JP4836551B2 - 蓄熱マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物理的、化学的に安定で耐熱性に優れたカプセル壁により蓄熱材が内包された蓄熱マイクロカプセル及びその製造方法に関する。
蓄熱材と熱媒体との熱交換手段としては、直接接触による方法が最も効率が良い。しかしながら、蓄熱材と熱媒体とが物理的、化学的に相互作用する場合が多いため、間接接触を行わざるを得ないのが現状である。
この間接接触による熱交換手段として、蓄熱材をカプセル化し、カプセル膜を介して熱媒体と熱交換する方法が挙げられる。この方法は、蓄熱材の単位体積当たりの表面積が大きくなるため非常に有効であり、伝熱促進をより有効ならしめるために、カプセルのマイクロ化が種々検討されている。
例えば、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特許文献1参照)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特許文献2参照)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特許文献3参照)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特許文献4参照)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特許文献5参照)等の蓄熱マイクロカプセルの製造方法が開示されている。
これらの特許文献で開示されている蓄熱材を内包したマイクロカプセル(以下、蓄熱マイクロカプセルと称する)は、カプセル壁材として、界面重合法やin−Situ法等の手法で得られるポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタンの他、尿素ホルマリン樹脂やメラミンホルマリン樹脂等のアミノプラスト樹脂等の有機高分子が用いられている。また、蓄熱材としては、相変化により蓄熱又は放熱する潜熱蓄熱物質が用いられており、具体的には、n−パラフィン、iso−パラフィン、脂肪酸、高級アルコール等が用いられている。これらの物質が蓄熱できる熱量(蓄熱量)は、それぞれの物質の融解潜熱量(ΔH)でほぼ決定され、ΔH=150〜250kJ/kgの範囲である(図9参照)。
ところで、蓄熱マイクロカプセルにおいては、カプセル壁が物理的、化学的に安定であり、堅牢性を有することが求められる。加えて、蓄熱マイクロカプセルが、内包する蓄熱材の相変化温度もしくはそれ以上の高温環境下に曝された場合であっても、カプセルの破壊が生じないような高い耐熱性が求められる。
これに関し、蓄熱材として脂肪族系炭化水素化合物を用い、これを内包するカプセル壁材として、物理的、化学的に安定した壁材の合成が可能なin−Situ法による尿素ホルマリン樹脂やメラミンホルマリン樹脂皮膜を用いた蓄熱マイクロカプセルが開示されている(特許文献6参照)。
特開昭62−1452号公報 特開昭62−45680号公報 特開昭62−149334号公報 特開昭62−225241号公報 特開平2−258052号公報 特開2003−306672号公報
しかしながら、特許文献1〜6に開示された蓄熱マイクロカプセルはいずれも、そのカプセル壁材がポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、メラミンホルマリン樹脂等の有機高分子のみから構成されている。このため、最も耐熱性の高いメラミンホルマリン樹脂であっても、使用環境温度が150℃より高温である場合には、内包された蓄熱材が漏洩し、蓄熱性能が低下してしまう。
このため、従来の蓄熱マイクロカプセルは、雰囲気温度150℃以下でしか使用することができないという制約がある。このような耐熱性限界は、メラミンホルマリン樹脂等の有機高分子の耐熱性(ISO75:荷重たわみ温度、別名では熱変形温度)で決定されるものであり、カプセル壁を厚壁化しても、大幅な耐熱性の向上は望めない。
一方、内燃機関等を熱源とした蓄熱利用においては、その雰囲気温度は200℃以上になることも想定され、この場合には従来の蓄熱マイクロカプセルを利用できず、マイクロカプセルの更なる耐熱性の向上が望まれている。
