JP4833186B2 - 多相電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3相ブラシレスモータなどの多相電動機のパルス幅変調(PWM)駆動制御に関する。特に、PWM駆動する駆動回路と直流電源(高電圧側または低電圧側)との間に単一の電流検出器を設けた多相電動機の制御装置の騒音防止技術に関する。
3相ブラシレスモータなどの多相電動機を駆動する制御装置において、多相電動機を駆動するためのスイッチング素子のON/OFFのタイミングを決定するPWM信号は、多相電動機の各相において、鋸歯状や三角状の搬送波(鋸歯状信号、三角状信号)と目標電流値に応じたデューティ(Duty)設定値とを比較することにより生成される。すなわち、鋸歯状信号や三角状信号の値(PWMカウンタの値)がデューティ設定値以上か未満かによってPWM信号がハイレベルかローレベルかが決定される。
鋸歯状信号や三角状信号に基づいてPWM信号を生成し、多相電動機を駆動する多相電動機の制御装置において、一つの相と他の相とのスイッチング時の時間間隔が非常に小さくなる場合がある。このとき、駆動回路の電界効果トランジスタのスイッチング時間、不感帯(デッドタイム)の存在、また電子処理回路の応答遅延のため電流が安定しないので、この期間中、電流検出器による正確な電流値の測定ができなくなる。
例えば、電流検出器としてA/D変換器を使用する場合、A/D変換器の仕様により安定した信号が連続して少なくとも例えば2μsの間入力されなければ正確な電流値を検出することができない。入力信号が連続して2μsの間安定して入力されない場合には、A/D変換器は各相の正確な電流値が検出できない。
特許文献1記載の車両用操舵装置においては、モータ駆動回路とグランドとの間の電流経路上に、その電流経路を流れる電流値を検出するための単一の電流センサを設け、各相PWM信号を生成するための鋸波の位相をずらして、各相PWM信号のローレベルへの立ち下がりのタイミングをずらしている。これにより、V相PWM信号がローレベルに立ち下がってから所定時間が経過するまでの期間における電流センサの出力信号に基づいて、電動モータを流れるU相電流の値を得ている。また、W相PWM信号がローレベルに立ち下がってから所定時間が経過するまでの期間における電流センサの出力信号に基づいて、電動モータを流れるU相電流およびV相電流の合計電流値を得ている。
特許文献2記載の3相または多相インバータを制御する方法では、PWM期間内において、1つの位相のトランジスタのスイッチング時と、次の位相の対応するトランジスタのスイッチング時との間の時間間隔が所定のスレシホルド値よりも小さい場合、測定を禁止し、十分な持続期間の測定時間間隔を定義するPWM信号を発生し、線電流に対するスイッチングの影響の測定を可能とする。同じ従属期間の他のPWM信号の持続期間をある値だけ短縮し、これら他のPWM信号の短縮の和を求め、測定間隔を定義するPWM信号の増加分を補償している。
特許文献3記載の3相ブラシレスACモータのための駆動システムは、単一センサを用いて相のすべてにおいて電流の計測を可能にしながらパワー出力を向上させるために、トランジスタ切り替えパターンを最適化するように構成されている。これは、単一センサ法によって決定される最小状態時間要件を満たすために3つ以上の状態が要求される場合の電圧デマンドベクトルxを規定し、単一電流検知を依然として可能とさせながら、要求ベクトルxを生成する3つ以上の状態ベクトルを計算することによって実現されている。
特許文献4記載の出力信号における何らかのドリフトをモータ運動中に補償できるブラシレスモータを監視する方法においては、電流測定手段を使用してモータの各巻線へ流入または流出する電流を監視して電流を表示する出力信号を生成し、電流測定手段を通して流れる瞬時電流が実質的にゼロと知られる時に電流測定手段の出力を測定し、実測定出力信号値と理想出力信号値の間の何らかの差を補償する修正出力信号を生成している。
特許文献5においては、搬送波として三角状信号を使用しており、U相、V相、W相という用語の替わりに、h相、m相、l相という用語が使用されており、h相とm相との時間間隔がt1、m相とl相との時間間隔がt2で表されている。特許文献5のFIG.7に示されるように、時間間隔t1、t2がそれぞれしきい値(mw)より小さいとき、Case2の処理が行われる。時間間隔t1、t2のいずれかがしきい値(mw)より小さいとき、Case3またはCase4の処理が行われる。Case2の処理の場合(FIG.13参照)、Duty最大相が左側にシフトされ、Duty最小相が右側にシフトされる(FIG.12B参照)。Case3の処理の場合(FIG.15参照)でかつ一つの相のみのシフトでよいと判断したとき(ステップ148のN)、Duty最大相が左側にシフトされる(FIG.14B参照)。Case4の処理の場合(FIG.17参照)でかつ一つの相のみのシフトでよいと判断したとき(ステップ166のN)、Duty最小相が左側にシフトされる(FIG.16B参照)。
このように、1つの相と他の相のスイッチング時の時間間隔が小さい場合に、例えば所定相の位相をシフトする補正を施すことで、1つの相と他の相のスイッチング時の時間間隔が大きくなり、単一の電流検出器を用いて多相電動機の各相の正確な電流値を検出することができるようになる。しかし、シフト補正を施した結果、多相電動機を駆動するためのスイッチング素子のON/OFFの周波数が可聴周波数内に含まれていると、利用者に騒音として聞こえてしまい、不快感を与える。
