始点S1の先の200ms先とする。即ち、太破線BLの長さLが所定の長さ(300m)以上であって、本線車道R1に合流するために加速する区間が比較的長い場合には、太破線BLの長さLが比較的短いシーンよりも、合流終了シーンの対象区間を長く設定する。
自車位置と太破線開始点S1との相対距離に基づき、自車位置が所定距離範囲D2内であると判断した場合には(ステップS6−9においてYES)、合流判定部3bは、合流終了シーンのシーン判別フラグをオンとする(ステップS6−10)。
尚、ステップS6−1において、合流路Rjと本線車道R1との間に太破線BLが無いと判断した場合(ステップS6−1においてNO)、合流終了シーンのシーン判別フラグをオフとする(ステップS6−3)。また、ステップS6−6において、自車位置が所定距離範囲D1内でない場合(ステップS6−6においてNO)、及び、ステップS6−9において、自車位置が所定距離範囲D2内でない場合には(ステップS6−9においてNO)、合流終了シーンのシーン判別フラグをオフとする(ステップS6−3)。
このように、太破線開始点S1を基準とした所定距離範囲D1,D2内に自車両Cがある場合に、自車両Cが合流終了シーンであると判断される。そして、メモリに記憶された合流終了シーンがオンに設定された状態になる。合流終了シーンでないと判断されると、合流終了シーンのシーン判別フラグがオフになる。
一方、図5に示す支援タイミング判定処理のステップS3で、合流判定部3bが、自車両Cが本線車道R1に繋がる合流路Rjを走行している状態でないと判断すると(ステップS3においてNO)、自車位置演算部3aが、取付道路としての退出路Rwを走行しているか否かを判断する(ステップS4)。
このとき、自車位置演算部3aは、図示しないメモリに記憶された退出路走行フラグがオンであるか否かを判断する。退出路走行フラグは、自車両Cが退出路Rw上を走行中かどうか指標するためのフラグであって、自車両Cが退出路Rwを走行している場合、オンとなり、それ以外の場合にはオフとなる。
そして、退出路走行フラグがオフの場合、自車位置演算部3aは、経路データ6a又は地図描画データ6bのリンク種別に基づき、自車位置が、図17及び図18に示すような本線車道R1に接続する退出路Rw上にあるか否かを判断する。退出路Rwは、図17に示すような料金所Tbに連結する連結路Rw1でも良いし、図18に示すようなSA又はPAに接続する取付道路としての側道Rw2でも良い。
自車両Cが、本線車道R1から外れて退出路Rwを走行していると判断すると(ステップS4においてYES)、退出判定部3cは退出終了シーン判定を行う(ステップS7)。退出終了シーンとは、自車両Cが退出を終了する状態を指す。この退出終了シーン判定は、自車両Cが退出路Rwを走行している場合に退出終了タイミングを精度良く検出するために予め実行する処理である。
(退出終了シーン判定)
この退出終了シーン判定について、図7に従って説明する。まず、退出判定部3cは、地図DB6の経路データ6a又は地図描画データ6bから、現在の車両位置に対応するリンクのリンク種別を取得する(ステップS7−1)。そして、取得したリンク種別が、図
17に示す、料金所Tbに連結する退出路であるか否かを判断する(ステップS7−2)。
料金所Tbに連結する退出路、即ち連結路Rw1であると判断した場合には(ステップS7−2においてYES)、退出判定部3cは、自車位置が、料金所Tbを基準とした所定距離範囲D3内に含まれるか否かを判断する(ステップS7−3)。ここでは、図17に示すように、所定距離範囲D3は、料金所Tb手前500m〜料金所Tbを過ぎた100m先である。
自車位置が、所定距離範囲D3内に含まれる場合(ステップS7−3においてYES)、退出判定部3cの図示しない記憶部に記憶された第1退出終了シーンのシーン判別フラグをオンにする(ステップS7−4)。
一方、ステップS7−2において、自車位置が連結路Rw1上にはないと判断すると(ステップS7−2においてNO)、退出判定部3cは、自車位置に対応するリンクのリンク種別が、SA又はPAの側道Rw2であるか否かを判断する(ステップS7−6)。リンク種別が、側道Rw2であると判断すると(ステップS7−6においてYES)、ステップS7−7に進む。
ステップS7−7では、退出判定部3cは、SA又はPA内の側道Rw2に分岐があるか否かを判断する。退出判定部3cは、経路データ6aに基づいて、この分岐を示す分岐ノードNjの有無を判断する。図18に示すように、側道Rw2に分岐があると判断した場合には(ステップS7−7においてYES)、自車位置が、分岐ノードNjを基準とした所定距離範囲D4内に含まれるか否かを判断する(ステップS7−8)。ここでは、所定距離範囲D4は、分岐点(分岐ノードNj)の手前500m〜分岐点を過ぎた100m先に設定している。
自車位置が、所定距離範囲D4内に含まれていると判断した場合には(ステップS7−8においてYES)、退出判定部3cは、図示しないメモリに記憶された第2退出終了シーンを示すシーン判別フラグをオンにする(ステップS7−9)。
一方、ステップS7−7において、SA又はPA内に分岐がないと判断した場合には(ステップS7−7においてNO)、図19に示すように、自車位置が、側道Rw2の中間点Mを基準とした所定距離範囲D5内に含まれるか否かを判断する(ステップS7−10)。中間点Mは、側道Rw2全体の中間に設定され、中間点Mの座標は、予めレーン情報7aに記憶されている。また、所定距離範囲D5は、ここでは、中間点M手前500m〜中間点Mを過ぎた100m先に設定している。
そして、自車位置が、所定距離範囲D5に含まれていると判断すると(ステップS7−10においてYES)、退出判定部3cは、第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグをオンにする(ステップS7−11)。
尚、ステップS7−3において、自車位置が、料金所Tbを基準とした所定距離範囲D3に含まれない場合(ステップS7−3においてNO)、ステップS7−5に進み、第1〜第3退出終了シーンを示す各フラグをオフにする(ステップS7−5)。同様に、ステップS7−8において、自車位置が所定距離範囲D4内に含まれていないと判断した場合(ステップS7−8においてNO)、自車位置が所定距離範囲D5に含まれていないと判断すると(ステップS7−10においてNO)、ステップS7−5に進み、第1〜第3退出終了シーンを示す各フラグをオフにする。
このように、料金所Tb、SA/PAの側道Rw2の分岐点、中間点を基準とした所定距離範囲D3〜D5内に自車位置がある場合に第1〜第3退出終了シーンであると判断されると、メモリに記憶された第1〜第3退出終了シーンを示す各シーン判別フラグがオンに設定された状態になる。退出終了シーンのいずれもないと判断されると、シーン判別フラグがオフとされる。
