図12は、従来のラベル装着システムの概略図である(例えば特許文献1参照。)。図13は、後述するラベル生成装置、ラベル搬送装置及びラベル受渡装置の概略構成を示す図である。
このラベル装着システムは、例えばPETボトルの表面に、そのボトル内に注入される飲料等の名称を表すシュリンクラベルを装着するものである。ラベル装着システムは、後述するラベル装着装置82に対してボトルBを供給するためのボトル供給装置81と、ボトル供給装置81によって供給されたボトルBにラベルLを装着するためのラベル装着装置82と、長尺状のラベル基材Sを繰り出して後述するラベル生成装置84に供給するラベル基材搬送装置83と、長尺状のラベル基材Sを切断して単体のラベルLを生成するラベル生成装置84(図13参照)と、ラベル生成装置84によって生成されたラベルLを吸着しながら下方に搬送するラベル搬送装置85(図13参照)と、ラベル搬送装置85からラベルLを受け取り、ラベル装着装置82に受け渡すラベル受渡装置86と、ラベルLが装着されたボトルBを下流工程に搬送するためのボトル搬送装置87とによって大略構成されている。
なお、図12は平面図であり、図13は側面図である。図12においては、ラベル基材搬送装置83によって略水平方向に搬送されるラベル基材Sは、紙面に対して垂直方向からラベル受渡装置86に搬送される構成となっている。ラベル基材Sが供給される供給路の途中には、図示しない折変装置が設けられている。この折変装置は、ボトルBにラベルLが装着される際にラベルLを筒状にして開きやすくするために、基材繰出部88(図12参照)から繰り出されたシート状のラベル基材Sを折り変えらせることでその折り畳み位置を変化させるものである。
この折変装置によって折り変えられたラベル基材Sは、図13に示すように、送りローラ89及び従動ローラ90によって構成されるラベル基材搬送装置83によって搬送される。ラベル基材搬送装置83によって搬送されたラベル基材Sは、回転刃91及び固定刃92によって構成されたラベル生成装置84によって切断されてラベルLとして生成される。
生成されたラベルLは、図示しないフィードモータ、このフィードモータの駆動によって回転されるプーリ93、そのプーリ93に掛け渡される無端状のフィードベルト94、及び図示しない吸引装置によって構成されるラベル搬送装置85に受け渡され、ラベル搬送装置85によって、吸引されながらフィードベルト94上に保持されて順次下方に搬送される。そして、ラベルLは、ラベル受渡位置K6においてラベル受渡装置86のテイクアップ部材95に受け取られ、テイクアップ部材95によって吸着されてラベル装着装置82に順次受け渡される。
ラベル装着装置82に受け渡されたラベルLは、図12に示すように、ボトル供給装置81によって供給されたボトルBに装着される。ラベルLが装着されたボトルBは、ラベル装着装置82からボトル搬送装置87によって下流工程に向けて搬送される。
このラベル装着システムにおいては、ラベル装着装置82によって複数のボトルBがそれぞれラベル受渡位置K2(図12参照)に供給されるタイミングを基準にして、ラベル生成装置84が予め設定された切断タイミングでラベル基材Sを繰り返し切断するようになっている。
ラベル搬送装置85の搬送経路の途中には、図13に示すように、搬送されるラベルLを検出するためのラベル詰まりセンサ96が設けられている。ラベル詰まりセンサ96は、図14に示すように、送りローラ89、回転刃91、及びプーリ93等を駆動制御するための制御装置97に接続されており、搬送されるラベルLを検出すると、その検出信号を制御装置97に出力する。
図15は、制御装置97でラベル詰まりセンサ96の検出信号を検出するときのタイミングを示す図である。図15(a) は、ラベル詰まりセンサ96からの検出信号を示し、ラベルLの1枚分が検出されると、検出信号は期間Tだけオフ状態となる。図15(b) は、制御装置97の検出タイミングを示し、制御装置97は、ラベル詰まりセンサ96の検出信号がオフ状態からオン状態になったとき(以下、「検出基準時t」という。)、その検出基準時tが予め定める検出幅W内にある場合に、ラベルLが適正にラベル搬送装置85によって搬送されたと認識する。制御装置97は、検出基準時tが上記検出幅Wを外れると、ラベル搬送装置85の搬送経路の途中においてラベル詰まりが発生したと認識して、ラベル装着システムを停止させるようになっている。
検出幅Wは、ラベル装着システムの運転開始前に予め作業者によって設定される。具体的には、作業者がバリアブル・カム・スイッチ98と呼称される装置(以下、単に「バリカム98」という。)を介して設定入力することによって設定される。
