JP4829094B2 - 基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、および、プログラム記録媒体 - Google Patents

基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、および、プログラム記録媒体 Download PDF

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本発明は、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して行う基板処理装置に係り、とりわけ被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができるとともに複数の処理を効率的に行うことができる基板処理装置に関する。
また、本発明は、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して行う基板処理方法に係り、とりわけ被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができるとともに複数の処理を効率的に行うことができる基板処理方法に関する。
さらに、本発明は、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して行う基板処理方法であって、被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができるとともに複数の処理を効率的に行うことができる基板処理方法を、実行するための基板処理プログラム、並びに、当該基板処理プログラムを記録したプログラム記録媒体に関する。
従来、半導体ウエハやガラス基板等の被処理基板を、処理槽内において薬液中に浸漬することによって処理することが、広く行われてきた(例えば特許文献1および特許文献2)。このような方法で被処理基板を処理している間、薬液が処理槽内に供給され続け、処理槽内の薬液は処理槽の上方開口から溢れ出す。これにより、処理槽内の薬液の濃度が所定の濃度に保たれる。
特許文献1には、被処理基板の板面内における処理の均一性を確保することを目的として、処理槽内への薬液の供給方向を変更しながら被処理基板を処理する方法が、開示されている。また、特許文献2に開示された被処理基板の処理方法では、被処理基板の板面内における処理の均一性を確保することを目的として、処理槽内に供給される薬液の濃度や温度が厳密に管理されるようになっている。
特開2001−274133 特開2002−100605
ところが、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、処理に用いられる薬液の種類によっては公知の方法により被処理基板の板面内における処理の均一性をある程度確保することができるものの、一部の薬液を用いた場合には、被処理基板の板面内における処理の均一性が著しく低下する、ことが見出された。
一方、昨今においては、薬液を用いた複数の処理を被処理基板に対して効率的に行うことを目的として、互いに異なる種類の薬液を単一の処理槽内へ順次供給し、単一の処理槽内で複数の処理を被処理基板に対して行っていくことも実施されつつある。本件発明者らによって得られた上記知見によれば、このような被処理基板の処理において被処理基板の板面内における処理の均一性を確保するとともに処理を効率的に行うためには、薬液の種類に応じて被処理基板の処理方法を変更することが必要となる。
また、複数の処理を被処理基板に対して行う場合、被処理基板の板面内における処理の均一性についての要求が、処理毎に異なることもある。この場合、均一性の要求に応じて被処理基板の処理方法を変更することが有効である。
すなわち、本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して行う基板処理装置および基板処理方法であって、被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができるとともに複数の処理を効率的に行うことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。また、本発明は、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して行う基板処理方法であって、被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができるとともに複数の処理を効率的に行うことができる基板処理方法を、実行するための基板処理プログラム、並びに、当該基板処理プログラムを記録したプログラム記録媒体に関する。
本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、被処理基板の板面に対する処理の進行度合いが、被処理基板の板面近傍における処理液の濃度だけでなく、被処理基板の板面近傍における処理液の液流、例えば流速にも影響を受け得る、との知見を得た。そして、本件発明は、このような知見に基づき、処理に用いられる薬液と被処理基板との反応性や、一枚の被処理基板内における処理の均一性に関する要求等に応じ、処理槽内における液体の流れを処理毎に適宜変更し、上述した課題を解決しようとするものである。
本発明による基板処理方法は、整流部材が内部に設けられ、前記整流部材の上側に位置し被処理基板を収容する第1領域と前記整流部材の下側に位置する第2領域とを含む処理槽を用いて前記被処理基板を処理する方法であって、前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を備えることを特徴とする。
このような基板処理方法によれば、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して施す際、処理毎に処理槽内への薬液の供給方法を変えている。これにより、各処理に適した方法で被処理基板を処理していくことができる。この結果、被処理基板に対する複数の処理を効率的に行うことができるとともに、被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができる。
なお、このような基板処理方法における第1の薬液を用いた処理の例として、被処理基板との反応性が著しく高い薬液を用いた処理、例えば、アンモニア水からなる薬液を用いたシリコンウエハのエッチング処理が挙げられる。一方、このような基板処理方法における第2の薬液を用いた処理の例としては、被処理基板との反応性が第1の薬液よりも低い薬液を用いた処理、例えば、フッ化水素水からなる薬液を用いたシリコンウエハのエッチング処理が挙げられる。ここでいう「アンモニア水からなる薬液」とは、アンモニアを主成分として含んだ水溶液を指し示し、アンモニアとともにアンモニア以外の一種類以上の成分(例えば界面活性剤)が微量に混入された水溶液も含む概念である。同様に、「フッ化水素水からなる薬液」とは、フッ化水素を主成分として含んだ水溶液を指し示し、フッ化水素とともにフッ化水素以外の一種類以上の成分(例えば界面活性剤)が微量に混入された水溶液も含む概念である。
本発明による基板処理方法が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備えるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、処理槽内の上昇流を均一にすることによって、被処理基板の板面近傍における液体の流れを被処理基板の板面内にわたって略均一としながら、処理槽内の第1の薬液を水で置換することができる。これにより、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性をさらに向上させることができる。このような基板処理方法が、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に水を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌する工程を、さらに備えるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の近傍で液体が攪拌されるので、被処理基板の板面に付着した付着物を高い除去率で除去することができる。とりわけ、第1領域だけでなく第2領域にも水が供給されている場合には、被処理基板から除去された付着物を処理槽内の上方に浮かび上がらせることを促進することができる。これにより、除去された付着物が再び被処理基板に付着してしまうことを防止することができる。
また、本発明による基板処理方法において、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が、内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに、前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程を含むようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、処理槽内の上昇流を均一にすることによって、被処理基板の板面近傍における液体の流れを被処理基板の板面内にわたって略均一としながら、被処理基板の板面近傍における液体を処理液から第1の薬液に置換していくことができる。これにより、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性をさらに向上させることができる。さらに、上述したように、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程が、さらに設けられているような場合には、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程において前記処理槽内に供給される前記第1の薬液の単位時間あたりの供給量が、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給される前記水の単位時間あたりの供給量と実質的に同一であるようにすることが好ましい。このような基板処理方法によれば、ウエハの板面内における処理の均一性、とりわけ、ウエハが処理槽内に配置された際の上下方向に相当する方向に沿ったウエハの板面内における処理の均一性をさらに向上させることができる。
これらのような基板処理方法において、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第1の薬液に浸漬しておく工程を、さらに含むようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性を確保しつつ、被処理基板に対する処理の程度を調節することができる。このような基板処理方法において、前記処理液は水であるようにしてもよい。あるいは、このような基板処理方法が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備え、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程において前記第1の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給された前記水であるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、処理液を処理槽内に貯留する工程を別途に設ける必要がないので、処理の均一性を高い水準に維持したまま、処理に要する時間を短時間化することができる。
さらに、本発明による基板処理方法が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に水を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備えるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の近傍で液体が攪拌されるので、被処理基板の板面近傍における第2の薬液の濃度を板面内にわたって略均一に保ちながら、処理槽内の第2の薬液を短時間で水に置換することができる。とりわけ、第1領域だけでなく第2領域にも水が供給されている場合には、処理槽内の浮遊物を上方に浮かび上がらせることを促進することができる。これにより、浮遊物が被処理基板に付着してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明による基板処理方法において、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して、或いは、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する工程を、含むようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の板面近傍における第2の薬液の濃度を、板面内に渡って略均一に保ちながら、所望の濃度まで短時間で上昇させていくことができる。このような基板処理方法において、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第2の薬液に浸漬しておく工程を、さらに含むようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の板面内における第2の薬液を用いた処理の均一性を確保しつつ、被処理基板に対する処理の程度を調節することができる。このような基板処理方法において、前記処理液は水であるようにしてもよい。あるいは、このような基板処理方法が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備え、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程において前記第2の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給された前記水であるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、処理液を処理槽内に貯留する工程を別途に設ける必要がないので、処理の均一性を高い水準に維持したまま、処理に要する時間を短時間化することができる。
