JP4827547B2 - 水素生成能力に関する遺伝子が改良された微生物、その微生物の培養法及び水素生成方法 - Google Patents

水素生成能力に関する遺伝子が改良された微生物、その微生物の培養法及び水素生成方法 Download PDF

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本発明は、蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有し、蟻酸類から水素を生成させることの機能が向上し、かつ乳酸生成経路、例えば乳酸脱水素酵素遺伝子(ldhA)が不活性化、さらにはコハク酸生成経路、例えばフマル酸還元酵素遺伝子(frdABCD)の一部が不活性化されている微生物に関する。また本発明は、前記微生物を用いた培養方法、前記微生物に水素生成能力を付与(誘導発現)する方法、及び水素生成能力が付与された微生物を用いた水素生成方法に関する。
水素は化石燃料と異なり、燃焼しても炭酸ガスや硫黄酸化物等の環境問題が懸念される物質を発生しない究極のクリーンエネルギー源として注目され、単位質量当たりの熱量は石油の3倍以上あり、燃料電池に供給すれば電気エネルギーおよび熱エネルギーに高い効率で変換できる。
水素生成のために、従来化学的製法として、例えば天然ガスやナフサの熱分解水蒸気改質法等の技術が提案されている。これらの方法は高温高圧の反応条件を必要とし、そしてこの方法により製造される合成ガスにはCO(一酸化炭素)が含まれるため燃料電池用燃料として使用する場合には燃料電池電極触媒劣化の問題があり、このためCOを除去する必要がある。しかしながら、CO除去は、技術的に困難性が伴い、容易ではない。
一方、微生物による生物的水素生成方法は常温常圧の反応条件であること、そして発生するガスにはCOが含まれないためその除去も不要である。このような観点から、微生物による生物的水素生成は燃料電池用燃料供給のより好ましい方法として、注目されている。
生物的水素生成方法には大別して光合成微生物を使用する方法と非光合成微生物(主に嫌気性微生物)を使用する方法に分けられる。前者の方法は水素生成に光エネルギーが用いられるが、低い光エネルギー利用効率のため、広大な集光面積を要し、水素生成装置の価格問題や維持管理の難しさ等、解決しなければならない課題が多く未だ実用的なレベルには至っていない。
後者の方法では、嫌気性微生物における水素生成に関する代謝経路が種々知られている。該代謝経路としては、例えば、グルコースのピルビン酸への分解経路において水素が発生する経路;ピルビン酸からアセチルCoAを経て酢酸が生成する過程において水素が発生する経路;又はピルビン酸由来の蟻酸より直接水素が発生する経路等が挙げられる。ピルビン酸由来の蟻酸より直接水素を発生する経路は、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステム〔FHL(Formate Hydrogen Lyase)システム〕として、多くの微生物が有している。このFHLシステムに関してはエシェリキア・コリについて数多くの報告がある。
嫌気発酵による単位時間単位体積当たりの水素生成速度は遅いことが実用化の障壁となっていたが、特許文献1において、高効率の水素生成方法が開示されている。該特許文献には、水素生成能力の備わっていない好気培養菌体に、嫌気条件下で培養することにより水素生成能力を誘導発現することが記載されているが、遺伝子の改変による水素生成能力向上、および遺伝子の改変により水素生成能力を誘導する時間を短くする方法に関しては何ら言及されていない。
非特許文献1には、乳酸経路を破壊したことによる水素生成速度の向上、および水素収率の向上に関する記載がなされている。該文献には、グルコースからの水素生成に関する記述はなされているものの、水素生成能力の誘導発現、遺伝子の改変による水素生成速度及び収率の向上に関する記述は一切ない。
非特許文献2では、酸化還元レベルの異なる様々な有機性基質による有機酸等の生成バランスについての報告がなされている。該文献においては、乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAおよびフマル酸還元酵素遺伝子frdを不活性化し、乳酸・コハク酸の生成が抑えられた微生物が報告されている。ここでは生成物の酸化還元バランスについての記載がされているものの、水素生成に関する記載は勿論のこと、水素生成能力の誘導発現に関する言及は全くない。
フマル酸還元酵素は4つの遺伝子frdABCDによりコードされ、4種のタンパクがそれぞれサブユニットとなり複合酵素として活性を有するとされているが、非特許文献2ではどのような方法によりフマル酸還元酵素遺伝子(frd)が不活性化されているのか、またいずれのサブユニットが不活性化されているのか不明である。
非特許文献3においては、蟻酸からの水素生成速度が向上した微生物が得られている。該文献に記載の微生物は、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子fhlAが高発現され、さらに蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制遺伝子hycAが不活性化されている。しかしながら、該文献では水素生成能力の誘導発現の強化方法やこれに基因すると思われる水素生成能力の向上に関する記述は全くなされていない。
国際公開第2004/074495A1号 早出広司ら、バイオハイドロゲンII(Biohydrogen II)、2001年、p.195−204 K.Y.ALAMら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacteriology)、1989年、第171巻、p.6213−6217 吉田章人ら、アプライド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー(Applied Enviromental Microbiology)、2005年、第71巻,p.6762−6768
好気培養条件下では、一般に微生物を増殖させて高濃度にすることは容易である。その微生物に嫌気培養条件下で水素生成能力を付与する(即ち誘導発現する)ことも可能である。しかしながら、微生物に水素生成能力を誘導発現するために嫌気培養する際、微生物が高濃度であれば、微生物に充分な水素生成能力を付与することが困難であるという問題点があった。このように嫌気条件下水素生成能力をより効率的に誘導発現しうる微生物の創製が切望されている。
本発明の目的は、従来の技術では解決できなかった、水素生成能力の誘導発現培養時に優れた水素生成能力を獲得しうる新規な遺伝子組み換え技術による創製微生物、該微生物に水素生成能力を誘導する方法、及び水素生成能力を獲得した該微生物と有機性基質として蟻酸化合物を用いる生物的水素生成方法を提供するものである。そのようにして得られる水素生成能力を有する微生物を使用して生成された水素は燃料電池用の燃料源として使用することができる。
