JP5355244B2 - 符号化方法、復号方法、符号化器、復号器およびプログラム - Google Patents

符号化方法、復号方法、符号化器、復号器およびプログラム Download PDF

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本発明は、信号の符号化技術及び復号技術に関する。
信号系列をサンプルあたり1ビット以下で量子化するための手法の一つにベクトル量子化がある。この手法は、入力されたベクトルとの歪が最も小さいベクトルを符号帳から選択し、その番号(以下、「インデックス」という。)を伝送するものであり、量子化対象に即した符号帳を作成しておくことで、量子化歪の小さい量子化を可能とするものである。しかしながら、符号帳のメモリ量や歪を計算するための演算量は、量子化ビット数の指数関数で増大するため、量子化ビット数の多いときの量子化は実現が困難である。これを解決する1つの手法が多段ベクトル量子化(特許文献1)である。また、近年、量子化ノイズの少ない高能率なベクトル量子化手法として、例えばSpherical Vector Quantization(SVQ)法(非特許文献1)など、予め設定された量子化ビット数の範囲内で、周波数成分の一部をパルスとして立てていく(周波数成分の一部を振幅が0以外の量子化信号に量子化し、残りを振幅が0の量子化信号に量子化する)ベクトル量子化手法が広く利用されている。
図1は、従来の多段ベクトル量子化手法を用いた符号化器と復号器の機能構成例を示す図である。図2は従来の多段ベクトル量子化手法を用いた符号化器と復号器の処理フローを示す図である。図2(A)は符号化器の処理フローを示しており、図2(B)は復号器の処理フローを示している。多段ベクトル量子化では、量子化部が多段に接続され、初段の第1量子化部は入力信号について動作し,次段以降は入力信号と前段までの量子化出力の誤差について動作する。このようにすると、メモリ量や演算量を現実的な範囲に抑えたままで、ベクトル量子化が可能となる。図中の多段ベクトル量子化の段数は、分かり易くするため2としてあるが、段数は2以上を用いた構成でも良い。量子化手法には、周波数領域に変換した成分を量子化する手法(非特許文献1)を例として用いた。
符号化器100は、周波数領域変換部101、正規化基準値計算部102、正規化基準値量子化部103、第1ベクトル量子化部104、誤差計算部105、第2ベクトル量子化部106を備える。復号器100’は、正規化基準値復号部107、第1ベクトル復号部108、第2ベクトル復号部109、誤差修正部110、時間領域変換部111を備える。
周波数領域変換部101は、時系列信号である時間領域の入力信号x(n)(音響信号等)を入力とし、所定の離散時間区間内のN個の入力信号x(0)(n=0,...,N−1)ごと(フレームごと)に、L点の周波数成分を示す信号である周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を生成し、これらを出力する(S101)。ただし、nは時間領域での信号の番号(離散時間番号)を、kは周波数領域での信号の番号(離散周波数番号)を示している。高い周波数に対応する離散周波数番号kほど値が大きい。N,Lは、2以上の整数であり、例えば64や80である。N,Lは、符号化器100および復号器100’で共有される値である。また、周波数領域変換方法としては、例えばMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)がある。
正規化基準値計算部102は、第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を入力として、周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)の正規化基準値X を生成して出力する(S102)。なお、正規化基準値X は、S個(L≧S≧2)の周波数領域信号X(k)の振幅値からなる集合に依存する信号であり、その例は、L点または各サブバンド(L点をさらに分割した周波数帯域で、例えば8点で1つのサブバンドを形成する)内の周波数領域信号X(k)のパワーの平均値の平方根である。Sの例は、Lや1つのサブバンドのサンプル点数などである。また、例えば、L点の正規化基準値X は、次式のように計算される。
Figure 0005355244
また、L点または各サブバンド内の周波数領域信号X(k)の平均振幅値を正規化基準値X としてもよい。例えば、L点の正規化基準値X
Figure 0005355244

としてもよい。
以下の説明では、サブバンドでの正規化ではなく、L点の正規化基準値X を用いた場合について説明する。なお、記述の制約上、X と表現する場合があるが、X
Figure 0005355244
とは同じものをさす。同様に、以下で用いる、X,X^(k),E^(k)は、それぞれ、
Figure 0005355244

と同じものをさす。
正規化基準値量子化部103は、正規化基準値計算部102で求めた正規化基準値X を入力とし、正規化基準値X を量子化して、正規化基準値量子化インデックスCと、正規化基準値量子化インデックスCに対応する量子化正規化基準値Xを出力する(S103)。
第1ベクトル量子化部104は、各周波数領域信号X(k)と量子化正規化基準値Xを入力として、各周波数領域信号X(k)を、量子化正規化基準値Xで割り算する、もしくは逆数を乗ずることで正規化し、正規化周波数領域信号を求める。そして、正規化周波数領域信号をベクトル量子化して、量子化代表ベクトルのインデックスである第1ベクトル量子化インデックスCと、第1ベクトル量子化インデックスCに対応する量子化信号の逆正規化値(量子化インデックスCに対応する量子化信号と量子化正規化基準値Xとの積)である第1量子化信号X^(k)を求め、第1ベクトル量子化インデックスCと第1量子化信号X^(k)出力する(S104)。
誤差計算部105は、周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)を入力として、周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)の間の誤差を、例えば、
E(k)=X(k)−X^(k)
のように計算し、第2符号化対象信号である誤差信号E(k)を出力する(S105)。
第2ベクトル量子化部106は、誤差信号E(k)と量子化正規化基準値Xを入力とし、誤差信号E(k)を、量子化正規化基準値Xで割り算する、もしくは逆数を乗ずることで正規化し、正規化誤差信号を求める。そして、正規化誤差信号をベクトル量子化して、量子化代表ベクトルのインデックスを第2ベクトル量子化インデックスCとして出力する(S106)。
符号化器100は、第1ベクトル量子化インデックスCと第2ベクトル量子化インデックスCと正規化基準値量子化インデックスCが含まれる符号を、復号器100’に送る。そして、復号器100’では、以下のような処理が行われる。
正規化基準値復号部107は、正規化基準値量子化インデックスCを入力とし、正規化基準値量子化インデックスCに対応する復号量子化正規化基準値Xを求め、この復号量子化正規化基準値Xを出力する(S107)。
第1ベクトル復号部108は、第1ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化基準値Xを入力とし、第1ベクトル量子化インデックスCを復号し、フレーム単位の正規化された信号を正規化第1量子化信号として求め、正規化第1量子化信号に復号量子化正規化基準値Xを乗算することで逆正規化し、これを復号第1量子化信号X^(k)(量子化信号)として出力する(S108)。
第2ベクトル復号部109は、第2ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化基準値Xを入力とし、第2ベクトル量子化インデックスCを復号し、正規化された信号を正規化誤差信号として求め、正規化誤差信号に復号量子化正規化基準値Xを乗算することで逆正規化し、これを復号量子化誤差信号E^(k)として出力する(S109)。
誤差修正部110は、復号第1量子化信号X^(k)と復号量子化誤差信号E^(k)を入力とし、復号信号Z(k)を、例えば、
Z(k)=X^(k)+E^(k) (3)
のように求め、復号信号Z(k)を出力する(S110)。
時間領域変換部111は、復号信号Z(k)(k=0,...,L−1)を入力とし、例えばフレーム点数L分の逆MDCTを用いて時間領域変換を行い、フレーム点数L分の出力信号z(n)(n=0,...,N−1)を出力する(S111)。
図3は、従来の多段ベクトル量子化手法を概念的に説明するための図である。横軸は周波数成分の番号、縦軸は各周波数成分の値(例えば、MDCT係数)を示している。この図に例示する第1符号化対象信号は、周波数領域信号X(k)であり、破線で示されている。また、初段のベクトル量子化後の信号である第1量子化信号X^(k)は、実線で示されている。量子化に必要なビット数に対して予め定められた量子化ビット数が不足すると、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)が多数発生する。従来の後段のベクトル量子化では、図の第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)との差分をベクトル量子化している。
なお、上記では、周波数領域信号X(k)を第1符号化対象信号とし、周波数領域信号X(k)を第1ベクトル量子化部104、正規化基準値計算部102および誤差計算部105に入力する構成を示した。しかし、時間領域の入力信号x(n)を第1符号化対象信号とし、周波数領域信号X(k)の代わりに入力信号x(n)を第1ベクトル量子化部104、正規化基準値計算部102および誤差計算部105に入力する構成であってもよい。この場合、周波数領域変換部101および時間領域変換部111は不要となり、上述の周波数領域信号X(k)を入力信号x(n)に置換した処理が実行される。
特許2776474号公報
ITU-T Recommendation G.729.1, SERIES G: TRANSMISSION SYSTEMS AND MEDIA, DIGITAL SYSTEMS AND NETWORKS, Digital terminal equipments - Coding of analogue signals by methods other than PCM, G.729-based embedded variable bit-rate coder: An 8-32 kbit/s scalable wideband coder bitstream interoperable with G.729, 05/2006.
