JP4827960B2 - 画像形成装置、及び、現像装置 - Google Patents
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Description
そして、トナーカートリッジとしては、細長い円筒状や箱状のものであって、トナーを撹拌・搬送する回転部材が内部に設置されたものが多く用いられている。
これに対して、例えば、特許文献1には、回転部材(撹拌部材)を回転軸方向に揺動する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、回転部材の負荷トルクを検出して、その負荷トルクが大きい場合に負荷開放機構によって回転部材を回転させない技術が開示されている。
まず、特許文献1の画像形成装置においては、トナーカートリッジ内に設置された回転部材を回転軸方向に揺動しても、その揺動範囲の近傍にあるトナーのみがほぐされるだけで、カートリッジ内の凝集トナー全体をほぐしきれない場合があった。特に、長手方向に長いカートリッジの場合には、そのような問題が無視できなかった。
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、実施の形態1の画像形成装置における要部を示す構成図である。図1において、2は像担持体としての感光体ドラム、5は感光体ドラム2に対向するように設置される現像部、51は現像部5に設置された現像ローラ、52は現像ローラ51に対して離間して設置された現像ドクタ、53は現像部5内の現像剤を現像ローラ51に搬送する撹拌パドル、54はトナーを撹拌・搬送する撹拌ローラ、55は現像ローラ51から離脱した現像剤を搬送する撹拌スクリュ、56はトナーカートリッジ6を着脱自在に保持する保持部を示す。
一方、トナーカートリッジ6には、非磁性トナーのみが収納されている。そして、現像部5内における現像剤中のトナーの消費量に応じて、トナーカートリッジ6から現像部5に適宜にトナーが補給される。
詳しくは、感光体ドラム2に対向する不図示の光学センサ(Pセンサ)によって、現像部5内におけるトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)を間接的に検出する。そして、その検出結果に応じて、駆動伝達部90によって回転部材64を所定時間だけ回転駆動して、開口部61aからトナーを補給する。
また、現像部5の保持部56は、トナーカートリッジ6を図中の双方向の矢印方向に回転可能に保持する。ここで、保持部56に設置されたトナーカートリッジ6は、当接部63aがストッパ部80a及び保持部56端部に当接することによって、その回転角度(回転範囲)が規制されている。なお、トナーカートリッジ6を設置した後の動作については、後で詳しく説明する。
まず、図中矢印方向に回転する撹拌パドル53及び撹拌ローラ54によって、現像剤は撹拌混合されるとともに、現像ローラ51に向けて搬送される。現像ローラ51に搬送された現像剤は、現像ローラ51内に固設されたマグネットによって、現像ローラ51のスリーブ表面に磁着する。現像ローラ51上に汲み上げられた現像剤は、現像ローラ51の図中矢印方向の回転によって、現像ドクタ52の位置に達する。そして、この位置で、現像ローラ51上の現像剤の量が規制される。そして、適量に規制された現像ローラ51上の現像剤は、感光体ドラム2との対向位置(現像領域である。)に達して、現像剤中のトナーが感光体ドラム2上に形成された静電潜像に移転してトナー像を形成する。
一方、現像ドクタ52によって規制されて現像ローラ51から離脱した後の現像剤は、搬送スクリュ55やセパレータによって、撹拌混合されながら現像部5内の現像剤中に戻される。
図2において、1は画像形成装置としての広幅紙対応型の複写機、2は感光体ドラム、3は感光体ドラム2表面を帯電する帯電部、4は原稿Dの画像情報に基づいた露光光Lを発する書込部、5は現像部、6はトナーカートリッジ、10は感光体ドラム2上で形成されたトナー像を転写紙に転写する転写部、11は感光体ドラム2上の未転写トナーを回収するクリーニング部、12は感光体ドラム2の表面電位をリセットする除電部を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部20の搬送ローラによって、図中の矢印方向に搬送されて、所定位置に固設された原稿読取部21上を通過する。このとき、原稿読取部21では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。ここで、原稿Dは、例えば、A0サイズの広幅の原稿である。