ここで、このラベル装着システムにおいて、生成されたラベルLがラベル搬送装置85に受け渡される際、周囲の状況によってはラベルLがラベル搬送装置85によって正しく搬送されない場合がある。例えば、ラベルLがラベル搬送装置85に受け渡される際、周囲に生じる空気の流れによりラベルLが揺動して、フィードベルト94による搬送方向に対して斜めに吸着されながら搬送されたり、ラベルLが裏返しになって吸着されながら搬送されたりする場合がある。したがって、ラベル生成装置84によってラベルLが生成されたにもかかわらず、ラベル詰まりセンサ96からの当該ラベルLの検出信号が正しく入力されないとき、制御装置97は、ラベル搬送装置85において適正にラベルLが搬送されなかったものとしてエラーを認識し、ラベル装着システムを停止するようにしている。
上述した検出幅W(図15(b) 参照)の設定においては、作業者がその期間Tをバリカム98を用いて任意に設定することができるのであるが、作業者は、図15(b) に示すように、検出幅Wをそのほぼ中心が検出基準時tになるように適正に設定する必要がある。例えば、図15(c) 及び図15(d) に示すように、検出幅Wの端近傍に検出基準時tが設定されているとすると、少しの検出誤差で検出基準時tが検出幅Wを外れてしまうことがある。
その場合、制御装置97はエラーと認識し、その都度、ラベル装着システムを停止させてしまうので、ラベル装着システムの運転に支障をきたすことになる。したがって、ラベル搬送装置85においてラベルLの搬送ずれを検出するときの検出幅Wをバリカム98によって設定すると、ラベル装着システムが頻繁に停止することが生じ、ラベル装着システムの運転が不安定になるといった問題点があった。
また、バリカム98による検出幅Wの設定では、再度、設定し直してもそれが適正な許容範囲になっているか否かは、作業者が即座に認識できるものではない。すなわち、バリカム98による検出幅Wの設定は、ラベル装着システムを再度運転したときに、ラベル装着システムの停止する頻度が以前より少なくなったことから設定が適正であったと判断するといった、いわゆる場当たり的なものになっていた。したがって、この設定方法では、設定変更したとしても再度ラベル装着システムが停止する可能性が残ることがあり、その場合にさらに設定変更する作業が必要となるので、作業者にとって作業性の悪いものとなっていた。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明に係るラベル供給システム及びラベル装着システムの概略構成を示す図である。図2は、後述するラベル基材搬送装置3、ラベル生成装置4、及びラベル搬送装置5の構成を示す図である。
このラベル装着システムは、例えばPETボトルの表面に、そのボトル内に注入される清涼飲料水等の名称を表すシュリンクラベルを装着するものである。このラベル装着システムでは、水平面内で多数のボトルBを一列に配列して搬送する一方、多数のラベルLが一定の間隔で印刷された長尺状のラベル基材Sを繰り出しながら各ラベルLに切断し、そのラベルLをボトルBの搬送経路に順次搬送し、その搬送経路上の所定の位置で各ボトルBに各ラベルLを装着するようになっている。
ラベル装着システムは、図1及び図2に示すように、後述するラベル装着装置2に対してボトルBを供給するためのボトル供給装置1と、ボトル供給装置1によって供給されたボトルBにラベルLを装着するためのラベル装着装置2と、長尺状のラベル基材Sを繰り出して後述するラベル生成装置4に向けて搬送するラベル基材搬送装置3と、ラベル基材搬送装置3から供給された長尺状のラベル基材Sを切断することによりラベルLを生成するラベル生成装置4(図2参照)と、ラベル生成装置4によって生成されたラベルLを吸着しながら下方に搬送するラベル搬送装置5(図2参照)と、ラベル搬送装置5からラベルLを受け取り、ラベル装着装置2に受け渡すラベル受渡装置6と、ラベルLが装着されたボトルBを下流工程に搬送するためのボトル搬送装置7とによって大略構成されている。
なお、図1は平面図であり、図1においては、ラベル基材搬送装置3により略水平方向に搬送されるラベル基材Sは、ラベル受渡装置6に対して紙面の垂直方向から搬送される構成となっている(図2参照)。また、ラベル基材Sが供給される供給路の途中には、図示しない折変装置が設けられている。この折変装置は、ボトルBにラベルLが装着される際にラベルLを筒状にして開きやすくするために、基材繰出部22(図1参照)から繰り出されたシート状のラベル基材Sを折り変えらせることでその折り畳み位置を変化させるものである。
また、本願でいうラベル供給システムは、ラベル基材搬送装置3、ラベル生成装置4、ラベル搬送装置5、及びラベル受渡装置6によって構成され、ラベル基材搬送装置3はラベル基材搬送手段に、ラベル生成装置4はラベル生成手段に、ラベル搬送装置5はラベル搬送手段に、ラベル受渡装置6は受け取り手段に、それぞれ対応している。また、ボトル供給装置1は本願でいう被装着部材供給手段に、ラベル装着装置2はラベル装着手段に、それぞれ対応している。