上述の符号化器100と復号器100’では、量子化に必要なビット数に対して、予め定められた量子化ビット数が不足すると、入力信号に存在するはずの周波数成分が出力信号には存在しない(出力信号から周波数成分が欠損する)という頻度が高くなる。このように出力信号から周波数成分が欠損した場合、出力信号の或る周波数成分の有無が時間的に不連続に変化する頻度が高くなる。人間は、このような周波数成分の有無の時間的に不連続な変化に敏感であり、このような変化はミュージカルノイズと呼ばれるノイズとして知覚される場合がある。
しかしながら、従来の符号化器100と復号器100’は、第1量子化信号の値(前段のベクトル量子化で得られた量子化された信号の値)が0か0以外かに関係なく、第1量子化信号と符号化対象信号との誤差を示す信号を後段のベクトル量子化の対象としている。つまり、従来技術には、ミュージカルノイズのような人間が敏感に感じるノイズを軽減すための特別な工夫はない。したがって、元の信号と復号された信号との誤差のパワーが数値の上では小さくなったとしても、人間の感覚が敏感な誤差に着目した符号化ではないので、ミュージカルノイズが残りやすいという課題がある。このようなミュージカルノイズの問題は、周波数領域信号X(k)を符号化対象信号とした場合に特に顕著となるが、時間領域の入力信号x(n)を符号化対象信号とする場合にも存在する。
一方、量子化に必要なビット数は第1符号化対象信号の種類に応じて異なり、第1符号化対象信号の種類によっては、上述の符号化器100と復号器100’との構成でもミュージカルノイズがさほど問題とならず、符号化精度の面からは、むしろ符号化器100と復号器100’との構成が好ましい場合もある。このように、第1符号化対象信号の種類に応じて最適な符号化方式および復号方式は異なる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、十分な符号ビット長を確保できない場合であっても、第1符号化対象信号の種類に応じ、適切にミュージカルノイズを軽減できる技術を提供することを目的とする。
本発明の符号化処理では、所定数(所定サンプル数)の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスとを生成して出力し、上記所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が基準値以下の第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報を生成して出力し、第1量子化信号を少なくとも用い、選択された符号化方式に則って符号化処理を行う。
また、本発明の復号処理では、少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得、少なくともモード情報を用いて復号方式を特定し、特定された復号方式に則り、少なくとも第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力する。
通常、上記所定数の第1符号化対象信号のうち振幅値が小さなものが多い場合(「スパース」と呼ぶ)、上記所定数の第1符号化対象信号の量子化に必要なビット数は少ない。この場合には、量子化に必要なビット数に対して、予め定められた量子化ビット数が不足する頻度が低くなるため、ミュージカルノイズはさほど問題にならない場合が多い。一方、上記所定数の第1符号化対象信号のうち振幅値が大きなものが多い場合、上記所定数の第1符号化対象信号の量子化に必要なビット数は多い。この場合には、量子化に必要なビット数に対して、予め定められた量子化ビット数が不足する頻度が高くなるため、ミュージカルノイズの問題が顕著となる。この場合には、ミュージカルノイズを軽減させることが可能な符号化方式および復号方式を用いることが望ましい。本発明は、基準値よりも振幅値が小さな第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が基準値以下の第1符号化対象信号の個数を特定する判定値に基づき、少なくとも、上記所定数の第1符号化対象信号がスパースであるか否かを判定し、上記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式および復号方式を選択する。
本発明では、十分な符号ビット長を確保できない場合であっても、第1符号化対象信号の種類に応じ、適切にミュージカルノイズを軽減できる。
従来の多段ベクトル量子化手法を用いた符号化器と復号器の機能構成例を示す図。 従来の多段ベクトル量子化手法を用いた符号化器と復号器の処理フローを示す図。図2(A)は符号化器の処理フローを示しており、図2(B)は復号器の処理フローを示している。 従来の多段ベクトル量子化手法を概念的に説明するための図。 第2方式の原理を説明するための図。 第3方式の原理を説明するための図。 第3符号化方式および第3復号方式の手順を説明するための図。 第3符号化方式および第3復号方式の手順を説明するための図。 第1符号化対象信号の例と第3符号化方式の第2符号化対象信号を生成するための基準となる信号の例とを比較するための図。 第4符号化方式の原理を説明するための図。 第4復号方式の原理を説明するための図。 第1符号化対象信号の性質に応じて方式を選択する方法を説明するためのフローチャート。 第1実施形態の符号化器と復号器の構成例を説明するための図。 第1実施形態の符号化方式選択部の構成例を説明するための図。 第1実施形態の符号化処理部の構成例を説明するための図。 第1実施形態の復号方式選択部の構成例を説明するための図。 第1実施形態の復号信号生成部の構成例を説明するための図。 処理を説明するためのフローチャート。図17(A)は符号化器の処理を説明するためのフローチャートであり、図17(B)は復号器の処理を説明するためのフローチャートである。 ステップS205の処理を例示するためのフローチャート。 ステップS205の処理を例示するためのフローチャート。 ステップS206の処理のを例示するためのフローチャート。 ステップS210の処理を例示するためのフローチャート。 図21のステップS212の詳細を例示するためのフローチャート。 図21のステップS214の詳細を例示するためのフローチャート。 図21のステップS217の詳細を例示するためのフローチャート。 ステップS219の処理を例示するためのフローチャート。 ステップS220の処理の例示するためのフローチャート。 ステップS222の詳細を例示するためのフローチャート。 ステップS224の処理を例示するためのフローチャート。 ステップS226の処理を例示するためのフローチャート。 ステップS228の詳細を例示するためのフローチャート。 ステップS229の詳細を例示するためのフローチャート。 方式選択の動作検証結果を説明するための図。 方式選択の動作検証結果を説明するための図。 方式選択の動作検証結果を説明するための図。 方式選択の動作検証結果を説明するための図。 方式選択の動作検証結果を説明するための図。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
〔原理〕
まず、本形態の原理を説明する。
上述のように、本形態では、少なくとも、上記所定数の第1符号化対象信号がスパースであるか否かを判定し、上記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式および復号方式を選択する。本形態では、4種類の符号化方式および復号方式の中から適切な符号化方式および復号方式を選択する。まず、これらの4種類の符号化方式および復号方式を説明する。
なお、いずれの符号化方式も、所定数の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスと、を生成することを前提した方式である。また、いずれの復号方式も、少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得ることを前提した方式である。また、各方式を識別子modeで表現する。
<第1符号化方式および第1復号方式(mode=0b)>
第1符号化方式は、第1符号化対象信号と第1量子化信号とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化し、その量子化信号を特定するための第2量子化インデックスを生成して出力する方式である。また、これに対応する第1復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号を誤差信号として第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式である。第1符号化方式および第1復号方式の具体例は、図1から図3を用いて説明した上述の符号化器100および復号器100’が実行する符号化方式および復号方式である。第1符号化方式および第1復号方式を総称して第1方式と呼び、それに対応する識別子modeの値を「0b」とする。
<第2符号化方式および第2復号方式(mode=0a)>
第2符号化方式は、振幅値が0の第1量子化信号に対応する第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化し、その量子化信号を特定するための第2量子化インデックスを生成して出力する方式である。また、これに対応する第2復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式である。第2符号化方式および第2復号方式を総称して第2方式と呼び、それに対応する識別子modeの値を「0a」とする。
上述の第1符号化方式では、第1符号化対象信号と第1量子化信号とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化していた。この方式において、第1符号化対象信号と振幅値が0以外の第1量子化信号との誤差が大きい場合、これらに対応するレベルの大きな誤差信号の量子化精度を優先した量子化を行う必要がある。レベルの小さな信号の量子化誤差を小さくするよりも、レベルの大きな信号の量子化誤差を小さくするほうが重要だからである。そのため、第2ベクトル量子化インデックスに割り当てられたビット数が制限された環境においては、振幅値が0の第1量子化信号に対応するレベルの小さな誤差信号に割り当てられる第2ベクトル量子化インデックスの種類が少なくなる。その結果、レベルの小さな誤差信号に対応する量子化信号の振幅が0なる頻度が高くなり、振幅値が0の周波数成分が多い復号信号になってしまう。これは、ミュージカルノイズの原因の1つとなる。
これに対し、第2符号化方式では、振幅値が0の第1量子化信号に対応する第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する。つまり、振幅値が0の第1量子化信号に対応する第1符号化対象信号だけを量子化するので、第2ベクトル量子化インデックスに割り当てられたビット数が制限される環境であっても、振幅値が0の第1量子化信号に対応するレベルの小さな誤差信号に割り当てられる第2ベクトル量子化インデックスの種類が多くなる。その結果、レベルの小さな誤差信号に対応する量子化信号の振幅が0なる頻度が低くなり、ミュージカルノイズを軽減できる。
図4は、第2方式の原理を説明するための図である。図4は、L=64の場合の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を各第1符号化対象信号とした場合の例である。図4の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値(例えば、MDCT係数)を示す。図4の破線は、第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)を例示し、太い実線は、第1符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号X^(k)を例示する。図4の例では、「Z」で示す振幅値が0の第1量子化信号X^(k)のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化し、その量子化信号を特定するための第2量子化インデックスを生成する。
<第3符号化方式および第3復号方式(mode=2)>
第3符号化方式は、第1量子化信号の振幅値が0の場合に、複数の第1符号化対象信号の振幅値からなる集合に依存する量子化正規化基準値と第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、第1符号化対象信号の絶対値と第1量子化信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化し、その量子化信号を特定するための第2量子化インデックスを生成して出力する方式である。また、これに対応する第3復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、少なくとも第3量子化インデックスを用いて量子化正規化基準値を復号し、第1量子化信号の振幅値が0の場合に、第2量子化信号を誤差信号として量子化正規化基準値を誤差修正することで復号信号を生成し、第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、第2量子化信号を誤差信号として第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式である。第3符号化方式および第3復号方式を総称して第3方式と呼び、それに対応する識別子modeの値を「2」とする。
図5は、第3方式の原理を説明するための図である。図5は、L=64の場合の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を各第1符号化対象信号とした場合の例である。図5の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値を示す。図5の細かい破線は、量子化正規化基準値Xを例示し、図5の粗い破線は、第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|を例示し、太い実線は、第1符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号の絶対値|X^(k)|を例示する。なお、図5の量子化正規化基準値Xは、8サンプルからなるサブベクトルごとに求めた例である。図5の例では、符号化処理において、第1量子化信号の振幅値|X^(k)|が0の場合(例えば、「Q1」)に、量子化正規化基準値Xと周波数領域信号の絶対値|X(k)|とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、第1量子化信号の振幅値|X^(k)|が0以外の場合(例えば、「Q2」)に、周波数領域信号の絶対値|X(k)|と第1量子化信号の絶対値|X^(k)|とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とする。
図6および図7は、第3符号化方式および第3復号方式の手順を説明するための図である。図6および図7の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値を示す。図6の破線は、第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|を例示し、太い実線は、第1符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号の絶対値|X^(k)|を例示する。図7の細かい破線は、量子化正規化基準値Xを例示し、粗い破線は、第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|を例示し、実線は、第1符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号の絶対値|X^(k)|を例示する。
第3符号化方式では、初段のベクトル量子化後に、図6のように、第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)とを絶対値で表す。そして、図7に示すように、8サンプルからなるサブベクトルごとに量子化正規化基準値Xを求める。この図からも、振幅値が0の第1量子化信号の絶対値|X^(k)|と第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|との誤差よりも、量子化正規化基準値Xと第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)の絶対値|X(k)|との差分の方が小さいことが分かる。したがって、第1量子化信号の振幅値|X^(k)|が0のときには、第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|と量子化正規化基準値Xとの差分を後段でベクトル量子化する方が効率的である。また、量子化正規化基準値Xは、復号器が前段のベクトル復号に利用する情報であり、量子化正規化基準値Xを後段の符号化に利用しても復号器に新たな情報を伝える必要はない。