例えば、上記特許文献2の制御方法では、PWM信号を補正させた場合、制御周波数と補正後の電流リップル周波数が同一になる。特許文献2の制御方法では、制御サイクル時間(周期)は400μsであるので、制御周波数と補正後の電流リップル周波数は、2.5kHzとなる。補正後のPWM信号に基づいて、スイッチング素子をON/OFFすることにより、スイッチング時に電流リップルが発生する。この電流リップルの周波数が、可聴域に含まれる場合には、利用者にとって騒音として聞こえてしまい、不快と感じさせてしまう。人間では通常20Hzから、個人差があるが15kHzないし20kHz程度の音を感じることができ、この周波数帯域は可聴域と呼ばれる。すなわち、50μsから50msの制御サイクル時間を有する場合に騒音が発生してしまう。このような騒音を防止するために以下のような技術が考えられている。
特許文献6記載の電動式パワーステアリングのモータ駆動装置は、2対あるスイッチング素子のうち、各対の一方のスイッチング素子を導通保持用とし、他方のスイッチング素子を高速スイッチング用にしてあるとともに、高速スイッチングのためのパルス幅変調信号の周波数を可聴周波領域よりも高くしてあるため、フライホイール・ダイオードによる電流継続効果を有効に活用して操舵トルクに対するモータの出力トルクのリニアリティを向上することができるとともに、パルス幅変調信号によるスイッチングにもかかわらず、振動音の発生を防止している。
特許文献7記載のインバータ装置は、外部からの周波数指令に比例した周波数の磁束指令信号とインバータ出力電圧を積分する積分回路より出力されるモータ電圧積分信号の誤差を増幅して得られる変調波信号と、非可聴周波数のキャリア周波数である三角波信号とを比較することによってPWM信号を発生する。
特許文献8記載の電動車両の制御装置は、バッテリ及びモータ間に設けたインバータをPWM制御手段でPWM制御することにより、バッテリの電力でモータを駆動するものであり、通常はインバータのスイッチングノイズを低減するためにPWM制御手段の周波数を可聴周波数よりも高く設定しておく。モータ運転状態検出手段がモータが低速高負荷運転状態にあることを検出し、インバータのスイッチング素子が過熱する可能性がある場合には、周波数変更手段がPWM制御手段の周波数を低下させることにより、インバータのスイッチング素子の過熱による損傷を防止している。
特開2007−112416号公報 特開平10−155278号公報 特表2005−531270号公報 特開2001−95279号公報 米国特許第6735537号明細書 特許第2540140号公報 特開昭63−73898号公報 特開平9−191508号公報
しかしながら、鋸歯状信号や三角状信号に基づいてPWM信号を生成し、単一の電流検出手段を用いて制御周期毎に精度よく各相の電流値を検出することができる多相電動機の制御装置であって、十分な騒音防止効果を有するものはまだ提供されていない。
図8は、本発明によらない場合の比較例を示した図であり、2相とも検出不可能である場合のタイミングチャートである。1制御周期は250μsecであり、50μsec周期の鋸歯状信号に基づいたPWM信号の5周期からなる。図では、前回の制御周期T1の第4と第5番目の周期および今回の制御周期T2の第1から第5番目の周期での動作を示している。前回の制御周期T1においては、A相PWM信号がデューティ52%、B相PWM信号がデューティ47%、C相PWM信号がデューティ51%の場合を示している。デューティ最小相のB相と中間相のC相間、中間相のC相と最大相のA相間の時間間隔がそれぞれ4%および1%と短いため、位相のシフトをしなければその期間のスイッチングノイズが収まらず、正確に電流値を検出するためのA/D変換時間がとれない。そのため、最小相のB相のPWM信号を左側に(位相を早めるように)位相を8%シフトし、最大相のA相のPWM信号を右側に(位相を遅らせるように)位相を11%シフトしている。これにより、B相とC相、およびA相とC相のスイッチング時間間隔がいずれも12%と大きくなり、各PWM周期においてA相及びB相の正確な電流値を検出できる。
次に、今回の制御周期T2の第1から第5番目の周期での動作について述べる。今回の制御周期T2においては、A相PWM信号がデューティ52%から51%に減少し、B相PWM信号がデューティ47%で変化なしであり、C相PWM信号がデューティ51%から52%へ増加している。したがって、デューティ最大相がA相からC相に変化し、デューティ中間相がC相からA相に変化した。なお、デューティ最小相は今回もB相である。デューティ最小相のB相と中間相のA相間、中間相のA相と最大相のC相間の時間間隔がそれぞれ4%および1%と短いため、位相のシフトをしなければその期間のスイッチングノイズが収まらず、正確に電流値を検出するためのA/D変換時間がとれない。そのため、最小相のB相のPWM信号を左側に(位相を早めるように)位相を8%シフトし、最大相のC相のPWM信号を右側に(位相を遅らせるように)位相を11%シフトし、中間相のA相のPWM信号をシフトしないことになる。
これにより、今回の制御周期T2の5つの各PWM周期において、A相とB相、およびC相とA相のスイッチング時間間隔がいずれも12%と大きくなり、各PWM周期においてA相及びB相の正確な電流値を検出できる。A/D変換の実施タイミングについては、いずれかの周期において、偶数ベクトル状態(1,0,1)で、中間相であるA相PWM信号立下り直前のA/D変換に必要な期間にB相の電流値の検出を実施し、奇数ベクトル状態(0,0,1)で、最大相であるC相PWM信号立下り直前のA/D変換に必要な期間にC相の電流値の検出を実施している。なお、ベクトルについては、本発明の実施形態の説明の個所で後述する。