ボトル供給装置1は、複数の中空のボトルBを搬送してラベル装着装置2に供給するものである。ボトル供給装置1は、コンベア11、スクリューコンベア12(以下、単に「スクリュー12」という。)及びスターホイール13からなる。
コンベア11は後述する搬送モータ64によって駆動され、スクリュー12は後述する主軸16に連結されて駆動され、複数のボトルBを搬送する。具体的には、コンベア11は、多数のボトルBを一列に並べて搬送する機能を果たし、スクリュー12は、コンベア11によって搬送される多数のボトルB(これらのボトルBの間隔は必ずしも一定ではない)の間隔を所定の間隔(スターホイール13の周縁に形成されたボトルBを保持するための複数の凹部13aの間隔に相当)に調整する機能を果たす。
スターホイール13は、ラベル装着装置2の後述する主軸16と同期して回転し、外周部において複数のボトルBを等間隔で保持しながらラベル装着装置2に受け渡す。具体的には、スターホイール13は、コンベア11及びスクリュー12によって搬送された各ボトルBをボトル保持用の各凹部13aで保持してラベル装着装置2に搬送する機能を果たす。
ラベル装着装置2は、ボトル供給装置1から供給されたボトルBを保持しながら、それらを周方向に搬送するとともに、搬送途中においてラベル受渡装置6からラベルLが受け渡され、受け渡されたラベルLをボトルBに嵌挿し、ラベルLが装着されたボトルBをボトル搬送装置7に受け渡すものである。
ラベル装着装置2は、ボトルBを保持するための図示しない複数のラベル装着ヘッドと、複数のラベル装着ヘッドを放射状に一定間隔(この間隔はスターホイール13の各部13aの間隔と略同一である)で取り付けられた主軸16とを有している。ラベル装着ヘッドは、後述する主軸モータ62によって主軸16が回転されることにより回転される。なお、ラベル装着ヘッドの回転速度は、後述する上位制御装置60によって制御され、ボトルBの生産量に応じて変化可能とされている。ラベル装着ヘッドには、図示しないラベル嵌挿部が設けられている。ラベル嵌挿部は、ラベル受渡装置6によって受け渡されたラベルLをボトルBに上方から嵌挿する(図1では紙面に垂直な手前側から紙面上に向かう方向で嵌挿する)ものである。
ラベル装着装置2は、ボトル受渡位置K1(図1参照)においてボトル供給装置1から供給されたボトルBを、ラベル装着ヘッドに保持しながら周方向に搬送する。ラベル装着装置2は、ラベル受渡装置6から受渡位置K2においてラベルLを受け取り、その受け取ったラベルLをラベル装着位置K3において、ラベル嵌挿部によりボトルBに装着する。そして、ラベル装着装置2は、受渡位置K4において、ラベルLが装着されたボトルBをボトル搬送装置7に受け渡す。
ボトル搬送装置7は、ボトルBに装着されたラベルLを熱収縮させるための図示しない加熱装置に、ラベルLが装着されたボトルBを搬送するためのものである。ボトル搬送装置7は、スターホイール18及びコンベア20からなる。ラベル装着装置2に対して、ボトル供給装置1をボトルBの入力側とすると、ボトル搬送装置7はボトルBの出力側となる。
スターホイール18は、ラベル装着装置2の主軸16と同期して回転し、ラベル装着装置2のラベル装着ヘッドから受け渡されたボトルBを等間隔で保持して(スターホイール18の周縁に形成されたボトル保持用の凹部18aで保持して)コンベア20に向けて搬送する。コンベア20は後述する搬送モータ66によって駆動され、スターホイール18から搬送されたボトルBを加熱装置に向けて搬送する。
ラベル基材搬送装置3は、基材繰出部22から繰り出された長尺状のラベル基材Sを所定の速度で連続的に送り出すものである。ラベル基材搬送装置3は、図2に示すように、後述する送りモータ68によって駆動される送りローラ23と、この送りローラ23との間に略シート状に折り畳まれたラベル基材Sを挟み込む従動ローラ24とから構成されている。送りモータ68は、後述する制御装置61によって回転制御される。両ローラ23,24によって挟み込まれたラベル基材Sは、送りローラ23の回転によって一定速度で送り出され、それらの下方に設けられたラベル生成装置4の回転刃28(後述)における基材切断位置K5(図2参照)に供給される。
ラベル基材Sは、ボトルBに装着される略筒状のラベルLが連続的に繋がったものである。ラベル基材Sは、基材繰出部22においては略シート状に折り畳んだ状態で例えば図示しない基材リールに巻回されている。
