JP4835528B2 - 異常監視装置および異常監視方法 - Google Patents

異常監視装置および異常監視方法 Download PDF

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Description

この発明は、車両の異常監視装置および異常監視方法に関し、より特定的には各駆動輪が対応する電動機で駆動される車両についての異常監視技術に関する。
低公害・低燃費を実現するために、電気自動車(Electric Vehicle)やハイブリッド車両などの電動機を駆動力発生源とする電動車両が実用化されている。このような電動車両では、エンジンのみを駆動力発生源とする従来の車両と同様に、駆動力発生源である1つの電動機からの駆動力を複数の駆動輪に分配する構成が採用されることも多いが、各駆動輪を対応の電動機によってそれぞれ駆動する構成も採用される。たとえば、前輪を左右別々の電動機で駆動するような構成である。このような構成によれば、電動機を駆動輪のホイール内に配置することも可能となるので、動力伝達経路が簡素化され、小型化が実現できる。
一般的に、車両走行時の駆動輪の回転数範囲は、電動機の回転数範囲に比較して低いので、駆動輪と電動機との間には減速機などの歯車伝達機構がそれぞれ配置される。
車両走行時には、各駆動輪の回転数およびトルクなどを適切に制御する必要があるが、このような減速機にギヤ欠けなどの異常が発生すると、正常なトルク制御を実行できなくなるおそれがある。そのため、歯車伝達機構の健全性を監視する必要がある。
たとえば、特開2005−180924号公報(特許文献1)には、モータの出力軸に複数の歯車により構成された歯車伝達機構部が連結されてなる回転駆動装置における歯車の破損検出装置が開示されている。
特開2005−180924号公報 特開平8−43257号公報
上述の特開2005−180924号公報(特許文献1)の歯車破損検出装置は、モータに設けられたトルクセンサおよび速度センサと、トルクセンサからのトルク値および速度センサからの回転速度を入力してトルクの変動周波数または変動周期を演算するトルク変動周波数等演算部とを備える。
一方、各駆動輪が対応する電動機によってそれぞれ駆動される車両では、電動機が発生するトルクを測定するためのトルクセンサを設けることは困難である。また、たとえトルクセンサを設けることが可能であるとしても、生産コストが増加するといった課題もあった。
さらに、特開2005−180924号公報(特許文献1)の歯車破損検出装置では、トルクの変動周波数または変動周期を演算する必要があるため、破損検出に相対的に長い時間を要するといった課題もあった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、各駆動輪が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された車両において、トルクセンサを用いることなく迅速に異常の発生を監視できる異常監視装置および異常監視方法を提供することである。
この発明のある局面に従えば、車両の異常監視装置であって、車両は、各々が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された複数の駆動輪と、車両の運転状態に基づいて、車両に要求される車両要求駆動力を演算する車両要求駆動力演算部と、車両要求駆動力を複数の駆動輪に対して配分することで、各電動機で発生すべき目標トルクを決定するトルク配分部と、電動機へ供給する電力を対応する目標トルクに従って制御する電力制御部とを備える。異常監視装置は、監視対象の駆動輪に対応する電動機の回転加速度を取得する回転加速度取得手段と、回転加速度と、車両の重量と、すべての電動機についての目標トルクの合計値とに基づいて、監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する判断手段と、監視対象の駆動輪で異常発生していると判断された場合に、回転加速度の大きさと対応する目標トルクとに基づいて、異常発生部位を特定する特定手段とを備える。
この発明によれば、車両の重量とすべての電動機についての目標トルクの合計値とに基づいて、車両の運動方程式から表れるべき回転加速度を演算した上で、実測の回転加速度と比較して監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する。そのため、トルクセンサを用いることなく、駆動輪における異常発生の有無を判断できる。さらに、異常発生していると判断された場合に、電動機に与えられる目標トルクから推定できる回転加速度と実測の加速度とを比較することで、異常発生部位を特定できる。
好ましくは、歯車伝達機構は、電動機の出力軸から駆動輪までの動力伝達経路に沿って一連に噛み合わされた複数の歯車からなり、特定手段は、複数の歯車の各々について、電動機の出力軸から各歯車までの動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値と、対応する目標トルクとに基づいて、動力伝達経路が各歯車までで遮断している場合の電動機の回転加速度の推定値である歯車空転推定値を順次演算するとともに、演算した歯車空転推定値と回転加速度の大きさとを順次比較することで複数の歯車の中で異常なものを特定する。
さらに好ましくは、車両は、監視対象の電動機の出力軸に連結され、出力軸の回転位置を検出する回転位置検出部をさらに備え、特定手段は、電動機の出力軸のイナーシャと、対応する目標トルクとに基づいて電動機が単体で回転する場合の電動機の回転加速度の推定値である電動機空転推定値を演算するとともに、演算した電動機空転推定値と回転加速度の大きさとを比較することで、回転位置検出部の異常の有無を判断する。
さらに好ましくは、異常監視装置は、予め取得された、電動機の出力軸および複数の歯車の各々についてのイナーシャならびに車両の重量を格納する記憶手段をさらに備える。
好ましくは、異常監視装置は、車両に搭乗する乗員の数に応じて、車両の重量を補正する車重補正手段をさらに備える。
この発明の別の局面に従えば、車両に対する異常監視方法であって、車両は、各々が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された複数の駆動輪と、車両の運転状態に基づいて、車両に要求される車両要求駆動力を演算する車両要求駆動力演算部と、車両要求駆動力を複数の駆動輪に対して配分することで、各電動機で発生すべき目標トルクを決定するトルク配分部と、電動機へ供給する電力を対応する目標トルクに従って制御する電力制御部とを備える。異常監視方法は、監視対象の駆動輪に対応する電動機の回転加速度を取得するステップと、すべての電動機についての目標トルクの合計値を演算するステップと、回転加速度と、車両の重量と、目標トルクの合計値とに基づいて、監視対象の駆動輪における異常の有無を判断するステップと、監視対象の駆動輪で異常発生していると判断された場合に、回転加速度の大きさと対応する目標トルクとに基づいて、異常発生部位を特定するステップとを備える。
好ましくは、歯車伝達機構は、電動機の出力軸から駆動輪までの動力伝達経路に沿って一連に噛み合わされた複数の歯車からなり、異常発生部位を特定するステップは、複数の歯車の各々について、電動機の出力軸から各歯車までの動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値と、対応する目標トルクとに基づいて、動力伝達経路が各歯車までで遮断している場合の電動機の回転加速度の推定値を順次演算するステップと、推定値と回転加速度の大きさとを比較することで複数の歯車の中で異常なものを特定するステップとを含む。
この発明によれば、各駆動輪が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された車両において、トルクセンサを用いることなく迅速に異常の発生を監視できる異常監視装置および異常監視方法を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
