JP2006348224A - 被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法 - Google Patents

被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法 Download PDF

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昌彦 五藤
Yasushi Nakada
泰詩 中田
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
Tomoshige Tsutao
友重 蔦尾
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Abstract

【課題】 高い生産性で容易に製造することができ、蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発することのない被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法の製造方法を提供する。
【解決手段】 多孔性粒子の孔内に、温度により相変化する蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子と、前記蓄熱粒子の表面に形成された被覆層とからなる被覆樹脂型蓄熱粒子であって、前記被覆層は、硬化性樹脂及び層状珪酸塩を含有し、前記層状珪酸塩は、一部又は全部が10層以下に分散している被覆樹脂型蓄熱粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高い生産性で容易に製造することができ、蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発することのない被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法の製造方法に関する。
近年、太陽光等の自然の熱エネルギーを住宅用の暖房に用いたり、電力需要ピークを外した夜間の安価な電力を利用して冷暖房を行ったりすることが行われている。このような冷暖房をより効率よく行うためには、いったん行われた冷暖房の効果をできる限り長時間持続させることが重要である。また、自動車の排ガス低減装置等においても、いったん加熱した熱を効率よく利用することが求められている。このような目的のために、温度により相変化する蓄熱成分が用いられた蓄熱材が提案されている。このような蓄熱材は、液状から固体状、固体状から液状に相変化する際に、熱を吸収したり放出したりする性質を有する。
このような蓄熱材としては、例えば、特許文献1、2に、樹脂のシェル内にワックス等の蓄熱成分を封入した蓄熱マイクロカプセルが開示されている。蓄熱マイクロカプセルを用いれば、蓄熱成分の揮発等を懸念する必要もなく、効率よく蓄熱成形体等を製造することができる。しかしながら、このような蓄熱マイクロカプセルは、蓄熱成形体等の製造工程において、蓄熱成分が漏出することがあり、また、樹脂のシェルを厚くすると、封入できる蓄熱成分の量が減少するため、蓄熱性の低下を招いていた。また、蓄熱マイクロカプセルを製造するためには、蓄熱成分を含む媒体中に懸濁重合を行う等の複雑な工程を要し、必ずしも生産性やコストの面で満足できるものではなかった。
一方、特許文献3、4には、シリカ等からなる多孔質体にパラフィンワックス等の蓄熱成分を担持させたものが開示されている。このような蓄熱材は比較的簡単な工程で容易に製造することができる。しかしながら、これらの蓄熱材では、蓄熱成分が液状化した場合に多孔質体から染みだしたり、時間の経過によって、蓄熱成分が揮発したりして、蓄熱性が大幅に低下するという問題があった。
これに対して、蓄熱成分の揮発を抑制することを目的として、特許文献5には、温度により相変化する蓄熱成分を含む多孔性担持体を樹脂で被覆した蓄熱体が開示されている。このような蓄熱体では、被覆層により蓄熱成分の染みだしや揮発が抑えられると考えられる。
しかしながら、実際には、蓄熱成分の揮発を抑えるのは困難であった。そこで、蓄熱成分の揮発防止性を更に向上させるために被覆樹脂層を厚くすることも考えられるが、この方法では、蓄熱材当たりに封入できる蓄熱成分の量が減少するため、蓄熱性の低下してしまうという問題があった。
また、被覆層の材質によっては、被覆樹脂層形成工程での加熱によって、蓄熱成分が揮発してしまうことや、加熱時に被覆層が溶解して蓄熱成分が漏出することがあった。
特許第3496195号公報 特表2002−516913号公報 特開平9−143461号公報 特表2002−523719号公報 特開2004−75711号公報
本発明は、高い生産性で容易に製造することができ、蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発することのない被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、多孔性粒子の孔内に、温度により相変化する蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子と、前記蓄熱粒子の表面に形成された被覆層とからなる被覆樹脂型蓄熱粒子であって、前記被覆層は、硬化性樹脂及び層状珪酸塩を含有し、前記層状珪酸塩は、前記硬化性樹脂中に一部又は全部が10層以下に分散している被覆樹脂型蓄熱粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは鋭意検討した結果、蓄熱粒子の表面に形成する被覆層の材質として、硬化性樹脂を用いることで、被覆層の耐熱性を向上させ、被覆層形成工程における蓄熱成分の揮発を抑制することができることを見出した。そして、本発明者らは更に鋭意検討した結果、被覆層に硬化性樹脂に加えて層状珪酸塩を添加することで、蓄熱成分の揮発防止性を改善することができ、被覆層が必要以上に厚くならず、充分な蓄熱性を発揮することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子は、多孔性粒子の孔内に、温度により相変化する蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子を有する。
上記多孔性粒子としては特に限定されず、例えば、ケイ藻土、非晶質湿式法シリカ、非晶質乾式法シリカ、ケイ酸カルシウム系多孔体、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、結晶性セルロース、連続気泡発泡ウレタン等が挙げられる。
