JP4832793B2 - 美白性皮膚外用剤およびその製造方法 - Google Patents

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この発明は、皮膚の色素沈着を予防しまたは沈着した色素を淡白化する化粧料等に用いられる美白性皮膚外用剤およびその製造方法に関する。
一般に、ヒトの皮膚の表皮に存在するメラニン色素は、色素細胞によって産出されて皮膚の新陳代謝で自然に排出されるものであるが、多量の紫外線を浴びた後に、新陳代謝機能が充分に働かない場合は、表皮や真皮内に残存するメラニン色素が沈着してしまい、シミやソバカスなどの皮膚に異常な色素沈着症状が起こることになる。
ところで、漢方薬として知られる甘草は、その抽出物である甘草エキスの水溶性分画に、リクイリチンが含まれており、このリクイリチンは、メラニン色素生成阻害による美白効果を有することが知られている(特許文献1参照)。
また、甘草エキスの油溶性分画には、グラブリジンやグラブレンが含有され、グラブリジンやグラブレンにはチロシナーゼ阻害活性のあることが認められ、これらを美白用の化粧料に配合することが知られている(特許文献2、非特許文献1参照)。
特開平1−63506号公報 特開平6−271453号公報
聖マリアンナ医科大学雑誌「泉:油溶性甘草エキスによるメラニン産生抑制効果」、1994年発行、第22巻、第941〜948頁
しかし、上記した従来技術によると、甘草エキス中の水溶性分画にはリクイリチン、油溶性分画にはグラブリジン、グラブレンなどの美白有効成分の存在が確認されているが、これら以外にも美白効果を奏する成分のある可能性があるが、それらは未だ確認されていなかった。
また、甘草エキスの水溶性分画中に含まれている美白成分は、有効な成分とそれ以外の不確実な成分とが混じり合った一群の混合成分であると考えられ、単独成分で確実に奏されるべき美白作用が、多種類の成分の相互作用によって充分に発揮されていない可能性がある。
さらにまた、甘草エキスは、皮膚外用剤としてあまり好ましくない黄緑色の色素を含み、また糠のような独特の臭気を有しており、これらが肌に対して不快感無く塗布するための障害となっていた。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、甘草に含まれている美白性成分を可及的に純度を高めて分離精製することであり、またこれにより美白作用に対して確実に有効な成分を精選して含有する美白性皮膚外用剤およびその製造方法とすることである。
また、上記の課題と共にこの発明の解決すべきその他の課題としては、肌に塗布しても目立たない色であり、かつ不快な臭気を有しない美白性皮膚外用剤およびその製造方法とすることである。
上記の課題を解決するために、本願の美白性皮膚外用剤に係る発明では、生薬である甘草の水性溶媒抽出液から懸濁物質を除去し、分取した透明性水性溶媒抽出物を濃縮し、この濃縮物を前記水性溶媒で希釈し、この希釈と前記濃縮の過程で生じた前記水性溶媒に不溶な物質を分離除去し、分取したリクイリチン非含有の液体から無水エチルアルコール不溶性物質を分離除去して液中に残存する無水エチルアルコール可溶性成分を有効成分として含有してなる美白性皮膚外用剤としたのである。
または、前記の課題を解決するために、本願の美白性皮膚外用剤の製造方法に係る発明では、生薬である甘草の水性溶媒抽出液から懸濁物質を除去し、分取した透明性水性溶媒抽出物を濃縮し、この濃縮物を希釈および濃縮の過程で生じた前記水性溶媒に不溶な物質を固液分離してリクイリチン非含有の液体を分取すると共に加熱濃縮し、この濃縮物から無水エチルアルコール不溶性物質を固液分離して得られる無水エチルアルコール可溶性成分を配合することからなる美白性皮膚外用剤の製造方法としたのである。