従って、本発明の目的は、内包された蓄熱材の相変化温度もしくはそれ以上の高温環境下(具体的には雰囲気温度が200℃以上)にマイクロカプセルが曝された場合であっても、物理的、化学的に安定でカプセル壁が破壊することがないような高い耐熱性を有する蓄熱マイクロカプセル及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、相変化により蓄熱又は放熱する水に不溶な潜熱蓄熱材を芯物質とし、この芯物質を無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成された複合カプセル壁で被覆することにより、物理的、化学的に安定で耐熱性に優れた蓄熱マイクロカプセルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 蓄熱性を有する芯物質と、この芯物質を被覆するカプセル壁と、を有する蓄熱マイクロカプセルであって、前記芯物質は、相変化により蓄熱又は放熱する水に不溶な潜熱蓄熱物質であり、前記カプセル壁は、無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成された複合カプセル壁である蓄熱マイクロカプセル。
(2) 前記無機化合物は、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸スズ、及び、珪酸鉄よりなる群から選ばれる一種又は二種以上の混合物である(1)記載の蓄熱マイクロカプセル。
(3) 前記有機高分子化合物は、アラミド樹脂である(1)又は(2)記載の蓄熱マイクロカプセル。
(4) 前記潜熱蓄熱物質は、n−パラフィン、iso−パラフィン、脂肪酸、高級アルコールよりなる群から選ばれる少なくとも一種である(1)から(3)いずれか記載の蓄熱マイクロカプセル。
本発明に係る蓄熱マイクロカプセルは、相変化により蓄熱又は放熱する水に不溶な潜熱蓄熱物質で構成される芯物質を被覆するカプセル壁が、無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成されたものである。即ち、カプセル壁が有機高分子化合物だけでなく、無機化合物と有機高分子化合物との複合材により形成されたものであるため、物理的、化学的に安定で堅牢性を有するうえ、優れた耐熱性をも有する蓄熱マイクロカプセルを提供できる。具体的には、使用環境温度250℃までの耐熱性を有する蓄熱マイクロカプセルを提供できる。
また、相変化により蓄熱又は放熱する潜熱蓄熱物質のうち水に不溶であれば特に限定されることなく芯物質として用いることができるため、従来の蓄熱マイクロカプセルと同等の蓄熱量を有する。従って、本発明に係る蓄熱マイクロカプセルは、内燃機関等を熱源とした蓄熱の利用に有効である。
(5) 蓄熱性を有する芯物質と、この芯物質を被覆するカプセル壁と、を有する蓄熱マイクロカプセルの製造方法であって、前記芯物質を、相変化により蓄熱又は放熱する水に不溶な潜熱蓄熱物質とし、この潜熱蓄熱物質を、珪酸ナトリウム及び芳香族ジアミンを含有する水溶液中に添加して加熱混合することにより、O/W分散系を調製する工程と、前記O/W分散系を、W/O分散系乳化剤を溶解させたシリコンオイル又は前記W/O分散系乳化剤を溶解させたシクロヘキサン中に添加して混合することにより、(O/W)/O’分散系を調製する工程と、前記(O/W)/O’分散系中に芳香族ジカルボン酸塩化物を添加して加熱混合した後、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化スズ、及び、塩化鉄よりなる群から選ばれる一種又は二種以上の混合物水溶液をさらに添加して加熱混合することにより、アラミド樹脂と珪酸塩とが複合化されて形成されたカプセル壁を得る工程と、を含む蓄熱マイクロカプセルの製造方法。
本発明に係る蓄熱マイクロカプセルの製造方法によれば、潜熱蓄熱物質で構成される芯物質を被覆するカプセル壁が、無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成された蓄熱マイクロカプセルを製造できるため、物理的、化学的に安定で堅牢性を有するうえ、優れた耐熱性をも有する蓄熱マイクロカプセルを提供できる。
本発明に係る蓄熱マイクロカプセルによれば、物理的、化学的に安定で耐熱性に優れた蓄熱マイクロカプセルを提供できる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
<潜熱蓄熱物質>
