JP4833633B2 - 重量物昇降装置 - Google Patents
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Description
そのジャッキ装置は、一般的に油圧式ジャッキで構成され、ロッドの伸長によって重量物を上げ下げし得るように構成されている。
ところで、この種のジャッキ装置には、重量物を載承することによる鉛直荷重の他に、地震や風(横風)などの水平力(横倒力)が作用する。前者の鉛直荷重はそのジャッキ装置の能力(定格荷重)に相当し、後者の水平力(横倒力)に対抗する力は一般的に前記能力の20〜30%が求められている。
前記昇降手段としては、流体圧(水または空気)、油圧等で作動するジャッキが好適であり、昇降のストローク(能力)に応じて多段伸長型を選択使用する。前記昇降部を構成する下枠体と上枠体の形状は、平面角形(例えば、四角形、多角形等)、或いは円形、楕円形等、何れでも良い。前記2体の蛇腹状体が各々平板をヒンジ連結して形成されている場合、平板には水平力(風)が通り抜ける窓孔を開設すると有効である。多段伸長ジャッキは、能力の異なる複数のジャッキが一本物状に順次収納されている構成のものである。
そして、単なる1体の蛇腹体からなる横倒防止手段では、伸びきっていない段階や折畳み途中段階に風等で生じる上下方向への捩り応力に対して弱い、くの字状部を形成するが、本発明では横倒防止手段として、昇降手段の伸縮動作に追従して、連結された揺動中心部間の対向配置する上下の平板や上下の矩形状枠体で中間ヒンジを中心にして対称状のくの字状板部、逆くの字状板部からなる菱形形状部を形成しながら展開伸長したり、展開伸長状態から菱形形状部を形成しながら折畳み状態になる。
そのため、伸び途中部、折畳み途中部に形成される菱形形状部の剛性が前記捩り応力に対して優れた耐強度を発揮して捩じれ変形を防止して、それ以上の伸長展開と折畳みを損わない。
そして、平板または矩形状枠体をヒンジ連結した2体の蛇腹状体が伸長しきった状態では剛板になるため端面方向からの水平力(横倒力)に対して優れた耐力を発揮する。
この請求項2は、上枠体を昇降台として多段式にしたものである。例えば三段式であると仮定すると、転倒防止手段はその下枠体とすぐ上位の上枠体、その上枠体と更にその上位の上枠体とに亘って各々複数段の昇降手段を設ける。転倒防止手段は、各段での昇降手段の伸縮時に前記請求項1と同様に昇降途中(伸び途中段階や折畳み途中段階)に形成される菱形形状部が強度を付与して、風等で上下方向に生じる捩り応力に対抗する。前記転倒防止手段は、高さ方向に相隣設する各枠体(例えば下枠体と上枠体との間、下枠体と上枠体との間、上枠体と上枠体との間等)間の昇降手段の伸縮動作に追従して揺動中心部間の対向配置する上下の平板各々や上下の矩形状枠体各々が完全に当接または近接する折畳み状態から揺動中心部間の対向配置する上下の平板や上下の矩形状枠体全てで菱形形状部を同時に形成しながら展開伸長するように構成したり、同折畳み状態から上枠体(作用点側)に連結されている側の揺動中心部間の対向配置する上下の平板や上下の矩形状枠体で順次菱形形状部を形成しながら展開伸長するように構成する。
そして、各段の昇降手段の伸縮動作途中で水平力が作用した時の作用は請求項1と同様である。
また、請求項4記載のように昇降手段は、1段ジャッキまたは2段伸長ジャッキであると、所要高さまで重量物の上昇を各段の複数の昇降手段で分担して行い。それによって各段のジャッキを最小段数(例えば1段ジャッキまたは2段伸長ジャッキ)のものを使用可能にして、使用される伸長ジャッキの断面積を小さくして、装置自体の重量と共に装置コストを低減させることができる。