上記したように構成されるこの発明の美白性皮膚外用剤およびその製造方法では、甘草エキスとして水性溶媒抽出液を用いているので、その中には水溶性成分が含まれ、油溶性のグラブリジンやグラブレンは溶解されていない。
さらに、この抽出液から懸濁成分が分離された透明性液体を濃縮し、再び水などの水性溶媒で希釈し、この濃縮と希釈の過程で生じた不溶性物質を分離除去する操作を行なう。このときの濃縮および希釈時において、リクイリチンは、水に不溶な物質に変化し、これらは活性炭などに吸着させるなどの周知の固液分離の手法で除去できる。このとき、同時に甘草に含まれる臭気や色素も除去される。
すなわち、この発明においては、懸濁成分が分離された甘草の水性溶媒抽出液から濃縮時に生じた固形状のリクイリチンを分離することにより、抽出液からリクイリチンを確実に除去した。これにより、美白性皮膚外用剤は、これに美白効果のあることが確認された場合、チロシナーゼ阻害活性を有しないにも拘わらず、その他の美白有効成分が残存することによって美白作用を奏していると考えられる。
因みに、植物エキスに対して濃縮と希釈を繰り返すと、その濃縮液は濃く着色されることが経験的に認められるが、この現象は、濃縮時に起こる化学反応で溶解液中に不溶性の反応物が生成したためと考えられている。
前記した吸着剤として、活性炭もしくはタルクまたは両者の混合物を採用すると、微細な不溶物が吸着され、これを分離除去することにより、リクイリチン、甘草の色素や臭気のある物質の除去および精製を確実に行なえる。
また、前記した製造方法では、濃縮工程を複数回行なうことにより、濃縮時に化学反応を確実に起こさせ、これにより溶解液中に不溶性の反応物を多く生成させるから、充分にリクイリチンを除去し、確実にリクイリチン非含有の精製液を製造することができる。
そして、この発明では、さらにリクイリチン非含有の液体から無水エチルアルコール不溶性物質を固液分離し、無水エチルアルコール可溶性成分を得る。
この無水エチルアルコール可溶性成分は、甘草の水溶性分画に含まれているリクイリチン以外の美白成分からなるものであり、リクイリチン以外の特有の美白性成分を含有することが、後述の実験からも明らかになった。
この発明では、甘草の水性溶媒抽出液から懸濁成分を除去すると共に、これを濃縮し、次いで再び水性溶媒で希釈し、この過程で生じた不溶性物質を分離除去し、さらにこの分画中無水エチルアルコールに溶解する成分のみを有効成分として含有する美白性皮膚外用剤としたので、甘草の水溶性分画に含まれているリクイリチン以外の美白性成分が有効成分として含まれており、有効な成分同士の競合が殆ど無くなって、チロシナーゼ阻害活性を有する物質は完全に除去されているにも拘わらず、確実な美白作用を奏する美白性皮膚外用剤になるという利点がある。
また、これらの発明では、肌に塗布しても目立たない色であり、かつ不快な臭気を有しない美白性皮膚外用剤およびその製造方法となる利点もある。
この発明に用いる甘草は、スペイン、シベリア、中国などに産するマメ科の薬用植物であるカンゾウを乾燥して保存性を高めた生薬であり、原材料の植物の学名はグリシルリーザ ウラレンシス フィッシャー(Glycyrrhiza urarelensis Fischer)またはグリシルリ─ザ グラブラ エル バ─ グランダリフェラ レグ エ ヘルド(Glycyrrhiza glabra l var.glandulifera REG.Et HERD)と称され、これらの植物もしくはその近縁種の根または根茎(葡萄茎またはストロンとも呼ばれる)を皮付きのままか、またはコルク皮を除いて、粉砕もしくは摩砕して粉末状としたものであるか、さらには水性溶媒で抽出したものを皮膚外用剤の成分として用いる。
有効成分を抽出する水性溶媒は、水(中性、弱酸または弱アルカリ性のいずれであってもよい。)または水を主成分として適宜に他の溶媒(有機溶媒であってもよい。)を添加した水性の抽出溶媒であり、アルコール含有の水溶液なども採用できる。