なかでも、強度があり、吸油量が100mL/100g以上である材料が好ましいことから、非晶質湿式法シリカ、非晶質乾式法シリカ、ケイ酸カルシウム系多孔体、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好適である。なお、上記吸油量とは、JIS K 6220に準拠して測定される値で、吸油量が高いほど、潜熱型蓄熱成分としての脂肪族炭化水素の吸収・吸着による担持量が高いことを意味する。
また、上記多孔性粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記多孔性粒子の粒子径の好ましい下限は1μm、好ましい上限は100μmである。
1μm未満であると、粉体として取り扱いにくくなることがあり、100μmを超えると、蓄熱体に成形加工した時に、表面あれが生じたり、粒子が起点となり、成形体の力学強度が低下することがある。
上記多孔性粒子を用いる際には、粒子径が異なる2種以上の多孔性粒子を組み合わせて用いることができる。粒子径が異なる2種以上の多孔性粒子を組み合わせることにより、蓄熱効率、即ち、蓄熱量と吸放熱速度とを向上させることができる。
上記蓄熱成分としては特に限定されず、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪酸、アルコール等が挙げられる。なかでも、本発明を住宅用の保温材に用いる場合、室温付近で相転移を起こす有機化合物、即ち、0℃以上50℃未満の融点を持つ脂肪族炭化水素を使用することが好ましく、具体例としては例えば、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ドコサン等が挙げられる。
これらの脂肪族炭化水素は、炭素数の増加と共に融点が上昇するため、目的に応じた融点を有する炭化水素を選択したり、2種以上の炭化水素を混合したりして使用することが可能である。また、上記有機化合物には、本発明の熱伝導性や比重等を調節する目的で、カーボン、金属粉、アルコール等が添加されてもよい。
上記蓄熱粒子における、上記蓄熱成分の含有量の好ましい下限は50重量%、好ましい上限は80重量%である。50重量%未満であると、被覆樹脂型蓄熱粒子の蓄熱効果が不充分となることがあり、80重量%を超えると、蓄熱成分を上記多孔性粒子の孔内に含浸させることが困難となることがある。より好ましい下限は60重量%、より好ましい上限は70重量%である。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子は、硬化性樹脂及び層状珪酸塩を含有する被覆層を有する。
上記被覆層は、主に上記蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発するのを防止する目的で形成されるものである。
上記硬化性樹脂としては、何らかのトリガーにより硬化するものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。ただし、加熱によって硬化するものを用いる場合は、比較的低温で硬化するものを用いることが好ましい。このような硬化性樹脂を用いることで、蓄熱粒子の表面に被覆層を形成する工程において、高温で加熱する必要がなくなり、蓄熱成分が揮発することを防止することができる。また、湿気によって硬化するものも好適である。
上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、上記蓄熱成分の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、上記蓄熱成分が脂肪族炭化水素である場合には、変性シリコーン樹脂等を用いることが好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、通常使用されているエポキシ樹脂を使用することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂に用いる硬化剤としては、特に限定されず、従来公知の各種エポキシ樹脂用の硬化剤を用いることができる。具体的には、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、ヒドラジド化合物、ジシアンアミド及びその誘導体、メラミン化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の鎖状脂肪族アミン及びその誘導体、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂、ウレア樹脂としては、イソシアネート基を少なくとも2個有するポリイソシアネートとポリオールとの反応により得られる通常のウレタン樹脂、ポリイソシアネートから得られるウレア樹脂が用いられる。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、一般にウレタン樹脂の製造に用いられる種々のポリイソシアネート化合物が挙げられる。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアンート、及び、これらの水素添加物、MDIとトリフェニルメタントリイソシアネート等の混合物(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート等が挙げられる。安全性及び反応性の面から、MDI及びクルードMDIが好ましい。
上記ポリオールとしては、一般にウレタン樹脂の製造に用いられる種々のポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物(例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類の1種または2種以上の存在下で、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上を開環重合させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、多塩基酸(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等)と多価アルコール(例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等)とを脱水縮合して得られる重合体、ラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等)の重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物(例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等)が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、前記ポリエーテルポリオールもしくはポリエステルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものや、1,2−もしくは1,4−ポリブタジエンポリオール、または、これらの水素添加物が挙げられる。これらのポリオールは1種のみが用いられてもよく、2種類以上が用いられてもよい。
