JP5361565B2 - 符号化方法、復号方法、符号化器、復号器およびプログラム - Google Patents
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Description
E(k)=X(k)−X^(k)
のように計算し、誤差信号E(k)を出力する(S105)。
Z(k)=X^(k)+E^(k) (3)
のように求め、復号信号Z(k)を出力する(S110)。
まず、本形態の原理を説明する。
図3は、本形態の符号化処理の原理を説明するための図である。図3は、L=64の場合の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を各符号化対象信号とした場合の例である。図3の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値(例えば、MDCT係数)を示す。図3の破線は、符号化対象信号である周波数領域信号X(k)を例示し、太い実線は、符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号X^(k)を例示する。
図5は、第1実施形態の符号化器と復号器の構成例を説明するための図である。図6は、第1実施形態の符号化器と復号器の処理を説明するためのフローチャートである。図6(A)は符号化器の処理を説明するためのフローチャートであり、図6(B)は復号器の処理を説明するためのフローチャートである。
符号化器200は、周波数領域変換部101、正規化基準値計算部102、正規化基準値量子化部103、第1ベクトル量子化部104、抽出部212、正負符号情報計算部213を備える。復号器200’は、正規化基準値復号部107、第1ベクトル復号化部108、M値計算部214、周波数成分計算部215、再構成部216、時間領域変換部111を備える。符号化器200は、抽出部212と正負符号情報計算部213とが従来の符号化器100と相違する。また、復号器200’は、M値計算部214と周波数成分計算部215と再構成部216とが従来の復号器100’と相違する。符号化器200、復号器200’のその他の構成部は、符号化器100、復号器100’と同じである。
符号化器200は、以下の符号化処理を実行する。
まず、符号化器200は、前述したステップS101〜S104の処理を実行し、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)に対応するL個の正規化周波数領域信号(前述)を要素とするベクトルをベクトル量子化し、周波数領域信号X(k)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)(量子化信号)と、当該第1量子化信号X^(k)を特定するために用いられる第1ベクトル量子化インデックスC1(量子化インデックス)とを生成して出力する。
図7は、図6(A)のステップS212の詳細を例示するためのフローチャートである。抽出部212は、まず、k=0、m=0として処理を始める。抽出部212は、kがLよりも小さいかを確認する(S2121)。ステップS2121での結果がYesの場合、次に抽出部212は、X^(k)が0かを確認する(S2122)。ステップS2122での結果がYesの場合、抽出部212は、E(m)をX(k)とし、mの値を1つ増やし(S2123)、ステップS2124の処理に進む。一方、ステップS2122での結果がNoの場合、ステップS2123の処理を実行することなく、ステップS2124に進む。ステップS2124では、抽出部212が、kの値を1つ増やし、ステップS2121に戻る。S2121での結果がNoの場合、抽出部212は、mの値をMとし(S2125)、処理を終了する([ステップS212の処理の例示]終わり)。
図8は、図6(A)のステップS213の詳細を例示するためのフローチャートである。
復号器200’は、以下の復号処理を実行する。
まず、復号器200’は、前述したステップS107およびS108の処理を実行し、正規化基準値量子化インデックスCSを用いて量子化値を特定し、それを復号量子化正規化基準値X−とするとともに、第1ベクトル量子化インデックスC1と復号量子化正規化基準値X−を用いてL個の量子化信号を特定し、それらをL個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)にそれぞれ対応するL個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)とする。