本発明者等は、上記の課題を解決することを目的として、鋭意検討を行った結果、蟻酸化合物から水素を生成する能力が向上した微生物が得られることを見出した。さらにこの微生物が高い濃度においても優れた水素生成能力を獲得し、そして高い濃度でも水素生成能力を発揮することができ、しかも水素生成速度が一段と向上した技術となることを見出した。このような知見に基づき、本発明者等はさらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有し、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現され、さらに蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制遺伝子が不活性化されていることにより、蟻酸から水素を生成させる機能が向上し、かつ乳酸生成経路が不活性化されていることを特徴とする微生物、
(2)さらに、コハク酸生成経路が不活性化されていることを特徴とする(1)に記載の微生物、
(3)乳酸生成経路の不活性化が、乳酸脱水素酵素遺伝子の不活性化により行われていることを特徴とする(1)に記載の微生物、
(4)コハク酸生成経路の不活性化が、フマル酸還元酵素遺伝子の一部を不活性化することにより行われていることを特徴とする(2)記載の微生物、
(5)(1)〜(4)に記載の微生物が、通性嫌気性細菌であることを特徴とする微生物、
(6)(5)に記載の通性嫌気性細菌が、エシェリキア・コリの形質転換体であることを特徴とする微生物、
(7)エシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhA ΔfrdBC株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P−20774)、
(8)エシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhA株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P−20773)、
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の微生物を、好気条件下にて培養した後、さらに、嫌気条件で培養することを特徴とする水素生成能力を有する微生物の培養方法、及び
(10)(1)〜(8)のいずれかに記載の微生物を、好気条件下にて培養した後、さらに、嫌気条件で培養し、次いで蟻酸化合物を供給下、前記の培養した微生物を水素発生用溶液中で培養することを特徴とする水素の生成方法に関する。
本発明の微生物は優れた水素生成能力を容易に獲得し、この水素生成能力を獲得した微生物は、蟻酸化合物から単位微生物当たりの水素生成速度が向上し、しかも、水素生成能力を獲得した微生物を用いる水素生成方法では、反応器の容量を小さくすることができ、コンパクトで低コストの水素生成装置を構築することが可能となる。
本発明の微生物は、蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有し、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現され、さらに蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制遺伝子が不活性化されていることにより、蟻酸から水素を生成させる機能が向上し、しかも乳酸生成経路が不活性化され、さらにコハク酸生成回路が不活性化されている。乳酸生成経路が不活性化されている微生物とは、好ましくは乳酸脱水素酵素遺伝子が不活性化されている微生物であり、さらにコハク酸生成回路が不活性化されている微生物とは、好ましくはフマル酸還元酵素遺伝子の一部が不活性化されている微生物である。このような微生物は、好気条件下での培養増殖後、嫌気条件下で培養することにより水素生成機能を獲得し、ついで蟻酸化合物の供給下に水素生成用溶液中で培養することにより、工業的に有利に水素を製造することができる。以下、本発明につき詳細に説明する。
なお上記「高発現」とは、目的遺伝子の発現量が増加されていることを意味し、目的遺伝子を2ケ以上有する場合や目的遺伝子が一つであってもプロモーターの改変等により発現量が増加されている場合等も含む。
「蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制」とは、ピルビン酸由来の蟻酸から水素を生成する経路である蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステム(FHLシステム)の形成が阻害または抑制されることをいう。なお阻害または抑制には、一部阻害または抑制をも含む。
「不活性化」とは、目的遺伝子の発現が阻害または抑制されることをいう。該不活性化には、例えば、目的遺伝子が破壊等により欠失または欠損し、目的遺伝子の発現が認められない場合も含む。なお阻害または抑制には、一部阻害または抑制をも含む。
本発明の微生物の創製に用いられる微生物は、蟻酸脱水素酵素遺伝子(F.Zioniら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1986年、83巻、p.4630−4654)およびヒドロゲナーゼ遺伝子(R.Boehmら、Molecular Microbiology、1990年、4巻、p.231−243)を有する微生物である。これら宿主として使用される微生物は、嫌気性微生物が好ましい。嫌気性微生物としては、偏性嫌気性微生物よりも通性嫌気性微生物が好ましい。通性嫌気性微生物としては、例えばエシェリキア(Escherichia)属微生物―例えばエシェリキア・コリ(Escherichia coli ATCC9637、ATCC11775、ATCC4157、ATCC27325等)、クレブシェラ(Klebsiella)属微生物―例えばクレブシェラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae ATCC13883、ATCC8044等)、エンテロバクター(Enterobacter)属微生物―例えばエンテロバクター アエロギネス(Enterobacter aerogenes ATCC13048、ATCC29007等)、エンテロバクター クロアセ(Enterobacter cloacae)、偏性嫌気性微生物としては、例えばクロストリジウム(Clostridium)属微生物―例えばクロストリジウム ベイエリンキイ(Clostridium beijerinckii ATCC25752、ATCC17795等)、クロストリジウム ブチリクム(Clostridium butylicum)、クロストリジウム アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)等が挙げられる。
これらの嫌気性微生物の嫌気条件による分裂増殖は好気条件によるそれと比較して極めて遅いことより、実用的な量を確保するために、嫌気性微生物は、好ましくは好気条件により培養される。この意味では嫌気性微生物の内、偏性嫌気性微生物より通性嫌気性微生物が好適に使用される。そのため、上記微生物の内ではエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、エンテロバクター アエロギネス(Enterobacter aerogenes)等が好適に使用される。