ラベル生成装置4は、ラベル基材搬送装置3によって供給されたラベル基材Sを所定長さに順次切断することにより複数のラベルLを生成するものである。ラベル生成装置4は、基材切断位置K5に固定設置された固定刃27と、後述する回転刃モータ71によって駆動される回転刃28とによって構成されている。回転刃モータ71は、後述する制御装置61によってその回転が制御され、上記送りローラ23とその回転速度の同期がとられている。回転刃28は、1回転する毎に、ラベル基材搬送装置3によって連続的に送り出されるラベル基材Sを順次切断することで、所定長さのラベルLを順次生成する。
例えば、回転刃28が1回転する時間をt[秒]、送りローラ23及び従動ローラ24によって搬送されるラベル基材Sの搬送速度をV[cm/秒]とすると、ラベル基材Sは、V・t[cm]単位で切断されることになる。したがって、ラベル基材Sに一列に配列印字された多数のラベルLの長さをZ[cm]とすると、ラベル基材Sの先頭の切断位置を合わせ、Z/tの搬送速度でラベル基材Sを搬送すれば、時間t[秒]毎にラベル基材Sが長さZ[cm]単位で切断されることになり、これにより各ラベルLが順次生成されることになる。
ラベル搬送装置5は、ラベル生成装置4によって生成されたラベルLを、下方に位置するラベル受渡位置K6(図1及び図2参照)に順次搬送するものである。ラベル搬送装置5は、基材切断位置K5近傍及びラベル受渡位置K6にそれぞれ設けられたガイドローラ30と、後述するフィードモータ73の駆動によって回転されるプーリ31と、そのプーリ31に掛け渡される2本のフィードベルト32と、このフィードベルト32にラベルLを吸収保持させる吸引機構部33と、ラベルLをその下端から上端にわたってフィードベルト32に順次密着させることで吸引機構部33によるフィードベルト32へのラベルLの吸引保持動作を補助する吸引補助部34とによって構成されている。
2本のフィードベルト32は、テンションローラ36によって一定の張力が付与され、フィードモータ73の回転駆動によって、基材切断位置K5近傍とラベル受渡位置K6との間を、ラベル基材搬送装置3によるラベル基材Sの供給速度より速い速度で循環移動する。
フィードベルト32は、図3に示すように、搬送しようとするラベルLの幅よりも狭い間隔で上下方向に平行に配置されており、各フィードベルト32にはその幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔32aが一定間隔で形成されている。
吸引機構部33は、ガイドローラ30,30間に各フィードベルト32に沿ってそれぞれ配置された吸引室38と、この吸引室38に形成された接続口38aに図示しないチューブ等を介して接続されるコンプレッサ等の吸引装置77(後述)とから構成されている。各吸引室38のフィードベルト32との接触面には、吸引口38bが開放されている。
吸引補助部34は、ラベルLの搬送経路を挟んで、各フィードベルト32に対向するように設けられており、2個一対の押圧ローラ40、2個のガイドローラ41a,41b、及び図示しないモータの駆動によって回転されるプーリ42に掛け渡されるベルト43と、このベルト43に張力を与えるためのテンション付与機構部44とから構成されている。プーリ42により駆動されるベルト43は、フィードベルト32の移動速度と同一速度で循環移動するように設定されている。押圧ローラ40は、基材切断位置K5から送られてくるラベルLをフィードベルト32に密着させるために、ベルト43を介してラベルLをフィードベルト32側に押圧するものである。
ラベル搬送装置5の搬送経路の途中には、ラベル詰まりセンサ26が設けられている(図2参照)。ラベル詰まりセンサ26は、フィードベルト32上を搬送されるラベルLの詰まり具合を検出するものである。より具体的には、ラベル詰まりセンサ26は、フィードベルト32上を搬送されるラベルLの有無を光学的に検出するものであり、例えば発光部26a及び受光部26bによって構成されている。発光部26aは所定の指向性を有する光を発光するものであり、受光部26bは、発光部26aに対向して設けられ、発光部26aから発光される光を受光するものである。
ラベル詰まりセンサ26は、発光部26aと受光部26bとの間であってラベル検出位置K7(図2参照)を、フィードベルト32上を搬送されるラベルLが通過するように設けられている。そのため、受光部26bでは、発光部26aとの間にラベルLが存在すると、発光部26aからの光が遮光されて到達しなくなる。また、受光部26bでは、発光部26aとの間にラベルLが存在しなくなると、発光部26aからの光を受光する。これにより、ラベル詰まりセンサ26では、フィードベルト32上を搬送されるラベルLが通過したことを検出することができる。ラベル詰まりセンサ26の検出結果は、後述する制御装置61に出力され、制御装置61において、フィードベルト32上を搬送されるラベルLを検出した検出タイミングが認識されるようになっている。
