JP4829870B2 - 地下構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、地下タンク等の地下構造物と、その外周に配置される土留め用の地下壁とからなる地下構造体に関するものである。
地下タンク等の地下構造物の施工に際しては、まず、地中連続壁等の土留め壁を施工し、ついで、土留め壁で包囲された地盤を所定深度まで切削し、地下構造物の底版を施工し、次いで該底版に側壁を剛結合等した姿勢で立ち上げていく施工方法が一般的である。なお、この土留め壁は、側壁とアンカーボルトや鉄筋等にて結合されることにより、構造壁体の一部になることもある。
上記地下構造物の施工においては、その施工エリアの地下水位が底版上方にある場合に、施工期間に亘って地下水位を低下させる等の措置が講じられるが、地下構造物の供用後は通常は地下水位低下措置を停止させるために、地下水位が所定レベルに戻ってしまう。この地下水位の上昇により、地下構造物の底版にはその下方から揚圧力が作用することになる。また、豪雨地域によっては一時的に地下水位が上昇することが考えられるが、この地下水位の上昇によっても同様に揚圧力が作用する。
一般に、上記地下構造物の設計においては、上記する地下水位によって底版に揚圧力が作用した場合を検討ケースの一つとして底版やこれに接続する側壁の設計がおこなわれる。
ところで、揚圧力が地下構造物の底版に作用した場合の他の重要な検討(設計)事項として、該揚圧力による地下構造物の浮き上がりの検討がある。この浮き上がりの検討によって地下構造物の全体重量、構成部材厚(部材重量)等が決定され、構造物全体のプロポーションが決定されることが往々にしてある。
地下構造物を構成する底版や側壁は、ともに部材厚が可及的に薄いことが工費等の面で好ましいが、上記する浮き上がりの検討により、地下構造物の重量を大きくせざるを得ない場合には、重量増加を図るための方策として構造物の構成部材の部材厚を厚くせざるを得ない。その結果、構造躯体の大型化とそれに伴う掘削量の増加、材料費や施工費の増加といった不経済な施工に繋がってしまう。
本出願人はこれまでに、上記する不経済な地下構造物の施工を解消するための施工方法や構造を発案し、たとえば特許文献1,2にその一部を開示している。
特許文献1に開示の技術は、地下タンク側壁の外周に位置する地中連続壁の上端において外周に張り出した棚板を設けるとともに、この棚板上に盛土を搭載し、地下タンク重量とこの盛土重量の総和を設計揚圧力以上とした地下タンクである。揚圧力に抗する重量に棚板直上の盛土重量を見込むことにより、地下タンク自体の重量を低減することができ、その構造部材のスリム化を図ることができるものである。
一方、特許文献2に開示の技術は、上記する棚板の上方に、棚板よりも外側へ張り出す天板を設置し、この上に盛土を搭載することにより、棚板のみの場合よりも揚圧力に抗する盛土重量を一層増加させることができ、地下タンクの構造部材の一層のスリム化を図ることができる。構造計算上はこの棚板は連続壁からの片持ち梁と見ることができるが、単に棚板の張り出し量を大きくした場合には棚板および連続壁に発生する曲げモーメントが大きくなってしまい、特にこれらの接続部にて部材厚を厚くしたり、鉄筋量を増加させる必要が生じてしまう。しかし、特許文献2に開示の地下タンクによれば、天板と棚板が縁切りされていることから、上記のような問題が生じることはない。
特許第3886275号公報 特開2006−9530号公報
特許文献1,2に開示の技術によれば、地下タンクのスリム化、工費の低減を図ることができる。ところで、これらの技術では、棚板の直上または天板の直上の盛土重量のみを、揚圧力に抗する抵抗力の盛土の寄与分としている。特許文献2では、かかる技術思想に基づき、棚板よりも張り出した天板を設ける措置を講じている。