(車両の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に従う異常監視装置を搭載した車両100の全体構成を示す機能ブロック図である。図1には、代表的に、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRの4つの駆動輪を有する車両100の構成を示す。車両100は、蓄電装置Bと、電源ケーブル12と、インバータ14FL,14FR,14RL,14RRと、三相ケーブル16FL,16FR,16RL,16RRと、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRと、減速機18FL,18FR,18RL,18RRと、回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRと、走行ECU(Electronic Control Unit)2とを備える。
蓄電装置Bは、電源ケーブル12に接続される。インバータ14FL,14FR,14RL,14RRは、電源ケーブル12に互いに並列に接続される。モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRは、それぞれ三相ケーブル16FL,16FR,16RL,16RRを介してインバータ14FL,14FR,14RL,14RRにそれぞれ接続される。モータジェネレータIWMFL,IWMFRの出力軸は、それぞれ減速機18FL,18FRを介して前輪FL,FRの回転軸に機械的に連結される。また、モータジェネレータIWMRL,IWMRRの出力軸は、それぞれ減速機18RL,18RRを介して後輪RL,RRの回転軸に機械的に連結される。
蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。蓄電装置Bは、電源ケーブル12を介してインバータ14FL,14FR,14RL,14RRへ直流電力を供給する。また、蓄電装置Bは、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRを用いた回生制動時、それぞれインバータ14FL,14FR,14RL,14RRによって充電される。なお、蓄電装置Bとして、大容量のキャパシタを用いてもよい。
インバータ14FLは、蓄電装置Bから受ける直流電力を走行ECU2からの制御信号に従って三相交流電力に変換し、その変換した三相交流電力をモータジェネレータIWMFLへ出力する。これにより、モータジェネレータIWMFLは、所定の目標トルクを発生するように駆動される。また、インバータ14FLは、車両の回生制動時、前輪FLからの回転力を受けてモータジェネレータIWMFLが発電する三相交流電力を走行ECU2からの制御信号に従って直流電力に変換し、その変換した直流電力を蓄電装置Bへ出力する。
モータジェネレータIWMFLは、代表的に三相交流電動機であり、たとえば三相交流同期電動機からなる。モータジェネレータIWMFLは、インバータ14FLから受ける三相交流電力によって駆動輪である前輪FLに駆動トルクを発生させる。また、モータジェネレータIWMFLは、車両の回生制動時、三相交流電力を発生してインバータ14FLへ出力する。
減速機18FLは、モータジェネレータIWMFLから出力されるトルクおよび回転数を一定の減速比で前輪FLへ伝達する。なお、後述のように、モータジェネレータIWMFLおよび減速機18FLは、一体化されて前輪FLのホイール内に配設される。すなわち、モータジェネレータIWMFLおよび減速機18FLは、いわゆるインホイールモータを形成する。
回転センサ20FLは、モータジェネレータIWMFLの出力軸に連結され、出力軸の回転位置を示す信号を発生して走行ECU2へ出力する。なお、回転センサ20FLは、代表的に、モータジェネレータIWMFLに組込まれたレゾルバからなる。
なお、インバータ14FR,14RL,14RR、モータジェネレータIWMFR,IWMRL,IWMRR、減速機18FR,18RL,18RR、および回転センサ20FR,20RL,20RRの構成は、それぞれインバータ14FL、モータジェネレータIWMFL、減速機18FL、および回転センサ20FLと同様であるので、それらの説明は繰返さない。
なお、以下の説明では、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRを総称して「駆動輪」とも記載し、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRR、減速機18FL,18FR,18RL,18RR、および回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRをそれぞれ総称して「モータジェネレータIWM」、「減速機18」、および「回転センサ20」とも記載する。
車両100は、さらに、ステアリングホイール8と、ステアリングホイールの操舵角θsを検出する操舵角センサ10と、アクセルペダルポジションAPを検出するアクセルポジションセンサ22と、ブレーキペダルポジションBPを検出するブレーキペダルポジションセンサ24と、シフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ26とを備える。これらのセンサで検出された信号は、走行ECU2へ与えられる。
走行ECU2は、回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRからの回転位置を示す信号に基づいて、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRの回転速度をそれぞれ演算する。そして、走行ECU2は、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRの回転速度、ステアリングホイールの操舵角θs、アクセルペダルポジションAP、ブレーキペダルポジションBP、シフトポジションSPなどにから得られる運転状態に基づいて、車両100に要求される車両要求駆動力を演算する。なお、本明細書において「駆動力」とはトルクと回転数との積(ワット:W)を意味するものとする。さらに、走行ECU2は、この車両要求駆動力を前輪FL,FRおよび後輪RL,RRに対して配分することで、各駆動輪で発生すべき目標トルクを決定し、この目標トルクに従って、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRへ供給する電力を制御する。すなわち、走行ECU2は、各駆動輪で発生すべき目標トルクに従って、インバータ14FL,14FR,14RL,14RRを駆動するための制御信号をそれぞれ生成する。
特に本実施の形態に従う車両100は、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRのうち対象とする駆動輪における異常の有無を監視する監視ECU4をさらに備える。監視ECU4は、走行ECU2と通信線6を介して接続されており、回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRからの回転位置を示す信号、演算された車両要求駆動力および各駆動輪で発生すべき目標トルクなどを走行ECU2から取得して、各駆動輪における異常の有無を監視する。さらに、監視ECU4は、いずれかの駆動輪において異常発生していると判断した場合に、異常発生部位を特定することが可能である。監視ECU4における異常監視および異常発生部位の特定に係る処理については、後述する。なお、監視ECU4は、走行ECU2内にその処理を一元化することも可能である。この場合には、通信線6および関連する通信機能の省略化と、通信処理による処理遅れを低減できる。
図1に示す本発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、減速機18FL,18FR,18RL,18RRが「歯車伝達機構」に対応し、モータジェネレータIWMFL,IWMFR,IWMRL,IWMRRが「電動機」に対応し、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRが「駆動輪」に対応し、回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRが「回転位置検出部」に対応する。