上記ポリイソシアネートとポリオールを、ポリオール中の活性水素基(OH)とポリイソシアネート中の活性イソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が当量比で、1.2〜15、好ましくは3〜12となるように混合し、窒素気流中で80℃〜100℃で3〜5時間反応させて上記ポリウレタン系樹脂を得ることが好ましい。当量比が1.2以下ではウレタン樹脂の粘度が高くなりすぎることがあり、15を超えると硬化発泡により硬化物の凝集力が低下し、必要な接着強度が得られないことがある。
上記ウレタン樹脂、ウレア樹脂では湿気硬化反応を促進するためにアミン系触媒が使用されることが好ましい。アミン系触媒では、具体的には、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル,N´−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記変性シリコーン樹脂としては、特に限定されず、例えば、主鎖が本質的にポリエーテル系重合体からなり、加水分解性シリル基を有する樹脂等が挙げられる。中でも、主鎖がポリオキシプロピレン重合体からなる樹脂が好ましい。
上記変性シリコーン樹脂のうち市販品としては、例えば、商品名「MSポリマー」(カネカ社製)として、MSポリマーS−203、S−303等、商品名「サイリルポリマー」(カネカ社製)として、サイリルSAT−030、SAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410等が挙げられる。
上記硬化性樹脂には、硬化後の耐熱性や柔軟性を付与する目的で、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、グリシジルアミン型エポキシ等の特殊エポキシ樹脂を添加してもよい。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子は、層状珪酸塩を含有する被覆層を有し、上記層状珪酸塩は、一部又は全部が10層以下に分散している。
上記層状珪酸塩の一部又は全部が10層以下に分散しているということは、本来数十層の積層体である層状珪酸塩の層状分子の一部又は全部が剥離して広く分散していることを意味しており、これも層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用が弱まっていることになり、上記と同様の効果を得ることができる。また、層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分層していることが好ましく、3層以下に分層していることがより好ましい。更に好ましくは単層状(薄片状)に分散していることである。
また、層状珪酸塩の一部又は全部が10層以下に分散しているということは、具体的には、層状珪酸塩の集合体の10%以上が10層以下に分散している状態にあることが好ましいことを意味し、より好ましくは層状珪酸塩の集合体の20%以上が10層以下に分散している状態である。
なお、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡により5万倍から10万倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の数(X)のうち、10層以下に分散している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記式(1)により算出することができる。
10層以下に分散している層状珪酸塩の割合(%)=(Y/X)×100 (1)
上記層状珪酸塩は、硬化性樹脂中に広角X線回折法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であることが好ましい。
なお、本明細で言う、層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折法により算出することができる。
また、上記平均層間距離は、6nm以上であることが好ましい。層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層ごとに分離し、層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の硬化性樹脂中での分散状態が離砕安定化の方向に進行する利点がある。
上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ(膨潤性雲母)等が挙げられ、なかでも、モンモリロナイト、ベントナイト及び/又は膨潤性マイカが好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、天然物であってもよいし、合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子に用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。
上記層状珪酸塩としては、下記式(2)で定義される形状異方性の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。形状異方性の大きい層状珪酸塩を用いることにより、形成される被覆層はより優れた強度を有するものとなる。
形状異方性=結晶表面(A)の面積/結晶側面(B)の面積 (2)
式中、結晶表面(A)は層表面を意味し、結晶側面(B)は層側面を意味する。
上記層状珪酸塩の形状としては特に限定されず、平均長さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、アスペクト比が20〜500であることが好ましく、より好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200である。
上記層状珪酸塩の結晶層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムイオンやカルシウムイオン等の金属イオンのことであり、これらの金属イオンは、他のカチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)もしくは補足することができる。