図9は、図6(B)のステップS214の詳細を例示するためのフローチャートである。M値計算部214は、まず、k=0、m=0として処理を始める。M値計算部214は、kがLよりも小さいかを確認する(S2141)。ステップS2141での結果がYesの場合、次にM値計算部214は、X^(k)が0かを確認する(S2142)。ステップS2142での結果がYesの場合、M値計算部214は、mの値を1つ増やし(S2143)、ステップS2144の処理に進む。一方、ステップS2142での結果がNoの場合、M値計算部222は、ステップS2143の処理を実行することなく、ステップS2144に進む。ステップS2144では、M値計算部214が、kの値を1つ増やし、ステップS2141に戻る。ステップS2141での結果がNoの場合、M値計算部214は、mの値をMとし(S2145)、処理を終了する([ステップS214の処理の例示]終わり)。
図10は、図6(B)のステップS215の詳細を例示するためのフローチャートである。周波数成分計算部215は、まず、m=0として処理を始める。周波数成分計算部215は、mがLよりも小さいかを確認する(S2151)。ステップS2151での結果がYesの場合、周波数成分計算部215は、b(m)が0であるかを確認する(S2153)。S2153での結果がYesの場合、周波数成分計算部215は、
E^(m)=−1・C(m)・X− (4)
を計算し(S2154)、ステップS2157の処理に進む。一方、S2153での結果がNoの場合、周波数成分計算部215は、
E^(m)=C(m)・X− (5)
を計算し(S2155)、ステップS2157の処理に進む。ここで、C(m)は、復号量子化正規化基準値X−を周波数領域信号X(k)に近づけるための正の調整定数である。C(m)の例は1未満の数や1よりも大きな数であるが、C(m)=1.0としてもよい。また、C(m)は、すべてのm=0,...,M−1に対して同一の値であってもよいし、各mまたは一部のmの集合ごとに定められてもよい。すなわち、信号E^(m)の絶対値は、復号量子化正規化基準値X−またはその重み付け値あるいは定数倍値である。ステップS2157では、周波数成分計算部215が、mの値を1つ増やし(S2157)、ステップS2151の処理に進む。S2151での結果がNoの場合、周波数成分計算部215は、処理を終了する([ステップS215の処理の例示]の説明終わり)。
図11は、図6(B)のステップS216の詳細を例示するためのフローチャートである。再構成部216は、まず、k=0、m=0として処理を始める。再構成部216は、kがLよりも小さいかを確認する(S2161)。ステップS2161での結果がYesの場合、再構成部216は、復号第1量子化信号X^(k)が0であるかを確認する(S2162)。ステップS2162での結果がYesの場合、再構成部216は、信号E^(m)を復号信号Z(k)とし(ステップS2163)、ステップS2165の処理に進む。一方、ステップS2162での結果がNoの場合、再構成部216は、復号第1量子化信号X^(k)を復号信号Z(k)とし、ステップS2165の処理に進む。ステップS2165では、周波数成分計算部215が、kの値を1つ増やし(S2165)、ステップS2161の処理に戻る。ステップS2161の結果がNoの場合、再構成部216は、処理を終了する([ステップS216の処理の例示]の説明終わり)。
本形態では、符号化器200が、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)に対応するL個の正規化周波数領域信号を要素とするベクトルをベクトル量子化し、周波数領域信号X(k)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)(量子化信号)と、当該第1量子化信号X^(k)を特定するために用いられる第1ベクトル量子化インデックスC1(量子化インデックス)とを生成し、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対し、当該第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)のみについて、周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成することとした。また、復号器200’が、正規化基準値量子化インデックスCSを用いて量子化値を特定し(復号し)、それを復号量子化正規化基準値X−とするとともに、第1ベクトル量子化インデックスC1と復号量子化正規化基準値X−を用いてL個の量子化信号を特定し、それらをL個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)にそれぞれ対応するL個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)し、正負符号情報b(m)(m=0,...,M−1)を用い、L個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)のうち、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)を、正負符号情報b(m)が示す正または負の符号を持つ信号E^(k)に置換し、復号信号を生成することにした。このように生成された復号信号の場合、量子化誤差に起因して振幅値が0となり、信号の有無が時間的に不連続に変化する頻度が小さくなる。その結果、ミュージカルノイズが軽減される。