なお、この例は、A相についてはシフトありからシフトなしに変化し、B相についてはシフトありのままでシフト量が変化せず、C相についてはシフトなしからシフトありに変化した場合である。このように、前回と今回の制御周期T1,T2において各相のデューティの大小関係が変化することにより、シフトあり/なしが変化する場合、前回の制御周期T1の終わりの時刻、すなわち今回の制御周期T2のスタート時刻において、シャント波形(電流検出用のシャント抵抗の両端に生じる電圧の波形)に表れているように、瞬間的な電流変動が発生する。通常の制御を行った場合、デューティの大小関係がほぼ同じであると、デューティの大小関係が頻繁に入れ替わり、2つのパターン間で行き来が発生し、この行き来の周期に応じて電流リップルに基づく騒音が発生する。なお、シャント波形は、前回の制御周期T1においてはA相と−B相の電流を、また、今回の制御周期T2においてはC相と−B相の電流をそれぞれ示している。これらは異なった波形となっている。
このように、各制御周期T1,T2におけるシフト状態が変化した場合、デューティの大小関係が変化する点で発生する電流リップルの影響により騒音が発生する場合がある。
本発明は、上述した問題点に鑑み、単一の電流検出手段を用いて制御周期毎に精度よく各相の電流値を検出することができるとともに、騒音の発生を防止することができる多相電動機の制御装置を提供することを目的としている。
本発明に係る多相電動機の制御装置は、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子の対からなり、多相電動機を駆動する駆動手段と、多相電動機の電流値を検出する単一の電流検出手段と、電流検出手段で検出される電流値およびキャリア信号に基づいて、各相PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、PWM信号生成手段が生成する各相PWM信号の位相を、各相PWM信号のデューティの大小関係により分類される複数のパターンに基づいて移動させ、位相の移動したPWM信号を前記駆動手段に出力する位相移動手段と、を備え、複数のパターンは、デューティの大小関係が変化する点を境として隣り合う隣接パターン間で、デューティに対するヒステリシス特性を有することを特徴とする。
このようにすることで、位相移動手段は、PWM信号生成手段が生成する各相PWM信号を、ヒステリシス特性を有する複数のパターンに基づいて移動させるので、隣接するパターン間で頻繁にパターンが遷移するチャタリング現象が発生することがなくなり、PWM信号に基づいたスイッチングによる電流リップルに起因する騒音の発生を防止することができる。
また、本発明では、前記の多相電動機の制御装置において、位相移動手段は、2相のデューティの大小関係が逆転した場合、2相のデューティ差がヒステリシス特性により決まる所定値より小さいときに、現在のパターンに基づいて各相PWM信号の位相を移動させてもよい。
このようにすることで、パターンを遷移せずに現在のパターンに基づいてPWM信号の位相を移動するので、パターン遷移に伴うチャタリング現象が発生することがなくなり、電流リップルに起因する騒音の発生を防止することができる。
また、本発明では、前記の多相電動機の制御装置において、位相移動手段は、デューティの大小関係が逆転する2相のデューティ差がヒステリシス特性により決まる所定値より小さい場合に、現在のパターンと隣り合わない非隣接パターンに各相PWM信号が入ったときは、非隣接パターンに基づいて各相PWM信号の位相を移動させてもよい。
このようにすることで、3相のデューティの差が小さい場合に、パターンの境界を大きく超えて現在のパターンに隣接しないパターンに各相PWM信号が入ったときに、本来のパターンに基づいて制御を行なうことができる。
また、本発明では、前記の多相電動機の制御装置において、PWM信号生成手段で生成された各相PWM信号に基づいて、電流検出手段で電流値を検出可能か不可かを判定する電流検出可否判定手段と、電流検出手段で検出される電流値とPWM信号生成手段で生成される各相PWM信号とに基づいて、各相の電流値を算出する各相電流算出手段と、を備え、位相移動手段は、電流検出可否判定手段が電流検出不可と判定した場合に、PWM信号生成手段が生成する所定相のPWM信号の位相を移動させてもよい。また、電流検出可否判定手段が電流検出不可と判定した場合に、上アームスイッチング素子のONする個数が偶数か奇数かを判定するスイッチング個数判定手段を更に備え、位相移動手段は、スイッチング個数判定手段の判定結果に基づいて、PWM信号生成手段が生成する所定相のPWM信号の位相を移動させるようにしてもよい。
これによると、騒音の発生を防止することができるとともに、本来は電流値を検出することができないほど所定相と他の相とのスイッチングの時間間隔が短い場合でも、位相が移動された所定相と他の相とのスイッチングの時間間隔が大きくなり、移動させた所定相の電流値が安定した状態において電流値を検出することができるため、各相のデューティを変えることなく単一の電流検出手段を用いて制御周期毎に精度よく各相の電流値を検出することができる。