しかし、棚板の上に天板を設置し、この上に盛土を造成するのでは、この天板の施工手間や設置に要する工期の延長、さらには、該特許文献2の図4,5に図示のごとくさらに独立支点を杭等で支持する必要があるなどの課題が存在する。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、地下構造物とこれに接する地下壁とからなる地下構造体であって、該地下壁の上端には外側に張り出したフランジ部材が設けられ、フランジ部材の上方およびその外側の地表面上に盛土を有する地下構造体において、当該盛土の有する揚圧力に抗する抵抗力としてフランジ部材直上の盛土重量以外の要素を見込むことができ、かつ、そのための方策として上記する天板等の別途の構造体の施工を必要とすることのない地下構造体を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による地下構造体は、底版と、該底版上に立設する側壁とを少なくとも備えた地下構造物と、該側壁に接する地下壁と、からなる地下構造体において、前記側壁の上端は地表面上に突出しており、前記地下壁の上端は地表面レベルにあり、かつ、該地下壁の上端には地下構造物と反対側に張り出したフランジ部材が設けられており、前記フランジ部材の上方および該フランジ部材の張り出し端のさらに外側の地表面上方には、盛土が設けられており、前記盛土内において、前記フランジ部材の張り出し端を跨ぐ所定幅の領域は補強盛土領域となっており、該補強盛土領域と前記側壁の間の領域は無補強盛土領域となっており、該補強盛土領域と該無補強盛土領域とからなる有効盛土領域の重量が、前記地下構造物の底版に作用する揚圧力に抗する抵抗力の一つとして地下構造体が設計されているものである。
本発明の地下構造体を構成する地下構造物は、平面視が所定形状(円形、楕円形、矩形、正方形、菱形など)の底版と、この底版に剛結合もしくはピン結合された姿勢で立設する側壁とを有し、側壁上方が開放した形態、もしくは側壁上方にドーム状等の屋根が設けられた構造物である。この地下構造物は、RC構造、SRC構造等の構造形式を具備しており、その基礎形式は、直接基礎は勿論のこと、杭基礎などを適用することもできる。また、地下構造物を構成する側壁は、その上方が地表面上に突出しており、したがって、半地下構造形式の構造物となっているが、本明細書ではこれを地下構造物と称する。さらに、この地下構造物は、LNGまたはLPG貯蔵用の地下タンクをはじめ、上下水処理施設、駅舎、地下のショッピングモールなど、その用途は多岐に亘るものである。
この側壁外周には、鋼矢板や地中連続壁などの地下壁が当該側壁と接する姿勢で設けられており、上記する地下構造物と当該地下壁とから本発明の地下構造体が形成される。地下構造物を構成する側壁と地下壁は、双方が接した姿勢となっていることで、後述する盛土重量等を双方の摩擦力によって側壁に伝達し、これが鉛直荷重となって底版に作用する揚圧力に抗するものである。なお、側壁と地下壁とは、双方が接した姿勢で、かつ、せん断キーとなるボルトや鉄筋等で接合された構造であってもよい。
この地下構造物が施工されるヤードでは、地下水が底版レベル上方に位置する、もしくは位置する可能性を有する地盤を対象としており、したがって、当該構造物の設計に際しては、その底版に地下水による揚圧力が作用する荷重ケースの検討を要するものである。
地下構造体を構成する地下壁の上端にはその外側に所定長さ張り出したフランジ部材が設けられている。このフランジ部材は、RC構造のほか、SRC構造、S構造など、その構造形式に制限はない。ただし、上記する揚圧力に抗する重量や工費を勘案すれば、RC構造であるのが好ましく、予め工場製作されたプレキャスト部材を使用するものであってもよい。
また、地下壁がたとえば円環状に施工されている場合には、上記フランジ部材は、その周方向に連続して設けられる形態であってもよいし、周方向に間隔を介在させながら櫛歯状に設けられる形態であってもよい。
上記のごとく、側壁上端は地表面上に突出しており、地下壁上端から外側に張り出すフランジ部材はこの側壁上端よりも低い地表面レベルで水平方向に広がっている。このフランジ部材の上方と、その張り出し端からさらに外側の地表面には盛土が造成されている。すなわち、この盛土はフランジ部材の張り出し幅よりも長幅で、たとえば地表から側壁上端もしくはその近傍までの高さを有している。
