JP4830026B2 - 極性付多重ベクトル量子化方法、装置、プログラム及びその記録媒体 - Google Patents

極性付多重ベクトル量子化方法、装置、プログラム及びその記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、音声や画像等の信号系列を少ない情報量で符号化する極性付多重ベクトル量子化方法、装置、プログラム及びその記録媒体に関する。
信号系列の情報圧縮を行って符号化する効果的な方法として、ベクトル量子化法が知られている(音声信号、画像信号のベクトル量子化について非特許文献1参照)。これは、符号化しようとする離散化された信号サンプル値をあらかじめ決めた複数個ずつまとめてそれぞれベクトルとし、各ベクトルをあらかじめ作成しておいたコードブックの中の代表出力ベクトルと照合し、最も歪が小さくなるような代表出力ベクトルの番号を量子化値とするものである。
特許文献1に、複数のコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの歪を、複数の異なる代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについて計算して、最も小さい歪を与える代表出力ベクトルの組を、その入力ベクトルの量子化値とする多重ベクトル量子化方法が記載されている。
図14を参照して特許文献1に記載された多重ベクトル量子化方法の詳細について説明をする。まず、次のように記号を定義する。
X,Y:コードブック
u:入力ベクトル
x_j:コードブックX中の第j番目の代表出力ベクトル
y_m:コードブックY中の第m番目の代表出力ベクトル
K:コードブックX,Y中の代表出力ベクトルの次元数(要素の数)
N:各コードブックX,Yに記憶される代表出力ベクトルの数
x(i,j):コードブックXの代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素
y(i,m):コードブックYの代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素
u(i):入力ベクトルuの第i番目の要素
コードブックXはコードブックX記憶部1020に、コードブックYはコードブックY記憶部1030にそれぞれ記憶されている。
距離計算部1010は、入力端子1001から入力された入力ベクトルuと、コードブックX記憶部1020及びコードブックY記憶部1030のそれぞれから1つずつ選ばれた代表出力ベクトルの組の平均ベクトルとの二乗距離に基づく距離尺度d(j,m)を、すべての代表出力ベクトルについて下記式(1)により計算する。なお、下記式(1)は二乗距離を求める式を簡略化のために変形して構成したものであり、具体的には二乗距離を求める式から代表出力ベクトルの選択に無関係な入力ベクトルのみからなる項を削除し、更に整数倍したものである。
Figure 0004830026
最小距離決定部1050は、上記式(1)で計算される距離尺度d(j,m)を最小にする代表出力ベクトルの組を決定して、その決定した代表出力ベクトルの組のインデックス(j,m)を入力ベクトルについての量子化値として出力する。
なお、上記式(1)の第2項を
Figure 0004830026
とおいた時、F(j,m)については入力ベクトルとは無関係に計算できる。そこで、特許文献1では、複数の異なる二乗項F(j,m)について予め計算して二乗項テーブル記憶部1060に記憶しておき、距離計算部1010は、下記式(3)の右辺第一項を計算し、その計算値と二乗項テーブル記憶部1060を参照して取得したF(j,m)とを加算することにより距離尺度d(j,m)を求める構成が記載されている。このように構成することで、同じ二乗項F(j,m)を何度も計算する必要が無くなり、演算量の削減を図ることができる。
Figure 0004830026
一方、特許文献2には、演算量を削減するために、まず各コードブック記憶部からもっともらしい複数の代表出力ベクトルをそれぞれ予備選択することにより代表出力ベクトルの候補を絞り込み、次に絞り込んだ複数の代表出力ベクトルの中で最も有効な代表出力ベクトル組み合わせを本選択する多重ベクトル量子化方法が記載されている。
特開平1−205638号公報 特開平11−191739号公報 Allen Gersho, Robert M. Gray, "VECTOR QUANTIZATION AND SIGNAL COMPRESSION," Kluwer Academic Publishers, 1992.
特許文献2に記載された多重ベクトル量子化方法においては、特許文献1に記載された演算量の削減方法を適用することで更に演算量が削減されることが期待できるが、特許文献2においては予備選択と本選択を行うため、具体的な計算方法が特許文献1に記載された計算方法と異なる。従って、いかに特許文献1の削減方法を適用すればよいかについて明らかにされていない。
この発明は、予備選択と本選択を行う方法の演算量をさらに削減する極性付多重ベクトル量子化方法、装置、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
[A]
本発明の極性付多重ベクトル量子化方法は、処理の前提として、複数のコードブックに、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており、あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であって、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であって、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、クロステーブ ルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペ アの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアにつ いてそれぞれ予め登録されている。そして、このような前提の下、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を計算し、各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定し、各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されて いる候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算し、上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する。
[B]
あるいは、本発明の極性付多重ベクトル量子化技術によると、複数のコードブックには 、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており、あるベクトルについ ての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そ のベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素 の二乗和とを用いて定義されており、あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距 離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標で あり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、そ れぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトル のペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されている。また、上記入力ベ クトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下 であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自 然数とし、L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第 一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次 元ベクトルを第二縮小ベクトルとする。パワーテーブルには、各上記コードブックに登録 されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予 め登録されている。そして、
a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベ クトルの第一距離尺度を計算する処理と、
a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表 出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表 出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補 代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する処理と、
a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に 対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、複数の異なる候補代表 出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する処理と、
a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補 代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する処 理とを含む。さらに、上記処理a1)は、
a11)代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の値を、上記パ ワーテーブルを参照して取得する処理と、
a12)LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの 要素の二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の差 分の値を計算する処理と、
a13)上記処理a11)で得られた二乗和の値に対して上記処理a12)で得られた 二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第 一縮小ベクトルの二乗和の値を求める処理とを含む。
[C]
あるいは、本発明の極性付多重ベクトル量子化技術によると、第一コードブックXには D次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、 第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Ny は任意の自然数))がそれぞれ登録されており、あるベクトルについての第一距離尺度は 、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベ クトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベク トルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、あるベクトルの組の平均ベクト ルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離 を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの 第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組 を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義さ れている。パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクト ルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されている。そして、
a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、 所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する処理と
a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺 度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和 を用いて計算する処理と、
a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表 出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表 出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補 代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する処理と、
a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の 平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組につい てそれぞれ計算する処理と、
a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補 代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する処 理とを含む。さらに、第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第 i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd _prex(j)とし、第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの 第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度を d_prey(m)として、入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs (ただしsは、1≦s<D かつ(D mod s)=0を満たす整数)、入力ベクト ルuがD次元(D=D /s)であって、入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n= 0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W (i= 0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
−D(i+1)≦n<D −D・i
により決定し、重み付き入力信号I (n)を、
(n)=I(n)・w(n)
により求め、重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
Figure 0004830026

により求め、p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
(i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、代 表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を
Figure 0004830026

(sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、代表出力 ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を
Figure 0004830026

により求める。
[D]
あるいは、本発明の極性付多重ベクトル量子化技術によると、第一コードブックXには D次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、 第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Ny は任意の自然数))がそれぞれ登録されており、あるベクトルについての第一距離尺度は 、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベ クトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベク トルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、あるベクトルの組の平均ベクト ルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離 を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの 第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組 を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義さ れている。パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクト ルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されている。そして、
a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、 所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する処理と
a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺 度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和 を用いて計算する処理と、
a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表 出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表 出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補 代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する処理と、
a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の 平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組につい てそれぞれ計算する処理と、
a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補 代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する処 理とを含む。さらに、第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第 i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd _prex(j)とし、第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの 第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度を d_prey(m)として、入力信号Iのサンプルの数がD (D =36)、入力ベク トルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、入力信号Iの n番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)とし て、所定の0以上の値W (i=0、1、・・・、D−1)を
Figure 0004830026

(但し、W =1、W =1、W =4/3、W =5/3、W =2、W =1)とし 、重み付き入力信号I (n)を、
(n)=I(n)・w(n)
により求め、重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
Figure 0004830026

により求め、p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
(i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、代 表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を
Figure 0004830026

(sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、代表出力 ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を
Figure 0004830026

により求め、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を
Figure 0004830026

により求める。
距離尺度(第一距離尺度、第二距離尺度)の定義式の中の入力ベクトルとは無関係に定まる式の値を予め計算しておき、距離尺度を計算する際に、その予め計算した式の値を参照することにより、その式の値を何度も計算せずに求めることができる。これにより、演算量をさらに削減し、演算を高速化することができる。
第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置100の機能構成を例示する図。 第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置100の処理の流れを例示するフローチャート。 小コードブックインデックス作成部41の第一の処理の流れを例示するフローチャート。 候補選択ベクトルの選択の第2の方法を例示した概念図。 小コードブックインデックス作成部41の第二の処理の流れを例示するフローチャート。 最小距離決定部7の処理の流れを例示するフローチャート。 第二実施例による極性付多重ベクトル量子化装置101の機能構成を例示する図。 第三実施例による極性付多重ベクトル量子化装置102の機能構成を例示する図。 第四実施例による極性付多重ベクトル量子化装置103の機能構成を例示する図。 入力ベクトル生成部9の機能構成を例示する図。 第四実施例による極性付多重ベクトル量子化装置103の処理の流れを例示するフローチャート。 第五実施例による極性付多重ベクトル量子化装置104の機能構成を例示する図。 第六実施例による極性付多重ベクトル量子化装置105の機能構成を例示する図。 背景技術による多重ベクトル量子化装置の機能構成を例示する図。 第七実施例による極性付多重ベクトル量子化装置106の機能構成を例示する図。 第八実施例による極性付多重ベクトル量子化装置107の機能構成を例示する図。 極性付多重ベクトル逆量子化装置900の機能構成を例示する図。
[第一実施例]
図1、2を参照して本発明の第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置100について説明をする。図1は、極性付多重ベクトル量子化装置100の機能構成を例示する図である。図2は、極性付多重ベクトル量子化装置100の処理例を示すフローチャートである。
まず、次のように記号を定義する。
X、Y:コードブック
u:入力ベクトル
x_j:コードブックX中の第j番目の代表出力ベクトル
y_m:コードブックY中の番目の代表出力ベクトル
D:コードブックX,Y中の代表出力ベクトルの次元数(要素の数)
Nx:コードブックXに記憶される代表出力ベクトルの数
Ny:コードブックに記憶される代表出力ベクトルの数
x(i,j):コードブックXの代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素
y(i,m):コードブックYの代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素
u(i):入力ベクトルuの第i番目の要素
sgn(α):αの値の極性を求める関数(αが正の時→+1を出力、αが負の時→−1を出力)
この例では、コードブックは、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体及び半導体メモリ等の任意の記憶手段であるコードブック記憶部に記憶される。すなわち、各コードブックは、各コードブック記憶部にそれぞれ対応している。この例では、コードブックXはコードブックX記憶部31、コードブックYはコードブックY記憶部32に記憶されているので、コードブック記憶部に格納されているのが代表出力ベクトルであり、この代表出力ベクトルの集合をコードブックと考えてもよい。
入力サンプルの列は、予め定められた数Lの入力サンプルごとに、入力端子1から多重ベクトル量子化装置100に入力される。入力サンプルは、任意のサンプルであり、例えば時間領域のサンプルや、下記参考文献1に記載されるように時間領域のサンプルをMDCTによって変換して得られるMDCT係数などの周波数領域の係数である。
(参考文献1) N. Iwakami, T. Moriya and S. Miki, "High-quality audio-coding at less than 64 kbit/s by using transform-domain weighted interleave vector quantization (twinvq)," in Proc. ICASSP '95, 1995, pp.937-940.
