JP4828831B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に半導体装置の製造過程におけるプロセス制御技術についての半導体装置の製造方法に関するものである。
従来のプロセス制御技術は、設備内のガス圧力やRFパワーなどのセンサーデータに基づいて実施すること多い。そしてしかも多くのプロセス制御の場合は、ロット単位で実行されている。つまり、一つのロットに対して一つのレシピが対応してプロセスが実施されている。例えば、ゲートエッチング工程を例に取れば、エッチング設備のセンサー値を元に最適な設定パラメータ値にレシピ内容を変化させてエッチングを実施する。ガス圧力がずれていれば値を調整して実施する。これによりエッチング設備の反応室の状態変化を考慮したエッチングを実施できる(例えば、特許文献1参照)。
また、半導体装置の製造方法は、非常に多くの工程を組み合わせて実施されるため、ロット管理を含め全て製造実行システム(Manufacturing Execution System :MES)が統括管理していることが一般的である。このような製造方法においてロットが設備に到着すると設備はMESに処理レシピを問い合わせる。MESはロットに対応するレシピ番号を設備に送信する。ここで、前述のように反応室状態に合わせてレシピを変更するためには、MESが設備にレシピを送信する前にMESに付随するシステムに問い合わせて、その結果を設備に送信するということが一般的に行われている。
特開2002−9059号公報
従来のプロセス制御技術では、製造実行システム(MES)がプロセス制御方法をMESに付属するシステムに問い合わせるためにウェーハ毎にプロセス制御するような製造方法は困難であるという課題があった。また、工程間をまたがったプロセス制御、つまり前工程の結果を元にプロセス制御するためのシステムが対応できないという課題があった。
したがって、この発明の目的は、ウェーハ情報を考慮したプロセス制御が可能であり、ウェーハ毎にレシピを変更するプロセス制御に対応できる半導体装置の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法は、製造実行システムからエッチング装置に処理レシピを送信し、半導体装置のロットに処理を実行する半導体装置の製造方法であって、前記製造実行システムと前記エッチング装置がLAN接続したネットワークの経路にプロセス制御システム及び設備モニタリングシステムを挿入する工程と、前記プロセス制御システムが、前記製造実行システムから処理レシピを受け取る工程と、前記設備モニタリングシステムが、前記エッチング装置の状態を確認する工程と、前記エッチング装置の状態を確認する工程において、前記エッチング装置の状態が正常と判断された場合に、前記プロセス制御システムがロットの前工程の製造設備での処理結果を取得し前記製造実行システムから受け取った処理レシピを書き換える工程と、前記エッチング装置の状態を確認する工程において、前記エッチング装置の状態が異常と判断された場合に、前記エッチング装置を停止させる工程と、前記プロセス制御システムから前記エッチング装置に書き換えた処理レシピを送信する工程とを含み、前記処理レシピを書き換える工程で取得する処理結果は、前記ロットの前工程の製造設備でのリソグラフィ後のゲートパターン寸法であり、前記処理レシピを書き換える工程は、前記プロセス制御システムにおいて前記ゲートパターン寸法である処理結果に基づいて前記エッチング装置における酸素のガス流量を予め計算する工程と、前記エッチング装置における酸素のガス流量を用いて処理レシピを書き換える工程と
を含むことを特徴とする。
本発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法によれば、製造実行システムと製造設備がLAN接続したネットワークの経路にプロセス制御システムを挿入する工程と、プロセス制御システムでロットの前工程の処理結果を取得し処理レシピを書き換える工程と、プロセス制御システムから製造設備に書き換えた処理レシピを送信する工程とを含むので、従来のプロセス技術とは異なり、製造実行システム(MES)にプロセス制御システムが付属せずプロセス制御システムが独立にプロセス制御を実行することができる。このため、MESがプロセス制御システムにプロセス制御方法を問い合わせる時間を省略することが可能になる。また、ロットの前工程の処理結果であるウェーハ情報を取得するステップが含まれているのでウェーハ状態を考慮した制御パラメータの計算が可能であり、ウェーハ毎のプロセス制御が可能になる。
