本願の出願人は、外形が小さく、大きなヘッド開口部を設けることが可能なディスクカートリッジを未公開の国際特許出願PCT/JP2007/059444において提案している。本発明のディスク装置は、このディスクカートリッジに対応している。以下、このディスクカートリッジの構造を説明する。
図21(a)および図21(b)は、本発明のディスク装置に装填をすることのできるディスクカートリッジ200の全体を上面側からみた斜視図であり、図21(a)は開口部を閉じた状態を示し、図21(b)は開口部を開放し、ディスク10の一部を露出させた状態を示している。図22(a)および図22(b)は、ディスクカートリッジ200の全体を底面側からみた斜視図であり、図22(a)は開口部を閉じた状態を示し、図22(b)は開口部を開放し、ディスク10の一部を露出させた状態を示している。また、図23は、ディスクカートリッジ200の構成部品を示す分解斜視図である。
ディスクカートリッジ200は、第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222と、支持ベース部材210とを備える。
第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222は、それぞれディスク10の一部を収納する空間をそれぞれ有しており、互いに接合することによって、ディスク10の全体を収納するディスク収納部220を形成する。より具体的には、第1および第2のディスク収納部221、222のそれぞれは、ディスク10の一部を収納する扁平な袋状の空間を有し、それぞれの空間の開口の縁部分を合わせるように第1および第2のディスク収納部221、222が閉塞することによって、ディスク10全体を収納する空間が形成される。以下、第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222の両方を参照する場合、これらをディスク収納部220と呼ぶことがある。
支持ベース部材210は、第1および第2のディスク収納部221、222をそれぞれ回動軸回りに回転可能に支持しており、支持ベース部材210の少なくとも一部は、第1および第2のディスク収納部221、222がディスク10と垂直な方向へ移動するのを抑制するように第1および第2のディスク収納部221、222と重なっている。
図21(b)および図22(b)に示すように、第1および第2のディスク収納部221、222を開放した状態では、ディスクカートリッジ200の外部から、ディスクモータ、クランプ部材などのディスク10を回転させる手段、および、記録および/または再生を行うヘッドがディスク10に接近し、アクセスするための略扇形領域の開口部220wが形成される。
したがって、第1および第2のディスク収納部221、222は、ディスクカートリッジ200の外殻をなすハウジングの機能と、開口部220wを開放および閉塞するシャッタの機能の2つの機能を兼ね備えている。
図21(a)および図22(a)に示すように、ディスクカートリッジ200を上面あるいは底面から見た場合、開口部220wが形成される側は円弧状に形成されている。このため、第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222の開口部220wが形成される領域の側面は曲面になっている。
支持ベース部材210は、上部支持ベース部材211および下部支持ベース部材212を含む。図23に示すように、下部支持ベース部材212には、ディスク装置(図示せず)内におけるディスク10と平行な面内におけるディスクカートリッジ200の位置を決定するための位置決め穴215aおよび215bが設けられている。また下部支持ベース部材212の両側面部には、切り欠き部212tが左右に設けられており、例えばトレイ方式のローディングにおけるディスクカートリッジ200の表裏を逆に装填することの防止に使用されたり、スロットローディング方式におけるディスクカートリッジ200を保持するための係合などに使用されたりする。
第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222は、それぞれ、回動中心穴221aおよび回動中心穴222aを有し、下部支持ベース部材212に設けられた回転支軸212aおよび212bが回動中心穴221aおよび回動中心穴222aに挿入されることによって、第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222は、回転支軸212a、212bを回動軸として回転可能に支持される。
また、第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222は、互いに噛み合って係合する連動部221bおよび222bを有し、この連動部221bおよび222bの係合によって第1のディスク収納部221および第2のディスク収納部222は回転支軸212aおよび212bの回りに互いに逆方向へ連動して回転することができる。
第1および第2のディスク収納部221、222には、切り欠き部221dおよび222dが設けられており、外部から第1および第2のディスク収納部221、222の開放および閉塞の動作を行うために使用される。
第1のロック部材231および第2のロック部材232は、それぞれ回動中心穴231aおよび回動中心穴232aを有し、下部支持ベース部材212に設けられている回転支軸212cおよび212dに、挿入されることによって、下部支持ベース部材212回動自在に取り付けられる。
第1のロック部材231は、第1および第2のディスク収納部221、222が閉塞した状態で、第1のディスク収納部221の係止部221cに係合し、第1のディスク収納部221が開放状態へ回動するのを抑制する係止レバー部231bと、外部から第1のロック部材231を操作する操作部231cと、外部からの操作に抗して弾性変形することで機能する弾性部231dとを含む。
同様に、第2のロック部材232は、ディスク収納部220が閉塞した状態で、第2のディスク収納部222の係止部222cに係合し、第2のディスク収納部222が開放状態へ回動するのを抑制する係止レバー部232bと、外部から第2のロック部材232を操作する操作部232cと、外部からの操作に抗して弾性変形することで機能する弾性部232dとを含む。
また、ディスクカートリッジ200には、第1および第2のロック部材231、232を操作するための、ロック解除用スリット200a、200bが、ディスクカートリッジ200の両側面に設けられている。第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cは、スリット200a、200b内において突出しているが、ディスクカートリッジ200の外形より突出しないように構成されている。これにより、ディスクカートリッジ200を扱う者が、手指で操作部231c、232cを押下しにくくなっており、外部からの意図的な操作を防止している。
次に、ディスクカートリッジ200のディスク収納部220の開放または閉塞動作について説明する。図24(a)および図24(b)は、第1および第2のディスク収納部221、222が閉塞した状態および開放した状態のディスクカートリッジ200の部分断面図を示している。
図24(a)に示すように、第1および第2のディスク収納部221、222が閉塞した状態では、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bが、第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた係止部221c、222cと当接する。これにより、第1および第2のディスク収納部221、222は矢印221A方向および矢印222A方向への回転がロックされる。このとき弾性部231d、232dは弾性変形しない。また、ディスクカートリッジ200の内部で、ディスク10がガタつくのを防止するために、第1および第2のディスク収納部221、222の内壁には、閉塞している状態で、ディスク10の外周面または外側面端部に当接する部位を設けて、ディスク収納部220の閉塞時にディスク10を保持している。
図24(a)の状態から、後述するように第1および第2のロック部材231、232を同時に押し下げることによりロックを解除し、第1および第2のディスク収納部221、222をそれぞれ矢印221A方向、矢印222A方向に回転させると、図24(b)に示すように、第1および第2のディスク収納部221、222が開放した状態になる。この状態では、第1および第2ディスク収納部221、222の内壁が、ディスク10より離間するため、ディスク10は、支持ベース部材210に対して、離間している範囲内において任意の位置を取り得る。このため、下部支持ベース部材212に設けられた位置規制部213a、213b、213cおよびディスク装置に設けられた位置決め部材65によって、ディスク10の位置を制限している。
第1および第2ディスク収納部221、222を閉塞するためには、開放動作と逆動作、すなわち第1および第2のディスク収納部221、222を矢印221B、矢印222B方向に回転させる。このとき、第1および第2のロック部材231、232は、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cの当接により、それぞれ矢印231A、232A方向に回動される。そして、図24(a)に示すように、ディスク収納部220が閉塞すると、第1および第2のロック部材231、232は、それぞれの弾性部231d、232dの弾性力によって、それぞれ矢印231B、矢印232B方向に回動する。これにより、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bが、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cと当接して、ディスク収納部220の回転をロックする。このようにして、第1および第2のディスク収納部221、222の閉塞動作が完了する。
なお、ディスクカートリッジ200は、図24(b)に示すように、第1および第2のディスク収納部221、222が開放した状態では、ディスク10、第1および第2のディスク収納部221、222および支持ベース部材210のディスク10の回転軸方向への投影領域が、図24(a)に示す閉塞している状態に比べ大きくなる。しかし、開口部220wを大きくすることができ、ヘッドの設計自由度が大幅に向上するという利点がある。
次にロック解除の動作を説明する。図25(a)は、第1および第2のディスク収納部221、222が第1および第2のロック部材231、232でロックされた状態から、第2のロック部材232のみをロック解除した状態を示し、図25(b)は、第1および第2のディスク収納部221、222が第1および第2のロック部材231、232でロックされた状態から第1および第2のロック部材231、232を同時にロック解除した状態を示している。第1および第2のディスク収納部221、222を閉塞した状態では、図24(a)に示すように、第1および第2のロック部材231、232によって、第1および第2のディスク収納部221、222は、それぞれ矢印221A方向および矢印222A方向への回転をロックされている。
図25(a)に示すように、外部から第2のロック部材232の操作部232cを押圧すると、弾性部232dを変形させながら、第2のロック部材232は矢印232Aの方向に回転する。この状態において、第2のロック部材232の係止レバー部232bは、第2のディスク収納部222に設けられた係止部222cと離間して係止状態は解除される。しかしながら、第1および第2のディスク収納部221、222は連動部221b、222bで連動され、かつ第1のディスク収納部221は第1のロック部材231によってロックされている。このため、第2のディスク収納部222の回転がロックされた第1のディスク収納部221によって抑制され、第1および第2のディスク収納部221、222を開放させることはできない。つまり、第1および第2のロック部材231、232のいずれか一つが外部よりロック解除される場合は、第1および第2のディスク収納部221、222を開放することはできない。
次に、図25(b)に示すように、外部から第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cを同時に押圧すると、弾性部231d、232dを同時に変形させながら、第1および第2のロック部材231、232はそれぞれ矢印231A方向および矢印232A方向に回転する。この状態において、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bは第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた係止部221c、222cとそれぞれが離間し、係止状態が解除される。その結果、第1および第2のディスク収納部221、222はそれぞれ矢印221A方向および222A方向に回転可能となり、第1および第2のディスク収納部221、222を開放させることができる。このように、第1および第2のロック部材231、232を同時に解除する場合には、第1および第2のディスク収納部221、222を開放させることができる。
本発明のディスク装置は、上述したディスクカートリッジ200を装填し、ディスクカートリッジ200に収納されたディスク10に情報を記録したり、ディスク10に記録された情報を再生したりすることができる。なお、本願明細書において装填とは、ディスクカートリッジをディスク装置内に挿入し、ディスクカートリッジのディスクがディスクモータに載置され、ディスクに対して記録再生が可能な状態になることをいう。以下、図面を参照しながら、本発明によるディスク装置の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明のディスク装置の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態におけるディスクカートリッジ200を装填することが可能なディスク装置501の分解斜視および平面図である。また、図3(a)および(b)は、ディスクカートリッジ200を挿入/排出する状態およびディスク10に対して記録または再生を行う状態のディスク装置501の側面図を示している。
図1および図2に示すように、ディスク装置501は、トラバースベース20と、ディスクモータ30と、光ヘッド40と、カートリッジホルダ60とを備える。
ディスクモータ30は、ディスク10を載置するためのディスク載置面30aを有し、トラバースベース20に固定されている。光ヘッド40は、ガイド軸41および42に沿って移動可能なように、トラバースベース20上に支持されている。さらに、光ヘッド40は、トラバースベース20上に構成される駆動源(図示せず)によって、ガイド軸41および42に沿って、ディスクモータ30のディスク載置面30aに載置されたディスク10の半径方向へ移動自在に駆動される。
光ヘッド40はディスク10に情報を記録し、ディスク10に記録された情報を再生する。ディスク装置501は、記録および再生が可能な装置であってもよいし、記録または再生のいずれか一方のみを行う装置であっても良い。
トラバースベース20上には、カートリッジ位置決めピン21、22が設けられている。カートリッジ位置決めピン21、22には、座面21a、22aが設けられており、下部支持ベース部材212の底面と当接する。カートリッジ位置決めピン21、22は、ディスクモータ30に対するディスクカートリッジ200の位置決めを行う。トラバースベース20には、さらに、第1のディスク収納部221の底面に当接する座面23aを有する固定ピン23と、第2のディスク収納部222の底面に当接する座面24aを有する固定ピン24が設けられている。これらの座面23a、24aは、カートリッジ位置決めピン21、22の座面21a、22aとともに、ディスクカートリッジ200の高さ方向の位置決めを行う。
また、トラバースベース20には、後述する第1および第2の開閉レバー151、152の位置決め穴151d、152dに係合して、ディスクモータ30に対する第1および第2の開閉レバー151、152の位置決めをするレバー位置決めピン25、26が設けられている。
また、ディスク装置501は、クランパ50およびディスクカートリッジ200を装填するカートリッジホルダ60をさらに備える。