一方、図5に示す支援タイミング判定処理のステップS4において、自車位置演算部3aが、退出路Rwを走行していないと判断すると(ステップS4においてNO)、ステップS5に進み、自車両Cが本線車道R1を走行している状態であるか否かを判断する。
このとき、図示しないメモリ内に記憶された本線走行フラグがオンであるか否か、或いは自車位置に対応したリンク種別が本線車道R1であるか否かを判断する。
自車両Cが、本線車道R1を走行していると判断すると(ステップS5においてYES)、退出開始シーン判定を行う(ステップS8)。退出開始シーンとは、自車両Cが本線車道R1から退出路Rwへの退出を開始する状態であって、この退出開始シーン判定は、自車両Cが退出路Rwを走行している場合に退出開始タイミングを精度良く検出するために実行される。
(退出開始シーン判定)
この退出開始シーンについて、図8に従って説明する。まず、退出判定部3cは、レーン情報DB7のレーン情報7aに基づき、自車両Cの前方であって、本線車道R1と退出路Rwとを区画する太破線BLの位置を取得する(ステップS8−1)。また、レーン情報7aに基づき、ゼブラゾーンZbの位置を取得する(ステップS8−2)。
太破線BL及びゼブラゾーンZbの位置を取得すると、退出判定部3cは、太破線BL及びゼブラゾーンZbの位置が、本線車道R1の進行方向において一致しているか否かを判断する(ステップS8−3)。
図20に示すように、太破線BLとゼブラゾーンZbとが、本線車道R1の方向において一致していると判断した場合には(ステップS8−3においてYES)、ステップS8−4に進む。また、図21に示すように、太破線BLが複数標示されている場合には、退出路Rwと本線車道R1を区画する太破線BLについて判断し、太破線BLとゼブラゾーンZbとが、本線車道R1の方向において一致していると判断した場合には(ステップS8−3においてYES)、ステップS8−4に進む。
そして、ステップS8−4において、退出開始シーンを示すシーン判別フラグをオンにして、退出開始シーン判定を終了する。
図22に示すように、本線車道R1と退出路Rwを区画する太破線BLが無い場合、太破線BL及びゼブラゾーンZbの位置が一致していないと判断し(ステップS8−3においてNO)、退出開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにして(ステップS8−5)、退出開始シーン判定を終了する。
一方、図5に示す支援タイミング判定処理のステップS5において、自車両Cが本線車道R1を走行している状態ではないと判断すると(ステップS5においてNO)、合流判定部3bにより、合流開始シーン判定を行う(ステップS9)。合流開始シーンとは、自車両Cが合流路Rjから本線車道R1への進入を開始する状態をいい、この合流開始シーン判定は、自車両Cが合流路Rjを走行している場合に合流開始タイミングを精度よく検出するために実行される。
(合流開始シーン判定)
この合流開始シーン判定について、図9に従って説明する。まず、合流判定部3bは、地図DB6の経路データ6a又は地図描画データ6bから、現在の車両位置に対応するリ
ンクのリンク種別を取得する(ステップS9−1)。そして、取得したリンク種別が、図23に示すような、料金所Tbと本線車道R1とを接続する合流路Rj1であるか否かを判断する(ステップS9−2)。
料金所Tbに連結する合流路Rj1であると判断した場合には(ステップS9−2においてYES)、合流判定部3bは、自車位置が、料金所Tbを基準とした所定距離範囲D6内に含まれるか否かを判断する(ステップS9−3)。図23に示すように、所定距離範囲D6は、料金所Tb手前500m〜料金所Tbを過ぎた50m先である。
自車位置が、所定距離範囲D6に含まれる場合(ステップS9−3においてYES)、第1合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオンにする(ステップS9−4)。一方、ステップS9−2において、自車位置が合流路Rj1上にはないと判断すると(ステップS9−2においてNO)、合流判定部3bは、自車位置に対応するリンクのリンク種別が、SA又はPAの側道Rw2であるか否かを判断する(ステップS9−6)。
リンク種別が、図24及び図25に示すようなSA又はPAの側道Rj2であると判断すると(ステップS9−6においてYES)、ステップS9−7に進む。
ステップS9−7では、退出判定部3cは、合流判定部3b内の図示しない不揮発性のメモリに記憶されたSA/PA制御許可フラグがオンであるか否かを判断する。SA/PA制御許可フラグは、自車位置演算部3aが、自車両CがSA/PAに進入したと判断した際にオンに設定されるフラグである。例えば、本線車道R1から進入した場合の側道Rw2の入口を通過した場合に、SA/PAに進入したと判断してSA/PA制御許可フラグは、オンにされる。また、SA/PAから退出したと判断した際に、SA/PA制御許可フラグは、オフにされる。これにより、SA/PA制御許可フラグがオン状態である場合にイグニッションモジュール40がオフとなっても、次にイグニッションモジュール40がオンとなった場合に、SA/PA制御許可フラグがオンとなっているため、自車位置演算部3aは、自車両CがSA又はPA内にいると判断することができる。
SA/PA制御許可フラグがオンであると判断した場合、即ち自車両CがSA/PA内にあると判断した場合(ステップS9−7においてYES)、ステップS9−8に進む。
ステップS9−8では、合流判定部3bは、SA/PAの側道Rj2に、図24に示すような分岐があるか否かを判断する。合流判定部3bは、経路データ6aに基づいて、この分岐を示す分岐ノードNjの有無を判断する。
側道Rj2に分岐ノードNjがあると判断した場合には(ステップS9−8においてYES)、自車位置が、分岐ノードNjを基準とした所定距離範囲D7内に含まれるか否かを判断する(ステップS9−9)。ここでは、所定距離範囲D7は、分岐点(分岐点としての分岐ノードNj)の100m前〜本線車道R1への合流点(合流点としての合流ノードNm)に設定している。
自車位置が、所定距離範囲D7内に含まれていると判断した場合には(ステップS9−9においてYES)、合流判定部3bは、図示しないメモリに記憶された第2合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオンにする(ステップS9−10)。
一方、ステップS9−8において、SA又はPA内に分岐がないと判断した場合には(ステップS9−8においてNO)、図25に示すように、自車位置が、側道Rj2の中間点Mを基準とした所定距離範囲D8内に含まれるか否かを判断する(ステップS9−11)。ここでは、所定距離範囲D8は、ここでは、中間点Mの100m前〜合流点(合流ノードNm)までに設定している。
自車位置が、所定距離範囲D8に含まれていると判断すると(ステップS9−11においてYES)、合流判定部3bは、第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオンにする(ステップS9−12)。