L個の入力サンプルは、1つのL次元の入力ベクトルuを構成する。この場合、入力ベクトルuの要素は、L個の入力サンプルである。入力ベクトルuの観点から、入力ベクトルuが入力端子1から入力されると考えることもできる。
例えば、入力サンプルが周波数領域の係数である場合には、要素番号iが大きいほどu(i)を高い周波数領域のサンプルに対応させる。
コードブックX記憶部31には、Nx個のD次元代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1)が記憶されている。この例では、L=Dであり、入力ベクトルuと代表出力ベクトルの次元数は同じである。Nxは、任意の予め定められた自然数である。
同様に、コードブックY記憶部32には、Ny個のD次元代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1)が記憶されている。Nyは、任意の予め定められた自然数である。
<ステップS1>
第一距離尺度計算部2の距離計算部21は、コードブックX記憶部31に記憶されたNx個の各代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を計算する(ステップS11)。ある代表出力ベクトルについての第一距離尺度とは、その代表出力ベクトルと入力ベクトルuとの距離を表す第一の指標である。例えば、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)はその代表出力ベクトルと入力ベクトルuとの二乗距離を求める式を変形して、下記式(5)のように、その代表出力ベクトルx_jと入力ベクトルとの内積と、下記式(4)により定義されるその代表出力ベクトルの極性符号p(j)と、その代表出力ベクトルの要素の二乗和とを用いて定義することができる。ここで、u(i)・x(i,j)は極性符号p(j)を乗算することにより常に0以上の値をとることになるため、u(i)・x(i,j)・p(j)は、|u(i)・x(i,j)|と表記することが可能である。なお、距離尺度の計算は極性符号を乗算しなくても可能ではあるが、極性符号を乗算することにより、代表出力ベクトルの探索範囲を正負対称な範囲まで拡大できる。つまり実質的に2倍の個数の代表出力ベクトルから探索することができるようになるため、ベクトル量子化により生じる歪みをより小さくすることができる。
Figure 0004830026
そして、計算されたNx個の第一距離尺度d_prex(j)は、候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部41に送られる。
同様に、第一距離尺度計算部2の距離計算部22は、コードブックY記憶部32に記憶されたNy個の各代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を計算する(ステップS12)。例えば、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)は、下記式(6)(7)のように定義することができる。
Figure 0004830026
そして、計算されたNy個の第一距離尺度d_prey(m)は、候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部42に送られる。
<ステップS2>
候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部41は、コードブックX記憶部31から、距離計算部21が計算した第一距離尺度d_prex(j)を用いて、予め定められた数Npx個の代表出力ベクトルを選択する(ステップS21)。選択された代表出力ベクトルを、候補代表出力ベクトルと呼ぶ。
候補代表出力ベクトルについての情報として、小コードブックインデックスリストXs=(xs_0,xs_1,…,xs_Npx−1)と極性リストPxs=(p(xs_0),p(xs_1),…,p(xs_Npx−1))が、第二距離尺度計算部5と最小距離決定部7に送られる。ここで、xs_u(u=0,・・・,Npx−1)は、候補代表出力ベクトルを表すインデックスである。また、各候補代表出力ベクトルについての第一距離尺度のリストDxs=(Dxs_0,Dxs_1,…,Dxs_Npx−1)も、第二距離尺度計算部5に送られる。ここで、Dxs_u(u=0,…,Npx−1)は、インデックスxs_uで表される候補代表出力ベクトルについての第一距離尺度である。
候補代表出力ベクトルを選択する具体的な方法について説明をする。ここでは、2つの方法を例示するが、これら以外の方法によって候補代表出力ベクトルを選択してもよい。
*第一の方法*
小コードブックインデックス作成部41は、Nx個の代表出力ベクトルx_jを、第一距離尺度d_prex(j)小さい順に並び替えて、第一距離尺度d_prex(j)が小さい方から順にNpx個の代表出力ベクトルを候補代表出力ベクトルとして選択する。具体的には、図3に示す処理を行う。
min(0)、min(1)、・・・、min(Npx−1)は、Npx個のd_prex(j)が最終的に格納されるための領域であり、minidx(0)、minidx(1)、・・・、minidx(Npx−1)は、Npx個のd_prex(j)に対応する代表出力ベクトルx_jのインデックスjが最終的に格納されるための領域であるとする。
まず、パラメータkを0に設定する(ステップS211)。次に、min(k)にMAXVALを設定する(ステップS212)。MAXVALは、例えばle+20(=10^20)のようにd_prex(j)が一般的になりえない十分大きな数である。次に、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS213)。パラメータkがNpxに等しくなるまでステップS212とS213の処理を行う(ステップS214)。ステップS211−S214の処理は、min(0)、min(1)、・・・、min(Npx−1)にMAXVALを設定する処理である。なお、minidx(0)、minidx(1)、・・・、minidx(Npx−1)の初期値は何でもよいが例えばvoidとする。
次に、代表出力ベクトルx_jのインデックスjを0に設定する(ステップS215)。またパラメータkを0に設定する(ステップS216)。そして、min(k)の現在の値よりも現在のd_prex(j)が小であるか否かを判定する(ステップS217)。この判定結果が真であれば、ステップS218の処理を行い、偽であれば、ステップS2113の処理を行う。
ステップS217の判定結果が真である場合、パラメータkの現在の値に対応する領域min(k)に現在のd_prex(j)を格納し、パラメータkの現在の値に対応する領域minidx(k)に現在のd_prex(j)に対応する代表出力ベクトルx_jのインデックスjを格納する。この際、領域min(k+1)、min(k+2)、・・・、min(Npx−1)に、領域min(k)、min(k+1)、・・・、min(Npx−2)の現在の値を格納する。つまり、n番目の領域min(n)にn−1番目の領域min(n−1)の現在の値が格納される。同様に、領域minidx(k+1)、minidx(k+2)、・・・、minidx(Npx−1)に、領域minidx(k)、minidx(k+1)、・・・、minidx(Npx−2)の現在の値を格納する。つまり、n番目の領域minidx(n)にn−1番目の領域minidx(n−1)の現在の値が格納される。
この処理はステップS218−S2112で達成される。まず、パラメータnにNpx−1を設定する(ステップS218)。次に、パラメータnの現在の値がパラメータkの現在の値に等しいか否かを判定する(ステップS219)。ステップS219の判定結果が偽であれば、ステップS2110の処理を行う。つまり、n番目の領域min(n)にn−1番目の領域min(n−1)の現在の値を格納し、n番目の領域minidx(n)にn−1番目の領域minidx(n−1)の現在の値を格納する(ステップS2110)。次に、現在のパラメータnの値から1を引く(ステップS2111)。そして、再びステップS219の処理が行われる。ステップS219の判定結果が真であれば、ステップS2112の処理を行う。つまり、n番目の領域min(n)に現在のd_prex(j)を格納し、n番目の領域minidx(n)に現在のd_prex(j)に対応する代表出力ベクトルx_jのインデックスjを格納する(ステップS2112)。ステップS2112の処理の後にステップS2115の処理が実行される。
ステップS217の判定結果が偽である場合、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS2113)。パラメータkがNpxに等しいか否かを判定する(ステップS2114)。パラメータkがNpxに等しくない場合、ステップS217の処理に戻る。パラメータkがNpxに等しい場合、ステップS2115の処理を行う。
パラメータjの現在の値に1を加える(ステップS2115)。パラメータjがNxに等しいか否かを判定する(ステップS2116)。パラメータjがNxに等しくない場合、ステップS216の処理に戻る。パラメータjがNxに等しい場合、ステップS2117の処理を行う。
ステップS2117以降の処理は、候補代表出力ベクトルのインデックスxs_kとこのベクトルに対応する第一距離尺度Dxs_kを出力する処理である。まず、パラメータkを0にリセットする(ステップS2117)。次に、k番目のxs_kにminidx(k)を代入し、k番目のDxs_kにmin(k)を代入する(ステップS2118)。そして、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS2119)。パラメータkがNpxに等しいか否かを判定する(ステップS2120)。パラメータkがNpxに等しくない場合、ステップS2118の処理に戻る。パラメータkがNpxに等しい場合、処理を終了する。
*第二の方法*
図4を参照して、候補代表出力ベクトルを選択するための第二の方法について説明をする。小コードブックインデックス作成部41は、Nx個の代表出力ベクトルx_jを、Nx/Npx個ずつまとめてNpx個のグループを生成する。そして、各グループごとに第一距離尺度d_prex(j)が最も小さい代表出力ベクトルx_jを選択することにより、Npx個の代表出力ベクトルを候補代表出力ベクトルとして選択する。具体的には、図5に例示する処理を行う。
min(0)、min(1)、・・・、min(Npx−1)は、Npx個のd_prex(j)が最終的に格納されるための領域であり、minidx(0)、minidx(1)、・・・、minidx(Npx−1)は、Npx個のd_prex(j)に対応する代表出力ベクトルx_jのインデックスjが最終的に格納されるための領域であるとする。なお、minidx(0)、minidx(1)、・・・、minidx(Npx−1)の初期値は何でもよいが例えばvoidとする。
まず、値NsubにNx/Npxをセットする(ステップS211a)。次に、パラメータkを0に設定する(ステップS212a)。パラメータkは何番目のグループであるかを表すインデックスである。次に、パラメータjを0に設定する(ステップS213a)。パラメータjは、グループ内で先頭から何番目の代表出力ベクトルであるかを表すインデックスである。そして、値minにMAXVALを設定する(ステップS214a)。MAXVALは、例えばle+20(=10^20)のようにd_prex(j)が一般的になりえない十分大きな数である。
次に、現在のパラメータkとjを用いて、パラメータidxにNsub*k+jを代入する(ステップS215a)。記号*は掛け算を表す。パラメータidxは、コードブックX内で先頭から何番目の代表出力ベクトルであるかを表すインデックスである。そして、現在のminがd_prex(idx)よりも大きいか否かを判定する(ステップS216a)。この判定結果が偽であれば、ステップS218aの処理を行う。この判定結果が真であれば、minの値を現在のd_prex(idx)に書き換え、minidx(k)の値を現在のidxに書き換える(ステップS217a)。そして、パラメータjの現在の値に1を加える(ステップS218a)。パラメータjがNsubに等しくなるまでステップS215a−S218aの処理を行う(ステップS219a)。ステップS219aで、jがNsubに等しいと判定されたら、min(k)に現在のminを格納する(ステップS220a)。この処理で、k番目のグループで最小の第一距離尺度min(k)とそれを与える代表出力ベクトル(候補代表出力ベクトル)のインデックスminidx(k)が決定された。
次に、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS221a)。パラメータkがNpxに等しくなるまでステップS213a−S221aの処理を行う(ステップS222a)。パラメータkがNpxに等しくなったとき、全てのグループk=0,・・・,Npx−1について、最小の第一距離尺度min(k)とそれを与える代表出力ベクトル(候補代表出力ベクトル)のインデックスminidx(k)が決定された。
ステップS223a以降の処理は、候補代表出力ベクトルのインデックスxs_kとこのベクトルに対応する第一距離尺度Dxs_kを出力する処理である。まず、パラメータkを0にリセットする(ステップS223a)。次に、k番目のxs_kにminidx(k)を代入し、k番目のDxs_kにmin(k)を代入する(ステップS224a)。そして、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS225a)。パラメータkがNpxに等しいか否かを判定する(ステップS226a)。パラメータkがNpxに等しくない場合、ステップS224aの処理に戻る。パラメータkがNpxに等しい場合、処理を終了する。
この第二の方法により候補代表出力ベクトルを選択する場合には、Nsub=Nx/Npxが整数になるように、換言すればNxがNpxで割り切れるように、NxとNpxを予め設定しておく。
なお、この例では、すべてのグループがNpx個の代表出力ベクトルから構成されているが、各グループに含まれる代表出力ベクトルの数がグループごとに異なっていてもよい。
候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部42は、コードブックY記憶部32から、距離計算部22が計算した第一距離尺度d_prey(m)を用いて、予め定められた数Npy個の代表出力ベクトルを選択する(ステップS22)。代表出力ベクトルの選択の方法は、上記説明した小コードブックインデックス作成部41の選択の方法と同様であるため説明を省略する。
