JP4828205B2 - 吊り戸の下部振止装置 - Google Patents
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Description
この吊り戸の下部振止装置は、床に配設されるケースと、該ケースに上方に突出可能に収納されたガイドピンとを備え、ガイドピンを突出させた状態を磁力により維持しながら吊り戸のガイドを行うようにしている。
この吊り戸の下部振止装置は、床面2に設置されるケース3及び該ケース3に上方に突出可能に収納されたガイドピン4を備えた床面設置部材1と、該床面設置部材1の突出したガイドピン4が挿入される吊り戸本体5の案内溝部材6とを備え、前記ガイドピン4を案内溝部材6との間で作用する磁力により突出させるようにしている。
そして、この吊り戸の下部振止装置は、図1に示すように、前記案内溝部材6の端部に磁石10を配設するとともに、該磁石10の下部に、突出したガイドピン4を受ける2本の突条9を案内溝61に沿って設けている。
また、この吊り戸の下部振止装置は、ガイドピン4及びケース3に、ばね7a、7bにより付勢された状態で退入可能に突出し、相手側部材の一部に係止することによりガイドピン4の突出状態を保持する係止部材8a、8bを設けるとともに、案内溝部材6の端部と前記した突条9とに、突出したガイドピン4に摺接することによりガイドピン4を係止部材8a、8bに抗して退入させる傾斜を設けている。
係止部材8aは、ばね7aにより付勢されたボールからなり、通常は半径内方向に一部が突出した状態にあり、第1筒体4aの下部が通過する際に押圧されて退入する。
なお、本実施例においては、係止部材8aは、ケース3にばね7aと共に挿入され、ばね7aの背面に栓部材35を配設することにより、ケース3に抜け止め状態に封入されるようにしている。
また、ケース3は、抜け止めピン32によって、第1筒体4aの退入時の下限位置決めを図るとともに、図示省略する係合手段により、第1筒体4aの突出時の上限位置決めを図るようにしている。
第1筒体4aは、抜け止めピン41によって、第2筒体4bの退入時の下限の位置決めを図るとともに、図示省略する係合手段により、第2筒体4bの突出時の上限位置決めを図るようにしている。
これにより、磁石10により第1筒体4aが引き上げられると、前記係合手段により、続いて第2筒体4bが第1筒体4aを介して引き上げられる。
また、第1筒体4aの内周の上部45は、後述する第2筒体4bの係止部材8bの被係止部となっており、この被係止部の後方には、係止部材8bが突出状態で摺動可能に挿通する溝46が軸方向に形成されている。
このように被係止部の後方に、係止部材8a、8bが突出状態で挿通する溝44、46を形成することにより、被係止部を乗り越えた係止部材8a、8bと第1筒体4a及び第2筒体4bとの間の抵抗をなくし、第1筒体4a及び第2筒体4bをスムーズに退入させるとともに、この溝44、46をガイドとして係止部材8a、8bが挿通することにより、第1筒体4a及び第2筒体4bの昇降を円滑に行うことができる。
係止部材8bは、ばね7bにより付勢されたボールからなり、通常は半径外方向に一部が突出した状態にあり、第1筒体4aの上部45を通過する際に押圧されて退入する。
また、第2筒体4bは、鉄等の磁性体材料からなり、案内溝部材6の端部に配設した磁石10に吸着されるようにする。
なお、本実施例においては、係止部材8bは、分割形成した第2筒体4bにばね7bと共に挿入され、分割形成した第2筒体4bをねじ47により一体化することにより、第2筒体4bに抜け止め状態に封入されるようにしている。
この場合、ケース3とガイドピン4とが同心となるように配設することもできる。
アウター部材11には、ケース3の外周面に形成した抜け止め用溝34に嵌合する抜け止め用突起(図示省略)を形成するようにする。
これにより、ケース3を床面2に一旦設置した後でも、アウター部材11内でケース3を回転することが可能となり、ケース3の設置状態が緩むことなく、ガイドピン4の吊り戸本体5の案内溝61に対する位置調整を、容易に、かつ何度でも行うことができる。