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量は、特に限定されず、50〜200ミリ等量/100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは補足されるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがあり、逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなることがある。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子においては、予め上記層状珪酸塩の結晶層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、非極性化しておくことが好ましい。予め層状珪酸塩の結晶層間を非極性化しておくことにより、層状珪酸塩を硬化性樹脂中により均一に微分散させることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等が挙げられ、なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に非極性化しうることから、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウム塩)が好適に用いられる。これらのカチオン性界面活性剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級アンモニウム塩としては、特に限定されず、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては、特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記層状珪酸塩は、上述のような化学処理を施すことによって硬化性樹脂中への分散性を向上させることができる。
上記層状珪酸塩の化学処理は、上記カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法(以下、「化学修飾(1)法」ともいう)に限定されるものではなく、例えば、以下に示す化学修飾(2)〜化学修飾(6)法の各種化学処理法によっても実施することができる。これらの化学修飾法は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、化学修飾(1)法を含め、以下に示す各種化学処理法によって硬化性樹脂中への分散性を向上させた層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」ともいう。
化学修飾(2)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(3)法は、化学修飾(1)法で化学修飾された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基及び反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(4)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(5)法は、化学修飾(4)法において、アニオン性界面活性を有し分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(6)法は、上記化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法である。
上記化学修飾(2)法における、水酸基と化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基としては、特に限定されず、例えば、アルコキシル基、グリシジル基(エポキシ基)、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も含む)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等の官能基や、水酸基との化学的親和力が高いその他の官能基等が挙げられる。これらの官能基は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記水酸基と化学結合しうる官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、上記例示の官能基を有するシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられ、なかでもシラン化合物が好適に用いられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シラン化合物としては、特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトシキ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
化学修飾(4)法及び化学修飾(5)法における、アニオン性界面活性を有する化合物又はアニオン性界面活性を有し分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであればよく、特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、化学修飾(6)法としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を分散剤として添加した組成物を用いる方法が挙げられる。これは、有機化層状珪酸塩と化学的親和性が大きい部位と、硬化性樹脂との化学的親和力が大きい部位とを有する樹脂を分散剤として混合することにより両者の相溶性を高め、層状珪酸塩の分散に必要なエネルギーを低下させる方法である。
上記分散剤として用いられる有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂としては、特に限定されず、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系オリゴマーや無水マレイン酸変性ポリオレフィン系ポリマー等が挙げられ、なかでも、両端が異なる性質を有するA−B型ジブロックオリゴマーやA−B型ジブロックポリマー等が好適に用いられる。すなわち、有機化層状珪酸塩との化学的親和力が大きい部位(Aサイト)と硬化性樹脂との化学的親和性の高い部位(Bサイト)との異なる性質を両端に有するA−B型樹脂は、それぞれの化学的親和性を効率的に発揮しやすいことから、優れた分散効果を発現する。