さらに、プロセス制御システムにおいてエッチング装置の状態を確認する工程と、エッチング装置の状態により処理レシピを書き換える工程とを含むので、エッチング装置が異常である場合、プロセス制御システムにより算出された値で最適なプロセス制御ができないために、プロセス制御システムが動作して処理レシピを書き換えることを制限することができる。
さらに、プロセス制御システムにおいてロットの前工程の製造設備でのリソグラフィ後のゲートパターン寸法である処理結果に基づいてエッチング装置における酸素のガス流量を予め計算する工程と、エッチング装置における酸素のガス流量で処理レシピを書き換える工程とを含むことが好ましい。
エッチング装置における酸素のガス流量で書き換えた処理レシピを保存する工程と、処理を実行したロットの検査結果を取得する工程と、検査結果からエッチング装置における酸素のガス流量を更新する工程とを含むこととすれば、エッチング装置における酸素のガス流量を常に最新のものに更新することができる。このため、多品種になった場合でも高い精度でプロセス制御ができる。
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態で用いたAPC(Advanced Process Control)システムを含めたシステム構成図を示す。
図1に示すように、製造実行システム102から製造設備103に処理レシピを送信し、半導体装置のロットに処理を実行する際に、製造実行システム102と製造設備103がLAN接続したネットワークの経路にプロセス制御システム101を挿入する工程と、プロセス制御システム101でロットの前工程の処理結果を取得し処理レシピを書き換える工程と、プロセス制御システム101から製造設備103に書き換えた処理レシピを送信する工程とを含む。
APCシステム101は、MES102と設備103の間に挿入することによって、MES102から設備103に送信するレシピAをダイレクトに受信できるので、所望の値に変化させたレシピA’を設備103に送信する役割を果たす。ここで重要なことは以下の2点である。一つは、MES102に対してAPCシステム101を実装する必要がなく、MES102と設備103がオンラインで接続されている系であれば、APCシステム101を挿入可能であるということである。一般的に付加的なシステム(サブシステム)は、MES102に実装することが多く、そのためにインターフェースを設計してシステムを構築する。しかしながら本発明の実施形態ではMES102とAPCシステム101のインターフェースを設計する必要がないという利点があった。もう一つは、MES102からのレシピをAPCシステム101がダイレクトに受けるので、枚葉対応に非常に適しているということである。300mm対応の設備では、ウェーハ毎にレシピの中のパラメータを変化させることが可能なオンライン仕様(設備とMESを通信によって接続する仕様)になっている。しかし、実際にウェーハ毎にパラメータ値を変化させる場合には、MES102が一枚一枚に対してAPCシステム101にパラメータの変化量を問い合わせる必要があり、通信に時間を要する。最悪の場合、設備103はAPCシステム101が計算して得られたレシピを待つため、処理が停止する。その結果、設備103の稼働率が低下するという問題があった。本発明の実施形態のシステム構成では、MES102が関知せずAPCシステム101が独立に対応できるので、迅速なウェーハ毎の対応が可能である。この場合、APCシステム101は、前工程の検査装置105により測定された結果を蓄積したデータベース104にアクセスし、所定の処理データを取得することができる。また、ロット番号やウェーハ番号などMES102と設備103間で共有する情報についてもMES102と設備103間のデータのやり取りはAPCシステムを経由して実行されるためAPCシステムが取得することができる。
図2に本発明の第1の実施の形態のフローチャートを示す。
図2に示すように、まず、設備103に所定のロットが到着すると、設備103もしくは設備付帯のロット認識装置でロット番号もしくはウェーハ番号を読み取り、設備103はロット処理するためのレシピもしくはレシピ番号についてAPCシステム101を介してMES102に問い合わせる(ステップ201〜203)。この時、APCシステム101はロット番号およびウェーハ番号からAPC対象ロットであることを認識する。
次にAPCシステム101は、ロットの前工程の処理データを検査装置105に接続されたデータベース104から取得し(ステップ204)、当該工程での加工目標値になるようにシステム内に予めプログラムされたアルゴリズムを使用して制御パラメータ値の計算を実行する(ステップ205)。
次にAPCシステム101がMES102から送られてきたレシピ内容を変更し(ステップ206)、変更したレシピ内容を設備103に送信する(ステップ207)。そして設備103はAPCシステム101が書き換えたレシピ内容に基づきロット処理を実施する(ステップ208)。