尚、ステップS9−3において、自車位置が、料金所Tbを基準とした所定距離範囲D6に含まれない場合(ステップS9−3においてNO)、及びステップS9−6において、リンク種別がSA又はPAの側道Rj2でないと判断した場合(ステップS9−6においてNO)、ステップS9−5に進む。そして、第1〜第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにする。
また、ステップS9−7において、SA/PA制御許可フラグがオフであると判断すると(ステップS9−7においてNO)、自車位置が側道Rw2であるにも関わらず、自車両CがSA/PA内に無いため、ステップS9−5に進み、第1〜第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにする。
さらにまた、ステップS9−9において、自車位置が、所定距離範囲D7内に含まれていないと判断した場合(ステップS9−9においてNO)、及び自車位置が所定距離範囲D8に含まれていないと判断した場合(ステップS9−11においてNO)、ステップS9−5に進み、第1〜第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにする。
このように、自車位置が、料金所Tb、側道Rj2の分岐及び中間点Mを基準とした所定距離範囲D6〜D8にあると判断された場合には、メモリに記憶された第1〜第3合流開始シーンを示すいずれかのシーン判別フラグがオンに設定された状態になる。合流開始シーンでないと判断されると、シーン判別フラグがオフとされる。
以上のように、ステップS6〜ステップS9において各シーン判定を行うと、図示しないメモリ内に記憶された、第1〜第3合流開始シーン、合流終了シーン、第1〜第3退出開始シーン及び退出終了シーンを示す各シーン判別フラグのいずれか1つがオンである場合か、各シーン判別フラグが1つもオンされていない状態になる。そして、ナビユニット3は、オンになっているシーン判別フラグに基づいて、合流開始タイミング、合流終了タイミング、退出開始タイミング及び退出終了タイミングのいずれかを判定する(ステップS11〜S14)。
この処理について図5に示す支援タイミング判定処理のフローで詳述する。まずステップS11において、合流判定部3bは、メモリに記憶された第1〜第3合流開始シーンを示すフラグがオンになっているか否かを判断する。第1〜第3合流開始シーンを示す各フラグの一つがオンになっていると判断した場合(ステップS11においてYES)、合流開始タイミングを検出するための合流開始判定を行う(ステップS15)。即ち、合流開始シーンであると判断された場合には、合流開始タイミングの検出のみを集中して実行するため、全てのシーンに応じた判定を行うよりも処理量を軽減し、タイミングの検出精度を向上できる。
(合流開始判定)
合流開始判定処理について、図10に従って説明する。まず、合流判定部3bは、第1合流開始シーンのシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS15−1)。第1合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオンである、即ち自車位置が料金所Tbを基準とした所定距離範囲D6(料金所Tb500m前〜料金所Tbを過ぎた50m先、図23参照)内にあると判断すると(ステップS15−1においてYES)、合流判定部3bは、自車両Cが料金所Tbを通過したか否かを判断する(ステップS15−2)。料金所Tbを通過したと判断した場合には(ステップS15−2においてYES)、合流開始フラグ及び合流路走行フラグをオンとする(ステップS15−3)。合流開始フラグ
は、各合流開始シーンを示すシーン判別フラグとは異なり、合流開始と判断された時点で初めてオンとなる。また、合流路走行フラグは上記したように、合流路を走行していることを示すフラグである。そして、合流開始フラグ及び合流路走行フラグをオンにすると、第1合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにする(ステップS15−4)。
一方、ステップS15−1において、第1合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオフであると判断すると(ステップS15−1においてNO)、第2合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS15−5)。第2合流開始シーンのフラグがオンである場合、即ち自車両Cが、図24に示すSA又はPA内の分岐点を基準とした所定距離範囲D7(分岐ノードNjの100m前〜合流ノードNmまで)内にあると判断した場合には(ステップS15−5においてYES)、SA/PA制御許可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS15−6)。SA/PA制御許可フラグは、上記したように、自車位置演算部3aが、自車両CがSA又はPAに進入したと判断した場合にオンとなる。SA/PA制御許可フラグがオンである、即ち自車両CがSA又はPA内に既に進入していると判断した場合には(ステップS15−6においてYES)、ステップS15−7に進む。尚、SA/PA制御許可フラグがオフであると判断した場合には(ステップS15−6においてNO)、合流路走行フラグをオンにして(ステップS15−11)、合流開始判定を終了し、図4に示すステップS105に進む。尚、ここでは、SA/PA制御許可フラグのオン、オフを判定し、精度を高めるようにしたが、この判断処理は省略してもよい。
ステップS15−7では、合流判定部3bは、分岐点を通過したか否かを判断する。分岐点(分岐ノードNj)を通過したと判断すると(ステップS15−7においてYES)、合流開始フラグ及び合流路走行フラグをオンとする(ステップS15−3)。続いて、第2合流開始シーンのシーン判別フラグをオフにする(ステップS15−4)。
一方、ステップS15−5において、第2合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオフであると判断すると(ステップS15−5においてNO)、第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS15−8)。
第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグがオンであると判断すると(ステップS15−8においてYES)、SA/PA制御許可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS15−9)。SA/PA制御許可フラグがオンであると判断すると(ステップS15−9においてYES)、ステップS15−10に進む。また、SA/PA制御許可フラグがオフであると判断すると(ステップS15−9においてNO)、合流路走行フラグのみをオンにして(ステップS15−11)、ステップS105に進む。