上記A−B型樹脂を用いて高分散状態を得る方法としては、特に限定されず、例えば、硬化性樹脂、有機化層状珪酸塩及び分散剤として機能するA−B型樹脂を押出機中で一括して溶融混練することが挙げられる。
上記層状珪酸塩の含有量の好ましい下限は硬化性樹脂100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、蓄熱成分の揮発防止性が不充分となることがあり、10重量部を超えると、被覆層の形成が困難となることがある。
本発明は、上述のような高分散状態の層状珪酸塩を含有することから、層状珪酸塩の邪魔板効果によって、内部に封入された蓄熱成分に対するバリア性が向上し、蓄熱成分の揮発防止性を大幅に改善することができる。その結果、被覆層の厚みを薄くすることが可能となるため、蓄熱成分の相対的な含有量を減少させることなく、高い熱的性質を有する被覆樹脂型蓄熱粒子とすることができる。
更に、上記蓄熱粒子のような多孔質体に被覆層を形成する場合、被覆層の厚みにバラツキが生じ、被覆層の薄い部分から、蓄熱成分が揮発することがあるが、本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子に形成された被覆層では、被覆層の厚さが極端に薄い部分がなく、比較的均一な厚みを有する被覆層が得られ、被覆層の厚みのバラツキに起因する蓄熱成分の揮発を効果的に防止することができる。これは被覆層中に高分散した層状珪酸塩が被覆層形成時の足場になるためであると考えられる。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子において、上記被覆層の平均厚みの好ましい下限は50nm、好ましい上限は5μmである。50nm未満であると、蓄熱成分が揮発し易くなることがあり、5μmを超えると、蓄熱成分の相対的な含有量が低下し、被覆樹脂型蓄熱粒子の熱的性能が低下することがある。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子は、例えば、多孔性粒子と、温度により相変化する蓄熱成分とを前記蓄熱成分の融点以上の温度で混合することにより、前記多孔性粒子の孔内に前記蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子を調製する工程と、硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを混合して、前記硬化性樹脂中に前記層状珪酸塩が均一に分散した硬化性樹脂組成物を調製する工程と、前記蓄熱粒子と、前記硬化性樹脂組成物とを混合して被覆樹脂型蓄熱粒子を作製する工程とを有する方法によって製造することができる。このような被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法もまた本発明の1つである。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法では、まず多孔性粒子と、温度により相変化する蓄熱成分とを上記蓄熱成分の融点以上の温度で混合することにより、上記多孔性粒子の孔内に上記蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子を調製する工程を行う。
具体的には、加熱機能と撹拌機能とを有する混合槽を用い、まず、多孔性粒子を蓄熱成分の融点以上に加熱した容器中で均温化を図る。続いて、撹拌しながら、融点以上に加熱した蓄熱成分を連続的に滴下することで、上記多孔性粒子に吸収・吸着させ、上記蓄熱粒子を製造する。
上記蓄熱粒子を製造する際の製造装置としては、加熱と撹拌機能を有する機器であれば特に限定されず、例えば、ニーダー、コニカルミキサー、ダブルプラネタリー、アイリッヒミキサ等の低剪断型混合装置;スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等の高速混合装置;混練押出機等が挙げられる。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法では、次いで、上記硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを混合して、上記硬化性樹脂中に上記層状珪酸塩が均一に分散した硬化性樹脂組成物を調製する工程を行う。
具体的には、例えば、上記硬化性樹脂と上記層状珪酸塩とを押出機、二本ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法、上記硬化性樹脂と層状珪酸塩との両者が溶解又は分散する有機溶媒中でディスパー等を用いて混練する方法等が挙げられ、いずれの方法が採られていてもよい。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法では、次いで、上記蓄熱粒子と、上記硬化性樹脂組成物とを混合した後、硬化性樹脂を硬化させる工程を行う。
この工程では、上記蓄熱粒子の表面に上記硬化性樹脂組成物をコーティングすることにより、上記蓄熱粒子と、上記硬化性樹脂組成物とを混合することが好ましい。
上記コーティングの方法としては、例えば、蓄熱粒子の外面に硬化性樹脂組成物を塗工したり、噴射したりする方法等が挙げられ、具体的には、所謂、流動転動型コーティング装置である微粒子コーティング装置(パウレック社製、MP−01−SFP)等を用いて行うことができる。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法では、その後、上記硬化性樹脂を硬化させ、被覆層を形成することにより、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製することができる。
上記硬化性樹脂を硬化させる方法としては、使用する硬化性樹脂に合わせた方法を用いることができる。
また、上記蓄熱粒子と、硬化性樹脂組成物とを混合した後、前記硬化性樹脂を硬化させる工程では、蓄熱粒子と、硬化性樹脂組成物との混合物に水を添加して懸濁液を調製し、前記懸濁液中で硬化性樹脂を硬化させる方法を用いることができる。
このような方法では、硬化反応が常温又は比較的低温で行われることから、硬化反応時における蓄熱成分の揮発を抑制することができる。
水硬化性無機材料系に、本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子を適用するとき、蓄熱粒子と硬化性樹脂組成物と水との懸濁液を使用すれば、無機材料の硬化反応にこの水が使用され、無機材料の硬化反応中にも硬化性樹脂組成物の被覆層も、同時に反応し硬化していく。被覆樹脂型蓄熱粒子と硬化性無機材料との硬化を同時に行うことで、高い生産性で蓄熱体を製造することができる。