そして、原稿読取部21で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、書込部4に転送される。そして、書込部4からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、感光体ドラム2上に向けて発せられる。
その後、潜像が形成された感光体ドラム2表面は、現像部5との対向部(現像領域)に達する。現像ローラ51には、不図示の電源部によって、所定の電圧が印加されており、現像剤中のトナーが現像領域に形成された電界によって、潜像に移動して付着する。
このとき、感光体ドラム2上には、転写紙に転写されない未転写トナーが僅かながら残存する。
その後、クリーニング部11を通過した感光体ドラム2表面は、除電部12に達する。そして、ここで感光体ドラム2表面の電位は除電されて、一連の作像プロセスを終了する。
ここで、ロール状の転写紙は、給紙部14から給送された後に、用紙カット部16にて、所望の用紙長(搬送方向の長さである。)に裁断される。
その後、定着工程後の転写紙は、排紙ローラ対19を通過して、画像形成装置1の外に向けて排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図3に示すように、トナーカートリッジ6は、主として、円筒部材61、駆動側フランジ62、従動側フランジ63、回転部材64、従動カップリング65、シール部材66等で構成される。なお、トナーカートリッジ6の組み立ての過程で、その内部にトナーが充填される。
さらに、円筒部材61の駆動側端部に設置された駆動側フランジ62には、回転部材64の軸部と連結する従動カップリング65が設置される。従動カップリング65には係合部65aが形成されていて、この係合部65aに不図示の駆動伝達部からの回転力が入力されて回転部材64が回転駆動される。
図4は、駆動伝達部90(現像駆動系)の構成を示す概略斜視図である。図4に示すように、駆動伝達部90は、主として、複数のギア91〜93と、係合部材としての駆動カップリング94とからなる。
駆動カップリング94には駆動軸95が設置されていて、この駆動軸95が、同軸上に配設されるギア93に一体的に形成されたクラッチ93aに連結される。また、駆動カップリング94には係合部97aがトナーカートリッジ6に対向するように配設されていて、この係合部97aが、トナーカートリッジ6の係合部65aに係合される。
図5に示すように、図4で説明した係合部材としての駆動カップリング94は、主として、駆動軸95と、カム96と、ケース97とで構成される。また、駆動カップリング94とギアカバー100との間には、付勢部材としての圧縮スプリング98が設置されていて、駆動カップリング94は圧縮スプリング98によってトナーカートリッジ6側に付勢されている。さらに、ケース97の端面には係合部97aがトナーカートリッジ6側に突出するように形成されており、この係合部97aがトナーカートリッジ6の係合部65aと係合する。
一方、ジョイント部95aに対向するカム96のカム部には、ジョイント部95aの斜面部95bと嵌合する斜面部が形成されている。
そして、上述した通常の画像形成プロセスがおこなわれる。
その後、ジョイント部95aを備えた駆動軸95は、1回転分だけ空転して、再び圧縮スプリング98の付勢力によって、カム96と嵌合する(図5の状態である。)。
そして、駆動伝達部90にかかる負荷が大きいときには、上述したトナーカートリッジ6の双方向の回転運動と駆動カップリング94の退避運動とが繰り返されることになる。そして、その間、トナーカートリッジ6には周方向の振動が与えられるために、やがて凝集トナーはほぐされて、駆動伝達部90にかかる負荷が低減される。そして、駆動伝達部90にかかる負荷が低減された後に、駆動伝達部90から回転部材64への回転力の伝達がおこなわれて、通常の画像形成プロセスがおこなわれることになる。
図7(A)及び図7(B)において、95aはジョイント部、95bはジョイント部95aに形成された斜面部、96aはカム96のカム部、96bはカム部96aに形成された斜面部である。
ここで、ジョイント部95aの斜面部95bと、カム部96aの斜面部96bとは、それぞれ、ジョイント部95aの端面に対して角度θだけ傾斜するように形成されている。そして、双方の斜面部95b、96bが接触して、回転力が伝達される。