選択された代表出力ベクトルである候補代表出力ベクトルについての情報は、第二距離尺度計算部5に送られる。具体的には、小コードブックインデックスリストYs=(ys_0,ys_1,…,ys_Npy−1)と極性リストPys=(p(ys_0),p(ys_1),…,p(ys_Npy−1))が第二距離尺度計算部5と最小距離決定部7に送られる。ここで、ys_v(v=0,…,Npy−1)は、候補代表出力ベクトルを表すインデックスである。また、各候補代表出力ベクトルについての第一距離尺度のリストDys=(Dys_0,Dys_1,…,Dys_Npy−1)が、第二距離尺度計算部5に送られる。ここで、Dys_v(v=0,…,Npy−1)は、インデックスys_vで表される候補代表出力ベクトルについての第一距離尺度である。
<ステップS3>
クロステーブル記憶部6には、異なる2つのコードブック記憶部からそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表ベクトルのペアについてそれぞれ予め計算されて、記憶されている。クロステーブル記憶部に記憶された代表出力ベクトルのペアについてのクロス項の値の集合をクロステーブルと呼ぶ。クロステーブルはクロステーブル記憶部に記憶されている。
この例では、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jと,コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mとのすべてのペアについて、下記式(8)により内積で定義されるクロス項の値が予め計算されて記憶されている。
Figure 0004830026
第二距離尺度計算部5は、各コードブック記憶部(この例では、コードブックX記憶部31,コードブックY記憶部32)からそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する。計算された第二距離尺度は、最小距離決定部7に送られる。
ここで、ある代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、その代表出力ベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標である。例えば、代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)は下記式(9)のように、上記式(5)(7)に示したそのベクトルの組を構成する各代表出力ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、上記式(4)(6)に示したそれぞれの第一距離尺度に対応する極性符号と、上記式(8)に示したそのベクトルの組を構成する代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項と、を用いて定義することができる。
Figure 0004830026
したがって、第二距離尺度計算部5は、小コードブックインデックスリストXs中の各xs_uと小コードブックインデックスリストYs中の各ys_vとのすべてのペアについて、下記式(10)に基づいて第二距離尺度d(u,v)をそれぞれ計算する(ステップS32)。
Figure 0004830026
その際、第二距離尺度計算部5のクロス項参照手段5aが、クロス項cross(xs_u,ys_v)の値を、クロステーブル記憶部6に記憶された対応する候補代表出力ベクトルのペア(xs_u,ys_v)のクロス項の値を参照して取得する(ステップS31)。
なお、上記式(9)(10)においてクロス項を2倍にして加算しているが、上記式(8)で右辺を予め2倍しておき、上記式(9)(10)では2倍せずに加算するように構成しても構わない。
<ステップS4>
最小距離決定部7は、第二距離尺度計算部5が計算した第二距離尺度d(u,v)を最小にする候補代表出力ベクトルの組のインデックス(xs_u,ys_v)を選択して、このインデックスとこのxs_u,ys_vで特定される候補代表出力ベクトルに対応する極性符号の組(p(xs_u),p(ys_v))を出力する。第二距離尺度d(u,v)を最小にする候補代表出力ベクトルの組(xs_u,ys_v)を選択する処理を図6に例示する。
minには最終的に最小の第二距離尺度が格納される。xには、最終的に、最小の第二距離尺度を与える候補代表出力ベクトルの組に含まれる候補代表出力ベクトルx_jのインデックスが格納される。yには、最終的に、最小の第二距離尺度を与える候補代表出力ベクトルの組に含まれる候補代表出力ベクトルy_mのインデックスが格納される。
まず、minにMAXVALを設定する(ステップS41)。MAXVALは、例えばle+20(=10^20)のようにd_prex(j)が一般的になりえない十分大きな数である。次に、パラメータkを0に設定する(ステップS42)。次に、パラメータvを初期値0に設定する(ステップS43)。
そして、現在のminがd(k,v)よりも大きいか否かを判定する(ステップS44)。この判定結果が偽であれば、ステップS46の処理を行う。この判定結果が真であれば、minの値を現在のd(k,v)に書き換え、xを現在のパラメータkで特定されるxs_kに書き換え、yを現在のパラメータvで特定されるys_vに書き換える(ステップS45)。そして、パラメータvの現在の値に1を加える(ステップS46)。パラメータvがNpyに等しくなるまでステップS44−S46の処理を行う(ステップS47)。ステップS47で、vがNpyに等しいと判定されたら、パラメータkの現在の値に1を加える(ステップS48)。パラメータkがNpxに等しくなるまでステップS43−S48の処理を行う(ステップS49)。ステップS49で、kがNpxに等しいと判定されたら、処理を終了する。
このように、クロステーブル記憶部6にクロス項の値を予め計算して記憶しておけば、クロステーブル記憶部6を参照するだけでクロス項の値を取得することができる。このため、クロス項の値を再度計算する必要がなくなるため、演算量を少なくすることができ、高速に演算を行うことが可能となる。
なお、p(j)とp(m)は共に+1か−1のいずれかの値しかとらないため、極性クロス項pcross(j、m)=p(j)・p(m)を定義し、p(j)とp(m)のそれぞれの値による4つの組み合わせについてpcross(j、m)を予め計算して極性クロステーブル記憶部8に記憶しておき、上記式(10)の計算の際にp(j)とp(m)の組み合わせに対応するpcross(j、m)を極性クロステーブル記憶部8から読み出すように構成することができる。このように構成することで、下記式(11)に示すようにp(j)・p(m)の乗算を省くことができるため、更なる演算量の低減を図ることができる。
Figure 0004830026
[第二実施例]
図7を参照して、第二実施例による極性付多重ベクトル量子化装置101について説明をする。図7は、極性付多重ベクトル量子化装置101の機能構成を例示する図である。
第二実施例による極性付多重ベクトル量子化装置101は、第一距離尺度計算部2が第一距離尺度を計算する際に、第一距離尺度の定義式の中の入力ベクトルuに関係なく計算することができる部分である二乗和(パワー項ともいう。)をパワーテーブル記憶部81,82を参照して取得する点で、第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置100とは異なる。以下では、第一実施例と異なる部分である距離計算部211,221、パワーテーブル記憶部81,82を中心に説明する。他の点については、第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置と同様であるため説明を省略する。
パワーテーブル記憶部81には、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jの要素の二乗和がそれぞれ予め計算されて記憶されている。具体的には、下記式(12)により定義される二乗和powx(j)(j=0,1,…,Nx−1)がそれぞれ計算されて記憶される。パワーテーブル記憶部に記憶された代表出力ベクトルの要素の二乗和の集合をパワーテーブルと呼ぶ。パワーテーブルはパワーテーブル記憶部に記憶されている。
Figure 0004830026
同様に、パワーテーブル記憶部82には、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mの要素の二乗和がそれぞれ予め計算されて記憶されている。具体的には、下記式(13)により定義される二乗和powy(m)(m=0,1,…,Ny−1)がそれぞれ計算されて記憶される。
Figure 0004830026
第一距離尺度計算部2の距離計算部211は、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、下記式(14)により計算する。その際、距離計算部211の二乗和参照手段211aが、パワーテーブル記憶部81を参照して二乗和powx(j)の値を取得する。距離計算部211は、計算して求まったΣi=0 D−1(−4u(i)・x(i,j)・p(j))と、二乗和参照手段211aが参照して取得したpowx(j)とを加算することにより、第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
Figure 0004830026
同様に、第一距離尺度計算部2の距離計算部221は、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、下記式(15)により計算する。その際、距離計算部221の二乗和参照手段221aが、パワーテーブル記憶部82を参照して二乗和powy(m)の値を取得する。距離計算部221は、計算して求まったΣi=0 D−1(−4u(i)・y(i,m)・p(m))と、二乗和参照手段221aが参照して取得した二乗和powy(m)とを加算することにより、第一距離尺度d_prey(m)を計算する。
Figure 0004830026
このように、第一距離尺度の定義式の中の入力ベクトルuとは無関係に、代表出力ベクトルのみから計算することができる部分の値を予め計算してパワーテーブル記憶部81,82に記憶しておくことで、パワーテーブル記憶部81,82を参照するだけでその部分の値を取得することができる。このため、二乗和を再度計算する必要がなくなり、演算量をさらに削減することができる。
なお、パワーテーブル記憶部81,82は分かれていなくてもよい。すなわち、二乗和powx(j)と二乗和powy(m)とを図示していない同じパワーテーブル記憶部に記憶しておき、各二乗和参照手段211a,221aが、この同じパワーテーブル記憶部を参照して二乗和powx(j),powy(m)を取得してもよい。
[第三実施例]
上記各実施例では、クロステーブル記憶部が設けられ、第二距離尺度計算部はクロステーブル記憶部を参照してクロス項の値を取得することにより第二距離尺度を計算していた。しかし、クロステーブル記憶部が設けられていなくても、パワーテーブル記憶部が設けられていれば、演算量を削減するという本発明の効果を得ることができる。そこで、第三実施例による極性付多重ベクトル量子化装置102は、クロステーブル記憶部を設けない代わりにパワーテーブル記憶部を設ける構成としたものであり、第二実施例の極性付多重ベクトル量子化装置101からクロステーブル記憶部6を削除した構成にあたる。そこで、構成が共通する部分については同じ符号を付けて説明を省略する。
図8を参照して第三実施例による極性付多重ベクトル量子化装置102について説明をする。図8は、極性付多重ベクトル量子化装置102の機能構成を例示する図である。
極性付多重ベクトル量子化装置102は、クロステーブル記憶部を有しない。したがって、第二距離尺度計算部51は、クロス項の値を上記式(8)を用いて自ら計算して求めることにより第二距離尺度を計算する。
一方、パワーテーブル記憶部81,82には、各コードブック記憶部(コードブックX記憶部31,コードブックY記憶部32)に記憶された各代表出力ベクトルの要素の二乗和の値がそれぞれ予め計算されて、記憶されている。そして、第一距離尺度計算部2の距離計算部211、221は、第二実施例と同様に、パワーテーブル記憶部81,82を参照して代表出力ベクトルの要素の二乗和を取得することにより、第一距離尺度を計算する。つまり、距離計算部211、221は、代表出力ベクトルの要素の二乗和を再度計算する必要はない。このため、第三実施例の極性付多重ベクトル量子化装置102も演算量を削減することができ、高速に演算を行うことができるという有利な効果を奏する。
[第四実施例]
本発明における極性付多重ベクトル量子化装置への入力サンプルは任意のサンプルであり、例えば時間領域のサンプルや周波数領域の係数を用いることができる。そして、時間領域のサンプルや周波数領域の係数を用いる場合、上記参考文献1に記載されるように、領域の範囲に応じてサンプルや係数に重み係数を乗ずることで強弱をつけることができれば、重み係数を乗じずにベクトル量子化を行う場合に比べて、特に音声信号のように周波数領域のパワーの偏りの大きいときに、量子化雑音耐性の向上などの効果を期待できる。そこで第四実施例では、第一実施例の構成を基礎として、重み付け処理を可能とする構成を明らかにする。
図9〜11を参照して本発明の第四実施例による極性付多重ベクトル量子化装置103について説明する。図9は、極性付多重ベクトル量子化装置103の機能構成を例示する図である。図10は、極性付多重ベクトル量子化装置103の構成要素である入力ベクトル生成部9の機能構成を例示する図である。図11は、極性付多重ベクトル量子化装置103の処理例を示すフローチャートである。なお、第一実施例と構成や処理内容が共通する部分については同じ符号を付けて基本的には説明を省略する。
<ステップS5>
例えば周波数領域の入力信号の場合、ある周波数範囲(複数サンプル)ごとに重み付けを行った上で、単純にサンプル番号の若い方から一定数ずつ順次サンプルを切り出すことにより第一距離尺度計算部への入力ベクトルを構成することによっても、ある程度は雑音耐性の向上を図ることができる。しかし、このように信号サンプル番号の若い方から一定数ずつ順次サンプルを切り出して入力ベクトルを構成すると、重み付けの大きい周波数領域のサンプルを多く含む入力ベクトルに情報量が過度に集中し、この結果、距離尺度計算等の際に歪みが生じて量子化効率が悪くなる場合がある。そこで、第四実施例においては第一距離尺度計算部の前段に、以下に説明する入力ベクトル生成部9を配置し、そこで事前に、情報量が平準化された重み付きの入力ベクトルを生成して、これを第一距離尺度計算部以降の量子化処理(ステップS1以降の処理)に用いることで、処理における歪みの発生を抑制し、効率的な重み付き量子化処理を実現する。
入力ベクトル生成部9は、重み付け手段91とゲイン正規化手段92とインターリーブ手段93とを備える。
