JP4831497B2 - 電子部品パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品パッケージおよびその製造方法に関し、特に、電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージおよびその製造方法に関するものである。
半導体素子、抵抗素子、およびコンデンサなどの電子部品を1つあるいは複数収納する電子部品パッケージには、内部に空洞部を有するパッケージ(中空構造パッケージ)と、空洞部を有しないパッケージとがあり、両者は用途に応じて使い分けされている。半導体素子を収納する半導体パッケージは、樹脂製が多く、かつパッケージ内部に空洞部を有しないものが多い。しかし電子部品パッケージの中には、求められる性能面からパッケージ内部に空洞が必要なものがある。
たとえば、圧力センサ、光送受信モジュール、水晶発信器、SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フイルタ素子や高周波回路に用いられるFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)素子やMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシックマイクロ波集積回路)を収納する場合に、中空構造パッケージが用いられる。これらの電子部品パッケージは、樹脂製の安価なものもあるが、通常、セラミック製や金属製である。
中空構造パッケージは、さらに、気密パッケージと非気密パッケージとに分類される。以下に、この2種類のパッケージの各々について説明する。
気密パッケージは、真空にされた空洞部、またはガスが充填された空洞部を有するパッケージである。このガスとしては、乾燥空気、窒素ガス、各種不活性ガス、またはこれらの混合気体が用いられる。気密パッケージは、パッケージが回路基板などに組み込まれた後においても、水蒸気などの外部雰囲気がパッケージ内へ進入したり、内部のガスと外部雰囲気とが置換したりすることがないように、強固な封止が施されている。この強固な封止を実現するために、キャリア基板などのベース材とリッド(蓋)などのカバー材とは、金属、ガラス、セラミックなど透湿性のない材料で作られ、かつ両者が、溶接、ハンダ付け、ガラス材によるハーメチックシールなどによって強固に接合されている。このように気密パッケージは強固に封止されるので、半導体素子などを保護する目的からすれば大変優れたパッケージである。
しかし気密パッケージにおいては高い信頼性での封止が要求されるため、使用材料を吟味したり、慎重な製造を行なったりする必要がある。場合によっては、金(Au)−スズ(Sn)ハンダなど高価な材料を使う必要や、気密性を保証するためのヘリウムリーク試験などの長時間を要する検証試験を伴いながら製造を行なう必要がある。結果としてパッケージが非常に高価になってしまうという欠点がある。
また、気密パッケージは、その気密性が不十分であった場合に、特有の問題を有する。工程不良などに起因して気密性が不十分である場合、長期間の間にパッケージ内に水分が侵入する。この工程不良は、たとえば気密封止溶接時の溶接条件のばらつきにより発生することがある。いったん気密パッケージ内部に浸入したこの水分は、外部へ放出されにくいので、空洞部に滞留することになる。このように水分が滞留した状態が長時間維持されると、パッケージ内部の半導体素子などに、水分を原因とする化学反応や腐食などの劣化が起きることが考えられる。この劣化は、パッケージ内部の電子回路に好ましくない影響を与える。
上記の気密パッケージと比して非気密パッケージは、半導体素子などの電子部品を収納する空洞部を有する点では同じであるが、パッケージの内部の気体(空気)と外部の雰囲気(空気)とが容易に置換可能な構造を有する点で相違している。すなわち非気密パッケージは、意図的に設けられた開口部などの気体流通構造を有する。
非気密パッケージは、一部の半導体圧力センサなどのように、元来、空洞部、すなわちパッケージの内部と、パッケージの外部とがつながっている必要がある場合や、必ずしも中空構造を必要としないが電磁シールドなどの目的で半導体素子や電子部品を覆ってやる必要がある場合などに用いられてきた。
また最近では、半導体素子を含む電子部品の耐環境性能、たとえば防湿保護膜などによる耐湿性能が向上することにより、従来なら気密パッケージに収納していた電子部品であっても、コストメリットのある非気密パッケージに収納して製造コストを下げようとする動きがある。この場合、空洞内への水分の浸入を許す代わりに、比較的速やかに高湿度の雰囲気が外気と置換される。これにより、侵入した水分が長時間内部に残留することなく、空洞内が乾燥状態に保たれる。よって収納されている半導体素子が劣化することを防ぐことができる。
非気密パッケージの最も単純な構造は、上述した半導体圧力センサのように、中空構造パッケージの一部に空洞部と外部とをつないだ構造、すなわち空気や水蒸気などの気体の流通部分を設けた構造である。この流通部分の具体的な構造としては、リッドに単純な開口穴を設けた構造が考えられる。この方法は、コスト的な問題が少ないが、以下の4つの問題が開口穴のために生じうる。
1.中空構造パッケージが回路基板に実装される時に、マウンタによるピックアップが困難となる(リッド上に真空吸着できない部分が生じる)。
2.リッド上への製品番号や商標の印刷やマーキングが困難となる(リッド上に印刷できない部分が生じる)。
3.外観が良くないなど、意匠上の問題が生じる。
4.中空構造パッケージ内部にゴミが入る問題が生じる。