本発明の地下構造体の設計、とくに底版に作用する揚圧力に対する浮き上がりの検討に際しては、フランジ部材直上の盛土重量のみではなく、さらに外側の盛土重量をも考慮して揚圧力に抗する全体重量を算定する。
この算定において、重量が考慮される盛土範囲は、フランジ部材の張り出し端を跨ぐ所定幅の領域にある補強盛土領域と、該補強盛土領域と側壁の間の領域にある無補強盛土領域と、からなる有効盛土領域の範囲とするものである。
ここで、フランジ部材の張り出し端を跨ぐ所定幅の領域とは、フランジの一部からフランジの張り出し端を跨ぎ、その外側の一定の領域までのことであり、設計の段階で必要となる重量に見合う有効盛土領域を形成する際に設定される領域であり、これは、必要盛土重量や有効盛土領域(の無補強盛土および補強盛土)の単位体積重量などによって調整されるものである。有効盛土領域の一部に補強盛土領域を設けることにより、その全部に補強盛土領域を設ける場合に比して工費を低く抑えることができる。尤も、有効盛土領域のすべての領域を補強盛土で造成する必要がある場合には、無補強盛土は存在せず、側壁からフランジの張り出し端の外側の一定領域までのすべての領域が補強盛土で造成される。
面的に広がるフランジ部材を介して盛土内に下方から揚圧力(の一部)が作用した際に、この盛土が特に何らの補強もなされていない場合には、フランジ部材の張り出し端から上方へ延びる略垂直面に沿ってすべり面が形成される。
上記する本発明の地下構造体のごとく、フランジ部材およびその外側の地表面上に造成される盛土に関し、このフランジ部材を跨ぐ盛土領域が適宜の補強盛土であることにより、盛土内の破壊面(すべり面)をフランジ部材の張り出し端のさらに外側に設定することが可能となる。このことは、上記する特許文献2のごとく棚板の上にさらに天板を施工することなく、フランジ部材の直上領域よりもさらに外側の盛土領域を揚圧力に抗する抵抗力(カウンターウエイト)として見込めることを示すものである。
本発明の地下構造物によれば、従来考慮されていなかった盛土範囲をも揚圧力に抗し得る重量範囲とすることにより、地下構造物に要求される重量を軽減することができ、もって底版や側壁等の構造部材の一層のスリム化を実現することができる。さらに、これを実現するために別途の構造体を施工する必要もないことから、工期を延長させることには繋がらず、工費を大幅に高騰させることにも繋がらない。
また、本発明による地下構造体の他の実施の形態において、前記盛土は、前記有効盛土領域とそれ以外の非有効盛土領域とから構成されるものであり、有効盛土領域の側面と該側面に密着する非有効盛土領域の側面との間のせん断抵抗力が、揚圧力に抗する抵抗力の他の一つとして地下構造体が設計されていることを特徴とするものである。
本実施の形態では、有効盛土領域の重量に加えて、このすべり面におけるすべり土塊と被すべり土塊(非有効盛土領域)とのせん断抵抗力をさらに考慮するものである。実際に底版に揚圧力が作用した場合に、これが側壁を介し、地下壁を介し、フランジ部材上の盛土に作用した際に、この盛土内では、上記すべり面においてせん断抵抗力が作用する。
本実施の形態によれば、揚圧力に抗する抵抗力に盛土内のすべり面におけるせん断抵抗力が加わることにより、地下構造物の要求重量がより一層軽減されるために、構造部材のさらなるスリム化を図ることが可能となる。
また、本発明による地下構造体のさらに他の実施の形態において、前記補強盛土領域は、たとえば、セメント改良工法、ソルパック工法(登録商標)、ジオテキスタイル(登録商標)工法のいずれか一種の工法にて補強された形態である。
本実施の形態は、補強盛土領域の補強方法を限定したものであり、盛土の改良効果が十分に期待でき、比較的施工手間を要することのない工法として、セメント改良工法やソルパック工法、ジオテキスタイル工法などを例示したものである。