ステップS15−10において、第3合流開始シーンであって、自車位置が、図25に示すように分岐のないSA又はPA内の側道Rj2の中間点Mを基準とした所定距離範囲D8(中間点Mの100m前〜合流ノードNmまで)に含まれる場合、合流判定部3bは、中間点Mを通過したか否かを判断する。そして、中間点Mを通過したと判断した場合には(ステップS15−10においてYES)、合流開始フラグ及び合流路走行フラグをオンにして(ステップS15−3)、第3合流開始シーンを示すシーン判別フラグをオフにする(ステップS15−4)。
また、ステップS15−2において、料金所Tbを通過していないと判断した場合(ステップS15−2においてNO)、合流路走行フラグのみをオンにして(ステップS15−11)、合流開始判定を終了する。さらに、ステップS15−6,S15−9においてSA/PA制御許可フラグがオンでない場合(ステップS15−6においてNO)、合流路走行フラグのみをオンにして(ステップS15−11)、合流開始判定を終了する。
さらに、ステップS15−8において、第3合流開始シーンのフラグがオフであると判断した場合(ステップS15−8においてNO)、分岐点を通過していない場合(ステップS15−7においてNO)、中間点を通過していない場合(ステップS15−10においてNO)、合流路走行フラグをオフにする(ステップS15−11)。そして、ステップS105に進む。
又、合流判定部3bは、合流開始フラグを所定時間(例えば5〜10分等)だけオンにした後、初期状態のオフにリセットする。尚、次の合流開始判定で、合流開始フラグが再びオンに設定されると、経過時間を「0」に戻し、その時点からの経過時間を計測する。
このように、自車両Cが料金所Tb、分岐点又は中間点Mを通過した際に、合流開始フラグがオンにすると、運転者が、本線車道R1への合流を開始したと判断するタイミングにほぼ一致させることができる。このため、このタイミングで運転支援を行っても違和感がなく、的確なタイミングで支援することができる。
一方、図5に示す支援タイミング判定処理のステップS11において、合流開始シーン状態でないと判断した場合(ステップS11においてNO)、合流判定部3bは、合流終了シーン状態であるか否かを判断する(ステップS12)。合流判定部3bは、メモリに記憶されたシーン判別フラグを参照し、合流終了シーンを示すシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する。そのシーン判別フラグがオンである場合(ステップS12においてYES)、即ち太破線開始点S1を基準とした所定距離範囲D1,D2内に自車位置がある場合、合流終了判定を行う(ステップS16)。
(合流終了判定)
この合流終了判定処理について、図11に従って説明する。まず、合流判定部3bは、自車位置演算部3aから取得した自車位置と、レーン情報7aに含まれる太破線開始点S1の座標とに基づき、太破線開始点S1(図15及び図16参照)を通過後、所定距離以上走行したか否かを判断する(ステップS16−1)。ここでは所定距離は、100mに設定されている。
太破線開始点S1を通過後、所定距離(100m)以上走行したと判断すると(ステップS16―1においてYES)、合流のための加速はほぼ完了している状態となるため、合流終了フラグをオンにするとともに、本線走行フラグをオンにする(ステップS16−2)。
即ち、所定距離(100m)以上走行した場合でも、合流終了でないと判定すると、合流のための運転支援を継続してしまうことになるため、例えば自車両Cが加速し続けてしまう。また、渋滞が発生し、自車両Cが低速走行している場合には、所定距離(100m)以上走行しても合流できない可能性が考えられる。このため、所定距離範囲(100m)以上走行した場合には、合流終了と判定する。また、運転者が実際に視認する太破線BLを基準とすることで、運転者が合流終了であると判断するタイミングを検出することができる。
また、合流判定部3bは、合流終了フラグを所定時間だけオンにした後、初期状態のオフにリセットする。尚、次の合流終了判定で、合流終了フラグが再びオンに設定されると、経過時間を「0」に戻し、その時点からの経過時間を計測する。
さらに、合流判定部3bは、合流終了シーンのシーン判別フラグ及び合流路走行フラグをオフにする(ステップS16−3)。また、SA/PA制御許可フラグをオフにする(ステップS16−4)。
一方、太破線開始点S1を通過後、所定距離(100m)以上走行していないと判断した場合(ステップS16−1においてNO)、即ち自車位置が太破線開始点S1の手前である場合、或いは太破線開始点S1を通過したが、通過後の走行距離が100mに到達していない場合、ステップS16−5に進む。
ステップS16−5では、合流判定部3bは、合流点(合流ノードNm、図15参照)を通過後、所定距離以上走行したか否かを判断する。ここでは、この所定距離は、100mに設定されている。このように、ステップS16−1と合わせて合流終了のタイミングを繰り返し判断することで、タイミングを漏れなく検出するようにしている。
ステップS16−5において、合流判定部3bが、自車両Cが合流点を通過後、所定距離(100m)以上走行したと判断した場合(ステップS16−5においてYES)、合流終了フラグ及び本線走行フラグをオンにする(ステップS16−2)。また、合流終了シーンのシーン判別フラグ、SA/PA制御許可フラグ及び合流路走行フラグをオフにする(ステップS16−3、ステップS16−4)。
ステップS16−5において、合流判定部3bが、自車両Cが合流点を通過後、所定距離(100m)以上走行していないと判断した場合(ステップS16−5においてNO)、ステップS16−6に進む。ステップS16−6では、合流判定部3bは、画像プロセッサ8に基づき、自車両Cに対する太破線BLの位置を判定する太破線越え判定を行う。
例えば、画像プロセッサ8は、カメラ30から、図26に示すような画像データGを入力する。この画像データGは、自車両Cが太破線BLを越えたときの車両後方を撮像している。画像データGには、カメラ位置からみて、自車両Cの右側に位置する太破線BLが撮影されている。画像プロセッサ8は、上記したように、この画像データGに対しエッジ点の検出処理等を行い、太破線BLを示すエッジ点を連結したエッジを検出する。また、画像プロセッサ8は、エッジが検出された画像データGを座標変換し、図27に示すような鳥瞰画像G2を生成する。そして、図中2点鎖線で示す自車両Cに対して、太破線BLのエッジEGが、カメラ位置からみて自車両Cの左側及び右側のいずれにあるかを判断する。左側走行の場合であって、本線車道R1に対して左側から合流する場合、自車両Cの右側に太破線BLのエッジEGがあると判断すると、自車両Cが太破線BLを越えたと判断する。本線車道R1に対して右側の合流路Rjから合流する場合、カメラ位置からみて自車両Cの左側に太破線BLのエッジEGがあると判断すると、自車両Cが太破線BLを越えたと判断する。自車両Cの車体とエッジEGが重複している場合、及び自車両Cの左側にエッジEGがある場合には、自車両Cが太破線BLを越えていないと判断する。