なお、図7では8サンプルからなるサブベクトルごとに量子化正規化基準値Xを求めているが、64サンプルで1つの量子化正規化基準値Xを求めてもよいし、他の数ごとに量子化正規化基準値Xを求めてもよい。ただし、適当なサンプル数を選ごとに量子化正規化基準値Xを求めれば、量子化正規化基準値Xと第1符号化対象信号との差分を小さくできる。
図8は、第1符号化対象信号の例と第3符号化方式の第2符号化対象信号を生成するための基準となる信号の例とを比較するための図である。図8の破線は、第1符号化対象信号である周波数領域信号の絶対値|X(k)|を例示し、実線は、第1量子化信号X^(k)の振幅値が0以外のときには第1量子化信号の絶対値とし、第1量子化信号X^(k)の振幅値が0のときには量子化正規化基準値Xとした値(第2符号化対象信号を生成するための基準)を例示する。この図から、破線で例示する第1符号化対象信号の絶対値と、実線で例示する第2符号化対象信号を生成するための基準との差分を第2符号化対象信号とすれば、第2符号化対象信号の振幅値を小さくできることがわかる。第2符号化対象信号の振幅値が小さいほど、その量子化に必要なビット数は少なくて済むことから、第3符号化方式および第3復号方式ではミュージカルノイズを軽減できる。
<第4符号化方式および第4復号方式(mode=1)>
第4符号化方式は、振幅値が0の第1量子化信号に対応する第1符号化対象信号のみについて、第1符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成する方式である。これに対応する第4復号方式は、少なくとも正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式である。第4符号化方式および第4復号方式を総称して第4方式と呼び、それに対応する識別子modeの値を「1」とする。
図9は、第4符号化方式の原理を説明するための図である。図9は、L=64の場合の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)を各符号化対象信号とした場合の例である。図9の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値を示す。図9の破線は、符号化対象信号である周波数領域信号X(k)を例示し、太い実線は、符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号X^(k)を例示する。
図9に例示するように、第4符号化方式では、振幅が0となる第1量子化信号X^(k)に対し、当該第1量子化信号X^(k)に対応する第1符号化対象信号である周波数領域信号X(k)が正であるか負であるかを示す正負符号情報(例えば、MDCT係数の正負の符号情報)を生成し、これを符号の一部とする。
図10は、第4復号方式の原理を説明するための図である。図10の横軸は離散周波数番号kを示し、縦軸は周波数成分の値を示す。図10の太字の破線は、符号化対象信号に対応する量子化信号である第1量子化信号X^(k)を例示し、細字の破線は、量子化正規化基準値Xとその負値-Xを例示し、太字の実線は復号信号を例示している。なお、図10の例では、8点の離散周波数点からなるサブバンドごとに量子化正規化基準値Xが生成されている。
図10に例示するように、第4復号方式では、少なくとも上記正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号X^(k)と、を含む復号信号を生成する。なお、図10の例では、正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号として、量子化正規化基準値Xと正負符号情報が示す正負符号との積からなる信号を用いている。
このように、第4方式では、復号信号の有無が時間的に不連続に変化する頻度を低くできるため、ミュージカルノイズを軽減できる。
<第1符号化対象信号の性質と最適な方式との関係>
上述のように、第1方式はミュージカルノイズを軽減する対策が施されていないのに対し、第2〜4方式は、ミュージカルノイズを軽減する対策が施されている。
しかしながら、符号化単位となる所定サンプルの第1符号化対象信号のうち、一部の第1符号化対象信号の振幅値のみが大きく、他の多くの第1符号化対象信号の振幅値がほぼ0の場合(第1符号化対象信号が非常にスパースである場合)、量子化に必要なビット数は非常に少なく、ミュージカルノイズはほとんど問題とならない。
また、第2符号化方式では、振幅値が0の第1量子化信号のみを第2符号化対象信号とするため、第1符号化対象信号と振幅値が0以外の第1量子化信号との誤差が大きい場合には、第1方式よりも符号化精度が低下する。
また、第3方式では、第1符号化対象信号の絶対値、第1量子化信号の絶対値および量子化正規化基準値のような正負の情報を含まない情報から第2符号化対象信号を生成するため、振幅値が0の第1量子化信号に対応する第1符号化対象信号については正負の情報が符号化されない。また、第4方式では、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する第1符号化対象信号の振幅値が符号化されない。そのため、第3方式や第4方式は、符号化単位となる所定サンプルの第1符号化対象信号のうち、一部の第1符号化対象信号の振幅値のみが大きく、他の多くの第1符号化対象信号の振幅値が0に近い場合(第1符号化対象信号がスパースである場合)に、第1方式や第2方式よりも符号化精度が悪くなる。また、第3方式では、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、量子化正規化基準値と第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とするため、量子化正規化基準値に対する第1符号化対象信号の絶対値の統計的ばらつきが大きい場合でも精度よく符号化できる。
<第1符号化対象信号の性質に応じて方式選択>
以上のように、各方式は得手不得手があり、第1符号化対象信号の種類に応じて方式を使い分けることが望ましい。具体的には、第1符号化対象信号がスパース(例えば音声の母音の周波数領域信号)または非常にスパース(例えばサイン波の周波数領域信号)である場合には、第3方式や第4方式よりも第1方式や第2方式を用いる方が、高い精度で符号化できる。特に、第1符号化対象信号が非常にスパースである場合には、ミュージカルノイズはほとんど問題とならないため、第2方式よりも第1方式を用いる方が、高い精度で符号化できる。一方、第1符号化対象信号がスパースまたは非常にスパースでない場合(例えば、多重音源の楽音や環境雑音など)には、第1方式や第2方式よりも第3方式や第4方式を用いる方が、高い精度で符号化できる。特に、量子化正規化基準値に対する第1符号化対象信号の絶対値の統計的ばらつきが小さい場合には、第3方式よりも第4方式を用いる方が高い精度で符号化できる場合が多いが、この統計的ばらつきが大きい場合には、第4方式よりも第3方式を用いる方が高い精度で符号化できる場合が多い。
本形態では、上述した第1符号化対象信号の性質に応じて方式を選択する。
図11は、第1符号化対象信号の性質に応じて方式を選択する方法を説明するためのフローチャートである。
本形態では、まず、第1符号化対象信号がスパースであるかを確認する(S11/第1スパース性判定)。ステップS11での判定結果がYesであれば、次に、第1符号化対象信号が非常にスパースであるかを確認する(S12/第2スパース性判定)。ステップS12での結果がYesであれば、第1方式(mode=0b)が選択される(S13)。一方、ステップS12での結果がNoであれば、第2方式(mode=0a)が選択される(S14)。ステップS11での判定結果がNoであれば、次に、第1符号化対象信号の絶対値の量子化正規化基準値に対する統計的ばらつきは小さいことを確認する(S15/ばらつき判定)。ステップS15での判定結果がYesであれば、第4方式(mode=1)が選択される(S16)。一方、ステップS15での判定結果がNoであれば、第3方式(mode=2)が選択される(S17)。
このように第1符号化対象信号の性質に応じて方式を選択することにより、十分な符号ビット長を確保できない場合であっても、第1符号化対象信号の種類に応じ、適切にミュージカルノイズを軽減できる。
なお、ステップS11,S12の確認は、所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が基準値以下の第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づいて行うことができる。例えば、ステップS11の確認は、上記判定値と所定の閾値とを比較する閾値判定により、所定数の第1符号化対象信号の集合が、振幅値の小さな第1符号化対象信号が多い側のスパース分類に属するか、振幅値の小さな第1符号化対象信号が少ない側の非スパース分類に属するか、を判定することにより行うことができる。また、例えば、ステップS12の確認は、所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定により、所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定することにより行うことができる。また、ステップS15の確認は、例えば、所定数の第1符号化対象信号の振幅値の統計的ばらつきを特定する第3判定値と所定の第3閾値とを比較する閾値判定により、所定数の第1符号化対象信号の集合が、統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属するか、統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属するかを判定することにより行うことができる。
また、ステップS15の確認を行わず、ステップS11の結果がNoとなった場合に、予め定められた第3方式(mode=2)または第4方式(mode=1)が選択されてもよい。また、ステップS12の確認を行わず、ステップS11の結果がYesとなった場合に、予め定められた第1方式(mode=0b)または第2方式(mode=0a)が選択されてもよい。また、ステップS15の確認およびステップS12の確認を行わず、ステップS11の結果がYesとなった場合に、予め定められた第1方式(mode=0b)または第2方式(mode=0a)が選択され、ステップS11の結果がNoとなった場合に、予め定められた第3方式(mode=2)または第4方式(mode=1)が選択されてもよい。すなわち、所定数の第1符号化対象信号がスパースか否かに応じて符号化方式および復号方式を選択する構成であればよい。また、ステップS11やステップS12の確認を行わず、ステップS15の確認のみを行って方式を選択してもよい。また、第1〜第4方式としてその他の方式を用いてもよく、5つ以上の方式から1つの方式を選択する構成でもよい。また、ステップS11や、ステップS12や、ステップS15の処理の少なくとも一部を、それぞれ、異なる閾値を用いて複数回実行して、判定結果が5以上に分岐する構成でもよい。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態を説明する。
<構成>
図12は、第1実施形態の符号化器と復号器の構成例を説明するための図である。
符号化器200は、周波数領域変換部101、正規化基準値計算部102、正規化基準値量子化部103、第1ベクトル量子化部104、符号化方式選択部205、符号化処理部210、モード情報生成部206を備える。復号器200’は、正規化基準値復号部107、第1ベクトル復号部108、復号方式選択部219、復号信号生成部220、時間領域変換部111を備える。符号化器200は、符号化方式選択部205と符号化処理部210とモード情報生成部206とが、従来の符号化器100と相違する。また、復号器200’は、復号方式選択部219と復号信号生成部220と時間領域変換部111とが、従来の復号器100’と相違する。符号化器200、復号器200’のその他の構成部は、符号化器100、復号器100’と同じである。
図13は、第1実施形態の符号化方式選択部205の構成例を説明するための図である。図14は、第1実施形態の符号化処理部210の構成例を説明するための図である。図15は、第1実施形態の復号方式選択部219の構成例を説明するための図である。また、図16は、第1実施形態の復号信号生成部220の構成例を説明するための図である。
符号化方式選択部205は、第1スパース性判定部205a、第2スパース性判定部205b、ばらつき判定部205c、判定制御部205dを備える。符号化処理部210は、選択部211、誤差計算部105,214、第2ベクトル量子化部106,213,215、抽出部212,216、正負符号情報計算部217を備える。復号方式選択部219は、モード情報判定部219a、スパース性判定部219b、判定制御部219dを備える。また、復号信号生成部220は、選択部221、第2ベクトル復号部109,223,225、誤差修正部110,226、M値計算部222,227、再構成部224,229、周波数成分計算部228を備える。
<符号化処理>
図17(A)は符号化器の処理を説明するためのフローチャートである。
まず、符号化器200は、前述したステップS101〜S104の処理を実行し、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)に対応するL個の正規化周波数領域信号(前述)を要素とするベクトルをベクトル量子化し、周波数領域信号X(k)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)と、当該第1量子化信号X^(k)を特定するために用いられる第1ベクトル量子化インデックスC(第1量子化インデックス)とを生成して出力する。
次に、符号化方式選択部205が、周波数領域信号X(k)と、第1量子化信号X^(k)と、量子化正規化基準値Xとを入力とし、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)のうち、基準値よりも振幅値が小さな周波数領域信号X(k)の個数、または、振幅値が基準値以下の周波数領域信号X(k)の個数、を特定する判定値に基づき、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報modeを生成して出力する(S205)。
[ステップS205の処理の例示]
図18および図19は、ステップS205の処理を例示するためのフローチャートである。
《第1スパース性判定(S2051a〜S2051e/図11のS11の一例)》
まず、符号化方式選択部205の第1スパース性判定部205a(図13)が、周波数領域信号X(k)と量子化正規化基準値Xとを入力とし、判定値mと所定の閾値Thとを比較する閾値判定により、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が、振幅値の小さな周波数領域信号X(k)が多い側のスパース分類に属するか、振幅値の小さな周波数領域信号X(k)が少ない側の非スパース分類に属するか、を判定する。なお、判定値mは、基準値よりも振幅値が小さな周波数領域信号X(k)の個数、または、振幅値が基準値以下の周波数領域信号X(k)の個数を特定する値であるが、ここでは、基準値よりも振幅値が小さな周波数領域信号X(k)の個数を判定値mとする。また、基準値は、例えば、複数個の周波数領域信号X(k)の振幅値からなる集合に依存する信号である。ここでは、調整定数Thと量子化正規化基準値Xとの積を基準値Th・Xとする。なお、調整定数Thは、例えば、0より大きく1以下の正の数であり、その一例は0.1である。
第1スパース性判定部205aは、まず、k=0、m=0として処理を始める(図18)。第1スパース性判定部205aは、kがLよりも小さいかを確認する(S2051a)。ステップS2051aでの結果がYesの場合、第1スパース性判定部205aは、周波数領域信号X(k)の振幅値|X(k)|が基準値Th・Xよりも小さいかを確認する(S2051b)。ステップS2051bでの結果がYesの場合、第1スパース性判定部205aは、mの値を1つ増やし(S2051c)、ステップS2051dの処理に進む。ステップS2051bでの結果がNoの場合、第1スパース性判定部205aは、ステップS2051cの処理を実行することなく、ステップS2051dの処理に進む。ステップS2051dでは、第1スパース性判定部205aが、kの値を1つ増やし(S2051d)、ステップS2051aの処理に戻る。ステップS2051aでの結果がNoの場合、第1スパース性判定部205aは、mを判定値とし、判定値mが閾値Thよりも大きいことを確認する(S2051e)。なお、閾値Thは、1より大きくLより小さい正の整数であり、L=64の場合の一例は20である。