これらの問題を避けるため、たとえば特開2002−359426号公報(特許文献1)には、蓋(リッド)以外の部分に通気構造を設ける方法が提案されている。この方法によれば、水分や空気を透過しないセラミックで構成されたパッケージ本体の表面に電極パターンが設けられ、この電極パターン上に導電性接着剤を用いて金属キャップ(リッド)が固定される。導電性接着剤は金属キャップとパッケージ本体との間の一部にのみ塗布される。すなわち金属キャップとパッケージ本体との間に導電性接着剤が塗布されない領域が設けられるため、パッケージ本体と金属キャップとで囲まれた空間は外部と通気性を有する。すなわちパッケージには、パッケージ内の水分が容易に出入りできる通気構造が設けられる。この方法によれば、リッドに開口穴を設けた場合における前述した問題を解消することができる。
特開2002−359426号公報
しかしながら、上記文献の技術を用いた場合、導電性接着剤を適用することに特有の以下のような課題がある。
1.パッケージ本体の表面に設けられた電極パターン上に液体またはペースト状の導電性接着剤を精確に供給するのは容易ではない。たとえば、接着剤を硬化させるための加熱によって硬化前に一時的に接着剤の粘度が低下した時に、接着剤が濡れ広がってしまう可能性がある。たとえ液体をハンドリングすることを避けるため半硬化状態の固形化した接着剤が用いられたとしても、硬化時の加熱により接着剤が濡れ広がってしまう可能性がある。このため開口部の寸法の正確なコントロールが困難となる。開口部がある中空構造パッケージでは電磁波のシールド問題は需要である。電磁シールドが不十分であると、中空構造パッケージ内部で発生した電磁波が開口部を通じて外部に漏れ出ること、あるいは外部の回路などで発生したノイズが開口部を通して内部に進入することが生じる。この場合、電気信号の品質が損なわれてしまう。このため開口部の寸法は、電磁波の特性から導かれる条件を精度よく満たす必要がある。しかしながら、開口部が導電性接着剤により形成される場合、導電性接着剤の濡れ広がりなどのために、高周波信号を扱うパッケージの電磁シールドに必要な寸法精度を確保することが困難である。特にミリ波帯などの波長に短い電気信号を扱うパッケージにおいて、この問題は深刻となる。
2.導電性、非導電性に関わらず接着剤は吸湿性に富むため、パッケージを長時間使用している間に接着剤が吸湿する可能性がある。このため、パッケージの信頼性が低くなるという問題がある。
3.導電性接着剤を用いてパッケージ本体と金属キャップとを固定するという方法を用いているため、導電性接着剤を硬化させる工程が必要で、このため製造工程数が増大し、コストアップ要因になる。
上述した課題を解決するには、導電性接着剤を使用してリッドを固定する方法よりも、リッドに単純な構造をした開口部を設ける方が有利である。しかしリッド上に開口部を設ける方法は、先に述べたような理由から適用できない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、リッド以外の部分に寸法精度の高い開口部を有する電子部品パッケージおよびその製造方法を提供することである。
本発明の電子部品パッケージは、電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージであって、基材部と、電極と、コートと、ハンダ部と、リッド(蓋)とを有している。基材部は、電子部品が実装される実装面を有する。電極は、実装面の電子部品が実装される領域を実装面上において取り囲む環状パターンを有する。コートは、環状パターンの内周と外周との間をまたがるように電極の一部の上に設けられ、電極に比して溶融状態のハンダに対する濡れ性が小さい物性を有する材料からなる。ハンダ部は、コートから露出した電極上に形成されている。蓋は、基材部との間に中空構造が形成されるような形状を有し、ハンダ部を介して電極に接合されている。
本発明の電子部品パッケージの製造方法は、電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージの製造方法であって、以下の工程を有している。
電子部品が実装される実装面を有する基材部が形成される。実装面の電子部品が実装される領域を実装面上において取り囲む環状パターンを有する電極が形成される。環状パターンの内周と外周との間をまたがるように電極の一部の上に設けられ、電極に比して溶融状態のハンダに対する濡れ性が小さい物性を有する材料からなるコートが形成される。コートから露出した電極上にハンダ部が形成される。基材部との間に中空構造が形成されるような形状を有する蓋が、ハンダ部を介して電極に接合される。
本発明によれば、ハンダに対する濡れ性の小さいコートが、電極の環状パターンの内周と外周との間をまたがるように設けられる。電極のうちこのコートが設けられた部分はハンダを弾くので、この部分の上にハンダ部が形成されない。この結果、コートの寸法精度に対応した高い寸法精度で、蓋と基材部との間に開口部を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電子部品パッケージが回路基板に実装されている様子を概略的に示す断面図である。
図1を参照して、本実施の形態の中空構造パッケージ100(電子部品パッケージ)は、回路基板90に実装されている。中空構造パッケージ100は、半導体素子などの実装部品41(電子部品)を収めた中空構造を有している。この中空構造は、開口部OPを有している。中空構造パッケージ100の裏面側には、BGA(Ball Grid Array:ボールグリッドアレイ)パッド電極58が配列されている。回路基板90の表面側には、回路基板パッド電極91が配列されている。BGAパッド電極58と回路基板パッド電極91とがハンダボール92を介してハンダ接合されている。この接合により、中空構造パッケージ100と回路基板90との電気的接続がなされている。