斜面部95b、96bには、駆動による反力T(駆動伝達部90にかかる負荷である。)と、圧縮スプリング98による付勢力Fとが作用する。なお、図中の回転力Tの矢印方向が回転部材64の回転方向であり、付勢力Fの矢印方向が付勢方向(トナーカートリッジ6側である。)となる。
そして、反力Tが充分に小さいとき(トナー凝集がないときである。)、斜面部95b、96bにかかる力の釣り合いにより、カム部96aの斜面部96bはジョイント部95aの斜面部95b上を移動することなく、回転力の伝達がされる。
F×sinθ+μN>T×cosθ
N=F×cosθ+T×sinθ
なる関係が成立して、カム部96aがジョイント部95aに密着する方向への力の釣り合いとなる。ここで、Nは斜面部95b、96bにかかる垂直抗力であり、μは斜面部95b、96bの摩擦係数である。
F×sinθ+μN<T×cosθ
なる関係が成立して、カム部96aがジョイント部95aから離脱する方向への力の釣り合いとなる。
そして、カム部96aは、図7(B)に示すように、ジョイント部95aの斜面部95bを乗り越えて(斜線で示す96a1〜96a2への移動である。)、その後に圧縮スプリング98の付勢力によって再びジョイント部95aに密着する(斜線で示す96a3への移動である。)。さらに、1回転して、カム部96aは、再びジョイント部95aの斜面部95bに当接する(図7(A)の位置である。)。
なお、上述の力の釣り合い式において、反力Tに対して、付勢力Fは圧縮スプリング98のスプリング力を選定することにより、傾斜角度θは斜面部95b、96bの形状を選定することにより、摩擦係数μは斜面部95b、96bの材料を選定することにより、変更可能な変数である。したがって、付勢力F、傾斜角度θ、摩擦係数μを最適に設定することで、トナーカートリッジ6がストッパ部80aに衝突するときの反力Tに応じて、上述の接離機構を確実に機能させることができる。
図8〜図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2の画像形成装置に設置されるトナーカートリッジ6の近傍を示す断面図であって、前記実施の形態1における図5に対応する図である。また、図9は、図8のトナーカートリッジ6近傍における駆動空転時の状態を示す断面図であり、前記実施の形態1における図6に対応する図である。
本実施の形態2の画像形成装置は、トナーカートリッジ6の従動側に第2付勢部材110を設置している点が、前記実施の形態1と相違する。
一方、トナーカートリッジ6の駆動側においては、前記実施の形態1と同様に、第1付勢部材としての圧縮スプリング98を備えた駆動伝達部90が設置されている。
なお、第2付勢部材110の圧縮スプリング111のスプリング力は、駆動伝達部90の圧縮スプリング98のスプリング力よりも小さくなるように設定されている。
まず、駆動伝達部90にかかる負荷が小さいときには、前記実施の形態1と同様に、ジョイント部95aの斜面部95bとカム96の斜面部96bとが嵌合して(図8の状態である。)、駆動伝達部90から回転部材64のみに回転力が伝達される。そして、通常の画像形成プロセスがおこなわれる。
このとき、トナーカートリッジ6は、第2付勢部材110の付勢力によって、カム96及びケース9の退避に連動するように、図9中の矢印方向に移動する。
このとき、トナーカートリッジ6は、圧縮スプリング98の付勢力によって、カム96及びケース9の回転軸方向の移動に連動するように、図8の位置に移動する。
このように、本実施の形態2では、圧縮スプリング98及び第2付勢部材110によってトナーカートリッジ6が回転軸方向に振動(揺動)して、その振動がトナーカートリッジ6内のトナーに伝達される。
そして、駆動伝達部90にかかる負荷が大きいときには、トナーカートリッジ6の回転運動と、駆動カップリング94の退避運動に連動したトナーカートリッジ6の軸方向の運動とが、繰り返されることになる。そして、その間、トナーカートリッジ6には周方向の振動に加えて軸方向の振動が与えられるために、やがて凝集トナーはほぐされて、駆動伝達部90にかかる負荷が低減される。そして、駆動伝達部90にかかる負荷が低減された後に、駆動伝達部90から回転部材64への回転力の伝達がおこなわれて、通常の画像形成プロセスがおこなわれることになる。
例えば、回転部材64に駆動伝達部90が連結された状態で、駆動伝達部90にかかる負荷が所定値より大きい場合に、即座に駆動カップリング94を回転軸方向に退避させてもよい。この場合、駆動カップリング94のジョイント部95aからカム96が離脱するときに、慣性力によりトナーカートリッジ6は図1の時計方向に回転してストッパ部80aに衝突するために、上記各実施の形態と同様に、トナーカートリッジ6に対して回転方向の振動を与えることができる。