ステップS2051eでの結果がYesである場合、第1スパース性判定部205aは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が、振幅値の小さな周波数領域信号X(k)が多い側のスパース分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、第2スパース性判定部205bに、第2スパース性判定(S2052a〜S2052f)を実行させる。一方、ステップS2051eでの結果がNoである場合、第1スパース性判定部205aは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が、振幅値の小さな周波数領域信号X(k)が少ない側の非スパース分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、ばらつき判定部205cに、ばらつき判定(S2055)を実行させる。
《第2スパース性判定(S2052a〜S2052f/図11のS12の一例)》
第2スパース性判定は、第1スパース性判定(S2051a〜S2052e(図18))において、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合がスパース分類に属すると判定された場合に実行される。第2スパース性判定では、第2スパース性判定部205b(図13)が、第1量子化信号X^(k)を入力とし、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)のうち振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数を特定する第2判定値mと所定の第2閾値Thとを比較する閾値判定により、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)の集合が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定する。なお、第2判定値mは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)のうち振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数を特定するものであるが、ここでは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)のうち振幅値が0以外の第1量子化信号X^(k)の個数を第2判定値mとする。このような値も「振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数を特定するもの」である。また、第2閾値Thは、0以上L以下の整数であり、その一例は8である。また、第2閾値Thが0またはLの場合には、第2方式(mode=0a)または第1方式(mode=0b)の何れかのみが選択される。第1方式(mode=0b)と第2方式(mode=0a)とを選択可能にするためには、第2閾値Thは1以上L未満の整数とする。
第2スパース性判定部205bは、まず、k=0、m=0として処理を始める(図18/S2052a)。第2スパース性判定部205bは、kがLよりも小さいかを確認する(S2052b)。ステップS2052bでの結果がYesの場合、第2スパース性判定部205bは、第1量子化信号の振幅値|X^(k)|が0でないことを確認する(S2052c)。ステップSS2052cでの結果がYesの場合、第2スパース性判定部205bは、mの値を1つ増やし(S2052d)、ステップS2052eの処理に進む。ステップSS2052cでの結果がNoの場合、第2スパース性判定部205bは、ステップS2052dの処理を実行することなく、ステップS2052eの処理に進む。ステップS2052eでは、第2スパース性判定部205bが、kの値を1つ増やし(S2052e)、ステップS2052bの処理に戻る。ステップS2052bでの結果がNoの場合、第2スパース性判定部205bは、mを第2判定値とし、第2判定値mが第2閾値Thよりも大きいことを確認する(S2052f)。
ステップS2052fでの結果がNoである場合、第2スパース性判定部205bは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)の集合が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数が多い側の第1分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、符号化方式として第1方式(mode=0b)を選択し(S2053)、第1方式を特定する識別子mode=0bを出力して処理を終了する。
一方、ステップS2052fでの結果がYesである場合、第2スパース性判定部205bは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)にそれぞれ対応する第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)の集合が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数が少ない側の第2分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、符号化方式として第2方式(mode=0a)を選択し(S2054)、第2方式を特定する識別子mode=0aを出力して処理を終了する。
《ばらつき判定(S2055/図11のS15の一例)》
ばらつき判定は、第1スパース性判定(S2051a〜S2052e(図18))において、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が非スパース分類に属すると判定された場合に実行される。ばらつき判定では、ばらつき判定部205cが、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)と、量子化正規化基準値Xとを入力とし、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の振幅値の統計的ばらつきを特定する第3判定値と所定の第3閾値THとを比較する閾値判定により、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)の集合が、統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属するか、統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属するかを判定する。この例では、ばらつき判定部205cが、
Figure 0005355244
を満たすことを確認する(図19/S2055)。なお、第3閾値THは正の数であり、その一例は2.0である。
ステップS2055での結果がNoである場合、ばらつき判定部205cは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が、統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、符号化方式として第4方式(mode=1)を選択し(S2056)、第4方式を特定する識別子mode=1を出力して処理を終了する。
一方、ステップS2055(図19)での結果がYesである場合、ばらつき判定部205cは、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1符号化対象信号)の集合が、統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部205dに出力する。この場合、判定制御部205dは、符号化方式として第3方式(mode=2)を選択し(S2057)、第3方式を特定する識別子mode=2を出力して処理を終了する([ステップS205の処理の例示]終わり)。
モード情報生成部206が、各方式を特定する識別子modeを入力とし、選択された符号化方式を特定するためのモード情報mode−bitを生成して出力する(図17(A)/S206)。
[ステップS206の処理の例示]
図20は、ステップS206の処理のを例示するためのフローチャートである。
モード情報生成部206が、ステップS205で選択された方式を特定する識別子modeを入力とし、識別子modeの値を判定する(ステップS2061)。識別子mode=0aまたは0bである場合、モード情報生成部206は、モード情報mode−bit=0を生成して出力する(ステップS2062)。識別子mode=1である場合、モード情報生成部206は、モード情報mode−bit=1を生成して出力する(ステップS2063)。識別子mode=2である場合、モード情報生成部206は、モード情報mode−bit=2を生成して出力する(ステップS2064)([ステップS206の処理の例示]終わり)。
符号化処理部210が、周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)と量子化正規化基準値Xとの少なくとも一部と、符号化方式選択部205から出力された識別子modeとを入力とし、ステップS205で選択された符号化方式に則って符号化処理を行う(図17(A)/ステップS210)。
[ステップS210の処理の例示]
図21は、ステップS210の処理を例示するためのフローチャートである。
符号化処理部210の選択部211(図14)は、識別子modeを入力とし、識別子modeが0bを示すことを確認する(ステップS2111)。
ステップS2111での結果がYesである場合、第1符号化方式に則った符号化処理が行われる。すなわち、選択部211の制御に基づき、誤差計算部105に周波数領域信号X(k)と第1量子化信号X^(k)が入力され、誤差計算部105が前述のステップS105の処理を実行し、第2符号化対象信号である誤差信号E(k)を出力する。次に、第2ベクトル量子化部106が、誤差信号E(k)と量子化正規化基準値Xを入力とし、前述のステップS106の処理を実行し、第2ベクトル量子化インデックスCを出力する。第1符号化方式の場合、符号化器200は、第1ベクトル量子化インデックスCと第2ベクトル量子化インデックスCと正規化基準値量子化インデックスCとモード情報mode−bitが含まれる符号を、復号器100’に送って処理を終了する。
ステップS2111での結果がNoである場合、選択部211は、識別子modeが0aを示すことを確認する(ステップS2112)。ステップS2112での結果がYesである場合、第2符号化方式に則った符号化処理が行われる。すなわち、まず、選択部211の制御に基づき、抽出部212にL個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)と第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)が入力される。抽出部212は、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)のうち第1ベクトル量子化部104においてパルスが立てられなかった周波数領域信号X(k)(振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号)だけを抜き出した第2符号化対象信号E(m)と、第1ベクトル量子化部104においてパルスが立てられなかった周波数領域信号の数M(振幅値が0の第1量子化信号の数)を求め、第2符号化対象信号E(m)と数Mを出力する(ステップS212)。ここで、mは配列番号を表す整数値である。
[ステップS212の処理の例示]
図22は、図21のステップS212の詳細を例示するためのフローチャートである。抽出部212は、まず、k=0、m=0として処理を始める。抽出部212は、kがLよりも小さいかを確認する(S2121)。ステップS2121での結果がYesの場合、次に抽出部212は、X^(k)が0かを確認する(S2122)。ステップS2122での結果がYesの場合、抽出部212は、E(m)をX(k)とし、mの値を1つ増やし(S2123)、ステップS2124の処理に進む。一方、ステップS2122での結果がNoの場合、ステップS2123の処理を実行することなく、ステップS2124に進む。ステップS2124では、抽出部212が、kの値を1つ増やし、ステップS2121に戻る。S2121での結果がNoの場合、抽出部212は、mの値をMとし(S2125)、処理を終了する([ステップS212の処理の例示]終わり)。
次に、第2ベクトル量子化部213に、第2符号化対象信号E(m)と量子化正規化基準値Xと振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の数Mが入力される。第2ベクトル量子化部213は、第2符号化対象信号E(m)を量子化正規化基準値Xで割り算する、もしくは逆数を乗ずることで正規化し、正規化第2符号化対象信号を求める。そして、正規化第2符号化対象信号を、M点または量子化ベクトルの次数の倍数Thでベクトル量子化し、量子化代表ベクトルのインデックスを第2ベクトル量子化インデックスCとして出力する(図21/S213)。量子化ベクトルの次数とは、例えば8がある。この場合、倍数Thは、8,16,…,64などがあり、Mに最も近い数、M以下で最も近い数、あるいはM以上で最も近い数をThとして選べばよい。例えば、M以下で最も近い数をThとして選んだ場合、M個の正規化第2符号化対象信号の中からTh個分だけベクトル量子化してもよい。第2符号化方式の場合、符号化器200は、第1ベクトル量子化インデックスCと第2ベクトル量子化インデックスCと正規化基準値量子化インデックスCとモード情報mode−bitが含まれる符号を、復号器100’に送って処理を終了する。
ステップS2112(図21)での結果がNoである場合、選択部211は、識別子modeが2を示すことを確認する(ステップS2113)。ステップS2113での結果がYesである場合、第3符号化方式に則った符号化処理が行われる。すなわち、まず、選択部211の制御に基づき、誤差計算部214にL個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)と第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)が入力される。誤差計算部214は、第1量子化信号X^(k)の振幅値が0の場合は、周波数領域信号X(k)の絶対値と量子化正規化値Xから誤差信号を求め、第1量子化信号X^(k)の振幅値が0以外の場合は、周波数領域信号X(k)の絶対値と第1量子化信号X^(k)の絶対値から誤差信号を求め、誤差信号を第2符号化対象信号E(k)として出力する(S214)。
[ステップS214の処理の例示]
図23は、図21のステップS214の詳細を例示するためのフローチャートである。
誤差計算部214は、まず、k=0として処理を始める。誤差計算部214は、kがL(周波数領域信号X(k)の数)よりも小さいかを確認する(S2141)。ステップS2141での結果がYesの場合、X^(k)が0かを確認する(S2142)。ステップS2142での結果がYesの場合(第1量子化信号X^(k)の振幅値が0の場合)、誤差計算部214は、周波数領域信号X(k)の絶対値と量子化正規化値Xの誤差信号である
|X(k)|−A・X
を第2符号化対象信号E(k)とし(S2143)、ステップS2145の処理に進む。ここで、Aは正規化値の調整用の正の数(例えば1.0)である。ステップS2142での結果がNoの場合(第1量子化信号X^(k)の振幅値が0以外の場合)、周波数領域信号の絶対値|X(k)|と第1量子化信号の絶対値|X^(k)|の誤差信号である
|X(k)|−|X^(k)|
を第2符号化対象信号E(k)とし(S2144)、ステップS2145の処理に進む。ステップS2145では、kを1増加させ(S2145)、ステップS2141に戻る。ステップS2141での結果がNoの場合、処理を終了する([ステップS214の処理の例示]終わり)。
次に、第2ベクトル量子化部215に、誤差信号E(k)と量子化正規化基準値Xが入力される。第2ベクトル量子化部215は、誤差信号E(k)を、量子化正規化基準値Xで割り算する、もしくは逆数を乗ずることで正規化し、正規化誤差信号を求める。そして、正規化誤差信号をベクトル量子化して、量子化代表ベクトルのインデックスを第2ベクトル量子化インデックスCとして出力する(図21/S215)。第3符号化方式の場合、符号化器200は、第1ベクトル量子化インデックスCと第2ベクトル量子化インデックスCと正規化基準値量子化インデックスCとモード情報mode−bitが含まれる符号を、復号器100’に送って処理を終了する。