図3に本発明の第1の実施の形態をゲート電極加工工程に適用した工程断面図を示す。図3(a)はリソグラフィ工程、(b)はARCエッチング工程、(c)はゲートエッチング工程である。図3(a)に示すように、シリコン基板5上に、ゲート酸化膜4、ポリシリコン膜3及びARC膜2を順次形成する。そして、ゲートパターンを形成するためにフォトレジスト膜1をマスクにエッチングを行なう。ゲート電極エッチング加工の場合は、ゲート電極寸法ばらつきおよび中心値のずれを低減するためリソグラフィ工程後の寸法測定データを元にエッチング時の時間、ガス流量、ガス圧力、高周波電力を変化させることでエッチング後のゲート寸法の中心値を目標値に近づけることができる。同時に寸法のばらつきも低減可能である。この時、図3(b)に示すように、電極自体のエッチングステップの前のステップでレジストもしくは電極上に堆積させた有機膜(ARC:Anti-reflective Coating)や絶縁膜のエッチングを実施する。このARCエッチング時のプロセス制御について説明する。
図4に本発明の第1の実施の形態をゲート電極加工工程に適用した場合のフローチャートを示す。図4に示すように、まず、MES102は、エッチングを行なう設備103からレシピ要求を受けて(ステップ301)、当該ロット処理のための所定のレシピもしくはレシピ番号を設備103に送信する(ステップ302)。この時、MES102から送信されたレシピもしくはレシピ番号はAPCシステム101によって受信される(ステップ303)。APCシステム101は、リソグラフィ後のゲートパターン寸法(SEM式測長装置もしくは光学式測長装置などによって測定された結果)を蓄積したデータベース104にアクセスし、所定の寸法データを取得する(ステップ304)。次にAPCシステム101は内部に予め設定されたエッチングパラメータに対するARCエッチング後の寸法シフト量の検量線データ(図5)からパラメータ値を導き出す(ステップ305)。
図5は酸素流量に対して寸法シフトが変化するデータである。ここでの寸法シフトは、ARCエッチング後のゲート電極寸法からリソグラフィ後のゲート電極寸法を引いた値である。このデータを元にリソグラフィ後の寸法が所定の値よりも大きい場合は、エッチングで寸法を細くするように酸素流量を多くする。リソグラフィ後の寸法が小さい場合は、この逆に酸素流量を少なくする。このようにAPCシステム101は酸素流量をデフォルト値から変化させ(ステップ306)、変化させたレシピもしくはレシピ番号を設備103に送信する(ステップ307)。この時、レシピ番号を送る場合には設備103側にデフォルトのレシピ以外に予め複数のレシピを入力しておかなくてはならない。300mm設備のようにレシピ自体を受信できる設備はパラメータを変化させたレシピを送信することになる。次に設備103はAPCシステム101から送られてきた変更されたレシピもしくはレシピ番号で当該ロットの処理を実施する(ステップ308)。本発明の第1の実施の形態を0.18μmデバイスのゲート加工に適用した場合、適用しなかった場合の3σで0.026μmあった寸法ばらつきを0.018μmに低減することに成功した。同様に0.13μmデバイスに導入した場合は、適用しなかった場合の3σで0.0159μmの寸法ばらつきを0.0084μmに低減できた。
本実施形態では、ウェーハ情報を取得するステップ(アルゴリズム)が含まれているのでウェーハ状態を考慮した制御パラメータの計算が可能である。また、MESと設備の間にプロセス制御(APC)システムが挿入されているのでMESとAPCシステムの通信がなく、通信負荷量が軽減されるため、枚葉でのプロセス制御が可能である。
すなわち、前述したように本発明の実施形態のAPCシステムを用いた半導体装置の製造方法では、MESがAPCシステムに問い合わせ、その結果を受信し、さらにMESから設備に送信する従来のAPCシステムを用いた製造方法に比べ50%の時間短縮が可能であった。本APCシステムではデーターベースからのデータ抽出時間は0.25秒から1.75秒であり、アルゴリズム計算を含めて当初目標にしていたスペックの5秒以内に全て完了できた。これにより、通常APCが計算結果を算出する前に処理すべきウェーハが処理チャンバに到着した場合は、処理を停止させることになり、設備の生産能力に影響を与えるという問題を解決できた。
本発明の第2の実施の形態を図6および図7に基づいて説明する。