なお、このような方法は、水が存在する状態で硬化反応が進行することから、上記硬化性樹脂として、変性シリコーン樹脂やウレタン樹脂、ウレア樹脂等の湿気硬化性樹脂を用いる場合に好適である。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子は、更に温度により相変化する蓄熱成分と相溶する硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを混合して、前記硬化性樹脂中に前記層状珪酸塩が均一に分散した硬化性樹脂組成物を調製する工程と、前記蓄熱成分と、前記硬化性樹脂組成物とを混合して蓄熱成分組成物を調整する工程と、多孔性粒子と、前記蓄熱成分組成物を前記蓄熱成分の融点以上の温度で混合することにより、前記多孔性粒子の孔内に前記蓄熱成分組成物が含浸した蓄熱粒子を作製する工程と、前記蓄熱粒子と水とを混合して懸濁液を調製し、前記懸濁液中で前記硬化性樹脂を硬化させる工程とを有する方法によっても製造することができる。このような被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法もまた本発明の1つである。
上記蓄熱粒子と硬化性樹脂組成物と水との懸濁液を作成する方法としては、例えば、MHDシリーズ(IKAジャパン社製)に代表される粉体混合・連続ウエッテング装置をベースとして最終段に乳化・懸濁用の分散用回転体(ジェネレータ)を設けることで可能となる。この装置は多段の分散用回転体(ジェネレータ)で構成されており、蓄熱粒子を上段から投入し、次段で硬化性樹脂組成物を供給し、同時に、又は、最終段で水を注入し、最終的に懸濁液を作成する。このように、分散・混合・懸濁工程が同時にできることで、大規模生産に対応できる、安価で効率的なプロセスを達成できる。
このような別の態様の本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法では、先に蓄熱成分と硬化性樹脂とを混合した後、多孔性粒子に蓄熱成分を含浸させる工程と、蓄熱粒子と硬化性樹脂とを混合する工程とを同時に行うことができることから、工程を簡略化することが可能となる。なお、このような製造方法は、硬化性樹脂としてポリイソシアネートを原料とするウレタン樹脂、ウレア樹脂を用いる場合に好適である。
このような製造方法で用いられるポリイソシアネートとしては、蓄熱成分と相溶するものであればよく、例えば、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルイソシアネート等を用いることができる。
本発明の被覆樹脂型蓄熱粒子と、硬化性無機材料とを混合することにより、蓄熱硬化性組成物を得ることができる。また、このような蓄熱硬化性組成物を炭酸化処理することで蓄熱硬化物を製造することができる。このような蓄熱硬化性組成物及び蓄熱硬化体もまた本発明の1つである。
上記硬化性無機材料としては、気硬性無機材料及び/又は水硬性無機材料を用いることが好ましい。また、上記気硬性無機材料及び/又は水硬性無機材料としては、例えば、石膏、珪酸カルシウム化合物、ポルトランドセメント、高炉スラグ、粘土鉱物、漆喰等の材料が挙げられる。これらのなかでは、二酸化炭素と反応させた場合に炭酸化硬化体が得られ、硬化体の吸湿性、機械的物性及び組織安定性が向上することから、珪酸カルシウム化合物が好ましい。
上記珪酸カルシウム化合物としては、例えば、セメント水和物、トバモライト等の珪酸カルシウム水和物や、セメントやワラストナイト(珪灰石)のような珪酸カルシウム無水和物等が挙げられる。中でも、炭酸化硬化体の強度発現性の点から珪酸カルシウム無水和物(以下、単に「珪酸カルシウムともいう」)を用いることが好ましく、反応速度や硬化体物性の化学的安定性の観点からワラストナイトを用いることがより好ましい。
上記ワラストナイトとは、CaSiOで表される珪酸カルシウムからなる珪酸塩鉱物であり、白色の繊維状又は塊状物として天然に産出される。一般にその繊維状の形状を利用して、アスベスト代替等の補強部材として利用されている。
上記ワラストナイトは、高いエネルギーを与える処理を行う等して活性化されたものであることが好ましい。活性化を行うことで、ワラストナイトの連鎖珪酸塩構造を変化させることができ、ワラストナイトの反応性を高めることができる。
上記活性化の方法としては、例えば、ワラストナイト粉体に粉砕媒体等を用いて機械的エネルギーを与える方法等が挙げられる。上記機械的エネルギーとしては特に限定されず、例えば、圧縮力、剪断力、衝撃力、摩擦力等によるエネルギーが挙げられる。
上記ワラストナイトの平均粒子径の好ましい上限は10μmである。10μmを超えると、上記ワラストナイトの内部まで炭酸化処理を進行させることが困難となる。なお、上記ワラストナイトとしては、微粉砕処理を行い、比表面積を増加させたものを用いることが好ましい。
上記ワラストナイトの粉体粒度の体積分布において、累積10%径は2μm以下であることが好ましい。2μmを超えると、炭酸化処理を行う際の反応性が小さくなり、蓄熱硬化体を形成するために長時間を要したり、高圧を掛ける必要が生じたりする。なお、上記粉体粒度の体積分布とは、粉体の粒度分布を粒子の体積によって表した値であり、その累積10%径とは、粒径の小さいものから粒子全体積の10%に相当する粒子径である。
上記硬化性無機材料として、ワラストナイトを用いる場合、アスペクト比の好ましい下限は5、好ましい上限は25である。5未満であると、炭酸化処理前の賦形工程で、ワラストナイトの配向が効率的に起こらず賦形体の緻密化が不充分で、炭酸化処理後の機械的強度が低下することがあり、25を超えると、ワラストナイト繊維同士の絡み合いが大きく、嵩密度が大きくなり、賦形に高圧かつ長時間のプレス成形が必要となることがある。また、より好ましい下限は10、より好ましい上限は23である。
なお、アスペクト比が上記範囲内のワラストナイトを得る方法としては、例えば、ジェットミル等による粉砕及び分級処理を行う方法等が挙げられる。また、上述の微粉砕処理を行うことにより比表面積を増加させたワラストナイトを用いる場合は、この限りではない。
上記気硬性無機材料及び/又は水硬性無機材料として、石膏を用いる場合は、β型半水石膏又はα型半水石膏等の焼石膏を使用することが好ましい。
上記β型又はα型の焼石膏としては、天然石膏、化学石膏の他、石炭、石油を燃焼させる際に発生する排ガス(二硫化硫黄を含む)の排煙脱硫処理工程で生じる排煙脱硫石膏等を、水中又は大気中で焼成して得られるものを用いることができる。なお、β型は大気中で焼成することにより得られ、α型は水中で焼成することにより得られる。