ステップS2113(図21)での結果がNoである場合、第4符号化方式に則った符号化処理が行われる。すなわち、まず、抽出部216が、L個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)と第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)を入力とし、周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)から第1ベクトル量子化部104においてパルスが立てられなかったもの(振幅値が0の量子化信号に対応する周波数領域信号)だけを抜き出した第2符号化対象信号E(m)と、第1ベクトル量子化部においてパルスが立てられなかった周波数領域信号の数M(振幅値が0の量子化信号の数)を求め、第2符号化対象信号E(m)(m=0,...,M−1)と数Mを出力する(S216)。この処理は、前述のステップS212と同一である。
次に、正負符号情報計算部217が、第2符号化対象信号E(m)(m=0,...,M−1)と数Mとを入力として、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する周波数領域信号X(k)(第1符号化対象信号)である第2符号化対象信号E(m)(m=0,...,M−1)が正であるか負であるかを示す2進数の正負符号情報b(m)(m=0,...,M−1)を生成して出力する(S217)。
[ステップS217の処理の例示]
図24は、図21のステップS217の詳細を例示するためのフローチャートである。
正負符号情報計算部217は、まず、m=0として処理を始める。正負符号情報計算部217は、mがMよりも小さいかを確認する(S2171)。ステップS2171での結果がYesの場合、正負符号情報計算部217は、第2符号化対象信号E(m)が0未満(負)であるかを確認する(S2173)。ステップS2173での結果がYesの場合(負の場合)、正負符号情報計算部217は、b(m)を0とし(S2174)、ステップS2176の処理に進む。一方、ステップS2173での結果がNoの場合(正の場合)、正負符号情報計算部217は、b(m)を1とし(S2175)、ステップS2176の処理に進む。ステップS2176では、正負符号情報計算部217が、mの値を1つ増やし(S2176)、ステップS2171に戻る。ステップS2171での結果がNoの場合、処理を終了する([ステップS217の処理の例示]終わり)。
第4符号化方式の場合、符号化器200は、第1ベクトル量子化インデックスCと正負符号情報b(m)(m=0,...,M−1)と正規化基準値量子化インデックスCとモード情報mode−bitが含まれる符号を、復号器100’に送って処理を終了する。
<復号処理>
図17(B)は復号器の処理を説明するためのフローチャートである。
まず、復号器200’は、前述したステップS107およびS108の処理を実行し、正規化基準値量子化インデックスCを用いて量子化値を特定し、それを復号量子化正規化基準値Xとするとともに、第1ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化基準値Xを用いてL個の量子化信号を特定し、それらをL個の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)(符号化対象信号)にそれぞれ対応するL個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)とする。
次に、復号器200’の復号方式選択部219が、少なくともモード情報mode−bitを用いて復号方式を特定する(ステップS219)。
[ステップS219の処理の例示]
図25は、ステップS219の処理を例示するためのフローチャートである。この例では、モード情報mode−bitが0(所定値)であった場合に、ステップS108で出力された復号第1量子化信号X^(k)(第1量子化信号)のうち振幅値が0の復号第1量子化信号の個数を特定する第2判定値mと所定の第2閾値Thとを比較する閾値判定を行って、L個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1量子化信号)の集合が、振幅値が0の復号第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の復号第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定し、第1分類に属する場合には第1復号方式を選択し、第2分類に属する場合には第2復号方式を選択する。また、モード情報mode−bitが0(所定値)以外であった場合に、モード情報mode−bitが示す第3符号化方式または第4符号化方式にそれぞれ対応する第3復号方式または第4復号方式を選択する。なお、第2閾値Thは、符号化器200で使用された値と同一である。
まず、復号方式選択部219のモード情報判定部219a(図15)が、モード情報mode−bitを入力として、モード情報mode−bitが1を示すことを確認する(図25/S2191a)。ステップS2191aでの結果がYesの場合、判定制御部219dは、復号方式として第4方式を選択し、第4方式を特定する識別子mode=1を出力して処理を終了する(S2193)。ステップS2191aでの結果がNoの場合、モード情報判定部219aが、モード情報mode−bitが2を示すことを確認する(S2191b)。ステップS2191bでの結果がYesの場合、判定制御部219dは、復号方式として第3方式を選択し、第3方式を特定する識別子mode=2を出力して処理を終了する(S2194)。ステップS2191bでの結果がNoの場合、判定制御部219dは、モード情報mode−bitが0を示すとして、スパース性判定部219bに以下の処理を実行させる。
スパース性判定部219bは、第1量子化信号X^(k)を入力とし、k=0、m=0として処理を始める(ステップS2192a)。スパース性判定部219bは、kがLよりも小さいかを確認する(S2192b)。ステップS2192bでの結果がYesの場合、スパース性判定部219bは、第1量子化信号の振幅値|X^(k)|が0でないことを確認する(S2192c)。ステップSS2192cでの結果がYesの場合、スパース性判定部219bは、mの値を1つ増やし(S2192d)、ステップS2192eの処理に進む。ステップSS2192cでの結果がNoの場合、スパース性判定部219bは、ステップS2192dの処理を実行することなく、ステップS2192eの処理に進む。ステップS2192eでは、スパース性判定部219bが、kの値を1つ増やし(S2192e)、ステップS2192bの処理に戻る。ステップS2192bでの結果がNoの場合、スパース性判定部219bは、mを第2判定値とし、第2判定値mが第2閾値Thよりも大きいことを確認する(S2192f)。
ステップS2192fでの結果がNoである場合、スパース性判定部219bは、L個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1量子化信号)の集合が、振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)の個数が多い側の第1分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部219dに出力する。この場合、判定制御部219dは、復号方式として第1方式(mode=0b)を選択し(S2195)、第1方式を特定する識別子mode=0bを出力して処理を終了する。
一方、ステップS2192fでの結果がYesである場合、スパース性判定部219bは、L個の復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)(所定数の第1量子化信号)の集合が、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)の個数が少ない側の第2分類に属すると判定し、その判定結果を判定制御部219dに出力する。この場合、判定制御部219dは、復号方式として第2方式(mode=0a)を選択し(S2196)、第2方式を特定する識別子mode=0aを出力して処理を終了する([ステップS219の処理の例示]終わり)。
次に、復号信号生成部220が、復号第1量子化信号X^(k)と復号量子化正規化基準値Xと第2ベクトル量子化インデックスCと正負符号情報b(m)(m=0,...,M−1)との少なくとも一部と、復号方式選択部219から出力された識別子modeとを入力とし、上記のように特定された復号方式に則り、復号信号Z(k)を生成し、生成した復号信号を出力する(図17(B)/ステップS220)。
[ステップS220の処理の例示]
図26は、ステップS220の処理の例示するためのフローチャートである。
復号信号生成部220の選択部221(図16)は、識別子modeを入力とし、識別子modeが0bを示すことを確認する(ステップS2211)。
ステップS2211での結果がYesである場合、第1復号方式に則った復号処理が行われる。すなわち、まず、選択部221の制御に基づき、第2ベクトル復号部109に第2ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化基準値Xを入力し、第2ベクトル復号部109が前述のステップS109の処理によって復号量子化誤差信号E^(k)を生成して出力する(S109)。次に、誤差修正部110が、復号第1量子化信号X^(k)と復号量子化誤差信号E^(k)を入力とし、前述のステップS110の処理によって復号信号Z(k)を生成して出力し(S110)、処理を終了する。
ステップS2211(図26)での結果がNoである場合、選択部221は、識別子modeが0aを示すことを確認する(S2212)。ステップS2212での結果がYesである場合、第2復号方式に則った復号処理が行われる。すなわち、まず、M値計算部222は、第1ベクトル復号部108において求められた復号第1量子化信号X^(k)を入力とし、復号第1量子化信号X^(k)の振幅値が0である復号第1量子化信号X^(k)の数Mを求める(S222)。
[ステップS222の処理の例示]
図27は、図26のステップS222の詳細を例示するためのフローチャートである。M値計算部222は、まず、k=0、m=0として処理を始める。M値計算部222は、kがLよりも小さいかを確認する(S2221)。ステップS2221での結果がYesの場合、次にM値計算部222は、X^(k)が0かを確認する(S2222)。ステップS2222での結果がYesの場合、M値計算部222は、mの値を1つ増やし(S2223)、ステップS2224の処理に進む。一方、ステップS2222での結果がNoの場合、M値計算部222は、ステップS2223の処理を実行することなく、ステップS2224に進む。ステップS2224では、M値計算部222が、kの値を1つ増やし、ステップS2221に戻る。ステップS2221での結果がNoの場合、M値計算部222は、mの値をMとし(S2225)、処理を終了する。このように値Mを求めることができるため、符号中に数Mを伝えるためのビットを含める必要がない([ステップS222の処理の例示]終わり)。
次に、第2ベクトル復号部223に、第2ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化値Xと振幅値が0である復号第1量子化信号X^(k)の数Mとが入力される。第2ベクトル復号部223は、M点または量子化ベクトルの次数の倍数Thで第2ベクトル量子化インデックスCを復号し、正規化第2復号量子化信号を求め、正規化第2復号量子化信号に復号量子化正規化値Xを乗算することで逆正規化し、復号第2量子化信号E^(m)を生成して出力する(図26/S223)。次に、再構成部224に、復号第1量子化信号X^(k)と復号第2量子化信号E^(m)と第2ベクトル復号部223が復号するときに用いた量子化ベクトルの次数の倍数Th、振幅値が0である復号第1量子化信号X^(k)の数Mが入力される。再構成部224は、復号第1量子化信号X^(k)(第1量子化信号)の振幅値が0以外の場合は復号第1量子化信号X^(k)を復号信号Z(k)とし、復号第1量子化信号X^(k)の振幅値が0の場合は復号第2量子化信号E^(m)を順次復号信号Z(k)とすることで、復号信号Z(k)を求め、出力する(S224)。
[ステップS224の処理の例示]
図28は、ステップS224の処理を例示するためのフローチャートである。再構成部224は、まず、k=0、m=0として処理を始める。再構成部224は、kがL(周波数領域信号X(k)の数)よりも小さいかを確認する(S2241)。ステップS2241での結果がYesの場合、再構成部224は、mがMより小さいことを確認する(S2242)。ステップS2242での結果がYesの場合、再構成部224は、mがThより小さいことを確認する(S2243)。ステップS2243での結果がYesの場合、再構成部224は、X^(k)が0かを確認する(S2244)。ステップS2244での結果がYesの場合、再構成部224は、E^(m)をZ(k)とし、mの値を1つ増加させ、ステップS2247の処理に進む(S2245)。ステップS2242、S2243、S2244での結果がNoの場合、再構成部224は、X^(k)をZ(k)とし、ステップS2247の処理に進む(S2246)。そして、ステップS2247では、再構成部224がkの値を1つ増加させ(S2247)、ステップS2241の処理に戻る。ステップS2241の結果がNoの場合、再構成部224は、処理を終了する([ステップS224の処理の例示]終わり)。
ステップS2212(図26)での結果がNoである場合、選択部221(図16)は、識別子modeが2を示すことを確認する(S2213)。ステップS2213での結果がYesである場合、第3復号方式に則った復号処理が行われる。すなわち、まず、選択部221の制御に基づき、第2ベクトル復号部225に第2ベクトル量子化インデックスCと復号量子化正規化基準値Xを入力し、第2ベクトル復号部225が前述のステップS109と同一の処理によって復号量子化誤差信号E^(k)を生成して出力する(S225)。
次に、誤差修正部226が、復号量子化誤差信号E^(k)と復号第1量子化信号X^(k)とを入力とし、復号第1量子化信号X^(k)(第1量子化信号)の振幅値が0の場合は、復号量子化正規化基準値X(量子化正規化基準値)と復号第2量子化信号E^(k)(第2量子化信号)と加重加算結果と、ランダムに生成された1または−1との乗算結果を復号信号Z(k)とし、復号第1量子化信号X^(k)の振幅値が0以外の場合は、復号第1量子化信号X^(k)と復号第2量子化信号E^(k)の和を用いた計算結果を復号信号Z(k)とする(S226)。
[ステップS226の処理の例示]
図29は、ステップS226の処理を例示するためのフローチャートである。
誤差修正部226は、まず、k=0として処理を始める。誤差修正部226は、kがL(周波数領域信号X(k)の数)よりも小さいかを確認する(S2261)。ステップS2261での結果がYesの場合、誤差修正部226は、X^(k)が0かを確認する(S2262)。ステップS2262の結果がYesの場合(復号第1量子化信号X^(k)の振幅値が0の場合)、誤差修正部226は、復号量子化正規化基準値Xと復号第2量子化信号E^(k)の加重加算結果A・X+E^(k)にランダムに生成した1または−1を乗算し、乗算結果を復号信号Z(k)とする(S2263)。ここで、Aは正規化基準値の調整用の正の数(例えば1.0)である。また、図中のrand(k)は、ランダムに1または−1を生成する関数を示しており、例えば乱数などを用いて1または−1を生成する関数である。このように、ランダムに1または−1を乗算するのは、すべての周波数で復号信号が正の値となったのでは、歪んだ音になってしまうからであり、ランダムに1または−1を乗算することによって自然な音を作り出すことができる。ステップS2262での結果がNoの場合は、誤差修正部226は、X^(k)が負かを確認する(S2264)。ステップS2264での結果がYesの場合(復号第1量子化信号の値が負の場合)は、誤差修正部226は、復号第1量子化信号X^(k)の絶対値と復号第2量子化信号E^(k)の和に−1を乗算し、乗算結果を復号信号Z(k)とする(S2265)。ステップS2264での結果がNoの場合(復号第1量子化信号の値が正の場合)は、誤差修正部226は、復号第1量子化信号X^(k)の絶対値と復号第2量子化信号E^(k)の和を復号信号Z(k)とする(S2266)。誤差修正部226は、kを1増加させ(S2267)、ステップS2261の処理に戻る。ステップS2261の結果がNoの場合、誤差修正部226は、処理を終了する([ステップS226の処理の例示]終わり)。