なお、ソルパック工法とは、土やこれに類するものを袋詰めにして積層する工法であり、袋詰めにされることで土等が拘束補強される結果、この積層体の強度を向上させるものである。袋(パック材)の引張強度や形状、中詰め材の強度を調整することにより、袋に中詰め材が収容された単体(いわゆるソルパック単体)の圧縮強度やせん断強度などを規定することが可能となるものである。
また、ジオテキスタイル工法とは、高強度のポリエステル糸などを格子状に組み合わせてなるシート状のジオグリッドを盛土内に複数層介層させる工法であり、ジオグリッドと土の相互作用で盛土のせん断強度や引張強度を高めるものである。
また、本発明による地下構造体のさらに他の実施の形態は、前記地下壁が地中連続壁であり、前記フランジ部材が、該地中連続壁の施工に先行して施工されるガイドウォールであり、双方が接合されてなるものである。
ガイドウォールの本来的な目的は、地中連続壁の構築に先行して地表面に設けることにより、地中連続壁施工用の掘削機の重量やその移動によっても地山の崩壊を防止することにある。したがって、地中連続壁の構築後はこのガイドウォールは本来撤去されるものであるが、本実施の形態では、これを撤去することなく、盛土搭載用もしくは盛土重量伝達部材として利用するものである。
したがって、このガイドウォールはカウンターウエイトとなるべき所定の重量と大きさ(張り出し幅など)に設計されており、さらには、これと側壁との接合部も、少なくとも盛土重量およびガイドウォール自身の重量の総和以上のせん断抵抗力を具備するように、ボルトや鉄筋等にて補強される必要がある。
以上の説明から理解できるように、本発明の地下構造体によれば、地下構造物に作用する揚圧力に抗する盛土範囲をより広範な範囲まで見込むことにより、地下構造物を構成する構成部材の一層のスリム化を図ることができ、工費の節減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の地下構造体の縦断面図であり、図2は図1のII部の拡大図であり、図3〜図5は図1のII部の他の実施の形態の拡大図である。なお、図示する実施の形態では、地下壁としてRC構造の地中連続壁を、フランジ部材としてガイドウォールをそれぞれ適用しているが、本発明の地下構造体の各構成はこの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の地下構造体の一実施の形態を概略的に示した縦断面図である。この地下構造体100は、地盤内に円筒状に施工される地中連続壁20と、この内側に施工される地下タンク10、地中連続壁20の上端で径方向外側に張り出すように設けられたガイドウォール30と、このガイドウォール30の上方およびさらにその外側の地表面上に造成された盛土40とから大略構成されている。この地下タンク10は、円盤状の底版11と、これに剛結されて立設する筒状の側壁12、該側壁12の上端にてドーム状に設けられたドーム屋根13とから構成されている。また、この地下タンク10は、LNGやLPG等の低温液貯蔵用に適用されるものである。
施工方法は、まず、RC造のガイドウォール30を平面視で円環状に先行施工し、これに掘削時の地山の崩壊を防止させながら不図示の掘削機にてその内部を掘削して掘削溝を造成し、この溝内に地中連続壁20を施工する。ここで、ガイドウォール30は、従来のように地中連続壁施工後に撤去されるものではなく、その上方に搭載された盛土重量等を地中連続壁に伝達させる作用を期待するものであることから、該ガイドウォール30と地中連続壁20とは、伝達重量等以上の曲げ耐力およびせん断抵抗力を有する鉄筋やせん断キーによって強固に接合される。
ここで、ガイドウォール30の張り出し長や厚み、重量等は、地下タンク10の供用後にその底版11に作用する揚圧力に対する抵抗力を検討することによって決定される。すなわち、この抵抗力は、貯蔵液体が存在しない場合の地下タンク10や地中連続壁20の自重、ガイドウォール30の重量とその上方に搭載された盛土の重量等から求められるものであるが、中でも、ガイドウォール30の張り出し幅は盛土重量等を決定する要因となる。なお、地中連続壁20と側壁11とがボルトや鉄筋等にて接合されている場合には、これらのせん断抵抗も揚圧力に対する抵抗力に加味されることになる。