第1実施形態では、符号化処理時に、すべてのm=0,...,M−1について2進数の正負符号情報b(m)を生成して、これらを符号に含め、復号処理時に、各正負符号情報b(m)が示す正または負の符号を持つ信号E^(m)を生成し、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)を信号E^(m)で置換した。しかし、L点の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)に対応する符号中の正負符号情報b(m)に対して許容される合計ビット数BIT(BIT≧1)がM未満の場合には、すべてのm=0,...,M−1に対する正負符号情報b(m)を符号に含めることができない。第1実施形態の変形例では、符号化処理時に、BIT個以下の2進数の正負符号情報b(m)を生成し、復号処理時に、BIT個以下の正負符号情報b(m)を用いて信号E^(m)を生成し、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)を信号E^(m)で置換する。
図5を用いて本変形例の機能構成を説明する。第1実施形態の変形例の符号化器300、復号器300’が第1実施形態の符号化器200、復号器200’と異なる点は、正負符号情報計算部313、周波数成分計算部315だけであり、その他は第1実施形態と同じである。
図6を用いて本変形例の符号化処理および復号処理を説明する。
第1実施形態の変形例の符号化処理および復号処理が第1実施形態の符号化処理および復号処理と異なる点は、符号化器300と復号器300’とでBITの値を共有している点、および、ステップS313、ステップS315だけであり、その他は第1実施形態と同じである。
図8を用いてステップS313の詳細を例示する。この例では、ステップS2141での結果がYesの場合、正負符号情報計算部313が、mがBITよりも小さいかを確認する(ステップS3132)。ステップS3132での結果がYesの場合、ステップS2133以降の処理が実行される。一方、ステップS3132での結果がNoの場合、ステップS313の処理が終了する。その他は、前述した第1実施形態の[ステップS213の処理の例示]と同様である。ただし、この変形例では、ステップS2131、S2133〜S2136の処理も正負符号情報計算部313が実行する。
図10を用いてステップS315の詳細を例示する。この例では、ステップS2151での結果がYesの場合、周波数成分計算部315が、mがBITよりも小さいかを確認する(ステップS3152)。ステップS3152での結果がYesの場合、ステップS2153以降の処理が実行される。一方、ステップS3152での結果がNoの場合、周波数成分計算部215は、
E^(m)=C(m)・X−・rand(m) (6)
(正負符号情報とは無関係に生成した信号)を計算し(S3156)、ステップS2157の処理に進む。なお、rand(m)はmに対して1または-1を出力する関数であり、その一例は乱数などを用いてランダムに1または-1を出力する関数である。また、ランダムに1または−1を乗算するのは、すべての周波数で復号信号が正の値となったのでは、歪んだ音になってしまうからである。その他は、前述した第1実施形態の[ステップS215の処理の例示]と同様である。ただし、この変形例では、ステップS2151、S2153〜S2157の処理も周波数成分計算部315が実行する([ステップS315の処理の例示]終わり)。
この変形例でも第1実施形態と同様にミュージカルノイズが軽減される。
また、この変形例では、符号化器300が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)から選択された、BIT個以下の第2符号化対象信号E(m)に対してのみ、正負符号情報b(m)を生成し、復号器300’が、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)の一部を、正負符号情報b(m)が示す正または負の符号を持つ信号に置換することとした。これにより、符号化対象信号に対応する符号中の正負符号情報b(m)に対して許容される合計ビット数が制限されている場合でも、本発明を実装できる。
第1実施形態やその変形例では、量子化正規化基準値X−に依存する値を信号E^(m)の振幅値とした(式(4)〜(6))。ここで、量子化正規化基準値X−は、すべてのk=0,...,L−1に対応する周波数領域信号X(k)の振幅値の集合に依存する値である。一方、信号E^(m)は、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)のみに置換される信号なのだから、信号E^(m)の振幅値が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)の振幅値からなる集合のみに依存するほうが、復号信号の精度が向上する。本形態は、符号に新たな付加情報を加えることなく、復号器が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)の振幅値からなる集合のみに依存すると推定される第2正規化基準値E−を生成し、この第2正規化基準値E−に依存する値を信号E^(m)の振幅値とする。