しかも、転倒防止手段は、平板または矩形状枠体をヒンジ連結した2体の蛇腹状体をその平板または矩形状枠体の面同士を所定間隔をおいて接近状に対向配置させた状態で同一高さのヒンジ連結部の揺動中心部同士を1つおきに連結すると共に2体の蛇腹状体の上下端を上下枠体に揺動可能に連結して、昇降部の昇降動作に追従する伸縮動作中に2体の蛇腹状体における連結された前記揺動中心部間の上下の平板または上下の矩形状枠体で中間ヒンジが互いに離間する菱形形状部を形成するように構成しているので、平板または矩形状枠体をヒンジ連結した1体の蛇腹体からなる横倒防止手段の場合のように伸び途中段階や折畳み途中段階で風等で上下方向に生じる捩り応力に対して弱い、くの字状部を形成せずに菱形形状部を形成して強度アップして、捩じれ変形を防止して伸長展開させ、また収縮させる(折畳む)ことができる。
その上、転倒防止手段の伸長展開/収縮は、昇降部における上下する枠体(上枠体)の上下動作で行われる為、別途、伸縮動力源を必要とせず、より安価に製作することができる。
まず、その第1の実施の形態を説明すると、
図1は重量物昇降装置の全体を示す外観図で、重量物昇降装置Aは、4本の昇降手段1と、その4本の昇降手段1の基部側を連結する下枠体2と、4本の昇降手段1の伸縮する作動部を連結する上枠体3とからなる昇降部A1と、その昇降部A1の昇降動作中及び昇降動作停止時、該昇降部A1に作用する水平力(横倒力)に抗して昇降部A1の転倒を防止する転倒防止手段Bとで構成されている。
その転倒防止手段Bは前記下枠体2と上枠体3との間の周囲4面に配置すると共に下端を下枠体2、上端を上枠体3に取り付けて、上下二面を除いた周面4面に設けられている。即ち、昇降部A1における前・後面及び左・右面に配置され、何れの方向の水平力(横倒力)に対しても対応できるようになっており、また、昇降部A1の上下昇降に追従して展開伸長/折畳み収縮するように構成されている。
前記転倒防止手段Bは、図4に示すように金属製の矩形状を呈する金属製の平板4、4の上下の長辺に間隔をおいて湾曲状板部5、5を形成し、上下の平板4、4間において上下の湾曲状板部5、5を、互いの間を埋め合うように横方向に一直線に並設した状態で揺動中心部(軸)6でその上下の湾曲状板部5…をヒンジ連結した所要長さの2体の蛇腹状体B1、B1を備えている。
この2体の蛇腹状体B1、B1は、図1、図4に示すように前記平板4…の面同士を所定間隔をおいて接近状に対向配置させた状態で同一高さ1つおきのヒンジ連結部の揺動中心部6同士を連結プレート7で連結し、上下端に下枠体2、上枠体3に取り付ける支持板8、8を揺動可能にヒンジ連結して、その支持板8、8を下枠体2、上枠体3夫々に取り付けて、2体とも昇降部A1における前・後面及び左・右面の長辺と平行にして、図5に示すように昇降手段1の伸縮途中に連結プレート7、7間の上下の平板4、4一対で中間ヒンジ9、9(連結プレート間のヒンジ)が同時に離間して両端を開放する菱形形状部10…を形成するように構成されている。
連結プレート7、7間の上下の平板4、4各々は、図4に示すように中間ヒンジ9、9各々の湾曲状板部5、5の外周面同士が互いに当接して上下の平板4、4が挟角(α)を180度よりも若干小さくする角度まで伸長するようになっている。
従って、油圧式の多段伸長ジャッキ1では、伸び途中、折畳み途中には各連結プレート7、7間の上下の金属製の平板4、4各々で菱形形状部10…を形成しながら2体の蛇腹状体B1、B1が伸びきるまで伸長し、また上下の連結プレート7、7が上下に当接するまで折畳まれる。
この実施の形態では高さ方向に2体の上枠体3…を配置した2段式の重量物昇降装置を示している。
前記下枠体2、上枠体3は、各々平面視矩形状を呈している。
この2段伸長ジャッキは、伸長/収縮する1段目のネジロッド11内から二段目のネジロッド21が伸長/収縮するもので、下向きな2段伸長ジャッキは、ネジロッド21を下枠体2の四隅に連結し、上向きな2段伸長ジャッキは、ネジロッド21を最上位の上枠体3の四隅近傍に連結している。
符号12は、伸長時にネジロッド11、21の緩みを防止する安全ナットであり、周知の通り、電動トルクモータで安全ナットを回転締結させてネジロッド11、21の突出状態を保持するようになっている。