図2は、本発明の実施の形態1における電子部品パッケージのリッドの構成を概略的に示す底面図(A)、および断面図(B)である。図3は、本発明の実施の形態1における電子部品パッケージの構成を概略的に示す平面図(A)、および正面図(B)である。図4は、本発明の実施の形態1における電子部品パッケージの構成を概略的に示す斜視図である。図5は、図3(B)の開口部周辺の部分拡大図である。図6は、本発明の実施の形態1における電子部品パッケージのキャリア基板の構成を概略的に示す平面図(A)、および図6(A)の線VIB−VIBに沿った断面図(B)である。図7は、図6(B)の破線部VIIAの近傍の部分断面図(A)、および破線部VIIBの近傍の部分断面図(B)である。
主に図2〜図7を参照して、中空構造パッケージ100は、リッド70(蓋)と、ハンダ部60と、キャリア基板50とを有する。キャリア基板50は、基材部51と、ハンダパッド電極52と、コート53とを有する。
基材部51は、実装部品41が実装される実装面MS(図6(A)および(B))を有する。
ハンダパッド電極52は、実装面MSの実装部品41が実装される領域を実装面MS上において取り囲む環状パターンを有する。
コート53は、ハンダパッド電極52の内周と外周とに沿って設けられている部分と、環状パターンの内周と外周との間をまたがるようにハンダパッド電極52の一部の上に設けられている部分53pとを有する。またコート53は、ハンダパッド電極52に比して溶融状態のハンダに対する濡れ性が小さい物性を有する材料からなる。
ハンダ部60は、コート53から露出したハンダパッド電極52上に形成されており、コート53上には形成されていない。
リッド70は、基材部51に接合された際に基材部51との間に中空構造70c(図2(B))が形成されるような形状を有し、ハンダ部60を介してハンダパッド電極52に接合されている。またリッド70は、中空構造70cを平面視(図2(A))において囲む平坦な底面70bを有する。
次に各部材の具体的な材料について説明する。基材部51としては、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic:低温焼成セラミック)基板を用いることができる。ハンダパッド電極52としては、銀系導電性ペーストの焼結体を用いることができる。コート53は、たとえばガラスコートである。ガラスコートの材料としては、硼珪酸(ほうけいさん)ガラスとアルミナとの混合物を用いることができる。ハンダ部60の材料としては、鉛フリーハンダ(組成:Sn96.5質量%‐Ag3質量%‐Cu0.5質量%)を用いることができる。リッド70の材料は、ハンダ接合されることが可能な金属を用いることができる。あるいはリッド70としては、ハンダ接続されることが可能なよう表面が金属めっき処理された、セラミックや樹脂などからなる部材を用いることもできる。
次に開口部OPについて詳しく説明する。
はじめに、開口部OPの配置および形状について説明する。
図3を参照して、後述するように、開口部OPは、キャリア基板50とリッド70とがハンダを用いて接続される工程中に形成される。図は開口部形成後の中空構造パッケージを示している。
図4を参照して、開口部OPは、中空構造パッケージ100の通気口となるように、中空構造パッケージ100の一辺にトンネル状に形成されている。開口部OPを通じて、中空構造パッケージ100の内部の空洞部の空気と、外部の空気とが流通する。なお、図4においては、キャリア基板50より下側の構造は図示していない。
主に図5を参照して、開口部OPはリッド70に切れ込みや穴などを設けるのでは無く、キャリア基板50上のハンダパッド電極52と、ハンダパッド電極52上のコート53とハンダ部60とリッド70の平坦な底面70b(図2)とが組み合わさって構成されている。
次に、中空構造パッケージの開口部の寸法の制約条件について説明する。
はじめに、中空構造パッケージの開口部の寸法の制約条件の一般論について説明する。
中空構造パッケージ100が高周波機器に用いられる場合、電磁シールド機能が損なわれることなしに、空気流通部として機能する開口部が設けられなければならない。これには、開口部の寸法の最大値(最大間隙)を距離gとすると、周囲がすべて金属などの導体で形成されている場合、距離gは高周波回路で使用される周波数から決定される波長のλ/4以下(λは波長)とされる必要がある。その理由は、距離gがλ/4以下であれば、物理的な間隙があっても電磁気的には実用上連続したシールド構造とみなすことができるためである。電磁気的には、距離gは小さいほどいっそう有利である。つまり距離gは、最低限λ/4以下とされ、より高いシールド機能が求められる場合はさらに小さくされることが望ましい。しかし開口部OPの最大間隙の距離gがあまりに小さくされると、ハンダ接合時のハンダの濡れ上がりによるハンダブリッジ(ショート)が生じて、せっかく設けられた開口部OPが塞がってしまう危険性がある。
一例として、上述した最大間隙の距離gの具体的な数値の試算について説明する。この試算では、使用周波数f0は、ミリ波帯である76.5GHzと想定する。これは周波数が高くなるほど対応する距離gの値が小さく(狭く)なって工作が困難になるため、なるべく工作困難な事例で検討を進めることで、本実施の形態の優れた点を確認するためである。
空気中を伝播する電磁波(=光)の波長λは以下の式を満たす。
波長λ=光速C/周波数f0
よって、光速C=2.9979×108[m/s]、および周波数f0=76.5[GHz]=76.5×109[Hz]を代入することで、波長λの値は以下のようになる。
波長λ=(2.9979×108)/(76.5×109)=0.00392[m]=3.92[mm]