さらに、本発明による基板処理方法において、まず、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、次に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、その後、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が再度行われるようにしてもよい。
さらに、本発明による基板処理方法において、前記整流部材は多数の貫通孔を有するとともに前記処理槽内を前記第1領域と前記第2領域とに区分けする整流板からなり、前記第2領域に供給された液体は、前記整流板の貫通孔を介し、前記第2領域から前記第1領域に流入するようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、簡易な構成からなる整流部材によって、水平方向における均一性を有した上昇流を処理槽の第1領域内に形成しながら、処理槽の第2領域から領域第1領域に液体を流入させることができる。
さらに、本発明による基板処理方法の前記工程のうちの少なくとも一つの工程において、前記処理槽内の液体に超音波を発生させるようにしてもよい。このような基板処理方法によれば、被処理基板の板面に付着した付着物を高い除去率で除去することができる。
本発明による基板処理装置は、被処理基板を収容する第1領域と前記第1領域の下方に配置された第2領域とを含む処理槽と、前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、前記処理槽の前記第2領域に接続され、少なくとも第1の薬液および水を前記処理槽の前記第2領域内に供給し得る下側供給管と、前記処理槽の前記第1領域に接続され、少なくとも第2の薬液および水を前記処理槽の前記第1領域内に供給し得る上側供給管と、前記下側供給管および前記上側供給管に連結され、前記下側供給管および前記上側供給管からの液体の供給を切り換える切換機構と、前記切換機構に接続され、前記下側供給管から前記処理槽の前記第2領域内への液体の供給および前記上側供給管から前記処理槽の前記第1領域内への液体の供給を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理し、また、前記第1の薬液を用いた前記被処理基板の処理の前または後に、前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する、ように前記切換機構を制御する
ことを特徴とする。
このような基板処理装置によれば、薬液を用いた複数の処理を同一処理槽内において被処理基板に対して施す際、処理毎に処理槽内への薬液の供給方法を変えている。これにより、各処理に適した方法で被処理基板を処理していくことができる。この結果、被処理基板に対する複数の処理を効率的に行うことができるとともに、被処理基板の板面内における処理の均一性を向上させることができる。
なお、このような基板処理装置における第1の薬液を用いた処理の例として、被処理基板との反応性が著しく高い薬液を用いた処理、例えば、アンモニア水からなる第1の薬液を用いたシリコンウエハのエッチング処理が挙げられる。一方、このような基板処理装置における第2の薬液を用いた処理の例としては、被処理基板との反応性が第1の薬液よりも低い薬液を用いた処理、例えば、フッ化水素水からなる第2の薬液を用いたシリコンウエハのエッチング処理が挙げられる。ここでいう「アンモニア水からなる薬液」とは、アンモニアを主成分として含んだ水溶液を指し示し、アンモニアとともにアンモニア以外の一種類以上の成分(例えば界面活性剤)が微量に混入された水溶液も含む概念である。同様に、「フッ化水素水からなる薬液」とは、フッ化水素を主成分として含んだ水溶液を指し示し、フッ化水素とともにフッ化水素以外の一種類以上の成分(例えば界面活性剤)が微量に混入された水溶液も含む概念である。
本発明による基板処理装置において、前記制御装置が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御するようにしてもよい。このような基板処理装置によれば、処理槽内の上昇流を均一にすることによって、被処理基板の板面近傍における液体の流れを被処理基板の板面内にわたって略均一としながら、処理槽内の第1の薬液を水で置換することができる。これにより、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性をさらに向上させることができる。このような基板処理装置において、前記制御装置が、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換した後に、前記上側供給管から前記第1領域に水を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌する、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の近傍で液体が攪拌されるので、被処理基板の板面に付着した付着物を高い除去率で除去することができる。とりわけ、第1領域だけでなく第2領域にも水が供給されている場合には、被処理基板から除去された付着物を処理槽内の上方に浮かび上がらせることを促進することができる。これにより、除去された付着物が再び被処理基板に付着してしまうことを防止することができる。
また、本発明による基板処理装置において、前記制御装置が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際、内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、処理槽内の上昇流を均一にすることによって、被処理基板の板面近傍における液体の流れを被処理基板の板面内にわたって略均一としながら、被処理基板の板面近傍における液体を処理液から第1の薬液に置換していくことができる。これにより、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性をさらに向上させることができる。さらに、上述したように、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換するようになっている場合には、さらに、前記制御装置が、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する際に、前記処理槽内に供給される前記薬液の単位時間あたりの供給量が、前記処理槽内の前記薬液を前記水で置換する際に、前記処理槽内に供給される前記水の単位時間あたりの供給量と実質的に同一になる、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理方法によれば、ウエハの板面内における処理の均一性、とりわけ、ウエハが処理槽内に配置された際の上下方向に相当する方向に沿ったウエハの板面内における処理の均一性をさらに向上させることができる。
これらのような基板処理装置において、前記制御装置が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換した後に、前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第1の薬液に浸漬しておく、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性を確保しつつ、被処理基板に対する処理の程度を調節することができる。このような基板処理装置において、前記処理液は水であるようにしてもよい。あるいは、このような基板処理装置において、前記制御装置が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御し、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理し、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際に前記第1の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を置換する際に前記処理槽内に供給された前記水であるようにしてもよい。このような基板処理装置によれば、処理液を処理槽内に貯留する工程を別途に設ける必要がないので、処理の均一性を高い水準に維持したまま、処理に要する時間を短時間化することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記制御装置が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記上側供給管から前記第1領域に水を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域に水を供給するとともに前記下側供給管から前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の近傍で液体が攪拌されるので、被処理基板の板面近傍における第2の薬液の濃度を板面内にわたって略均一に保ちながら、処理槽内の第2の薬液を短時間で水に置換することができる。とりわけ、第1領域だけでなく第2領域にも水が供給されている場合には、処理槽内の浮遊物を上方に浮かび上がらせることを促進することができる。これにより、浮遊物が被処理基板に付着してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記制御装置が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記上側供給管から前記第2の薬液を供給して、或いは、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記上側供給管から前記第2の薬液を供給するとともに当該処理槽の前記第2領域に前記下側供給管から前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の板面近傍における第2の薬液の濃度を、板面内に渡って略均一に保ちながら、所望の濃度まで短時間で上昇させていくことができる。このような基板処理装置において、前記制御装置が、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換した後に、前記上側供給管から前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域に前記第2の薬液を供給するとともに前記下側供給管から前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第2の薬液に浸漬しておく、ように前記切換機構を制御してもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の板面内における第2の薬液を用いた処理の均一性を確保しつつ、被処理基板に対する処理の程度を調節することができる。このような基板処理装置において、前記処理液は水であるようにしてもよい。あるいは、このような基板処理装置において、前記制御装置が、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御し、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理し、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際に前記第2の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を置換する際に前記処理槽内に供給された前記水であるようにしてよい。このような基板処理装置によれば、処理液を処理槽内に貯留する工程を別途に設ける必要がないので、処理の均一性を高い水準に維持したまま、処理に要する時間を短時間化することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、制御装置が、まず、前記第2の薬液によって前記被処理基板が処理され、次に、前記第1の薬液によって前記被処理基板が処理され、その後、前記第2の薬液によって前記被処理基板が再度処理される、ように切換機構を制御してもよい。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記整流部材が多数の貫通孔が形成された整流板を有し、前記第2領域に供給された液体は、前記整流板の貫通孔を介し、前記第1領域から前記第2領域に流入するようになっていてもよい。このような基板処理装置によれば、簡易な構成からなる整流部材によって、水平方向における均一性を有した上昇流を処理槽の第1領域内に形成しながら、処理槽の第2領域から領域第1領域に液体を流入させることができる。