本発明による蟻酸化合物から水素を生成させる機能は、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子(たとえば、fhlA遺伝子)を高発現すること、および、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成を抑制する遺伝子(たとえば、hycA遺伝子)を不活性化することにより向上する。
fhlA遺伝子を宿主である嫌気性微生物に導入する方法としては、例えばfhlA遺伝子(DNA)もしくは該DNAの上流にネイティブプロモータあるいはT7、lac、tac又はtrc等の外来プロモータ等を有したDNAを、プラスミド又はコスミド等のベクターに挿入し、このベクターを宿主である微生物へ導入する方法等が挙げられる。前記ベクターは、必要によりリボソーム結合部位、開始コドン、終始コドン又はターミネーター等を含んでいてもよい。また、その他の方法としては、トランスポゾンにfhlA遺伝子を挿入し、前記トランスポゾンを宿主の染色体上へ挿入する方法等が挙げられる。上記DNAとしては、該DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつFHLシステムの転写アクティベーター活性を有するタンパク質をコードするDNAが含まれる。ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、例えば前記DNAをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるDNAを意味する。具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、約0.7〜1.0Mの塩化ナトリウム存在下、約65℃でハイブリダイゼーションを行った後、約0.1〜2倍の濃度のSSC溶液を用い、約65℃の条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAを挙げることができる。
上記ベクターとしては、好ましくはプラスミドが用いられる。プラスミドを用いることにより、上記嫌気性微生物において、より容易にfhlA遺伝子を高発現し得る。用いるプラスミドの種類には特に制限はなく、例えばエシェリキア・コリ内で自律複製可能なプラスミドであればいずれも好ましく用いることができる。該プラスミドの好ましい具体的例としては、例えばpUC19、pUC18、pHSG298、pHSG299、pHSG398、pHSG399(以上、タカラバイオ社製)、低コピープラスミドpMW219、pMW218、pMW119、pMW118(以上、ニッポンジーン社製)、trcプロモータを有するpTrc99A(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)等が挙げられる。
前記DNAのベクター(プラスミド)への挿入は、自体公知の方法で行うことができるが、市販のライゲーションキット等を用いるのが簡便で好ましい。ライゲーションキットとしては、例えばDNA ligation Kit ver 1、DNA ligation Kit ver 2.1(タカラバイオ社製)、Fast−Link(登録商標); DNA Ligation Kit(AR BROWN CO.,LTD製)、Ligation−Convenience Kit(ニッポンジーン社製)又はラピッドDNAライゲーションキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)等が挙げられる。
上記のようにして得られるベクターを宿主である微生物に導入する方法は、自体公知の方法を用いることができる。該方法の好ましい具体例としては、例えば、コンピテント細胞を塩化カルシウムで処理する方法(Mandel,M.and Higa,A.,J.Mol.Biol.,53,159(1970))や、細胞をプロトプラスト又はスフェロプラストの状態にして導入する方法(Chang,S.and Choen,S.N.,Molec.Gen.Genet.,168,111(1979);Bibb,M.J.,Ward,J.M. and Hopwood,O.A.,Nature,274,398(1978);Hinnen,A.,Hicks,J.B. and Fink,G.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,1929(1978))、エレクトロポレーション法(Canadian Journal of Microbiology,43,197(1997))等が挙げられる。
fhlA遺伝子が導入された微生物は、例えば、X−galによる青白コロニーや薬剤耐性マーカー(例えば、アンピシリン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等の抗生物質耐性付与遺伝子等)等に従って、公知の選択方法により容易に選択することができる。
FHLシステムの形成を抑制する遺伝子、乳酸生成経路、およびコハク酸生成経路に関与する遺伝子が不活性化のターゲットとなる。これらの遺伝子としては、それぞれ例えばhycA遺伝子、乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA、フマル酸還元酵素遺伝子frdABCD等が挙げられる。hycA遺伝子、乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA、またはフマル酸還元酵素遺伝子frdABCDを不活性化する方法としては、例えば、変異原を用いた突然変異による非遺伝子工学的手法や、制限酵素・リガーゼなどを用い、任意に遺伝子配列の操作を行う遺伝子工学的手法が挙げられる。該遺伝子を確実に不活性化するためには、遺伝子工学的手法により不活性化することが好ましい。遺伝子工学的手法により該遺伝子を不活性化する方法としては、該遺伝子をあらかじめクローニングしておき、該遺伝子の特定部位に非遺伝子工学的手法もしくは遺伝子工学的手法により突然変異を起こす、あるいは遺伝子工学的手法により特定の長さの欠損部位を設ける、さらには薬剤耐性マーカーなどの外来性遺伝子を導入することにより、不活性化のためのDNAを準備し、この変異遺伝子を含むDNAを細胞へ戻し、相同組み換えを起こさせることにより該遺伝子を不活性化する方法が好ましく用いられる。
薬剤耐性マーカーを遺伝子内に導入し不活性化する場合、薬剤を含む培地にて目的とする株をスクリーニングすることにより薬剤耐性マーカーを導入した株を得ることができる。場合により薬剤耐性マーカーなどの外来遺伝子が周辺の遺伝子に影響を及ぼすことがあるが、その場合には、特定の長さの欠損部位を設けた遺伝子を導入することが望ましい。この場合は、スクリーニングを行う材料がないため、不活性化を行う遺伝子と同時に致死遺伝子を細胞内に導入し、相同組み換えを行う方法が用いられる。致死遺伝子としては、例えば、エシェリキア・コリ内ではバチルス・サブチリス由来のsacB遺伝子が挙げられる。具体的には、不活性化を行う遺伝子には、特定長の欠損領域のあるDNAとsacBを含むベクターを準備する。このベクターを宿主である微生物に導入し、相同組み換えを行う。相同組み換えを効率よく行うためには、温度感受性のベクターを用いることがより好ましい。温度感受性ベクターとしては、温度感受性レプリコンpSC101tsをもつ、pMA2、pLOI2226、pTH18ks1、pTH18ks5などが挙げられる。一度相同組み換えを行った宿主内には、不活性化された遺伝子と元来より存在する不活性化されていない遺伝子が存在する。次にこの相同組み換えを行った宿主を致死遺伝子が誘発される条件下で培養することにより、致死遺伝子領域と不活性化されていない遺伝子領域との二度目の相同組み換えがおこり、FHLシステムの形成を抑制する遺伝子であるhycA遺伝子または乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAまたはフマル酸還元酵素遺伝子frdABCDは不活性化され、目的とする組み換え株を得ることが可能となる。