このような水性溶媒による抽出操作は、温水または熱水の状態で行なうことが抽出効率がよくて好ましい。特に100℃以上、好ましくは100〜130℃で抽出操作を行なうと、美白に有効な成分が効率よく抽出される。
この抽出液について、活性炭などの吸着剤を濾材に用いて濾過するか、または固体と液体との比重差、重力または遠心力による沈降速度の差を利用して固液分離し、懸濁物質を除去する。このようにして透明性溶媒抽出物が得られる。
前記の吸着剤は、多量の正吸着を起こさせるような界面を提供する物質であればよく、上記のようにして得られた透明性液体を濃縮し再び水などで希釈した後、加えられて濃縮により生じた不溶物を分離除去し、精製をより完全なものにするものである。このような吸着剤としては、活性炭のような多孔質体からなる無機系吸着剤、または合成吸着剤(有機系吸着剤)が挙げられる。
無機系吸着剤としては、活性アルミナ、シリカゲル、酸化チタンなどの金属酸化物、還元物、水酸化物、ベントナイト、酸性白土などの粘土鉱物、珪藻土、タルクなどのヘキ開性のある含水ケイ酸塩鉱物が挙げられる。
活性炭は、その材質を特に厳選して使用するものではないが、木炭、竹または椰子殻を原料としたものは、微小粒子からなる懸濁物質の吸着効率が良くて好ましいものである。
合成吸着剤は、微細な連続孔が粒子の内部まで形成されたイオン交換樹脂製の粒子からなり、芳香族系の架橋スチレン系の多孔質重合体、芳香族重合体の芳香核に臭素原子を化合させた置換芳香族系のもの、またはメタクリル酸エステル重合体を骨格とする親水性吸着材とするアクリル性のものなどが挙げられる。
このように懸濁物質を除去する固液分離その他の操作としては、活性炭の粒を詰めたカラムなどの容器に抽出液を通過させるか、または抽出液に活性炭粉末(必要に応じてタルクなどの濾過補助剤)を加えて攪拌し、その混合物をろ紙や濾布などの前記活性炭の粉末粒子を捕捉するフィルターでろ過する方法も採用でき、その他にも遠心分離、沈降速度差による周知の固液分離手段を採用することができる。
分離して得られる透明性水性溶媒抽出物は、次いで濃縮される。濃縮操作は、減圧操作や加熱濃縮などの周知の濃縮手段を採用できる。濃縮の割合は、2〜100倍程度であればよいが、特に5〜50倍程度は好ましく、通常、10倍程度の濃縮で好ましい結果を得ている。
得られた濃縮物は、前記した水性溶媒抽出液またはそれに相当する水性溶媒で希釈する。希釈率は特に限定する必要はないが、前記濃縮前の体積に戻す程度の希釈率程度が好ましいと考えられ、例えば2〜100倍程度である。
そして、前記濃縮と希釈の操作を1工程として、2工程以上濃縮と希釈を繰り返して複数工程行なうことが好ましい。このように濃縮および希釈時において、リクイリチンは、水に不溶な固形状の物質に変化するから、これを活性炭などに吸着させるなど、その他周知の固液分離法によって抽出液から除去できる。
このようにして得られたリクイリチン非含有の液体を、さらに抽出操作によって精製するには、好ましくは濃縮した後、抽出溶媒として無水アルコールを用いる。
通常、無水アルコールは、エタノール濃度99.5%以上のものと定義される。そしてこの発明において99.5%未満のエタノールを使用すると、水溶性分画に含まれている美白成分(リクイリチン以外の成分)を充分に抽出することが難しくなると共に、甘草に含まれる臭気や色素を確実に除去できないので、この発明の所期した効果を確実に奏することができない。
すなわち、リクイリチン非含有の液体を分取すると共に、好ましくは99℃以下、より好ましくは95℃以下に加熱濃縮し、この濃縮物から無水エチルアルコール不溶性物質を固液分離して無水エチルアルコール可溶性成分を得る。
固液分離して得られた無水エチルアルコール可溶性成分を有効成分として配合するには、抽出液を適当な親水性・親油性があって、皮膚付着性の良い皮膚外用剤用の基剤に混和するか、または抽出液をクリーム、軟膏、乳液などの基材に混合すればよい。