クランパ50は、ディスク10をディスクモータ30のディスク載置面30aとで挟持し、ディスク10をディスクモータ30で回転可能にクランプする。クランパ50は、クランパ支持部材(図示せず)によって保持され、カートリッジホルダ60に支持される。
カートリッジホルダ60は、ディスクカートリッジ200を支持する。カートリッジホルダ60は、ディスクカートリッジ200を外部から矢印60A方向に移動させ、カートリッジホルダ60の内部へ挿入し、また、カートリッジホルダ60内のカートリッジホルダ60を矢印60B方向に移動させて、外部へ排出するためのホルダ開口部60sを有する。ホルダ開口部60sはカートリッジホルダ60に設けられた開口である。ディスク装置501は、このほかに、ディスク装置501全体を覆う筐体に設けられたディスクカートリッジを挿入排出する別な開口部を備えていてもよい。
カートリッジホルダ60のホルダ開口部60s近傍には、一対のガイド壁61a、61bが設けられている。ガイド壁61a、61bは、ディスクカートリッジ200の挿入および排出の方向を規定し、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60へ挿入する際、およびカートリッジホルダ60から外部へ排出する際、ディスクカートリッジ200の側面と当接し得ることにより、ディスクカートリッジ200が矢印60A方向および矢印60B方向に挿入あるいは排出されるようにディスクカートリッジ200をガイドする。ガイド壁61a、61bは、ホルダ開口部60s近傍にのみ設けられている。
また、ガイド壁61aおよび61bには、ディスクカートリッジ200を矢印60A方向および矢印60B方向へ挿入および排出する際に、ディスクカートリッジ200のロック解除用スリット200aおよび200bを通過して、ディスクカートリッジ200の第1および第2のロック部材231、232の操作部231cおよび232cを押下するロック解除部62aおよび62bが設けられている。
カートリッジホルダ60の底部には、ディスクモータ30および光ヘッド40がディスク10に接近するための開口部60wが設けられている。また、カートリッジ位置決めピン21、22およびレバー位置決めピン25、26がカートリッジホルダ60と干渉しないように、カートリッジホルダ60の底部には、孔63a、63bおよび切り欠き部64a、64bが設けられている。さらに、カートリッジホルダ60には、ディスクカートリッジ200が装填された際に、ディスク10をディスクモータ30のセンターに対して位置決めするための位置決め部材65が設けられている。
カートリッジホルダ60に装填されたディスクカートリッジ200を取り出しやすくするために、ディスクカートリッジ200の側面の一部を露出させるための切り欠き62sをカートリッジホルダ60のホルダ開口部60s側に設けても良い。
カートリッジホルダ60には、トラバースベース20に設けられた回動中心孔20a、20bに挿入された軸付きネジ81、82が取り付けられている。これにより、カートリッジホルダ60は、トラバースベース20によって、矢印80A方向および矢印80B方向に回動自在に支持される。
図3(a)において矢印60Aおよび矢印60Bで示すように、カートリッジホルダ60にディスクカートリッジ200を挿入し、また、カートリッジホルダ60からディスクカートリッジ200を排出する際には、カートリッジホルダ60をトラバースベース20に対して、矢印80A方向に角度θだけ回動させる。これにより、トラバースベース20に設けられた、ディスクモータ30、光ヘッド40および各種位置決めピンと干渉せずに、ディスクカートリッジ200の挿入および排出を行うことができる。
また、ディスクカートリッジ200がカートリッジホルダ60の内部に挿入され、ディスクカートリッジ200の開口部220wが開放された状態において、カートリッジホルダ60をトラバースベース20に対して、矢印80B方向に回動させることにより、図3(b)に示すように、トラバースベース20に設けられたディスクモータ30および光ヘッド40が、ディスクカートリッジ200の開口部220wに侵入し、各種の位置決めピンが、各々の位置決め穴と係合してディスクカートリッジ200の位置決めを行う。これにより、ディスク10への記録あるいはディスク10からの再生が可能なようにディスクカートリッジ200が装填される。
図1に示すようにディスク装置501は、カートリッジ開閉機構150をさらに備える。カートリッジ開閉機構150は、ディスクカートリッジ200の一部と係合し、ディスクカートリッジ200が挿入および排出される際に、第1および第2のディスク収納部221、222を開放および閉塞する。カートリッジ開閉機構150は、具体的には、第1の開閉レバー151、第2の開閉レバー152と、第1のレバー付勢バネ153、第2のレバー付勢バネ154とを含む。
第1および第2の開閉レバー151、152は、それぞれ回動中心穴151a、152aを有し、カートリッジホルダ60に設けられた回転支軸60a、60bに回動中心穴151a、152aを係合させることにより、第1および第2の開閉レバー151、152は、回転支軸60a、60bを回動軸としてカートリッジホルダ60に回動自在に設けられる。回転支軸60a、60bは、ガイド壁61a、61bにそれぞれ近接している。
第1および第2のレバー付勢バネ153、154は、第1および第2の開閉レバー151、152にそれぞれ設けられた支軸151b、152bに取り付けられ、第1の開閉レバー151を矢印151A方向へ、第2の開閉レバー152を矢印152A方向へそれぞれ付勢する。
また、第1の開閉レバー151は、第1のディスク収納部221に設けられて切り欠き部221dに係合する第1の係合部151cと、トラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン25に係合する位置決め穴151dを含む。位置決め穴151dは、第1の開閉レバー151が矢印151A方向に回動した際に、ディスクモータ30に対する第1の開閉レバー151の位置決めを行う。
同様に、第2の開閉レバー152は、第2のディスク収納部222に設けられて切り欠き部222dに係合する係合部152cと、トラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン26に係合する位置決め穴152dを含む。位置決め穴152dは、第2の開閉レバー152が矢印152A方向に回動した際に、ディスクモータ30に対する第2の開閉レバー152の位置決めを行う。
回転支軸60a、60bは、図2に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cに対して、ディスク装置501の後方側(奥側)、つまり、ディスクカートリッジ200が装填された状態において、ディスク10の中心に対してカートリッジホルダ60のホルダ開口部60sとは反対側(奥側)に設けられている。回転支軸60a、60bはガイド壁61a、61bの配列方向に沿って配置されている。また、ディスクカートリッジ200の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。
同様に、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cは、ディスクカートリッジ200の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。このため、第1および第2の開閉レバー151、152は、ディスクカートリッジ200の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。
カートリッジホルダ60には、図2に示すように、第1および第2のレバー付勢バネ153、154による第1および第2の開閉レバー151、152の回転に抗したストッパ部60c、60dが設けられている。このストッパ部60c、60dにより、第1の開閉レバー151および第2の開閉レバー152は、所定の待機位置に保持される。
図2に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152は、カートリッジホルダ60のストッパ部60c、60dに当接している時は、トラバースベース20のレバー位置決めピン25、26と干渉しない。このため、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60に装填していない状態において、図3(b)に示すように、カートリッジホルダ60を回動されても問題はない。
次に、以上のように構成されるカートリッジ開閉機構150の動作を説明する。上述したように、カートリッジ開閉機構150は、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60に挿入する動作(矢印60A方向)に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222を開放する動作を行い、排出する動作(矢印60B方向)に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222を閉塞する。なお、本実施形態のディスク装置501では、ディスクカートリッジ200の挿入および排出を行う駆動機構を備えていない。このため、矢印60Aで示す挿入動作は、操作者が手指で押すことによって行われ、矢印60Bで示す排出動作は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力と、操作者の取り出し動作によって行われる。
まず、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60に挿入した場合のカートリッジ開閉機構150の開放動作について図4から図8を参照しながら説明する。
なお、ディスクカートリッジ200が挿入および排出される際、カートリッジホルダ60は、図3(a)に示すように、トラバースベース20に対して傾斜している。しかし、ディスクカートリッジ200の挿入および排出動作にはトラバースベース20は関係せず、カートリッジホルダ60のみが関係するため、図4から図7では、便宜上、カートリッジホルダ60とトラバースベース20とが同一平面上に示されている。図8は、ディスクカートリッジ200の装填が完了した状態を示している。この状態では、ディスクカートリッジ200内のディスク10がディスクモータ30の載置面30a上に載置されるよう、カートリッジホルダ60は、図3(b)に示すように下降しており、カートリッジホルダ60とトラバースベース20は同一平面にある。
図4に示すように、操作者がディスクカートリッジ200をホルダ開口部60sから、矢印60Aで示すようにカートリッジホルダ60の内部へ挿入する。ディスクカートリッジ200は、挿入方向(矢印60A)に直交するディスクカートリッジ200の幅方向をカートリッジホルダ60のガイド壁61a、61bによってガイドされながら、カートリッジホルダ60内部へ挿入される。
第1および第2の開閉レバー151、152は、カートリッジホルダ60のストッパ部60c、60dに当接することにより、所定の待機位置で保持されている。このとき、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cの間隔はガイド壁61a、61bの間隔より狭くなっている。このため、ディスクカートリッジ200の挿入が進むと、第1および第2の係合部151c、152cがディスクカートリッジ200の第1および第2のディスク収納部221、222の外形側面と当接する。
このとき、ガイド壁61a、61bの設けられたロック解除部62a、62bは、ディスクカートリッジ200のロック解除用スリット200a、200bを通過する。
図4に示す状態から、さらにディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入すると、図5に示すように、第1の開閉レバー151は、第1の開閉レバー151の第1の係合部151cと、第1のディスク収納部221の外形側面との当接によって、レバー付勢バネ153のバネ力に抗して、回転支軸60aを中心に矢印151B方向に回動する。その後、第1の開閉レバー151は再びレバー付勢バネ153のバネ力によって矢印151A方向に回動し、第1の係合部151cは、第1のディスク収納部221の切り欠き部221dに設けられた係止用当接面221fと当接する位置へ移動する。
同様に、第2の開閉レバー152は、第2の開閉レバー152の係合部152cと、第2のディスク収納部222の外形側面との当接によって、レバー付勢バネ154のバネ力に抗して、回転支軸60bを中心に矢印152B方向回動する。その後、第2の開閉レバー152は再びレバー付勢バネ154のバネ力によって、矢印152A方向に回動し、第2の係合部152cは、第2のディスク収納部222の切り欠き部222dに設けられた係止用当接面222fと当接する位置へ移動する。
図5の状態から、さらにディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入すると、図6に示すように、第1の開閉レバー151の第1の係合部151cは、レバー付勢バネ153の付勢力により、第1のディスク収納部221の切り欠き部221dの内壁に当接しながら移動し、切り欠き部221dに設けられた半円弧上の係合部221eに到達し、係合部221eと係合する。これにより、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221によって、第1のリンク機構が構成される。
同様に、第2の開閉レバー152の係合部152cは、レバー付勢バネ154の付勢力により、第2のディスク収納部222の切り欠き部222dの内壁に当接しながら移動し、切り欠き部222dに設けられた半円弧上の係合部222eに到達し、係合部222eと係合する。これにより、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222によって、第2のリンク機構が構成される。
このとき、ロック解除部62aおよび62bが、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cを同時に押圧して、弾性部231d、232dを同時に変形させながら、第1および第2のロック部材231、232をそれぞれ矢印231A方向および矢印232A方向に回転させる。これにより、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bは、第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた係止部221c、222cからそれぞれ離間し、ロック状態が解除される。その結果、第1および第2のディスク収納部221、222が、それぞれ矢印221A方向および222A方向に回転可能となる。
図6の状態から、さらにディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入すると、図7に示すように、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で構成される第1のリンク機構、および第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で構成される第2のリンク機構によって、第1および第2の開閉レバー151、152は、それぞれ回転支軸60a、60bを中心に矢印151B方向、矢印152B方向へ回動を開始する。これに連動して、第1および第2のディスク収納部221、222は、回転支軸212a、212bを中心にそれぞれ矢印221A方向、矢印222A方向に回転を開始する。
具体的には、ディスクカートリッジ200の下部支持ベース部材212が、ガイド壁61a、61bによって、矢印60A方向および矢印60B方向にガイドされているため、第1のディスク収納部221の回転支軸212aは、矢印60A方向および矢印60B方向への移動する自由度のみを持つ。一方、第1の開閉レバー151の回転支軸60aは固定されている。これにより、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で第1のリンク機構が構成される。