よってλ/4=3.92/4=0.98[mm]=約1mmである。よって最大間隙の距離gは、およそ1mmと試算される。このように距離gが使用周波数のλ/4以下とされることにより、開口部OPを通過する電波を有効に遮断することができる。すなわち中空構造パッケージ100の電磁シールド特性が十分に確保される。
上記の一般論を踏まえた上で、本実施の形態の開口部OPの寸法の制約条件について、以下に説明する。
図5を参照して、以下、開口部の寸法は、水平方向の最大幅をGxで表記し、空隙の垂直方向の最大高さをGyで表記する。Gxは開口部の最大間隙の距離で、ガラスコートによるハンダレジストの幅にほぼ等しい。本実施の形態ではGx=1mmである。Gyの下面(底面)側は、電気的にみると電位で決定されるので、絶縁物であるコート53表面ではなく、アース電極であるハンダパッド電極52の表面になる。しかしコート53の厚さは通常10〜20μm程度なので、開口部OPを巨視的に見れば、コート53の厚さは無視できる。
開口部OPの寸法としては、GxおよびGyのうち大きい方の値が、前述した使用周波数のλ/4以下の値になるようにされればよい。本願の中空構造パッケージの開口部OPの寸法は、垂直方向の距離(最大高さ=Gy)よりも、水平方向の距離(最大幅=Gx)の方が大きな値となるように設定される。すなわちGx>Gyとなるように設定される。その理由は、後述するように高さ(Gy)方向はプリコートハンダの供給厚さの影響を受け、プリコートハンダの厚さよりも大きな値は選択できないが、幅(Gx)方向は任意に設定可能であることによる。さらに、Gx>Gyとされた方が、中空構造パッケージ100の背の高さを低く設定できるため、小型化に寄与できるという利点がある。
次に開口部OPの形成法の概要について説明する。
キャリア基板のセラミック基材の表面部にはセラミック基材を保護、被覆するためのガラスコート層を備えている場合が多い。本実施の形態では、このガラスコート層が利用される。セラミック基材にガラスコート層が付与される目的のひとつは、ハンダレジスト層を形成することである。たとえば、電子部品が実装されることになるパッド電極にハンダペーストが印刷法で供給された後、部品が搭載され、リフローが行なわれることで、電子部品が実装される。このリフロー時に溶融したハンダが所望のハンダパッド電極以外の部位に流出したりすることがないよう分離するために、ハンダレジスト層が使用される。
図6(A)および(B)を参照して、このガラスコート層がコート53として形成される。コート53は、ハンダパッド電極52を横切る部分53pを有するように形成されるので、後述するプロセスにおいて開口部OPの形成に利用することができる。また、図6(A)に示すように、ハンダパッド電極52は、実装面MS上の中空とされる領域を連続的に囲んでいる。このようにハンダパッド電極52は途切れることなく、中空とされる領域を一周取り囲むため、中空構造パッケージ100の電磁シールドの効果が高められる。仮にコート53の部分53pの下にハンダパッド電極52が形成されていないとすると、開口部OPの最大間隙の距離gがλ/4則を満足できなくなり、電磁シールドの効果が低くなる。
キャリア基板50上に設けられたハンダパッド電極52上に、スクリーン印刷法でハンダペーストが印刷される。この時、ガラスコートされた部分にはハンダペーストの供給は行なわれない。次にこのハンダペーストがリフロー炉で溶融されることで、プリコートハンダ層が形成される。この時、ガラスコート上にはハンダペーストが供給されていないので、ガラスコート上にはプリコートハンダ層は形成されない。この時、印刷時のずれなどにより、ガラスコート上にはみ出して供給されたハンダペーストがあったとしても、溶融したハンダは一体化してハンダパッド電極52上に集結するため、ガラスコート上にはみ出したハンダが所望のハンダパッド電極52以外の部位に流出したりすることはない。
次いでプリコートされたハンダを使ってリッド70(図2(A)および(B))とキャリア基板50とが接合される。接合方法としては、加熱ツールを用いてリッド70ごとツール加熱する方法、リフロー炉などの加熱溶融炉を通して溶融接合する方法などがある。プリコートハンダ溶融時の開口部OP付近においては、ハンダパッド電極52のコート53で覆われた部分にはプリコートハンダが供給されておらず、周囲からガラスコート上にハンダが濡れ広がることもない。このため、この部分にはハンダが存在しない状態が常に維持される。これに対し、この部分の直上に位置するリッド70の底面70bには、周囲のプリコートハンダと底面70bとの接触部部分から溶融ハンダが供給されて濡れ広がるため、フィレットが形成され、最終的には図5に示すようなトンネル状の開口部が形成される。
次に、本実施の形態の中空構造パッケージの製造方法の実施例について説明する。
はじめに、本実施例の概要について説明する。
図2(A)および(B)を参照して、リッド70が形成された。リッド70の材料は、セラミック基板に機械的なストレスを与えないよう、セラミック材に線膨張係数を合わせたコバール材を用いた。図のような形状のリッド70はプレスや切削による機械加工やエッチングによる加工によって作製することができる。リッド70の外形は17mm×14mmの長方形とした。またリッド70の肉厚は約0.5mmとした。リッド70の表面には、酸化防止の目的と、後述するハンダ接合が容易にできるようにする目的とのため、Ni−Auめっき(5μm厚さのニッケルめっきと、0.01μm厚さの金めっきとを重ねる)が施された。なお、このニッケルめっき層、金めっき層については、図示していない。