本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルの芯物質を構成する潜熱蓄熱物質は、相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱又は放熱を行うものである。具体的には、水に不溶な潜熱蓄熱物質が用いられる。例えば、n−パラフィン、iso−パラフィン、脂肪酸、高級アルコール等が挙げられる。
特に、内燃機関等を熱源とした蓄熱に利用する場合には、潜熱蓄熱物質としては、融点が30℃〜100℃の物質であることが好ましい。
また、蓄熱マイクロカプセルの熱伝導性や比重を調節、及び、過冷却を防止する目的で、カーボン、金属粉、アルコール等が添加されたものであってもよい。
<カプセル壁>
本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルのカプセル壁は、無機化合物と有機高分子化合物とが複合化されて形成されたものである。無機化合物としては、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸スズ、珪酸鉄等の珪酸塩を単独あるいは併用して好ましく用いられる。例えば、珪酸カルシウムは、珪酸ナトリウム(NaSiO)に塩化カルシウム(CaCl)を反応させて合成される。
また、有機高分子化合物としては、アラミド樹脂が好ましく用いられる。アラミド樹脂は、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸塩化物とを反応させて合成される。例えば、芳香族ジアミンであるp−フェニレンジアミン(PPDA)と、芳香族ジカルボン酸塩化物である二塩化イソフタロイル(IPDC)とを反応させることにより、アラミド樹脂が得られる。
<蓄熱マイクロカプセルの製造方法>
本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルの製造方法の一例を、図1に示すフローに沿って説明する。なお、この一例では、無機化合物として珪酸カルシウム、有機高分子化合物としてアラミド樹脂、芯物質を構成する潜熱蓄熱物質としてn−パラフィンを用いる。また、珪酸カルシウムの原料として珪酸ナトリウム及び塩化カルシウム、アラミド樹脂の原料としてp−フェニレンジアミン(PPDA)及び二塩化イソフタロイル(IPDC)を用いる。
[工程(1)]
先ず、珪酸ナトリウムとp−フェニレンジアミン(PPDA)を含有する水溶液に、n−パラフィンを添加し、ホモジナイザー等の撹拌機を用いて加熱撹拌してn−パラフィンの微粒子11を析出させ、平均粒子径1μm〜10μmに乳化されたO/W分散系を調製する。この工程(1)により調製されるO/W分散系の模式図を図2に示す。
なお、工程(1)において、O/W分散系の分散性を安定化させるために、DBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)やPVA(ポリビニルアルコール)等の分散安定剤を添加するのが好ましい。また、O/W分散系の加熱温度は、芯物質として使用する潜熱蓄熱物質の種類により適宜設定される。
[工程(2)]
次いで、工程(1)で得られたO/W分散系を、W/O分散系乳化剤(例えば、日本エマルジョン社製のポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:EMALEX)を溶解したシリコンオイル12中に投入し、(O/W)/O’分散系を調製する。この工程(2)により調製される(O/W)/O’分散系の模式図を図3に示す。図3に示すように、この工程によりパラフィン分散相Aが形成される。芯物質の融点が90℃を超える場合には、工程(1)の溶液を耐圧容器に封入し、窒素やアルゴン等の不活性ガスで2〜3kgf/cmに加圧し、加熱温度を水の沸点以上、例えば、180℃以上とすることでO/W系分散が可能である。
[工程(3)]
工程(2)で得られた(O/W)/O’分散系中に二塩化イソフタロイル14を投入して加熱攪拌し、(O/W)とO’の界面でアラミド樹脂の合成を開始する。このときの(O/W)とO’の界面における反応の様子を模式的に図4に示す。図4に示すように、内水相10に含まれるp−フェニレンジアミン13と、二塩化イソフタロイル14とが反応し、アラミド樹脂の合成が開始される。
[工程(4)]