(駆動輪の全体構成)
図2は、図1に示したモータジェネレータIWMがインホイールモータとして組込まれた駆動輪の断面図である。なお、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRのいずれについても同様の構成であるので、この図2では代表的な構成を示す。
図2を参照して、各駆動輪は、モータジェネレータIWMと、回転センサ20と、出力軸34と、減速機18と、シャフト42と、ホイールハブ44と、ホイールディスク46と、タイヤ48とを含む。
モータジェネレータIWM、出力軸34、減速機18、および回転センサ20は、ケースに収納される。モータジェネレータIWMのステータ32はケースに固設され、出力軸34と一体化されたロータ30がステータ32の内周に回転自在に設けられる。なお、ロータ30の表面または内部には、図示しない複数の永久磁石が設けられている。
減速機18は、モータジェネレータIWMの出力軸34に連結された第1ギヤ36と、この第1ギヤ36に噛合する第2ギヤ38と、この第2ギヤ38に噛合する第3ギヤ40とを備えている。そして、第3ギヤ40には、シャフト42とホイールハブ44とを介して、ホイールディスク46が連結されている。すなわち、減速機18は、モータジェネレータIWMの出力軸34から駆動輪までの動力伝達経路に沿って一連に噛み合わされた複数の歯車からなる。
このような動力伝達経路に沿って、モータジェネレータIWMからの駆動力はホイールディスク46に伝達される。また、ホイールディスク46の外周側にはタイヤ48が設けられており、このタイヤ48の摩擦力によってモータジェネレータIWMからの駆動力が地面に伝達されることで、車両100が走行する。なお、上記のような減速機18に代えて、プラネタリギヤを減速機として採用してもよい。
(異常監視処理および異常発生部位の特定処理)
本実施の形態に従う監視ECU4は、図2に示すような動力伝達経路における異常の有無を判断するとともに、異常発生していると判断された場合に異常部位FP1〜FP5を特定する。このような処理を実現するための基本的な考え方を以下に説明する。
まず、車両100の運動方程式について考える。車両100は、4つの駆動輪(前輪FL,FRおよび後輪RL,RR)で発生する駆動力によって走行するため、これらの駆動力がすべて車両100の加速に使用されているとした場合の運動方程式は(1)式のようになる。
Figure 0004835528
ここで、<m>は車両100の重量であり、<dv/dt>は車両100の加速度であり、<ΣT >は各モータジェネレータIWMに対する目標トルクの合計値である。また、<A>および<C>は、減速機18を構成するギヤ間のギヤ比についての関係式「第1ギヤ36:第2ギヤ38:第3ギヤ40=A:B:C」から得られる値である。また、<R>は、タイヤ48の外径値である。
また、回転センサ20によって検出されるモータジェネレータIWMの出力軸34(ロータ30)の回転位置を<p(t)>とすると、(2)式のような関係が成立する。
Figure 0004835528
ここで、<dp/dt>は、回転センサ20から出力される回転位置p(t)の出力軸34(ロータ30)の回転加速度に相当する。
上述の(1)式と(2)式とを整理して、回転加速度dp/dtについてまとめると、(3)式のような関係式が導出できる。
Figure 0004835528
すなわち、(3)式は各モータジェネレータIWMで発生するトルクがすべて車両100の走行(加速)に使用される場合に成立する関係式である。
したがって、この(3)式に基づいて、各モータジェネレータIWMで発生するトルクが車両100の走行(加速)に使用されているか否かを判断できる。すなわち、出力軸34の回転加速度dp/dtと、車両100の重量mと、各モータジェネレータIWMに対する目標トルクの合計値ΣT とに基づいて、監視対象の駆動輪における異常の有無を判断することができる。
一方、何らかの理由によって駆動輪が空転する場合の運動方程式は(4)式のようになる。この場合には、モータジェネレータで発生するトルクが車両100の加速には関与しないので、各駆動輪の動力伝達経路に着目して考えることができる。なお、(4)式は、対応する1つの駆動輪についての運動方程式である。
Figure 0004835528
ここで、<T >は、対応するモータジェネレータIWMに対する目標トルクであり、車両要求駆動力を各駆動輪に配分することで決定される。また、<J>は、出力軸34を含むロータ30のイナーシャ(慣性)であり、<J>、<J>、<J>は、それぞれ第1ギヤ36、第2ギヤ38、第3ギヤ40のイナーシャであり、<Jht>は、ホイールディスク46およびタイヤ48を一括したイナーシャである。
再度図2を参照して、(4)式は、モータジェネレータIWMで発生するトルクが、ロータ30、出力軸34、減速機18、シャフト42、ホイールハブ44、およびタイヤ48の回転駆動に使用される場合を示す。ここで、モータジェネレータIWMからタイヤ48までの動力伝達経路のいずれかの位置で動力伝達が行なわれなくなると、当該動力伝達が遮断された箇所より下流側にある要素のイナーシャはゼロとなる。すなわち、(4)式に含まれる項のうち、当該動力伝達が遮断された位置より下流側にある要素に対応する項がゼロとなる。
たとえば、シャフト42が破損(異常部位FP5)して、第3ギヤ40とホイールハブ44との間で動力伝達が遮断されると、(4)式の左辺のカッコ内の第5項はゼロとなる。そのため、目標トルクT が不変であるとすると、出力軸34の回転加速度dp/dtはより大きくなる。
また、第2ギヤ38または第3ギヤ40においてギヤ欠けが発生(異常部位FP4)して、第2ギヤ38と第3ギヤ40との間で動力伝達が遮断されると、(4)式の左辺のカッコ内の第4および5項はゼロとなる。同様にして、第1ギヤ36または第2ギヤ38においてギヤ欠けが発生(異常部位FP3)すると、(4)式の左辺のカッコ内の第3〜5項はゼロとなり、出力軸34が破損(異常部位FP2)すると、(4)式の左辺のカッコ内の第2〜5項はゼロとなる。
したがって、上述の(3)式が成立しない、すなわち監視対象の駆動輪で異常発生していると判断された場合には、対応する目標トルクT と動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値とから得られるべき回転加速度の推定値を演算した上で、この演算された推定値と実測の回転加速度dp/dtとの大小関係から異常発生部位を特定することができる。なお、モータジェネレータIWMが回転している限りにおいて、(4)式の左辺のカッコ内の第1項がゼロとなることはないので、出力軸34の回転加速度dp/dtが過大な値となる場合には、回転センサ20自体の異常(異常部位FP1)と特定することもできる。
(制御構造)
次に、図3〜図6を参照して、本実施の形態に従う異常監視装置を搭載した車両100の制御構造について説明する。
図3は、走行ECU2および監視ECU4によって実現される機能の概略を示す機能ブロック図である。なお、走行ECU2および監視ECU4の各々は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理部と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ部とを含んで構成される電子制御装置であり、CPUがROMなどに予め記憶されたプログラムをRAM上に読出して、当該プログラムを実行することで、図3〜図6に示す機能を実現する。
図3を参照して、走行ECU2は、インバータ制御部200と通信部250とをその機能として含み、監視ECU4は、監視部400と通信部450とをその機能として含む。