ステップS2213(図26)での結果がNoである場合、第4復号方式に則った復号処理が行われる。すなわち、まず、M値計算部227が、復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)を入力とし、それらのうち振幅値が0の復号第1量子化信号X^(k)の数Mを求め、数Mを出力する(S227)。この処理は、前述のステップS222と同一である。
次に、周波数成分計算部228が、復号量子化正規化基準値Xと正負符号情報b(m)(m=0,...,M−1)と値Mとを入力とし、正負符号情報b(m)が示す正または負の符号を持つ信号E^(m)を生成し、信号E^(m)を出力する(図26/S228)。
[ステップS228の処理の例示]
図30は、図26のステップS228の詳細を例示するためのフローチャートである。周波数成分計算部228は、まず、m=0として処理を始める。周波数成分計算部228は、mがLよりも小さいかを確認する(S2281)。ステップS2281での結果がYesの場合、周波数成分計算部228は、b(m)が0であるかを確認する(S2283)。S2283での結果がYesの場合、周波数成分計算部228は、
E^(m)=−1・C(m)・X (5)
を計算し(S2284)、ステップS2287の処理に進む。一方、S2283での結果がNoの場合、周波数成分計算部228は、
E^(m)=C(m)・X (6)
を計算し(S2285)、ステップS2287の処理に進む。ここで、C(m)は、復号量子化正規化基準値Xを周波数領域信号X(k)に近づけるための正の調整定数である。C(m)の例は1未満の数や1よりも大きな数であるが、C(m)=1.0としてもよい。また、C(m)は、すべてのm=0,...,M−1に対して同一の値であってもよいし、各mまたは一部のmの集合ごとに定められてもよい。すなわち、信号E^(m)の絶対値は、復号量子化正規化基準値Xまたはその重み付け値あるいは定数倍値である。ステップS2287では、周波数成分計算部228が、mの値を1つ増やし(S2287)、ステップS2281の処理に進む。S2281での結果がNoの場合、周波数成分計算部228は、処理を終了する([ステップS228の処理の例示]の説明終わり)。
次に、再構成部229が、復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)と信号E^(m)(m=0,...,M−1)とを入力とし、復号第1量子化信号X^(k)(k=0,...,L−1)のうち、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)を信号E^(m)に置換した復号信号Z(k)(k=0,...,L−1)を生成し、復号信号Z(k)(k=0,...,L−1)を出力する(図26/S229)。
[ステップS229の処理の例示]
図31は、図26のステップS229の詳細を例示するためのフローチャートである。再構成部229は、まず、k=0、m=0として処理を始める。再構成部229は、kがLよりも小さいかを確認する(S2291)。ステップS2291での結果がYesの場合、再構成部229は、復号第1量子化信号X^(k)が0であるかを確認する(S2292)。ステップS2292での結果がYesの場合、再構成部229は、信号E^(m)を復号信号Z(k)とし(ステップS2293)、ステップS2295の処理に進む。一方、ステップS2292での結果がNoの場合、再構成部229は、復号第1量子化信号X^(k)を復号信号Z(k)とし、ステップS2295の処理に進む。ステップS2295では、周波数成分計算部228が、kの値を1つ増やし(S2295)、ステップS2291の処理に戻る。ステップS2291の結果がNoの場合、再構成部229は、処理を終了する([ステップS229の処理の例示]の説明終わり)。
以上のステップS220の処理の後、時間領域変換部111が、復号信号Z(k)(k=0,...,L−1)を入力とし、それらの時間領域変換を行い、フレーム点数L分の出力信号z(n)(n=0,...,N−1)を出力する(S111)。
<第1実施形態の特徴>
以上のように、本形態の符号化処理では、基準値よりも振幅値が小さな第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が基準値以下の第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択することとした。そのため、第1符号化対象信号がスパースか否かに応じて適切な符号化方式を選択できる。
また、本形態の符号化処理では、第1符号化対象信号がスパースであると判定された場合に、所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定により、所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかをすることにした(S2052a〜S2052f)。これにより、第1符号化対象信号がスパース(第1分類)か、非常にスパース(第2分類)かを判定でき、それぞれに応じて適切な符号化方式を選択できる。なお、この判定は第1量子化信号を用いているため、復号処理時にも同様に実行できる(S2192a〜2192f)。よって、第1分類に対応する第1符号化方式が選択されたか、第2分類に対応する第2符号化方式が選択されたかを特定する情報を符号に含める必要はない。
また、本形態の符号化処理では、第1符号化対象信号がスパースであると判定された場合に、所定数の第1符号化対象信号の振幅値の統計的ばらつきを特定する第3判定値と所定の第3閾値とを比較する閾値判定により、所定数の第1符号化対象信号の集合が、統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属するか、統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属するかを判定することとした(S2055)。これにより、所定数の第1符号化対象信号の集合の統計的ばらつきに応じて適切な符号化方式を選択できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本形態では、入力信号x(n)を周波数領域に変換して得られた周波数領域信号X(k)を符号化対象信号とした。しかし、入力信号x(n)を周波数領域に変換して得られた周波数領域信号の特定の周波数帯(例えば、8kHz〜14kHzなど)の信号を符号化対象信号としてもよい。また、所定の離散時間区間であるフレーム単位またはフレームを複数に符号化対象信号分割した離散時間区間であるサブフレーム単位で抽出された時間領域の信号を符号化対象信号としてもよい。また、これらの信号を量子化した信号を符号化対象信号としてもよい。
また、本形態では、所定数の符号化対象信号の平均パワーの平方根、または、所定数の符号化対象信号の平均振幅値を正規化基準値X としたが、所定数の符号化対象信号の合計パワーや、所定数の符号化対象信号の振幅値の合計値など、その他の所定数の符号化対象信号の振幅の集合に依存する値を正規化基準値X としてもよい。
また、本形態では、第1ベクトル量子化部104が、正規化後の符号化対象信号をベクトル量子化して、量子化代表ベクトルのインデックスである第1ベクトル量子化インデックスCを生成したが、正規化前の符号化対象信号をベクトル量子化して、量子化代表ベクトルのインデックスである第1ベクトル量子化インデックスCを生成してもよい。
また、本形態では、符号化時に、一段目のベクトル量子化を行って得られた信号を符号化方式選択部205や符号化処理部210に入力したが、二段以上のベクトル量子化を行って得られた信号を符号化方式選択部205や符号化処理部210に入力する構成でもよい。この場合、復号時にも符号化時と同じ段数のベクトル復号が実行される。
また、本形態では、L点の周波数領域信号X(k)(k=0,...,L−1)に対応する正規化基準値X を用いたが、サブバンドごとに周波数領域信号X(k)に対応する正規化基準値X が生成されてもよい。
また、ステップS2055の確認を行わず、ステップS2051eの結果がNoとなった場合に、予め定められた第3方式(mode=2)または第4方式(mode=1)が選択されてもよい。また、ステップS2052a〜S2052fの確認を行わず、ステップS2051eの結果がYesとなった場合に、予め定められた第1方式(mode=0b)または第2方式(mode=0a)が選択されてもよい。さらに、ステップS2055の確認もステップS2052a〜S2052fの確認も行わず、ステップS2051eの結果がYesとなった場合に、予め定められた第1方式(mode=0b)または第2方式(mode=0a)が選択され、ステップS2051eの結果がNoとなった場合に、予め定められた第3方式(mode=2)または第4方式(mode=1)が選択されてもよい。また、上述の第1〜第4方式以外の符号化方式及び復号方式を用いてもよい。さらに、第1符号化対象信号がスパースか否かに応じて、振幅値が0の第1量子化信号と振幅値が0以外の第1量子化信号とで符号化処理および復号処理を変化させる方式と、振幅値が0の第1量子化信号と振幅値が0以外の第1量子化信号とで符号化処理および復号処理を変化させない方式とを切り替える構成でもよい。また、5つ以上の方式から1つの方式を選択する構成でもよい。また、ステップS2051a〜S2051eや、ステップS2052a〜S2052fや、ステップS2055の処理の少なくとも一部を、それぞれ、異なる閾値を用いて複数回実行して、判定結果が5以上に分岐する構成でもよい。
また、本形態では、第1方式(mode=0b)と第2方式(mode=0a)とに対して同じモード情報mode−bit「0」を割り当てたが、第1方式(mode=0b)と第2方式(mode=0a)とに対して異なるモード情報mode−bitを割り当ててもよい。
また、ステップS2051b、S2051e、S2052c、S2052f、S2055などの各判定方法は上述のものに限定されず、同じ目的を達成するためにそれらと異なる様々な判定方法を用いることができる。例えばステップS2051a〜S2051eでは、周波数領域信号X(k)の振幅値|X(k)|が基準値Th・Xよりも小さい場合をカウントし、そのカウント値である判定値mが閾値Thよりも大きい場合に、非常にスパースであると判定した。しかし、周波数領域信号X(k)の振幅値|X(k)|が基準値Th・Xよりも大きい場合をカウントし、そのカウント値である判定値mが閾値Thよりも小さい場合に、非常にスパースであると判定してもよい。また、α>βであるかという判定をα≧βであるかという判定に変更することや、α<βであるかという判定をα≦βであるかという判定に変更することも可能である。
また、各符号化方式および復号方式を適宜変更してもよい。例えば、(復号)量子化正規化値Xを用いる代わりに、処理対象となる離散時間区間(フレームやサブフレームなど)間で(復号)量子化正規化値Xを平滑化して得られた値を用いてもよい。また、例えば、第2ベクトル量子化部213,215、第2ベクトル復号部223,225、周波数成分計算部228において、(復号)量子化正規化値Xを用いる代わりに、振幅値が0の第1量子化信号X^(k)に対応する第1符号化対象信号X(k)の振幅値からなる集合のみに依存すると推定される第2正規化基準値(量子化正規化値Xの再計算値)を用いてもよい。また、再構成部224,229が、X^(k)の振幅値が0の場合に、E^(m)を復号信号Z(k)とするのではなく、X^(k)とE^(m)との線形和などのE^(m)と同値の信号を復号信号Z(k)としてもよい。その他、第4方式において、振幅値が0のX^(k)に対応するX(k)から選択された、所定個数以下の符号化対象信号X(k)に対してのみ、正負符号情報b(m)が生成されてもよい。
〔第2実施形態〕
前述のように、所定数の第1符号化対象信号の集合は、それぞれ、何れかの離散時間区間(フレームやサブフレーム等)に対応する。また、所定数の第1符号化対象信号の集合がスパースか否かに基づき、符号化方式を選択する処理(S11やS2051a〜S2051e)や、選択された符号化方式に則って符号化処理を行う処理(S210)は、当該離散時間区間ごとに実行される。ここで、隣り合う離散時間区間に対してそれぞれ選択された符号化方式が頻繁に変化することは、ミュージカルノイズの原因の一つとなる。本形態では、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度を低くするための平滑化処理を行い、ミュージカルノイズを軽減させる。
<構成>
図12および図13を用いて第2実施形態の構成を説明する。
第2実施形態の符号化器300は、符号化方式選択部305が第1実施形態の符号化器200と相違する。符号化方式選択部305は、平滑化処理部305aを備える点で第1実施形態の符号化方式選択部205と相違する。符号化器300のその他の構成は、符号化器200と同一である。また、第2実施形態の復号器は第1実施形態の復号器200’と同一である。
<符号化処理>
次に、図17および図18を用い、第2実施形態の符号化処理を説明する。
第2実施形態の符号化方法は、ステップS305の処理が第1実施形態のステップS205の処理と相違する。
本形態では、ステップS2051e(図18)での結果がYesである場合、平滑化処理部305aが、変数flg_holdに定数HOLD_TIMEを代入(ステップS3051a)した後、第2スパース性判定(S2052a〜S2052f)が実行される。変数flg_holdの値は、以後の離散時間区間(フレームやサブフレーム等)に対する処理においても維持され、後述のように、変数flg_holdのちが0でない限り、第1符号化方式または第2符号化方式が選択され易くなる。なお、定数HOLD_TIMEは、第1符号化方式または第2符号化方式が選択され易くなる離散時間区間数(フレーム数やサブフレーム数等)を示す正の整数であり、その一例は50である。
ステップS2051e(図18)での結果がNoである場合、平滑化処理部305aが、変数flg_holdの値が0よりも大きいことを確認する(S3051b)。ステップS3051bでの結果がYesである場合、平滑化処理部305aは、判定値mが補正閾値Thよりも大きいことを確認する(S3051c)。なお、補正閾値Thは、閾値Thよりも小さく、かつ、1より大きくLより小さい正の整数であり、L=64の場合の一例は10である。ステップS3051cでの結果がYesである場合、平滑化処理部305aが、変数flg_holdから1を引いた値を新たな変数flg_holdの値とした後(ステップS3051d)、第2スパース性判定(S2052a〜S2052f)が実行される。ステップS3051cでの結果がYesである場合、平滑化処理部305aが、変数flg_holdから1を引いた値を新たな変数flg_holdの値とした後(ステップS3051e)、ばらつき判定(S2055)が実行される。また、ステップS3051bでの結果Noである場合にも、ばらつき判定(S2055)が実行される。その他は第1実施形態と同じである。なお、第2実施形態の復号処理は第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
<第2実施形態の特徴>
補正閾値Thは閾値Thよりも小さいため、一旦、ステップS2051eの結果がYesとなった場合(スパースであると判定された場合)、それ以降のHOLD_TIME分の離散時間区間において、第1符号化方式または第2符号化方式が選択され易くなる。これにより、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度が低くなり、ミュージカルノイズが軽減される。また、第2実施形態でも第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度を低くする処理方法が上記以外であってもよい。例えば、ステップS3051b〜S3051eの処理の代わりに、ステップS2051eの結果がYesとなった場合(スパースであると判定された場合)、それ以降のHOLD_TIME分の離散時間区間において、閾値Thの値が小さくなる構成でもよい。また、ステップS2051eの結果がYesとなった場合(スパースであると判定された場合)、それ以降のHOLD_TIME分の離散時間区間において、判定値mの値がかさ上げされる(例えば、m+10を判定値とする等)構成でもよい。また、一旦、ステップS2051eの結果がNoとなった場合(スパースでないと判定された場合)、それ以降のHOLD_TIME分の離散時間区間において、第3符号化方式または第4符号化方式が選択され易くなる構成でもよい。また、本形態では、スパースであるか否かの判定部分について、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度を低くすることとした。しかし、その他の判定部分(第2スパース性判定やばらつき判定)において、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度を低くしてもよい。その他、第2実施形態と前述した第1実施形態やその変形とを組み合わせた形態でもよい。