また、遺伝子組み換えにより高発現もしくは不活性化する遺伝子は、fhlA遺伝子、hycA遺伝子、ldhA遺伝子、frdABCD遺伝子などを文献調査、もしくは公知の分子生物学的実験もしくはそれから派生する相同性検索等により特定した後、その配列を用いて遺伝子を選択して、上述の操作により高発現もしくは不活性化する。より詳しくは、例えばエシェリキア・コリ K−12 W3110株は既に全ゲノムDNA配列が解読されており、W3110株内に存在するfhlA遺伝子、hycA遺伝子、ldhA遺伝子、frdABCD遺伝子の配列は、以下URLに記載のデータベース


より検索を行うことにより、見出すことができる。ここで得られるDNA配列より、fhlA遺伝子、hycA遺伝子、ldhA遺伝子、frdABCD遺伝子を有した配列を増幅することが可能である。あるいは、fhlA、hycA、ldhA、frdABCDと相同性の高い配列を、以下URLに記載のデータベース

より検索し、この配列を用いて該当遺伝子を探索することができる。
このようにして、蟻酸化合物から水素を生成する機能が向上し、乳酸生成経路が不活性化、さらにはコハク酸生成経路に関与する遺伝子が不活性化されている微生物の創製が可能となる。
以下、上記の方法により得られた本発明の微生物に水素生成能力を獲得させる培養方法、およびその水素生成能力を有する微生物を用いた水素生成方法について示す。
本発明による水素生成方法は、微生物の嫌気培養増殖とともに水素生成を行う方法と微生物培養段階と嫌気条件下の水素生成段階とを分ける方法が挙げられるが、水素の生産性の観点から微生物培養段階と水素生成段階とを分ける方法が好ましい。
以下に微生物培養段階と水素生成段階とを分ける具体的な方法について記す。まず本発明の微生物は、好気条件下で培養される。この微生物培養段階においては、水素生成能力を有していない本発明の微生物が増殖する。
好気条件下で微生物を培養する段階においては、微生物は高濃度まで短時間で培養することができる。培養するための手段としては公知の方法が用いられる。培養は好気条件で、例えば、振盪培養、ジャーファーメンター(Jar Fermenter)培養もしくはタンク培養等の液体培養、又は固体培養等が挙げられる。培養温度は、微生物が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通常約15〜40℃、好ましくは約30〜40℃である。培地のpH値は約6〜8の範囲が好ましい。培養時間は、培養条件によって異なるが通常約0.5〜5日が好ましい。
次に、上記の方法で得られる水素生成能力を有していない微生物に水素生成能力を誘導発現する(即ち、水素生成能力を付与する)方法について示す。
水素生成能力を有していない微生物の水素生成能力を有する微生物への変換(水素生成能力の誘導発現)は、好ましくは嫌気条件下で培養することにより行われる。嫌気条件下での培養は、培地中の各種構成成分の拡散を促進するために撹拌培養が好ましい。嫌気条件下での攪拌培養開始時の微生物濃度は、約0.01〜80質量%(湿潤状態菌体質量基準)が好ましい。この際、微生物が水素生成能力を獲得するために、嫌気条件下での攪拌培養中に微生物が分裂増殖することが好ましいが、分裂増殖することは必ずしも必要ではなく、分裂増殖しない場合においても、FHLシステムの機能の発現が誘導されれば良い。上記方法によって微生物に、例えば、400ml以上/h/g wet cell、好ましくは420ml以上/h/g wet cellの水素生成機能が付与される。
嫌気条件下において、培養液中の酸化還元電位は、−100〜−500mV程度、さらに好ましくは−200〜−500mV程度である。培地の嫌気状態を調整する方法としては、培地中の溶存酸素を除去する方法であれば、いずれも好ましく用いることができ、例えば培地の加熱処理や減圧処理あるいは培地中への窒素ガス等のバブリング等により溶存ガスを除去する方法があげられる。培養液中の溶存ガス、特に溶存酸素の除去を行う具体的な方法として、好ましくは約13.33×10Pa以下、より好ましくは約6.67×10Pa以下、さらに好ましくは約4.00×10Pa以下の減圧下で、好ましくは約1〜60分間、より好ましくは約5〜60分間、脱気処理する方法が挙げられ、該方法により、嫌気条件の培養液を得ることができる。また、必要に応じて還元剤を水溶液に添加して嫌気条件で用いる水溶液を調整することができる。用いる還元剤としては、チオグリコール酸、アスコルビン酸、システィン塩酸塩、メルカプト酢酸、チオール酢酸、グルタチオン、または硫化ソーダ等が挙げられる。これらの還元剤は一種、あるいは数種類を組み合わせて用いることも可能である。
本発明の微生物に嫌気条件下で水素生成能力を付与するための培養は、炭素源、窒素源、ミネラル源等を含む通常の栄養培地を用いて行うことができる。炭素源としては、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース、ラクトース、スクロース、セルロース、リボース、リビトール、アラビトール、ラムノース、フコース、廃糖蜜、グリセロール等が挙げられる。窒素源としては、無機態窒素源では、例えばアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩等、または有機態窒素源では、例えば尿素、アミノ酸類、タンパク質等が挙げられる。これらはそれぞれ単独もしくは混合して用いることができる。無機態、有機態ともに同様に利用することが可能である。またミネラル源として、おもにK、P、Mg、Sなどを含む化合物、例えばリン酸一水素カリウム、硫酸マグネシウム等を好適に用いることができる。この他にも必要に応じて、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸、ビオチン、チアミン等の各種ビタミン等の栄養素を培地に添加することもできる。また、培地は蟻酸脱水素酵素およびヒドロゲナーゼからなるFHLシステムにおける水素生成のために、微量金属成分を含むことが好ましい。必要な微量金属成分は培養する微生物種により異なるが、鉄、モリブデン、セレン又はニッケル等が挙げられる。なお、これらの微量金属成分は酵母エキス等の天然栄養源には相当程度含まれている。そのため、天然栄養源を含む培地においては、必ずしも微量金属成分の添加を必要とはしない。
嫌気条件下で水素生成能力を誘導発現するための培養には、上記の炭素源が必要であるが、微生物の体内へ取り込む速度の遅い炭素源を用いることが好ましい。これらの炭素源としては、ラクトース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、リボース、リビトール、アラビトール、ラムノース、フコースなどが挙げられる。