画像プロセッサ8は、太破線越え判定(ステップS16―6)に基づき、自車両Cが太破線BLを越えたか否かを判断する(ステップS16−7)。太破線BLを越えたと判断すると(ステップS16−7においてYES)、自車位置演算部3aにより、自車両Cが合流路Rjから本線車道R1のレーンに移動したか否かを判断する(ステップS16−8)。即ち、画像処理による判定だけでなく、レーン移動の有無を判断することで、太破線BLを越えたか否かの判断をより確実にするようにしている。
レーンを移動したと判断すると(ステップS16−7においてYES)、合流終了フラグ及び本線走行フラグをオンにする(ステップS16−2)。また、合流終了シーンのシーン判別フラグ、SA/PA制御許可フラグ及び合流路走行フラグをオフにする(ステップS16−3、ステップS16−4)。このように、画像処理を用いて合流終了判定を行うことにより、合流終了を検出するタイミングを、運転者が合流終了であると判断するタイミングと一致させることができる。
レーンを移動していないと判断すると(ステップS16−8においてNO)、合流開始判定を終了するとともに、支援実行を行わずステップS105(図4参照)に進む。また、ステップS16−7において、太破線BLを越えていないと判断した場合にも(ステップS16−7においてNO)、支援実行を行わずステップS105(図4参照)に進む。
このように、合流終了フラグがオンになると、図4に示すステップS104において、合流終了時に応じた支援を的確なタイミングで実行することができる。また、合流開始フラグがオンになった時点から、合流終了フラグがオンになった時点までを合流区間として設定することで、情報提供、警告、シフト制御等、合流区間に沿った支援を実行することができる。
一方、図5に示す支援タイミング判定処理のステップS12において、合流終了シーンでないと判断した場合(ステップS12においてNO)、合流判定部3bは、第1〜第3退出開始シーンのいずれかの状態であるか否かを判断する(ステップS13)。合流判定部3bは、メモリに記憶されたシーン判別フラグを参照し、第1〜第3退出開始シーンを示すシーン判別フラグのいずれかがオンであるか否かを判断する。そのいずれかのシーン判別フラグがオンである場合(ステップS13においてYES)、即ち前方に退出路Rwと本線車道R1との分岐がある場合であって、太破線BLの位置とゼブラゾーンZbとの位置が一致する場合、退出開始判定を行う(ステップS17)。
(退出開始判定)
この退出開始判定について、図12に従って説明する。退出判定部3cは、レーン情報DB7のレーン情報7aに基づき、太破線BLの長さLを取得する(ステップS17−1)。そして、その太破線BLの長さLが所定の長さ未満であるか否かを判断する(ステップS17−2)。太破線BLの長さLが所定の長さ(300m)未満であると判断すると(ステップS17−2においてYES)、太破線BLの本数を検出する(ステップS17−3)。
例えば、図20に示すように、本線車道R1と退出路Rwとを区画する太破線BLのみ標示されている場合には、退出判定部3cは太破線BLが「1本」であると判断する。図21に示すように、本線車道R1と退出路Rwとを区画する太破線BLだけでなく、本線車道R1の各レーンを区画する太破線BLが標示されている場合がある。この場合には、退出判定部3cは、太破線BLが「2本」であると判断する。そして、ステップS17−4において、太破線BLの本数が単数であるか否かを判断する。太破線BLの本数が単数である場合(ステップS17−4においてYES)、ステップS17−5に進む。また、太破線BLの本数が複数である場合(ステップS17−4においてNO)、ステップS17―9に進む。
ステップS17−5では、退出判定部3cは、画像プロセッサ8と協働して、上記したステップS16−6と同様に、太破線越え判定を行う。そして、自車両Cが太破線BLを越えたか否かを判断する(ステップS17−6)。例えば本線車道R1から左側に分岐する退出路Rwに退出する場合、太破線BL(エッジEG)が、カメラ位置からみて自車両Cの左側にある場合に太破線を越えたと判断し、太破線BLが、カメラ位置からみて自車両Cの右側、自車両Cの下にある場合には太破線BLを越えていないと判断する。
太破線を越えたと判断すると(ステップS17−6においてYES)、退出判定部3cに記憶された退出開始フラグ及び退出路走行フラグをオンにする(ステップS17−7)。また、本線走行フラグ、退出開始のシーン判別フラグをオフにする(ステップS17−8)。また、退出判定部3cは、退出開始フラグを所定時間だけオンにした後、初期状態のオフにリセットする。尚、次の退出開始判定で、退出開始フラグが再びオンに設定され
ると、経過時間を「0」に戻し、その時点からの経過時間を計測する。
運転者は太破線BLを越えた際に退出開始したと判断することが多いので、このように画像処理により自車両Cが太破線BLを越えたタイミングを退出開始のタイミングとすると、運転者の感覚に合わせることができる。また、太破線BLを越えた後に退出開始であると判定することで、退出路Rwに進入する前に減速しないようにすることができる。
一方、ステップS17−9では、退出判定部3cは、自車位置演算部3aに基づき現在のレーンを判定する。そして、退出路Rw近傍のレーンを走行しているか否かを判断する(ステップS17−10)。図21に示すように、自車位置が、退出路Rwと隣り合ったレーンL1上にある場合には、ステップS17−10において、退出路Rw近傍のレーンを走行していると判断し(ステップS17−10においてYES)、ステップS17−11に進む。また、自車位置が、退出路Rwと隣り合ったレーンL1でなく、退出路Rwに対して、レーンL1を隔てたレーンL2,L3上にある場合には、退出路Rw近傍のレーンを走行していないと判断し(ステップS17−10においてNO)、退出開始判定を終了するとともに、支援実行を行わずステップS105(図4参照)に進む。
そして、ステップS17−11では、上記した太破線越え判定を行う。続いて、自車両Cが太破線BLを越えたか否かを判断する(ステップS17−12)。太破線BLを越えていない場合には(ステップS17−12においてNO)、支援実行を行わずステップS105(図4参照)に進む。太破線BLを越えたと判断すると(ステップS17−12においてYES)、退出判定部3cに記憶された退出開始フラグ及び退出路走行フラグをオンにする(ステップS17−7)。また、本線走行フラグ、退出開始のシーン判別フラグをオフにする(ステップS17−8)。