さらに、本発明による基板処理装置が、鉛直方向に沿った配置位置が互いに異なるようにして前記処理槽の第1領域内に設けられた複数の吐出部材を、さらに備え、前記上側供給管は前記吐出部材に連結され、前記吐出部材を介して前記処理槽の第1領域内に液体が吐出されるようにしてもよい。
さらに、本発明による基板処理装置が、前記処理槽内の液体に超音波を発生させる超音波発生装置をさらに備えるようにしてもよい。このような基板処理装置によれば、被処理基板の板面に付着した付着物を高い除去率で除去することができる。
本発明によるプログラムは、被処理基板を収容する第1領域と前記第1領域の下方に配置された第2領域とを含む処理槽と、前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、を備えた基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、前記制御装置によって実行されることにより、前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を含む被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
本発明による記録媒体は、被処理基板を収容する第1領域と前記第1領域の下方に配置された第2領域とを含む処理槽と、前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、を備えた基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を含む被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態においては、本発明をシリコンウエハ(半導体ウエハ)のエッチング処理およびその後のリンス処理に適用した例を説明する。ただし、本発明は、エッチング処理およびその後のリンス処理への適用に限られるものではなく、基板の様々な処理に広く適用することができる。
図1乃至図12は本発明による基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、および、プログラム記録媒体の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は基板処理装置の概略構成を示す図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面を示す断面図であり、図3は図1に示された基板処理装置を用いて行われ得る基板処理方法を説明するための表であり、図4乃至図12は図3に示された各工程の処理内容を説明するための図である。
図1に示すように、本実施の形態における基板処理装置10は、ウエハWを収容する処理槽12と、処理槽12内に処理液を供給する液供給設備40と、被処理ウエハ(被処理基板)Wを保持する保持部材(ウエハボートとも呼ぶ)20と、各構成要素の動作を制御する制御装置18と、を備えている。図1に示すように、処理槽12内には整流部材28が設けられている。この整流部材28によって、処理槽12の内部が、整流部材28の上側に位置する第1領域12aと、整流部材28の下側に位置する第2領域12bと、に区分けされる。
このような基板処理装置10は、複数種類の処理液を液供給設備40から処理槽12内に順次供給していき、処理槽12内に収容されたウエハWに対して種々の処理を施していくための装置である。とりわけ本実施の形態においては、図1に示すように、基板処理装置10が、処理槽12内に貯留された処理液に超音波を発生させることができる超音波発生装置30を、さらに備えている。したがって、本実施の形態における基板処理装置10によれば、処理槽12内に収容されたウエハWを超音波洗浄することもできる。
以下、基板処理装置の各構成要素についてさらに詳述していく。
まず、液供給設備40について詳述する。図1に示すように、液体供給設備40は、処理槽12の第2領域12bに接続された下側供給管41と、処理槽12の第1領域12aに接続された第1乃至第3の上側供給管42,43,44と、下側供給管41および上側供給管42,43,44と接続された純水供給管48と、を有している。
純水供給管48は純水源64に連結されている。また、純水供給管48には吐出機構65が介設されている。この吐出機構65を稼働させることにより、純水供給管48から下側供給管41および上側供給管42,43,44へ処理液が供給されるようになる。また、図1に示すように、下側供給管41および上側供給管42,43,44と、純水供給管48と、は切換機構50を介して接続されている。この切換機構50を操作することによって、下側供給管41および上側供給管42,43,44のうちの所望の供給管のみへ、純水供給管48からの処理液を送り込むことができるようになる。なお、ここでいう「処理液」とは、処理に用いられる液体であり、純水(DIW)だけでなく薬液も含む概念である。
このうち、純水源64および吐出機構65についてまず詳述する。純水源64は、例えば処理液を貯留するタンク等、純水(DIW)を貯留し得る公知の貯留設備等から構成され得る。一方、吐出機構65は、例えばポンプ等、公知の設備や機器等から構成され得る。より具体的な吐出機構65の例として、エア圧力を調節することによって吐出量を調節し得るエア駆動式のベローズポンプを用いることができる。
上述したように、液供給設備40は制御装置18に接続されている。そして、吐出機構65は制御装置18によって制御されるようになっている。具体的には、吐出機構65の駆動および停止、吐出機構65の駆動時における処理液の供給流量等が、制御装置18によって制御されるようになっている。なお、吐出機構65がエア駆動式のベローズポンプの場合にはエア圧力を制御することにより、吐出機構65がエア駆動式のベローズポンプ以外の場合には、例えば入力となる電力量を制御することにより、吐出機構65の駆動時におけるポンプの吐出量を調節することができる。
次に、切換機構50について詳述する。図1に示すように、本実施の形態において、切換機構50は第1乃至第6の開閉バルブ51,52,53,54,55,56を有している。
このうち、第1開閉バルブ51は、下側供給管41と連結されている。また、第2開閉バルブ52は第1上側供給管42と連結されている。さらに、第3開閉バルブ53は第2上側供給管43と連結されている。さらに、第4開閉バルブ54は第3上側供給管44と連結されている。そして、第1乃至第4開閉バルブ51−54は、純水供給管48と、各バルブ51−54に連結された供給管41−44と、の接続状態(連通状態)を開閉するようになっている。すなわち、各開閉バルブ51−54を開閉させることにより、各供給管41−44を介した処理槽12内への処理液の供給を制御することができる。
ところで、本実施の形態において、液供給設備40は、異なる薬液要素を貯留した複数の薬液要素源61,62を有している。この液供給設備40においては、薬液要素源61,62から供給される薬液要素と、純水源64から供給される純水とを混合して、所望の濃度の薬液(処理液)を生成することができる。図示する例においては、高濃度のアンモニア水(NH4OH)を薬液要素として貯留した第1薬液要素源61と、フッ化水素(HF)を高濃度で含んだフッ化水素水を薬液要素として貯留した第2薬液要素源62と、が設けられている。
図1に示すように、上述した切換機構50の第5開閉バルブ55が第1薬液要素源61と連結され、第6開閉バルブ56が第2薬液要素源62と連結されている。したがって、第5開閉バルブ55を開くことにより、純水供給管48から送り込まれる純水に第1薬液要素源61から送り込まれてくる高濃度のアンモニア水を混入させ、処理液として所望の濃度のアンモニア水(第1の薬液)を生成することができる。また、第6開閉バルブ56を開くことにより、純水供給管48から送り込まれる純水に第2薬液要素源62から送り込まれてくる高濃度のフッ化水素水を混入させ、処理液として所望の濃度のフッ化水素水(第2の薬液)を生成することができる。
切換機構50は制御装置18に接続されている。第1乃至第6開閉バルブ51−56の開閉動作および開度は、制御装置18によって制御される。これにより、各供給管41−44を介し、純水または所望の濃度の薬液を所望の流量で処理槽12内へ供給することができる。
なお、このような切換機構50の構成は、単なる例示に過ぎない。所望の供給管41−44を介して所望の濃度の処理液を所望の流量で処理槽12内へ供給し得る公知の設備や機器等を、切換機構50として用いることができる。
次に、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44について詳述する。図1に示すように、本実施の形態において、液供給設備40は、処理槽12に取り付けられ処理槽12内に処理液を吐出する第1乃至第4の吐出部材71,72,73,74をさらに有している。そして、各供給管41−44の端部は、処理槽12内に処理液を吐出する第1乃至第4の吐出部材71−74に連結されている。
図1に示すように、各吐出部材71,72,73,74は、異なる四つの上下方向位置(鉛直方向位置)において、処理槽12に取り付けられている。このうち第1吐出部材71は、処理槽12の第2領域12b内に配置されており、下側供給管41と連結されている。第2吐出部材72は、処理槽12の第1領域12a内の最下方に配置されており、第1上側供給管42と連結されている。また、第3吐出部材73は、処理槽12の第1領域12a内において第2吐出部材72よりも上下方向(鉛直方向)における上方の位置に配置されており、第2上側供給管43と連結されている。さらに、第4吐出部材74は、処理槽12の第1領域12a内において第2吐出部材72および第3吐出部材73よりも上下方向における上方の位置に配置されており、第3上側供給管44と連結されている。
なお、図1に示すように、第2の吐出部材72から吐出された処理液は、主に、処理槽12の第1領域12a内に配置されたウエハWの下方領域の周囲に供給されるようになる。また、図1に示すように、第3の吐出部材73から吐出された処理液は、主に、処理槽12の第1領域12a内に配置されたウエハWの中央領域の周囲に供給されるようなる。さらに、図1に示すように、第4の吐出部材74から吐出された処理液は、主に、処理槽12の第1領域12a内に配置されたウエハWの上方領域の周囲に供給されるようになる。
図2には、処理槽12の断面視により、第4吐出部材74が図示されている。なお、本実施の形態において、第1乃至第4の吐出部材71,72,73,74は上下方向における配置位置が異なるだけであり、図2に示された第4吐出部材74は、第1乃至第3吐出部材71,72,73と同一の構成となっている。図1および図2に示すように、本例において、各吐出部材71,72,73,74は、処理槽12の対向する側壁に設けられた一対のノズルによって構成されている。ノズルは処理槽12の壁面に沿って水平方向に延びる細長状の筒状の部材として形成されている。各吐出部材71,72,73,74をなしている二つの筒状部材は、上下方向において互いに同一位置に配置されている(図1参照)。
吐出部材71,72,73,74をなす筒状部材の一方の端部は閉鎖され、他方の端部は対応する供給管41,42,43,44と連結されている。図2に示すように、各筒状部材には、その長手方向に沿い一定の間隔を空けて配置された多数の吐出口71a,72a,73a,74aが設けられている。吐出口71a,72a,73a,74aの配置位置は、後述するように、保持部材20によって保持された被処理ウエハWの配置位置に基づき、決定されている。なお、各吐出部材71,72,73,74からの吐出方向は適宜変更することが可能となっていることが好ましい。
ただし、このような吐出部材71,72,73,74の構成は、単なる例示に過ぎず、公知の部材等を用いることができる。また、吐出部材を省略し、各供給管41−44が処理槽と直接連結されるようにしてもよい。
ところで、図1に示すように、純水供給管48に、純水供給管48内を流れる処理液の種々の条件を調整する調整装置67を介設するようにしてもよい。このような調整装置67として、処理液の溶存ガス濃度を調整するガス濃度調整装置や、処理液中に含まれる気泡の量を調整する気泡量調整装置や、処理液の温度を調整する温度調整装置等が選択され得る。