〔第3実施形態〕
第3実施形態の符号化処理では、所定の割り当てられたビット数から、第1量子化信号を特定するために必要なビット数を減じた残存ビット数が所定値R(R≧1)以上である場合にのみ、ばらつき判定(S2055)が実行される。第1スパース判定(S2051a〜S2051e)において所定数の第1符号化対象信号の集合が非スパース分類に属すると判定され、かつ、残存ビット数が所定値R未満である場合には、第3判定値m(S2192f)の値にかかわらず、予め定められた第3符号化方式または第4符号化方式が選択される。なお、残存ビット数が所定値R以上である場合のモード情報mode−bitのビット長は、第1スパース判定(S2051a〜S2051e)とばらつき判定(S2055)とによって分岐する判定結果を表現可能な第1ビット長とされ、残存ビット数が所定値R未満である場合のモード情報のビット長は、第1スパース判定(S2051a〜S2051e)によって分岐する判定結果のみを表現可能な第2ビット長とされ、所定値Rは、第1ビット長から第2ビット長を減じた値に等しい。
第3実施形態の復号処理では、残存ビット数が所定値R以上であるか否かを判定し、残存ビット数が所定値R以上である場合、符号の所定の位置から所定の第1ビット長を抽出してこれをモード情報mode−bitとし、残存ビット数が所定値R未満である場合、符号の所定の位置から所定の第2ビット長を抽出してこれをモード情報mode−bitとする。
本形態では、一例として、所定値Rを1とし、第1ビット長を2ビットとし、第2ビット長を1ビットとした場合を説明する。
<構成>
図12、図13および図15を用いて第3実施形態の構成を説明する。
第3実施形態の符号化器400は、符号化方式選択部405とモード情報生成部406とが第1実施形態の符号化器200と相違する。符号化方式選択部405は、残存ビット数判定部405cを備える点で第1実施形態の符号化方式選択部205と相違する。符号化器300のその他の構成は、符号化器200と同一である。
第3実施形態の復号器400’は、復号方式選択部419が第1実施形態の復号器200’と相違する。復号方式選択部419は、モード情報判定部419aと判定制御部419dと残存ビット数判定部419cが第1実施形態の復号方式選択部219と相違する。復号器400’のその他の構成は、復号器200’と同一である。
<符号化処理・復号処理>
次に、図17から図25を用い、第3実施形態の符号化処理および復号処理を説明する。
第3実施形態の符号化処理は、ステップS405,406の処理が第1実施形態のステップS205,406の処理と相違する。
本形態の符号化方式の選択処理(図17/S405)では、ばらつき判定(図19/S2055)を行う前に、符号化方式選択部405の残存ビット数判定部405cが、残存ビット数が所定値R以上であるか否かを判定する。残存ビット数の例は、第1ベクトル量子化部104での量子化結果を伝送するために割り当てられた所定のビット数BITから、第1量子化信号X^(k)を特定するために必要なビット数nbitを減じた値である。また、第1量子化信号X^(k)を特定するために必要なビット数nbitの例は、第1ベクトル量子化インデックスCのビット数、もしくは、正規化基準値量子化インデックスCのビット数、または、それらのビット数の合計値である。この場合、ばらつき判定(S2055)を行う前に、残存ビット数判定部405cが、第1ベクトル量子化インデックスC、もしくは、正規化基準値量子化インデックスCのビット数、または、それらの両方を入力とし、nbitがBITよりも小さいことを確認する(S4041)。ステップS4051での結果がYesの場合、ばらつき判定(S2055)が実行される。ステップS4051での結果がNoの場合、ばらつき判定(S2055)を行うことなく、強制的に第4方式が選択される(S2057)。
本形態のモード情報生成処理(図17/S406)では、ステップS2062、S2063、S2064(図20)の後、モード情報生成部406が、第1ベクトル量子化インデックスC、もしくは、正規化基準値量子化インデックスCのビット数、または、それらの両方を入力とし、nbitがBITよりも小さいことを確認する(S4061)。ステップS4061での結果がYesの場合、モード情報生成部406は、モード情報mode−bitのために符号の所定位置の2ビットを割り当てる(ステップS4062)。ステップS4061での結果がNoの場合、モード情報生成部406は、モード情報mode−bitのために符号の所定位置の1ビットを割り当てる(ステップS4063)。
第3実施形態の復号処理は、ステップS419の処理が第1実施形態のステップS219の処理と相違する。
本形態の復号方式の選択処理(図17(B)/S419)では、最初に、復号方式選択部419の残存ビット数判定部419cが、第1ベクトル量子化インデックスC、もしくは、正規化基準値量子化インデックスCのビット数、または、それらの両方を入力とし、nbitがBITよりも小さいことを確認し(図25/S4191)、その結果を判定制御部419dに伝える。ステップS4191の結果がYesであった場合、判定制御部419dはモード情報判定部419aに符号の所定の位置の2ビットを抽出させ、これをモード情報mode−bitとする(S4192)。また、判定制御部419dはモード情報判定部419aに符号の所定の位置の1ビットを抽出させ、これをモード情報mode−bitとする(S4193)。その後の処理は、第1実施形態と同じである。
<第3実施形態の特徴>
本形態では、前段の第1ベクトル量子化に関するビットを伝送するために符号に割り当てられた領域が余っているときには、その領域の1ビットとモード情報に割り当てられた1ビットとの計2ビットをモード情報mode−bitの伝送のために用いる。一方、前段の第1ベクトル量子化に関するビットを伝送するために符号に割り当てられた領域が余っていないときには、モード情報に割り当てられた1ビットのみをモード情報mode−bitの伝送のために用いる。これにより、符号ビット長を抑制できる。
また、モード情報に割り当てられた1ビットのみをモード情報mode−bitの伝送のために用いる場合には第3方式と第4方式とを区別できない。そのため、符号化処理時に第1方式または第2方式が選択されないときには、強制的に予め定められた第3方式または第4方式が選択される。しかし、第3方式を用いるか第4方式を用いるかの相違による符号化精度の差異はさほど大きくないため、このような処理でも復号信号の品質にはさほど影響しない。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本形態では、前段の第1ベクトル量子化に関するビットを伝送するために符号に割り当てられた領域が余っているか否かに応じ、2種類のビット数(本形態の例では1ビットまたは2ビット)からモード情報mode−bitの伝送に用いるビット数を選択した。しかし、前段の第1ベクトル量子化に関するビットを伝送するために符号に割り当てられた領域に残存するビット数に応じ、3種類以上のビット数からモード情報mode−bitの伝送に用いるビット数を選択してもよい。例えば、当該領域に残存するビット数がRBITであった場合、このRBITとモード情報に割り当てられた1ビットとの計(RBIT+1)ビットをモード情報mode−bitの伝送のために用いてもよい。また、例えば、第3実施形態と第2実施形態や前述した第1実施形態の変形とを組み合わせた形態でもよい。
〔実験結果〕
各音源に対する本形態の方式選択(modeスイッチング)の動作検証を行った。ここでは、第3実施形態で説明したように、モード情報として常時1ビット使用し、第1ベクトル量子化部に関するビットに対して割り当てられた領域が余ったときのみモード情報として1ビット使用した。
図32から図36は、本形態の方式選択の動作検証結果を説明するための図である。これらの図の横軸は識別子modeの値を示し、縦軸は確率を示す。図32はノイズがない環境で収録された話し声の周波数領域信号を第1符号化対象信号とした場合(データ1)、図33はノイズが存在する環境で収録された話し声の周波数領域信号を第1符号化対象信号とした場合(データ2)、図34は歌付のブルースロック音楽の周波数領域信号を第1符号化対象信号とした場合(データ3)、図35はグロッケンシュピール(鉄琴)で演奏された音楽の周波数領域信号を第1符号化対象信号とした場合(データ4)、図36はバグパイプ(風笛)で演奏された音楽の周波数領域信号を第1符号化対象信号とした場合(データ5)の検証結果を示している。
図32から図36に示すように、周波数軸方向においてスパースな音源ほどmode=0a,0bが選択され、スパースでない音源ほどmode=1,2が選択される傾向がある。また、量子化正規化基準値に対する第1符号化対象信号の絶対値のばらつきが小さい(第1符号化対象信号の絶対値と量子化正規化基準値の間のSNR(式(4)の左辺)が大きい)と考えられるデータ2では、mode=2でなくmode=1が選択された。
〔その他の変形例等〕
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成はコンピュータによって実現できる。この場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
100,200,300,400 符号化器
100’,200’,400’ 復号器

Claims (14)

  1. (A) 所定数の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスと、を生成して出力するステップと、
    (B) 前記所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな前記第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が前記基準値以下の前記第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、
    振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する符号化方式、
    前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、複数の前記第1符号化対象信号の振幅値からなる集合に依存する量子化正規化基準値と前記第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第1符号化対象信号の絶対値と前記第1量子化信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する符号化方式、および
    振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみについて、前記第1符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成する符号化方式、
    のうちの何れか1つ以上を含む2つ以上の符号化方式から、前記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報を生成して出力するステップと、
    (C) 前記第1量子化信号を少なくとも用い、前記ステップ(B)で選択された前記符号化方式に則って符号化処理を行うステップと、
    を有する符号化方法。
  2. (A) 所定数の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスと、を生成して出力するステップと、
    (B) 前記所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな前記第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が前記基準値以下の前記第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、前記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報を生成して出力するステップと、
    (C) 前記第1量子化信号を少なくとも用い、前記ステップ(B)で選択された前記符号化方式に則って符号化処理を行うステップと、を有し、
    前記ステップ(B)は、
    (B-1) 前記判定値と所定の閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号の集合が、振幅値の小さな前記第1符号化対象信号が多い側のスパース分類に属するか、振幅値の小さな前記第1符号化対象信号が少ない側の非スパース分類に属するか、を判定するステップと、
    (B-2) 前記ステップ(B-1)において前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記スパース分類に属すると判定された場合、前記所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する前記第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定するステップと、
    (B-3) 前記ステップ(B-1)において前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記非スパース分類に属すると判定された場合、前記所定数の第1符号化対象信号の振幅値の統計的ばらつきを特定する第3判定値と所定の第3閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号の集合が、前記統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属するか、前記統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属するかを判定するステップと、を含み、
    前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記第1分類に属すると判定された場合には第1符号化方式を選択し、前記第2分類に属すると判定された場合には第2符号化方式を選択し、前記第3分類に属すると判定された場合には第3符号化方式を選択し、前記第4分類に属すると判定された場合には第4符号化方式を選択し、
    前記第1符号化方式は、前記第1符号化対象信号と前記第1量子化信号とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第2符号化方式は、振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第3符号化方式は、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、複数の前記第1符号化対象信号の振幅値からなる集合に依存する量子化正規化基準値と前記第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第1符号化対象信号の絶対値と前記第1量子化信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第4符号化方式は、振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみについて、前記第1符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成する方式である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  3. 請求項2の符号化方法であって、
    前記ステップ(B-3)は、所定の割り当てられたビット数から、前記第1量子化信号を特定するために必要なビット数を減じた残存ビット数が所定値R(R≧1)以上である場合に実行されるステップであり、
    前記ステップ(B-1)において前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記非スパース分類に属すると判定され、かつ、前記残存ビット数が所定値R未満である場合には、前記第3判定値の値にかかわらず、予め定められた前記第3符号化方式または前記第4符号化方式が選択され、
    前記残存ビット数が所定値R以上である場合の前記モード情報のビット長は、前記ステップ(B-1)での判定と前記ステップ(B-3)での判定とによって分岐する判定結果を表現可能な第1ビット長とされ、