また、図示の場合は第1の実施の形態では昇降部A1の周囲4面に、第2の実施の形態では各段の周囲4面に転倒防止手段Bをそれぞれ1個ずつ配置しているが、長辺の長さを短くしたものを各面に複数列(例えば、二列)配置するなど任意である。
更に、金属製の平板に代わりに、金属製の枠体を使用しても良く、その場合にはその枠体は金属製の平板に周囲を除いて窓孔を開設して形成したものでも良いものである。
B:転倒防止手段 1:昇降手段
2:下枠体 3:上枠体
4:平板(金属製の平板) 6:揺動中心部
7:連結プレート 10:菱形形状部
B1、B1:蛇腹状体 13:ブレース
Claims (8)
- 接地される下枠体と、重量物を載承する上枠体と、前記下枠体と前記上枠体とに亘って連結され鉛直方向に伸縮動作する複数の昇降手段を設け、一端が接地され他端側が上下する昇降部と、
前記下枠体と前記上枠体とに亘って架設され、前記昇降部の昇降動作に追従して伸長/収縮する転倒防止手段とを備え、
前記転倒防止手段は、
複数の平板または矩形状枠体を上下にヒンジ連結した2体の蛇腹状体をその平板または矩形状枠体の面同士を所定間隔をおいて接近状に対向配置させた状態で、同一高さのヒンジ連結部の揺動中心部同士を1つおきに連結すると共に、前記2体の蛇腹状体の上下端をそれぞれ前記上枠体と前記下枠体に揺動可能に連結し、
前記昇降手段の伸縮動作に追従して、前記2体の蛇腹状体における連結された前記揺動中心部間で上下の前記平板又は矩形状枠体をヒンジ連結した中間ヒンジが互いに離間する菱形形状部を有することを特徴とする重量物昇降装置。 - 接地される下枠体と、その上方に複数段設けられ最上で重量物を載承する上枠体と、前記下枠体とその上の前記上枠体の間及び高さ方向に相隣設する前記上枠体の間に亘って連結され鉛直方向に伸縮動作する複数の昇降手段を設け、一端が接地され他端側が上下する昇降部と、
前記下枠体とその上の前記上枠体の間及び高さ方向に相隣設する前記上枠体の間に亘って架設され、前記昇降部の昇降動作に追従して伸長/収縮する転倒防止手段とを備え、
前記転倒防止手段は、
複数の平板または矩形状枠体を上下にヒンジ連結した2体の蛇腹状体をその平板または矩形状枠体の面同士を所定間隔をおいて接近状に対向配置させた状態で、同一高さのヒンジ連結部の揺動中心部同士を1つおきに連結すると共に、前記2体の蛇腹状体の上下端をそれぞれ前記上枠体と前記下枠体に揺動可能に連結し、
前記昇降手段の伸縮動作に追従して、前記2体の蛇腹状体における連結された前記揺動中心部間で上下の前記平板又は矩形状枠体をヒンジ連結した中間ヒンジが互いに離間する菱形形状部を有することを特徴とする重量物昇降装置。 - 前記各昇降手段が多段伸長ジャッキであることを特徴とする請求項1記載の重量物昇降装置。
- 前記昇降手段が1段ジャッキまたは多段伸長ジャッキであることを特徴とする請求項2記載の重量物昇降装置。
- 前記昇降部を構成する前記上枠体及び前記下枠体が平面矩形状で、前記転倒防止手段を前記昇降部の4周面に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重量物昇降装置。
- 前記転倒防止手段を配置した前記昇降部の4周面にブレースを斜設補強したことを特徴とする請求項5記載の重量物昇降装置。
- 互いに向き合った前記転倒防止手段を、前記揺動中心部の向きが平行になるように配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重量物昇降装置。
- 互いに隣接した前記転倒防止手段を、前記揺動中心部の向きが直交するように配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重量物昇降装置。
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