この第1のリンク機構は、クランク動作(回転動作)を行う第1の開閉レバー151と、挿入方向(矢印60A方向)へスライド動作を行う第1のディスク収納部221の回転支軸212aと、連接リンクとして機能する第1のディスク収納部221とから構成され、第1の開閉レバー151が、矢印151B方向に回動することにより、第1のディスク収納部221は矢印221A方向に回動する。
同様に、下部支持ベース部材212が、ガイド壁61a、61bによって、矢印60A方向および矢印60B方向にガイドされているため、第2のディスク収納部222の回転支軸212bは、矢印60A方向および矢印60B方向への移動する自由度のみを持つ。一方、第1の開閉レバー151の回転支軸60aは固定されている。これにより、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で第2のリンク機構が構成される。
この第2のリンク機構は、クランク動作(回転動作)を行う第1の開閉レバー152と、挿入方向(矢印60A方向)へスライド動作を行う第2のディスク収納部222の回転支軸212bと、連接リンクとして機能する第2のディスク収納部222とから構成され、第2の開閉レバー152が、矢印152B方向に回動することにより、第2のディスク収納部222は矢印222A方向に回動する。
したがって、ディスクカートリッジ200を矢印60A方向へ挿入する挿入量に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152との一対のリンク機構によって、第1および第2の開閉レバー151、152が矢印151B方向、矢印152B方向に回動するのに連動して、それぞれ矢印221A方向、矢印222A方向へ回転し、第1および第2のディスク収納部221、222の開放動作を行う。
このとき、第1および第2のディスク収納部221、222が、互いに噛み合う連動部221b、222bによって、互いに逆方向に連動して回転するため、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のディスク収納部221、222を介して、互いに逆方向に連動して回動する。
一方、第1および第2の開閉レバー151、152は、ディスクカートリッジ200の挿入方向(矢印60A)に対して、対称に構成されているため、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で構成される第2のリンク機構は、ディスクカートリッジ200の挿入方向(矢印60A)に対して、対称的に動作する。したがって、挿入動作時におけるディスクカートリッジ200の挿入方向への移動直進性を確保することができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cの近傍部分が、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の底面を支持して、ディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入する動作中における、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドを行う。
したがって、ディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入している途中において、ディスクカートリッジ200は、対称に構成された第1および第2の開閉レバー151、152によって、動作直進性を確保し、かつ、高さ方向にもガイドされる。その結果、安定なディスク収納部220の開放動作が実現する。
図7の状態から、さらにディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入すると、図8に示すように、ディスクカートリッジ200はカートリッジホルダ60の内部に挿入され、第1および第2のディスク収納部221、222が所定の角度まで回動し、開口部220wが形成される。
このとき、カートリッジホルダ60に設けられた位置決め部材65が、開口部220wに侵入する。下部支持ベース部材212に設けられた位置規制部213a、213b、213cと位置決め部材65により、ディスク10の位置が制限され、開口部220wが開放した時のディスク10の中心位置の位置決めが行われる。
操作者によって、カートリッジホルダ60を、図3(a)に示すようにトラバースベース20に対して所定の角度θだけ傾いた状態から、図3(b)に示すようにディスク10に対して記録・再生が可能な状態へ、矢印80B方向に回動すると、下部支持ベース部材212に設けられた位置決め穴215a、215bとトラバースベース20に設けられたカートリッジ位置決めピン21、22とが係合する。これにより、下部支持ベース部材212が、トラバースベース20に対して位置決めされる。同時に、第1および第2のディスク収納部221、222の回動軸である回転支軸212a、212bも、トラバースベース20に対して位置決めされる。
これにより、60A方向および矢印60B方向に移動可能であった第1のディスク収納部221の回転支軸212aが位置決めされ、拘束される。第1の開閉レバー151の回転支軸60aと、第1のディスク収納部221の回転支軸212aと、第1のディスク収納部221の係合部221eとの3つの支点により、図8において一点鎖線で示すように、第1の3節リンク(トラス構造)が構成される。その結果、第1のディスク収納部221の係合部221eがトラバースベース20に対して一義的に位置決めされる。
同様に、60A方向および矢印60B方向に移動可能であった第2のディスク収納部222の回転支軸212bが位置決めにより拘束されるため、第2の開閉レバー152の回転支軸60bと、第2のディスク収納部222の回転支軸212bと、第2のディスク収納部222の係合部222eとの3つの支点により、図8に一点鎖線で示すように、第2の3節リンクが構成される。その結果、第2のディスク収納部222の係合部222eがトラバースベース20に対して一義的に位置決めされる。
したがって、下部支持ベース部材212をトラバースベース20に対して位置決めすることによって、前述した第1および第2の3節リンクの構成によって、第1および第2の開閉レバー151、152の回転角度および第1および第2のディスク収納部221、222の回動軸の位置および回転角度が一義的に決定され、開口部220wが完全に開放される。
ただし、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154によって、矢印151A方向、矢印152A方向に付勢されるため、第1および第2のディスク収納部221、222は閉塞される方向に付勢されて位置決めされる。その結果、構成部品の精度ばらつきや、位置決めピンの勘合ガタなどを考慮すると、開口部220wの開放領域が狭まる方向にばらついてしまい、開口部220wが十分に開放されない可能性がある。
そこで、本実施形態では、第1および第2の開閉レバー151、152に設けられた位置決め穴151d、152dとトラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン25、26を係合させ、第1および第2の開閉レバー151、152の位置決めを行う。これにより、第1および第2のディスク収納部221、222をさらに精度良く開放させ、所定の大きさの開口部220wを確実に形成できるようにしている。
このとき、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cの間隔はガイド壁61a、61bの間隔よりも広くなっている。これにより、ディス収納部が閉塞した状態のディスクカートリッジの投影面積よりも外側に第1および第2のディス収納部221、222をはみ出すように開放させ、大きな開口部220wをディスクカートリッジ200に形成することができる。
また、第1および第2のディスク収納部221、222の係合部221e、222eには、第1および第2の開閉レバー151、152が矢印151B方向、152B方向に回動する際、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと当接する規制用当接面が設けられている。このため、第1および第2の開閉レバー151、152がトラバースベース20に対して位置決めされると、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと規制用当接面との当接によって、矢印221B方向、矢印222B方向への回動を第1および第2の開閉レバー151、152によって規制される。その結果、第1および第2のディスク収納部221、222を精度良く位置決めし、開口部220wが狭くなるのを抑制することができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152がトラバースベース20のレバー位置決めピン25、26と係合することによって、第1および第2のディスク収納部221、222は第1および第2の開閉レバー151、152を介してトラバースベース20に保持されることになる。このため、振動や衝撃などの外乱条件下においても、開口部220wの領域を確実に確保できる。
また、ディスク10は、ディスクモータ30のディスク載置面30aと、クランパ50(図示せず)により、クランプされ回転が可能となる。このとき、下部支持ベース部材212に設けられた位置規制部213a、213b、213cも同様に、トラバースベース20に対して位置決めされるので、位置規制部213a、213b、213cはディスク10に対して必要なクリアランスを確保することができる。カートリッジホルダ60に設けられた位置決め部65は、トラバースベース20に対して、軸付きネジ81、82によって、軸支持されているので、トラバースベース20に対して、精度良く位置決めされている。
また、下部支持ベース部材212の底面は、カートリッジ位置決めピン21、22に設けられた座面21a、22aにより支持され、第1および第2のディスク収納部221、222の底面は、トラバースベース20に設けられた固定ピン23、24の座面23a、24aにより支持される。このとき、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接し、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドをしていた第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152c近傍部分は、第1および第2のディスク収納部221、222の底面から離間する。
したがって、ディスク10の記録または再生状態では、ディスクカートリッジ200は、前述した4つの座面のみで高さ方向に支持される。よって、トラバースベースに20に対して、精度良く高さ方向の位置決めがなされ、ディスク10に対して必要なクリアランスが確保される。なお、ディスクカートリッジ200を、前述した4つの座面に押圧する付勢バネ(図示せず)を設ければさらに、高さ方向の位置決め精度を向上させることができる。
また、図8に示すように、ディスク10の記録または再生状態では、ロック解除部62aおよび62bは、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cから離間している。このため、第1および第2のロック部材231、232の弾性部231d、232dは、弾性変形しない状態にある。これにより、第1および第2のロック部材231、232を樹脂で一体的に構成した場合に、弾性部231d、232dのクリープを防止することができる。
また、図8に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152を回転支持する回転支軸60a、60bを、第1および第2のディスク収納部221、222を開放した状態におけるディスクカートリッジ200の投影領域外に設けている、このため、ディスク装置内においてディスクカートリッジ200との干渉を避け、開放した状態のディスクカートリッジ200の最大幅で規定される領域以外に効率よくカートリッジ開閉機構150を構成することができる。よって、開口部220wの構成領域を大きく確保し、光ヘッド40の設計自由度の向上を図るとともに、ディスク装置501の薄型化、省スペース化を図ることができる。
なお、ディスク装置501内にディスクカートリッジ200を挿入(矢印60A方向)する場合、矢印60A方向に若干のオーバーストロークを持たせるのが、このようなディスク装置では一般的である。このため、図24に示す従来のディスクカートリッジ100のように、支持ベース部材101だけで、ディスク10の中心位置決めを行うと、このオーバーストローク分、挿入時にディスク10が後方側に位置決めされ、挿入状態によって、位置決め精度がばらつく可能性がある。
これに対し、本実施形態のディスク装置501では、後方側にディスク10の中心位置決めを行う位置決め部材65をカートリッジホルダ60、言い換えればディスク装置501側に設けている。このため、ディスクカートリッジ200の挿入の程度が矢印60A方向にばらついたとしても、ディスク10は、ディスク装置501に対して、精度良く位置決めされる。
以上のように、ディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入し、図4に示す状態から図8に示す状態になることによって、ディスクカートリッジ200の開口部220wが完全に開放され、カートリッジ開閉機構150の開放動作が完了する。また、ディスクカートリッジ200がディスク装置501内に正しく装填され、ディスク10に対する記録・再生が可能な状態となる。
次に、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60から排出する場合のカートリッジ開閉機構150の動作を説明する。
カートリッジ開閉機構150の閉塞動作は、前述した、カートリッジ開閉機構150の開放動作の逆手順で行われる。つまり、図8の状態から動作を開始し、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向へ排出する動作により、図4の状態となり、ディスク収納部220を完全に閉塞し、ディスクカートリッジ200を装置外部へ排出する。
以下、図4〜図8を参照しながら具体的に、カートリッジ開閉機構150の閉塞動作を説明する。
図8に示すように、ディスクカートリッジ200がディスク装置501内に正しく装填された状態において、図3(b)に示す状態から、図3(a)に示すディスクカートリッジ200の挿入/排出を行う位置へ、操作者によってカートリッジホルダ60を矢印80A方向に回動する。これにより、下部支持ベース部材212に設けられた位置決め穴215a、215bに係合していたカートリッジ位置決めピン21、22と、第1および第2の開閉レバー151、152に設けられた位置決め穴151d、152dに係合していたレバー位置決めピン25、26の係合が外れる。その結果、前述した第1および第2の3節リンクの状態が解除され、ディスクカートリッジ200は、カートリッジホルダ60のガイド壁61a、61bに沿って、矢印60A方向および矢印60B方向に移動可能になる。第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向に回動を開始する。
開放動作の場合とは逆に、第1および第2の開閉レバー151、152の矢印151A方向、矢印152A方向への回動に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152とのリンク機構によって、それぞれが矢印221B方向、矢印222B方向に回動し、ディスク収納部220の閉塞動作が開始される。
図8の状態から、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、第1および第2の開閉レバー151、152が矢印151A方向、矢印152Aに回動すると、図7に示すように、ディスクカートリッジ200は、第1および第2の開閉レバー151、152と第1および第2のディスク収納部221、222によるリンク機構の働きによって、ディスク収納部220を閉塞するとともに、ガイド壁61a、61bにガイドされながら矢印60B方向へ排出される。