誘導発現培養の微生物濃度に関しては、高濃度の微生物を嫌気条件下にて培養することが、より効果的に水素生成能力を付与することができるために好ましい。微生物の濃度としては、好ましくは約1〜50%(W/V)が用いられる。特に微生物あたりの水素生成能力を高めるためには、約1〜30%(W/V)の範囲で、嫌気条件下で培養を行うことがさらに好ましい。
嫌気条件下での攪拌培養の条件として、温度域は、好ましくは約20〜45℃、より好ましくは約25〜40℃である。pH域は、好ましくは約4.0〜10.0の範囲、より好ましくは約5.0〜8.0の範囲である。同時にpH値を制御することが好ましく、酸、アルカリを用いてpH値の調整を行うことも可能である。温度域、pH域ともに、上記の範囲内が微生物にとって最適な温度域、pH域である。通常、培養開始時の炭素源濃度は好ましくは約0.1〜20%(W/V)、さらに好ましくは1〜5%(W/V)である。
本発明の蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有し、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現され、さらに蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制遺伝子が不活性化され、かつ乳酸生成経路が不活性化された微生物は、乳酸生成経路が不活性化されていない微生物よりもより高い水素生成能力のある微生物に形質転換されているので、効率的に水素生成のための触媒となりうる。さらにコハク酸生成経路を不活性化することにより、さらに高い水素生成能力のある微生物が得られるので、これを用いれば、一層水素を生成することができる。
本発明の微生物に付与される水素生成能力の向上は、組換え技術により創製された本発明の微生物への水素生成能力の誘導発現が効率的に行われるためと考えられる。
上記誘導発現する時に使用される上記炭素源に基づく炭素の流れが、本発明の微生物では乳酸およびコハク酸に関する代謝経路の組換えにより、ピルビン酸から蟻酸への経路に集約されることになり、乳酸およびコハク酸に関する代謝経路が改変されていない微生物に比べて、本発明の微生物は、誘導発現培養時に蟻酸からの水素生成に関するFHLシステムの機能がより高度に発揮できる状態を獲得できると考えられる。
さらに本発明の水素生成の基質である蟻酸化合物の代わりに、グルコース等の有機性基質を使用し誘導発現培養を行った場合には、殆ど水素生成能力は向上しない現象が認められる。この現象は、誘導発現培養を行えば、本発明のFHLシステム機能の向上は等しく獲得されてはいるが、グルコース等の有機性基質の水素生成に至る代謝経路反応の律速段階が蟻酸から水素生成工程ではなく、グルコースから蟻酸に至る何れかの代謝経路にあるとすれば理解できることである。(図4参照)またFHLシステムの誘導発現を含むタンパク質の合成には、培地中に存在する乳酸が阻害的に働くことが認められていることから、誘導発現培養時に蓄積する乳酸の生成を抑えることによりFHLシステムの誘導発現が効果的に起こると理解される。
次にこのようにして得られる水素生成能力を獲得した微生物を用いた水素生成方法について示す。
上述の水素生成能力を誘導発現するための培養終了後、培地中にある水素生成能力が誘導発現された微生物をそのまま用いることもできるし、一度微生物を分離した後に、還元状態(嫌気条件下)にある水素発生溶液に分離した微生物を加えて使用することもできる。いずれの場合であっても、培地又は水素生成溶液に蟻酸化合物を供給することにより、微生物に水素を生成させることができる。水素生成反応は一定のpH値で行うことにより安定して実施できるので、反応液には緩衝作用をもつ成分を添加することが好ましい。用いる緩衝剤としては、好ましくはリン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液などの酸緩衝液や、MES、PIPES、ACES、HEPES、HEPPS、MOPS、TAPS、CAPSなどのGoodの緩衝試薬などが挙げられる。反応のpH値により緩衝試薬の濃度、緩衝試薬の種類は適宜調整することが可能である。
水素を生成させる方法としては、微生物を添加した水素生成溶液に連続的にあるいは間欠的に蟻酸化合物を供給することで実施される。
蟻酸化合物は、ホルミルオキシ碁(化学構造式HCOO)を有する物質である。具体的には、例えば、蟻酸、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸カルシウム、蟻酸マンガン、蟻酸ニッケル、蟻酸セシウム、蟻酸バリウム、蟻酸アンモニウム等が挙げられる。それらの中でも、水に対する溶解度の面から蟻酸、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸カルシウム、および蟻酸アンモニウムが好ましく、さらに、コストの面から蟻酸、蟻酸ナトリウムおよび蟻酸アンモニウムが好ましい。
水素生成溶液へ添加する蟻酸化合物として蟻酸を用いた場合に、その濃度は、好ましくは約30〜100%(W/W)、さらに好ましくは50〜100%(w/w)である。蟻酸化合物の濃度が低い場合、蟻酸化合物の供給に伴い、水素生成溶液の体積が増加するために、反応液中の微生物濃度も変化し、反応制御が容易でなくなることから好ましくない。蟻酸化合物の供給速度としては、水素生成溶液のpH値が約4.0〜9.0の範囲で制御される範囲であれば、特に制限はない。
水素の生成反応の反応温度は、一般的な常温微生物が宿主である場合、好ましくは約20〜45℃、さらに好ましくは約30〜40℃の範囲である。
水素生成溶液としては、還元状態下(嫌気条件下)の水素生成溶液を用いる必要がある。水素生成溶液の酸化還元電位は、好ましくは約−100〜−500mV、さらに好ましくは約−200〜−500mVである。
水素生成溶液の微生物濃度は、好ましくは約0.1〜80%(W/W)(湿潤状態菌体質量基準)である。水素生成溶液の粘性が高くなるという観点から、微生物濃度は、好ましくは約0.1〜70%(W/W)(湿潤状態菌体質量基準)が用いられる。
水素生成溶液には、気体の発生が激しいため、消泡剤を加えることが好ましい。消泡剤については、公知なものが用いられ、具体的には例えばシリコーン系[例えば、SI(Silicone)(和光純薬工業社製)等]、又はポリエーテル系[例えばPE−H(Polyether−High)、PE−M(Polyether−Medium)、PE−L(Polyether−Low)(いずれも和光純薬工業社製)等]の消泡剤が好ましく用いられる。
微生物、蟻酸化合物及び消泡剤は、自体公知の方法に従って、水素生成溶液に供給することができる。
このようにして得られる微生物を使用して製造される水素は燃料電池用の燃料源として使用することができる。以下、本発明の水素生成方法を用いた燃料電池システムについて示す。