    前記残存ビット数が所定値R未満である場合の前記モード情報のビット長は、前記ステップ(B-1)によって分岐する判定結果のみを表現可能な第2ビット長とされ、
    前記所定値Rは、前記第1ビット長から前記第2ビット長を減じた値に等しい、
    ことを特徴とする符号化方法。
  4. 請求項1から3の何れかの符号化方法であって、
    前記所定数の第1符号化対象信号の集合は、それぞれ、何れかの離散時間区間に対応し、
    前記ステップ(B)及び(C)は、前記所定数の第1符号化対象信号の集合に対応する離散時間区間ごとに実行されるステップであり、
    前記ステップ(B)は、隣り合う離散時間区間に対応する各判定結果が互いに相違する頻度を低くするための平滑化処理を行うステップを含む、
    ことを特徴とする符号化方法。
  5. (a) 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得るステップと、
    (b) 少なくともモード情報を用い
    少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する復号方式、
    少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、少なくとも第3量子化インデックスを用いて量子化正規化基準値を復号し、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記量子化正規化基準値を誤差修正することで復号信号を生成し、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する復号方式、および
    少なくとも正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する復号方式、
    のうちの何れか1つ以上を含む2つ以上の復号方式から、或る復号方式を特定するステップと、
    (c) 前記ステップ(b)で特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力するステップと、
    を有する復号方法。
  6. (a) 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得るステップと、
    (b) 少なくともモード情報を用いて復号方式を特定するステップと、
    (c) 前記ステップ(b)で特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力するステップと、を有し、
    前記ステップ(b)は、
    (b-1) 前記モード情報が所定値であった場合に、前記ステップ(a)で出力された前記第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定を行って、前記所定数の第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定し、前記第1分類に属する場合には第1復号方式を選択し、前記第2分類に属する場合には第2復号方式を選択するステップと、
    (b-2) 前記モード情報が前記所定値以外であった場合に、前記モード情報が示す第3復号方式または第4復号方式を選択するステップと、を含み、
    前記第1復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式であり、
    前記第2復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式であり、
    前記第3復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、少なくとも第3量子化インデックスを用いて量子化正規化基準値を復号し、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記量子化正規化基準値を誤差修正することで復号信号を生成し、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式であり、
    前記第4復号方式は、少なくとも正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式である、
    ことを特徴とする復号方法。
  7. 請求項5または6の復号方法であって、
    前記ステップ(b)は、
    (b-1) 所定の割り当てられたビット数から、前記第1量子化信号を特定するために必要なビット数を減じた残存ビット数が所定値R(R≧1)以上であるか否かを判定するステップと、
    (b-2) 前記残存ビット数が所定値R以上である場合、前記符号の所定の位置から所定の第1ビット長を抽出してこれを前記モード情報とし、前記残存ビット数が所定値R未満である場合、前記符号の所定の位置から所定の第2ビット長を抽出してこれを前記モード情報とするステップと、含み、
    前記所定値Rは、前記第1ビット長から前記第2ビット長を減じた値に等しい、
    ことを特徴とする復号方法。
  8. (a) 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得るステップと、
    (b) 少なくともモード情報を用いて復号方式を特定するステップと、
    (c) 前記ステップ(b)で特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力するステップと、を有し、
    前記ステップ(b)は、
    (b-1) 所定の割り当てられたビット数から、前記第1量子化信号を特定するために必要なビット数を減じた残存ビット数が所定値R(R≧1)以上であるか否かを判定するステップと、
    (b-2) 前記残存ビット数が所定値R以上である場合、前記符号の所定の位置から所定の第1ビット長を抽出してこれを前記モード情報とし、前記残存ビット数が所定値R未満である場合、前記符号の所定の位置から所定の第2ビット長を抽出してこれを前記モード情報とするステップと、含み、
    前記所定値Rは、前記第1ビット長から前記第2ビット長を減じた値に等しい、
    ことを特徴とする復号方法。
  9. 所定数の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスと、を生成して出力し、前記所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな前記第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が前記基準値以下の前記第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、
    振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する符号化方式、
    前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、複数の前記第1符号化対象信号の振幅値からなる集合に依存する量子化正規化基準値と前記第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第1符号化対象信号の絶対値と前記第1量子化信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する符号化方式、および
    振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみについて、前記第1符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成する符号化方式、
    のうちの何れか1つ以上を含む2つ以上の符号化方式から、前記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報を生成して出力し、前記第1量子化信号を少なくとも用い、選択された前記符号化方式に則って符号化処理を行う、
    ことを特徴とする符号化器。
  10. 所定数の第1符号化対象信号またはそれらに対応する所定数の信号、を要素とするベクトルを量子化し、前記第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号と、当該第1量子化信号を特定するための第1量子化インデックスと、を生成して出力し、前記所定数の第1符号化対象信号のうち、基準値よりも振幅値が小さな前記第1符号化対象信号の個数、または、振幅値が前記基準値以下の前記第1符号化対象信号の個数、を特定する判定値に基づき、前記所定数の第1符号化対象信号に対応する符号化方式を選択し、選択した符号化方式を特定するためのモード情報を生成して出力し、前記第1量子化信号を少なくとも用い、選択された前記符号化方式に則って符号化処理を行い、
    前記符号化方式の選択では、
    前記判定値と所定の閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号の集合が、振幅値の小さな前記第1符号化対象信号が多い側のスパース分類に属するか、振幅値の小さな前記第1符号化対象信号が少ない側の非スパース分類に属するかを判定し、
    前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記スパース分類に属すると判定された場合、前記所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する前記第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号にそれぞれ対応する第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定し、
    前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記非スパース分類に属すると判定された場合、前記所定数の第1符号化対象信号の振幅値の統計的ばらつきを特定する第3判定値と所定の第3閾値とを比較する閾値判定により、前記所定数の第1符号化対象信号の集合が、前記統計的ばらつきが大きい側の第3分類に属するか、前記統計的ばらつきが小さい側の第4分類に属するかを判定し、
    前記所定数の第1符号化対象信号の集合が前記第1分類に属すると判定された場合には第1符号化方式を選択し、前記第2分類に属すると判定された場合には第2符号化方式を選択し、前記第3分類に属すると判定された場合には第3符号化方式を選択し、前記第4分類に属すると判定された場合には第4符号化方式を選択し、
    前記第1符号化方式は、前記第1符号化対象信号と前記第1量子化信号とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第2符号化方式は、振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみを第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第3符号化方式は、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、複数の前記第1符号化対象信号の振幅値からなる集合に依存する量子化正規化基準値と前記第1符号化対象信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第1符号化対象信号の絶対値と前記第1量子化信号の絶対値とから求めた誤差信号を第2符号化対象信号とし、当該第2符号化対象信号を量子化する方式であり、
    前記第4符号化方式は、振幅値が0の前記第1量子化信号に対応する前記第1符号化対象信号のみについて、前記第1符号化対象信号が正であるか負であるかを示す正負符号情報を生成する方式である、
    ことを特徴とする符号化器。
  11. 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得、少なくともモード情報を用い
    少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する復号方式、
    少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、少なくとも第3量子化インデックスを用いて量子化正規化基準値を復号し、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記量子化正規化基準値を誤差修正することで復号信号を生成し、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する復号方式、および
    少なくとも正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する復号方式、
    のうちの何れか1つ以上を含む2つ以上の復号方式から、或る復号方式を特定し、特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力する、
    ことを特徴とする復号器。
  12. 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得、少なくともモード情報を用いて復号方式を特定し、特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力し、
    前記復号方式の特定では、
    前記モード情報が所定値であった場合に、前記第1量子化信号のうち振幅値が0の第1量子化信号の個数を特定する第2判定値と所定の第2閾値とを比較する閾値判定を行って、前記所定数の第1量子化信号の集合が、振幅値が0の第1量子化信号の個数が多い側の第1分類に属するか、振幅値が0の第1量子化信号の個数が少ない側の第2分類に属するかを判定し、前記第1分類に属する場合には第1復号方式を選択し、前記第2分類に属する場合には第2復号方式を選択し、
    前記モード情報が前記所定値以外であった場合に、前記モード情報が示す第3復号方式または第4復号方式を選択し、
    前記第1復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式であり、
    前記第2復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、当該第2量子化信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式であり、
    前記第3復号方式は、少なくとも第2量子化インデックスを用いて所定数の第2量子化信号を復号し、少なくとも第3量子化インデックスを用いて量子化正規化基準値を復号し、前記第1量子化信号の振幅値が0の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記量子化正規化基準値を誤差修正することで復号信号を生成し、前記第1量子化信号の振幅値が0以外の場合に、前記第2量子化信号を誤差信号として前記第1量子化信号を誤差修正することで復号信号を生成する方式であり、
    前記第4復号方式は、少なくとも正負符号情報を用いて当該正負符号情報が示す正または負の符号を持つ信号を生成し、当該正または負の符号を持つ信号またはそれと同値の信号と、振幅値が0でない第1量子化信号と、を含む復号信号を生成する方式である、
    ことを特徴とする復号器。
  13. 少なくとも第1量子化インデックスを復号して所定数の第1量子化信号を得、少なくともモード情報を用いて復号方式を特定し、特定された復号方式に則り、少なくとも前記第1量子化値を用いて復号信号を生成し、生成した復号信号を出力し、
    前記復号方式の特定では、
    所定の割り当てられたビット数から、前記第1量子化信号を特定するために必要なビット数を減じた残存ビット数が所定値R(R≧1)以上であるか否かを判定し、
    前記残存ビット数が所定値R以上である場合、前記符号の所定の位置から所定の第1ビット長を抽出してこれを前記モード情報とし、前記残存ビット数が所定値R未満である場合、前記符号の所定の位置から所定の第2ビット長を抽出してこれを前記モード情報とし、
    前記所定値Rは、前記第1ビット長から前記第2ビット長を減じた値に等しい、
    ことを特徴とする復号器。
  14. 請求項1から4の何れかの符号化方法の各ステップまたは請求項5からの何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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