一方、ステップS17−2において、太破線BLの全長が所定の長さ(300m)以上であった場合(ステップS17−2においてNO)、図13に示すステップS17−13に移る。つまり、太破線BLの全長が所定の長さ以上である場合、自車両Cが退出路Rwへ道なりに退出する可能性があるので、道なり退出を加味した処理を行う。
まず、ステップS17−13において、退出判定部3cは、レーン情報7aに基づいて前方道路上に標示された太破線BLの本数を検出する。続いて、太破線BLの本数が単数であるか否かを判断する(ステップS17−14)。太破線BLの本数が単数である場合(ステップS17−4においてYES)、退出判定部3cは、レーン情報7aに基づき、本線車道R1と退出路Rwとの間に標示されたゼブラゾーンZbの開始点S2から自車位置までの距離を取得する(ステップS17−15)。
開始点S2から自車位置までの距離を取得すると、退出判定部3cは、取得した距離が、予め定めた道なり退出判定距離未満であるか否かを判断する(ステップS17−16)。ここで、「道なり退出」とは、図20に示すように、退出路Rwに接続する本線車道R1を構成する走行レーンL5があって、走行レーンL5に沿って道なりに走行することによって、太破線BLを越えることなく退出路Rwに進入する状態を指す。また、「道なり退出判定距離」とは、自車両Cが走行レーンL5を走行している際に、自車両Cが道なり退出をするか否かを判断するための距離であって、本実施形態では、自車位置とゼブラゾーンZbの開始点S2との相対距離、即ち残りの退出区間が、100m未満であるか否かを判断する。
開始点S2から自車位置までの距離が、予め定めた道なり退出判定距離以上であると判断すると(ステップS17−16においてNO)、退出開始判定を終了し、ステップS105に進む。また、開始点S2から自車位置までの距離が、予め定めた道なり退出判定距
離未満であると判断すると(ステップS17−16においてYES)、残りの退出区間が短くなったと判断して、ステップS17−17に進む。
ステップS17−17では、自車位置演算部3aは、自車両Cの現在のレーンを判定する(ステップS17−17)。続いて、退出路Rwに接続する道なり退出可能な走行レーンL5を走行しているか否かを判断する(ステップS17−18)。このとき、退出判定部3cは、自車位置とレーン情報7aとに基づき、自車両Cが道なり退出可能な走行レーンを走行していると判断してもよい。或いは、カメラ30から画像データGを取得し、画像プロセッサ8により、太破線BLが自車両Cのどちら側にあるかを判断するようにしてもよい。
そして、道なり退出可能な走行レーンL5を走行していないと判断した場合には(ステップS17−18においてNO)、上記した太破線越え判定を行い(ステップS17−19)、退出区間を示す太破線BLを越えたか否かを判断する(ステップS17−20)。また、退出区間を示す太破線BLを越えていない場合には(ステップS17−20においてNO)、退出開始判定を終了し、ステップS105に進む。太破線BLを越えたと判断した場合には(ステップS17−20においてYES)、退出判定部3cに記憶された退出開始フラグ及び退出路走行フラグをオンにする(ステップS17−21)。本線走行フラグ、退出開始のシーン判別フラグをオフにする(ステップS17−22)。
一方、ステップS17−14において、太破線BLの本数が複数であると判断した場合(ステップS7−14においてNO)、ステップS17−15と同様に、退出判定部3cは、レーン情報7aに基づき、ゼブラゾーンZbの開始点S2から自車位置までの距離を検出する(ステップS17−23)。続いて、ステップS17−16と同様に、取得した距離が、予め定めた道なり退出判定距離(100m)未満であるか否かを判断する(ステップS17−24)。
開始点S2から自車位置までの距離が、予め定めた道なり退出判定距離(100m)以上であると判断すると(ステップS17−24においてNO)、退出開始判定を終了し、ステップS105に進む。開始点S2から自車位置までの距離が、予め定めた道なり退出判定距離未満であると判断すると(ステップS17−24においてYES)、現在のレーンを判定する(ステップS17−25)。続いて、退出路Rwに接続する道なり退出可能な走行レーンL5を走行しているか否かを判断する(ステップS17−26)。
退出路Rwに接続する道なり退出可能な走行レーンL5を走行していると判断した場合には(ステップS17−26においてYES)、退出判定部3cに記憶された退出開始フラグ及び退出路走行フラグをオンにする(ステップS17−21)。続いて、本線走行フラグ、退出開始のシーン判別フラグをオフにする(ステップS17−22)。
一方、退出路Rwに接続する道なり退出可能な走行レーンL5を走行していないと判断した場合には(ステップS17−26においてNO)、自車位置、レーン情報7a等に基づき、退出路Rw近傍のレーンを走行しているか否かを判断する(ステップS17−27)。そして、退出路Rw近傍のレーンを走行していると判断した場合(ステップS17−27においてYES)、ステップS17−28に進む。また、退出路Rw近傍のレーンを走行していないと判断した場合(ステップS17−27においてNO)、ステップS105に進む。
ステップS17−28では、太破線越え判定を行い、さらに自車両Cが太破線BLを越えたか否かを判断する(ステップS17−29)。そして、自車両Cが太破線BLを越えていないと判断すると(ステップS17−29においてNO)、ステップS105に進む
。また、自車両Cが太破線BLを越えたと判断すると(ステップS17−29においてYES)、退出判定部3cに記憶された退出開始フラグ及び退出路走行フラグをオンにし(ステップS17−21)、本線走行フラグ、退出開始のシーン判別フラグをオフにする(ステップS17−22)。
一方、図5に示すステップS13において、退出開始シーンでないと判断された場合には(ステップS13においてNO)、第1〜第3退出終了シーンのいずれかであるか否かを判断する(ステップS14)。第1〜第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグが全てオフ、即ち、全てのシーン判別フラグがオフである場合(ステップS14においてNO)、全てのシーン判別フラグがオフであるため、図4に示すステップS105に進む。第1〜第3退出終了シーンのいずれかを示すシーン判別フラグがオンであると判断すると(ステップS14においてYES)、退出終了判定を行う(ステップS18)。
(退出終了判定)