図6(A)および(B)を参照して、キャリア基板50が形成された。キャリア基板50の構成材料はセラミック材とされた。キャリア基板50の外形形状は18mm×15mmの長方形とされ、キャリア基板50の厚さは1mmとされた。キャリア基板50上に形成されているハンダパッド電極52の幅は1.2mmとされた。また、ハンダプリコート前のハンダパッド電極52表面には、下地となる金属導体の表面に5μm厚さのニッケルめっきと、0.1μm厚さの金めっきとが施された(このニッケルめっき層、金めっき層については、図示していない)。
キャリア基板50上に形成されているハンダパッド電極52は電気回路的にはアース電極で、アルファベットのO(オー)の字のような形をした角の丸い四角形である。四角形の外周と内周とにはガラスコート53が施された。このガラスコート53は、ハンダが流れ出したりはみだしたりすることがないよう防ぐ機能を有している。
ハンダパッド電極52の一部には、開口部OPを形成するため、ハンダパッド電極52をまたぐ形でガラスコート53が形成された。図6(A)に示すように、キャリア基板50上に露出しているハンダパッド電極52はアルファベットのC字状とされた。このハンダパッド電極52の一部に形成されたガラスコート53の幅は、開口部OPの最大間隙の距離Gxに相当し、本実施例では1mmとされた。これにより濡れ上がる前のハンダの間隙がλ/4に設定されたので、ハンダ接合時に開口部OP周囲にハンダが這い上がった時には、表面張力によるハンダのはみ出しなどがあったため、最大間隙の距離Gxはλ/4よりもわずかに狭くなった。この現象により、開口部OPは、距離Gxがλ/4の場合に比して、よりシールド特性が向上するように形成された。
もちろん最大間隙の距離Gxが狭く設定され過ぎると、前述したようにハンダが濡れ広がることによって開口部OPが塞がってしまう恐れがある。これでは意味がないので、距離Gxを必要以上に狭く設定し過ぎないよう、注意が必要である。
なおキャリア基板50の内部には内層導体をはじめ、その接続に用いられるビアホールなど多数の配線が形成されたが、図6(B)においては図示していない。
以上により、本実施例の中空構造パッケージ100が製造された。
次に本実施例においてキャリア基板50にハンダがプリコートされた方法について、図7〜図10を用いて詳しく説明する。
図7は、図6(B)の破線部VIIAの拡大図(A)、および破線部VIIBの拡大図(B)である。
図7を参照して、キャリア基板50に、リッド70がハンダ接合される際に用いられるプリコートハンダ層を設けるためのハンダパッド電極52と、内層配線57とをつなぐ柱状の導体配線であるビアホール56とが設けられた。
キャリア基板50の表面は、ハンダパッド電極52とガラスコート53とが段差を形成しないように、平坦に仕上げられた。この理由は、セラミック基板の電極パターンは、基板製造プロセスにおいてプレス成型された後に同時焼成されることで形成されたためである。同様にハンダレジストの役割を担うガラスコート53も製造工程中にキャリア基板の内層側に押圧されて埋まり込んだ(沈み込んだ)形となった。また、ハンダパッド電極52とコート53の一部の部分53pとが積み重なった部分は、積み重なった状態でプレス成型されたため、基板焼成後にはこの部分のハンダパッド電極52は基材部51の内層側に沈み込んだ形となった。
図8は、本発明の実施の形態1においてスクリーン印刷マスクを用いてハンダペーストを供給する工程を示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する領域の部分断面図(B)である。
図8を参照して、スクリーン印刷マスク81の厚さは0.25mmとされた。スクリーン印刷マスク81には、ハンダパッド電極52に寸法や位置が合わされた開口部が設けられており、スクリーン印刷マスク81上をスキージ82が移動することでハンダペースト61の印刷が完了された。スクリーン印刷マスク81は、ハンダのプリコートが必要な部位のみ開口しているため、ハンダパッド電極52上に一部設けられたガラスコート53が付与された部分にはハンダペースト61が供給されず、ガラスコート53が露出した状態とされた。
図9は、本発明の実施の形態1において、ハンダペースト印刷工程が終了し、スクリーン印刷マスクを取り外した状態を示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する領域の部分断面図(B)である。
図9を参照して、ハンダペースト61は、ハンダパッド電極52とほぼ同じ面積で供給された。ハンダペースト61の供給厚さは約0.25mmとされた。ハンダプリコートを終えたキャリア基板50は、リフロー炉に通され、印刷されたハンダペースト61が溶融・固化されることでプリコートハンダとされた。
なお、この工程の終了時点では、ハンダペースト61に含まれていたフラックス成分が残渣となって、ハンダ表面やキャリア基板50表面に付着していた。この残渣は、後に、溶剤を用いた洗浄装置にキャリア基板50を丸ごと投入することにより、洗浄・除去された。
図10は、本発明の実施の形態1において、洗浄工程が終了し、ハンダパッド電極上にプリコートハンダが形成された状態を示すキャリア基板の部分断面図であり、図7(A)に対応する位置の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する位置の部分断面図(B)である。図11は、本発明の実施の形態1におけるハンダプリコート後のキャリア基板を示す平面図(A)、および図11(A)の線XIB−XIBに沿った断面図(B)である。
図10および図11を参照して、プリコートハンダ62の高さ(厚さ)は0.15mmで、外観はカマボコ状であった。また、プリコートハンダ62の平面形状は、アルファベットのC字状であった。
ハンダパッド電極52上のガラスコート53にはプリコートハンダ62が供給されておらず、またガラスコート53で覆われている部分には溶融したハンダが濡れ広がることがなかった。このため、これ以後の工程で再溶融したプリコートハンダがハンダパッド電極上のガラスコート部に流れ出すようなことは生じない。