次に、以上のような液供給設備40から処理液を受ける処理槽12について詳述する。処理槽12は、図1および図2に示すように略直方体の輪郭を有している。処理槽12には、後述するようにウエハWを出し入れするための上方開口12cが形成されている。また、処理槽12の底部には、貯留した処理液を排出するための排出管13が開閉可能に設けられている。
また、図1に示すように、処理槽12の上方開口12cを取り囲むようにして、外槽15が設けられている。この外槽15は、処理槽12の上方開口12cからあふれ出た処理液を回収するようになっている。また、処理槽12と同様に、外槽15にも回収した処理液を排出するための排出管16が開閉可能に設けられている。
このような処理槽12および外槽15は、例えば、耐薬品性に富んだ石英等を用いて形成される。また、処理槽12の底部の厚みは、後に説明する超音波発生装置30からの超音波を透過させることができるよう、処理槽12をなす材料の種類および超音波発生装置30から照射される超音波の周波数等を考慮して決定される。
なお、処理槽12および外槽15の排出管13,16から排出された処理液は、そのまま廃棄されてもよいし、フィルタ等を介して処理槽12内に再度供給されるようにしてもよい。外槽15に回収された処理液を再利用する場合、例えば、図1に点線で示すように、外槽15と純水源64とに接続された循環用配管16aを設けるようにすればよい。
次に、処理槽12内に配置された整流部材28について詳述する。整流部材28は、処理槽12の第2領域12bから第1領域12aへ流れ込む処理液の流れを整え、処理槽12内の第1領域12a内において上昇流を形成するための部材である。なお、ここでいう「上昇流」とは、下側から上側に向かう流れを意味するものであり、上下方向(鉛直方向)と平行な流れに限定されるものではない。
図1および図2に示すように、本実施の形態において、整流部材28は、多数の貫通孔29を有する整流板からなっている。整流板28はその板面が水平面と平行となるように支持されている。図2に示すように、処理槽12の第1領域12a内に収容されたウエハWの直下の領域を含む整流板28のほぼ全面に、円形状の貫通孔29が形成されている。また、本例において、貫通孔29は、整流板28上において規則的に配置されている。したがって、このような整流板28によれば、処理槽12の第1領域12a内の仮想水平面の各位置を略均一な流速で上下方向に沿って通過する上昇流を、処理槽12の第1領域12aに形成することが可能となる。つまり、水平方向位置による速度ばらつきが低減された上下方向に沿った上昇流を、処理槽12の第1領域12aの略全域にわたって形成することが可能となる。
整流板28は、処理槽12と同様の材料から形成され得る。また、整流板28の厚みは、上述した処理槽12の底部の厚みと同様に、超音波発生装置30からの超音波を透過させることができるよう、整流板28をなす材料の種類および超音波発生装置30から照射される超音波の周波数等を考慮して決定される。
なお、このような構成からなる整流部材28は単なる例示であって、公知の種々の整流部材を用いることができる。
次に、ウエハWを保持する保持部材20について説明する。図1および図2に示すように、保持部材20は、略水平方向に延びる4本の棒状部材22と、4本の棒状部材22を片側から片持支持する基部24と、を有している。棒状部材22は、一度に処理される複数のウエハW、例えば50枚のウエハWを下方から支持するようになっている。このため、各棒状部材22には、その長手方向に沿い一定間隔を空けて配列された溝(図示せず)が形成されている。ウエハWは、この溝に係合し、各ウエハWの板面が棒状部材の延びる方向と略直交するようにして、すなわち、各ウエハWの板面が上下方向に沿うようにして、保持部材20によって保持されるようになる(図1参照)。
ところで、図2から理解できるように、上述した吐出部材71−74の吐出口71a−74aの配置ピッチは、保持部材20に保持されたウエハWの配置ピッチと略同一となっている。とりわけ処理槽12の第1領域12aに処理液を直接供給する第2乃至第4の吐出部材72,73,74の各吐出口72a,73a,74aは、保持部材20に保持された隣り合うウエハWの間に処理液を吐出することができるよう、配列されている。
一方、保持部材20の基部24は、図示しない昇降機構に連結されている。この昇降機構によってウエハWを保持した保持部材20を降下させることにより、処理槽12の第1領域12a内にウエハWを収容することが可能となり、また、処理槽12に貯留された処理液中にウエハWを浸漬することも可能となる。
なお、昇降機構は制御装置18に接続されている。処理槽12の第1領域12a内へのウエハWの収容、および、処理槽12の第1領域12aからのウエハWの排出は、制御装置18によって制御されるようになっている。
次に、超音波発生装置30について説明する。図1に示すように、超音波発生装置30は、処理槽12の底部外面に取り付けられた振動子38と、振動子38を駆動するための高周波駆動電源32と、高周波駆動電源32に接続された超音波発振器34と、を有している。本実施の形態においては、複数の振動子38が設けられており、各振動子38が処理槽12の底部外面を部分的に占めるよう配列されている。また、図1に示すように、超音波発生装置30は超音波発振器34および各振動子38に接続された駆動切換機構36をさらに有している。この駆動切換機構36によって、複数の振動子38を全体駆動することと、一つまたは二以上の振動子38を個別的に駆動することと、のいずれもが可能となっている。
振動子38が駆動されて振動すると、処理槽12の底部および整流部材28を介し、処理槽12の第1領域12a内に貯留された処理液まで超音波が伝播する。これにより、処理槽12内の処理液に超音波が発生させられる。なお、超音波発生装置30は制御装置18に接続されており、制御装置18によって処理液への超音波の付与が制御されるようになっている。
次に、制御装置18について説明する。上述したように、制御装置18は、基板処理装置10の各構成要素に接続され、各構成要素の動作を制御するようになっている。本実施の形態において、制御装置18は、CPUからなるコントローラ19aと、このコントローラ19aに接続された記録媒体19bと、を有している。記録媒体19bには、後述する被処理ウエハWの処理方法を実行するためのプログラムが、各種の設定データ等とともに格納されている。記録媒体19bは、ROMやRAMなどのメモリー、ハードディスク、CD−ROMなどのディスク状記録媒体、その他の公知な記録媒体から構成され得る。
次に、主に図3乃至図11を用い、このような構成からなる基板処理装置10によって行われ得るウエハWの処理方法について説明する。ここで、図3の上側供給管の欄には、各工程において上側供給管42,43,44から供給される液体を表示している。また、図3の下側供給管の欄には、各工程において下側供給管41から供給される液体を表示している。さらに、図3の外槽の欄には、各工程において処理槽12から外槽15に溢れ出す液体に含まれる一つを表示している。そして、図3の上側供給管、下側供給管、および外槽の欄に示された「DIW」は純水を表し、「NH3」はアンモニア水を表し、「HF」はフッ化水素水を表している。
なお、以下に説明する処理方法は、ウエハWに対し、フッ化水素水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理、アンモニア水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理、純水を用いた処理、並びに、二回目のフッ化水素水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理を順に実施していくものである。
まず、第1の工程として、図3および図4に示すように、処理槽12内に純水を処理液として貯留する。具体的には、制御装置18からの信号によって吐出機構65が駆動され、純水源64に貯留された純水が純水供給管48内を切換機構50へ向けて送り込まれる。純水供給管48内を流れる純水は、調整装置67によって、溶存ガス濃度、気泡の混入量、温度等を調整される。このとき、切換機構50の第5開閉バルブ55および第6開閉バルブ56は、制御装置18からの信号に基づき、閉鎖されている。したがって、純水供給管48から送り込まれてくる純水に、第1薬液要素源61および第2薬液要素源62からの薬液要素が、混入されることはない。すなわち、処理槽12内に処理液として純水が供給されるようなる。
またこのとき、切換機構50の第1乃至第4の開閉バルブ51,52,53,54は、制御装置18からの信号に基づき、すべて開放されている。したがって、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44の全ての供給管から、処理槽12内に純水が供給される。このため、単位時間当たりの純水の供給量(例えば、80l/min以上)を多く設定することができる。この結果、処理槽12内に純水を短時間で効率的に貯留することができる。
次に、第2の工程として、処理槽12の第1領域12a内にウエハWを収容する。具体的には、制御装置18からの信号に基づき、昇降機構(図示せず)が保持部材20を降下させる。このとき、保持部材20は、所定枚(例えば50枚)の被処理ウエハWを保持している。この結果、複数枚のウエハWが、処理槽12の第1領域12a内に収容されるようになるとともに、処理槽12内に貯留された純水中に浸漬されるようになる。
この第2の工程の間、切換機構40の開閉状態および吐出機構65の稼働状態は、上述した第1の工程からそのままの状態に維持される。したがって、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44の全ての供給管から処理槽12内に純水が供給され続け、処理槽12から外槽15へと純水が溢れ出るようになる。
なお、この第1の工程と第2の工程とを、逆の順番で実施することもできる。また、第1の工程と第2の工程とを並行して実施するようにしてもよい。
次に、第3の工程として、図3および図5に示すように、下側供給管41並びに第1乃至第3上側供給管42,43,44を介して処理槽12にフッ化水素水(第2の薬液)が供給される。具体的には、切換機構50の第6開閉バルブ56が開放される。これにより、純水供給管48から送り込まれてくる純水に、第2薬液要素源62からの高濃度のフッ化水素水が混入されるようになる。一方、切換機構50の第6開閉バルブ56以外の開閉状態および吐出機構65の稼働状態は、上述した第1および第2の工程からそのままの状態に維持される。この結果、図5に示すように、所定濃度に薄められたフッ化水素水(第2の薬液)が処理液として、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44の全ての供給管を介し、処理槽12の第1領域12aおよび第2領域12bへ所定流量(例えば、80l/min以上)で供給されるようになる。
このようにして、処理槽12内にフッ化水素水が供給されると、それまで処理槽12に貯留されていた液体が、処理槽12へのフッ化水素水の流入量と略同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。この結果、処理槽12内の純水がフッ化水素水(第2の薬液)によって置換されていく。
上述したように、第1乃至第3上側供給管42,43,44はそれぞれ一対の第2乃至第4吐出部材72,73,74に連結されている。第1乃至第3上側供給管42,43,44から送り込まれるフッ化水素水は、この第2乃至第4吐出部材72,73,74を介し、処理槽12の第1領域12b内へ直接吐出される。本実施の形態において、各対の吐出部材72,73,74は、対向する処理槽12の一対の壁面に、対向するようにして対称的に配置されている。また、第2乃至第4の吐出部材72,73,74の各吐出口72a,73a,74aは、保持部材20に保持された隣り合うウエハWの間に純水を吐出することができるよう、配列されている。
したがって、対向する各対の吐出部材72,73,74のうちの一方の吐出部材から吐出されたフッ化水素水と、他方の吐出部材から吐出されたフッ化水素水とが、ウエハWとウエハWとの間の隙間において衝突する。また、第2乃至第4吐出部材72,73,74は、互いに異なる上下方向位置に配置されている。このため、処理槽12の第1領域12a内において(少なくとも被処理ウエハWの板面の周囲において)、処理槽12内に貯留された液体が激しく攪拌されるようになる。
したがって、処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲に供給されたフッ化水素水は、それまでに処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲に貯留されていた液体とすぐさま混ざり合う。この結果、フッ化水素水の濃度は、処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲において略均一に保たれながら、上昇していくことになる。すなわち、第1領域12a内のウエハWの周囲にフッ化水素水が供給されるとフッ化水素水によるウエハWのエッチングが開始されることになるが、この工程中において、ウエハWの板面内における第2の薬液(フッ化水素水)を用いた処理の均一性は確保され得る。