なお、この実施形態では、上記ラベル詰まりセンサ26を、後述するラベルLの搬送ずれの検出制御に流用している。すなわち、通常、ラベル詰まりセンサ26は、ラベル搬送装置5においてラベルLが搬送されずに搬送経路において詰まったか否かを判別するために用いられるが、本実施形態では、その判別に加え、ラベル搬送装置5におけるラベル搬送において、ラベルLの搬送ずれがなかったか否かをも判別するようにされている。
また、ラベル搬送装置5は、ラベルLを上下方向に搬送するものに限らず、略水平方向に搬送するものであってもよい。この場合、ラベル装着装置2の構成は、略水平方向に沿ってボトルBが搬送される構成に代えて、略鉛直方向に沿ってボトルBが搬送される構成とされてもよい。また、ラベル搬送装置5は、ラベルLを吸着して搬送するものに限らず、例えばラベルLを図示しない挟持装置で挟み込むようにして搬送されてもよい。
ラベル受渡装置6は、ラベル搬送装置5によってラベル受渡位置K6に搬送されたラベルLを受け取り、図1に示すラベル装着装置2のラベル受渡位置K2に受け渡すためのものである。
ラベル受渡装置6は、ラベルLを吸着保持する複数のテイクアップ部材46と、それらを放射状に支持する回転軸47とを備えている。テイクアップ部材46は、図4(a) に示すように、上下方向に延びた基部48と、基部48から左右方向に延出された複数のアーム部49とを有している。テイクアップ部材46は、その表面に吸引口46aが形成され、吸引口46aは、後述する吸引装置78に接続されている。テイクアップ部材46は、図4(b) に示すように、受け取ったラベルLをこの吸引装置78による吸引力によって吸引しながら搬送する。
ラベル受渡装置6の回転軸47(図1参照)は、後述する上位制御装置60によってラベル装着装置2の主軸16に図示しないギアを介して連結されており、この主軸16と連動かつ同期して回転される。テイクアップ部材46は、回転軸47が回転駆動されることにより、図2に示すように略水平方向に移動されて、ラベル受渡位置K6においてラベルLを順次受け取るようになっている。
通常のシステム運転時においては、ラベル搬送装置5によってフィードベルト32のラベル受渡位置K6にラベルLが搬送されるタイミングと、テイクアップ部材46によってラベルLを受け取るタイミングとが一致するように設定されている。つまり、ラベル搬送装置5によってラベル受渡位置K6にラベルLが搬送されたタイミングで、テイクアップ部材46がラベルLを順次受け取るようになっている。
テイクアップ部材46によって移動されるラベルLは、図1に示す受渡位置K2においてラベル装着装置2に受け渡される。ラベル装着装置2のラベル装着ヘッドには、図5(同図は上から見た図)に示すように、テイクアップ部材46によって移動されるラベルLを受け取るための受取部50が設けられている。受取部50は、先端に把持部51,51が取り付けられた開閉可能な一対の揺動アーム52,52と、揺動アーム52,52を開閉させる開閉装置53と、把持部51,51に把持されるラベルLを吸引するための図示しない吸引装置とによって構成されている。なお、図5(a) は、ラベルLを把持部51が把持した状態を示し、図5(b) は、シート状のラベルLを筒状に開口した状態を示している。
把持部51は、図6(同図は横から見た図)に示すように、上下方向に延びた基部54と、基部54から略水平方向に延びた複数の把持アーム部55とによって構成されている。受取部50は、テイクアップ部材46によって片面が吸引保持された状態で搬送されたラベルLを、受渡位置K2において、図6に示すように、把持アーム部55がテイクアップ部材46のアーム部49と互いに離間しつつ交互に組み合わされる状態となりながら、ラベルLを把持することにより受け取る。受取部50によって開口されたラベルLは、図1に示すラベル装着位置K3において、ラベル嵌挿部によってボトルBに対して上方から嵌挿されるようになっている。なお、ラベルLは、ラベル受渡装置6が用いられずに、ラベル搬送装置5から直接的にラベル装着装置2に受け渡されるようにしてもよい。
図7は、ラベル装着システムの電気的構成を示すブロック図である。このラベル装着システムは、上位制御装置60及び制御装置61を備えており、上位制御装置60には、制御装置61が接続され、上位制御装置60及び制御装置61の間では、ラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が互いに入出力される。
上位制御装置60は、このラベル装着システムを統括的に制御する装置である。上位制御装置60には、ラベル装着装置2の主軸16を回転させるための主軸モータ62を駆動するインバータ63が接続されている。上位制御装置60は、主軸モータ62を回転駆動させるための制御信号をインバータ63に出力すると、インバータ63から主軸モータ62に対して駆動信号が出力され、これにより、主軸モータ62が回転駆動され、主軸16及びスクリュー12が回転される。