この退出終了判定について、図14に従って説明する。まず、退出判定部3cは、第1退出終了シーンのフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS18−1)。第1退出終了シーンを示すフラグがオンである、即ち自車位置が料金所Tbを基準とした所定距離範囲D3(料金所Tb500m前〜料金所Tbを過ぎた100m先)内にあると判断すると(ステップS18−1においてYES)、退出判定部3cは、自車両Cが料金所Tbを通過したか否かを判断する(ステップS18−2)。そして、料金所Tbを通過したと判断した場合には(ステップS18−2においてYES)、退出終了フラグをオンとする(ステップS18−3)。退出終了フラグは、第1〜第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグとは異なり、退出終了と判断された時点で初めてオンとなる。続いて、第1退出終了シーンのシーン判別フラグ、退出路走行フラグをオフにする(ステップS18−4)。
一方、ステップS18−2において、料金所Tbを通過していないと判断すると(ステップS18−2においてNO)、退出終了判定を終了し、ステップS105に進む。
また、ステップS18−1において、第1退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオフであると判断すると(ステップS18−1においてNO)、第2退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS18−5)。第2退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオンである場合、即ち図18に示すように、自車位置が、分岐ノードNjを基準とした所定距離範囲D4(分岐ノードNjの手前500m〜分岐点を過ぎた100m先)内に含まれる場合(ステップS18−5においてYES)、ステップS18−6に進む。
ステップS18−6では、SA又はPA内の分岐点を通過したか否かを判断する。分岐点(分岐ノードNj)を通過したと判断すると(ステップS18−6においてYES)、退出終了フラグをオンとする(ステップS18−3)。続いて、退出終了シーンのシーン判別フラグ、退出路走行フラグをオフにする(ステップS18−4)。
一方、ステップS18−5において、第2退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオフであると判断すると(ステップS18−5においてNO)、第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS18−7)。ここで、第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオフであると判断すると(ステップS18−7においてNO)、退出終了判定を終了して、ステップS105に進む。
第3退出終了シーンを示すシーン判別フラグがオンである場合、即ち自車位置が、図19に示すように分岐のない側道Rw2の中間点Mを基準とした所定距離範囲D5(中間点Mの手前500m〜中間点Mを過ぎた100m先)に含まれる場合、退出判定部3cは、中間点Mを通過したか否かを判断する(ステップS18−8)。中間点Mを通過したと判
断した場合には(ステップS18−8においてYES)、退出終了フラグをオンとする(ステップS18−3)。続いて、第3退出終了シーンのシーン判別フラグ、退出路走行フラグをオフにする(ステップS18−4)。中間点Mを通過していないと判断した場合には(ステップS18−8においてNO)、退出終了判定を終了し、ステップS105に進む。
このように、第1〜第3退出終了シーンを示す各シーン判別フラグのいずれかがオンになっている場合、料金所Tbを通過、分岐通過又は中間点Mを通過した場合に、退出終了であると判断するようにしたので、運転者が退出を終了したと判断するタイミングと合致させることができる。
図5に示す各判定処理S15〜18が終了すると、ナビユニット3の支援制御部3dは、上記したように支援タイミングであるか否かを判断する(ステップS103)。例えば、退出開始フラグがオンである場合には、支援制御部3dは、支援タイミングであると判断して、音声プロセッサ12又は画像プロセッサ8等に制御信号を出力して、退出開始用の情報提供又は警告を行う(ステップS104)。或いは、ECU45に制御信号を出力して、減速処理を行う。情報提供、操作支援等の運転支援を実行すると、ステップS105で支援を終了するか否かを判断し、支援を終了しない場合には(ステップS105においてNO)、上記した処理を繰り返す。支援を終了する場合には(ステップS105においてYES)、支援処理を終了し、運転支援が再開されるのを待機する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、支援制御ユニット2は、合流開始シーン又は合流終了シーンを予め判定し、各シーンに応じて、合流開始又は合流終了のタイミングを判定するようにした。このため、検出した合流開始又は合流終了のタイミングに基づき、合流開始時又は合流終了時に応じた運転支援を、運転者が合流開始又は合流終了であると感じた時に実行することができる。このため、運転者が違和感を感じない運転支援を行うことができる。
(2)上記実施形態では、自車位置が料金所Tbを基準とした所定距離範囲D6内に含まれる場合に、第1合流開始シーンであると判断するようにした。また、SA又はPAの側道Rj2の分岐点又は中間点を基準とした所定距離範囲D7,D8内に自車両Cがある場合に、第2又は第3合流開始シーンであると判断するようにした。このため、料金所Tb周辺だけでなく、SA又はPAから本線車道R1への合流でも、合流開始タイミングを判断することができる。
(3)上記実施形態では、自車両Cが、太破線開始点S1を基準とした所定距離範囲D1,D2内にある場合に、合流終了シーンであると判断するようにした。このため、合流区間を示す路面標示を利用するので、運転者が合流を完了したと判断する場面を合流終了シーンとすることができる。
(4)上記実施形態では、自車両Cが料金所Tbを通過した際に、合流開始タイミングであると判断する。このため、合流開始と判断された地点から本線車道R1に合流するまでの走行距離を、シフト制御等の合流開始時の運転支援に適した距離にすることができる。また、自車両CがSA又はPAに接続する側道Rj2の分岐点又は中間点を通過した場合に、合流開始タイミングであると判断するようにした。このため、SA又はPAから本線車道R1への合流でも、合流開始タイミングを判断することができる。
(5)上記実施形態では、自車両Cが太破線開始点S1を通過後、所定距離(100m)以上走行した場合に合流終了であると判断するようにした。即ち、合流の際に、運転者が視認する太破線BLを基準として合流終了判定を行うので、走行環境に応じたタイミン
グ判定を行うことができる。また、自車両Cが合流点を通過後、所定距離以上走行した場合に、このため、合流終了のタイミングを比較的簡単に且つ的確に判断することができる。
(6)上記実施形態では、自車両が太破線BLを越えたと判断した場合に、合流終了であると判断するようにした。即ち、合流の際に、運転者が視認する太破線BLを基準として合流終了判定を行うので、運転者が合流終了したと判断するタイミングを検出することができる。