重み付け手段91は、入力端子1から入力された入力信号Iのサンプル数がD個のとき、n(=0、1、・・・、D−1)番目のサンプルの重み付き入力信号I(n)を、I(n)=I(n)・w(n)により求めて出力する(ステップS51)。ここで、I(n)は入力信号Iのn番目のサンプルの値であり、w(n)はn番目のサンプルに対する重みである。なお、重みw(n)には、入力信号Iから切り出される入力ベクトルuの個数がs個(ただしsは、1≦s<Dかつ(Dmod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuの次元数がD(=D/s)次元のとき、
i・D≦n<(i+1)・D ・・・(16)
の関係を満たすD個のサンプルごとに、同じ値W(>0、i=0、1、・・・、D−1)が割り当てられる。
例えば、D=36、s=6、D=6の場合、次のように割り当てられる。
Figure 0004830026
の具体的な値としては、サンプリング周波数を16kHzとする音声信号を二つのサブバンドに分割し、その高域側サブバンドの信号を5m sec.分ずつMDCTにより変換を行い得られる40点のMDCT係数のうち、低周波数側の36点を符号化する場合には、受聴実験の結果、W=1、W=1、W=4/3、W=5/3、W=2、W=1と設定した場合に音質が最も良好な復号音声を得ることができた。
ゲイン正規化手段92は、重み付き入力信号I(n)のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、下記式(18)(19)により求めて出力する(ステップS52)。なお、パワー平均値Gは別途符号化され、得られた符号列を復号側に向けて出力し、復号処理に用いる。
Figure 0004830026
また、式(19)において、正規化入力信号Iw,norm(n)を調整したい場合には、右辺に定数G(例えばG=1024など)を乗じたものを正規化入力信号Iw,norm(n)としてもよい。
インターリーブ手段93は、p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
(i)=Iw,norm(s・i+p) ・・・(20)
の関係式によって、正規化入力信号Iw,normからD個の要素をsサンプルごとに順次間引くことにより生成する(ステップS53)。このような抽出処理により、s個のいずれの入力ベクトルuもW〜WD−1の別々の重み付けがされたD個の要素により構成されることとなり、信号の正規化ともあいまって、ベクトルごとの情報量の平準化を図ることができる。
なお、上記式(16)においてnの範囲を、
−D(i+1)≦n<D−D・i ・・・(21)
とし、Wの値の割り当てを、
Figure 0004830026
のようにiの値とnの値との相関関係を反転させて、入力ベクトルuを、
(i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i) ・・・(23)
の関係式によって抽出するようにしても構わない。
<ステップS1>
第一距離尺度計算部2の距離計算部231は、コードブックX記憶部31に記憶されたNx個の各代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を計算する(ステップS11)。あるベクトルについての第一距離尺度とは、そのベクトルと入力ベクトルuとの距離を表す第一の指標である。例えば、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)は、そのベクトルと入力ベクトルuとの二乗距離を求める式を変形して、下記式(25)のように、その代表出力ベクトルx_jと入力ベクトルとの内積と、下記式(24)により定義されるその代表出力ベクトルの極性符号p(j)と、その代表出力ベクトルの要素の重みと、その代表出力ベクトルの要素の二乗和とを用いて定義することができる。ここで、u(i)・W・x(i,j)は極性符号p(j)を乗算することにより常に0以上の値をとることになるため、u(i)・W・x(i,j)・p(j)は、|u(i)・W・x(i,j)|と表記することが可能である。なお、距離尺度の計算は、第一実施例のところでも説明したように極性符号を乗算しなくても可能ではあるが、極性符号を乗算することにより、代表出力ベクトルの探索範囲を正負対称な範囲まで拡大できる。つまり実質的に2倍の個数の代表出力ベクトルから探索することができるようになるため、ベクトル量子化により生じる歪みをより小さくすることができる。
Figure 0004830026
そして、計算されたNx個の第一距離尺度d_prex(j)は、候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部41に送られる。
同様に、第一距離尺度計算部2の距離計算部241は、コードブックY記憶部32に記憶されたNy個の各代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を計算する(ステップS12)。例えば、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)は、下記式(26)(27)のように定義することができる。
Figure 0004830026
そして、計算されたNy個の第一距離尺度d_prey(m)は、候補代表出力ベクトル決定部4の小コードブックインデックス作成部42に送られる。
<ステップS3>
クロステーブル記憶部61には、異なる2つのコードブック記憶部からそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表ベクトルのペアについてそれぞれ予め計算されて記憶されている。クロステーブル記憶部に記憶された代表出力ベクトルのペアについてのクロス項の値の集合をクロステーブルと呼ぶ。クロステーブルはクロステーブル記憶部に対応している。この例では、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jと,コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mとのすべてのペアについて、下記式(28)により定義されるクロス項の値が予め計算されて記憶されている。なお、各コードブック記憶部に重み付けされた代表出力ベクトルW・x(i,j)、W・y(i,m)を記憶しておいてもよい。
Figure 0004830026
第二距離尺度計算部511は、各コードブック記憶部(この例では、コードブックX記憶部31,コードブックY記憶部32)からそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する。計算された第二距離尺度は、最小距離決定部7に送られる。ここで、あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標である。例えば、代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)は下記式(29)のように、上記式(25)(27)に示したそのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、上記式(24)(26)に示したそれぞれの第一距離尺度に対応する極性符号と、上記式(28)に示したそのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項と、を用いて定義することができる。
Figure 0004830026
したがって、第二距離尺度計算部511は、小コードブックインデックスリストXs中の各xs_uと小コードブックインデックスリストYs中の各ys_vとのすべてのペアについて、下記式(30)に基づいて第二距離尺度d(u,v)をそれぞれ計算する(ステップS32)。
Figure 0004830026
その際、第二距離尺度計算部511のクロス項参照手段511aが、クロス項cross(xs_u,ys_v)の値を、クロステーブル記憶部61に記憶された対応する候補代表出力ベクトルのペア(xs_u,ys_v)のクロス項の値を参照して取得する(ステップS31)。なお、上記式(29)(30)においてクロス項を2倍にして加算しているが、上記式(28)で右辺を予め2倍しておき、上記式(29)(30)では2倍せずに加算するように構成しても構わない。
このように、クロステーブル記憶部61にクロス項の値を予め計算して記憶しておけば、クロステーブル記憶部61を参照するだけでクロス項の値を取得することができる。このため、クロス項の値を再度計算する必要がなく演算量を少なくすることができるため、高速に演算を行うことが可能となる。
なお、第一実施例のところでも説明したように、p(j)とp(m)は共に+1か−1のいずれかの値しかとらないため、極性クロス項pcross(j、m)=p(j)・p(m)を定義し、p(j)とp(m)のそれぞれの値による4つの組み合わせについてpcross(j、m)を予め計算して極性クロステーブル記憶部8に記憶しておき、上記式(30)の計算の際にp(j)とp(m)の組み合わせに対応するpcross(j、m)を極性クロステーブル記憶部8から読み出すように構成することができる。このように構成することで、下記式(31)に示すようにp(j)・p(m)の乗算を省くことができるため、更なる演算量の低減を図ることができる。
Figure 0004830026
<復号化処理について>
第四(及び第五、第六)実施例においては、入力信号に重み付け手段91で重み付けを行い、続いてゲイン正規化手段92で正規化を行い、更にインターリーブ手段93で等間隔でサンプルを抽出することにより入力ベクトルを生成し、そのように生成した入力ベクトルに対しベクトル量子化処理を行っている。このため、復号側では出力信号を得るために、その逆の処理をする必要がある。具体的には、以下のような処理を行う(図17参照)。
極性付多重ベクトル逆量子化装置900は、入力端子901、代表出力ベクトル抽出部921、922、コードブックX記憶部931、コードブックY記憶部932、ベクトル合成部950、逆インターリーブ部952、ゲイン逆正規化部954、逆重み付け部956を含む。コードブックX記憶部931、コードブックY記憶部932は、極性付多重ベクトル量子化装置が持つコードブックX記憶部31、コードブックY記憶部32と同じである。
入力端子901に、p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuに対する代表出力ベクトルのインデックスCx_p、Cy_p、このベクトルに対応する極性符号Px_p、Py_p、パワー平均値の符号を別途復号して得られた値Gdが入力される。なお、Cx_pは最小距離決定部7が出力したxs_uに対応し、Cy_pは最小距離決定部7が出力したys_vに対応する。Px_pは最小距離決定部7が出力したp(xs_u)に対応し、Py_pは最小距離決定部7が出力したp(ys_v)に対応する。
代表出力ベクトル抽出部921は、コードブックX記憶部931から、代表出力ベクトルのインデックスCx_pで示される代表出力ベクトルx_(Cx_p)を取り出し、これを出力する。代表出力ベクトルx_(Cx_p)のi番目の成分をx(i,Cx_p)と表す。
代表出力ベクトル抽出部922は、コードブックY記憶部932から、代表出力ベクトルのインデックスCy_pで示される代表出力ベクトルy_(Cy_p)を取り出し、これを出力する。代表出力ベクトルy_(Cy_p)のi番目の成分をy(i,Cy_p)と表す。
ベクトル合成部950は、代表出力ベクトルx_(Cx_p)、y_(Cy_p)、極性符号Px_p、Py_pを用いて、式(31a)に従ってベクトルU(入力ベクトルuに相当する)を求める。
Figure 0004830026
逆インターリーブ部952は、s個のベクトルU(p=0,・・・,s−1)を逆インターリーブして、正規化信号を出力する。具体的には、逆インターリーブ部952は、式(31b)に従い、正規化信号Ow,norm(i)を出力する。
Figure 0004830026
ゲイン逆正規化部954は、正規化信号Ow,norm(i)にパワー平均値Gdを乗じることで、重み付き信号O(i)=GdOw,norm(i)を出力する。
逆重み付け部956は、重み付き信号O(i)を、極性付多重ベクトル量子化装置で用いられた重みW(式(16a)参照)で除することによって、信号O(入力信号Iに相当する)を出力する。具体的には、ベクトルUの次元数がDのとき、式(16)を満たすnについて、逆重み付け部956は、O(n)=O(n)/Wを出力する。
[第五実施例]
図12を参照して、第五実施例による極性付多重ベクトル量子化装置104について説明をする。図12は、極性付多重ベクトル量子化装置104の機能構成を例示する図である。
第五実施例による極性付多重ベクトル量子化装置104は、第一距離尺度計算部2が第一距離尺度を計算する際に、第一距離尺度の定義式の中の入力ベクトルuに関係なく計算することができる部分である二乗和(パワー項ともいう。)をパワーテーブル記憶部811,821を参照して取得する点で、第四実施例による極性付多重ベクトル量子化装置103とは異なる。以下では、第四実施例と異なる部分である距離計算部251,261、パワーテーブル記憶部811,821を中心に説明する。他の点については、第四実施例による極性付多重ベクトル量子化装置と同様であるため説明を省略する。
パワーテーブル記憶部811には、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め計算されて記憶されている。具体的には、下記式(32)により定義される重み付き二乗和powx(j)(j=0,1,…,Nx−1)がそれぞれ計算されて記憶される。ここでは、パワーテーブル記憶部に記憶された代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和の集合をパワーテーブルと呼ぶ。パワーテーブルはパワーテーブル記憶部に対応している。
Figure 0004830026
同様に、パワーテーブル記憶部821には、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め計算されて記憶されている。具体的には、下記式(33)により定義される重み付き二乗和powy(m)(m=0,1,…,Ny−1)がそれぞれ計算されて記憶される。
Figure 0004830026
第一距離尺度計算部2の距離計算部251は、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、下記式(34)により計算する。その際、距離計算部251の二乗和参照手段251aが、パワーテーブル記憶部811を参照して重み付き二乗和powx(j)の値を取得する。距離計算部251は、計算して求まったΣi=0 D−1(−4u(i)・W・x(i,j)・p(j))と、二乗和参照手段251aが参照して取得した重み付き二乗和powx(j)とを加算することにより、第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
Figure 0004830026