ところで、本実施の形態においては、この工程中、下側供給管41から処理槽12の第2領域12b内にもフッ化水素水が供給されている。上述したように、下側供給管41は一対の第1吐出部材71に連結されている。下側供給管41から送り込まれるフッ化水素水は、この第1吐出部材71を介し、処理槽12の第2領域12bへ吐出される。本実施の形態において、一対の第1吐出部材71は、対向する処理槽12の一対の壁面に、対向するようにして対称的に配置されている。また、図8に示すように、各第1吐出部材71は斜め下方に向けてフッ化水素水を吐出し、異なる吐出部材71から吐出されたフッ化水素水は第2領域12b内において対称的な流れを形成する。
したがって、一方の第1吐出部材71から吐出されたフッ化水素水と、他方の第1吐出部材71から吐出されたフッ化水素水とが、第2領域12bの中央部において互いに衝突し、第1吐出部材71からの吐出方向に沿った流れが打ち消される。このようにして、第2領域12b内における特定方向に沿った局所的なフッ化水素水の流れが、処理槽12の壁面および整流板28によって打ち消されるとともに、第2領域12b内の圧力が略均一に上昇するようになる。この結果、整流板28の多数の貫通孔29のそれぞれを略同一量のフッ化水素水が通過して、第2領域12bから第1領域12aへと上下方向に沿って流れ込む。
すなわち、第2領域12bに供給されたフッ化水素水は、整流板28を通過して、整流板28の全面にわたって略均一な上昇流(並進流)として、第1領域12aに流入する。そして、この第2領域12bから第1領域12aに流入するフッ化水素水によって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、処理槽12内を漂う浮遊物、例えばエッチング処理によってウエハWから除去されたパーティクルを処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
次に、第4の工程として、図3および図6に示すように、フッ化水素水(第2の薬液)を処理槽12へ補充しながら、ウエハWをフッ化水素水(第2の薬液)中に浸漬しておく。具体的には、切換機構50の開閉状態および吐出機構65の稼働状態を、上述した第3の工程からそのままの状態に維持しておく。したがって、処理槽12の第1領域12aおよび第2領域12bへ所定流量(例えば、80l/min以上)でフッ化水素水が供給され続ける。この工程は、例えば数分間実施される。
この工程中、図6に示すように、処理槽12への新たなフッ化水素水の供給にともない、それまで処理槽12に貯留されていたフッ化水素水が、処理槽12への新たなフッ化水素水の流入量と同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。また、上述したように、新たなフッ化水素水は、処理槽12の第1領域12a内の少なくともウエハWの周囲において薬液が攪拌されるようにして、処理槽12内に供給される。したがって、新たに供給されたフレッシュなフッ化水素水は、それまでに処理槽12内に貯留されていたフッ化水素水とすぐさま混ざり合う。すなわち、処理槽12の第1領域12a内に配置された被処理ウエハWの周囲においてフッ化水素水の濃度が一定に維持される。この結果、この工程中におけるエッチング量を被処理ウエハWの板面内にわたって略均一とすることができる。
また、この工程中においても、第3の工程と同様に、下側供給管41から処理槽12の第2領域12b内にもフッ化水素水が供給されている。そして、上述したように、第2領域12bに供給されたフッ化水素水は、整流板28を通過して、整流板28の全面にわたって略均一な上昇流(並進流)として、第1領域12aに流入する。この結果、処理槽12内を漂う浮遊物を処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
次に、第5の工程として、図3および図7に示すように、下側供給管41並びに第1乃至第3上側供給管42,43,44を介して処理槽12に純水が供給され、処理槽12内のフッ化水素水が純水によって置換されていく。具体的には、制御信号18からの信号により、切換機構50の第6開閉バルブ56が閉鎖される。これにより、純水供給管48から送り込まれてくる純水に対する、第2薬液要素源62からの高濃度のフッ化水素水の混入が停止する。一方、その他の切換機構50の各開閉バルブの開閉状態および吐出機構65の稼働状態は、上述した第4の工程からそのままの状態に維持される。この結果、図7に示すように、純水が、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44を介し、処理槽12へ所定流量(例えば、80l/min以上)で供給されるようになる。
このようにして、処理槽12内に純水が供給されると、それまで処理槽12に貯留されていた液体が処理槽12への純水の流入量と略同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。この結果、処理槽12内のフッ化水素水(第2の薬液)が純水によって置換されていく。なお、第1領域12a内のウエハWの周囲において、フッ化水素水が純水に置換されると、フッ化水素水によるウエハWのエッチングが終了する。
第3の工程におけるフッ化水素水の供給と同様に、第1乃至第3上側供給管42,43,44から第1領域12aに純水を供給することによって、処理槽12内に貯留された液体が激しく攪拌されるようになる。したがって、処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲に供給された純水は、それまでに処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲に貯留されていた液体とすぐさま混ざり合う。この結果、フッ化水素水の濃度は、処理槽12内の少なくとも被処理ウエハWの周囲において略均一に保たれながら、低下していくことになる。すなわち、この工程中、処理槽12内に残存するフッ化水素水(第2に薬液)による処理は、ウエハWの板面において略均一に行われるようになる。
また、第3の工程におけるフッ化水素水の供給と同様に、下側供給管41から第2領域12bに純水を供給することによって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、処理槽12内を漂う浮遊物を処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
以上のように、フッ化水素の濃度は、第3の工程において上昇し始めてから第5の工程において低下するまでの間、第1領域12a内のウエハWの板面近傍内において略均一に保たれる。したがって、第3の工程から第5の工程までの間に、ウエハWをその板面の全領域にわたって略均一のエッチング量でエッチングすることができる。また、処理槽12へのフッ化水素水(第2の薬液)の供給は下側供給管41並びに第1乃至第3の上側供給管42,43,44を用いて行われる。したがって、処理槽12内へのフッ化水素水の供給量を多く設定することができ、これにより、フッ化水素水を用いた処理を短時間で行うことができる。
次に、第6の工程として、図3および図8に示すように、下側供給管41を介して処理槽12の第2領域12bへアンモニア水(第1の薬液)が供給され、処理槽12内の純水がアンモニア水によって置換されていく。具体的には、まず、制御信号18からの信号により、吐出機構65の出力が低下する。また、切換機構50の第5開閉バルブ55が開放される。これにより、純水供給管48から送り込まれてくる純水に、第1薬液要素源61からの高濃度のアンモニア水が混入されるようになる。また、第2乃至第4開閉バルブ72,73,74が閉鎖する。この結果、図8に示すように、所定濃度に薄められたアンモニア水(薬液)が処理液として、下側供給管41を介し、処理槽12の第2領域12bへ所定流量(例えば、40〜50l/min)で供給されるようになる。
上述したように、下側供給管41は一対の第1吐出部材71に連結されている。下側供給管41から送り込まれるアンモニア水は、この第1吐出部材71を介し、処理槽12の第2領域12bへ吐出される。本実施の形態において、一対の第1吐出部材71は、対向する処理槽12の一対の壁面に、対向するようにして対称的に配置されている。また、図8に示すように、各第1吐出部材71は斜め下方に向けてアンモニア水を吐出し、異なる吐出部材71から吐出されたアンモニア水は第2領域12b内において対称的な流れを形成する。
したがって、一方の第1吐出部材71から吐出されたアンモニア水と、他方の第1吐出部材71から吐出されたアンモニア水とが、第2領域12bの中央部において互いに衝突し、第1吐出部材71からの吐出方向に沿った流れが打ち消される。このようにして、第2領域12b内における特定方向に沿った局所的なアンモニア水の流れが、処理槽12の壁面および整流板28によって打ち消されるとともに、第2領域12b内の圧力が略均一に上昇するようになる。この結果、整流板28の多数の貫通孔29のそれぞれを略同一量のアンモニア水が通過して、第2領域12bから第1領域12aへと上下方向に沿って流れ込む。すなわち、第2領域12bから第1領域12a内へのアンモニア水の流入は、整流板28上の略全領域にわたって略均一に行われるようになる。
以上のようにして、処理槽12の第1領域12a内に上昇流が形成され、処理槽12内の純水が、処理槽12の下側からアンモニア水(第1の薬液)によって置換されていく。また、図8に示すように、アンモニア水の処理槽12内への供給にともない、それまで処理槽12に貯留されていた処理液が、処理槽12への薬液の流入量と略同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。すなわち、本実施の形態によれば、処理槽12内の純水を第2の薬液(アンモニア水)によって効率的に置換していき、置換に要する薬液の量を節約することができる。
なお、第1領域12a内のウエハWの周囲にアンモニア水が供給されると、アンモニア水によるウエハWのエッチングが開始される。上述したように、本実施の形態によれば、整流板28上の略全領域から略均一にアンモニア水が第1領域12a内に流入する。したがって、第1領域12a内に配置された状態での横方向(水平方向)に対応する方向に沿ったウエハWに対する処理の均一性を確保することができる。
また、上述したように、第2領域12bから第1領域12aに流入するアンモニア水によって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、処理槽12内を漂う浮遊物、例えばエッチング処理によってウエハWから除去されたパーティクルを処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
次に、第7の工程として、図3および図9に示すように、アンモニア水(薬液)を処理槽12へ補充しながら、ウエハWをアンモニア水(薬液)中に浸漬しておく。具体的には、切換機構50の開閉状態および吐出機構65の稼働状態を、上述した第3の工程からそのままの状態に維持しておく。したがって、処理槽12の第2領域12bへ所定流量(例えば、40〜50l/min)でアンモニア水が供給され続ける。この工程は、例えば数分間実施される。
この工程中、処理槽12の第1領域12a内に薬液の上昇流が形成される。また、図9に示すように、第2領域12bから第1領域12aへの新たなアンモニア水の流入にともない、それまで処理槽12に貯留されていたアンモニア水が、処理槽12への新たなアンモニア水の流入量と同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。すなわち、処理槽12の第1領域12a内に配置された被処理ウエハWの周囲においてアンモニア水の濃度が一定に保たれるだけでなく、被処理ウエハWの板面上におけるアンモニア水の流れ方、例えば流速が、板面内にわたって略均一となっている。したがって、処理されるべきシリコンウエハWがアンモニア水に対して鋭い反応性を有するにもかかわらず、この工程中におけるエッチング量を被処理ウエハWの板面内にわたって略均一とすることができる。
なお、上述した第6の工程と同様に、第2領域12bから第1領域12aに流入するアンモニア水によって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、処理槽12内を漂う浮遊物を処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
次に、第8の工程として、図3および図10に示すように、下側供給管41を介して処理槽12の第2領域12bへ純水が供給され、処理槽12内のアンモニア水が純水によって置換されていく。具体的には、制御信号18からの信号により、切換機構50の第5開閉バルブ55が閉鎖される。これにより、純水供給管48から送り込まれてくる純水に対する、第1薬液要素源61からの高濃度のアンモニア水の混入が停止する。一方、その他の切換機構50の各開閉バルブの開閉状態および吐出機構65の稼働状態は、上述した第6および第7の工程からそのままの状態に維持される。この結果、処理槽12の第2領域12bへ所定流量(例えば、40〜50l/min)で純水が供給されるようになる。つまり、第6の工程から第8の工程まで、処理槽12の第2領域12bに供給される処理液の供給量は、略一定となっている。