また、本発明では、前記の多相電動機の制御装置において、各相PWM信号の変化する時刻に基づいて、電流検出期間を決定する電流検出期間決定手段を備えてもよい。
これによると、騒音の発生を防止することができるとともに、制御周期における各周期において、所定相のPWM信号の変化する時刻の直前のスイッチングノイズの影響のほとんどない電流値が安定した状態において、電流値を検出することができるため、各相のデューティを変えることなく単一の電流検出手段を用いて制御周期毎に精度よく各相の電流値を検出することができる。
本発明に係る多相電動機の制御装置によれば、PWM信号生成手段が生成する各相PWM信号の位相を、ヒステリシス特性を有する複数のパターンに基づいて移動させるので、隣接するパターン間で頻繁にパターンが遷移するチャタリング現象が発生することがなくなり、PWM信号に基づいたスイッチングによる電流リップルに起因する騒音の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置のブロック図である。本発明の実施形態に係る多相電動機7の制御装置1は次のような構成である。駆動手段6は、図2の回路図の説明で後述するように電源とグランドとの間に接続され、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子の対からなり、多相電動機7を駆動する。電流検出手段8は、駆動手段6とグランドとの間に接続され、所定時刻で多相電動機7に流れる電流値を検出する。PWM信号生成手段2は、電流検出手段8で検出された電流値および所定の周波数を有する鋸歯状信号に基づいて、各相PWM信号を生成する。
電流検出可否判定手段3は、PWM信号生成手段2で生成された各相PWM信号に基づいて、電流検出手段8で電流値を検出可能か不可か、すなわち、電流検出手段8で正確な電流値が検出できるだけのスイッチングの時間間隔があるか否かを判定する。スイッチング個数判定手段4は、電流検出可否判定手段3が電流検出不可と判定した場合に、3個の上アームスイッチング素子の内スイッチング素子がONする個数が偶数であるか否かを判定する。位相移動手段5は、PWM信号生成手段2が生成した各相のPWM信号のデューティの大きさによって決定される後述する6個のパターンと、スイッチング個数判定手段4の判定結果とに基づいて、各相のPWM信号の位相を早めまたは遅らせるように移動させ、位相の移動したPWM信号を駆動手段6に出力する。パターン間の遷移は、後で詳述するようなヒステリシス特性を有する。電流検出期間決定手段10は、位相移動手段5で決定された各相のPWM信号の立ち下がり時刻に基づいて、電流検出手段8による電流検出開始タイミング及び電流検出期間を決定する。各相電流算出手段9は、電流検出手段8で検出された電流値と、PWM信号生成手段2で生成されたPWM信号とに基づいて、直接検出することができない残りの相の電流値を算出する。
図2は、本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置1の回路図である。CPU22は、U相上段、V相上段及びW相上段の各PWM信号をデッドタイム生成ブロック23に出力する。デッドタイム生成ブロック23は、それらの信号を入力し、回路保護のため各相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子に対する信号が両方ONとならないように、両方の信号がOFFとなるわずかな時間間隔を設けて、U相上段、U相下段、V相上段、V相下段、W相上段及びW相下段の各PWM信号を生成してドライバーIC24に出力する。なお、デッドタイム生成ブロック23の機能をCPU22内のソフトウェアで構成するようにしてもよい。
ドライバーIC24は、それらの信号を入力し、FETブリッジ25を制御する。FETブリッジ25は、電源VRとグランドとの間に接続され、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子3対から成る。上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子3対の中間部が3相電動機の各相に接続される。単一のシャント抵抗26は、FETブリッジ25とグランドとの間に接続されている。シャント抵抗26の両端の電圧は、オペアンプと抵抗等からなる電流検出回路27を介してCPU22のA/D変換ポートに入力される。
なお、本回路の基本機能は次の通りである。相電流検出周期は250μsec、検出方式は2相検出・1相推定方式、PWMモードは鋸波PWMである。
図2の構成において、CPU22は、図1における電流検出可否判定手段3、スイッチング個数判定手段4、位相移動手段5、各相電流算出手段9および電流検出期間決定手段10を構成し、CPU22およびデッドタイム生成ブロック23は、図1におけるPWM信号生成手段2を構成し、FETブリッジ25は、図1における駆動手段6を構成し、シャント抵抗26および電流検出回路27は、図1における電流検出手段8を構成する。また、図1の多相電動機7として、本実施形態では、3相電動機が用いられる。3相電動機は、例えば車両の電動パワーステアリング装置に用いられるブラシレスモータである。