上記β型焼石膏を使用する場合は、β型焼石膏に対して、通常70〜80重量%の水を使用し、石膏粉末の懸濁液を調製する。また、α型焼石膏を使用する場合は、通常35〜45重量%の水を使用し石膏粉末の懸濁液を調製する。この懸濁液を、例えば、2枚の原紙間に流し込み乾燥することにより、硬質石膏板が得られる。
上記硬質石膏板の比重は、添加される水の量(練り混水量)によって決定され、この練り混水量が、少なくなるほど比重は大きくなり、石膏板の強度が大きくなる傾向にある。
上記石膏粉末の懸濁液には、添加剤として、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ等の発泡剤;石膏芯と石膏板用原紙との接着を良好にするためにコーンスターチ等の澱粉類;ポリビニルアルコール等の接着助剤;軽量化のためのパーライト等の骨材;硫酸カリ等の石膏硬化調整剤;ガラス繊維等の無機繊維や古紙パルプ等の有機繊維等の強度補強剤が添加されてもよい。
本発明の蓄熱硬化性組成物を炭酸化処理することで、蓄熱硬化体を得ることができる。
上記蓄熱硬化体は、上記被覆樹脂型蓄熱粒子のほかに、炭酸化反応により生成する炭酸カルシウム及び未反応の珪酸カルシウム等を含有するものである。
上記炭酸化処理の方法としては、例えば、水の存在下で、気体状態又は超臨界状態の二酸化炭素を用いて炭酸化処理する方法が好適に用いられる。この場合、上記二酸化炭素の濃度としては任意のものを使用することができるが、炭酸化効率の面から100%に近い濃度のものを用いることが好ましい。
上記炭酸化処理を行う際の温度については特に限定されないが、好ましい下限が40℃、好ましい上限が120℃である。40℃未満であると、炭酸化反応に長時間を要すことがあり、120℃を超えると、炭酸化処理時に水が蒸発しすぎて、炭酸化反応速度が低下したり、得られる蓄熱硬化体に微孔が生じ機械的強度の低下を招いたりすることがある。
上記炭酸化処理を行う場合の二酸化炭素の圧力としては、特に限定されないが、好ましい下限が0.5MPa、好ましい上限が20MPaである。0.5MPa未満であると、二酸化炭素の浸透性や炭酸化反応率が低下し、炭酸化反応が不充分になったり、炭酸化反応に長時間を要したりすることがある。一方、20MPaを超えて加圧しても、炭酸化反応速度はほとんど変化せず、逆に大きなエネルギーが必要となるため、工業生産性や設備の大型化という観点から好ましくない。
上記炭酸化処理に要する時間としては、特に限定されないが、好ましい下限が5分、好ましい上限が300分である。5分未満であると、炭酸化が不充分となり硬化体の機械的強度が低下することがある。300分を超えた場合、炭酸化速度はほとんど変化しないが、生産性の観点から効率的でない。
本発明によれば、高い生産性で容易に製造することができ、蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発することのない被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)蓄熱粒子の作製
多孔性粒子としてのシリカ粒子(トクヤマ社製、トクシールNP)20重量部に、蓄熱成分としてパラフィンワックス(ジャパンエナジー社製、TS7)50重量部を滴下し、ヘンシェルミキサーを用いて、回転数2000rpmで3分間撹拌することにより、シリカ粒子内に蓄熱成分を吸収・吸着させ、蓄熱粒子を製造した。
(2)硬化性樹脂組成物の調製
変性シリコーン樹脂として、末端シリル化ポリプロピレングリコール(カネカ社製、カネカサイリルSAT030)28.6重量部、メトキシシラン化合物として、[3−(2−アミノエチル)アミノプロピル]トリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−603)0.9重量部、及び、触媒として、ジブチル錫ジラウレート0.6重量部をディスパーを用いて混合し、硬化性樹脂混合物を調製した。得られた硬化性樹脂混合物に対して、層状珪酸塩(Southern Clay Products,Inc社製、Claytone HY)2重量部を添加した後、ディスパーを用いて、回転数3000rpmで10分間撹拌して、硬化性樹脂組成物を得た。
(3)被覆樹脂型蓄熱粒子の作製
得られた硬化性樹脂組成物に対して、蓄熱粒子を添加し、ヘンシェルミキサーを用い、80℃に加熱しながら、回転数2000rpmで20分間撹拌して、変性シリコーン樹脂を硬化させ、室温にて1日養生保管することにより、被覆樹脂型蓄熱粒子を得た。
(実施例2)
シリカ粒子の添加量を23.3重量部、パラフィンワックスの添加量を46.7重量部とした以外は、実施例1と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(実施例3)
変性シリコーン樹脂、メトキシシラン化合物及び触媒の代わりに、エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート807)19.4重量部、及び、アミン化合物として、変性脂肪族ポリアミン(大都産業社製、ダイトクラールD−677)10.6重量部を用いて、硬化性樹脂混合物を調製した後、層状珪酸塩(Southern Clay Products,Inc社製、Garamite 1958)2重量部を添加した以外は実施例1と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(実施例4)
シリカ粒子の添加量を26.7重量部、パラフィンワックスの添加量を53.3重量部とし、エポキシ樹脂の添加量を12.9重量部、アミン化合物の添加量を7.1重量部とした以外は、実施例3と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(実施例5)
変性シリコーン樹脂、メトキシシラン化合物及び触媒の代わりに、ポリオールとして、ポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン社製、SBU ポリオール 0497)13重量部、及び、ポリイソシアネートとして、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュール 44V20)17重量部を用いて、硬化性樹脂混合物を調製した後、層状珪酸塩(Southern Clay Products,Inc社製、Claytone APA)2重量部を添加した以外は実施例1と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(実施例6)
シリカ粒子の添加量を17.1重量部、パラフィンワックスの添加量を42.9重量部とし、ポリオールの添加量を17.3重量部、ポリイソシアネートの添加量を22.7重量部とした以外は、実施例5と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(比較例1〜6)