地山の掘削が底版下部深度まで完了した段階で、底版11を施工し、ついで側壁12を施工し、最後にドーム屋根13が架設される。なお、図示する実施例では、地下水位が側壁の途中レベルまであることから、地山の掘削時や地下タンクの施工時には適宜の地下水位低下措置が実行される。
図1は、完成した地下構造体100を示したものであり、同図ではさらに上記する揚圧力とこれに抵抗する抵抗力をも示している。
ここで、底版11に作用する揚圧力Qに対し、地下タンク10が浮き上がらないための抵抗力Pは、その自重と、地中連続壁20と側壁11の間の摩擦力、ガイドウォール30の重量とその上方に搭載された盛土の重量等の総和であり、抵抗力Pが揚圧力Q以上で、通常は安全率を見込んで設計がおこなわれる。
本発明の地下タンク10の設計、特に上記浮き上がりの検討に際しては、ガイドウォール30上に搭載された盛土の抵抗力Pに寄与する重量を、図2に示すように、一般の無補強盛土41bと、その側方に位置してガイドウォール30を跨ぐようにその端部Rから張り出して該端部Rを跨ぐ所定幅Lを有する補強盛土41aと、からなる有効盛土領域土塊41の重量とするものである。ここで、図2で示す補強盛土41aは、セメント改良工法にて盛土が補強されたものである。なお、有効盛土領域土塊41のすべての領域を補強盛土とする必要が場合には、無補強盛土41bを具備しない盛土を造成することもできる。
図2で示すように、補強盛土41aの端面と揚圧力に対する抵抗力として見込むことのできない非有効盛土領域土塊42の端面との接続面がすべり面40aとなり、盛土40はこのすべり面40aの左右で有効盛土領域土塊41(すべり土塊)と非有効盛土領域土塊42(被すべり土塊)とに分離することができる。
図1に戻り、このすべり土塊重量P1がガイドウォール30を介して地中連続壁20に伝達され、これに地中連続壁の重量が付加された重量P2が地下タンク10の側壁12に伝達され、さらにこれに側壁12やドーム屋根13等の重量が付加された重量P3が底版11に伝達され、さらに底版11の重量やタンク内の機器重量等が付加されて抵抗力Pとなる。
ここで、図1と対比するために、従来の地下構造体を同様の態様で図示したものが図6である。
ここで、地下タンクbが少なくとも底版b1と側壁b2で構成されていること、この側壁b2に接する地中連続壁cの上端にはガイドウォールdが設けられ、この上方に盛土eが搭載されて地下構造体aが形成されている構成は図1の地下構造体100と同様である。
しかし、従来の地下構造体aにおいては、揚圧力Qに抵抗する抵抗力P’の算定に際し、それに寄与する盛土重量はガイドウォールdの直上の盛土部分e1のみであり、他の盛土部分e2は全く寄与しないものとして設計がおこなわれている。
これに対し、図示のごとく盛土の一部をセメント改良等の方法によって補強することにより、すべり面の位置をガイドウォールの外側の所定位置に設定することが可能となり、図1の揚圧力Qに抗する盛土の重量P1を図6の重量P1’に比して格段に大きくすることができる。これにより、地中連続壁10の側壁12に伝達される重量P2は図6の重量P2’に比して格段に大きくなることから、仮に、重量P3および全体の抵抗力Pを図6の重量P3’および全体重量P’と同程度とした場合には、側壁12や底版11等の重量を図6の従来構造に比して格段に少なくすることができる。
図3〜図5は、図2に対応した態様で、揚圧力に寄与する盛土からの抵抗力に関する他の設計思想、もしくは他の形態を示したものである。
図3で示す形態(設計思想)は、盛土の重量P1にさらに浮き上がり抵抗にすべり面40aでのせん断抵抗力P4をも加味するものであり、この設計思想によれば、盛土の抵抗寄与分がさらに大きくなることで、地下タンク10の各構成部材の部材厚(または重量)をより低減することができる。また、この設計思想によれば、ガイドウォール30の張り出し長をより短くすることが可能となり、このことは、該ガイドウォール30やこれに接続される地中連続壁20上端で生じる曲げモーメントの低減、ひいてはこれらの部材厚や鉄筋量の低減に繋がるものである。