図3は、本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置1のフローチャートである。最初に、PWM信号生成手段2がUVWの各相のPWM指令値を決定する(S1)。次に、詳細は後述するようにUVWの各相のデューティに基づきパターン判定を行う(S2)。次に、電流検出可否判定手段3による検出可否の場合分けを行う(S3〜S5)。まず、3相のうち2相が検出可能かどうかを判定する(S3)。2相が検出可能でなければ(S3でNo)、3相のうち1相が検出可能かどうかを判定する(S4)。そこでさらに1相が検出可能であれば(S4でYes)、スイッチング個数判定手段4が偶数ベクトルが検出可能かどうかを判定する(S5)。偶数ベクトルが検出不可能であれば(S5でNo)、奇数ベクトルが検出可能であることになる。偶数ベクトルと奇数ベクトルについては後述する。
次に位相移動手段5が、検出可否判定条件に基づき移動が必要な相と必要なシフト量を算出する。まず、2相が検出可能である場合には(S3でYes)、移動を必要とせずPWM各相の位相シフト量はゼロでよい(S6)。偶数ベクトルのみが検出可能である場合には(S5でYes)、デューティが最大である相の位相を遅らせることとなり、そのシフト量を計算する(S7)。奇数ベクトルのみが検出可能である場合には(S5でNo)、デューティが最小である相の位相を早めることとなり、そのシフト量を計算する(S8)。1相も検出不可能である場合には(S4でNo)、デューティが最大である相の位相と、デューティが最小である相の位相を両方シフトすることとなり、それぞれのシフト量を計算する(S9)。次に、電流検出期間決定手段10は、位相移動手段5で決定された各相のPWM信号の立ち下がり時刻に基づいて、電流検出手段8による電流検出開始タイミングを決定する(S10)。電流検出開始タイミングについては後で述べる。
次に、位相移動手段5は計算されたシフト量だけ各相のPWM位相シフトを実施する(S11)。ただし、PWM位相シフト無しの場合(S6)には、位相シフト量はゼロである。次に、後述する2箇所の電流検出開始タイミングになったときに(S12でYes)、電流検出手段8がA/D変換を開始する(S13)。このA/D変換期間中は各相のスイッチングは発生せず、A/D変換に必要な時間が経過した時点で所定相のPWM信号が立ち下がる。このようにして電流検出手段8が2相の電流を検出した後、各相電流算出手段9はキルヒホッフの法則(3相電動機に流れ込む3電流の合計はゼロである。すなわち、U相電流:Iu、V相電流:Iv、W相電流:Iwとしたとき、Iu+Iv+Iw=0)に基づいて、検出していない残りの1相の電流値を算出する(S14)。
図4は、本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置1のパターン判定(図3のS2)の詳細を示したフローチャートである。最初に、例えば運転開始時のようにパターン判定が初回であれば(S21でYes)、後述する初回のパターン判定用の表1に基づいてパターン判定を行って(S22)、終了する。
図5は、初回のパターン判定のために使用する3相(ここでは、A相、B相、C相とする)のデューティを示す図である。3相のデューティがそれぞれ正弦的にデューティ0〜100%に変化している状態の例である。パターンは、3相のデューティの大小関係により図の上部に示された1〜6に分類される。
表1は、初回パターン判定条件、検出可能ベクトル、検出電流及びA/D変換タイミングを示す表である。w_pwmU、w_pwmV、w_pwmWは、それぞれU相、V相、W相の指令値のデューティ比を示している。3相のデューティ比の大小関係により6パターンに分類される。例えば、w_pwmU≧w_pwmW≧w_pwmVの場合は表1のパターン3となる。各パターンにおいては、以下の4つの場合がある。すなわち、
(1)2相検出可能な場合
(2)奇数ベクトルのみ検出可能な場合
(3)偶数ベクトルのみ検出可能な場合
(4)2相とも検出不可能な場合
である。
Figure 0004833186
例えばパターン3の場合で、奇数ベクトルを検出する場合は、3相のうちU相を検出する場合であり、検出可能ベクトルは(1,0,0)となる。このベクトルは、第1要素(1)で上アームスイッチング素子のうちU相がON、第2要素(0)でV相がOFF、第3要素(0)でW相がOFFの状態を表しており、3要素のうちON(1)であるスイッチング素子の個数が1個であるので奇数ベクトルである。その場合の検出可否判定条件は、電流値が安定する期間内にA/D変換を行うに必要な最小時間を50μsec周期の12%とした場合、(w_pwmU)−(w_pwmW)≧12%であり、検出可能タイミングとしては、U相上段OFFのタイミングを基準とする。すなわち、A/D変換に必要な時間を考慮して、U相上段OFFのタイミングからA/D変換に必要な時間だけ前のタイミングでA/D変換を開始すれば、A/D変換の終了時刻がU相上段OFFのタイミングと一致するので、それが電流値が安定する最適なタイミングになる。
また、偶数ベクトルを検出する場合は、−V相を検出する場合であり、検出可能ベクトルは(1,0,1)となる。このベクトルは、第1要素(1)で上アームスイッチング素子のうちU相がON、第2要素(0)でV相がOFF、第3要素(1)でW相がONの状態を表しており、3要素のうちON(1)であるスイッチング素子の個数が2個であるので偶数ベクトルである。その場合の検出可否判定条件は、(w_pwmW)−(w_pwmV)≧12%であり、検出可能タイミングとしては、W相上段OFFのタイミングを基準とする。すなわち、A/D変換に必要な時間を考慮して、デューティ中間相であるW相上段OFFのタイミングからA/D変換に必要な時間だけ前のタイミングでA/D変換を開始すれば、A/D変換の終了時刻がW相上段OFFのタイミングと一致するので、それが電流値が安定する最適なタイミングになる。他のパターンについても同様の考え方であるのでパターン3以外の説明を省略する。