第1の実施の形態の中で敢えて課題を上げると第1の実施の形態では、設備状態を考慮していないということであった。つまり、設備が異常の場合にレシピ内容を変更すると、目標の加工結果を得られないという課題がある。設備が異常である場合は、図5で示したような予め取得した検量線データが異なるということである。極端に言えば設備が異常である場合は、本発明の第1の実施の形態のAPCシステムによって算出された値では最適なプロセス制御ができないということである。このような場合は、APCシステムが動作してレシピ変更することを制限する必要がある。
図6に本発明の第2の実施の形態に必要なシステム構成図を示す。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第1の実施の形態と同様にAPCシステム101はMES102と設備103の間に挿入している。このシステムと同位置に設備モニタリングシステム106を挿入し、APCシステム101と共存させることで、設備状態を考慮せずプロセス制御する課題を解決した。また、本発明の実施形態の大きな特徴は、同一のハード内での2つのシステムを共存させているため、システム間の連携が極めて容易なことである。つまり、一つのハードでAPCシステム101と設備モニタリングシステム106が共存しているので、効率的であるというメリットがあり、システム間のインターフェース設計をほぼ省略することができたことが大きな利点であった。さらに重要なことは、APCシステム101が設備モニタリングシステム106にウェーハ毎に問い合わせる時間を省略できるということである。
ここで設備モニタリングシステム106の働きを説明しておく。設備モニタリングシステム106は設備パラメータ変動をモニタリングし、システム内に設定された統計モデル(マハラノビス距離、T2やDMODX)もしくはエラーバンドによって正常もしくは異常の判断をする。その結果をAPCシステム101に送り、常に設備状態を知らせる。もしくはAPCシステム101が設備モニタリングシステム106に設備状態を問い合わせる。このようにすることで、APCシステム101は設備の状態を知ることができる。ゲートエッチングのAPCの場合は、設備モニタリングパラメータとして酸素ガス流量はもちろんのこと高周波電力の進行波と反射波、ガス圧力、プラズマ発光量が少なくともモニタリングされている。特にプラズマの発光(OES:Optical Emission Spectroscopy)量によってエッチング処理を実施するチャンバ状態をモニタリングしている。このときの発光の対象は、酸素と炭素およびフッ素で、例えばそれらの波長はそれぞれ555nm、516nmおよび704nmである。
図7に本発明の第2の実施の形態のフローチャートを示す。
図7に示すように、まず、設備103に所定のロットが到着すると、設備103もしくは設備付帯のロット認識装置でロット番号もしくはウェーハ番号を読み取り、設備103はロット処理するためのレシピもしくはレシピ番号についてAPCシステム101を介してMES102に問い合わせる(ステップ401)。この時、APCシステム101はロット番号もしくはウェーハ番号からAPC対象ロットもしくはウェーハであることを認識する。次にMES102は、所定のレシピもしくはレシピ番号を設備に送信する(ステップ402)。この間にAPCシステム101は、設備モニタリングシステム106から設備状態のデータを取得する(ステップ403)。ここで、パラメータ値がエラーバンド内であるという結果データもしくは各パラメータのCp(Process Capability)値の2乗和の平方根により算出した総合的なCp値によって設備状態が正常であるか異常であるかを判定する(ステップ404)。設備状態が正常と判断された場合に次のステップに進む。次のステップ以降(ステップ405〜409)のフローは本発明の第1の実施の形態の(ステップ304〜308)と同様である。異常の場合は、APCシステム101での計算は凍結し、設備を停止させる。
本発明の第3の実施の形態を図8および図9に基づいて説明する。
本発明の第1および第2の実施の形態で半導体装置を製造した場合、通常のロット処理には問題がなかった。しかし、半導体製造にはロット処理ランクつまり通常のスピードで製造が進行するロットと通常のスピードより早く製造が進行するロットがある。これを特急ロットと言っているが、この特急ロット処理においてAPCシステムがロットの前工程の処理結果をデータベースから取得する時にデータが存在しないという問題が発生した。これは、データベースにデータが記録される前にロットが次工程つまりプロセス制御する工程に到着してしまうために発生したことが新たにわかった。
そこで本発明の第3の実施の形態では、特急ロットの場合は、前工程の装置から直接APCシステムにデータを送信するものである。