インバータ制御部200は、車両100の運転状態に基づいて車両に要求される車両要求駆動力を演算するとともに、当該車両要求駆動力を各駆動輪に対して配分することで、各駆動輪で発生すべき目標トルクを決定する。さらに、インバータ制御部200は、対応する目標トルクに従って、各インバータ14FL,14FR,14RL,14RRに対してそれぞれ制御指令PWMFL,PWMFR,PWMRL,PWMRRを与える。
図4は、図3に示すインバータ制御部200のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
図4を参照して、インバータ制御部200は、車両要求駆動力演算部202と、トルク配分部204と、電流指令変換部206FL,206FR,206RL,206RRと、電流制御部208FL,208FR,208RL,208RRと、PWM生成部210FL,210FR,210RL,210RRとを含む。
車両要求駆動力演算部202は、車両速度、アクセルペダルポジションAP、ブレーキペダルポジションBP、およびシフトポジションSPに基づいて、車両100を駆動させるために要求される車両要求駆動力Pmを演算する。なお、車両速度の演算には、それぞれ回転センサ20FL,20FR,20RL,20RRで検出されるモータジェネレータIMWFL,IMWFR,IMWRL,IMWRRの回転位置pFL(t),pFR(t),pRL(t),pRR(t)をそれぞれ時間的に微分した値の平均値が用いられる。このように、車両要求駆動力演算部202は、運転者の運転操作に応じた車両100の運転状態に基づいて車両要求駆動力Pmを演算する。
また、車両要求駆動力演算部202は、監視部400がいずれかの駆動輪での異常発生と判断した場合に発せられる異常信号FALに応答して、車両要求駆動力Pmをゼロに変更して、車両100を安全な状態に保つ。
トルク配分部204は、車両要求駆動力演算部202から車両要求駆動力Pmを受けるとともに、車両要求駆動力Pmを各駆動輪に対して配分することで、各モータジェネレータで発生すべき目標トルクTmFL*,TmFR*,TmRL*,TmRR*を決定する。代表的に、トルク配分部204は、車両100の走行状況(加速中・減速中・定常走行中)や、ステアリングホイールの操舵角θsに基づく操舵状況などに応じて、車両要求駆動力Pmを配分する。なお、トルク配分部204は、各駆動輪に配分された車両要求駆動力から目標トルクを演算する際に、モータジェネレータIMWFL,IMWFR,IMWRL,IMWRRの回転位置pFL(t),pFR(t),pRL(t),pRR(t)から演算される各モータジェネレータの回転速度を用いる。
電流指令変換部206FLは、トルク配分部204で決定された目標トルクTmFL*と、モータジェネレータIMWFLの回転位置pFL(t)とに基づいて、モータジェネレータIWMFLに供給すべき三相電流目標値IuFL*,IvFL*,IwFL*を出力する。
電流制御部208FLは、電流センサ(図示しない)で検出される三相ケーブル16FL(図1)を流れる三相電流実績値IuFL,IvFL,IwFL*と、電流指令変換部206FLからの三相電流目標値IuFL*,IvFL*,IwFL*とを比較し、三相電圧目標値VuFL*,VvFL*,VwFL*を出力する。より具体的には、電流制御部208FLは、三相分の電流フィードバックループを含んでおり、各相における電流目標値に対する電流実績値の偏差に応じて、対応の電圧目標値を出力する。
PWM生成部210FLは、電流制御部208FLから出力される三相電圧目標値VuFL*,VvFL*,VwFL*を所定のキャリア周波数をもつ発振器(図示しない)の出力と比較し、インバータ14FL(図3)におけるスイッチング動作を制御するための制御指令PWMFLを生成して出力する。なお、制御指令PWMFLとしては、代表的にパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式が採用される。
そして、インバータ14FLは、この制御指令PWMFLに従ってモータジェネレータIWMFLへ所定の三相交流電力を供給する。
このように、電流指令変換部206FL、電流制御部208FLおよびPWM生成部210FLは、モータジェネレータIWMFLへ供給する電力を対応する目標トルクTmFL*に従って制御する。
同様にして、電流指令変換部206FR、電流制御部208FRおよびPWM生成部210FRの組合せ、電流指令変換部206RL、電流制御部208RLおよびPWM生成部210RLの組合せ、電流指令変換部206RR、電流制御部208RRおよびPWM生成部210RRの組合せについても、それぞれモータジェネレータIWMFR,IWMRL,IWMRRへ供給する電力を対応する目標トルクTmFR*,TmRL*,TmRR*に従って制御する。
再度、図3を参照して、通信部250および450は、通信線6を介して相互にデータを送受信する。これにより、走行ECU2と監視ECU4とは、入出力データを共有できる。
監視部400は、本実施の形態に従う異常監視処理および異常発生部位の特定処理を実行する部位である。より具体的には、監視部400は、走行ECU2のインバータ制御部200で逐次演算される目標トルクや、回転センサ20で検出されるモータジェネレータの回転位置などに基づいて、異常監視処理および異常発生部位の特定処理を実行する。そして、監視部400は、いずれかの駆動輪において異常発生と判断すると、異常信号FALを他のECUなどへ通知する。この異常信号FALに応答して、車両100の走行制御を司る各ECUは、車両100を安全な状態に維持するような制御を実行する。また、監視部400は、インパネ部に設けられた故障インジケータ28を点灯して運転者に異常発生を通知するとともに、保守内容を示すダイアグ信号を出力する。このダイアグ出力によって、運転者から依頼を受けた保守員は、故障診断テスタなどを用いて該当の異常部位を知ることができる。なお、このダイアグ出力には、特定した異常発生部位を示す情報を含んでいてもよい。
また、監視部400は、異常監視処理および異常発生部位の特定処理に使用される各種パラメータを格納する記憶部400aを含んで構成される。より具体的には、記憶部400aには、少なくとも、予め取得されたイナーシャJ,J,J,J,Jht、車両100の重量m、および減速機18を構成するギヤ間のギヤ比が格納される。なお、これらの各定数は、設計上の数値計算や実測によって予め取得することができる。
図5は、図3に示す監視部400のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
図5を参照して、監視部400は、総和部405と、異常判断部410FL,410FR,410RL,410RRとを含む。
総和部405は、走行ECU2のトルク配分部204(図2)から目標トルクTmFL*,TmFR*,TmRL*,TmRR*取得し、それらの合計値ΣT を演算するとともに、異常判断部410FL,410FR,410RL,410RRの各々へ合計値ΣT を出力する。
異常判断部410FLは、対応のモータジェネレータIWMFLの回転位置pFL(t)と、対応のモータジェネレータIWMFLに対する目標トルクTmFL*とに基づいて、監視対象の駆動輪である前輪FLにおける異常の有無を判断するとともに、異常発生していると判断された場合に異常発生部位を特定する。そして、異常判断部410FLは、異常発生を判断すると、異常信号FALFLを出力する。
同様に、異常判断部410FR,異常判断部410RL,異常判断部410RRについても、それぞれ前輪FR、後輪RL、後輪RRにおける異常の有無を判断するとともに、異常発生していると判断された場合に異常発生部位を特定する。また、異常発生を判断すると、異常信号FALFR,FALRL,FALRRが出力される。
なお、本実施の形態では、4つの駆動輪のすべてを監視対象とする構成について例示するが、異常判断部410FL,410FR,410RL,410RRにおける処理は互いに独立して実行されるため、駆動輪の一部だけを監視対象とするように構成してもよい。また、たとえば1つの異常判断部が監視対象とする駆動輪を時間的に切換えるようにしてもよい。