この発明の皮膚外用剤の製剤形態としては、特に限定するものではなく、化粧料として周知の形態をとることができるが、例えば水溶性、乳液(スキンミルク)、クリーム、軟膏、パウダーなどのように皮膚に対して塗布の容易な製剤形態にすることが好ましい。
[抽出処理]
処理1) 甘草100kgに水1200L(以下、リットルをLで略記する。)を加え、ステンレス容器に入れ、95℃にて2時間加熱し、619G(G:重力加速度)で2時間の遠心分離を行なって固液分離し、分取した液を300メッシュのステンレス製振動篩でろ過して透明性液体からなる濾液を得た。
処理2) 得られた濾液1000Lを減圧濃縮して100Lとし、これに活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製:粒状白鷺KL)2.7kgを加えて、混和後に100メッシュのステンレス製振動篩でろ過した。
処理3) 処理2のろ過処理で分取した濾液100Lを、減圧濃縮して2Lに濃縮し、さらに13000Gで20分の遠心分離により、活性炭除去と減圧濃縮によって水分40%含有のエキスを作成した。
ここまでの処理1〜3において、処理2が一回のみで得られたエキスをAとした。Aに水を加え1000Lとした後、2の操作を12回繰り返して得られたエキスをBとした。
処理4) Bの240gに水を加えて6Lとし、これに希釈活性炭(和光純薬社製:活性炭素粉末)600gを加えて攪拌すると共に、900gのタルク(丸石製薬社製)を加えて更に攪拌した後、濾過(濾紙)して得られた濾液を95℃以下に加熱してタール状の濃縮エキスCを得た。
処理5)次に、濃縮エキスCの100gに95%エタノール(丸石製薬株式会社)140mlを加え、1880Gで2分間の遠心分離を行なって固液分離し、分取した液を99℃以下の温度条件で加熱して濃縮物Dを得た。
処理6)
濃縮物Dの24gに水を加えて500mLとし、これに希釈活性炭(和光純薬社製:活性炭素粉末)50gを加えて攪拌すると共に、100gのタルク(丸石製薬社製)を加えて更に攪拌した後、濾紙にて濾過し、得られた濾液を95℃以下に加熱して得た濃縮物に99.5%無水エタノール(コニシ株式会社)150mlを加え、1880Gで2分間の遠心分離を行なって固液分離し、分取した液を99℃以下に加熱して濃縮物を得た。
上記により得られた濃縮物に処理6と同じ操作を3回行なって、得られた濃縮物をエキスEとした。得られたエキスEについて、リクイリチンおよびグラブリジンの含有量を以下の条件のカラムクロマトグラフィーで調べた。
リクイリチン: カラムMILLIPORE社Puresil C18、直径4.6mm×150mm、
30℃、257nm、1ml/分。移動相: CH3CN:2%CH3COOH=20:80
グラブリジン: カラムMILLIPORE社Puresil C18、直径4.6mm×150mm、
40℃、282nm、1ml/分。移動相: CH3CN:2%CH3COOH=60:40
上記のカラムクロマトグラフィーによると、エキスEからはリクイリチンおよびグラブリジンは検出されなかった。
一方、通常のカンゾウエキス(日本薬局方、日本粉末株式会社製)のリクイリチンの含有量は、4.72mg/gであり、測定条件は以下の通りである。
[HPLC条件]
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム温度:30℃
カラム:Inertsil ODS-2(5μm、4.6×150mm)
移動相:酢酸(2%)/アセトニトリル混液(8:2)
流速:0.8mL/min
流入量:20μL
次に、エキスA,エキスEおよびカンゾウエキス(日本薬局方、日本粉末株式会社製)を用いた皮膚外用剤のチロシナーゼ活性阻害作用に必要な有効濃度を調べた。
<吸光度法によるチロシナーゼ活性抑制作用(阻害率の計算)>
フナコシ社製のマッシュルーム由来のチロシナーゼを用い、以下の試薬I〜Vを用いてチロシナーゼ活性阻害作用について検討した。