同様に、第一距離尺度計算部2の距離計算部261は、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、下記式(35)により計算する。その際、距離計算部261の二乗和参照手段261aが、パワーテーブル記憶部821を参照して重み付き二乗和powy(m)の値を取得する。距離計算部261は、計算して求まったΣi=0 D−1(−4u(i)・W・y(i,m)・p(m))と、二乗和参照手段261aが参照して取得した重み付き二乗和powy(m)とを加算することにより、第一距離尺度d_prey(m)を計算する。
Figure 0004830026
このように、第一距離尺度の定義式の中の入力ベクトルuとは無関係に、代表出力ベクトルのみから計算することができる部分の値を予め計算してパワーテーブル記憶部811,821に記憶しておくことで、パワーテーブル記憶部811,821を参照するだけでその部分の値を取得することができる。このため、重み付き二乗和を再度計算する必要がなくなり、演算量をさらに削減することができる。
なお、パワーテーブル記憶部811,821は分かれていなくてもよい。すなわち、重み付き二乗和powx(j)と重み付き二乗和powy(m)とを図示していない同じパワーテーブル記憶部に記憶しておき、各二乗和参照手段251a,261aが、この同じパワーテーブル記憶部を参照して重み付き二乗和powx(j),powy(m)を取得してもよい。
[第六実施例]
第四、第五実施例では、クロステーブル記憶部が設けられ、第二距離尺度計算部はクロステーブル記憶部を参照してクロス項の値を取得することにより第二距離尺度を計算していた。しかし、クロステーブル記憶部が設けられていなくても、パワーテーブル記憶部が設けられていれば、演算量を削減するという本発明の効果を得ることができる。そこで、第六実施例による極性付多重ベクトル量子化装置105は、クロステーブル記憶部を設けない代わりにパワーテーブル記憶部を設ける構成としたものであり、第五実施例の極性付多重ベクトル量子化装置104からクロステーブル記憶部61を削除した構成にあたる。従って、構成が共通する部分については同じ符号を付けて説明を省略する。
図13を参照して第六実施例による極性付多重ベクトル量子化装置105について説明をする。図13は、極性付多重ベクトル量子化装置105の機能構成を例示する図である。
極性付多重ベクトル量子化装置105は、クロステーブル記憶部を有しない。したがって、第二距離尺度計算部521は、クロス項の値を上記式(28)を用いて自ら計算して求めることにより第二距離尺度を計算する。
一方、パワーテーブル記憶部811,821には、各コードブック記憶部(コードブックX記憶部31,コードブック記憶部32)に記憶された各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和の値がそれぞれ予め計算されて、記憶されている。そして、第一距離尺度計算部2の距離計算部251、261は、第五実施例と同様に、パワーテーブル記憶部811,821を参照して代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を取得することにより、第一距離尺度を計算する。つまり、距離計算部251、261は、代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を再度計算する必要はない。そのため、第六実施例の極性付多重ベクトル量子化装置105も演算量を削減することができ、高速に演算を行うことができるという有利な効果を奏する。
[第七実施例]
第七実施例による極性付多重ベクトル量子化装置106は、入力される度ごとに次元数Lが次元数Dと必ずしも一致しない入力ベクトルuを多重ベクトル量子化するものである。すなわち、この例では、入力ベクトルuの次元数Lは、代表出力ベクトルx_j,y_mの次元数Dとは必ずしも一致しない。ただし、入力ベクトルuの次元数Lは、代表出力ベクトルx_j,y_mの次元数D以下であるとする。
以下、図15を参照して、第七実施例による極性付多重ベクトル量子化装置106を説明する。第一実施例による極性付多重ベクトル量子化装置100と同じ部分については同じ符号を付けて重複説明を省略する。
第一距離尺度計算部2の距離計算部212は、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、入力ベクトルuの次元数(長さ)の範囲で求める。具体的には、下記式(37)に基づいて第一距離尺度d_prex(j)を求める。
Figure 0004830026
ここで、L次元以上(この例ではD次元)のベクトルからL個の成分を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとすれば、上記式(37)の計算は、各代表出力ベクトルx_jに対応する第一縮小ベクトルについての第一距離尺度d_prex(j)と考えることができる。
同様に、第一距離尺度計算部2の距離計算部222は、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、入力ベクトルuの次元数(長さ)の範囲で求める。具体的には、下記式(39)に基づいて第一距離尺度d_prey(m)を求める。
Figure 0004830026
上記式(39)の計算は、各代表出力ベクトルy_mの第一縮小ベクトルの第一距離尺度d_prey(m)と考えることができる。
小コードブックインデックス作成部41は、距離計算部212が計算した第一距離尺度d_prex(j)を小さくするNpx個の候補代表出力ベクトルを選択する。同様に、小コードブックインデックス作成部42は、距離計算部222が計算した第一距離尺度d_prey(m)を小さくするNpy個の候補代表出力ベクトルを選択する。候補代表出力ベクトル選択の仕方及びその他の小コードブックインデックス作成部41,42の処理は、第一実施例と同様である。
クロステーブル記憶部61には、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jと、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mのすべての組み合わせについて、Kcの次元数(長さ)の範囲で、下記式(40)により定義されるクロス項cross(j,m)の値が予め計算されて、記憶されている。ここで、KcはD以下の任意の自然数である。例えばKcを入力ベクトルuの次元数Lのうち最も使用される頻度が高い次元数とすると、演算量を少なくすることができる。
Figure 0004830026
L次元以上(この例ではD次元)のベクトルからKc個の成分を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとすれば、クロステーブル記憶部61には、異なる2つのコードブック記憶部(この例では、コードブックX記憶部31,コードブックY記憶部32)からそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてのクロス項の値が、複数の異なる第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め計算されて、記憶されているといえる。ここで、代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアとは、各代表出力ベクトルにそれぞれ対応する第二縮小ベクトルから構成されるベクトルである。
第二距離尺度計算部51は、各コードブック記憶部からそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組(xs_u,ys_v)に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(u,v)を、小コードインデックスリストXs中の各xs_uと小コードブックインデックスリストYs中の各ys_vとのすべてのペアについて計算する。代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組とは、各代表出力ベクトルにそれぞれ対応する第一縮小ベクトルから構成される組のことである。
以下、KcとLの大小関係によって処理が異なるため場合分けをする。
(A)Kc=Lの場合
Kc=Lの場合、第二距離尺度計算部51は下記式(41)に基づいて、第二距離尺度d(u,v)を計算する。その際、クロス項参照部5aは、クロス項cross(xs_u,ys_v)の値を、クロステーブル記憶部61を参照して取得する。
Figure 0004830026
(B)Kc>Lの場合
Kc>Lの場合、第二距離尺度計算部51は下記式(42)に基づいて、第二距離尺度d(u,v)を計算する。Kc>Lであるため、クロステーブル記憶部61に記憶されたクロス項には余計に加算された次元の成分があるため減算する必要がある。
Figure 0004830026
上記式(42)により定義される第二距離尺度d(u,v)の値は、第二距離尺度計算部51のクロス項参照部5a、クロス項差分計算部5b、第一加算部5cによって計算される。クロス項参照部5aが、クロス項cross(xs_u,ys_v)の値をクロステーブル記憶部61を参照して取得する。クロス項差分計算部5bは、候補代表出力ベクトルのペアに対応するKc次元の第二縮小ベクトルのペアについての内積、つまりクロステーブル記憶部61に記憶されたクロス項と、候補代表出力ベクトルのペアに対応するL次元の第一縮小ベクトルのペアについての内積との差分(この場合、−2・Σi=L kc−1x(i,xs_u)・y(i,ys_v))の値を計算する。第一加算部5cは、上記式(42)の各項の値を加算することにより第二距離尺度d(u,v)を計算する。
(C)Kc<Lの場合
Kc<Lの場合、第二距離尺度計算部51は下記式(43)に基づいて、第二距離尺度d(u,v)を計算する。Kc<Lであるため、クロステーブル記憶部61に記憶されたクロス項には含まれない次元の成分があるため加算する必要がある。
Figure 0004830026
上記式(43)により定義される第二距離尺度d(u,v)の値は、第二距離尺度計算部51のクロス項参照部5a、クロス項差分計算部5b、第一加算部5cによって計算される。クロス項参照部5aが、クロステーブル記憶部61を参照して、クロス項cross(xs_u,ys_v)の値を取得する。クロス項差分計算部5bは、候補代表出力ベクトルのペアに対応するKc次元の第二縮小ベクトルのペアについての内積、つまりクロステーブル記憶部61に記憶されたクロス項と、候補代表出力ベクトルのペアに対応するL次元の第一縮小ベクトルのペアについての内積との差分(この場合、+2・Σi=L Kc−1x(i,xs_u)・y(i,ys_v))の値を計算する。第一加算部5cは、上記式(43)の各項の値を加算することにより第二距離尺度d(u,v)を計算する。
なお、第二距離尺度計算部51が、上記式(43)の右辺の第一項から第三項の値を加算して、第一加算部5cがクロス項差分計算部5bが計算した差分の値を、その加算の値に加算又は減算することにより、第二距離尺度d(u,v)を計算してもよい。減算をする場合には、クロス項差分計算部5bは差分の絶対値を計算する。
なお、第二距離尺度計算部51の第二加算部5dが、クロス項参照部5aが取得したクロス項cross(xs_u,ys_v)の値と、クロス項差分計算部5bが計算した差分の値とを加算することにより、候補代表出力ベクトルのペア(xs_u,ys_v)に対応する第一縮小ベクトルのペアについてのクロス項の値を求めてもよい。この場合、第一加算部5cが、第二加算部5dが求めたこのクロス項の値と、第一距離尺度Dxs_uと、第一距離尺度Dys_vとを加算することにより、第二距離尺度d(u,v)を求める。
このように、入力ベクトルuの次元数が可変であっても多重ベクトル量子化の処理が可能である。
[第八実施例]
第八実施例による極性付多重ベクトル量子化装置107は、第一距離尺度計算部2が第一距離尺度を計算する際に、第一距離尺度の定義式中の入力ベクトルuとは無関係に計算することができる部分である二乗和をパワーテーブル記憶部83,84を参照して取得する点で、第七実施例による極性付多重ベクトル量子化装置106と異なる。
以下、図16を参照して、第八実施例による極性付多重ベクトル量子化装置107を説明する。図16は、第八実施例による極性付多重ベクトル量子化装置107の機能構成を例示する図である。第七実施例による極性付多重ベクトル量子化装置106と同じ部分については、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
パワーテーブル記憶部83には、下記式(44)により定まる二乗和powx(j)が、各j(j=0,…,Nx−1)についてそれぞれ計算されて記憶されている。すなわち、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jに対応するKc次元の第二縮小ベクトルの成分の二乗和の値がそれぞれ予め計算されて、記憶されている。
Figure 0004830026
同様に、パワーテーブル記憶部84には、下記式(45)により定まる二乗和powy(m)が、各m(m=0,…,Ny−1)についてそれぞれ計算されて記憶されている。すなわち、コードブック記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mに対応するKc次元の第二縮小ベクトルの成分の二乗和の値がそれぞれ予め計算されて、記憶されている。
Figure 0004830026
距離計算部212は、コードブックX記憶部31に記憶された各代表出力ベクトルx_jに対応する第一縮小ベクトルについての第一距離尺度d_prex(j)をそれぞれ計算する。KcとLの大小関係によって処理が異なるため場合分けをする。
(A)Kc=L
Kc=Lの場合には、距離計算部212は下記式(46)に基づいて、第一距離尺度d_prex(j)の値を計算する。その際、二乗和参照部212aが、パワーテーブル記憶部83を参照して二乗和powx(j)の値を取得する。
Figure 0004830026
(B)Kc>L
Kc>Lの場合には、距離計算部212は下記式(47)に基づいて、第一距離尺度d_prex(j)の値を計算する。Kc>Lであるため、powx(j)に余計に加算された次元の成分があるため減算する必要がある。
Figure 0004830026
距離計算部212の二乗和参照部212aは、パワーテーブル記憶部83を参照して二乗和powx(j)の値を取得する。二乗和差分計算部212bは、代表出力ベクトルについての第一縮小ベクトルの成分の二乗和と、その代表出力ベクトルについての第二縮小ベクトルの成分の二乗和の差分(この例では、−Σi=L Kc−1(x(i,j)))を計算する。加算部212cは、上記式(47)の各項の値を加算することにより第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