図6は、図5に示す各異常判断部における機能構成を示す機能ブロック図である。なお、異常判断部410FL,410FR,410RL,410RR(以下、異常判断部410とも総称する)の各々では、それぞれ独立に処理が実行されるので、図6には代表的に1つの異常判断部410における機能構成を示す。
図2および図6を参照して、異常判断部410は、2階微分部420と、掛算部422,424,426,428,430,432と、比較部434,436,438,440,442,444とを機能として含む。
なお、モータジェネレータIMWFL,IMWFR,IMWRL,IMWRRの回転位置pFL(t),pFR(t),pRL(t),pRR(t)をp(t)とも総称する。
まず、2階微分部420は、対応するモータジェネレータIWMの回転位置p(t)を時間的に2階微分することで、対応するモータジェネレータの回転加速度dp/dtを演算する。
掛算部422および比較部434は、上述の(1)式が成立するか否かに基づいて、監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する。具体的には、掛算部422は、総和部405(図5)から取得した目標トルクの合計値ΣT と、定数値「(C/A)×1/2πm」とを乗じた値を演算する。そして、比較部434は、回転加速度dp/dtと、掛算部422で演算された標準値「ΣT ×(C/A)×1/2πm」とを比較し、その偏差が予め定められた許容値ε以内であるか否かを判断する。この許容値ε以内は、回転センサ20の検出誤差などに応じてその値が定められる。そして、偏差が許容値ε以内である場合には、比較部434は、監視対象の駆動輪が「正常」を出力する。言い換えれば、|dp/dt−ΣT ×(C/A)×1/2πm|≦εであれば、「正常」であると判断される。
これに対して、両者の偏差が予め定められた許容値εを超える場合には、比較部434は、対象の駆動輪が「正常」ではないと判断するとともに、比較部436を活性化する。すなわち、上述の(1)式が成立しない場合には、駆動輪のいずれかの部位において空転が生じていることとなる。
このように、掛算部422および比較部434は、モータジェネレータの回転加速度dp/dtと、車両100の重量mと、目標トルクの合計値ΣT とに基づいて、監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する。
掛算部424および比較部436は、比較部434が監視対象の駆動輪が「正常」ではないと判断した場合に、回転センサ20自体の異常(異常部位FP1)の有無を判断する。すなわち、掛算部424は、トルク配分部204(図4)から取得した対応の目標トルクT と、出力軸34を含むロータ30のイナーシャの逆数である定数値「J −1」とを乗じた値を演算する。そして、比較部436は、回転加速度dp/dtと、掛算部424で演算されたモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」との大小関係を比較する。そして、比較部434は、回転加速度dp/dtがモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」より大きい場合に、「回転センサ異常」を出力する。すなわち、掛算部424は、対応のモータジェネレータが単体で回転する場合の回転加速度の推定値であるモータジェネレータ空転推定値を演算し、比較部436は、このモータジェネレータ空転推定値と実測の回転加速度dp/dtとを比較して、回転センサ20の異常の有無を判断する。なお、モータジェネレータ空転推定値は、上述した(4)式において左辺のカッコ内にある第1項以外の全ての値をゼロにした場合に算出される回転加速度に相当する。
これに対して、回転加速度dp/dtがモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」以下の場合には、比較部436は、回転センサ20を「正常」と判断するとともに、比較部438を活性化する。
次に、掛算部426および比較部438は、比較部436が回転センサ20を「正常」と判断した場合に、出力軸34と第1ギヤ36との間の動力伝達経路の健全性(異常部位FP2)を判断する。すなわち、掛算部426は、トルク配分部204(図4)から取得した対応の目標トルクT と、出力軸34から第1ギヤ36までに存在する要素についてのイナーシャ合成値の逆数である定数値「(J+J−1」とを乗じた値を演算する。そして、比較部438は、回転加速度dp/dtと、掛算部426で演算された出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」との大小関係を比較する。そして、比較部438は、回転加速度dp/dtが出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」より大きい場合に、「出力軸34と第1ギヤ36との間の動力伝達経路異常」を出力する。
すなわち、掛算部426は、動力伝達経路が出力軸34までで遮断している場合の回転加速度の推定値である出力軸空転推定値を演算し、比較部438は、この出力軸空転推定値と実測の回転加速度dp/dtとを比較して、出力軸34と第1ギヤ36との間の動力伝達経路の健全性を判断する。なお、出力軸空転推定値は、上述した(4)式において左辺のカッコ内にある第1および2項以外の全ての値をゼロにした場合に算出される回転加速度に相当する。
なお、この出力軸34と第1ギヤ36との間の動力伝達経路が異常の場合には、出力軸34の破損や出力軸34と第1ギヤ36との間の連結外れなどの不具合が考えられる。
これに対して、回転加速度dp/dtが出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」以下の場合には、比較部438は、第1ギヤ36までの動力伝達経路が「正常」と判断するとともに、比較部440を活性化する。
次に、掛算部428および比較部440は、比較部438が第1ギヤ36までの動力伝達経路を「正常」と判断した場合に、第1ギヤ36と第2ギヤ38との間の動力伝達経路の健全性(異常部位FP3)を判断する。すなわち、掛算部428は、トルク配分部204(図4)から取得した対応の目標トルクT と、出力軸34から第2ギヤ38までに存在する要素についてのイナーシャ合成値の逆数である定数値「(J+J+J×A/B)−1」とを乗じた値を演算する。なお、(A/B)は、第1ギヤ36と第2ギヤ38との間のギヤ比である。そして、比較部440は、回転加速度dp/dtと、掛算部428で演算された第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」との大小関係を比較する。そして、比較部440は、回転加速度dp/dtが第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」より大きい場合に、「第1ギヤ36と第2ギヤ38との間の動力伝達経路異常」を出力する。
すなわち、掛算部428は、動力伝達経路が第1ギヤ36までで遮断している場合の回転加速度の推定値である第1ギヤ空転推定値を演算し、比較部440は、この第1ギヤ空転推定値と実測の回転加速度dp/dtとを比較して、第1ギヤ36と第2ギヤ38との間の動力伝達経路の健全性を判断する。なお、第1ギヤ空転推定値は、上述した(4)式において左辺のカッコ内にある第1〜3項以外の全ての値をゼロにした場合に算出される回転加速度に相当する。
なお、この第1ギヤ36と第2ギヤ38との間の動力伝達経路が異常の場合には、第1ギヤ36および第2ギヤ38の少なくとも一方のギヤ欠けなどの不具合が考えられる。
これに対して、回転加速度dp/dtが第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」以下の場合には、比較部440は、第2ギヤ38までの動力伝達経路が「正常」と判断するとともに、比較部442を活性化する。