4 書込部、 5 現像部、 6 トナーカートリッジ、 10 転写部、
11 クリーニング部、 12 除電部、
51 現像ローラ、 52 現像ドクタ、 53 撹拌パドル、
54 撹拌ローラ、 55 撹拌スクリュ、 56 保持部、
61 円筒部材、 61a 開口部、 62 駆動側フランジ、
63 従動側フランジ、 63a 当接部、 64 回転部材、
65 従動カップリング、 65a 係合部、 66 シール部材、
80 カバー、 80a ストッパ部、 85 弾性部材、
90 駆動伝達部、 91〜93 ギア、 93a クラッチ、
94 駆動カップリング(係合部材)、 95 駆動軸、
95a ジョイント部、 95b 斜面部、 96 カム、
96a カム部、 96b 斜面部、 97 ケース、 97a 係合部、
98 圧縮スプリング(付勢部材、第1付勢部材)、
110 第2付勢部材、 111 圧縮スプリング、 112 フランジ。
Claims (5)
- トナーを搬送する回転部材を内部に備えたトナーカートリッジと、
像担持体上に形成される潜像を現像するとともに、前記トナーカートリッジが着脱自在に保持される保持部を備えた現像部と、
前記トナーカートリッジの前記回転部材に回転力を伝達する駆動伝達部と、
を備え、
前記駆動伝達部は、前記回転部材に係合して前記回転力を伝達するとともに前記回転部材の回転軸方向に退避可能に形成された係合部材と、前記係合部材を前記トナーカートリッジに向けて付勢する第1付勢部材と、を備え、
前記トナーカートリッジを前記第1付勢部材の付勢方向に対して逆方向に付勢する第2付勢部材をさらに備え、
前記駆動伝達部にかかる負荷が予め定めた値よりも大きいときに、前記係合部材の退避に連動して前記トナーカートリッジを前記第2付勢部材により前記逆方向に移動させて、前記第1付勢部材による前記係合部材の前記付勢方向への移動に連動して前記トナーカートリッジを前記付勢方向に移動させることにより、前記トナーカートリッジに振動を与えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1付勢部材は、圧縮スプリングを具備し、前記係合部材を前記回転軸方向に前記トナーカートリッジに向けて付勢することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第2付勢部材は、圧縮スプリングを具備し、前記第1付勢部材とともに前記トナーカートリッジを前記回転軸方向に挟むように配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記保持部は、前記トナーカートリッジを前記回転部材の回転方向に対して回転可能に保持するとともに、前記トナーカートリッジの前記回転方向への回転角度を規制するストッパ部を備え、
前記負荷が予め定めた値よりも大きいときに前記トナーカートリッジを前記駆動伝達部により前記回転方向に回転させて前記トナーカートリッジを前記ストッパ部に衝突させることにより前記トナーカートリッジに振動を与えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 画像形成装置に設置されるとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
トナーを搬送する回転部材を内部に備えたトナーカートリッジと、
前記トナーカートリッジが着脱自在に保持される保持部と、
前記トナーカートリッジの前記回転部材に回転力を伝達する駆動伝達部と、
を備え、
前記駆動伝達部は、前記回転部材に係合して前記回転力を伝達するとともに前記回転部材の回転軸方向に退避可能に形成された係合部材と、前記係合部材を前記トナーカートリッジに向けて付勢する第1付勢部材と、を備え、
前記トナーカートリッジを前記第1付勢部材の付勢方向に対して逆方向に付勢する第2付勢部材をさらに備え、
前記駆動伝達部にかかる負荷が予め定めた値よりも大きいときに、前記係合部材の退避に連動して前記トナーカートリッジを前記第2付勢部材により前記逆方向に移動させて、前記第1付勢部材による前記係合部材の前記付勢方向への移動に連動して前記トナーカートリッジを前記付勢方向に移動させることにより、前記トナーカートリッジに振動を与えることを特徴とする現像装置。
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