図8に本発明の第3の実施の形態で用いられるシステム構成図を示す。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、APCシステム101は第1及び第2の実施の形態同様にMES102と設備103の間に挿入される。第1及び第2の実施の形態とは異なる点は、前工程特に検査装置105から直接データを受信できることである。ここでAPCシステム101には随時検査装置105からのデータを受けられるようにするためにプロセス制御を司るCPU(Central Processor Units)とは別のCPU107を備えた。つまり、APCシステム101によってプロセス制御している間に特急ロット処理のための検査データをタイムラグ無く対応できるようにしている。
図9に本発明の第3の実施の形態のフローチャートを示す。
図9に示すように、例えば、ゲート電極加工工程の寸法制御ではリソグラフィ工程後の寸法測定結果をSEM式もしくは光学式測長装置(検査装置)105から測定結果を蓄えるデータベース104への送信(ステップ511)と同時にダイレクトに並行してAPCシステム101に送信する(ステップ501,502)。そして、APCシステム101は随時寸法データを取得する(ステップ503)。このようにすることで特急ロットの寸法結果をAPCシステム101が認識し、さらに最適パラメータの算出するためのアルゴリズムを実行する(ステップ512)。計算結果は、APCシステム101内に一時保存する。もしくは、APCシステム101からMES102に送信し、MES102に知らせることも可能である。次に、所定の特急ロットが設備103に到着すると設備103はロット番号を送信し、MES102にレシピもしくはレシピ番号を要求する。次にMES102から所定のレシピもしくはレシピ番号を送信する。そのレシピもしくはレシピ番号がAPCシステム101を通過する際に予め計算しておいた値にレシピを変更するか、レシピ番号を変更して(ステップ513)、変更したレシピ内容を設備103に送る(ステップ504)。次に設備103は送られてきたレシピに基づいて処理を実施する(ステップ505)。
このようにすることで特急ロットに対しても本発明のAPCシステムは対応できた。
本発明の第4の実施の形態を図10および図11に基づいて説明する。
本発明の第4の実施の形態は、生産が経過した場合の検量線データの変動への対応もしくは検量線データのない半導体装置の製造に対応するためのものである。図5に示したような検量線は、ある時期に取得したものであり、設備状態の変動によりデータが変動することがある。精度の高いプロセス制御を実施するためには検量線データは非常に重要であり常に最新のものに更新する必要がある。しかし、更新するためには故意にパラメータを変動させてデータを再取得する労力(時間と費用)を要する課題がある。また、エッチング工程における寸法シフト量は半導体装置の開口率(エッチング工程におけるウェーハ面積に対するエッチング面積の比率)によって変化することは一般的によく知られている。つまり半導体装置の品種によってフォトレジストパターン率は異なるので、当然開口率は異なる。第1から第3の本発明の実施の形態では単一品種に対しては、高い精度でプロセス制御ができるが、多品種になった場合には精度にばらつきが発生する問題点があった。もちろん多品種に対して、もしくは予め開口率を変動させた検量線データを取得すること、つまり複数の検量線データを備えることでこの課題を解決することは可能である。
本発明の第4の実施の形態では、APCシステムに自己学習機能を備えたものである。
図10に本発明の第4の実施の形態のシステム構成図を示す。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、APCシステム101の中に自己学習機能を司る機能ブロック(ステップ108)が備えられている。このブロックは、前工程の検査装置105aのデータに基づき、プロセス制御を実施した後工程の検査装置105bのデータを収集する機能とそれらのデータを保持する機能と複数のデータに基づいて検量線データを更新する機能を有している。なお、本システムでは検量線データは複数保持することが可能にした。これは検量線データの変動を確認および管理するためであり、開口率の異なる複数品種に対して検量線データを使い分けるためである。
図11に本発明の第4の実施の形態のゲート加工工程に用いた場合のフローチャートを示す。