図12は、第2実施形態の符号化器と復号器の構成例を説明するための図である。第2実施形態の符号化器は、第1実施形態またはその変形例の符号化器200または300と同じである。第2実施形態の復号器400’が第1実施形態またはその変形例の復号器200’または300’と異なる点は、正負符号情報計算部413、周波数成分計算部215だけであり、その他は第1実施形態またはその変形例と同じである。
図13は、第2実施形態の復号器の処理を説明するためのフローチャートである。第2実施形態の符号化処理は、第1実施形態またはその変形例と同じである。第2実施形態の復号処理では、まず、復号器400’が、第1実施形態のステップS107、S108、S214の処理を実行する。次に、正規化基準値再計算部416が、復号第1量子化信号X^(k)と復号量子化正規化基準値X−と値Mとを入力とし、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)の振幅値からなる集合のみに依存すると推定される第2正規化基準値E−を生成し、第2正規化基準値E−を出力する(S416)。
図14は、ステップS416の詳細を例示するためのフローチャートである。
正規化基準値再計算部416は、まず、k=0、tmp=0として処理を始める。正規化基準値再計算部416は、kがL(周波数領域信号X(k)の数)よりも小さいか確認する(S4161)。ステップS4161での結果がYesの場合、正規化基準値再計算部416は、tmpに|X^(k)|2を加算する(S4166)。次に、正規化基準値再計算部416は、kの値を1つ増やし(S4167)、ステップS4161の処理に戻る。一方、S4161での結果がNoの場合、正規化基準値再計算部416は、第2正規化基準値E−を
この変形例でも第1実施形態と同様にミュージカルノイズが軽減される。また、第1実施形態の変形例と組み合わせた場合には、第1実施形態の変形例と同様な効果を得ることができる。さらに、第2実施形態では、復号器400’が、正規化基準値量子化インデックスCSを用いて量子化値を特定し、それをS個(L≧S≧2)の周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)の振幅値からなる集合に依存する正規化基準値の量子化値である、復号量子化正規化基準値X−とし、復号量子化正規化基準値X−と、振幅値が0以外の第1量子化信号X^(k)とを少なくとも用い、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)の振幅値からなる集合のみに依存すると推定される第2正規化基準値E−を生成し、正負符号情報b(m)が示す正または負の符号を持つ信号E^(m)の絶対値が、第2正規化基準値E−またはその重み付け値あるいは定数倍値となるようにした。これにより、信号E^(m)の精度が向上し、その結果、復号信号の精度が向上する。
量子化正規化基準値X−及び第1量子化信号X^(k)と目標値(周波数領域信号の正規化値X− 0及び周波数領域信号X(k))との誤差が大きい場合、第2実施形態の第2正規化基準値E−の計算方法では、第2正規化基準値E−を精度良く計算できないときがある。本変形例では、復号量子化正規化基準値X−の二乗値とS(L≧S≧2)との乗算値と、S個の周波数領域信号X(k)(符号化対象信号)にそれぞれ対応する復号第1量子化信号X^(k)のパワー|X^(k)|2の合計値と、の差分を、S個の周波数領域信号X(k)のいずれかに対応する振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)の個数Mで除算した値の平方根である第1再計算値E− 1と、復号量子化正規化基準値X−とSとの乗算値と、S個の周波数領域信号X(k)にそれぞれ対応する復号第1量子化信号X^(k)の振幅値|X^(k)|の合計値と、の差分を、S個の周波数領域信号X(k)のいずれかに対応する振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)の個数Mで除算した値である第2再計算値E− 2を生成する。そして、第1再計算値E− 1と第2再計算値E− 2との比較、または、いずれか一方が重み付けられた第1再計算値E− 1と第2再計算値E− 2との比較により、第1再計算値E− 1と第2再計算値E− 2の何れか一方を第2正規化基準値E−、または、その候補として選択する。さらに、第1再計算値E− 1と第2再計算値E− 2の何れか一方を第2正規化基準値E−の候補と選択する場合には、この第2正規化基準値E−の候補と復号量子化正規化基準値X−との比較、または、いずれか一方が重み付けられた第2正規化基準値E−の候補と復号量子化正規化基準値X−との比較により、第2正規化基準値E−の候補と復号量子化正規化基準値X−の何れか一方を第2正規化基準値E−として選択する。