以上で、プリコートハンダ62が供給されたキャリア基板50が完成した。
次に本実施例においてキャリア基板50とリッド70とをハンダ接合しつつ開口部OPを形成した方法について、説明する。図12は、実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第1工程を示す概略的な断面図である。図13は、実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第2工程を示す概略的な平面図(A)、および図13(A)の線XIIIB−XIIIBに沿った断面図である。図14は、実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第3工程を示す概略的な平面図(A)、および図13(A)の線XIVB−XIVBに沿った断面図である。
図12を参照して、位置決め装置や治具などを用いて、リッド70がキャリア基板50のプリコートハンダ62に、位置ずれすることがないよう搭載された。
図13を参照して、位置決めされたリッド70がずれることがないようばね(図示せず)で固定された。N2リフロー炉などの低酸素環境のリフロー炉によって、プリコートハンダ62が溶融・固化されることで、リッド70とハンダパッド電極52とがハンダ接合された。この工程では低酸素環境下(およそ100ppm以下)でプリコートハンダ62のみが溶融されてハンダ接合が行なわれた。すなわち、新たなハンダペーストやフラックスの供給は行なわれなかった。このため、フラックス残渣がキャリア基板の表面やリッドに残ることがなく、したがって、この工程の後に残渣成分を洗浄・除去する工程は不要となり、高信頼性のハンダ接合が可能となる。
この工程で、既に説明したメカニズムに沿って、開口部OPが形成された。最終的には図5に示すようなトンネル状の開口部OPが形成された。
リッド70を接合する方法としてリフロー炉などで加熱溶融する場合、ばね圧とリッド70の自重に対し溶融ハンダの浮力や表面張力などで決定される力が均衡する高さまでリッド70が沈み込む。このため、次に述べる加熱ツールを用いた場合よりも寸法的な仕上がりの自由度は少なくなるが、専用装置を必要としないのでコストメリットは大きい。
リッド70を接合する他の方法として、リッド70を加熱ツールを用いてプリコートハンダ62に押し付ける方法が考えられる。この場合も、プリコートハンダ62の溶融には低酸素環境を必要とする。この方法によると開口部OPの最大高さ(=Gy)はプリコートハンダ62の高さよりも低くなるよう加熱ツールの押し込み量が制御されることにより、Gyはほぼ任意の値に設定できる。
開口部の水平方向の最大幅(=Gx)の値は、既に述べたように、使用周波数のλ/4以下の値になるように設定された。本実施例においては、使用周波数f0が76.5GHzであるため、Gxの値は1mmとされた。この寸法調整は、ガラスコート53の幅を調整することで達成された。
評価サンプルの試作による検証を重ねた結果、ガラスコート53の幅を1mmとした場合はGxの値は0.6から0.8mmで仕上がっていることを確認した。Gxが正確に1mmとならないのは、前述した表面張力によるハンダのはみ出しが生じるためである。
またGyは、前述したリフロー炉による加熱溶融が行なわれた場合、ハンダパッド電極52上のプリコートハンダ62が流れて凝集するため、プリコートハンダ62の厚さよりも多少高めに仕上がり、0.15mmから0.2mmになっていることを確認した。
さらにGxの値が0.5mm以下とされると、ハンダブリッジの危険性が増すことがわかった。すなわち、ハンダが溶融したとき、開口部OPの両側の壁に位置するハンダがリッド70の底面70bを濡れ広がってハンダ同士が接触することにより、開口部OPが塞がってしまった。よって、Gxの下限値は0.5mm以上とされることが望ましい。ただしこの下限値は、ガラスコート53の幅、プリコートハンダ62の量(高さ)、リッド70の表面処理やめっきの仕上がり(ハンダの濡れ広がりやすさ)などに依存するため、一定の値を決めることは困難であり、あくまで目安である。
以上説明した本実施の形態によれば、図6に示すように、ハンダパッド電極52に比してハンダに対する濡れ性の小さいコート53は、ハンダパッド電極52の環状パターンの内周と外周との間をまたがる部分53pを有する。この部分53pがハンダを弾くので、図5に示すように、部分53p上にはハンダ部60が形成されない。この結果、コート53の寸法精度に対応した高い寸法精度で、リッド70と基材部51との間に開口部OPを形成することができる。よって高い歩留まりで中空構造パッケージ100を製造することができる。
このように高い精度で開口部OPが形成されるので、中空構造パッケージ100内部の空洞を満たす空気と中空構造パッケージ外部を取り巻く空気との流通が確実に確保される。よって中空構造パッケージ100内部に湿潤な空気が入ってきたとしても、周囲環境が乾燥した状態に復帰した時点でこの湿潤な空気は乾燥した外気と置換される。よって湿潤な空気が空洞部に長時間滞留することがない。よって湿潤な空気が中空構造パッケージ100内の電子回路に好ましくない影響を与えることを防止することができる。
また中空構造パッケージ100が高周波機器に用いられる場合、電磁シールド機能を損なうことなく通気が確保できる。
またコート53としては、従来からセラミック基板などに広く用いられているガラスコートを用いることができる。この場合、従来のパッケージの製造プロセスと材料を変えることなく、すなわち特別な材料、プロセスなどを適用する必要がない。このため、本実施の形態の中空構造パッケージ100は、従来のパッケージと同程度のコストで実現することができる。