また、ケース3の底面及びアウター部材11の内底面は、ケース3とアウター部材11とが任意の回転位置で嵌合できる嵌合構造の凹凸33が形成されており、これにより、ケース3とアウター部材11との位置関係を正確に保持することができる。
案内溝部材6は、床面設置部材1のガイドピン4が挿入される案内溝61が形成されるとともに、案内溝部材6の端部には、突出したガイドピン4に摺接することによりガイドピン4を係止部材8a、8bに抗して退入させる傾斜が設けられている。
また、案内溝部材6は、吊り戸本体5の端部側にのみガイドピン4を吸着する磁石10を配設するようにしており、本実施例では、前記傾斜を磁石10により形成している。
この突条9は、案内溝部材6の端部側が低い傾斜を付して設けられており、磁力によってガイドピン4が突出した際に、このガイドピン4を斜めでしかも細い線接触で受けることにより、ガイドピンの案内溝とのぶつかり音を低減している。
本実施例では、突条9は磁性体によって構成されており、磁石10の磁力が伝達されている。
なお、案内溝61は、突条9が設けられる端部側を広く形成し、ガイドピン4の吸着を行いやすくするとともに、中央側に移行する途中で徐々に細く形成することにより、案内溝61の幅を狭くして、吊り戸の案内を揺れの少ない状態で行うようにしている。
この吊り戸の下部振止装置は、吊り戸本体5が、床面2に設置された床面設置部材1の上方位置に来ると、図2(a)及び図3に示すように、吊り戸本体5の端部側に配設した磁石10によって第2筒体4bが吸着され、図2(b)及び図4に示すように、ガイドピン4(第1筒体4a及び第2筒体4b)はケース3内から上方に突出し、吊り戸本体5の案内溝部材6の案内溝61に自動的に挿入される。
このとき、ガイドピン4が突出する際のガイドピン上面と案内溝底面の面と面のぶつかりを突条9によって阻止するとともに、ガイドピン4を突条9によって線接触で受けることにより、ガイドピン4の案内溝61とのぶつかり音を小さくしている。
また、図2(b)及び図4に示すように、第2筒体4bの係止部材8bが第1筒体4aの上部45を乗り越えて、この第1筒体4aの上部45に係止するとともに、ケース3の係止部材8が第1筒体4aの下部43を乗り越えて、この第1筒体4aの下部43に係止することにより、第1筒体4aと第2筒体4bは突出状態に保持される。
これにより、図2(b)及び図4に示すように、ガイドピン4を吸着する磁石10が存在しない吊り戸本体5の中央部においても、ガイドピン4を確実に保持することができる。
これにより、図2(d)及び図6に示すように、第1筒体4aと第2筒体4b、すなわちガイドピン4をケース3内に退入させることができる。
2 床
3 ケース
31 鍔部
32 抜け止めピン
33 凹凸(嵌合構造)
34 抜け止め用溝
4 ガイドピン
4a 第1筒体
4b 第2筒体
41 抜け止めピン
42 切欠部
43 下部
44 溝
45 上部
46 溝
5 吊り戸本体
6 案内溝部材
61 案内溝
7a ばね
7b ばね
8a 係止部材
8b 係止部材
9 突条
10 磁石
11 アウター部材
Claims (2)
- 床面に設置されるケース及び該ケースに上方に突出可能に収納されたガイドピンを備えた床面設置部材と、該床面設置部材の突出したガイドピンが挿入される吊り戸本体の案内溝部材とを備え、前記ガイドピンを案内溝部材との間で作用する磁力により突出させるようにした吊り戸の下部振止装置において、前記案内溝部材の端部に磁石を配設するとともに、該磁石の下部に、突出したガイドピン上面を線接触で受ける突条を案内溝と平行に下方に向けて突設したことを特徴とする吊り戸の下部振止装置。
- ガイドピンとケースの少なくとも一方に、ばねにより付勢された状態で退入可能に突出し、相手側部材の一部に係止することによりガイドピンの突出状態を保持する係止部材を設けるとともに、案内溝部材の端部及び突条に、突出したガイドピンに摺接することによりガイドピンを係止部材に抗して退入させる傾斜を設けたことを特徴とする請求項1記載の吊り戸の下部振止装置。
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