上述したように、また、図10に示すように、各第1吐出部材71は斜め下方に向けて純水を吐出し、異なる吐出部材71から吐出された純水は第2領域12b内において対称的な流れを形成するようになる。したがって、一方の第1吐出部材71から吐出された純水と、他方の第1吐出部材71から吐出された純水とが、第2領域12bの中央部において互いに衝突し、第1吐出部材71からの吐出方向に沿った流れが打ち消される。このようにして、第2領域12b内における特定方向に沿った局所的な純水の流れが、処理槽12の壁面および整流板28によって打ち消されるとともに、第2領域12b内の圧力が略均一に上昇するようになる。この結果、整流板28の多数の貫通孔29のそれぞれを略同一量の純水が通過して、第2領域12bから第1領域12aへと上下方向に沿って流れ込む。すなわち、第2領域12bから第1領域12a内への純水の流入は、整流板28上の略全領域にわたって略均一に行われるようになる。
以上のようにして、処理槽12の第1領域12a内に上昇流が形成され、処理槽12内のアンモニア水(薬液)が、処理槽12の下側から純水によって置換されていく。また、図10に示すように、純水の処理槽12内への供給にともない、それまで処理槽12に貯留されていたアンモニア水が、処理槽12への純水の流入量と略同一量だけ、処理槽12の上方開口12cから外槽15に排出されていく。すなわち、本実施の形態によれば、処理槽12内の第1の薬液(アンモニア水)を純水によって効率的に置換していくことができる。
また、上述した第6および第7の工程と同様に、この第8の工程においても、第2領域12bから第1領域12aに流入する純水によって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、処理槽12内を漂う浮遊物を処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWに浮遊物(パーティクル)が付着してしまうことを防止することができる。
なお、第1領域12a内のウエハWの周囲において、アンモニア水(第1の薬液)が純水に置換されると、アンモニア水によるウエハWのエッチングが終了する。上述したように、本実施の形態によれば、整流板28上の略全領域から略均一に純水が第1領域12a内に流入する。したがって、第1領域12a内に配置された状態での横方向(水平方向)に対応する方向に沿ったウエハWに対する処理の均一性を確保することができる。
また、アンモニア水によるウエハWのエッチングが開始してから終了するまでの間、処理槽12の第1領域12a内にアンモニア水の上昇流が常に形成されている。したがって、第1領域12a内に配置された状態での横方向(水平方向)に対応する方向に沿ったウエハWに対するエッチング量の均一性を確保することができる。
また、上述したように、処理槽12内(とりわけ被処理ウエハWの周囲)の処理液(純水)は下側から徐々にアンモニア水(第1の薬液)によって置換されていく。同様に、上述したように、処理槽12内(とりわけ被処理ウエハWの周囲)のアンモニア水(第1の薬液)は下側から徐々に純水によって置換されていく。したがって、図12に示すように、処理槽12の第1領域12a内に配置されたウエハWのうち上側部分の周囲における第1の薬液の濃度(図12の一点鎖線)と、下側部分の周囲における第1の薬液の濃度(図11の実線)とは、処理槽12内へアンモニア水の供給を開始した後の一定時間の間、および、処理槽12内へ純水の供給を開始した後の一定時間の間、異なる値をとるようになる。すなわち、ウエハWの板面のうち、ウエハWが処理槽12内に配置された際に上方に配置される部分と下方に配置される部分との間で、アンモニア水(第1の薬液)による処理が実質的に開始されるタイミング並びにアンモニア水(第1の薬液)による処理が実質的に終了するタイミングは異なる。しかしながら、上述した第6の工程における処理槽12の第2領域12b内へのアンモニア水(第1の薬液)の単位時間あたりの供給流量と、第8の工程における処理槽12の第2領域12b内への純水(水)の単位時間あたりの供給流量と、を略同一にすることにより、実質的にアンモニア水による処理が行われている時間を略同一にすることができる(図12参照)。したがって、ウエハWが処理槽12内に配置された際の上下方向に相当する方向に沿ったウエハWの板面におけるアンモニア水(第1の薬液)を用いた処理の均一性を確保することもできる。
さらに、被処理ウエハに対する処理が進行し得る第6の工程から第8の工程においては、被処理ウエハWの板面の周囲にて、均一なアンモニア水(第1の薬液)の上昇流が形成されている。すなわち、被処理ウエハWの板面上におけるアンモニア水の流れ方、例えば流速が、板面内にわたって略均一となっている。したがって、処理されるべきシリコンウエハWがアンモニア水に対して鋭い反応性を有するにもかかわらず、エッチング量を被処理ウエハWの板面内にわたって略均一とすることができる。
以上のようにして、第6の工程から第8の工程までの間に、ウエハWをその板面の全領域にわたって略均一のエッチング量でエッチングすることができる。
次に、第9の工程として、図3および図11に示すように、下側供給管41並びに第1乃至第3上側供給管42,43,44を介して処理槽12に純水が供給される。具体的には、まず、制御信号18からの信号により、吐出機構65の出力が上昇する。また、切換機構50の第2乃至第4開閉バルブ52,53,54が開放される。この結果、図11に示すように、純水が、下側供給管41および第1乃至第3上側供給管42,43,44を介し、処理槽12へ所定流量(例えば、80l/min以上)で供給されるようになる。 この工程は、例えば数分間行われる。
上述したように、第1乃至第3上側供給管42,43,44はそれぞれ一対の第2乃至第4吐出部材72,73,74に連結されている。第1乃至第3上側供給管42,43,44から送り込まれる純水は、この第2乃至第4吐出部材72,73,74を介し、処理槽12の第1領域12a内へ直接吐出される。本実施の形態において、各対の吐出部材72,73,74は、対向する処理槽12の一対の壁面に、対向するようにして対称的に配置されている。また、第2乃至第4の吐出部材72,73,74の各吐出口72a,73a,74aは、保持部材20に保持された隣り合うウエハWの間に純水を吐出することができるよう、配列されている。
したがって、対向する各対の吐出部材72,73,74のうちの一方の吐出部材から吐出された純水と、他方の吐出部材から吐出された純水とが、ウエハWとウエハWとの間の隙間において衝突する。また、第2乃至第4吐出部材72,73,74は、互いに異なる上下方向位置に配置されている。このため、処理槽12の第1領域12a内において(少なくとも被処理ウエハWの板面の周囲において)、処理槽12内に貯留された液体(純水)が激しく攪拌されるようになる。加えて、第6乃至第8の工程に比べ、本工程においては処理槽12内への液体の処理液の単位時間あたりの供給量が増大している。これらの結果、第8の工程では除去しきれずにウエハWの周囲に滞留していたイオンレベルの薬液をも、ウエハWの周囲から確実に流し去ることができる。同様に、第8の工程では除去しきれずにウエハWに付着していた付着物(パーティクル)を当該ウエハWから除去することができる。
なお、本工程においては、保持部材20によって下方から支持されるウエハWに対して下方のみからでなく、両側方からも処理液(純水)が吐出されている。したがって、第6乃至第8の工程と比較して、単位時間当たりの処理液の供給量が増大したとしても、保持部材20によってウエハWを安定して支持することができる。
また、本実施の形態において、下側供給管41から処理槽12の第2領域12b内にも純水が供給されている。第2領域12bに供給された純水は、上述したように、整流板28を通過して、整流板28の全面にわたって略均一な上昇流(並進流)として、第1領域12aに流入する。そして、この第2領域12bから第1領域12aに流入する純水によって、第1領域12a内での液流が全体として上方に向かうようになる。したがって、ウエハWの周囲に残留していた薬液や、ウエハWから除去された付着物等の浮遊物(パーティクル)を処理槽12内で上方に浮かび上がらせ、さらには、外槽15へと流し出すことができる。これにより、ウエハWのリンス処理をより確実に行うことができるとともに、除去された付着物(パーティクル)等が再びウエハWに付着してしまうことを防止することができる。
以上のようにして、フッ化水素水を用いたエッチング処理(第3および第4工程)およびその後のリンス処理(第5工程)、アンモニア水を用いたエッチング処理(第6および第7工程)およびその後のリンス処理(第8工程)、並びに、純水を用いた処理(第9の工程)が行われていく。そして、図3に示すように、本実施の形態においては、さらに、フッ化水素水を用いたエッチング処理(第10および第11工程)およびその後のリンス処理(第12工程)が行われる。
具体的に説明すると、図3に示すように、フッ化水素水を用いたエッチング処理は、第10の工程としての純水をフッ化水素水で置換する工程と、第11の工程としてのウエハWをフッ化水素水に浸漬しておく工程と、を含んでいる。また、リンス処理は、第12の工程としてのフッ化水素を純水で置換する工程を含んでいる。このうち第10の工程は、図5を参照しながら既に詳述した第3の工程と同一にすることができる。また、第11の工程は、図6を参照しながら既に詳述した第4の工程と同一にすることができる。さらに、第12の工程は、図7を参照しながら既に詳述した第5の工程と同一にすることができる。したがって、ここでは、第10乃至第12の工程についての重複する説明を省略する。
このようにして第12の工程が終了すると、保持部材20部材が上昇し、ウエハWが処理槽12内から排出される。以上のようにして被処理ウエハWに対する一連の処理が終了する。
以上のような本実施の形態によれば、互いに異なる種類の薬液を用いた複数の処理を同一処理槽12内においてウエハWに対して施す際、薬液の種類に応じて処理槽12内への薬液の供給方法を変えている。これにより、各薬液に適した方法でウエハWを処理していくことができる。この結果、ウエハWに対する複数の処理を短時間で行うことができるとともに、ウエハWの板面内における処理の均一性を向上させることができる。
具体的には、処理槽内の少なくとも被処理ウエハWの周囲において上昇流が形成されるようにして第1の薬液(アンモニア水)が処理槽12内に供給される。したがって、第1の薬液が処理槽12内に供給されている間、処理槽12内の上昇流を均一にすることによって、ウエハWの板面近傍における第1の薬液の濃度だけでなく、ウエハWの板面近傍における液体の流れ方も、板面内にわたって略均一とすることができる。この結果、用いられる薬液の種類に依存することなく、ウエハWの板面内における第1の薬液を用いた処理の均一性を大幅に向上させることができる。
その一方で、処理槽12内の少なくともウエハWの周囲において液体が攪拌されるようにして第2の薬液(フッ化水素水)が処理槽12内に供給される。したがって、第2の薬液が処理槽12内に供給されている間、第2の薬液の単位時間あたりの供給量を多く設定しながら、ウエハWの板面近傍における第2の薬液の濃度を略均一に保つことができる。この結果、ウエハWの板面内における処理の均一性を確保しながら、第2の薬液を用いた処理を短時間で行うことができる。
これらのことから、本実施の形態によれば、ウエハWに対する複数の処理を短時間で行うことができるとともに、ウエハWの板面内における処理の均一性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1領域12a内において上昇流が形成されるようにして、被処理ウエハWを収容するとともに処理液(純水)を貯留した処理槽12内の第2領域12bに第1の薬液(アンモニア水)が供給される。また、処理槽12内が第1の薬液(アンモニア水)によって置換された後、第1領域12a内において上昇流が形成されるようにして、水(純水)が処理槽12の第2領域12bに供給される。いずれの場合も、少なくとも被処理ウエハWの周囲において略均一な上昇流が形成される。したがって、被処理ウエハWが処理槽12内に配置された際の横方向に相当する方向に沿った被処理ウエハWの板面における第1の薬液(アンモニア水)を用いた処理の均一性を確保することができる。
さらに、本実施の形態によれば、被処理ウエハWの近傍において、処理槽12内の処理液(純水)は下側から徐々に第1の薬液(アンモニア水)によって置換されていく。同様に、被処理ウエハWの近傍において、処理槽12内の第1の薬液(アンモニア水)は下方から徐々に水(純水)によって置換されていく。したがって、被処理ウエハWの板面のうち、被処理ウエハWが処理槽12内に配置された際に上方に配置される部分および下方に配置される部分の間で、第1の薬液(アンモニア水)による処理が実質的に開始されるタイミング並びに第1の薬液(アンモニア水)による処理が実質的に終了するタイミングは異なるものの、実質的に薬液による処理が行われている時間を略同一にすることができる。したがって、被処理ウエハWが処理槽12内に配置された際の上下方向に相当する方向に沿った被処理ウエハWの板面における処理の均一性を確保することができる。