このとき、前述した開放動作の場合と同様に、第1および第2の開閉レバー151、152は、連結軸151eと連結溝152eとの係合によって互いに逆方向に連動して回転し、かつ、ディスクカートリッジ200の排出方向(矢印60B)に対して、対称に構成されている。このため、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152との係合によって互いに逆方向に連動して回動し、ディスクカートリッジ200の移動直進性が排出時においても確保される。
また、前述した開放動作の場合と同様に、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152c近傍部分が、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の底面を支持する。これにより、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向に排出する動作中における、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドを行う。
このとき、ディスクカートリッジ200の第1および第2のロック部材231、232は、ロック解除部62a、62bと当接していない。しかし、第1および第2のディスク収納部221、222が矢印221B方向、222B方向に回動することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cが、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bと当接して、第1および第2のロック部材231、232を矢印231A方向、矢印232A方向に回動させる。
図7に示す状態から、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、さらにディスクカートリッジ200が矢印60B方向に排出されると、第1および第2の開閉レバー151、152は、矢印151A方向、矢印152A方向の回動を続ける。これにより、第1および第2のディスク収納部221、222は矢印221B方向、矢印222B方向に回動し、図6に示すように、開口部220wがディスク収納部220によって完全に閉塞される。
このとき、ロック解除部62aおよび62bは、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cと当接し、第1および第2のロック部材231、232をそれぞれ矢印231A方向および矢印232A方向に回動させる。このため、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cと、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bとは離間した状態にあり、第1および第2のディスク収納部221、222はロックされていない。
図6に示す状態から、第1および第2の開閉レバー151、152が、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向へ回動を続けると、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dの内壁に当接しながら、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向へ排出する。
そして、図5に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dに設けられた係止用当接面221f、222fに当接することで、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によるディスクカートリッジ200の矢印60B方向への排出が終了する。
この係止用当接面221f、222fの当接により、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力よる矢印60B方向へのディスクカートリッジ200の飛び出しを押さえ、ディスク装置501からディスクカートリッジ200が脱落するのを防止する。
このとき、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cはロック解除部62aおよび62bと離間するため、第1および第2のロック部材231、232は、弾性部231d、232dの弾性力により、それぞれ矢印231B方向および矢印232B方向に回動する。このため第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cと、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bが係合し、第1および第2のディスク収納部221、222は、矢印221A方向、222A方向へ回転しないようロックされる。
図5に示す状態から、操作者によって、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向に取り出すと、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力に抗して、それぞれ矢印151B方向、矢印152B方向に回動し、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の係止用当接面221f、222fを滑りながら移動する。
そして、図4に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cは、第1および第2のディスク収納部221、222の外形側面に当接し、第1および第2のディスク収納部221、222の係止用当接面221f、222fの係合が外れ、ディスクカートリッジ200の保持が解除される。これにより、ディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60から取り出すことができるようになる。
さらに、操作者によって、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向に取り出すことで、ディスクカートリッジ200がカートリッジホルダ60から完全に排出されて、カートリッジ開閉機構150の閉塞動作が完了する。
なお、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力が十分に大きい場合、上述したように、第1および第2の開閉レバー151、152が、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向へ回動することにより、ディスクカートリッジ200を図6に示す状態から図5に示す状態へ移動させることができる。しかし、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力に対して、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dの内壁のとの摩擦力が大きい場合には、図6に示す状態で第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によるディスクカートリッジ200の矢印60B方向への排出が終了する可能性がある。このような場合、カートリッジホルダ60からのディスクカートリッジ200の排出量は減少するが、操作者によって、ディスクカートリッジ200を矢印60B方向に取り出すことにより、図5の状態を経由して図4に示す状態をとる。したがって、なんら問題なくディスクカートリッジ200をカートリッジホルダ60から取り出すことができる。
以上のように、本実施形態のディスク装置では、リンク機構を利用することにより、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作に同期して、第1および第2のディスク収納部221、222の開放および閉塞を行っている。このリンク機構の動作をさらに説明する。
図9は、本発明のディスク装置におけるカートリッジ開閉機構150の動作原理を示すリンク機構の模式図である。なお、図9において、図4〜図8に示す構成要素と同じ構成要素には同一の参照符号を付している。ただし、各構成要素は模式的に示されている。
また、図9において、第1および第2の開閉レバー151、152と、第1および第2のディスク収納部221、222は、図6に示す状態が実線で示めされており、図8に示す状態が破線で示されている。さらに、151’などの「’」が付与された参照符号は、破線で示された状態(図8の状態)に移動した時の各要素を示し、また、線分Lは、矢印60A方向および矢印60B方向に平行でディスク10の回転軸を含む平面を示す。
まず、図9において、実線で示すように、第1の開閉レバー151の係合部151cと、第1のディスク収納部221の係合部221eとが係合することにより、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221とによる第1のリンク機構が構成される。同様に、第2の開閉レバー152の係合部152cと、第2のディスク収納部222の係合部222eとが係合することにより、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222とによる第2のリンク機構が構成される。
第1および第2の開閉レバー151、152と、第1および第2のディスク収納部221、222は、線分Lに対して、対称に構成されている。このため、図9において、第1および第2のリンク機構も線分Lに対して対称に構成される。
第1および第2のリンク機構において、回転支軸60a、60bは、カートリッジホルダ60に設けられているため、固定されたリンク機構の支軸である。一方、第1および第2のディスク収納部221、222の回転支軸212a、212bは、下部支持ベース部材212が、ガイド壁61a、61bによって、矢印60A方向および矢印60B方向にガイドされるため、矢印60A方向および矢印60B方向への移動する自由度を持つリンク機構の支軸である。
ディスクカートリッジ200の挿入時には、回転支軸212a、212bは矢印60A方向に移動し、212a’、212b’で示される位置へ移動する。回転支軸212aが、回転支軸212a’の位置へ矢印60A方向に沿って移動すると、固定軸である回転支軸60aを中心に第1の開閉レバー151が、矢印151B方向に回動する。これにより、係合部151c(係合部221e)が、係合部151c’(係合部221e’)の位置へ移動する。また、連接リンクとして機能する第1のディスク収納部221は矢印221A方向に回動しながら矢印60A方向に移動し、第1のリンク機構は破線で示す状態に移動する。
なお、回転支軸60aは、係合部151c(係合部221e)に対して、ディスク装置501の後方側(ディスクカートリッジ200の開口部220w側)に形成されているため、挿入時における第1の開閉レバー151の回転方向(矢印151B方向)と、第1のディスク収納部221の回転方向(矢印221A方向)は反対である。
同様に、回転支軸212bが、回転支軸212b’の位置へ矢印60A方向に沿って移動すると、固定軸である回転支軸60bを中心に第2の開閉レバー152が、矢印152B方向に回動する。これにより、係合部152c(係合部222e)が、係合部152c’(係合部222e’)の位置へ移動する。また、連接リンクとして機能する第2のディスク収納部222は、矢印222A方向に回動しながら矢印60A方向に移動し、第2のリンク機構は破線で示す状態に移動する。
回転支軸60bも、係合部152c(係合部222e)に対して、ディスク装置501の後方側(ディスクカートリッジ200の開口部220w側)に設けられているため、挿入時における第2の開閉レバー152の回転方向(矢印152B方向)と、第2のディスク収納部222の回転方向(矢印222A方向)は反対である。
このとき、第1および第2のディスク収納部221、222は、互いに噛み合う連動部221b、222bによって、互いに逆方向に連動して回転する。したがって、図9における第1および第2のディスク収納部221、222と挿入/排出方向とのなす角度は、実線で示す状態においてα1=α2、破線で示す状態においてα1’=α2’の関係を満たす。また、第1および第2のリンク機構が線分Lに対して対称に構成されているため、第1および第2の開閉レバー151、152と挿入/排出方向に直交する方向となす角度も同様に、実線で示す状態でβ1=β2、破線で示す状態でβ1’=β2’の関係を満たす。
よって、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221とで構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222とで構成される第2のリンク機構は、ディスクカートリッジ200の挿入動作中(矢印60A方向)、線分Lに対して対称的に動作する。これにより、挿入動作時におけるディスクカートリッジ200の挿入方向への動作直進性を確保することができる。
排出時には、レバー付勢バネ153、154の付勢力によって、第1および第2の開閉レバー151、152が回動することにより、係合部151c’、152’(係合部221e’、222’)が、151c、152c(係合部221e、222e)の位置へそれぞれ挿入時とは逆方向である矢印151A、矢印152Aにしたがって移動する。係合部151c’(係合部221e’)が、151c(係合部221e)の位置へ矢印151Aにしたがって移動すると、回転支軸212aが、矢印60B方向へ移動する。これに伴って、連接リンクとして機能する第1のディスク収納部221は矢印221B方向に回動しながら全体として矢印60B方向に移動し、第1のリンク機構は実線で示す状態に移動する。
同様に、係合部152c’(係合部222e’)が、152c(係合部222e)の位置へ矢印152Aにしたがって移動すると、回転支軸212bが、矢印60B方向へ移動する。これに伴って、連接リンクとして機能する第2のディスク収納部222は矢印222B方向に回動しながら全体として矢印60B方向に移動し、第2のリンク機構は実線で示す状態に移動する。
このとき、挿入時と同様に、図9における第1および第2のディスク収納部221、222と挿入/排出方向となす角度は、実線で示す状態においてα1=α2の関係を満たし、破線で示す状態においてα1’=α2’の関係を満たす。第1および第2のリンク機構が線分Lに対して対称に構成されているため、第1および第2の開閉レバー151、152と挿入/排出方向に直交する方向となす角度も同様に、実線で示す状態においてβ1=β2の関係を満たし、破線で示す状態においてβ1’=β2’の関係を満たす。
したがって、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で構成される第2のリンク機構は、ディスクカートリッジ200の排出中(矢印60B方向)、線分Lに対して対称的に動作する。これにより、排出動作時におけるディスクカートリッジ200の排出方向への動作直進性を確保することができる。
以上のように、第1および第2のリンク機構が、ディスクカートリッジ200の挿入/排出方向(線分L)に対して、対称に構成され、かつディスク収納部220を介して同期して駆動されることにより、ディスクカートリッジ200は、安定して挿入/排出されるとともに、ディスク収納部220の開放/閉塞動作が行われる。
なお、第1の実施形態において、カートリッジ開閉機構150を一対の第1の開閉レバー151と、第2の開閉レバー152により構成しているが、ディスクカートリッジ200は、第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた連動部221b、222bによって、互いに逆方向へ連動して回動をすることができる。このため、1つの開閉レバーのみを用いて第1および第2のディスク収納部221、222を開閉することは原理的には可能である。
しかしながら、ディスクカートリッジ200は、開口部220wを開放すると、ハウジング機能を有するディスク収納部220が回動し、ディスクカートリッジ200の投影面積が大きくなる。このため、ディスクカートリッジ200の外形側面を使った挿入/排出のガイド壁61a、61bは、ディスク装置501のホルダ開口部60s近傍にしか設けることができない。したがって、後述するように、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作を安定に行うには、ディスクカートリッジ200の先端部であるディスク収納部220をガイドすることが好ましい。