本発明の水素生成方法においては、主に水素と二酸化炭素からなるガスが生成され、基本的には一酸化炭素は生成されない。一般的に固体高分子型燃料電池の燃料として用いる場合には、一酸化炭素を除去するシステム(CO変成器、CO除去器等)を用いて、COは10ppm以下に維持する必要がある。本発明の創製微生物を用いた水素生成方法ではCOを除去する改質器の設置が不要となり、装置を簡易化できる。また燃料電池の寿命の面からも、本発明に係る水素生成方法により製造されるガスを用いることが好ましい。
また、従来の都市ガスを用いた水素生成装置の改質方法では、600℃以上の改質温度が必要となり、メタノールを用いた改質方法でも数百℃の改質温度が必要となるのに対して、本発明の反応容器の温度はほぼ常温で用いることが可能である。さらに、改質器の立ち上げおよび終了過程には昇温や冷却の時間を要するが、本発明の方法では、常温で水素の生成ができるので、そのような時間が不要となり、簡便な燃料電池システムが構築できる。
本発明の水素生成方法を用いた燃料電池システムは、COが発生しないため、燃料電池の劣化に対しても問題が少ないこと、水素の供給方法としても、高温の必要な改質器のシステムを必要としないこと、蟻酸化合物の供給と同時に水素生成可能であることなど、多くの点で優れている。
以下参考例、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
[参考例1] エシェリキア・コリW3110株のFHLシステム転写アクティベーター遺伝子fhlA高発現かつFHLシステム生成に関する抑制遺伝子hycA破壊(不活性化)株の作成
1)ゲノムDNAの抽出
エシェリキア・コリW3110株(ATCC 27325)を、表1記載のLB培地10 mlで37℃一晩振盪培養行い、GenomicPrep Cells and Tissue DNA Isolation Kit (Amersham Bioscience社製)にてゲノムDNAの抽出を行った。
2)hycA破壊株作製用ベクターの作成
上記1)にて取得したゲノムDNAから、プライマー
CTCTGGATCCATTTCATCTTCGGGCGTGC (配列番号1)
CTCTGAGCTCAAAGGTCACATTTGACGGCG (配列番号2)
を用い、サーマルサイクラー GeneAmp PCR System 9700(ABI社製)を使用してhycA領域を増幅した。増幅したDNAおよびプラスミドpHSG398(宝酒造(株)製)をBamHI、及びSacIで制限酵素処理後、DNA ligation Kit ver 2.1(宝酒造(株)製)によりライゲーションを行い、ベクター hycA−pHSG398を得た。さらに、得られたベクターをAvaII、及びXmnIで制限酵素処理後、DNA Blunting Kit(宝酒造(株)製)により平滑末端処理を行い、その後、8bpのEcoRIリンカーGGAATTCCと共にライゲーションし、△hycA−pHSG398を得た。
またpMV5 (Vertes, A. A. et al. Isolation and characterization of IS31831, a transposable element from Corynebacterium glutamicum. Mol. Microbiol. 11, 739−746 (1994))からPCRを用いて、プライマー
CTCTGCATGCAACCCATCACATATACCTGC (配列番号3)
CTCTGCATGCATCGATCCTCTAGAGTATCG (配列番号4)
を用いて、sacB領域を増幅したものおよびプラスミドpTH18ks1(Hashimoto−Gotoh, T. et al. A set of temperature sensitive−replication/−segregation and temperature resistant plasmid vectors with different copy numbers and in an isogenic background (chloramphenicol, kanamycin, lacZ, repA, par, polA). Gene 241, 185−191 (2000))をBamHI、及びSphIで制限酵素処理後、ライゲーションにより、ベクターsacB−pTH18ks1を得た。
得られたベクターsacB−pTH18ks1のBamHIサイトとSacIサイトの間に△hycA−pHSG398の△hycA領域を挿入し、△hycA−sacB−pTH18ks1を得た。
3)ベクターの導入およびhycA破壊株の作製
上記の方法により得られたベクター△hycA−sacB−pTH18ks1をW3110株にエレクトロポレーション法により導入した。下表2記載の培地にて43℃培養することで、相同組み換えが起こり、ベクターが染色体上に挿入された組み換え株を得た。
さらに、上記の培地で得られた株から表3で示す培地にて30℃で培養することにより、W3110株のFHLシステムの生成に関する抑制遺伝子hycAの破壊株を得た。
4)hycA破壊株の分子生物学的確認
上記の方法により得られたW3110株のFHLシステム生成に関する抑制遺伝子hycAの破壊株はシーケンサーPrism 3100 genetic analyzer(ABI社製)により、hycA領域の削除された株であることを確認した。
5)fhlA高発現用ベクターの作製
上記1)にて取得したゲノムDNAから、プライマー
GGGGTACCTAAAATTCTAAATCTCCTATATGTTAG (配列番号5)
CGGGATCCTGCGTCATCTCATCGATGACAA (配列番号6)
を用い、サーマルサイクラー GeneAmp PCR System 9700(ABI社製)を使用してfhlAおよびその上流のプロモータ領域を増幅した。増幅したDNAおよびプラスミドpMW118(ニッポンジーン社製)をKpnI、及びBamHIにて制限酵素処理後、DNA ligation Kit ver 2.1(宝酒造(株)製)によりライゲーションを行い、ベクター fhlA−pMW118を得た。
6)ベクターの導入およびhycA破壊かつfhlA高発現株の作製
上記2)で得られたベクター fhlA−pMW118をhycA破壊株にエレクトロポレーション法により導入し、表1の培地にて目的とするhycA破壊かつfhlA高発現株のコロニーを取得した。
7)fhlA高発現の分子生物学的確認
上記の方法により得られたFHLシステム生成に関する抑制酵素遺伝子hycA破壊かつFHLシステムの転写アクティベーターfhlA高発現株のfhlAの高発現の評価はリアルタイムRT−PCR法により行った。リアルタイムRT−PCR法は以下に記す方法に従った。まず、fhlAの高発現株および野生株を表1記載の培地にグルコース20 mM(さらにfhlA高発現株についてはアンピシリン50 mg/L)を添加し、10時間嫌気培養した菌体から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)にてトータルRNAを抽出した。トータルRNA、下記fhlAのプライマー、
Fwd : AGATCGTTTCTGTCGTCACCG (配列番号7)
Rev : CCGGCATAACAACTCATAGTCG (配列番号8)
およびQuantiTect SYBR Green RT−PCR(QIAGEN社製)を用い、表4の混合液を作成し、ABI Prism 7000 sequence