層状珪酸塩を添加しなかった以外は実施例1〜6と同様にして、被覆樹脂型蓄熱粒子を作製した。
(評価)
実施例1〜6及び比較例1〜6で得られた被覆樹脂型蓄熱粒子について、下記の方法を用いて評価を行った。評価結果を表1に示した。
(加熱減量の測定)
アルミ皿に得られた被覆樹脂型蓄熱粒子2gを計量し、80℃で2時間、真空乾燥した。そして、真空乾燥後の重量を計量し、下記式を用いて加熱減量を測定した。
Figure 2006348224
Figure 2006348224
(実施例7)
実施例1で得られた被覆樹脂型蓄熱粒子66.9重量部に、珪酸カルシウムとしてワラスナイト(清水工業社製、H1250F、アスペクト比:16)28.7重量部、パルプ繊維(ALABAMA Liver)4.4重量部と、水300重量部とを添加して、市販のミキサーで30秒間混合し、スラリーを得た。
得られたスラリー390gを、脱水面にフェルト(市川毛織社製、通気度74cc)を敷いた80×150×7mmの脱水プレス用金型に流し込み、450mmHgにて120秒間脱水処理を行った後、面圧5.9MPaで10秒間加圧して賦形体を得た。得られた賦形体を、温度80℃、圧力0.9MPaの二酸化炭素環境下に1時間放置し、蓄熱硬化体を得た。
(実施例8)
実施例1で得られた被覆樹脂型蓄熱粒子60重量部に、半水石膏(焼石膏)40重量部、水95重量部を添加して、市販のミキサーで60秒間混合し、スラリーを得た。得られたスラリー120gを、80×150×7mmの金型に流し込み、蓄熱硬化体を得た。
(比較例7)
比較例1で得られた被覆樹脂型蓄熱粒子66.9重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして蓄熱硬化体を得た。
(比較例8)
比較例1で得られた被覆樹脂型蓄熱粒子60重量部を用いた以外は、実施例8と同様にして蓄熱硬化体を得た。
(評価)
実施例7、8及び比較例7、8で得られた蓄熱硬化体について、下記の方法を用いて評価を行った。評価結果を表2に示した。
(促進試験)
得られた蓄熱硬化体のサンプルを真空下で80℃、2時間加熱し、熱流計(英弘精機社製、MF−140、寸法50mm×50mm)を用いて蓄熱量を測定した。
Figure 2006348224
本発明によれば、高い生産性で容易に製造することができ、蓄熱粒子から蓄熱成分が揮発することのない被覆樹脂型蓄熱粒子、蓄熱硬化性組成物、蓄熱硬化体及び被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法の製造方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. 多孔性粒子の孔内に、温度により相変化する蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子と、前記蓄熱粒子の表面に形成された被覆層とからなる被覆樹脂型蓄熱粒子であって、
    前記被覆層は、硬化性樹脂及び層状珪酸塩を含有し、
    前記層状珪酸塩は、前記硬化性樹脂中に一部又は全部が10層以下に分散している
    ことを特徴とする被覆樹脂型蓄熱粒子。
  2. 被覆層は、硬化性樹脂100重量部に対して、層状珪酸塩0.1〜10重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の被覆樹脂型蓄熱粒子。
  3. 硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂又は変性シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の被覆樹脂型蓄熱粒子。
  4. 層状珪酸塩は、モンモリロナイト、ベントナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の被覆樹脂型蓄熱粒子。
  5. 層状珪酸塩は、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の被覆樹脂型蓄熱粒子。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の被覆樹脂型蓄熱粒子と、硬化性無機材料とを含有することを特徴とする蓄熱硬化性組成物。
  7. 硬化性無機材料は、珪酸カルシウム化合物を主成分として含有することを特徴とする請求項6記載の蓄熱硬化性組成物。
  8. 請求項6又は7記載の蓄熱硬化性組成物を炭酸化処理してなることを特徴とする蓄熱硬化体。
  9. 多孔性粒子と、温度により相変化する蓄熱成分とを前記蓄熱成分の融点以上の温度で混合することにより、前記多孔性粒子の孔内に前記蓄熱成分が含浸した蓄熱粒子を調製する工程と、
    硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを混合して、前記硬化性樹脂中に前記層状珪酸塩が均一に分散した硬化性樹脂組成物を調製する工程と、
    前記蓄熱粒子と、前記硬化性樹脂組成物とを混合した後、前記硬化性樹脂を硬化させる工程とを有する
    ことを特徴とする被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法。
  10. 蓄熱粒子と、硬化性樹脂組成物とを混合した後、硬化性樹脂を硬化させる工程において、前記蓄熱粒子と、前記硬化性樹脂組成物との混合物に水を添加して懸濁液を調製し、前記懸濁液中で前記硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする請求項9記載の被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法。
  11. 温度により相変化する蓄熱成分と相溶する硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを混合して、前記硬化性樹脂中に前記層状珪酸塩が均一に分散した硬化性樹脂組成物を調製する工程と、
    前記蓄熱成分と、前記硬化性樹脂組成物とを混合して蓄熱成分組成物を調整する工程と、
    多孔性粒子と、前記蓄熱成分組成物を前記蓄熱成分の融点以上の温度で混合することにより、前記多孔性粒子の孔内に前記蓄熱成分組成物が含浸した蓄熱粒子を作製する工程と、
    前記蓄熱粒子と水とを混合して懸濁液を調製し、前記懸濁液中で前記硬化性樹脂を硬化させる工程とを有する
    ことを特徴とする被覆樹脂型蓄熱粒子の製造方法。
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