A/D変換器による電流値の十分な検出時間(例えばMIN_DUTY=12%)が確保できず、電流値が安定しないために正確な電流値が検出できない場合、その制御周期(50μsec×5周期)の間、ドライバーICの各PWM入力信号について以下のように位相をシフトさせる。なお、2相検出可能な場合は、PWM位相シフトの必要はない。
表2は、偶数ベクトルのみ検出可能な場合を示す表である。偶数ベクトルのみ検出可能な場合は、2相とも電流値が安定する検出可能な時間を確保するため、表2のようにシフトを実施する。すなわち、Duty最大相についてのみ、MIN_DUTY(12%)−(最大相Duty%−中間相Duty%)のシフト量で右側(位相を遅らせる側)にシフトする。Duty中間相とDuty最小相についてはシフトは無しである。
Figure 0004833186
表3は奇数ベクトルのみ検出可能な場合を示す表である。奇数ベクトルのみ検出可能な場合は、2相とも電流が安定する検出可能な時間を確保するため、表3のようにシフトを実施する。すなわち、Duty最小相についてのみ、MIN_DUTY(12%)−(中間相Duty%−最小相Duty%)のシフト量で左側(位相を早める側)にシフトする。Duty最大相とDuty中間相についてはシフトは無しである。
Figure 0004833186
表4は2相とも検出不可能な場合を示す表である。2相とも検出不可能な場合は、2相とも電流値が安定する検出可能な時間を確保するため、表4のようにシフトを実施する。すなわち、Duty最大相について、MIN_DUTY(12%)−(最大相Duty%−中間相Duty%)のシフト量で右側(位相を遅らせる側)にシフトする。また、Duty最小相について、MIN_DUTY(12%)−(中間相Duty%−最小相Duty%)のシフト量で左側(位相を早める側)にシフトする。Duty中間相についてはシフトは無しである。
Figure 0004833186
以上が、初回のパターン判定についての説明である。一方、図4において、パターン判定が初回でなければ(S21でNo)、後述するパターン遷移判定用の表5〜表10に基づいて現在のパターンで遷移条件を満たすか否かを判断する。以下の説明では、デューティの大小関係が変化する点を境として、隣り合うパターンを隣接パターンと呼び、隣り合わないパターンを非隣接パターンと呼ぶ。
まず、各相PWM信号のデューティの大小関係が変わらず、現在のパターンに入っているか否かを判断する(S23)。現在のパターンに入っている場合は(S23でYes)、パターンを変更することなく(S27)、終了する。現在のパターンに入っていない場合は(S23でNo)、各相PWM信号のデューティの大小関係を判断することにより、非隣接パターンに入っているか否かを判断する(S24)。非隣接パターンに入っている場合は(S24でYes)、パターンを遷移先のパターンに変更して(S25)、終了する。一方、非隣接パターンに入っていない場合、すなわち、隣接パターンに入る可能性がある場合は(S24でNo)、逆転する2相のデューティ差が所定値(後述のヒステリシスHys)より大きいか否かを判断する(S26)。逆転する2相のデューティ差が所定値より大きい場合は(S26でYes)、パターンを遷移先のパターンに変更して(S25)、終了する。一方、逆転する2相のデューティ差が所定値より大きくない場合は(S26でNo)、パターンを変更することなく(S27)、終了する。
図6は、2回目以降のパターン判定のために使用する3相のデューティを示す図である。図5と同様に、3相のデューティがそれぞれ正弦的にデューティ0〜100%に変化している状態の例である。パターンは、3相のデューティの大小関係により図の上部に示された1〜6に分類される。この点は図5と同じであるが、隣接パターン間でデューティに対しヒステリシス特性を有している点が図5の場合と異なっている。ヒステリシスHysは、2相間のデューティ差に対する閾値であり、例えば10%に設定されている。デューティ差とヒステリシスHysとの比較結果に基づいて、パターンの遷移有無が決定される。
表5〜表10は、2回目以降のパターン遷移判定用の表である。表5はパターン1からの遷移、表6はパターン2からの遷移、表7はパターン3からの遷移、表8はパターン4からの遷移、表9はパターン5からの遷移および表10はパターン6からの遷移の判定条件をそれぞれ表している。ここでは、表5の説明のみを行い、表6〜表10に関しては表5の各相の入れ替えに相当するため説明を省略する。
現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第1行に示されるパターン1の判定条件(w_pwmV−w_pwmU>=−Hys)and(w_pwmU−w_pwmW>=−Hys)を満たす場合、すなわち、最大相のV相と中間相のU相のデューティが逆転しても、デューティ差があらかじめ設定されているヒステリシスHys未満であり、かつ、中間相のU相と最小相のW相のデューティが逆転しても、デューティ差があらかじめ設定されているヒステリシスHys未満であれば(図4において、S23でNo、S24でNo、S26でNo)、パターン1の状態に留まり、隣接するパターン2または6に遷移しない(S27)。