図10は、本実施形態のディスク装置501において、第1の開閉レバー151を除去し、第2の開閉レバー152のみでカートリッジ開閉機構を構成した場合の動作を示している。
図10に示すように、操作者によってディスクカートリッジ200を矢印60A方向に挿入する。この場合、第2の開閉レバー152の係合部152cと、第2のディスク収納部222の係合部222eの係合により、第2の開閉レバー152が矢印152B方向に回動して、第2のディスク収納部222を矢印222A方向に回動する。これに伴い、連動部221b、222bのかみ合いによって、第1のディスク収納部221も矢印212A方向に回動を行う。
しかしながら、ディスクカートリッジ200は、カートリッジホルダ60のガイド壁61a、61bでしか、矢印60A方向へ移動可能にガイドされていない。このため、ディスクカートリッジのディスク装置501の後方側では、第2の開閉レバー152によって、片側の第2のディスク収納部222のみが支持されている。
操作者の矢印60A方向への挿入動作によって、第2のディスク収納部222は、第2の開閉レバー152とリンク機構を構成する。このため、第2のディスク収納部222が安定して支持され、矢印222A方向へ回動する。一方、第1のディスク収納部221は、連結部221b、222bのかみ合いにより、矢印212A方向へ回動する。しかし、第1の開閉レバー151がないため、ガイドが不十分となり、第1のディスク収納部221と第2のディスク収納部222に作用する負荷が不均衡になる。
その結果、矢印200Aで示すように、負荷の軽い第1のディスク収納部221側にディスクカートリッジ200は傾きながら挿入され、ディスクカートリッジ200を正しく挿入することが困難となる。また、ディスク収納部220を正しく開放することも困難となる。
また、仮に正しくディスクカートリッジ200を挿入できたとしても、第2のディスク収納部222は、第2の開閉レバー152との係合によって前述したとおり、トラバースベース20に対して正しく位置決めされるのに対し、第1のディスク収納部221は、連動部221bと222bのかみ合いによってのみ、開放時の位置が決まる。その結果、開口部220wの開口精度が大きく低下してしまう。
これは、連動部221bは回動軸212a近傍に位置しているため、かみ合い時のわずかな勘合ガタによる誤差が、第1のディスク収納部221の先端では非常に大きく拡大されるからである。また、第1のディスク収納部221は、開放時は連動部221bと222bのかみ合いでのみ保持されているため、外乱に対して、矢印221A方向または221B方向に回転しやすいことも開口精度を低下させる原因となる。
したがって、1つの開閉レバーのみで、ディスク収納部220の開閉を行うことは、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作を不安定にし、さらに、開口部220wの開放の精度を劣化させる。したがって、シャッタ機能とハウジング機能を兼ねた第1および第2のディスク収納部221、222により、開口部220wを開放および閉塞するディスクカートリッジ200のカートリッジ開閉機構150としては好ましくない。
なお、ディスクカートリッジ200では、図8に示すように、開口部220wを開放した状態では、ハウジング機能を有するディスク収納部220が回動して、閉塞した状態のディスクカートリッジ200に対して投影面積が大きくなる。このため、ディスク装置501のホルダ開口部60sに設けたガイド壁61a、61bのガイド幅は、開放した状態の第1および第2のディスク収納部で構成されるディスクカートリッジ200の幅よりも狭い。
このため、仮に何らかの原因(例えば、ばらつきや部品故障など)により、第1および第2の開閉レバー151、152によって、ディスクカートリッジ200を所定の位置まで排出できず、操作者によって外部から強制的にディスクカートリッジ200を矢印60B方向に取り出す場合においても、開放していた第1および第2のディスク収納部221、222がホルダ開口部60sに設けられたガイド壁61a、61bによって閉じるように駆動される。このため、第1および第2のディスク収納部221、222は閉塞した状態で取り出すことができる。
また、本実施形態では、カートリッジ開閉機構150を、ディスク装置501の後方側(ディスクカートリッジ200の開口部220w側)に設けている。このため、図2に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152がストッパ部60c、60dによって所定の待機位置に保持されている状態では、第1および第2の開閉レバー151、152の回転支軸60a、60bが、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cに対して、ディスク装置後方側で、かつディスクカートリッジ200の挿入/排出方向(矢印60A方向/矢印60B方向)に、略平行に配置している。
このため、図11に示すように、ディスク装置501に対して、前後逆向きの状態でディスクカートリッジ200を挿入した場合、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cがディスクカートリッジ200の外形側面に当接しても、挿入方向(矢印60A方向)の外力では、第1および第2の開閉レバー151、152を回転支軸60a、60bに向かって圧縮する力が作用するのみで、矢印151B方向、矢印152B方向へ回動する力が働かない。このため、逆向きに挿入されたディスクカートリッジ200をディスク装置501の内部へ挿入することはできない。
したがって、カートリッジ開閉機構150を、ディスク装置501の後方側(ディスクカートリッジ200の開口部220w側)に設けることにより、第1および第2の開閉レバー151、152の回転支軸60a、60bを最適な位置に設け、操作者によって逆向きに挿入されたディスクカートリッジ200の誤挿入を防止することができる。また、第1および第2の開閉レバー151、152が、ディスクカートリッジ200の誤挿入防止機構を兼ねるため、部品点数の削減を図ることができる。
また、本実施形態では、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた係止用当接面221f、222fにそれぞれ当接することにより、第1および第2の開閉レバー151、152が第1および第2のディスク収納部221、222から脱落するのを防止しているが、どちらか一方のみが当接する場合でも同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、トラバースベース20上にカートリッジ位置決めピン21、22を設け、ディスクカートリッジ200の位置決めを行っているが、トラバースベース20以外にピンを設け、ディスクカートリッジの位置決めを行ってもよい。また、レバー位置決めピン25、26は、トラバースベース20に設けられているが、他の部材に設けてもよい。
また、本実施形態では、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の係止用当接面221f、222fと係合することにより、排出時のディスクカートリッジ200の飛び出しを防止している。しかし、飛び出し防止のための別の機構をディスク装置501に設けてもよいし、ゴムシートなどの摩擦部材によって、ディスクカートリッジ200の飛び出しを防止してもよい。
また、本実施形態では、カートリッジホルダ60をトラバースベース20に対して、傾斜させることにより、ディスクモータ30および光ヘッド40との干渉を避けて、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作を実現しているが、公知の機構を利用して、ディスクモータ30および光ヘッド40との干渉を防止してもよい。例えば、カートリッジホルダ60をトラバースベース20に対して、略平行に上昇させたり、カートリッジホルダ60に対して、トラバースベース20を傾斜させることにより、ディスクカートリッジ200の挿入/排出を行っても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、カートリッジホルダ60にディスクカートリッジ200を直接挿入/排出することで、ディスク収納部220の開放/閉塞を行っている。しかし、例えば、新たに駆動源を追加して、トレイやホルダなどの搬送部材にディスクカートリッジ200を載置または保持して、この搬送部材をディスク装置に対して挿入/排出するローディング方式を用いても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、トラバースベース20上のレバー位置決めピン25、26により、第1および第2の開閉レバー151、152の位置決めを行い、開口部220wの開放領域の精度を高めている。しかし、各構成部品の加工精度を高めたり、構成部品の精度ばらつきや、位置決めピンの勘合ガタなどを考慮して、第1および第2の開閉レバー151、152と、第1および第2のディスク収納部221、222との一対のリンク機構によって決まる開口部220wの開放領域を、ばらつきの下限でも十分確保できるように、大きめに設定すれば、レバー位置決めピン25、26を省くことが可能である。
このように、本実施形態のディスク装置は、シャッタ機能とハウジング機能を兼ね備えた第1および第2のディスク収納部221、222により、開口部220wを開放および閉塞するディスクカートリッジ200に好適に適合する。
具体的には、第1のディスク収納部221に設けられた切り欠き部221dおよび第2のディスク収納部222に設けられた切り欠き部222dの各々に係合する第1および第2の開閉レバー151、152を、ディスクカートリッジ200の挿入/排出方向(矢印60A方向/矢印60B方向)に対して対称に配置し、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作に同期して回動させることにより、第1および第2のディスク収納部の開放または閉塞を行うことができる。また、ディスクカートリッジ200の動作直進性を確保でき、極めて安定した挿入/排出動作を実現できる。
また、ディスクカートリッジ200の挿入または排出動作中、第1および第2のディスク収納部221、222のそれぞれの保持を第1および第2の開閉レバー151、152によって行うため、振動や衝撃などの外乱がある場合いても、安定した挿入/排出動作を行うことができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152を第1および第2のディスク収納部221、222を閉塞する方向に付勢する付勢バネの付勢力を利用するため、操作者によるディスクカートリッジ200の挿入動作時には、第1および第2の開閉レバー151、152の回動に適度な動作負荷を与え、第1および第2の開閉レバー151、152が第1および第2のディスク収納部と確実に係合し、ディスク収納部の開放動作を行うことができる。排出動作時には、付勢バネの付勢力によってディスクカートリッジ200を自動的に排出させることができ、かつ、第1および第2のディスク収納部221、222の閉塞動作を確実に行うことができる。
これにより、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作における操作性(マンマシーンインターフェースにおける操作感)を付勢バネの付勢力によって、一義的にコントロールできるとともに、ディスクカートリッジ200の挿入/排出動作に必要な駆動源および駆動機構を省くことができる。したがって、ディスク装置を構成する部品の点数を大幅に削減でき、ディスク装置の軽量化と低コスト化を実現できる。
また、カートリッジホルダ60に設けられたガイド壁61a、61bの一部にロック解除部材62a、62bを構成することにより、ディスクカートリッジ200の外形形状に対するロック解除部材62a、62bの位置精度が向上するため、第1および第2のロック部材231、232を確実に押圧することができ、一連の挿入/排出動作時におけるディスカートリッジ200に設けられた第1および第2のロック部材231、232のロック解除動作を最適なタイミングで確実に行うことができる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態のディスク装置に装填されるディスクカートリッジ200’は、第1および第2のディスク収納部221、222に連動部221b、222bが設けられていないことを除いて、図21〜図25を参照して説明したディスクカートリッジ200と同じである。このため、ディスクカートリッジ200’の説明は省略する。以下の説明において、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。
まず、図12〜図14を参照しながら、第2の実施形態のディスク装置502の構造を説明する。
図12および図13は、ディスクカートリッジ200’を装填することが可能なディスク装置502の分解斜視および平面図である。また、図14(a)および(b)は、ディスクカートリッジ200’を挿入/排出する状態およびディスク10に対して記録または再生を行う状態のディスク装置502の側面図を示している。
これらの図において、第1の実施形態のディスク装置501の構成要素と同じ構成要素あるいは対応する構成要素には同じ参照符号を付している。ディスク装置502は、カートリッジ開閉機構150’の構成が第1の実施形態のディスク装置501とは異なっていることを除いて、第1の実施形態のディスク装置501と同じ構造を備えている。このため、以下、カートリッジ開閉機構150’の構造および動作を中心に説明する。
本実施形態のカートリッジ開閉機構150’は、第1の開閉レバー151に設けられた連結軸151eと第2の開閉レバー152に設けられた連結溝152eとが互いに係合することによって第1および第2の開閉レバー151、152を互いに逆方向に連動して回動させる点が第1の実施形態の場合とは異なる。
カートリッジ開閉機構150’は、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60に対して、矢印60A方向および矢印60B方向に挿入/排出する動作に同期して、ディスク収納部220の開閉を行う。このために、カートリッジ開閉機構150’は、カートリッジホルダ60に取り付けられており、第1の開閉レバー151と、第2の開閉レバー152と、第1の開閉レバー151を付勢する第1のレバー付勢バネ153と、第2の開閉レバー152を付勢する第2のレバー付勢バネ154と、第1および第2の開閉レバー151、152と係合する連結軸151eと連結溝152eとを備える。
第1および第2の開閉レバー151、152は、それぞれ回動中心穴151a、152aを有し、カートリッジホルダ60に設けられた回転支軸60a、60bに回動中心穴151a、152aを係合させることにより、第1および第2の開閉レバー151、152は回転支軸60a、60bを回動軸としてカートリッジホルダ60に回動自在に設けられる。
第1および第2のレバー付勢バネ153、154は、第1および第2の開閉レバー151、152にそれぞれ設けられた支軸151b、152bに取り付けられ、第1の開閉レバー151を矢印151A方向へ、第2の開閉レバー152を矢印152A方向へそれぞれ付勢する。
また、第1の開閉レバー151は、第1のディスク収納部221に設けられて切り欠き部221dに係合する第1の係合部151cと、トラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン25に係合する位置決め穴151dを含む。位置決め穴151dは、第1の開閉レバー151が矢印151A方向に回動した際に、ディスクモータ30に対する第1の開閉レバー151の位置決めを行う。
同様に、第2の開閉レバー152は、第2のディスク収納部222に設けられて切り欠き部222dに係合する係合部152cと、トラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン26に係合する位置決め穴152dを含む。位置決め穴152dは、第2の開閉レバー152が矢印152A方向に回動した際に、ディスクモータ30に対する第2の開閉レバー152の位置決めを行う。