また、ハンダ部60がコート53上に形成されないことで開口部OPが形成されるので、リッド70の底面70bが平坦な構造のリッドを用いても、すなわちリッドに特に切れ込みや穴などを設けずとも、中空構造パッケージ100に開口部OPを設けることが可能となる。
また開口部OPの最大寸法が、取り扱う電気信号の波長(λ)の1/4以下つまり、λ/4以下となるような構造とされることにより、電磁気的な問題が、より確実に防止される。
なお、図1では、BGA接合のためのハンダボール92を含めた構造を中空構造パッケージ100として説明している。このハンダボール92は、キャリア基板50の裏側に位置し、回路基板90との接合の前に搭載され、リフロー処理によって形成されるものである。
(実施の形態2)
上記実施の形態1の中空構造パッケージ100は1つの開口部OPを有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。開口部の数は、その回路構成により決められることができる。すなわち電子回路が一種類で、同一回路内でシールドすべき領域を区分する必要がない場合は、電子回路は1つの中空部屋に収納されればよい。しかし、たとえばアナログ回路とデジタル回路とが混在するような回路が用いられる場合、あるいは電子回路において回路間の独立性を保つ必要がある場合などでは、独立すべき回路ごとに中空の小部屋が設けられる。すなわち複数の小部屋が設けられる。よって開口部も複数設けられる必要がある。本実施の形態においては、このように複数の開口部が設けられる場合について説明する。
図15は、本発明の実施の形態2における電子部品パッケージに用いられるキャリア基板にプリコートハンダが形成された様子を概略的に示す平面図である。
主に図15を参照して、本実施の形態のキャリア基板50Tは、実施の形態1のコート53およびプリコートハンダ62(図11(A))のそれぞれの代わりに、コート53Tおよびプリコートハンダ62Tを有している。また実施の形態1のハンダパッド電極52(図6(A))の代わりに、プリコートハンダ62Tとほぼ同一形状のハンダパッド電極(図示せず)を有している。このハンダパッド電極は、2つの環状パターンが組み合わされたパターンを有している。コート53Tは、この環状パターンの各々の内周と外周との間をまたがるような部分53pを有する。この図15に示す工程の後に、実施の形態1と同様の方法でリッドが取り付けられることで、2つの開口部を有する中空構造パッケージが形成される。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(実施の形態3)
図16は、本発明の実施の形態3における電子部品パッケージに用いられるリッドの構成を概略的に示す底面図(A)、および図16(A)の線XVIB−XVIBに沿った概略断面図(B)である。図16を参照して、本実施の形態のリッド70Sは、薄い金属板をプレス加工することにより形成されている。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1または2の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(実施の形態4)
上記実施の形態1〜3においてはキャリア基板50としてセラミック基板が用いられる場合について説明したが、本実施の形態において説明するように、セラミック基板の代わりに、有機材料を用いたプリント基板を用いることもできる。
図17は、本発明の実施の形態4における電子部品パッケージのキャリア基板の構成を概略的に示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域を示す図(A)、および図7(B)に対応する領域を示す図(B)である。図18は、本発明の実施の形態4における電子部品パッケージの開口部周辺の様子を概略的に示す部分正面図であり、図5に対応する図である。
図17および図18を参照して、キャリア基板がプリント基板の場合は、基板の構造上、図6に示したセラミック基板のように基板表面全体を平らにすることができない。このため、ハンダパッド電極のうちコートが形成されることでハンダが供給されないようにされた部分が、ハンダパッド電極のそれ以外の部分に比して沈み込んだ形状を形成することができない。そこでプリント基板が用いられる場合、ハンダパッド電極52Vは、銅箔をエッチング処理することによって形成され、キャリア基板50Vの平坦な基材部51Vの上に配置される。またプリント基板のハンダレジストであるコート53Vも平坦な銅箔の上に配置される。このため、キャリア基板がプリント基板である場合の開口部は、キャリア基板がセラミック基板の場合とは若干異なる構造となる。
Gyの下面(底面)側は、電気的にみると電位で決定されるので、絶縁物であるコート53V表面ではなく、アース電極であるハンダパッド電極52Vの上面(コート53Vに面する面)になる。ハンダレジストであるコート53Vの厚さは、通常、30μm程度である。Gyの値に余裕がなく、コート53Vの厚みが開口部OPの寸法に対して無視できないような場合は、以下のような手段を講じることが可能である。
すなわち、コート53Vの材料として、クロムなどのハンダに濡れない金属材料が適用される。この金属材料からなるコート53Vの形成方法としては、ハンダパッド電極52V上に蒸着法またはメッキ法などで成膜を行なう方法を用いることができる。この場合コート53Vの厚さは無視できる程度に薄くなる。すなわちコート53V表面と、アース電極であるハンダパッド電極52Vの上面とがほぼ同じ位置になる。