(I) L−チロシン溶液(0.5mg/ml) 0.1 ml
(II) 7.8mM アスコルビン酸を含む1/5M リン酸緩衝液(pH7.0)0.025ml
(III) 0.1%硫酸銅液 0.025ml
(IV) チロシナーゼ溶液(37.5mg/100ml) 0.02 ml
(V) 希釈した試料溶液 0.1 ml
酵素反応は、大日本製薬社製マルチプレートリーダー(マルチスキャンアセント)を用い、ファルコン(FALCON)社の96穴マルチウェルプレートで反応を行って吸光度を測定した。すなわち、最初にI,II,III,IV,Vの各液を加えて0時間での620nmの吸光度(Io)を測定した。その後37℃で1時間インキュベートし、再び620nmの吸光度(It)を測定した。また同時にV液の代わりに精製水を0.1ml加えた物を用意し、同様の反応を行って吸光度(Ib)を測定し、下記の式に従ってチロシナーゼ活性阻害率を算出した。
チロシナーゼ活性阻害率(%)=[Ib−(It−Io)/Ib]×100
濃度と阻害率をグラフにプロットし、50%阻害に必要な濃度を測定したところ、エキスAの50%チロシナーゼ活性阻害に必要な濃度は、1.20mg/mlであった。またカンゾウエキス(日本薬局方、日本粉末株式会社製)での50%チロシナーゼ活性阻害に必要な濃度は、5.86mg/mlであった。エキスEにはチロシナーゼ阻害活性が認められなかった。
次に、エキスEに精製水を加えて3%外用剤を製造し、これを実施例とした。
また、通常のカンゾウエキス(日本薬局方、日本粉末株式会社製)に精製水を加えて3%外用剤を製造し、これを比較例とした。
このようにして得られた実施例と比較例を、皮膚に色素沈着のある成人のパネラー(表1中に示す例数)に対して毎日塗布させ、1ヶ月後に皮膚色素沈着の改善効果をアンケート(本人および本人以外の評価)調査した。この結果は、以下の評価基準に従って点数化し表1中に併記した。
非常に有効(3点):本人及び本人以外の人も薄くなったと感じる。
有効 (2点):本人又は本人以外の人のどちらかが薄くなったと感じる。
やや有効 (1点):本人又は本人以外の人のどちらかが若干薄くなったと感じる。
無効 (0点):本人及び本人以外の人のどちらも薄くなったと感じない。
Figure 0004832793
表1の結果からも明らかなように、エキスEはチロシナーゼ阻害活性を有する物質は完全に除去されているにも拘わらず美白効果を有しており、一方、複数の美白成分が混在している比較例に比べて、極めて有効に作用していることがわかる。
これにより、チロシナーゼ阻害活性のある美白性物質を除去して精製したエキスEの美白有効性が確認できる。また、実施例の外用剤は、肌に塗布しても目立たない色であり、かつ不快な臭気を有しないとの好ましい評価をパネラー全員から得た。

Claims (2)

  1. 生薬である甘草の水性溶媒抽出液から懸濁物質を除去し、分取した透明性水性溶媒抽出物を濃縮し、この濃縮物を前記水性溶媒で希釈し、この希釈と前記濃縮の過程で生じた前記水性溶媒に不溶な物質を分離除去し、分取したリクイリチン非含有の液体から無水エチルアルコール不溶性物質を分離除去して液中に残存するチロシナーゼ活性阻害作用が認められない無水エチルアルコール可溶性成分を有効成分として含有してなる美白性皮膚外用剤。
  2. 生薬である甘草の水性溶媒抽出液から懸濁物質を除去し、分取した透明性水性溶媒抽出物を濃縮し、この濃縮物を希釈および濃縮の過程で生じた前記水性溶媒に不溶な物質を固液分離してリクイリチン非含有の液体を分取すると共に加熱濃縮し、この濃縮物から無水エチルアルコール不溶性物質を固液分離して得られるチロシナーゼ活性阻害作用が認められない無水エチルアルコール可溶性成分を配合することからなる美白性皮膚外用剤の製造方法。
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