また、現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第2行に示されるパターン2の判定条件(w_pwmU−w_pwmV>Hys)
and(w_pwmV>=w_pwmW)を満たす場合、すなわち、最大相のV相と中間相のU相のデューティが逆転して、デューティ差があらかじめ設定されているヒステリシスHysより大きく、かつ、最大相のV相のデューティが最小相のW相のデューティより大きい場合は(S23でNo、S24でNo、S26でYes)、パターン2の状態に遷移する(S25)。なお、(w_pwmU>=w_pwmV>=w_pwmW)and(w_pwmU>100%−12%)を満たす場合、すなわち、デューティの大きさがU相、V相、W相の順であり、かつ、最大相のU相のデューティが88%より大きい場合にも、誤動作防止のためパターン2の状態に遷移する。
また、現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第6行に示されるパターン6の判定条件(w_pwmV>=w_pwmW)and(w_pwmW−w_pwmU>Hys)を満たす場合、すなわち、最小相のW相と中間相のU相のデューティが逆転して、デューティ差があらかじめ設定されているヒステリシスHysより大きく、かつ、最大相のV相のデューティが最小相のW相のデューティより大きい場合は(S23でNo、S24でNo、S26でYes)、パターン6の状態に遷移する(S25)。なお、(w_pwmV>=w_pwmW>=w_pwmU)and(w_pwmU<12%)を満たす場合、すなわち、デューティの大きさがV相、W相、U相の順であり、かつ、最大相のU相のデューティが12%より小さい場合にも、誤動作防止のためパターン6の状態に遷移する。
また、現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第3行に示されるパターン3の判定条件w_pwmU>=w_pwmW>=w_pwmVを満たす場合、すなわち、デューティの大きさがU相、W相、V相の順である場合は(S23でNo、S24でYes)、パターン3の状態に遷移する(S25)。また、現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第4行に示されるパターン4の判定条件w_pwmW>=w_pwmU>=w_pwmVを満たす場合、すなわち、デューティの大きさがW相、U相、V相の順である場合は(S23でNo、S24でYes)、パターン4の状態に遷移する(S25)。また、現在のパターンがパターン1の状態にあるとき、表5の第5行に示されるパターン5の判定条件w_pwmW>=w_pwmV>=w_pwmUを満たす場合、すなわち、デューティの大きさがW相、V相、U相の順である場合は(S23でNo、S24でYes)、パターン5の状態に遷移する(S25)。
Figure 0004833186
Figure 0004833186
Figure 0004833186
Figure 0004833186
Figure 0004833186
Figure 0004833186
表11は、2回目以降のパターン別の検出可能ベクトル、検出電流、検出可否判定条件及び検出可能タイミングを示す表である。検出可能ベクトル、検出電流、検出可否判定条件及び検出可能タイミングの内容については、初回のパターン判定の表である表1に関して説明した内容と同様である。
Figure 0004833186
図7は、3相のデューティの差が小さい場合の図である。図6と同様に、3相のデューティがそれぞれ正弦的に変化しているが、デューティは50%前後で推移している。例えば、現在パターン1の状態にある場合、2相のデューティの差が小さいため表5におけるパターン2と6に遷移する条件を満たすことはなく、パターン3〜5のいずれかに遷移することになる。これにより、各相のデューティの差が小さい場合に、パターンの境界を大きく超えて現在のパターンに隣接しないパターンに各相PWM信号が入ったときに、本来のパターンに基づいて制御を行なうことができる。
図5のように、隣接パターン間でデューティのヒステリシスがないと、3相のデューティの変動がパターンの境界近傍で発生するような状況が連続した場合には、隣接パターン間で頻繁にパターンが遷移するようなチャタリング現象が発生するが、本発明に係る多相電動機の制御装置によれば、隣接パターン間の遷移に対してヒステリシス特性を持たせているので、そのような場合にチャタリング現象が発生することがなくなり、隣接パターン間の行き来の周期に応じて電流リップルに基づく騒音が発生するのを防止することができる。
ヒステリシスHysの数値に関しては、10%程度が好ましい。10%よりも大き過ぎる場合は、シフト量を調整しても電流値を検出できなくなる状況が発生する。また、10%よりも小さ過ぎる場合はヒステリシスが有効に機能しなくなり、チャタリング現象が発生しやすくなるので騒音防止効果が低くなる。