(C)Kc<L
Kc<Lの場合には、距離計算部212は下記式(48)に基づいて、第一距離尺度d_prex(j)の値を計算する。Kc<Lであるため、パワーテーブル記憶部83に記憶された二乗和に含まれない次元の成分があるため加算する必要がある。
Figure 0004830026
距離計算部212の二乗和参照部212aは、パワーテーブル記憶部83を参照して二乗和powx(j)の値を取得する。二乗和差分計算部212bは、代表出力ベクトルについての第一縮小ベクトルの成分の二乗和と、その代表出力ベクトルについての第二縮小ベクトルの成分の二乗和の差分(この例では、+Σi=Kc L−1(x(i,j)))を計算する。加算部212cは、上記式(48)の各項の値を加算することにより第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
なお、距離計算部212が、上記式(47)(48)の右辺の第一項、第二項の値を加算して、加算部5cが二乗和差分計算部212bが計算した差分の値を、その加算の値に加算又は減算することにより、第一距離尺度d_prex(j)を計算してもよい。減算をする場合には、二乗和差分計算部212bは差分の絶対値を計算する。
なお、距離計算部212の第二加算部212dが、二乗和参照部212aが取得した二乗和powx(j)の値と、二乗和差分計算部212bが計算した差分の値とを加算することにより、代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)に対応する第一縮小ベクトルのペアについての二乗和の値を求めてもよい。この場合、加算部212cが、第二加算部212dが求めた二乗和の値と、上記式(47)(48)の右辺の第一項の値とを加算することにより、第一距離尺度d_prex(j)を求める。
距離計算部222は、距離計算部212と同様に、コードブックY記憶部32に記憶された各代表出力ベクトルy_mに対応する第一縮小ベクトルについての第一距離尺度d_prey(m)をそれぞれ計算する。距離計算部212と同様に、KcとLの大小関係によって処理が異なる。
(A)Kc=Lの場合には、下記式(49)に基づいて第一距離尺度d_prey(m)を計算し、
Figure 0004830026
(B)Kc>Lの場合には、下記式(50)に基づいて第一距離尺度d_prey(m)を計算し、
Figure 0004830026
(C)Kc<Lの場合には、下記式(51)に基づいて第一距離尺度d_prey(m)を計算する以外は、距離計算部222の処理は距離計算部212の処理と同様であるため重複説明を省略する。
Figure 0004830026
[第九実施例]
第七実施例においては、第一縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が小さいL個の成分(具体的にはi=0,…,L−1の成分)を抽出したベクトルであり、第二縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が小さいKc個の成分(具体的にはi=0,…,Kc−1の成分)を抽出したベクトルであった。第九実施例においては、第一縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が大きいL個の成分(具体的にはi=D−L,…,D−1の成分)を抽出したベクトルであり、第二縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が大きいKc個の成分(具体的にはi=D−Kc,…,D−1の成分)を抽出したベクトルである。この点で、第九実施例は、第七実施例とは異なり、他の点については第七実施例と同様である。第七実施例との相違点は以下の通りである。
第一距離尺度計算部2の距離計算部212は、上記式(37)に代えて、下記式(52)に基づいて第一距離尺度を求める。
Figure 0004830026
第一距離尺度計算部2の距離計算部222は、上記式(39)に代えて、下記式(53)に基づいて第一距離尺度を求める。
Figure 0004830026
クロステーブル記憶部61には、上記式(40)に代えて、下記式(54)により定義される各クロス項cross(j,m)の値が予め計算されて、記憶されている。
Figure 0004830026
第二距離尺度計算部51は、Kc>Lの場合には、上記式(42)に代えて、下記式(55)により定義される第二距離尺度d(u,v)の値を求める。
Figure 0004830026
第二距離尺度計算部51は、Kc<Lの場合は、上記式(43)に代えて、下記式(56)により定義される第二距離尺度d(u,v)の値を求める。
Figure 0004830026
[第十実施例]
第八実施例においては、第一縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が小さいL個の成分(具体的にはi=0,…,L−1の成分)を抽出したベクトルであり、第二縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が小さいKc個の成分(具体的にはi=0,…,Kc−1の成分)を抽出したベクトルであった。第十実施例においては、第一縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が大きいL個の成分(具体的にはi=D−L,…,D−1の成分)を抽出したベクトルであり、第二縮小ベクトルはL次元以上(この例ではD次元)のベクトルの成分のうち要素番号が大きいKc個の成分(具体的にはi=D−Kc,…,D−1の成分)を抽出したベクトルである。この点で、第十実施例は、第八実施例とは異なり、他の点については第八実施例と同様である。第八実施例との相違点は以下の通りである。
パワーテーブル記憶部83には、上記式(44)に代えて、下記式(57)により定義される各二乗和powx(j)がそれぞれ予め計算されて記憶されている。
Figure 0004830026
パワーテーブル記憶部84には、上記式(45)に代えて、下記式(58)により定義される各二乗和powy(m)がそれぞれ予め計算されて記憶されている。
Figure 0004830026
距離計算部212は、Kc=Lの場合には、上記式(46)に代えて、下記式(59)により定義される第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
Figure 0004830026
距離計算部212は、Kc>Lの場合には、上記式(47)に代えて、下記式(60)により定義される第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
Figure 0004830026
距離計算部212は、Kc<Lの場合には、上記式(48)に代えて、下記式(61)により定義される第一距離尺度d_prex(j)を計算する。
Figure 0004830026
距離計算部222は、Kc=Lの場合には、上記式(49)に代えて、下記式(62)により定義される第一距離尺度d_prey(m)を計算する。
Figure 0004830026
距離計算部222は、Kc>Lの場合には、上記式(50)に代えて、下記式(63)により定義される第一距離尺度d_prey(m)を計算する。
Figure 0004830026
距離計算部222は、Kc<Lの場合には、上記式(51)に代えて、下記式(64)により定義される第一距離尺度d_prey(m)を計算する。
Figure 0004830026
[変形例等]
上記各実施例は何れも2つのコードブックを用いて多重ベクトル量子化を行っているが、2つのコードブックではなく3つ以上のコードブックに基づいて多重ベクトル量子化をしても良い。
第一実施例において、3つのコードブックに基づいて多重ベクトル量子化をする場合を例に挙げて説明をする。z(i,t)を図示していないコードブックZ記憶部の第t番目のベクトルz_tの第i番目の要素として、代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)についてのクロス項cross(j,m)、代表出力ベクトルのペア(y_m,z_t)についてのクロス項cross(m,t)及び代表出力ベクトルのペア(z_t,x_j)についてのクロス項cross(t,j)を、それぞれとする。
Figure 0004830026
また、d_prez(t)を代表出力ベクトルz_tについての第一距離尺度とすると、代表出力ベクトルx_j、代表出力ベクトルy_m及び代表出力ベクトルz_tから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m,t)は例えば下記式(66)のように定義される。
Figure 0004830026
ここで、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)及び代表出力ベクトルz_tについての第一距離尺度d_prez(t)は、例えば次のように定義される。
Figure 0004830026
この場合、各クロス項cross(j,m)(j=0,…,Nx−1、m=0,…,Ny−1),cross(m,t)(m=0,…,Ny−1、t=0,…,Nz−1),cross(t,j)(t=0,…,Nz−1、j=0,…,Nx−1)の値がそれぞれ予め計算されて、クロステーブル記憶部6に記憶されている。すなわち、異なる2つのコードブック記憶部からそれぞれ1つずつ選択した代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項cross(j,m),cross(m,t),cross(t,j)の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め計算されて、記憶されている。
第二距離尺度計算部5のクロス項参照手段5aは、クロステーブル記憶部6を参照して、クロス項cross(j,m),cross(m,t),cross(t,j)の値を取得する。そして、この取得したクロス項の値を用いて、各コードブック記憶部からそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組(xs_u,ys_v,zs_r)の平均ベクトルについての第二距離尺度d(xs_u,ys_v,zs_r)を計算する。zs_rは、コードブックZ記憶部から選択された候補代表出力ベクトルである。
このように、第一実施例におけるコードブックの数(コードブック記憶部の数)を3以上にすることができる。他の実施例についても同様である。
上述の各実施例の極性付多重ベクトル量子化装置の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
また、上述した実施形態とは別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接このプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。

Claims (34)

  1. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されており
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと、
    を含み、
    上記ステップa1)は、
    a11)代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得するステップと、
    a12)LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の差分の値を計算するステップと、
    a13)上記ステップa11)で得られた二乗和の値に対して上記ステップa12)で得られた二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの二乗和の値を求めるステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  2. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度をそれぞれ計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  3. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度をそれぞれ計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    上記ステップa3)は、
    a31)LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するステップと、
    a32)上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求めるステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  4. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されており
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録された各代表出力ベクトルの要素の二乗和を用いて計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  5. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を計するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    上記ステップa1)は、
    a11)代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得するステップと、
    a12)LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の差分の値を計算するステップと、
    a13)上記ステップa11)で得られた重み付き二乗和の値に対して上記ステップa12)で得られた重み付き二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの重み付き二乗和の値を求めるステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  6. 第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<D かつ(D mod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD次元(D=D /s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W (i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D −D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I (n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