回転支軸60a、60bは、図13に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cに対して、ディスク装置501の後方側(奥側)、つまり、ディスクカートリッジ200’が装填された状態において、ディスク10の中心よりもホルダ開口部60sとは反対側に設けられている。回転支軸60a、60bはガイド壁61a、61bの配列方向に沿って配置されている。また、ディスクカートリッジ200’の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200’が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。
同様に、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cは、ディスクカートリッジ200’の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200’が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。このため、第1および第2の開閉レバー151、152は、ディスクカートリッジ200’の挿入排出方向に平行でありかつ、ディスクカートリッジ200’が装填された状態にある場合のディスク10の中心を通り、ディスク10に対して垂直な平面に対して、対称に配置および構成されている。
また、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1の開閉レバー151に設けられた連結軸151eと第2の開閉レバー152に設けられた連結溝152eとが互いに係合することにより、ディスクカートリッジ200’を挿入/排出する方向(矢印60A方向および矢印60B方向)に対して、互いに逆方向に連動して回動する。
カートリッジホルダ60には、図13に示すように、第1および第2のレバー付勢バネ153、154による第1および第2の開閉レバー151、152の回転に抗したストッパ部60c、60dが設けられている。このストッパ部60c、60dにより、第1の開閉レバー151および第2の開閉レバー152は、所定の待機位置に保持される。
なお、第1および第2の開閉レバー151、152は同期して回動する。このため、ストッパ部を1つだけ設けた場合でも、第1および第2の開閉レバー151、152が、所定の待機位置に保持される。もちろん、第1の実施形態と同様ストッパ部を2つ設けてもよい。
また、第1および第2の開閉レバー151、152は、同期して回動するので、第1のレバー付勢バネ153を1つだけ使用する場合でも、第1および第2の開閉レバー151、152は、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向へ付勢される。
なお、第1および第2の開閉レバー151、152は、図13に示すように、カートリッジホルダ60のストッパ部60c、60dに当接している時は、トラバースベース20のレバー位置決めピン25、26と干渉しないため、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60に装填していない場合でも、図14(b)の状態にカートリッジホルダ60を回動しても問題はない。
次に、以上のように構成されるカートリッジ開閉機構150’の動作を説明する。上述したように、ディスクカートリッジ200’は、第1の実施形態のディスクカートリッジ200と異なり、第1および第2のディスク収納部221、222に連動部221b、222bが設けられていない。このため、第1および第2のディスク収納部221、222は、ディスクカートリッジ200’’単独では同期して回動しない。
カートリッジ開閉機構150’は、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60に挿入する動作(矢印60A方向)に応じて、ディスク収納部220を開放する動作を行い、排出する動作(矢印60B方向)に応じて、ディスク収納部220を閉塞する。なお、本実施形態のディスク装置502では、ディスクカートリッジ200の挿入および排出を行う駆動機構を備えていない。このため、矢印60Aで示す挿入動作は、操作者が手指で押すことによって行われ、矢印60Bで示す排出動作は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力と、操作者の取り出し動作によって行われる。
まず、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60に挿入した場合のカートリッジ開閉機構150’の開放動作について図15から図19を参照しながら説明する。
なお、ディスクカートリッジ200’が挿入および排出される際、カートリッジホルダ60は、図14(a)に示すように、トラバースベース20に対して傾斜している。しかし、ディスクカートリッジ200’の挿入および排出動作にはトラバースベース20は関係せず、カートリッジホルダ60のみが関係するため、図15から図19では、便宜上、カートリッジホルダ60とトラバースベース20とが同一平面上に示されている。図19は、ディスクカートリッジ200’の装填が完了した状態を示している。この状態では、ディスクカートリッジ200’内のディスク10がディスクモータ30の載置面30a上に載置されるよう、カートリッジホルダ60は、図14(b)に示すように下降しており、カートリッジホルダ60とトラバースベース20は同一平面にある。
図15に示すように、操作者がディスクカートリッジ200’をホルダ開口部60sから、矢印60Aで示すようにカートリッジホルダ60の内部へ挿入する。ディスクカートリッジ200’は、挿入方向(矢印60A)に直交するディスクカートリッジ200’の幅方向をカートリッジホルダ60のガイド壁61a、61bによってガイドされながら、カートリッジホルダ60内部へ挿入される。
第1および第2の開閉レバー151、152は、カートリッジホルダ60のストッパ部60c、60dに当接することにより、所定の待機位置で保持されている。このとき、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cの間隔はガイド壁61a、61bの間隔より狭くなっている。このため、ディスクカートリッジ200’の挿入が進むと、第1および第2の係合部151c、152cがディスクカートリッジ200’の第1および第2のディスク収納部221、222の外形側面と当接する。
このとき、ガイド壁61a、61bの設けられたロック解除部62a、62bは、ディスクカートリッジ200’のロック解除用スリット200a、200bを通過する。
図15に示す状態から、さらにディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入すると、図16に示すように、第1の開閉レバー151は、第1の開閉レバー151の第1の係合部151cと、第1のディスク収納部221の外形側面との当接によって、レバー付勢バネ153のバネ力に抗して、回転支軸60aを中心に矢印151B方向に回動する。その後、第1の開閉レバー151は再びレバー付勢バネ153のバネ力によって矢印151A方向に回動し、第1の係合部151cは、第1のディスク収納部221の切り欠き部221dに設けられた係止用当接面221fと当接する位置へ移動する。
同様に、第2の開閉レバー152は、第2の開閉レバー152の係合部152cと、第2のディスク収納部222の外形側面との当接によって、レバー付勢バネ154のバネ力に抗して、回転支軸60bを中心に矢印152B方向に回動する。その後、第2の開閉レバー152は再びレバー付勢バネ154のバネ力によって、矢印152A方向に回動し、第2の係合部152cは、第2のディスク収納部222の切り欠き部222dに設けられた係止用当接面222fと当接する位置へ移動する。
図16の状態から、さらにディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入すると、図17に示すように、第1の開閉レバー151の第1の係合部151cは、レバー付勢バネ153の付勢力により、第1のディスク収納部221の切り欠き部221dの内壁に当接しながら移動し、切り欠き部221dに設けられた半円弧上の係合部221eに到達し、係合部221eと係合する。これにより、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221によって、第1のリンク機構が構成される。
同様に、第2の開閉レバー152の係合部152cは、レバー付勢バネ154の付勢力により、第2のディスク収納部222の切り欠き部222dの内壁に当接しながら移動し、切り欠き部222dに設けられた半円弧上の係合部222eに到達し、係合部222eと係合する。これにより、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222によって、第2のリンク機構が構成される。
このとき、ロック解除部62aおよび62bが、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cを同時に押圧して、弾性部231d、232dを同時に変形させながら、第1および第2のロック部材231、232をそれぞれ矢印231A方向および矢印232A方向に回転させる。これにより、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bは、第1および第2のディスク収納部221、222に設けられた係止部221c、222cからそれぞれ離間し、ロック状態が解除される。その結果、第1および第2のディスク収納部221、222が、それぞれ矢印221A方向および222A方向に回転可能となる。
図17の状態から、さらにディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入すると、図18に示すように、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で構成される第1のリンク機構、および第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で構成される第2のリンク機構によって、第1および第2の開閉レバー151、152は、それぞれ回転支軸60a、60bを中心に矢印151B方向、矢印152B方向へ回動を開始する。これに連動して、第1および第2のディスク収納部221、222は、回転支軸212a、212bを中心にそれぞれ矢印221A方向、矢印222A方向に回転を開始する。
これは、前述した第1の実施形態と同様に、第1および第2のリンク機構の働きによるものである。したがって、ディスクカートリッジ200’を矢印60A方向へ挿入する挿入量に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152との一対のリンク機構によって、それぞれ矢印221A方向、矢印222A方向へ回転し、ディスク収納部220の開放動作が行われる。
このとき、第1の実施形態とは異なり、第1および第2の開閉レバー151、152が、連結軸151eと連結溝152との係合によって、ディスクカートリッジ200’の挿入方向(矢印60A)に対して、互いに逆方向に連動して回動する。このため、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221で構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222で構成される第2のリンク機構は、ディスクカートリッジ200’の挿入方向(矢印60A)に対して、対称的に動作する。
したがって、連動部221b、222bをディスクカートリッジ200’が備えていない場合においても、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152との係合によって、互いに逆方向に連動して回動し、挿入動作時におけるディスクカートリッジ200’の挿入方向への動作直進性を確保することができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cの近傍部分が、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の底面を支持して、ディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入する動作中における、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドを行う。
したがって、ディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入している途中において、ディスクカートリッジ200’は、対称に構成された第1および第2の開閉レバー151、152によって、動作直進性を確保し、かつ、高さ方向にもガイドされる。その結果、安定なディスク収納部220の開放動作が実現する。
なお、第1の実施形態の説明で用いた第1および第2のディスク収納部221、222が連動部221b、222bによって連動しているディスクカートリッジ200を本実施形態のディスク装置502に装填することも可能である。ただし、この場合、同期駆動を行う連動部が2つ存在するため、互いに干渉しないように各々の精度および勘合ガタを考慮する必要がある。
図18の状態から、さらにディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入すると、図19に示すように、ディスクカートリッジ200’はカートリッジホルダ60の内部に挿入され、第1および第2のディスク収納部221、222が所定の角度まで回動し、開口部220wが形成される。
このとき、カートリッジホルダ60に設けられた位置決め部材65が、開口部220wに侵入する。下部支持ベース部材212に設けられた位置規制部213a、213b、213cと位置決め部材65により、ディスク10の位置が制限され、開口部220wが開放した時のディスク10の中心位置の位置決めが行われる。
操作者によって、カートリッジホルダ60を、図14(a)に示すようにトラバースベース20に対して所定の角度θだけ傾いた状態から、図14(b)に示すようにディスク10に対して記録・再生が可能な状態へ、矢印80B方向に回動すると、下部支持ベース部材212に設けられた位置決め穴215a、215bとトラバースベース20に設けられたカートリッジ位置決めピン21、22とが係合する。これにより、下部支持ベース部材212が、トラバースベース20に対して位置決めされる。同時に、第1および第2のディスク収納部221、222の回動軸である回転支軸212a、212bも、トラバースベース20に対して位置決めされる。
これにより、60A方向および矢印60B方向に移動可能であった第1のディスク収納部221の回転支軸212aが位置決めされ、拘束される。第1の開閉レバー151の回転支軸60aと、第1のディスク収納部221の回転支軸212aと、第1のディスク収納部221の係合部221eとの3つの支点により、図19において一点鎖線で示すように、第1の3節リンク(トラス構造)が構成される。その結果、第1のディスク収納部221の係合部221eがトラバースベース20に対して一義的に位置決めされる。
同様に、60A方向および矢印60B方向に移動可能であった第2のディスク収納部222の回転支軸212bが位置決めにより拘束されるため、第2の開閉レバー152の回転支軸60bと、第2のディスク収納部222の回転支軸212bと、第2のディスク収納部222の係合部222eとの3つの支点により、図19に一点鎖線で示すように、第2の3節リンクが構成される。その結果、第2のディスク収納部222の係合部222eがトラバースベース20に対して一義的に位置決めされる。
したがって、下部支持ベース部材212をトラバースベース20に対して位置決めすることによって、前述した第1および第2の3節リンクの構成によって、第1および第2の開閉レバー151、152の回転角度および第1および第2のディスク収納部221、222の回動軸の位置および回転角度が一義的に決定され、開口部220wが完全に開放される。