図11に示すように、リソグラフィ工程後の寸法測定結果を基にエッチング工程で最適パラメータ(酸素流量)を算出し(ステップ601)、エッチングパラメータを変化させてプロセスを実施する(ステップ602〜604)。次にプロセス制御を施したウェーハは次工程のゲート寸法測定工程に移動する。そこで検査装置105bにより測定された寸法データはデータベース104に保存される(ステップ605)。一般的には、リソグラフィ後の寸法データと同一のデータベースに保存されることが多い。(別のデータベースでも不都合はない。)APCシステム101は、このデータベース104にアクセスしプロセス制御後の効果として寸法データを取得する。この寸法データを変動させたプロセスパラメータと紐づけてシステム内に保持する(ステップ606)。同様の操作を繰り返して複数ウェーハの寸法データを取得する。これら複数の寸法データの平均値から更新する値を求め(ステップ607)、予め設定した周期で検量線データを更新する(ステップ608)。つまり、このようにすることでAPCシステム101が自己学習しながらプロセス制御の精度を高めることができた。
多品種の開口率変化に対しても同様の自己学習機能が大きな効果があることがわかった。まず基準となる検量線データを用いて開口率が異なるロットもしくはウェーハに対してもプロセス制御を実施する。その結果として後工程の測定データを取得し蓄える。ここで、開口率と紐づけてデータを保存することが重要である。複数ウェーハを処理していくうちに自動的に開口率毎の検量線データが作成されていく。極端に言えば、デフォルトの検量線データは真のデータでなくても自動的に検量線データが作られる。つまり、この自己学習機能によって検量線データやモデル式などを入力しなくても使用可能なAPCシステムを構築することが可能となった。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、MESと独立のシステムで前工程の結果を元に処理レシピを変更するステップもしくはAPCシステム内にその変更機能および変更するためのアルゴリズムを有し、半導体装置の製造方法およびその製造システムとして有用である。また液晶パネルの製造方法等の用途にも応用できる。
本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造方法のシステム構成図である。 第1の実施の形態のフローチャートである。 第1の実施形態により製造される半導体装置の工程断面図である。 第1の実施形態によるゲート電極加工工程のフローチャートである。 検量線データを示す図である。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造方法のシステム構成図である。 第2の実施の形態のフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製造方法のシステム構成図である。 第3の実施の形態のフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態の半導体装置の製造方法のシステム構成図である。 第4の実施の形態のフローチャートである。
符号の説明
1 フォトレジスト膜
2 ARC膜
3 ポリシリコン膜
4 ゲート酸化膜
5 シリコン基板
101 APCシステム
102 MES
103 設備
104 データベース
105 検査装置

Claims (1)

  1. 製造実行システムからエッチング装置に処理レシピを送信し、半導体装置のロットに処理を実行する半導体装置の製造方法であって、
    前記製造実行システムと前記エッチング装置がLAN接続したネットワークの経路にプロセス制御システム及び設備モニタリングシステムを挿入する工程と、
    前記プロセス制御システムが、前記製造実行システムから処理レシピを受け取る工程と、
    前記設備モニタリングシステムが、前記エッチング装置の状態を確認する工程と、
    前記エッチング装置の状態を確認する工程において、前記エッチング装置の状態が正常と判断された場合に、前記プロセス制御システムがロットの前工程の製造設備での処理結果を取得し前記製造実行システムから受け取った処理レシピを書き換える工程と、
    前記エッチング装置の状態を確認する工程において、前記エッチング装置の状態が異常と判断された場合に、前記エッチング装置を停止させる工程と、
    前記プロセス制御システムから前記エッチング装置に書き換えた処理レシピを送信する工程と
    を含み、
    前記処理レシピを書き換える工程で取得する処理結果は、前記ロットの前工程の製造設備でのリソグラフィ後のゲートパターン寸法であり、
    前記処理レシピを書き換える工程は、前記プロセス制御システムにおいて前記ゲートパターン寸法である処理結果に基づいて前記エッチング装置における酸素のガス流量を予め計算する工程と、前記エッチング装置における酸素のガス流量を用いて処理レシピを書き換える工程と
    を含む
    半導体装置の製造方法。
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