図12を用いて本変形例の機能構成を説明する。第2実施形態の変形例の符号化器は第2実施形態のものと同じである。第2実施形態の変形例の復号器500’が第2実施形態の復号器400’と異なる点は、正規化基準値再計算部516だけであり、その他は第2実施形態と同じである。
図13、図16、図17を用いて本変形例の復号処理を説明する。
第2実施形態の変形例の符号化処理は第2実施形態と同じである。第2実施形態の変形例の復号処理が第2実施形態の復号処理と異なる点は、正規化基準値再計算部515のステップS516の処理のみであり、その他は第2実施形態と同じである。
図16は、図13のステップS516の処理を例示するためのフローチャートである。
正規化基準値再計算部515は、k=0、tmp=0、tmp2=0として処理を始める。正規化基準値再計算部515は、kがL(周波数領域信号X(k)の数)よりも小さいかを確認する(S5161)。ステップS5161での結果がYesの場合、正規化基準値再計算部515は、tmpに|X^(k)|2を加算した結果を新たなtmpとし、tmp2に|X^(k)|を加算した結果を新たなtmp2とする(S5166)。正規化基準値再計算部515は、kの値を1つ増やし(S5167)、ステップS5161の処理に戻る。ステップS5161での結果がNoの場合、正規化基準値再計算部515は、第1再計算値E− 1と第2再計算値E− 2を
この変形例でも第1、2実施形態と同様な効果を得るこができる。また、第1実施形態の変形例と組み合わせた場合には、第1実施形態の変形例と同様な効果を得ることができる。さらに、上述のように、第2実施形態の変形例では、第2正規化基準値E−をより精度良く計算できるので、信号E^(m)の精度が向上し、その結果、復号信号の精度が向上する。
第3実施形態は、復号器側の復号量子化正規化基準値を決めるときに、1つ過去のフレーム、サブフレームまたはサブバンド(離散時間区間)の量子化正規化基準値も考慮する点が第1、2実施形態およびそれらの変形例と異なる。本形態は、第1、2実施形態およびそれらの変形例のいずれにも適用可能である。図5に示す復号器600’は、第1実施形態またはその変形例に第3実施形態を適用した構成を示し、図12に示す復号器700’は、第2実施形態またはその変形例に第3実施形態を適用した構成を示す。いずれも、正規化基準値復号部607が第1、2実施形態およびそれらの変形例と異なる。
X−=αX− C+βX− P (11)
を、当該処理対象のフレーム等に対する復号量子化正規化基準値X−として出力する。αとβは調整係数を表し、例えばそれぞれ0.5とすればよい。その他は、第1、2実施形態およびそれらの変形例と同じである。
本形態でも、その組み合わせに応じ、第1、2実施形態およびそれらの変形例と同様な効果を得るこができる。また、本形態では、復号側において、1つ過去のフレームまたはサブバンドの復号量子化正規化基準値X− Pが0以外のときに、その量子化正規化基準値X− Pと現在の処理対象のフレームまたはサブバンドの復号量子化正規化基準値X− Cと加重加算結果を、当該処理対象のフレームまたはサブバンドに対する復号量子化正規化基準値X−とするため、復号量子化正規化基準値X−のフレーム等ごとの変化量が小さくなり、ミュージカルノイズをより軽減することができる。
第1実施形態の方法での効果を確認するため、実験を行った。図18は、クラシック音楽のみを対象とするときの実験結果を示す図であり、図19は、歌付きのクラシック音楽が流れているときの実験結果を示す図であり、図20は、歌付きのポップス音楽が流れているときの実験結果を示す図である。各図とも、横軸は時間(秒)、縦軸は
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、1つの機能ブロックが実行する処理を複数の機能ブロックで実行してもよく、複数の機能ブロックが実行する処理を一つの機能ブロックで実行してもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
100’〜600’ 復号器
Claims (18)
- (A) 所定数の符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記符号化対象信号にそれぞれ対応する量子化信号と、当該量子化信号を特定するために用いられる量子化インデックスと、を生成するステップと、
(B) 振幅値が0の前記量子化信号に対応する前記符号化対象信号のみについて、前記符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成するステップと、
を有する符号化方法。 - 請求項1の符号化方法であって、
前記ステップ(B)は、前記振幅値が0の前記量子化信号に対応する前記符号化対象信号から選択された、所定個数以下の符号化対象信号に対してのみ、前記正負符号情報を生成するステップである、