なお、上述した実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。例えば、上述した実施の形態において、フッ化水素水を用いて処理する工程(第3および第4の工程、並びに、第10および第11の工程)において、下側供給管41から処理槽12の第2領域12bにフッ化水素水を供給するとともに上側供給管42,43,44から処理槽12の第1領域12aにフッ化水素水を供給する例を示したが、これに限られず、上側供給管42,43,44から処理槽12の第1領域12aのみへフッ化水素水を供給するようにしてもよい。また、上述した実施の形態において、全ての上側供給管42,43,44から処理槽12の第1領域12a内にフッ化水素水が供給される例を示したが、これに限られず、第1乃至第3上側供給管41,42,43のうちの一つまたは二つからフッ化水素水が供給されるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、アンモニア水を用いて処理する工程(第6および第7の工程)、並びに、アンモニア水を純水で置換する工程(第8の工程)において、下側供給管41のみから第1の薬液(アンモニア水)または純水が処理槽12内に供給される例を示したが、これに限られない。下側供給管41から処理槽12内に第1の薬液または純水を供給するとともに、並行して、第1乃至第3上側供給管42,43,44のうちの少なくともいずれか一つの供給管から処理槽12内に第1の薬液または純水を供給するようにしてもよい。第1領域12a内における液体の流動について上昇流が支配的となっていれば、あるいは、少なくとも第1領域12a内に収容されたウエハWの周囲において上昇流が形成されていれば、ウエハWをその板面内にわたって略均一に処理することができる。
さらに、上述した実施の形態において、フッ化水素水を純水で置換する工程(第5および第12の工程)、並びに、純水を用いて処理する工程(第9の工程)において、全ての供給管41,42,43,44から処理槽12内に処理液(純水)が供給される例を示したが、これに限られない。例えば、下側供給管41からの純水の供給を停止してもよい。また、第1乃至第3上側供給管41,42,43のうちの一つまたは二つから、純水が供給されるようにしてもよい。少なくとも第1領域12a内に収容されたウエハWの周囲に処理液が吐出され、貯留された液体がウエハWの周囲で攪拌されていれば、当該ウエハWに対するリンス処理をより確実に行うことができる。また、ウエハWから高い除去効率で付着物を除去することができる。
さらに、上述した実施の形態において、第1の薬液を用いた処理を、アンモニア水を用いたシリコンウエハのエッチング処理とし、第2の薬液を用いた処理を、フッ化水素水を用いたシリコンウエハのエッチング処理とした例を示したが、これに限られず、種々変更することができる。例えば、第1の薬液を用いた処理を、被処理基板との反応性が比較的に高い薬液を用いた処理とし、第2の薬液を用いた処理を、被処理基板との反応性が第1の薬液よりも低い薬液を用いた処理としてよい。また、第1の薬液を用いた処理を、処理の進行度合いを高い精度で管理しなければならない処理とし、第2の薬液を用いた処理を、処理の進行度合いを高い精度で管理しなくてもよい処理としてもよい。また、上述した実施の形態において、ウエハWに対し、フッ化水素水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理、アンモニア水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理、純水を用いた処理、並びに、二回目のフッ化水素水を用いたエッチング処理およびその後のリンス処理を順に実施していく例を説明した。しかしながら、当然に、ウエハWの対して施される処理は、この例に限定されず、第1の薬液を用いた処理と、第2の薬液を用いた処理と、を適宜組み合わせたものとすることができる。
さらに、上述した実施の形態において、基板処理装置10が超音波発生装置30を含む例を示したが、これに限られず、超音波発生装置30は任意である。一方で、上述した基板処理方法中の各工程、例えば、上述した第3乃至第12の工程のうちのいずれか一つ以上の工程において、超音波発生装置30から処理槽12内の処理液に超音波を発生させるようにしてもよい。このような方法によれば、被処理ウエハWから高い除去効率でパーティクルを除去することができる。
さらに、上述した実施の形態において、整流部材28が多数の貫通孔29を有する整流板からなる例を示したが、これに限られず、種々の公知の整流部材を適用することができる。また、処理槽12の第1領域12a内に配置された被処理ウエハWの周囲において均一な上昇流を形成するため、処理槽12の第2領域12b内に補助整流板を設けるようにしてもよい。例えば、下側供給管41を介した第2領域12b内への液体の供給口(上述した実施の形態においては、第1吐出部材71の吐出口71a)に対面するようにして板状の補助整流板を設けることにより、下側供給管41を介して供給された液体の供給方向に沿った局所的な流れを打ち消すことができる。また、下側供給管41から第1吐出部材71を介して処理槽12の第2領域12b内に処理液が流れ込む例を示したが、これに限られず、第1吐出部材71を省略することもできる。
さらに、上述した実施の形態において、上下方向沿った異なる三つの位置から、処理槽12の第1領域12a内へ処理液を供給する例を示したが、これに限られない。上下方向に沿った一つまたは二つの位置からのみ、第1領域12a内へ処理液が供給されるようにしてもよい。あるいは、上下方向に沿った四つ以上の位置から、第1領域12a内へ処理液が供給されるようにしてもよい。
なお、以上の説明においては、基板処理装置および基板処理方法を、ウエハWに対するエッチング処理およびリンス処理に適用した例を示しているが、そもそもこれに限られず、LCD基板やCD基板に対するエッチング処理およびリンス処理に適用することができ、さらにはエッチング処理およびリンス処理以外の種々の処理に適用することもできる。
図1は、本発明による基板処理装置の一実施の形態の概略構成を示す図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図1に示された基板処理装置を用いて行われ得る基板処理方法を説明するための表である。 図4は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図5は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図6は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図7は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図8は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図9は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図10は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図11は、図3の基板処理方法に含まれた一つの工程を説明するための図である。 図12は、処理槽内におけるアンモニア水の濃度の変化を説明するための図である。
符号の説明
10 基板処理装置
12 処理槽
18 制御装置
19b 記録媒体
28 整流部材(整流板)
29 貫通孔
30 超音波発生装置
41 下側供給管
42 第1上側供給管
43 第2上側供給管
44 第3上側供給管
50 切換機構
W 基板

Claims (39)

  1. 整流部材が内部に設けられ、前記整流部材の上側に位置し被処理基板を収容する第1領域と前記整流部材の下側に位置する第2領域とを含む処理槽を用いて前記被処理基板を処理する方法であって、
    前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、
    前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を備える
    ことを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記第1の薬液と前記被処理基板との反応性は、前記第2の薬液と前記被処理基板との反応性よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記第1の薬液はアンモニア水からなり、前記第2の薬液はフッ化水素水からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に水を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌する工程を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程は、
    内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに、前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程は、内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに、前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程を含み、
    前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程において前記処理槽内に供給される前記第1の薬液の単位時間あたりの供給量は、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給される前記水の単位時間あたりの供給量と実質的に同一である
    ことを特徴とする請求項4に記載の基板処理方法。
  8. 前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程は、
    前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第1の薬液に浸漬しておく工程を、さらに含む
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の基板処理方法。
  9. 前記処理液は水である
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備え、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程において前記第1の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給された前記水である
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に水を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程は、
    内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して、或いは、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する工程を、含む
    ことを特徴とする請求項1乃至9および請求項11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程は、
    前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する工程の後に、前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第2の薬液に浸漬しておく工程を、さらに含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の基板処理方法。
  14. 前記処理液は水である
    ことを特徴とする請求項12または13に記載の基板処理方法。
  15. 前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程を、さらに備え、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程の後に、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程において前記第2の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する工程において前記処理槽内に供給された前記水である
    ことを特徴とする請求項12または13に記載の基板処理方法。
  16. まず、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、
    次に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が行われ、