工程(3)によりアラミド樹脂の合成が開始された(O/W)/O’分散系に、塩化カルシウム17を溶解させた水溶液を添加して、珪酸カルシウムを合成する。このときのn−パラフィン分散相Aにおける界面反応の様子を模式的に図5に示す。図5に示すように、内水相10に含まれる珪酸ナトリウム15と、塩化カルシウム17とが反応し、珪酸カルシウムが合成される。
最後に、解乳化して洗浄を行うことにより、図6に示すような蓄熱マイクロカプセルBが得られる。即ち、n−パラフィン微粒子11を被覆し、アラミド樹脂16と珪酸カルシウム18が複合化されて形成されたカプセル壁を有する蓄熱マイクロカプセルBが得られる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例>
図1に示すフローに沿って蓄熱マイクロカプセルを製造した。先ず、40mlの蒸留水に、NaSiO(珪酸ナトリウム:関東化学社製)5.0gと、PPDA(p−フェニレンジアミン:関東化学社製)を純水30mlに対して2.1g溶解したPPDA水溶液全量と、分散安定剤のDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:関東化学社製)0.5g、及び、分散安定剤のPVA(ポリビニルアルコール:関東化学社製)を純水250mlに対して1.25g溶解したPVA水溶液全量を混合し、内水相を作製した。
得られた内水相に、蓄熱材として、日本精蝋社製のパラフィンワックス「PW−115」(融解熱ΔH=202kJ/kg、m.p.47℃)10gを添加した。この混合液を70℃に加熱してパラフィンワックスを溶解させ、ホモジナイザー(日本精機社製バイオミキサー「BM−2型」)により、液温70℃にて、攪拌速度5000rpmで10分間撹拌して、O/W分散系を調製した。
このO/W分散系を、W/O分散系乳化剤であるEMALEX(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:日本エマルジョン社製)1.0gを溶解したシリコンオイル100ml中へ投入した。インペラーにより、室温にて500rpm、5分間の条件で撹拌し、(O/W)/O’分散系を調製した。
得られた(O/W)/O’分散系中に、IPDC(二塩化イソフタロイル:関東化学社製)2.0gを添加し、東京理科器械社製の撹拌機「EYLA−MLC4」により、60℃、400rpmにて、アラミド樹脂壁の合成を開始した。
次に、アラミド樹脂壁の合成を開始させた(O/W)/O’分散系にCaCl(塩化カルシウム:関東化学社製)2.03gを溶解させた蒸留水250mlを除々に添加し、24時間反応を進行させ、アラミド樹脂と珪酸カルシウムの複合膜を合成した。
最後に、解乳化して洗浄を行い、蓄熱マイクロカプセルを得た。
<比較例>
比較例として、特開2003−306672号公報に記載の製造方法に従って、蓄熱マイクロカプセルを製造した。先ず、メラミン粉末(関東化学社製メラミン「25093−02」(2、4、6−トリアミノ−1、3、5−トリアジン))12重量部に、37%ホルムアルデヒド水溶液15.4重量部と水40重量部を加え、pHを8に調整した後、約70℃まで加熱してメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。
次いで、pHを4.5に調整した10%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100重量部中に、蓄熱材としてn−オクタデカン(融解熱ΔH=240kJ/kg、融点30〜32℃)80重量部を激しく攪拌しながら添加し、粒子径が3.0μmになるまで乳化を行った。
得られた乳化液に上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し、70℃で2時間攪拌した後、pHを9まで上げて水を添加し、乾燥固形分濃度40%の蓄熱マイクロカプセル分散液を得た。
最後に、解乳化して洗浄を行い、蓄熱マイクロカプセルを得た。
<耐熱性、融点、融解熱の評価>
実施例及び比較例により得られた蓄熱マイクロカプセルについて、耐熱性、融点、融解熱の評価を行った。
<耐熱性>
実施例及び比較例により得られた蓄熱マイクロカプセルについて、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA:Seiko Instruments社製EXSTAR6000−TG/DTA6200)を用い、蓄熱マイクロカプセルのTG測定を行った。その結果得られたTG曲線を図7に示した。