detection system(ABI社製)によって、50℃ 30分で逆転写、95℃ 15分で熱変性を行った後、95℃ 15秒、57℃ 20秒、60℃ 1分の条件で40サイクルの熱サイクルでDNAを合成し、各サイクルでの蛍光強度を検出することにより、DNAの増幅曲線から算出されるC値の差よりfhlAの発現差を調べた。その結果、hycA破壊かつfhlA高発現の株は、野生株に比べfhlAについて5倍以上の発現量があることが確かめられた。
上記の如くして、本参考例により形質転換されたW3110株はW3110 △hycA/fhlA−pMW118と命名し(以下、SR13株と示す。)、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号:FERM P−20291 受託日 平成16年11月9日)。
[実施例1]エシェリキア・コリW3110(ATCC 27325)のfhlA遺伝子高発現かつhycA遺伝子破壊株における、さらに乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAを不活性化した株の作成
1)ゲノムDNAの抽出
エシェリキア・コリW3110株(ATCC 27325)を、表1で示される組成のLB培地10mLにて、好気条件下、37℃で一晩振盪培養を行い、GenomicPrep Cells and Tissue DNA Isolation Kit(Amersham Bioscience社製)にてゲノムDNAの抽出を行った。
2)乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA破壊株作製用ベクターの作成
上記1)にて取得したゲノムDNAから、下記プライマー:
CCTGTTTCGCTTCACCGGTCAG (配列番号9)
TCTTTGGTTCTGTCCAGTACCG (配列番号10)
を用い、サーマルサイクラー GeneAmp PCR System 9700(ABI社製)を使用してldhA領域を増幅した。増幅したDNA及びプラスミドpTrc99A(Amersham Bioscience社製)をBamHI、及びPstIで制限酵素処理後、DNA ligation Kit ver 2.1(宝酒造(株)社製)によりライゲーションを行い、ベクター ldhA−pTrc99Aを得た。このベクターを鋳型とし、下記プライマー:
GGACTAGTCTGGCGTTCGATCCGTATCC (配列番号11)
GCTCTAGACCAAAACCTTTCAGAATGCGCA (配列番号12)
を用い、ldhAの一部欠落した箇所を増幅した。
これとは別に、プラスミドpHSG398(宝酒造(株)社製)を鋳型とし、下記プライマー:
GCTCTAGAACGGAAGATCACTTCGCAGAAT (配列番号13)
GGACTAGTTTAAGGGCACCAATAACTGCCT (配列番号14)
を用い、クロラムフェニコール耐性遺伝子(cat)領域を増幅した。
増幅した2つのDNA断片(ldhAの一部欠落したDNA、およびクロラムフェニコール耐性遺伝子領域)をそれぞれ、SpeI、XbaIで制限酵素処理後、両DNA断片をDNA ligation Kit ver 2.1(宝酒造(株)社製)によりライゲーションを行い、ldhAの欠落した箇所にクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されたベクター ΔldhA(Cm)−pTrc99Aを得た。
さらに、このようにして得られたベクターをBamHI、及びPstIで切断することにより、ΔldhA(Cm)領域のDNAを得た。
ベクターsacB−pTH18ks1のBamHIサイトとPstIサイトの間にΔldhA(Cm)領域のDNAを挿入し、ΔldhA(Cm)−sacB−pTH18ks1を得た。
このベクターの構造図を図1に示す。
3)ベクターの導入及び乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA不活性化株の作成
上記の方法により得られたベクターΔldhA(Cm)−sacB−pTH18ks1をエシェリキア・コリ SR13株にエレクトロポレーション法により導入した。下表5記載の培地にて43℃にて培養することで、相同組み換えが起こり、ベクターがエシェリキア・コリ SR13株の染色体上に挿入された組み換え株を得た。
上記表5記載の培地で培養後、さらに、得られた株を表6で示す培地にて30℃でプレート培養することにより、エシェリキア・コリ SR13株のldhA遺伝子の破壊株を得た。
上記の如くして、本実施例により形質転換された株はエシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhAと命名し、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号:FERM P−20773 受託日 平成18年1月27日)。
4)乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAを不活性化した株の分子生物学的確認
上記の方法により得られたエシェリキア・コリ SR13株のldhAを不活性化した株はシーケンサー Prism 3100 genetic analyzer(ABI社製)により、ldhA領域にクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入され、ldhAが不活性化された状態であることを確認した。
[実施例2]エシェリキア・コリW3110(ATCC 27325)のfhlA遺伝子高発現かつhycA遺伝子破壊株かつ乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAを不活性化、さらにフマル酸還元酵素遺伝子frdABCDを不活性化した株の作成
1)フマル酸還元酵素遺伝子frdABCD破壊株作製用ベクターの作成
W3110のゲノムDNAから、下記プライマー:
GCGAGCTCGTGCAAACCTTTCAAGCCGA (配列番号15)
CGGGATCCGACACCAATCAGCGTGACAA (配列番号16)
を用い、サーマルサイクラーGeneAmp PCR System 9700(ABI社製)を使用してfrdABCD領域を増幅した。増幅したDNAおよびプラスミドpHSG398(宝酒造(株)製)をBamHI、及びSacIで制限酵素処理後、DNA ligation Kit ver 2.1(宝酒造(株)製)によりライゲーションを行い、ベクター frdABCD-pHSG398を得た。さらに、得られたベクターを鋳型に、プライマー
CCGCTCGAGCTGAACCCAGAGTTCATCGG (配列番号17)
CCGCTCGAGAACGTACGCTTTCGCCAGTT (配列番号18)
を用いてインバースPCR後、XhoIで処理し、pUC4K(Amersham Bioscience社製)を鋳型にプライマー
CCGCTCGAGGAAGATGCGTGATCTGATCCT (配列番号19)
CCGCTCGAGGCCACGTTGTGTCTCAAAATC (配列番号20)
を用いて増幅したカナマイシンカセットを挿入し、ΔfrdBC−pHSG398を得た。
ベクターsacB−pTH18ks1のBamHIサイトとSacIサイトの間にΔfrdBC−pHSG398のΔfrdBC領域を挿入し、ΔfrdBC−sacB−pTH18ks1を得た。ベクター構築図を図2に示す。