また、上位制御装置60には、ボトル供給装置1のコンベア11を動作させるための搬送モータ64を駆動するインバータ65が接続されている。上位制御装置60は、コンベア11を動作させるための制御信号をインバータ65に出力すると、インバータ65から搬送モータ64に対して駆動信号が出力され、これにより、搬送モータ64が回転駆動され、コンベア11がラベル装着装置2に向けてボトルBを搬送する。
上位制御装置60には、ボトル搬送装置7のコンベア20を動作させるための搬送モータ66を駆動するインバータ67が接続されている。上位制御装置60は、コンベア20を動作させるための制御信号をインバータ67に出力すると、インバータ67から搬送モータ66に対して駆動信号が出力され、これにより、搬送モータ66が回転駆動され、コンベア20がボトルBを図示しない加熱装置に向けて搬送する。
上位制御装置60は、主軸モータ62、搬送モータ64,66の回転速度を変化させることが可能とされ、これらの回転速度が変化されることにより、ボトルBの供給速度を変化させることができる。なお、ラベル受渡装置6の回転軸47は、主軸モータ62によって回転される主軸16と連動して回転されるため、上位制御装置60によって主軸16の回転速度が変化すると、それに同期して回転軸47の回転速度も変化する。
上位制御装置60には、フィードベルト32にラベルLを吸引保持させるための吸引装置77が接続されている。吸引装置77は、制御装置61からの制御信号によって制御される。
上位制御装置60には、テイクアップ部材46がラベルLを吸引するための吸引装置78が接続されている。吸引装置78は、制御装置61からの制御信号によって制御される。
制御装置61は、図示しないマイクロコンピュータを備えており、上位制御装置60からの指令及び予め記憶された動作プログラムに基づいて、ラベル基材搬送装置3の送りローラ23、ラベル生成装置4の回転刃28、及びラベル搬送装置5のフィードベルト32の各動作を制御するものである。制御装置61には、各種のデータを記憶するための図示しないメモリが備えられている。
制御装置61には、回転軸47に接続されたレゾルバ70が接続されている。レゾルバ70は、1本のボトルBがラベル装着装置2によって搬送され現在の位置から一つ前のボトルBの位置に移動するまでの期間において、所定の基準電圧を後述するバリカム80に対して出力するものである。
制御装置61は、回転軸47に接続されたパルスエンコーダ100の検出信号を入力することにより、ラベル受渡装置6のテイクアップ部材46の回転速度を常時把握している。制御装置61には、バリカム80が接続されており、制御装置61は、バリカム80から出力される、回転刃28がラベル基材Sを切断するための切断タイミング信号に基づいて、回転刃モータ71を制御する。
制御装置61には、送りローラ23を回転駆動するための送りモータ68を制御するサーボアンプ69が接続されている。制御装置61は、送りローラ23を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ69に出力すると、サーボアンプ69から送りモータ68に対して駆動信号が出力され、これにより、送りモータ68が回転駆動され、送りローラ23が回転する。また、制御装置61には、送りモータ68に取り付けられた図示しないエンコーダの検出信号がサーボアンプ69を介して入力される。
制御装置61には、回転刃28を回転駆動するための回転刃モータ71を制御するサーボアンプ72が接続されている。制御装置61は、回転刃28を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ72に出力すると、サーボアンプ72から回転刃モータ71に対して駆動信号が出力され、これにより、回転刃モータ71が回転駆動され、回転刃28が回転する。また、制御装置61には、回転刃モータ71に取り付けられた図示しないエンコーダの検出信号がサーボアンプ72を介して入力される。
制御装置61には、フィードベルト32が掛け渡されたプーリ31を回転駆動するためのフィードモータ73を制御するサーボアンプ74が接続されている。制御装置61は、プーリ31を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ74に出力すると、サーボアンプ74からフィードモータ73に対して駆動信号が出力され、これにより、フィードモータ73が回転駆動され、プーリ31が回転してフィードベルト32が循環移動される。また、制御装置61には、フィードモータ73に取り付けられたパルスエンコーダ76が接続されており、パルスエンコーダ76の検出信号が入力される。