次に、掛算部430および比較部442は、比較部440が第2ギヤ38までの動力伝達経路を「正常」と判断した場合に、第2ギヤ38と第3ギヤ40との間の動力伝達経路の健全性(異常部位FP4)を判断する。すなわち、掛算部430は、トルク配分部204(図4)から取得した対応の目標トルクT と、出力軸34から第3ギヤ40までに存在する要素についてのイナーシャ合成値の逆数である定数値「(J+J+J×A/B+J×A/C)」−1」とを乗じた値を演算する。なお、(A/B)は、第1ギヤ36と第2ギヤ38との間のギヤ比であり、(A/C)は、第1ギヤ36と第3ギヤ40との間のギヤ比である。そして、比較部442は、回転加速度dp/dtと、掛算部430で演算された第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」との大小関係を比較する。そして、比較部440は、回転加速度dp/dtが第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」より大きい場合に、「第2ギヤ38と第3ギヤ40との間の動力伝達経路異常」を出力する。
すなわち、掛算部430は、動力伝達経路が第2ギヤ38までで遮断している場合の回転加速度の推定値である第2ギヤ空転推定値を演算し、比較部442は、この第2ギヤ空転推定値と実測の回転加速度dp/dtとを比較して、第2ギヤ38と第3ギヤ40との間の動力伝達経路の健全性を判断する。なお、第2ギヤ空転推定値は、上述した(4)式において左辺のカッコ内にある第5項の値をゼロにした場合に算出される回転加速度に相当する。
なお、この第2ギヤ38と第3ギヤ40との間の動力伝達経路が異常の場合には、第2ギヤ38および第3ギヤ40の少なくとも一方のギヤ欠けなどの不具合が考えられる。
これに対して、回転加速度dp/dtが第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」以下の場合には、比較部442は、第3ギヤ40までの動力伝達経路が「正常」と判断するとともに、比較部444を活性化する。
最後に、掛算部432および比較部444は、比較部442が第3ギヤ40までの動力伝達経路を「正常」と判断した場合に、第3ギヤ40とホイールディスク46との間の動力伝達経路の健全性(異常部位FP5)を判断する。すなわち、掛算部432は、トルク配分部204(図4)から取得した対応の目標トルクT と、出力軸34からホイールディスク46までに存在する要素についてのイナーシャ合成値の逆数である定数値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)」−1」とを乗じた値を演算する。なお、(A/B)は、第1ギヤ36と第2ギヤ38との間のギヤ比であり、(A/C)は、第1ギヤ36と第3ギヤ40との間のギヤ比である。そして、比較部444は、回転加速度dp/dtと、掛算部432で演算された第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」との大小関係を比較する。そして、比較部442は、回転加速度dp/dtが第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」より大きい場合に、「第3ギヤ40とホイールディスク46との間の動力伝達経路異常」を出力する。
すなわち、掛算部432は、動力伝達経路が第3ギヤ40までで遮断している場合の回転加速度の推定値である第3ギヤ空転推定値を演算し、比較部444は、この第3ギヤ空転推定値と実測の回転加速度dp/dtとを比較して、第3ギヤ40とホイールディスク46との間の動力伝達経路の健全性を判断する。なお、第3ギヤ空転推定値は、上述した(4)式によって算出される回転加速度に相当する。
なお、この第3ギヤ40とホイールディスク46との間の動力伝達経路が異常の場合には、第3ギヤ40のギヤ欠けや、シャフト42の破損などの不具合が考えられる。
これに対して、回転加速度dp/dtが第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」以下の場合には、比較部442は、ホイールディスク46までの動力伝達経路が「正常」と判断する。
以上のように、加算部424,426,428,430,432および比較部436,438,440,442,444は、減速機18を構成する複数のギヤ36,38,40の各々について、モータジェネレータIWMの出力軸34から各歯車までの動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値と、対応する目標トルクT とに基づいて、動力伝達経路が各歯車までで遮断している場合におけるモータジェネレータの回転加速度の推定値を順次演算するとともに、演算した推定値と実測の回転加速度dp/dtとを順次比較することで異常な部位を特定する。
なお、本実施の形態では、一例として、本願発明を一連に噛み合わされた3つのギヤからなる減速機18に適用する構成について説明したが、上述と同様の方法によって3つより多いギヤ、または3つより少ないギヤからなる歯車伝達機構に対して適用できることは自明である。
図2〜図6に示す本発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、2階微分部420が「回転加速度取得手段」に対応し、掛算部422および比較部434が「判断手段」に対応し、加算部424,426,428,430,432および比較部436,438,440,442,444が「特定手段」に対応する。
(処理フロー)
次に、図7を参照して、本実施の形態に従う処理手順について説明する。
図7は、本実施の形態に従う処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理フローは、主として監視ECU4が予め格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、図7に示す処理フローは、代表的にサブルーチンとして構成され、所定周期(たとえば、100msec)で周期的に実行される。
図5〜図7を参照して、まず、2階微分部420として機能する監視ECU4が、回転センサ20から監視対象のモータジェネレータIWMの回転位置p(t)を取得する(ステップS100)。そして、2階微分部420として機能する監視ECU4が、取得した回転位置p(t)を時間的に2階微分して回転加速度dp/dtを演算する(ステップS102)。なお、回転位置p(t)を時間的に2階微分できるように、ステップS100では、所定期間にわたって回転位置p(t)を取得することが好ましい。
次に、総和部405として機能する監視ECU4は、走行ECU2から各モータジェネレータに対する目標トルクを取得して目標トルクの合計値ΣT を演算する(ステップS104)。なお、演算した目標トルクの合計値ΣT は一時的にRAMなどに格納される。
そして、掛算部422として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、標準値「ΣT ×(C/A)×1/2πm」を演算する(ステップS106)。続いて、比較部434として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtと、ステップS104で演算された標準値「ΣT ×(C/A)×1/2πm」との偏差が許容値ε以内であるか否かを判断する(ステップS108)。
回転加速度dp/dtと標準値「ΣT ×(C/A)×1/2πm」との偏差が許容値ε以内である場合(ステップS108においてYESの場合)には、比較部434として機能する監視ECU4は、監視対象の駆動輪が「正常」であると出力する(ステップS110)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtと標準値「ΣT ×(C/A)×1/2πm」との偏差が許容値εより大きい場合(ステップS108においてNOの場合)には、掛算部424として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、モータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」を演算する(ステップS112)。続いて、比較部436として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtが、ステップS112で演算されたモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」より大きいか否かを判断する(ステップS114)。