2)ベクターの導入およびfrdBC破壊株の作製
上記1)の方法により得られたベクターΔfrdBC−sacB−pTH18ks1を実施例1で得られたfhlA高発現・hycA破壊・ldhA破壊株にエレクトロポレーション法により導入した。表5記載の培地にて43℃培養することで、相同組み換えが起こり、ベクターが染色体上に挿入された組み換え株を得た。
さらに、上記で得られた株から表7で示す培地にて30℃で培養することにより、SR13株の乳酸脱水素酵素遺伝子ldhAおよびフマル酸還元酵素遺伝子frdBCの破壊株を得た。
3)フマル酸還元酵素遺伝子frdBC破壊株の分子生物学的確認
上記の方法により得られたフマル酸還元酵素遺伝子frdBCの破壊株はシーケンサーPrism 3100 genetic analyzer(ABI社製)により、frdBCの不活性化された株であることを確認した。
上記の如くして、本実施例により形質転換された株はエシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhA ΔfrdBCと命名し、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている(受託番号:FERM P−20774 受託日 平成18年1月27日)。
[実施例3]実施例1により得られたエシェリキア・コリ株(fhlA遺伝子高発現かつhycA遺伝子破壊かつ乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA破壊株)を用いた水素生成方法
1)好気条件下での培養
実施例1により得られたエシェリキア・コリ株(fhlA遺伝子高発現かつhycA遺伝子破壊かつ乳酸脱水素酵素遺伝子破壊株)を下表8で示される組成の培養液 10mLに加え、好気条件下、37℃で一晩振盪培養を行った。
一晩振盪培養した培養液5mLを、表8記載の培地500mLへ植菌し、1L容ジャーファーメンター(ABLE−BIOT社製)にて好気培養を行った。この際、pH=6.5(5N NaOHにて調整)、37℃、通気速度=1L/min.で12時間培養を行った。これにより約25g(湿重量)の菌体が得られた。
2)嫌気条件下での培養
好気条件下で培養を行った培養液を遠心分離機にかけ(6500回転、20分)、上澄み液を除去し、水素生成能力を有する微生物を得るために、表8で示される組成の培養液200mLにて嫌気条件下37℃で8時間の培養を行った。
このとき、微生物濃度を10%(湿潤状態微生物質量基準)に設定して懸濁し、嫌気条件下での培養を開始した。嫌気条件下での培養は窒素95%、水素5%雰囲気の嫌気チャンバーシステム(Coy社製)内で行った。なお、pHは6.0を保つように適時5M水酸化ナトリウムの添加を行った。
嫌気培養を12時間行った後、培養液の遠心分離を行い、菌体を回収した。
得られた菌体を、下記表9に記載の組成で示される水素生成用溶液50mLに菌体密度が0.2%(湿潤状態菌体質量基準)になるように懸濁した。
このように作成した菌体を懸濁した水素生成溶液に、溶液の蟻酸ナトリウム濃度が100mMとなるように蟻酸ナトリウムを添加し、微生物の水素生成能力を測定した。
水素生成能力の測定方法としては、蟻酸ナトリウムを滴下した直後に、生成するガスを水上置換法により集める方法により測定を行った。
今回、蟻酸ナトリウムの添加から5分間に発生するガス量より、水素生成初速度を求めた。なお、生成ガスをガスクロマトグラフィー(島津製作所社製)により分析したところ、生成ガス中には50容積%の水素と残余のガス(炭酸ガス)を含んでいた。
[実施例4]実施例2により得られたエシェリキア・コリ株(fhlA遺伝子高発現かつhycA遺伝子破壊かつ乳酸脱水素酵素遺伝子ldhA破壊およびフマル酸還元酵素遺伝子frdABCD破壊株)を用いた水素生成方法
実施例2で得られた株 エシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhA ΔfrdBCを用いる以外は、実施例3と同様の方法で、好気条件下での培養、嫌気条件下での培養を行い、水素生成初速度の測定を行った。
[比較例1]乳酸脱水素酵素を不活性化していない株として、エシェリキア・コリ W3110株(ATCC 27325)を用いた水素生成菌体の培養方法および水素生成反応
野生株のエシェリキア・コリ W3110株(ATCC 27325)を用いる以外は、実施例3と同様の方法で、好気条件下での培養、嫌気条件下での培養を行い、水素生成初速度の測定を行った。
[比較例2]乳酸脱水素酵素を不活性化していない株として、エシェリキア・コリ SR13株を用いた水素生成菌体の培養方法および水素生成反応
エシェリキア・コリ SR13株を用いる以外は、実施例3と同様の方法で、好気条件下での培養、嫌気条件下での培養を行い、水素生成初速度の測定を行った。
図3に、実施例3、4と比較例1、2において、水素生成初速度を測定した結果を示す。図3より、本発明による乳酸脱水素酵素遺伝子を不活性化した株(実施例3)および、さらにフマル酸還元酵素遺伝子を不活性化した株(実施例4)は、対照株(比較例1、2)と比較して、水素生成能力が向上していることが明確である。
本発明の微生物は、微生物燃料電池等に利用できる。
実施例1のベクターの構造を示す図である。 実施例2のベクターの構造を示す図である。 実施例1および比較例1、2で得られた水素生成能力を示す図である。 グルコースから水素までの代謝経路を示す図である。

Claims (5)

  1. 蟻酸脱水素酵素遺伝子およびヒドロゲナーゼ遺伝子を有し、蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの転写アクティベーター遺伝子が高発現され、さらに蟻酸ヒドロゲンリアーゼシステムの形成抑制遺伝子が不活性化されていることにより、蟻酸から水素を生成させる機能が向上し、かつ乳酸脱水素酵素遺伝子が不活性化され、さらに、フマル酸還元酵素遺伝子の一部が不活性化されていることを特徴とするエシェリキア・コリ。
  2. エシェリキア・コリ W3110(ATCC27325)株を用いて作製されたものである請求項1に記載のエシェリキア・コリ。
  3. エシェリキア・コリ(Escherichia coli) SR13 ΔldhA ΔfrdBC株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 受託番号FERM P−20774)。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のエシェリキア・コリを、好気条件下にて培養した後、さらに、嫌気条件で培養して水素生成能力を誘導発現することを特徴とする水素生成能力の誘導発現方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のエシェリキア・コリを、好気条件下にて培養した後、さらに、嫌気条件で培養して水素生成能力を誘導発現し、次いで蟻酸化合物の供給下、前記の培養したエシェリキア・コリを水素発生用溶液中で培養することを特徴とする水素の生成方法。
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