制御装置61には、フィードベルト32上を搬送するラベルLを検出するためのラベル詰まりセンサ26が接続されており、ラベル詰まりセンサ26の出力信号が入力される。制御装置61は、ラベル詰まりセンサ26からの出力信号により、ラベル詰まりセンサ26が、フィードベルト32上を搬送するラベルLを検出したタイミングを認識するようになっている。
制御装置61には、作業者がラベル装着動作に関する各種の設定を行ったり、ラベル装着動作の状態を表示したりするための操作表示装置75が接続されている。操作表示装置75は、操作表示画面となる部分がいわゆるタッチパネルと、そのタッチパネルの背面に設けられた表示部とによって構成されており(いずれも図示せず)、例えば作業者がタッチパネルを通じて所定の操作を行うと、それに応じた操作信号が制御装置61に出力される。また、操作表示装置75には、制御装置61からの表示データが入力され、表示部にその表示データに応じた表示内容が表示される。
図8は、操作表示装置75の表示部に表示される画面の一例を示す図である。操作表示装置75の表示画面には、図8に示すように、基材切断位置K5からラベル検出位置K7までの距離P(図2参照、以下「設定基準距離P」という)を設定するための距離設定部75aと、後述する検出幅Wに相当する距離を設定するための検出幅設定部75bと、検出幅設定部75bに表示された検出幅Wに相当する距離をデフォルト値に戻すための変更取消スイッチ75cと、その検出幅設定部75bに表示された表示値を入力確定するための入力確定スイッチ75dとが設けられている。
検出幅Wは、ラベルLが正常にフィードベルト32上を搬送されたか否かを判別するときの許容幅となるものであり、予め作業者によってそれに相当する長さが設定されるものである。検出幅設定部75bにおいて例えば10mmと設定されると、設定基準距離Pを基準にして±10mm(20mm)が検出幅Wに相当する許容範囲となる。なお、検出幅設定部75bのデフォルト値として、例えば10mmが予め設定されている。
本実施形態の制御装置61では、予め設定された設定基準距離PをラベルLが移動したと仮定した場合における、フィードモータ73に取り付けられているパルスエンコーダ76が出力するパルス数(以下「設定基準パルス数」という)が算出される。フィードモータ73が1回転したときにラベルLが移動する距離は予め認識されているため、設定基準パルス数は、容易に算出することができる。また、設定基準パルス数を中心にした検出幅Wに相当するパルス数(以下「検出幅パルス数」という)が算出される。検出幅Wは、検出幅設定部75bを介して入力された長さに基づいて容易に算出することができる。
ラベル装着システムの運転開始後には、実際にラベル基材Sが切断されてからラベル詰まりセンサ26によって検出されるまでにラベルLが搬送される距離P′(以下「ラベル搬送距離P′」という。)において、フィードモータ73のパルスエンコーダ76の出力パルス数(以下、「計測パルス数」という)を計測する。そして、上記設定基準パルス数に対して、計測パルス数がほぼ一致しているか否かを判別し、計測パルス数が設定基準パルス数を中心とした検出幅Wに相当するパルス数を外れている場合、搬送異常と判別し、ラベル装着システムを停止するようになっている。
このラベル装着システムにおいては、ラベル搬送装置5によってラベルLが搬送される際、何らかの外的要因でラベルLの搬送ずれが生じることがある。本実施形態における制御装置61は、その搬送ずれをバリカム80を用いることなく、上述したラベル搬送ずれの検出制御によって確実に検出するようにしている。
次に、制御装置61等が行うラベル搬送ずれの検出制御を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
このラベル装着システムでは、まず、作業者によって初期情報として基材切断位置K5からラベル検出位置K7までの距離を示す設定基準距離Pが実測され、設定基準距離Pの値が操作表示装置75を介して予め入力される。また、作業者によって操作表示装置75を介して任意の検出幅Wに相当する長さが入力される。なお、検出幅Wに相当する長さが作業者によって入力されない場合は、検出幅Wに相当する長さとしてデフォルト値が採用される。
制御装置61は、作業者によって距離設定部75a及び検出幅設定部75bから設定基準距離P及び検出幅Wに相当する長さが入力されるか否かを監視しており(S1)、設定基準距離P及び検出幅Wに相当する長さが入力されたと判別した場合(S1:YES)、入力された設定基準距離Pに基づいて、設定基準距離PをラベルLが移動したと仮定した場合におけるフィードモータ73の回転量を算出する(S2)。より具体的には、フィードモータ73に接続されたパルスエンコーダ76が出力する、設定基準距離PをラベルLが移動したと仮定した場合における設定基準パルス数を算出する。算出された設定基準パルス数は、図示しないメモリに記憶される。