ことを特徴とする符号化方法。 - 請求項2の符号化方法であって、
前記符号化対象信号は、周波数領域の信号であり、
選択された前記所定個数以下の符号化対象信号に対応する周波数の平均は、選択されなかった前記振幅値が0の前記量子化信号に対応する符号化対象信号に対応する周波数の平均よりも低い、
ことを特徴とする符号化方法。 - 請求項2の符号化方法であって、
前記符号化対象信号は、周波数領域の信号であり、
選択された前記所定個数以下の符号化対象信号は、周波数が最も低いものまたは周波数が最も高いものから順に選択されたものである、
ことを特徴とする符号化方法。 - (a) 少なくとも量子化インデックスを復号して所定数の量子化信号を得るステップと、
(b) 信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を用い、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成するステップと、
(c) 前記ステップ(a)で得られた量子化信号のうち振幅値が0でない量子化信号に対して、当該振幅値が0でない量子化信号を復号信号として出力し、前記ステップ(a)で得られた量子化信号のうち振幅値が0である量子化信号に対して、前記ステップ(b)で生成された信号を復号信号として出力するステップと、
を有する復号方法。 - (a) 少なくとも量子化インデックスを復号して所定数の量子化信号を得るステップと、
(b) 信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を用い、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成するステップと、
(c-1) 前記ステップ(a)で得られた量子化信号のうち振幅値が0でない量子化信号に対して、当該振幅値が0でない量子化信号を復号信号として出力するステップと、
(c-2) 前記ステップ(a)で得られた振幅値が0である量子化信号のうち所定個数以下を対象として、前記ステップ(b)で生成した信号を復号信号として出力するステップと、
(c-3) 前記ステップ(a)で得られた振幅値が0である量子化信号のうち、前記ステップ(c-2)の対象外のものを対象として、前記正負符号情報とは無関係に生成した信号を復号信号として出力するステップと、を含む、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項6の復号方法であって、
前記量子化信号は、周波数領域の信号であり、
前記ステップ(c-2)の対象となる前記量子化信号に対応する周波数の平均は、前記ステップ(c-3)の対象となる前記量子化信号に対応する周波数の平均よりも低い、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項6の復号方法であって、
前記量子化信号は、周波数領域の信号であり、
前記ステップ(a)で得られた振幅値が0である量子化信号のうち、周波数が最も低いものまたは周波数が最も高いものから順に所定個数以下選択されたものを前記ステップ(c-2)の対象とする、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項5から8の何れかの復号方法であって、
(d) 正規化基準値量子化インデックスを復号して復号量子化正規化基準値を得るステップをさらに有し、
前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号の絶対値は、前記復号量子化正規化基準値またはその重み付け値あるいは定数倍値である、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項5から8の何れかの復号方法であって、
(d) 正規化基準値量子化インデックスを復号して復号量子化正規化基準値として出力するステップと、
(e)前記復号量子化正規化基準値の二乗値と前記所定数との乗算値から、振幅値が0以外の前記量子化信号の二乗和を減算した値を、振幅値が0の前記量子化信号の個数で除算した値の平方根である第2正規化基準値を生成するステップと、をさらに有し、
前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号の絶対値は、前記第2正規化基準値またはその重み付け値あるいは定数倍値である、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項5から8の何れかの復号方法であって、
(d) 正規化基準値量子化インデックスを復号して復号量子化正規化基準値として出力するステップと、
(e-1) 前記復号量子化正規化基準値の二乗値と前記所定数との乗算値から、振幅値が0以外の前記量子化信号の二乗和を減算した値を、振幅値が0の前記量子化信号の個数で除算した値の平方根である第1再計算値を生成するステップと、
(e-2) 前記復号量子化正規化基準値と前記所定数との乗算値から、振幅値が0以外の前記量子化信号の振幅値の合計値を減算した値を、振幅値が0の前記量子化信号の個数で除算した第2再計算値を生成するステップと、