    その後、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する工程が再度行われる
    ことを特徴とする請求項請求項1乃至9並びに請求項11乃至14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  17. 前記整流部材は多数の貫通孔を有するとともに前記処理槽内を前記第1領域と前記第2領域とに区分けする整流板からなり、
    前記第2領域に供給された液体は、前記整流板の貫通孔を介し、前記第2領域から前記第1領域に流入する
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  18. 前記工程のうちの少なくとも一つの工程において、前記処理槽内の液体に超音波を発生させる
    ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  19. 被処理基板を収容する第1領域と、前記第1領域の下方に配置された第2領域と、を含む処理槽と、
    前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、
    前記処理槽の前記第2領域に接続され、少なくとも第1の薬液および水を前記処理槽の前記第2領域内に供給し得る下側供給管と、
    前記処理槽の前記第1領域に接続され、少なくとも第2の薬液および水を前記処理槽の前記第1領域内に供給し得る上側供給管と、
    前記下側供給管および前記上側供給管に連結され、前記下側供給管および前記上側供給管からの液体の供給を切り換える切換機構と、
    前記切換機構に接続され、前記下側供給管から前記処理槽の前記第2領域内への液体の供給および前記上側供給管から前記処理槽の前記第1領域内への液体の供給を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理し、
    また、前記第1の薬液を用いた前記被処理基板の処理の前または後に、前記処理槽の前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  20. 前記第1の薬液と前記被処理基板との反応性は、前記第2の薬液と前記被処理基板との反応性よりも高い
    ことを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
  21. 前記第1の薬液はアンモニア水からなり、前記第2の薬液はフッ化水素水からなる
    ことを特徴とする請求項19または20に記載の基板処理装置。
  22. 前記制御装置は、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽の前記第2領域に水を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記水を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  23. 前記制御装置は、
    前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換した後に、前記上側供給管から前記第1領域に水を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域および前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。
  24. 前記制御装置は、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際、内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項19乃至23のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  25. 前記制御装置は、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際、内部に処理液が貯留されその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換し、
    前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換する際に、前記処理槽内に供給される前記薬液の単位時間あたりの供給量が、前記処理槽内の前記薬液を前記水で置換する際に、前記処理槽内に供給される前記水の単位時間あたりの供給量と実質的に同一になる、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。
  26. 前記制御装置は、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際、前記処理槽内の前記処理液を前記第1の薬液で置換した後に、前記処理槽の前記第2領域に前記第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第1の薬液に浸漬しておく、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項24または25に記載の基板処理装置。
  27. 前記処理液は水である
    ことを特徴とする請求項24乃至26のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  28. 前記制御装置は、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御し、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理し、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理する際に前記第1の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を置換する際に前記処理槽内に供給された前記水である
    ことを特徴とする請求項24乃至26のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  29. 前記制御装置は、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記上側供給管から前記第1領域に水を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域に水を供給するとともに前記下側供給管から前記第2領域に水を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記第2の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項19乃至27のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  30. 前記制御装置は、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記上側供給管から前記第2の薬液を供給して、或いは、内部に処理液が貯留されるとともにその第1領域内に前記被処理基板が収容された前記処理槽の前記第1領域に前記上側供給管から前記第2の薬液を供給するとともに当該処理槽の前記第2領域に前記下側供給管から前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換する、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項19乃至27および請求項29のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  31. 前記制御装置は、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際、前記処理槽内の前記処理液を前記第2の薬液で置換した後に、前記上側供給管から前記第1領域に前記第2の薬液を供給して或いは前記上側供給管から前記第1領域に前記第2の薬液を供給するとともに前記下側供給管から前記第2領域に前記第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記処理槽内において前記第2の薬液に浸漬しておく、ように前記切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項30に記載の基板処理装置。
  32. 前記処理液は水である
    ことを特徴とする請求項30または31に記載の基板処理装置。
  33. 前記制御装置は、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記処理槽内の前記第1の薬液を前記水で置換する、ように前記切換機構を制御し、
    前記第1の薬液によって前記被処理基板を処理した後に、前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理し、
    前記第2の薬液によって前記被処理基板を処理する際に前記第2の薬液によって置換される前記処理液は、前記処理槽内の前記第2の薬液を置換する際に前記処理槽内に供給された前記水である
    ことを特徴とする請求項30または31に記載の基板処理装置。
  34. 制御装置は、
    まず、前記第2の薬液によって前記被処理基板が処理され、
    次に、前記第1の薬液によって前記被処理基板が処理され、
    その後、前記第2の薬液によって前記被処理基板が再度処理される、ように切換機構を制御する
    ことを特徴とする請求項19乃至27並びに請求項29乃至32のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  35. 前記整流部材は多数の貫通孔が形成された整流板を有し、
    前記第2領域に供給された液体は、前記整流板の貫通孔を介し、前記第1領域から前記第2領域に流入するようになる
    ことを特徴とする請求項19乃至34のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  36. 鉛直方向に沿った配置位置が互いに異なるようにして前記処理槽の第1領域内に設けられた複数の吐出部材を、さらに備え、
    前記上側供給管は前記吐出部材に連結され、前記吐出部材を介して前記処理槽の第1領域内に液体が吐出される
    ことを特徴とする請求項19乃至35のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  37. 前記処理槽内の液体に超音波を発生させる超音波発生装置をさらに備える
    ことを特徴とする請求項19乃至36のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  38. 被処理基板を収容する第1領域と前記第1領域の下方に配置された第2領域とを含む処理槽と、前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、を備えた基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、
    前記制御装置によって実行されることにより、
    前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、
    前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を含む被処理基板の処理方法を
    基板処理装置に実施させることを特徴とするプログラム。
  39. 被処理基板を収容する第1領域と前記第1領域の下方に配置された第2領域とを含む処理槽と、前記処理槽内の前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた整流部材と、を備えた基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、
    前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、
    前記処理槽の前記第2領域に第1の薬液を供給するとともに前記整流部材を介して前記第2領域から前記被処理基板が収容された前記第1領域に前記第1の薬液を流入させ、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において上昇流を形成しながら、前記被処理基板を前記第1の薬液によって処理する工程と、
    前記処理槽の前記第1領域に第2の薬液を供給して或いは前記処理槽の前記第1領域および前記第2領域に第2の薬液を供給して、前記第1領域内の少なくとも前記被処理基板の近傍において液体を攪拌しながら、前記被処理基板を前記第2の薬液によって処理する工程と、を含む被処理基板の処理方法を
    基板処理装置に実施させることを特徴とする記録媒体。
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