ただし、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154によって、矢印151A方向、矢印152A方向に付勢されるため、第1および第2のディスク収納部221、222は閉塞される方向に付勢されて位置決めされる。その結果、構成部品の精度ばらつきや、位置決めピンの勘合ガタなどを考慮すると、開口部220wの開放領域が狭まる方向にばらついてしまい、開口部220wが十分に開放されない可能性がある。
そこで、本実施形態では、第1および第2の開閉レバー151、152に設けられた位置決め穴151d、152dとトラバースベース20に設けられたレバー位置決めピン25、26を係合させ、第1および第2の開閉レバー151、152の位置決めを行う。これにより、第1および第2のディスク収納部221、222をさらに精度良く開放させ、所定の大きさの開口部220wを確実に形成できるようにしている。
このとき、第1および第2の開閉レバー151、152の第1および第2の係合部151c、152cの間隔はガイド壁61a、61bの間隔よりも広くなっている。これにより、ディス収納部が閉塞した状態のディスクカートリッジの投影面積よりも外側に第1および第2のディス収納部221、222をはみ出すように開放させ、大きな開口部220wをディスクカートリッジ200’に形成することができる。
また、第1および第2のディスク収納部221、222の係合部221e、222eには、第1および第2の開閉レバー151、152が矢印151B方向、152B方向に回動する際、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと当接する規制用当接面が設けられている。このため、第1および第2の開閉レバー151、152がトラバースベース20に対して位置決めされると、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと規制用当接面との当接によって、矢印221B方向、矢印222B方向への回動を第1および第2の開閉レバー151、152によって規制される。その結果、第1および第2のディスク収納部221、222を精度良く位置決めし、開口部220wが狭くなるのを抑制することができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152がトラバースベース20のレバー位置決めピン25、26と係合することによって、第1および第2のディスク収納部221、222は第1および第2の開閉レバー151、152を介してトラバースベース20に保持されることになる。このため、振動や衝撃などの外乱条件下においても、開口部220wの領域を確実に確保できる。
また、ディスク10は、ディスクモータ30のディスク載置面30aと、クランパ50(図示せず)により、クランプされ回転が可能となる。このとき、下部支持ベース部材212に設けられた位置規制部213a、213b、213cも同様に、トラバースベース20に対して位置決めされるので、位置規制部213a、213b、213cはディスク10に対して必要なクリアランスを確保することができる。カートリッジホルダ60に設けられた位置決め部65は、トラバースベース20に対して、軸付きネジ81、82によって、軸支持されているので、トラバースベース20に対して、精度良く位置決めされている。
また、下部支持ベース部材212の底面は、カートリッジ位置決めピン21、22に設けられた座面21a、22aにより支持され、第1および第2のディスク収納部221、222の底面は、トラバースベース20に設けられた固定ピン23、24の座面23a、24aにより支持される。このとき、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接し、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドをしていた第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152c近傍部分は、第1および第2のディスク収納部221、222の底面から離間する。
したがって、ディスク10の記録または再生状態では、ディスクカートリッジ200’は、前述した4つの座面のみで高さ方向に支持される。よって、トラバースベースに20に対して、精度良く高さ方向の位置決めがなされ、ディスク10に対して必要なクリアランスが確保される。なお、ディスクカートリッジ200’を、前述した4つの座面に押圧する付勢バネ(図示せず)を設ければさらに、高さ方向の位置決め精度を向上させることができる。
また、図19に示すように、ディスク10の記録または再生状態では、ロック解除部62aおよび62bは、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cから離間している。このため、第1および第2のロック部材231、232の弾性部231d、232dは、弾性変形しない状態にある。これにより、第1および第2のロック部材231、232を樹脂で一体的に構成した場合に、弾性部231d、232dのクリープを防止することができる。
また、図19に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152を回転支持する回転支軸60a、60bを、第1および第2のディスク収納部221、222を開放した状態におけるディスクカートリッジ200’の投影領域外に設けている、このため、ディスク装置内においてディスクカートリッジ200’との干渉を避け、開放した状態のディスクカートリッジ200’の最大幅で規定される領域以外に効率よくカートリッジ開閉機構150’を構成することができる。よって、開口部220wの構成領域を大きく確保し、光ヘッド40の設計自由度の向上を図るとともに、ディスク装置502の薄型化、省スペース化を図ることができる。
なお、ディスク装置502内にディスクカートリッジ200’を挿入(矢印60A方向)する場合、矢印60A方向に若干のオーバーストロークを持たせるのが、このようなディスク装置では一般的である。このため、図26に示す従来のディスクカートリッジ100のように、支持ベース部材101だけで、ディスク10の中心位置決めを行うと、このオーバーストローク分、挿入時にディスク10が後方側に位置決めされ、挿入状態によって、位置決め精度がばらつく可能性がある。
これに対し、本実施形態のディスク装置502では、後方側にディスク10の中心位置決めを行う位置決め部材65をカートリッジホルダ60、言い換えればディスク装置502側に設けている。このため、ディスクカートリッジ200’の挿入の程度が矢印60A方向にばらついたとしても、ディスク10は、ディスク装置502に対して、精度良く位置決めされる。
以上のように、ディスクカートリッジ200’を矢印60A方向に挿入し、図15に示す状態から図19に示す状態になることによって、ディスクカートリッジ200’の開口部220wが完全に開放され、カートリッジ開閉機構150’の開放動作が完了する。また、ディスクカートリッジ200’がディスク装置502内に正しく装填され、ディスク10に対する記録・再生が可能な状態となる。
次に、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60から排出する場合のカートリッジ開閉機構150’の動作を説明する。
カートリッジ開閉機構150’の閉塞動作は、前述した、カートリッジ開閉機構150’の開放動作の逆手順で行われる。つまり、図19の状態から動作を開始し、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向へ排出する動作により、図15の状態となり、ディスク収納部220を完全に閉塞し、ディスクカートリッジ200’を装置外部へ排出する。
以下、図15〜図19を参照しながら具体的に、カートリッジ開閉機構150’の閉塞動作を説明する。
図19に示すように、ディスクカートリッジ200’がディスク装置502内に正しく装填された状態において、図14(b)に示す状態から、図14(a)に示すディスクカートリッジ200’の挿入/排出を行う位置へ、操作者によってカートリッジホルダ60を矢印80A方向に回動する。これにより、下部支持ベース部材212に設けられた位置決め穴215a、215bに係合していたカートリッジ位置決めピン21、22と、第1および第2の開閉レバー151、152に設けられた位置決め穴151d、152dに係合していたレバー位置決めピン25、26の係合が外れる。その結果、前述した第1および第2の3節リンクの状態が解除され、ディスクカートリッジ200’は、カートリッジホルダ60のガイド壁61a、61bに沿って、矢印60A方向および矢印60B方向に移動可能になる。第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向に回動を開始する。
開放動作の場合とは逆に、第1および第2の開閉レバー151、152の矢印151A方向、矢印152A方向への回動に応じて、第1および第2のディスク収納部221、222は、第1および第2の開閉レバー151、152とのリンク機構によって、それぞれが矢印221B方向、矢印222B方向に回動し、ディスク収納部220の閉塞動作が開始される。
図19の状態から、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、第1および第2の開閉レバー151、152が矢印151A方向、矢印152Aに回動すると、図18に示すように、ディスクカートリッジ200’は、第1および第2の開閉レバー151、152と第1および第2のディスク収納部221、222によるリンク機構の働きによって、ディスク収納部220を閉塞するとともに、ガイド壁61a、61bにガイドされながら矢印60B方向へ排出される。
このとき、前述した開放動作の場合と同様に、第1および第2のディスク収納部221、222は、連動部221b、222bによって、互いに逆方向に連動して回転する。また、第1および第2の開閉レバー151、152は、ディスクカートリッジ200’の排出方向(矢印60B)に対して、対称に構成されている。このため、ディスクカートリッジ200’の移動直進性が排出時においても確保される。
また、前述した開放動作の場合と同様に、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152c近傍部分が、第1および第2のディスク収納部221、222の底面に当接することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の底面を支持する。これにより、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向に排出する動作中における、第1および第2のディスク収納部221、222の高さ方向のガイドを行う。
このとき、ディスクカートリッジ200’の第1および第2のロック部材231、232は、ロック解除部62a、62bと当接していない。しかし、第1および第2のディスク収納部221、222が矢印221B方向、222B方向に回動することにより、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cが、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bと当接して、第1および第2のロック部材231、232を矢印231A方向、矢印232A方向に回動させる。
図18に示す状態から、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、さらにディスクカートリッジ200’が矢印60B方向に排出されると、第1および第2の開閉レバー151、152は、矢印151A方向、矢印152A方向の回動を続ける。これにより、第1および第2のディスク収納部221、222は矢印221B方向、矢印222B方向に回動し、図17に示すように、開口部220wがディスク収納部220によって完全に閉塞される。
このとき、ロック解除部62aおよび62bは、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cと当接し、第1および第2のロック部材231、232をそれぞれ矢印231A方向および矢印232A方向に回動させる。このため、第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cと、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bとは離間した状態にあり、第1および第2のディスク収納部221、222はロックされていない。
図17に示す状態から、第1および第2の開閉レバー151、152が、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によって、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向へ回動を続けると、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dの内壁に当接しながら、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向へ排出する。
そして、図16に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dに設けられた係止用当接面221f、222fに当接することで、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によるディスクカートリッジ200’の矢印60B方向への排出が終了する。
この係止用当接面221f、222fの当接により、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力よる矢印60B方向へのディスクカートリッジ200’の飛び出しを押さえ、ディスク装置502からディスクカートリッジ200’が脱落するのを防止する。
このとき、第1および第2のロック部材231、232の操作部231c、232cはロック解除部62aおよび62bと離間するため、第1および第2のロック部材231、232は、弾性部231d、232dの弾性力により、それぞれ矢印231B方向および矢印232B方向に回動する。このため第1および第2のディスク収納部221、222の係止部221c、222cと、第1および第2のロック部材231、232の係止レバー部231b、232bが係合し、第1および第2のディスク収納部221、222は、矢印221A方向、222A方向へ回転しないようロックされる。
図16に示す状態から、操作者によって、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向に取り出すと、第1および第2の開閉レバー151、152は、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力に抗して、それぞれ矢印151B方向、矢印152B方向に回動し、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cが、第1および第2のディスク収納部221、222の係止用当接面221f、222fを滑りながら移動する。
そして、図15に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cは、第1および第2のディスク収納部221、222の外形側面に当接し、第1および第2のディスク収納部221、222の係止用当接面221f、222fの係合が外れ、ディスクカートリッジ200’の保持が解除される。これにより、ディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60から取り出すことができるようになる。
さらに、操作者によって、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向に取り出すことで、ディスクカートリッジ200’がカートリッジホルダ60から完全に排出されて、カートリッジ開閉機構150’の閉塞動作が完了する。