(7)上記実施形態では、支援制御ユニット2は、合流開始及び合流終了のタイミングを検出するようにしたので、合流開始から合流終了までを合流区間(又は合流時間)として検出することができる。このため、合流区間や合流時間を、運転支援等に有効利用することができる。
(8)上記実施形態では、支援制御ユニット2は、自車両Cのその時点の状況が、退出開始シーンであるか否かを予め判定し、退出開始シーンである場合に退出開始のタイミングを判定するようにした。このため、検出した退出開始のタイミングに基づき、退出開始時に応じた運転支援を、運転者が退出開始時であると感じた時に実行することができる。このため、運転者が違和感を感じない運転支援を行うことができる。
(9)上記実施形態では、自車両Cの前方に太破線BLがあると判断した場合に、退出開始シーンであると判断するようにした。また、画像プロセッサ8に基づき、自車両Cが太破線BLを越えたと判断した際に、本線車道R1から退出した退出開始タイミングであると判断するようにした。このため、運転者が退出を開始したと判断するタイミングを検出できるので、運転支援を的確なタイミングで行うことができる。
(10)上記実施形態では、退出開始判定の際に、太破線BLの長さを検出し、太破線BLの長さが所定の長さ(100m)超である場合に、ゼブラゾーンZbの開始点S2からの自車位置の相対距離が道なり退出判定距離未満であるか否か、且つ自車両Cが道なり退出可能な走行レーンL5を走行しているか否かを判断するようにした。そして、自車両Cが道なり退出する走行レーンL5を走行し、開始点S2からの距離が道なり退出判定距離未満である場合に、退出開始と判断するようにした。このため、自車両Cが長い退出レーンを走行している場合にも、運転者が退出を開始したと判断するタイミングを検出できるので、運転支援を的確なタイミングで行うことができる。
(11)上記実施形態では、退出判定部3cは、太破線BLが複数ある場合には、退出路Rwの近傍にある太破線BLを、本線車道R1と退出路Rwとを区画する太破線BLであると判断するようにした。このため、多様な路面標示パターンに対応することができる。
(12)上記実施形態では、自車両Cのその時点の状況が退出終了シーンであるか否かを予め判定し、退出終了シーンである場合に、退出終了のタイミングを判定するようにした。このため、検出した退出終了のタイミングに基づき、退出終了時に応じた運転支援を、運転者が退出終了時であると感じた時に実行することができる。このため、運転者が違和感を感じない運転支援を行うことができる。
(13)上記実施形態では、自車位置が、料金所Tbを基準とした所定距離範囲D4内に含まれる場合に、退出終了シーンであると判断するようにした。このため、運転者が退出終了時であると判断する場面を、退出終了シーンとして検出することができる。また、SA又はPAの側道Rj2の分岐点又は中間点を基準とした所定距離範囲D5,D6内に
自車両Cがある場合に、退出終了シーンであると判断するようにした。このため、料金所Tb周辺だけでなく、SA又はPAから本線車道R1への合流でも、合流開始タイミングを判断することができる。
(14)上記実施形態では、退出終了判定の際に、自車両Cが料金所Tbを通過した際に、退出終了タイミングであると判断する。このため、運転者が退出終了時であると判断する時を、退出終了のタイミングとして検出することができる。
(15)上記実施形態では、退出判定の際に、自車両CがSA又はPAに接続する側道Rj2の分岐点又は中間点を通過した場合に、退出終了タイミングであると判断するようにした。このため、SA又はPAから本線車道R1への合流でも、退出終了タイミングを判断することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、支援制御ユニット2を、高速道路上での合流又は退出の各タイミングを検出する装置としたが、高速道路以外の有料道路、主要道路等の合流又は退出の各タイミングを検出する装置としてもよい。料金所、SA/PAが無い場合には、合流ノードNm等からの相対距離等を基準として各種シーンを判断し、太破線BLを越えた場合に合流終了、退出終了であると判断してもよい。
・上記実施形態では、各所定距離範囲D1〜D8の値をそれぞれ変更してもよい。
・上記実施形態では、退出終了シーンで、SA/PA制御許可フラグをオンオフして、SA又はPAに応じた制御を実行許可を示すようにしたが、単に自車位置と、地図描画データ6bに含まれる施設データ等とを参照して、自車位置がSA又はPAにマッチングした場合に、SA又はPAに応じた制御を許可するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ステップS6−6,ステップS6−9において、太破線開始点S1から所定距離範囲D1,D2内であると判断した際に、合流終了シーンであるとしたが、ゼブラゾーンZbに対して設定された基準点(例えば開始点)を中心とした距離範囲でもよい。
・上記実施形態では、カメラ30は自車両Cの後端に取り付けるようにしたが、サイドミラー等、自車両Cの側方に取り付けるようにしてもよい。また、車両前端に取り付けるようにしてもよい。
・合流終了判定において、太破線開始点S1通過後、所定距離以上走行したか否か(ステップ16−1)、及び、合流点通過後、所定距離以上走行したか(ステップS16−5)の判断処理は、省略してもよい。
・合流終了シーン判定のステップS6−5、ステップS6−8において、基準点である太破線開始点S1と自車位置との相対距離を算出するようにしたが、ゼブラゾーンZbの開始点S2又は合流ノードNmを基準点としてもよい。
・上記実施形態では、退出開始及び退出終了のタイミングを検出するようにしたが、どちらか一方又は両方を省略し、支援制御ユニット2を合流開始及び合流終了のタイミングを検出する装置としてもよい。
1…運転支援システム、2…走行状況判定装置としての支援制御ユニット、3a…自車位置演算手段としての自車位置演算部、3b…場面判断手段、タイミング判定手段としての合流判定部、3c…退出判定部、3d…支援制御手段としての支援制御部、6…道路網データ記憶手段としての地図DB、6a…道路網データとしての経路データ、6b…道路網データとしての地図描画データ、7…標示データ記憶手段としてのレーン情報DB、7a…路面標示属性データとしてのレーン情報、8…画像処理手段としての画像プロセッサ、30…撮影装置としてのカメラ、BL…標示、破線標示、退出区間としての太破線、C…自車両、G…画像データ、Nj…分岐点としての分岐ノード、Nm…合流点としての合流ノード、L…長さ、L1,L2,L3…レーン、M…中間点、R1…本線車道、Rj…取付道路としての合流路、Rw…取付道路としての退出路、Rw2…取付道路としての側道、S1…基準点としての太破線開始点、S2…基準点としての開始点、Tb…料金所、Zb…標示としてのゼブラゾーン。