図7のTG曲線に示されるように、比較例では、重量低下が150〜200℃で見られた。これに対して実施例では、重量低下が250〜300℃で見られ、重量低下の開始温度が約100℃高温側にシフトしていることが分かった。これにより、本実施例の蓄熱マイクロカプセルは、比較例の蓄熱マイクロカプセルに比べて優れた耐熱性を有することが確認された。
<融点、融解熱>
実施例及び比較例により得られた蓄熱マイクロカプセルについて、示差走査熱量測定装置(DSC:Seiko Instruments社製SSC/5520)を用い、吸熱ピーク、発熱ピークの温度を測定した。その結果得られたDSCチャートを図8に示した。
図8に示すように、実施例及び比較例により得られた蓄熱マイクロカプセルはいずれも、芯物質と同じ融点を起点として(即ち、実施例は47℃付近に)、吸熱ピークが見られた。即ち、本実施例の蓄熱マイクロカプセルにおいても、内包された蓄熱物質の相変化に起因するピークが見られたことにより、蓄熱マイクロカプセルとしての機能を有していることが分かった。
また、両者の吸熱ピークのピーク面積値は、実施例が132kJ/kgであるのに対し、比較例は145kJ/kgであった。この蓄熱量の差異は、主に内包している芯物質の融解潜熱量の差異によるものである。実施例のマイクロカプセル芯物質の内包率を計算すると、内包物質蓄熱量ΔH=202kJ/kgに対して、カプセル蓄熱量ΔH=132kJ/kgであることから、芯物質は概算で132/202×100=65%内包されていることが分かった。また、比較例のマイクロカプセル芯物質の内包率を計算すると、内包物質蓄熱量ΔH=240kJ/kgに対して、カプセル蓄熱量ΔH=145kJ/kgであることから、芯物質は概算で145/240×100=60%内包されていることが分かった。従って、いずれの例においても芯物質の内包率が60%程度であることから、本実施例の蓄熱マイクロカプセルは、比較例の蓄熱マイクロカプセルとほぼ同等の蓄熱量を有していることが確認された。
本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルの製造フロー図である。 本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルの製造過程におけるO/W分散系を示す模式図である。 本実施形態に係る蓄熱マイクロカプセルの製造過程における(O/W)/O’分散系を示す模式図である。 工程(3)でのn−パラフィン分散相Aにおける界面反応の様子を示す模式図である。 工程(4)でのn−パラフィン分散相Aにおける界面反応の様子を示す模式図である。 蓄熱マイクロカプセルを示す模式図である。 示差熱熱重量同時測定装置により測定したTG曲線を示す図である。 示差走査熱量測定装置により測定したDSC曲線を示す図である。 潜熱蓄熱物質の種類と融点−融解熱の関係を示す図である。
符号の説明
10 内水相
11 パラフィンワックス
12 シリコンオイル
13 p−フェニレンジアミン
14 二塩化イソフタロイル
15 珪酸ナトリウム
16 アラミド樹脂
17 塩化カルシウム
18 珪酸カルシウム
A n−パラフィン分散相
B 蓄熱マイクロカプセル

Claims (1)

  1. 蓄熱性を有する芯物質と、この芯物質を被覆するカプセル壁と、を有する蓄熱マイクロカプセルの製造方法であって、
    前記芯物質を、相変化により蓄熱又は放熱する水に不溶な潜熱蓄熱物質とし、この潜熱蓄熱物質を、珪酸ナトリウム及び芳香族ジアミンを含有する水溶液中に添加して加熱混合することにより、O/W分散系を調製する工程と、
    前記O/W分散系を、W/O分散系乳化剤を溶解させたシリコンオイル又は前記W/O分散系乳化剤を溶解させたシクロヘキサン中に添加して混合することにより、(O/W)/O’分散系を調製する工程と、
    前記(O/W)/O’分散系中に芳香族ジカルボン酸塩化物を添加して加熱混合した後、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化スズ、及び、塩化鉄よりなる群から選ばれる一種又は二種以上の混合物水溶液をさらに添加して加熱混合することにより、アラミド樹脂と珪酸塩とが複合化されて形成されたカプセル壁を得る工程と、を含む蓄熱マイクロカプセルの製造方法。
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