回転加速度dp/dtがモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」より大きい場合(ステップS114においてYESの場合)には、比較部436として機能する監視ECU4は、「回転センサ異常」を出力する(ステップS116)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtがモータジェネレータ空転推定値「J −1×T 」以下である場合(ステップS114においてNOの場合)には、掛算部426として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」を演算する(ステップS118)。続いて、比較部438として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtが、ステップS118で演算された出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」より大きいか否かを判断する(ステップS120)。
回転加速度dp/dtが出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」より大きい場合(ステップS120においてYESの場合)には、比較部438として機能する監視ECU4は、「出力軸と第1ギヤとの間の動力伝達経路異常」を出力する(ステップS122)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtが出力軸空転推定値「(J+J−1×T 」以下である場合(ステップS120においてNOの場合)には、掛算部428として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」を演算する(ステップS124)。続いて、比較部440として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtが、ステップS124で演算された第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」より大きいか否かを判断する(ステップS126)。
回転加速度dp/dtが第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」より大きい場合(ステップS126においてYESの場合)には、比較部440として機能する監視ECU4は、「第1ギヤと第2ギヤとの間の動力伝達経路異常」を出力する(ステップS128)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtが第1ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B)−1×T 」以下である場合(ステップS126においてNOの場合)には、掛算部430として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」を演算する(ステップS130)。続いて、比較部442として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtが、ステップS130で演算された第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」より大きいか否かを判断する(ステップS132)。
回転加速度dp/dtが第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」より大きい場合(ステップS132においてYESの場合)には、比較部442として機能する監視ECU4は、「第2ギヤと第3ギヤとの間の動力伝達経路異常」を出力する(ステップS134)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtが第2ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C)−1×T 」以下である場合(ステップS132においてNOの場合)には、掛算部432として機能する監視ECU4は、ステップS104で演算された目標トルクの合計値ΣT と、予め記憶部400aに記憶されたパラメータとに基づいて、第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」を演算する(ステップS136)。続いて、比較部444として機能する監視ECU4は、ステップS102で演算された回転加速度dp/dtが、ステップS136で演算された第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」より大きいか否かを判断する(ステップS138)。
回転加速度dp/dtが第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」より大きい場合(ステップS138においてYESの場合)には、比較部444として機能する監視ECU4は、「第3ギヤとホイールディスクとの間の動力伝達経路異常」を出力する(ステップS140)。そして、処理は最初に戻る。
これに対して、回転加速度dp/dtが第3ギヤ空転推定値「(J+J+J×A/B+J×A/C+Jht×A/C)−1×T 」以下の場合(ステップS138においてNOの場合)には、駆動輪の空転とみなすことができるので、何らの出力をすることなく処理は最初に戻る。
(変形例)
なお、上述の(1)式では、車両100の重量mを予め定められた値としていたが、この重量mを車両100に搭乗する乗員の数に応じて補正するようにしてもよい。
図8は、本発明の実施の形態の変形例に従う制御構造を示す機能ブロック図である。本発明の実施の形態の変形例は、図3〜図6に示す制御構造に加えて図8に示すような制御構造を含む。
図8を参照して、車両100のシート98の座面には、乗員の搭乗を検知する着座センサ96が設けられている。そして、車重補正部470は、予め定められた基準重量%mに、この着座センサ96の検知信号に応じた補正重量を加算した上で、重量mとして出力する。なお、図8には、説明の便宜上、1つのシート98だけを示すが、車両100に配置されるシートのそれぞれについて着座センサ96を設けた上で、重量を補正することが好ましい。なお、図8に示す車重補正部470は、監視ECU4がプログラムを実行することで実現される。
また、上記の実施の形態においては、各駆動輪がインホイールモータによって駆動される構成について説明したが、本願発明の適用範囲は、必ずしもインホイールモータ駆動方式に限定されるものではない。すなわち、本願発明は、前輪を各駆動輪を別々の電動機(モータジェネレータ)で駆動する車両に適用可能であり、インホイールモータ駆動方式は好適ではあるが、各駆動輪を駆動する電動機が車体側に搭載されたオンボードタイプであってもよい。
なお、本願発明に係る車両には、内燃機関も動力源として搭載するハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)も含まれる。また、蓄電装置Bの代わりに、または蓄電装置Bとともに、燃料電池(Fuel Cell)を直流電源として搭載した燃料電池車であってもよい。
この発明の実施の形態によれば、まず、車両の重量と、すべてのモータジェネレータについての目標トルクの合計値とに基づいて、車両の運動方程式に従って生じるべき回転加速度を演算した上で、当該演算した回転加速度と実測の回転加速度とを比較して監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する。さらに、監視対象の駆動輪において異常発生していると判断された場合に、モータジェネレータに与えられる対応の目標トルクから推定できる推定値と実際の加速度とを比較することで、異常発生部位を特定する。