(e-3) 前記第1再計算値と前記第2再計算値との比較、または、いずれか一方が重み付けられた前記第1再計算値と前記第2再計算値との比較により、前記第1再計算値と前記第2再計算値の何れか一方を前記第2正規化基準値、または、その候補として選択するステップと、をさらに有し、
前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号の絶対値は、前記第2正規化基準値またはその重み付け値あるいは定数倍値である、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項11の復号方法であって、
前記ステップ(e-3)は、前記第1再計算値と前記第2再計算値の何れか一方を前記第2正規化基準値の候補として選択するステップであり、
当該復号方法は、
(e-4) 前記第2正規化基準値の候補と前記復号量子化正規化基準値との比較、または、いずれか一方が重み付けられた前記第2正規化基準値の候補と前記復号量子化正規化基準値との比較により、前記第2正規化基準値の候補と前記復号量子化正規化基準値の何れか一方を前記第2正規化基準値として選択するステップをさらに含む、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項9から12の何れかの復号方法であって、
前記正規化基準値量子化インデックスは、それぞれ、何れかの離散時間区間に対応し、
前記ステップ(d)は、
(d-1) 離散時間区間ごとに、それに対応する前記正規化基準値量子化インデックスで特定される復号正規化基準値を抽出するステップと、
(d-2) 処理対象の離散時間区間よりも1つ前の離散時間区間に対して抽出された復号正規化基準値が0の場合は、当該処理対象の離散時間区間に対して抽出された復号正規化基準値を、当該処理対象の離散時間区間に対する前記復号量子化正規化基準値として出力し、当該1つ前の離散時間区間に対して抽出された復号正規化基準値が0でない場合は、当該処理対象の離散時間区間に対して抽出された復号正規化基準値と当該1つ前の離散時間区間に対して抽出された復号正規化基準値との加重加算結果を、当該処理対象の離散時間区間に対する前記復号量子化正規化基準値として出力するステップと、を含む、
ことを特徴とする復号方法。 - 所定数の符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記符号化対象信号にそれぞれ対応する量子化信号と、当該量子化信号を特定するために用いられる量子化インデックスと、を生成し、振幅値が0の前記量子化信号に対応する前記符号化対象信号のみについて、前記符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成することを特徴とする符号化器。
- 少なくとも量子化インデックスを復号して所定数の量子化信号を得、
信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を用い、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、
得られた量子化信号のうち振幅値が0でない量子化信号に対して、当該得られた振幅値が0でない量子化信号を復号信号として出力し、得られた量子化信号のうち振幅値が0である量子化信号に対して、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を復号信号として出力する
ことを特徴とする復号器。 - 少なくとも量子化インデックスを復号して所定数の量子化信号を得、
信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を用い、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、
得られた量子化信号のうち振幅値が0でない量子化信号に対して、当該得られた振幅値が0でない量子化信号を復号信号として出力し、
得られた量子化信号のうち振幅値が0である量子化信号に対して、
当該振幅値が0である量子化信号のうち所定個数以下を対象として、前記正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を復号信号として出力し、
当該振幅値が0である量子化信号のうち、前記正または負の符号を持つ信号を復号信号として出力するもの以外のものを対象として、前記正負符号情報とは無関係に生成した信号を復号信号として出力する復号器。 - 請求項1から4の何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項5から13の何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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