また、三角状信号を使用した場合においても、これまで説明を行った鋸歯状信号の場合と同様に本発明の手法を適用できる。すなわち、各相PWM信号の位相を、ヒステリシス特性を有する複数のパターンに基づいて移動させるようにすれば、PWM信号に基づいたスイッチングによる電流リップルに起因する騒音の発生を防止できるとともに、単一の電流検出手段を用いて制御周期毎に精度よく各相の電流値を検出することができる。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態ではヒステリシスHysの数値を固定値としたが、状況によって可変としてもよい。また、上記実施形態では、デユーティの差分をヒステリシスHysと比較したが、差分の替わりに比率を用いてもよい。また、上記実施形態では、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子にFETを使用したが、例えばIGBT(絶縁ゲート型バイポーラモードトランジスタ)のような他のスイッチング素子を使用するようにしてもよい。さらに、電流検出手段は、実施形態に示した以外の構成を採用してもよく、電源とFETブリッジ間に設置してもよい。また、上記実施形態では多相電動機としてブラシレスモータを例に挙げたが、本発明は誘導電動機や同期電動機のような複数の相を有する電動機を制御するための制御装置全般に適用することができる。

本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置の回路図である。 本発明の実施形態に係る多相電動機の制御装置のフローチャートである。 パターン判定についてのフローチャートである。 初回のパターン判定のために使用する3相のデューティを示す図である。 2回目以降のパターン判定のために使用する3相のデューティを示す図である。 3相のデューティの差が小さい場合の図である。 比較例における、2相とも検出不可能である場合のタイミングチャートである。
符号の説明
1 多相電動機の制御装置
2 PWM信号生成手段
3 電流検出可否判定手段
4 スイッチング個数判定手段
5 位相移動手段
6 駆動手段
7 多相電動機
8 電流検出手段
9 各相電流算出手段
10 電流検出期間決定手段
22 CPU

23 デッドタイム生成ブロック
24 ドライバーIC
25 FETブリッジ
26 シャント抵抗
27 電流検出回路

Claims (6)

  1. 上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子の対からなり、多相電動機を駆動する駆動手段と、
    前記多相電動機の電流値を検出する単一の電流検出手段と、
    前記電流検出手段で検出される電流値およびキャリア信号に基づいて、各相PWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    前記PWM信号生成手段が生成する各相PWM信号の位相を、各相PWM信号のデューティの大小関係により分類される複数のパターンに基づいて移動させ、位相の移動したPWM信号を前記駆動手段に出力する位相移動手段と、を備え、
    前記複数のパターンは、デューティの大小関係が変化する点を境として隣り合う隣接パターン間で、デューティに対するヒステリシス特性を有することを特徴とする多相電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の多相電動機の制御装置において、
    前記位相移動手段は、2相のデューティの大小関係が逆転した場合、前記2相のデューティ差が前記ヒステリシス特性により決まる所定値より小さいときに、現在のパターンに基づいて各相PWM信号の位相を移動させる
    ことを特徴とする多相電動機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の多相電動機の制御装置において、
    前記位相移動手段は、デューティの大小関係が逆転する2相のデューティ差が前記ヒステリシス特性により決まる所定値より小さい場合に、現在のパターンと隣り合わない非隣接パターンに前記各相PWM信号が入ったときは、前記非隣接パターンに基づいて前記各相PWM信号の位相を移動させる
    ことを特徴とする多相電動機の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多相電動機の制御装置において、
    前記PWM信号生成手段で生成された各相PWM信号に基づいて、前記電流検出手段で電流値を検出可能か不可かを判定する電流検出可否判定手段と、
    前記電流検出手段で検出される電流値と、前記PWM信号生成手段で生成される各相PWM信号とに基づいて、各相の電流値を算出する各相電流算出手段と、を備え、
    前記位相移動手段は、前記電流検出可否判定手段が電流検出不可と判定した場合に、前記PWM信号生成手段が生成する所定相のPWM信号の位相を移動させる
    ことを特徴とする多相電動機の制御装置。
  5. 請求項4に記載の多相電動機の制御装置において、
    前記電流検出可否判定手段が電流検出不可と判定した場合に、上アームスイッチング素子のONする個数が偶数か奇数かを判定するスイッチング個数判定手段を備え、
    前記位相移動手段は、前記スイッチング個数判定手段の判定結果に基づいて、前記PWM信号生成手段が生成する所定相のPWM信号の位相を移動させる
    ことを特徴とする多相電動機の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多相電動機の制御装置において、
    各相PWM信号の変化する時刻に基づいて、電流検出期間を決定する電流検出期間決定手段を備える
    ことを特徴とする多相電動機の制御装置。
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