以上説明した方法により、キャリア基板として有機材料を用いたプリント基板が用いられた場合であっても、中空構造パッケージにセラミック基板と同様な開口部を設けることが可能となる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージおよびその製造方法に特に有利に適用され得る。
本発明の実施の形態1における電子部品パッケージが回路基板に実装されている様子を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における電子部品パッケージのリッドの構成を概略的に示す底面図(A)、および断面図(B)である。 本発明の実施の形態1における電子部品パッケージの構成を概略的に示す平面図(A)、および正面図(B)である。 本発明の実施の形態1における電子部品パッケージの構成を概略的に示す斜視図である。 図3(B)の開口部周辺の部分拡大図である。 本発明の実施の形態1における電子部品パッケージのキャリア基板の構成を概略的に示す平面図(A)、および図6(A)の線VIB−VIBに沿った断面図(B)である。 図6(B)の破線部VIIAの近傍の部分断面図(A)、および破線部VIIBの近傍の部分断面図(B)である。 本発明の実施の形態1においてスクリーン印刷マスクを用いてハンダペーストを供給する工程を示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する領域の部分断面図(B)である。 本発明の実施の形態1において、ハンダペースト印刷工程が終了し、スクリーン印刷マスクを取り外した状態を示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する領域の部分断面図(B)である。 本発明の実施の形態1において、洗浄工程が終了し、ハンダパッド電極上にプリコートハンダが形成された状態を示すキャリア基板の部分断面図であり、図7(A)に対応する位置の部分断面図(A)、および図7(B)に対応する位置の部分断面図(B)である。 本発明の実施の形態1におけるハンダプリコート後のキャリア基板を示す平面図(A)、および図11(A)の線XIB−XIBに沿った断面図(B)である。 実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第1工程を示す概略的な断面図である。 実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第2工程を示す概略的な平面図(A)、および図13(A)の線XIIIB−XIIIBに沿った断面図である。 実施の形態1における中空構造パッケージの製造方法におけるハンダ接合の第3工程を示す概略的な平面図(A)、および図13(A)の線XIVB−XIVBに沿った断面図である。 本発明の実施の形態2における電子部品パッケージに用いられるキャリア基板にプリコートハンダが形成された様子を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態3における電子部品パッケージに用いられるリッドの構成を概略的に示す底面図(A)、および図16(A)の線XVIB−XVIBに沿った概略断面図(B)である。図16を参照して、本実施の形態のリッド70Sは、薄い金属板をプレス加工することにより形成されている。 本発明の実施の形態4における電子部品パッケージのキャリア基板の構成を概略的に示す部分断面図であり、図7(A)に対応する領域を示す図(A)、および図7(B)に対応する領域を示す図(B)である。 本発明の実施の形態4における電子部品パッケージの開口部周辺の様子を概略的に示す部分正面図であり、図5に対応する領域を示す図である。
符号の説明
50 キャリア基板、51 基材部、52 ハンダパッド電極、53 コート、60 ハンダ部、70 リッド(蓋)、100 中空構造パッケージ(電子部品パッケージ)。

Claims (4)

  1. 電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージであって、
    前記電子部品が実装される実装面を有する基材部と、
    前記実装面の前記電子部品が実装される領域を前記実装面上において取り囲む環状パターンを有する電極と、
    前記環状パターンの内周と外周との間をまたがるように前記電極の一部の上に設けられ、前記電極に比して溶融状態のハンダに対する濡れ性が小さい物性を有する材料からなるコートと、
    前記コートから露出した前記電極上に形成されたハンダ部と、
    前記基材部との間に前記中空構造が形成されるような形状を有し、前記ハンダ部を介して前記電極に接合された蓋とを備えた、電子部品パッケージ。
  2. 前記蓋は、前記中空構造を平面視において囲む平坦な底面を有する、請求項1に記載の電子部品パッケージ。
  3. 電子部品を収めるための中空構造を有する電子部品パッケージの製造方法であって、
    前記電子部品が実装される実装面を有する基材部を形成する工程と、
    前記実装面の前記電子部品が実装される領域を前記実装面上において取り囲む環状パターンを有する電極を形成する工程と、
    前記環状パターンの内周と外周との間をまたがるように前記電極の一部の上に設けられ、前記電極に比して溶融状態のハンダに対する濡れ性が小さい物性を有する材料からなるコートを形成する工程と、
    前記コートから露出した前記電極上にハンダ部を形成する工程と、
    前記基材部との間に前記中空構造が形成されるような形状を有する蓋を、前記ハンダ部を介して前記電極に接合する工程とを備えた、電子部品パッケージの製造方法。
  4. 前記蓋は、前記中空構造を平面視において囲む平坦な底面を有する、請求項3に記載の電子部品パッケージの製造方法。
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