また、検出幅Wに相当する長さに基づいて、その長さに相当するフィードモータ73のパルスエンコーダ76が出力する検出幅パルス数も算出され、図示しないメモリに記憶される。
次いで、ラベル装着システムの運転が開始され(S3)、ラベル生成装置4によってラベル基材Sが切断され(S4:YES)、新たにラベルLが生成されると、生成されたラベルLは、ラベル搬送装置5のフィードベルト32上で吸引されながら下方へ搬送される。
このとき、制御装置61は、ラベル基材Sが切断されたときから、フィードモータ73のパルスエンコーダ76の出力である計測パルス数の計測を開始する(S5)。
その後、ラベルLがラベル搬送装置5によって下方に搬送されると、制御装置61は、計測された計測パルス数が設定基準パルス数を中心とした検出幅Wに相当するパルス数に到達したか否かを判別する(S6)。
計測パルス数が検出幅Wに相当するパルス数に到達したと判別したとき(S6:YES)、ラベル詰まりセンサ26によってラベルLが検出されたか否かを判別する(S7)。
具体的には、図10(a) に示すように、ラベル詰まりセンサ26の受光部26bがラベルLによって遮光されると、検出信号が通常のオン状態からオフ状態になる。検出信号は所定時間Tの間、オフ状態を維持した後、ラベルLの上端が発光部26a、受光部26b間を通過した瞬間に受光部26bが発光部26aからの光を受光することにより、検出信号はオフ状態からオン状態になる。制御装置61では、検出信号がオフ状態からオン状態になるとき(以下「検出基準時t」という)を、当該ラベルLがラベル詰まりセンサ26を通過したときと認識し、すなわち、当該ラベルLが検出されたと判別する。
ラベル詰まりセンサ26によってラベルLが検出されたと判別すると(S7:YES)、制御装置61は、計測パルス数の計測を停止し(S8)、ステップS4に戻り、次に切断されて生成されるラベルLについて同様の判別処理を行う。
一方、計測パルス数が検出幅Wに相当するパルス数に到達したと判別したのにもかかわらず、ラベル詰まりセンサ26によってラベルLが検出されない場合(S7:NO)、制御装置61は、ラベルLの搬送異常と判別し、ラベル装着システムを即座に停止する(S9)。
例えば、図11に示すように、フィードベルト32による搬送方向に対してずれて搬送されたラベルLbは、本来、正常に搬送されるべくラベルLaに対して早くその上端が検出され、検出基準時tがラベルLaより早まることになる。すなわち、図10(a) が本来、正常に搬送されるべくラベルLaの検出タイミングとすると、ラベルLbは、図10(c) に示すように、その上端が検出されるタイミング(検出基準時t)がラベルLaの検出タイミングより早くなり、検出幅Wを外れることになる。なお、ラベルLbの下端が検出されるタイミングもラベルLaの検出タイミングより早くなる。
なお、上記では、説明の都合上、ラベル基材Sが切断されて生成されたラベルLが即座にラベル詰まりセンサ26によって検出される場合について説明したが、実際には、フィードベルト32上には、通常、数枚のラベルLが同時に搬送されるため、ラベルLがラベル基材Sが切断されて生成された後、当該ラベルLがラベル詰まりセンサ26で検出されるまでの間に、フィードベルト32上で搬送されているラベルLがラベル詰まりセンサ26によって検出されるので、本来、検出されなければならないラベルLと異なるラベルLを検出してしまう。そこで、制御装置61では、切断されて生成されたラベルLがフィードベルト32上を搬送され、当該ラベルLが適切にラベル詰まりセンサ26によって検出されるように所定の時間制御を行っている。
このように、ラベル搬送装置5におけるラベルLの搬送において、ラベルLの搬送ずれがあった場合、設定基準距離Pと切断時から検出時までにおけるラベルLの搬送距離とに基づいて制御装置61によってその異常が判別される。そのため、従来の構成のように、ラベル搬送ずれの検出制御における検出の際の許容範囲の設定をバリカム80によって行わなくてよいので、より確実に検出幅Wを設定することができ、実際にラベルの搬送ずれが生じていないのにもかかわらず、ラベル装着システムを頻繁に停止してしまうといった不安定な運転状態を回避することができる。
また、従来では、背景技術の欄で説明したように、バリカム80によって検出の許容範囲の調整を行っていたが、上記実施形態によればバリカム80に対する設定入力が不要となるため、バリカム80に対する設定入力の手間が格段に省かれることになり、作業者の労力を大幅に削減することができ、作業者の作業性を向上させることができる。
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。