    (i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を
    Figure 0004830026
    により求める
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  7. 第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD (D =36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W (i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W =1、W =1、W =4/3、W =5/3、W =2、W =1)とし、
    重み付き入力信号I (n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
    (i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を
    Figure 0004830026
    により求める
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  8. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度についての上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度をそれぞれ計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  9. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度についての上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度をそれぞれ計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    上記ステップa3)は、
    a31)LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算し、
    a32)上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求めることを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  10. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されており
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップとを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  11. 請求項10に記載の極性付多重ベクトル量子化方法において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<Dかつ(Dmod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD次元(D=D/s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D−D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化方法。
  12. 請求項又は10に記載の極性付多重ベクトル量子化方法において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<Dかつ(Dmod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD
    次元(D=D/s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D−D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)の重み付き内積を用いて定義されるクロス項cross(j,m)の値
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化方法。
  13. 請求項10に記載の極性付多重ベクトル量子化方法において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD(D=36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W=1、W=1、W=4/3、W=5/3、W=2、W=1)とし、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化方法。
  14. 請求項又は10に記載の極性付多重ベクトル量子化方法において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD(D=36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W=1、W=1、W=4/3、W=5/3、W=2、W=1)とし、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求め、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成し、
    代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)の重み付き内積を用いて定義されるクロス項cross(j,m)の値
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化方法。
  15. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されており
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    上記ステップa1)は、
    a11)代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得するステップと、
    a12)LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の差分の値を計算するステップと、
    a13)上記ステップa11)で得られた二乗和の値に対して上記ステップa12)で得られた二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの二乗和の値を求めるステップとを含み、
    上記ステップa3)は、
    a31)LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するステップと、
    a32)上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求めるステップを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  16. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    パワーテーブルには、各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されており
    クロステーブルには、異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されており
    a0)複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成するステップと
    a1)各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計するステップと
    a2)各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定するステップと
    a3)各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算するステップと
    a4)上記第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力するステップと
    を含み、
    上記ステップa1)は、
    a11)代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得するステップと、
    a12)LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の差分の値を計算するステップと、
    a13)上記ステップa11)で得られた重み付き二乗和の値に対して上記ステップa12)で得られた重み付き二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの重み付き二乗和の値を求めるステップを含み、
    上記ステップa3)は、
    a31)LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するステップと、
    a32)上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求めるステップを含む
    極性付多重ベクトル量子化方法。
  17. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    上記第一距離尺度計算部は、
    代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得する二乗和参照部と、
    LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の差分の値を計算する二乗和差分計算部と、
    上記二乗和参照部によって得られた二乗和の値に対して上記二乗和差分計算部によって得られた二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの二乗和の値を求める二乗和加算部とを含む
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  18. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度をそれぞれ計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備える極性付多重ベクトル量子化装置。
  19. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度をそれぞれ計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    上記第二距離尺度計算部は、
    LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するクロス項差分計算部と、
    上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求める加算分とを含む
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  20. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の二乗和を用いて計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備える極性付多重ベクトル量子化装置。
  21. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    上記第一距離尺度計算部は、
    代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得する二乗和参照部と、
    LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の差分の値を計算する二乗和差分計算部と、
    上記二乗和参照部によって得られた重み付き二乗和の値に対して上記二乗和差分計算部によって得られた重み付き二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの重み付き二乗和の値を求める二乗和加算部とを含む
    る極性付多重ベクトル量子化装置。
  22. 第一コードブックXと第二コードブックYを含み、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており、
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<D かつ(D mod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD次元(D=D /s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W (i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D −D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I (n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
    (i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  23. 第一コードブックXと第二コードブックYを含み、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており、