なお、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力が十分に大きい場合、上述したように、第1および第2の開閉レバー151、152が、それぞれ矢印151A方向、矢印152A方向へ回動することにより、ディスクカートリッジ200’を図17に示す状態から図16に示す状態へ移動させることができる。しかし、第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力に対して、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cと第1および第2のディスク収納部221、222の切り欠き部221d、222dの内壁のとの摩擦力が大きい場合には、図17に示す状態で第1および第2のレバー付勢バネ153、154の付勢力によるディスクカートリッジ200’の矢印60B方向への排出が終了する可能性がある。このような場合、カートリッジホルダ60からのディスクカートリッジ200’の排出量は減少するが、操作者によって、ディスクカートリッジ200’を矢印60B方向に取り出すことにより、図16の状態を経由して図15に示す状態をとる。したがって、なんら問題なくディスクカートリッジ200’をカートリッジホルダ60から取り出すことができる。
以上のように、本実施形態のディスク装置502は、第1の実施形態と同様に、リンク機構を利用することで、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出動作に同期して、第1および第2のディスク収納部221、222の開放および閉塞を行う。
しかし、第1の実施形態と異なり、本実施形態では、第1および第2の開閉レバー151、152を、連結軸151eと連結溝152eとの係合を介して、同期駆動する。これにより、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221によって構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222によって構成される第2のリンク機構との同期駆動を行っている。
これにより、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出時において、第1および第2の開閉レバー151、152が連結軸151eと連結溝152eとの係合によって、互いに逆方向に連動して回転する。したがって、第1の実施形態で説明したように、図10における第1および第2の開閉レバー151、152と挿入/排出方向に直交する方向となす角度は、実線で示す状態においてβ1=β2の関係を満たし、破線で示す状態においてβ1’=β2’の関係を満たす。第1および第2のリンク機構は線分Lに対して対称に構成されているため、第1および第2のディスク収納部221、222と挿入/排出方向となす角度も同様に、実線で示す状態においてα1=α2の関係を満たし、破線で示す状態においてα1’=α2’の関係を満たす。
したがって、第1の開閉レバー151と第1のディスク収納部221とで構成される第1のリンク機構と、第2の開閉レバー152と第2のディスク収納部222とで構成される第2のリンク機構とは、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向(線分L)に対して、対称的に動作する。これにより、挿入/排出動作時におけるディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向への動作直進性を確保することができる。
以上のように、第1および第2のリンク機構が、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向(線分L)に対して、対称に構成され、かつ連結軸151eと連結溝152eとのを介して同期駆動されることにより、ディスクカートリッジ200’は、安定して挿入/排出されるとともに、ディスク収納部220の開放/閉塞動作が行われる。
なお、第2の実施形態の説明で用いたディスクカートリッジ200’は、前述した第1および第2の実施形態と異なり、第1および第2のディスク収納部221、222が、連動部221b、222bによって、連動されていないため、1つの開閉レバーのみでは、ディスク収納部220の開放または閉塞動作をさせることはできない。ただし、第1の実施形態のディスク装置501に適合したディスクカートリッジ200を挿入した場合、1つの開閉レバーのみでディスク収納部220の開閉を行うことは可能である。この動作は、第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
また、本実施形態では、トラバースベース20に、第1および第2の開閉レバー151、152をそれぞれ位置決めするレバー位置決めピン25、26をもうけていた。しかし、第1および第2の開閉レバー151、152と連結軸151eと連結溝152eとの係合の精度およびカートリッジホルダ60と連結軸151eと連結溝152eとの係合の精度を向上させることにより、レバー位置決めピンを1つだけ設けても同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、連結軸151eと連結溝152との係合により、第1および第2のレバー151、152が同期して回転する。しかし、連結軸151eおよび連結溝152以外の連動部材を用いて第1および第2のレバー151、152を連動させてもよい。
また、本実施形態では、カートリッジ開閉機構150’を、ディスク装置502の後方側(ディスクカートリッジ200’の開口部220w側)に設けている。このため、図13に示すように、第1および第2の開閉レバー151、152がストッパ部60c、60dによって所定の待機位置に保持されている状態では、第1および第2の開閉レバー151、152の回転支軸60a、60bが、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cに対して、ディスク装置後方側で、かつディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向(矢印60A方向/矢印60B方向)に、略平行に配置している。
このため、図20に示すように、ディスク装置502に対して、前後逆向きの状態でディスクカートリッジ200’を挿入した場合、第1および第2の開閉レバー151、152の係合部151c、152cがディスクカートリッジ200’の外形側面に当接しても、挿入方向(矢印60A方向)の外力では、第1および第2の開閉レバー151、152を回転支軸60a、60bに向かって圧縮する力が作用するのみで、矢印151B方向、矢印152B方向へ回動する力が働かない。このため、逆向きに挿入されたディスクカートリッジ200’をディスク装置502の内部へ挿入することはできない。
したがって、カートリッジ開閉機構150’を、ディスク装置502の後方側(ディスクカートリッジ200’の開口部220w側)に設けることにより、第1および第2の開閉レバー151、152の回転支軸60a、60bを最適な位置に設け、操作者によって前後逆向きに挿入されたディスクカートリッジ200’の誤挿入を防止することができる。また、第1および第2の開閉レバー151、152が、ディスクカートリッジ200’の誤挿入防止機構を兼ねるため、部品点数の削減を図ることができる。
このように、本実施形態のディスク装置は、シャッタ機能とハウジング機能を兼ね備えた第1および第2のディスク収納部221、222により、開口部220wを開放および閉塞するディスクカートリッジ200’に好適に適合する。具体的には、第1のディスク収納部221に設けられた切り欠き部221dおよび第2のディスク収納部222に設けられた切り欠き部222dの各々に係合する第1および第2の開閉レバー151、152を、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向(矢印60A方向/矢印60B方向)に対して対称に配置し、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出動作に同期して回動させることにより、第1および第2のディスク収納部の開放または閉塞を行うことができる。また、ディスクカートリッジ200’の動作直進性を確保でき、極めて安定した挿入/排出動作を実現できる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152を、連結軸151eと連結溝152eとの係合を介して、ディスクカートリッジ200’の挿入/排出方向に対して、互いに逆方向に連動して回動することにより、第1および第2のディスク収納部221、222が連動して回動しないディスクカートリッジ200’にも適合することができる。
また、第1および第2の開閉レバー151、152が、連結軸151eと連結溝152eとによって連動して回動するため、第1および第2の開閉レバー151、152を付勢するレバー付勢バネを1つで構成することができ、部品点数の削減を行うことができる。
以上、第1および第2の実施形態として説明したように、本発明のディスク装置によれば、ディスクカートリッジの挿入時には、第1および第2の開閉レバーの第1および第2の係合部の間隔が一対のガイド壁の間隔よりも狭くなっている。このため、第1および第2の係合部は挿入されたディスクカートリッジと確実に当接し、係合する。また、第1および第2の開閉レバーは、ディスクカートリッジが装填された状態において、第1および第2の係合部の間隔が一対のガイド壁の間隔よりも広くなるように回動する。このため、ディス収納部が閉塞した状態のディスクカートリッジの投影面積よりも外側にディスクカートリッジのシャッタや収納部をはみ出すように開放させ、大きな開口部を形成することができる。したがって、外形が小さくても大きなヘッド開口部を設けることが可能なディスクカートリッジに対応することができる。
特に、本発明のディスク装置は、シャッタ機能とハウジング機能とを兼ね備えた第1および第2のディスク収納部を備えたディスクカートリッジに好適に適合する。具体的には、ディスクカートリッジの第1および第2のディスク収納部に設けられた切り欠き部にそれぞれ係合する第1および第2の開閉レバーを、ディスクカートリッジの挿入/排出方向およびディスクの回転軸を含む平面に対して対称に配置し、ディスクカートリッジの挿入/排出動作に同期して回動させることによって、第1および第2のディスク収納部の開放または閉塞を行うことができる。加えて、第1の開閉レバーと第1のディスク収納部および第2の開閉レバーと第2のディスク収納部によるリンク機構を対称配置することにより、ディスクカートリッジの動作直進性を確保できる極めて安定した挿入/排出動作を実現できる。また、第1および第2のディスク収納部のそれぞれの保持を第1および第2の開閉レバーにより確実に行うことでき、振動や衝撃などの外乱条件下においても同様に、安定した挿入/排出動作を行うことができる。
また、第1および第2の開閉レバーを回転支持する回転支軸を、第1および第2のディスク収納部を開放した状態におけるディスクカートリッジの投影領域外に構成することにより、ディスク装置内における第1および第2の開閉レバーとディスクカートリッジとの干渉を避け、ディスク装置の薄型化を図ることができる。
また、第1および第2の開閉レバーを含むカートリッジ開閉機構を、第1および第2のディスク収納部を開放した状態におけるディスクカートリッジの最大幅で規定される領域以内に効率よく最適に構成することで、ディスク装置の省スペース化を図り、小型化を実現できるとともに、ヘッドがアクセスを行う開口部を大きくし、ディスク装置におけるヘッドの設計自由度を高めることができる。
また、第1の開閉レバーと第1のディスク収納部および第2の開閉レバーと第2のディスク収納部によってそれぞれリンク機構を構成する。このため、第1および第2のディスク収納部を開放した状態において、支持ベース部材をベースに設けられた一対の位置決めピンにより位置決めをすると、第1のディスク収納部の回動支持部と、第1の開閉レバーの回転支軸と、第1の係合部の3つの支点により、第1の3節リンクが構成され、第2のディスク収納部の回動支持部と、第2の開閉レバーの回転支軸と、第2の係合部の3つの支点により、第2の3節リンクが構成される。このため、支持ベース部材をベースに対して位置決めすれば、第1および第2の3節リンクが、開閉レバーを含むすべての部品の位置や角度を一義的に決定することができ、ディスクカートリッジを所定の位置に装填し、かつ、第1および第2のディスク収納部が、所定の位置および大きさの開口を形成することができる。これにより、位置決めに必要な部品点数の削減と、位置決め信頼性を向上させることができる。また、ベースに設けられた位置決めピンによって、第1および第2の開閉レバーを直接位置決めすることにより、開放した状態の第1および第2のディスク収納部をさらに精度よく位置決めすることができる。
また、第1および第2の開閉レバーをベースに設けられた位置決めピンと係合させることによって、振動や衝撃などの外乱条件下においても、第1および第2の開閉レバーを所定の角度で維持することができる。このため、このような条件下でも、開口部の開放領域を確実に確保し、ヘッドやディスクモータとの衝突などを防ぐことができる。
また、ハウジング機能を備えた第1および第2のディスク収納部の底面とそれぞれ接触する支持部、および、支持ベース部材の底面と接触する座面を、ディスクモータを支持するベースに設けることより、第1および第2のディスク収納部の高さ方向の位置決めを行い、ディスクを回転するのに必要不可欠な最小のクリアランスを精度良く確保することができる。したがって、不用な空間を設けることなくディスク装置の薄型化に寄与することができる。また、開放時における第1および第2のディスク収納部の保持を確実に行うことにより、開放時におけるディスクカートリッジの堅牢性を高めることができる。
また、第1および第2の開閉レバーには、第1および第2のディスク収納部を閉塞する方向に付勢する付勢バネを設けている。これにより、操作者によるディスクカートリッジの挿入動作時には、適度な動作負荷を与え、第1および第2のディスク収納部の開放動作を行う。また、排出動作時には、付勢バネの付勢力により自動的にディスクカートリッジの排出を行い、かつ、第1および第2のディスク収納部の閉塞動作を確実に行うことができる。これにより、ディスクカートリッジの挿入/排出動作における操作性を付勢バネの付勢力によって、一義的にコントロールできる。また、ディスクカートリッジの挿入/排出動作に駆動源および駆動機構を設けるひつようがなくなる。したがって、部品点数の大幅な削減ができ、ディスク装置の軽量化と低コスト化を実現できる。
また、第1および第2のディスク収納部の閉塞完了時には、第1および第2の開閉レバーの第1および第2の係合部が、ディスクカートリッジの第1および第2のディスク収納部の切り欠き部に設けられた係止用当接面に当接する。これにより、前述した付勢バネの付勢力による自動排出時におけるディスクカートリッジの装置からの脱落を防止する。したがって、排出時において、ディスクカートリッジをディスク装置から安全に取り出すことができ、またディスクカートリッジ単体の不慮の落下を未然に防止することができる。
また、ガイド壁によって規定されるディスクカートリッジを挿入する際の挿入口の幅は、ディスクカートリッジのディスクの回転軸方向における投影領域の最小幅部分の寸法とほぼ等しい。これにより、万が一に何らかの原因で、ディスクカートリッジを付勢バネの付勢力によって排出ができず、外部から強制的にディスクカートリッジを取り出す必要が生じた場合においても、開放していた第1および第2のディスク収納部がガイド壁を通過することにより、第1および第2のディスク収納部を閉塞させ、取り出すことができる。これにより、自動排出ができない不慮の緊急状態になっても、ディスクカートリッジ内部のディスクに傷つけることなく、安全にディスクカートリッジを強制排出させることができる。
また、ガイド壁の一部にロック解除部材を構成することにより、ディスクカートリッジの挿入/排出動作中、ディスカートリッジのロック部材を最適なタイミングでかつ確実に解除することができる。これにより、強制排出時においても、ロック部材を破壊することなく、確実に第1および第2のディスク収納部のロックを行うことができる。
また、ディスクカートリッジを装填した状態では、ロック部材は押下されないため、ロック部材を樹脂によって構成した場合でもクリープによる劣化を防止することができる。
また、第1および第2の開閉レバーをディスク装置のホルダ開口部側(装置前方側)に設けることによって、ヘッドの構成スペースと第1および第2の開閉レバーとの干渉を避け、ヘッドの設計自由度の拡大を図るともに、ヘッドと第1および第2の開閉レバーの重畳を避けディスク装置の薄型化を実現することができる。