また、図4で示す形態は、ジオテキスタイル工法により盛土がその内部に多層のジオグリッド41a1を介層させることで補強盛土41a’が造成される形態を示しており、当該方法によれば、ジオグリッド41a1と土の相互作用でそのせん断強度や引張強度が高められた補強盛土41a’が得られる。
さらに、図5で示す形態は、ソルパック工法により盛土がその内部に多数のソルパック41a2を積層させることで補強盛土41a”が造成される形態を示しており、当該方法によれば、圧縮強度やせん断強度などが高められた補強盛土41a”が得られる。
図示する本発明の地下構造体によれば、ガイドウォールおよびその外側の地表面上に搭載された盛土の浮き上がり抵抗への寄与分を従来の設計思想以上に大きく見込むことができ、地下構造体全体のより一層の経済設計を実現することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の地下構造体の縦断面図である。 図1のII部の拡大図である。 図1のII部の他の実施の形態の拡大図である。 図1のII部のさらに他の実施の形態の拡大図である。 図1のII部のさらに他の実施の形態の拡大図である。 従来の地下構造体の縦断面図である。
符号の説明
10…地下タンク(地下構造物)、11…底版、12…側壁、13…ドーム屋根、20…地中連続壁(地下壁)、30…ガイドウォール(フランジ部材)、40…盛土、40a…すべり面、41…有効盛土領域土塊(すべり土塊)、41a,41a’,41a”…補強盛土、41a1…ジオグリッド、41a2…ソルパック、41b…無補強盛土、42…非有効盛土領域土塊(被すべり土塊)、P1…すべり土塊重量、P2…すべり土塊とガイドウォールと地中連続壁の一部の総和重量、P3…すべり土塊とガイドウォールと地中連続壁の一部と側壁の一部の総和重量、P4…せん断抵抗力、P…抵抗力、Q…揚圧力

Claims (6)

  1. 底版と、該底版上に立設する側壁とを少なくとも備えた地下構造物と、該側壁に接する地下壁と、からなる地下構造体において、
    前記側壁の上端は地表面上に突出しており、
    前記地下壁の上端は地表面レベルにあり、かつ、該地下壁の上端には地下構造物と反対側に張り出したフランジ部材が設けられており、
    前記フランジ部材の上方および該フランジ部材の張り出し端のさらに外側の地表面上方には、盛土が設けられており、
    前記盛土内において、前記フランジ部材の張り出し端を跨ぐ所定幅の領域は補強盛土領域となっており、該補強盛土領域と前記側壁の間の領域は無補強盛土領域となっており、該補強盛土領域と該無補強盛土領域とからなる有効盛土領域の重量が、前記地下構造物の底版に作用する揚圧力に抗する抵抗力の一つとして地下構造体が設計されていることを特徴とする、地下構造体。
  2. 前記無補強盛土領域が補強を要する場合において、前記有効盛土領域のすべての領域が補強盛土領域からなる、請求項1に記載の地下構造体。
  3. 前記盛土は、前記有効盛土領域とそれ以外の非有効盛土領域とから構成されるものであり、有効盛土領域の側面と該側面に密着する非有効盛土領域の側面との間のせん断抵抗力が、揚圧力に抗する抵抗力の他の一つとして地下構造体が設計されている、請求項1または2に記載の地下構造体。
  4. 前記補強盛土領域は、セメント改良工法、ソルパック工法(登録商標)、ジオテキスタイル(登録商標)工法のいずれか一種の工法にて補強されたものである、請求項1〜3に記載の地下構造体。
  5. 前記地下壁が地中連続壁であり、前記フランジ部材が、該地中連続壁の施工に先行して施工されるガイドウォールであり、双方が接合されている、請求項1〜4のいずれかに記載の地下構造体。
  6. 前記地下構造物が、LNGまたはLPG貯蔵用の地下タンクである、請求項1〜5のいずれかに記載の地下構造体。
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