このように異常有無の判断に目標トルクを使用するので、トルクセンサを用いる必要がない。また、各監視タイミングにおいて演算された推定値と実測の回転加速度とを比較すればよいので、先行技術のようなトルクの変動周波数や変動周期を演算する構成に比較して処理を迅速化できる。
また、この発明の実施の形態によれば、異常判断および異常部位の特定を迅速に実行できるので、ギヤが完全に欠けた末期的な状態に加えて、その一部だけが欠けた状態のような初期的な状態についても監視することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に従う異常監視装置を搭載した車両の全体構成を示す機能ブロック図である。 図1に示したモータジェネレータがインホイールモータとして組込まれた駆動輪の断面図である。 走行ECUおよび監視ECUによって実現される機能の概略を示す機能ブロック図である。 図3に示すインバータ制御部のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。 図3に示す監視部のより詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。 図5に示す各異常判断部における機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施の形態に従う処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に従う制御構造を示す機能ブロック図である。
符号の説明
2 走行ECU、4 監視ECU、6 通信線、8 ステアリングホイール、10 操舵角センサ、12 電源ケーブル、14FL,14FR,14RL,14RR インバータ、16FL,16FR,16RL,16RR 三相ケーブル、18,18FL,18FR,18RL,18RR 減速機、20,20FL,20FR,20RL,20RR 回転センサ、22 アクセルポジションセンサ、24 ブレーキペダルポジションセンサ、26 シフトポジションセンサ、28 故障インジケータ、30 ロータ、32 ステータ、34 出力軸、36 第1ギヤ、38 第2ギヤ、40 第3ギヤ、42 シャフト、44 ホイールハブ、46 ホイールディスク、48 タイヤ、96 着座センサ、98 シート、100 車両、200 インバータ制御部、202 車両要求駆動力演算部、204 トルク配分部、206FL,206FR,206RL,206RR 電流指令変換部、208FL,208FR,208RL,208RR 電流制御部、210FL,210FR,210RL,210RR 生成部、250,450 通信部、400 監視部、400a 記憶部、405 総和部、410,410FL,410FR,410RL,410RR 異常判断部、420 2階微分部、422,424,426,428,430,432 掛算部、434,436,438,440,442,444 比較部、470 車重補正部、B 蓄電装置、FL,FR 前輪、IWM,IMWFL,IMWFR,IMWRL,IMWRR モータジェネレータ、RL,RR 後輪。

Claims (7)

  1. 車両の異常監視装置であって、
    前記車両は、
    各々が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された複数の駆動輪と、
    前記車両の運転状態に基づいて、前記車両に要求される車両要求駆動力を演算する車両要求駆動力演算部と、
    前記車両要求駆動力を前記複数の駆動輪に対して配分することで、各電動機で発生すべき目標トルクを決定するトルク配分部と、
    前記電動機へ供給する電力を対応する前記目標トルクに従って制御する電力制御部とを備え、
    前記異常監視装置は、
    監視対象の前記駆動輪に対応する前記電動機の回転加速度を取得する回転加速度取得手段と、
    前記回転加速度と、前記車両の重量と、すべての前記電動機についての前記目標トルクの合計値とに基づいて、前記監視対象の駆動輪における異常の有無を判断する判断手段と、
    前記監視対象の駆動輪で異常発生していると判断された場合に、前記回転加速度の大きさと対応する前記目標トルクとに基づいて、異常発生部位を特定する特定手段とを備える、異常監視装置。
  2. 前記歯車伝達機構は、前記電動機の出力軸から前記駆動輪までの動力伝達経路に沿って一連に噛み合わされた複数の歯車からなり、
    前記特定手段は、前記複数の歯車の各々について、前記電動機の出力軸から各歯車までの動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値と、対応する前記目標トルクとに基づいて、動力伝達経路が各歯車までで遮断している場合の前記電動機の回転加速度の推定値である歯車空転推定値を順次演算するとともに、演算した前記歯車空転推定値と前記回転加速度の大きさとを順次比較することで前記複数の歯車の中で異常なものを特定する、請求項1に記載の異常監視装置。
  3. 前記車両は、前記監視対象の電動機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転位置を検出する回転位置検出部をさらに備え、
    前記特定手段は、前記電動機の出力軸のイナーシャと、対応する前記目標トルクとに基づいて前記電動機が単体で回転する場合の前記電動機の回転加速度の推定値である電動機空転推定値を演算するとともに、演算した前記電動機空転推定値と前記回転加速度の大きさとを比較することで、前記回転位置検出部の異常の有無を判断する、請求項2に記載の異常監視装置。
  4. 前記異常監視装置は、予め取得された、前記電動機の出力軸および前記複数の歯車の各々についてのイナーシャならびに前記車両の重量を格納する記憶手段をさらに備える、請求項3に記載の異常監視装置。
  5. 前記異常監視装置は、前記車両に搭乗する乗員の数に応じて、前記車両の重量を補正する車重補正手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異常監視装置。
  6. 車両に対する異常監視方法であって、
    前記車両は、
    各々が歯車伝達機構を介して対応の電動機に連結された複数の駆動輪と、
    前記車両の運転状態に基づいて、前記車両に要求される車両要求駆動力を演算する車両要求駆動力演算部と、
    前記車両要求駆動力を前記複数の駆動輪に対して配分することで、各電動機で発生すべき目標トルクを決定するトルク配分部と、
    前記電動機へ供給する電力を対応する前記目標トルクに従って制御する電力制御部とを備え、
    前記異常監視方法は、
    監視対象の前記駆動輪に対応する前記電動機の回転加速度を取得するステップと、
    すべての前記電動機についての前記目標トルクの合計値を演算するステップと、
    前記回転加速度と、前記車両の重量と、前記目標トルクの合計値とに基づいて、前記監視対象の駆動輪における異常の有無を判断するステップと、
    前記監視対象の駆動輪で異常発生していると判断された場合に、前記回転加速度の大きさと対応する前記目標トルクとに基づいて、異常発生部位を特定するステップとを備える、異常監視方法。
  7. 前記歯車伝達機構は、前記電動機の出力軸から前記駆動輪までの動力伝達経路に沿って一連に噛み合わされた複数の歯車からなり、
    前記異常発生部位を特定するステップは、
    前記複数の歯車の各々について、前記電動機の出力軸から各歯車までの動力伝達経路にある要素のイナーシャの合成値と、対応する前記目標トルクとに基づいて、動力伝達経路が各歯車までで遮断している場合の前記電動機の回転加速度の推定値を順次演算するステップと、
    前記推定値と前記回転加速度の大きさとを比較することで前記複数の歯車の中で異常なものを特定するステップとを含む、請求項6に記載の異常監視方法。
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