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    第二距離尺度計算部で計算された第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD (D =36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D −1)に対する重みw(n)として所定の0以上の値W (i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W =1、W =1、W =4/3、W =5/3、W =2、W =1)とし、
    重み付き入力信号I (n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号I w,norm (n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルu を、
    (i)=I w,norm ((D −1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p (j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p (m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  24. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度についての上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度をそれぞれ計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備える極性付多重ベクトル量子化装置。
  25. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度についての上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度をそれぞれ計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    上記第二距離尺度計算部は、
    LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するクロス項差分計算部と、
    上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求める加算分とを含む
    る極性付多重ベクトル量子化装置。
  26. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルについての第一距離尺度を、上記パワーテーブルに登録されている各代表出力ベクトルの要素の重み付き二乗和を用いて計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    備える極性付多重ベクトル量子化装置。
  27. 請求項26に記載の極性付多重ベクトル量子化装置において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<Dかつ(Dmod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD次元(D=D/s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D−D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化装置。
  28. 請求項24又は26に記載の極性付多重ベクトル量子化装置において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD 、入力ベクトルuの数がs(ただしsは、1≦s<Dかつ(Dmod s)=0を満たす整数)、入力ベクトルuがD次元(D=D/s)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を割り当てるnの範囲を、
    −D(i+1)≦n<D−D・i
    により決定し、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)の重み付き内積を用いて定義されるクロス項cross(j,m)の値を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化装置。
  29. 請求項26に記載の極性付多重ベクトル量子化装置において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD(D=36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W=1、W=1、W=4/3、W=5/3、W=2、W=1)とし、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルx_jの要素の重み付き二乗和powx(j)を
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度d_prex(j)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mの要素の重み付き二乗和powy(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度d_prey(m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化装置。
  30. 請求項24又は26に記載の極性付多重ベクトル量子化装置において、
    上記複数のコードブックとして第一コードブックXと第二コードブックYが設けられ、第一コードブックXにはD次元の代表出力ベクトルx_j(j=0,…,Nx−1(Nxは任意の自然数))が、第二コードブックYにはD次元の代表出力ベクトルy_m(m=0,…,Ny−1(Nyは任意の自然数))がそれぞれ登録されており
    第一コードブックXに登録されている代表出力ベクトルx_jの第i番目の要素をx(i,j)とし、代表出力ベクトルx_jについての第一距離尺度をd_prex(j)とし、
    第二コードブックYに登録されている代表出力ベクトルy_mの第i番目の要素をy(i,m)とし、代表出力ベクトルy_mについての第一距離尺度をd_prey(m)とし、
    入力信号Iのサンプルの数がD(D=36)、入力ベクトルuの数がs(s=6)、入力ベクトルuがD次元(D=6)であって、
    入力信号Iのn番目のサンプルI(n)(n=0、1、・・・、D−1)に対する重みw(n)として、所定の0以上の値W(i=0、1、・・・、D−1)を
    Figure 0004830026
    (但し、W=1、W=1、W=4/3、W=5/3、W=2、W=1)とし、
    重み付き入力信号I(n)を、
    (n)=I(n)・w(n)
    により求める重み付け手段と、
    重み付き入力信号のパワー平均値G及び正規化入力信号Iw,norm(n)を、
    Figure 0004830026
    により求めるゲイン正規化手段と、
    p(0≦p<s)番目の入力ベクトルuを、
    (i)=Iw,norm((D−1)−p−s・i)
    によってD個の要素を正規化入力信号からsサンプルごとに間引くことにより生成するインターリーブ手段と、
    を含む入力ベクトル生成部を更に備え、
    代表出力ベクトルのペア(x_j,y_m)の重み付き内積を用いて定義されるクロス項cross(j,m)の値を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jについての極性符号p(j)を、
    Figure 0004830026
    (sgn(α)はαの値の極性(+1または−1)を求める関数)により求め、
    代表出力ベクトルy_mについての極性符号p(m)を、
    Figure 0004830026
    により求め、
    代表出力ベクトルx_jと代表出力ベクトルy_mとから構成されるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度d(j,m)を、
    Figure 0004830026
    により求める
    ことを特徴とする極性付多重ベクトル量子化装置。
  31. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    を備え
    上記第一距離尺度計算部は、
    代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得する二乗和参照部と、
    LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の二乗和の差分の値を計算する二乗和差分計算部と、
    上記二乗和参照部によって得られた二乗和の値に対して上記二乗和差分計算部によって得られた二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの二乗和の値を求める二乗和加算部とを含み、
    上記第二距離尺度計算部は、
    LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するクロス項差分計算部と、
    上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求める加算分とを含む
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  32. 複数のコードブックには、予め定められた数の代表出力ベクトルがそれぞれ登録されており
    あるベクトルについての第一距離尺度は、そのベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第一の指標であり、そのベクトルと入力ベクトルとの内積と、そのベクトルの極性符号と、そのベクトルの要素の重みと、そのベクトルの要素の重み付き二乗和とを用いて定義されており、
    あるベクトルの組の平均ベクトルについての第二距離尺度は、そのベクトルの組の平均ベクトルと入力ベクトルとの距離を表す第二の指標であり、そのベクトルの組を構成する各ベクトルについてのそれぞれの第一距離尺度と、それぞれの第一距離尺度に対応する上記極性符号と、そのベクトルの組を構成するベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項とを用いて定義されており、
    上記入力ベクトルの次元数Lは、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下であり、Kcを、各コードブックに登録されている各代表出力ベクトルの次元数以下の自然数とし、
    L次元以上のベクトルからL個の要素を抽出して得られるL次元ベクトルを第一縮小ベクトルとし、L次元以上のベクトルからKc個の要素を抽出して得られるKc次元ベクトルを第二縮小ベクトルとして、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和がそれぞれ予め登録されているパワーテーブルと、
    異なる2つのコードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアの重み付き内積を用いて定義されるクロス項の値が、複数の異なる代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアについてそれぞれ予め登録されているクロステーブルと、
    複数サンプルからなる入力信号に対して、各サンプルに所定の重み付けを行い、所定のサンプル数ごとに順次束ねることにより複数の上記入力ベクトルを生成する入力ベクトル生成部と、
    各上記コードブックに登録されている各代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの第一距離尺度を計算する第一距離尺度計算部と、
    各上記コードブックごとに、上記第一距離尺度が小さい順に、又は、複数の代表出力ベクトルからなる複数のグループのそれぞれから上記第一距離尺度を最小にする代表出力ベクトルを選択することにより、予め定められた数の代表出力ベクトル(以下、候補代表出力ベクトルとする。)をそれぞれ決定する候補ベクトル決定部と、
    各上記コードブックからそれぞれ1つずつ選ばれた候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を、上記クロステーブルに登録されている候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアに係るクロス項の値を用いて、複数の異なる候補代表出力ベクトルの組についてそれぞれ計算する第二距離尺度計算部と、
    上記第二距離尺度計算部で計算され第二距離尺度を最小にする候補代表出力ベクトルの組を決定して、その候補代表出力ベクトルの組に対応する代表出力ベクトルの組を示すインデックスを出力する最小距離決定部と、
    備え、
    上記第一距離尺度計算部は、
    代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の値を、上記パワーテーブルを参照して取得する二乗和参照部と、
    LとKcが異なる場合には、代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和と、この代表出力ベクトルに対応する第二縮小ベクトルの要素の重み付き二乗和の差分の値を計算する二乗和差分計算部と、
    上記二乗和参照部によって得られた重み付き二乗和の値に対して上記二乗和差分計算部によって得られた重み付き二乗和の差分の値を加算または減算することにより、この代表出力ベクトルに対応する第一縮小ベクトルの重み付き二乗和の値を求める二乗和加算部とを含み、
    上記第二距離尺度計算部は、
    LとKcが異なる場合には、候補代表出力ベクトルのペアに対応する第一縮小ベクトルのペアのクロス項と、その候補代表出力ベクトルのペアに対応する第二縮小ベクトルのペアのクロス項の差分の値を計算するクロス項差分計算部と、
    上記計算された差分の値を加算または減算することにより、この候補代表出力ベクトルの組に対応する第一縮小ベクトルの組の平均ベクトルの第二距離尺度を求める加算分とを含む
    極性付多重ベクトル量子化装置。
  33. 請求項1から16の何れかに記載の極性付多重ベクトル量子化方法の各処理をコンピュータに実行させるための極性付多重ベクトル量子化プログラム。
  34. 請求項33に記載の極性付多重ベクトル量子化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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