JP4827245B2 - 水循環装置及び運転方法 - Google Patents
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そうした側溝への切断汚水の「垂れ流し」は、環境に悪影響を及ぼす懸念がある。係る「垂れ流し」による弊害防止のため、当該切断汚水の有効な処理装置及び処理方法の開発が要請されている。しかし、有効な解決策は講じられていないのが現状である。
しかし、係る従来技術は、道路舗装面の切断のみを目的としており、上述した様な切断に用いられた水の処理については、全く寄与しない。
脱水装置(脱水機5及び真空ポンプPv)でケーキ(C)から分離された水の再利用については、例えば、前記切断装置(1)へ供給する配管(「切断水への再利用ライン」L62)により切断装置(1)に送られ、切断時の切削水として再利用できる。
その結果、施工領域周辺への汚染が防止され、環境に優しいアスファルトの補修工事の実施が可能となる。
図1において、全体を符号100で示す水循環装置は、アスファルト舗装を切断する切断装置1と、切断の際に発生した切断泥水を貯蔵する泥水貯蔵装置(原水槽)2と、切断泥水に凝集剤を混合する混合装置(ラインミキサー)3とを有している。
制御盤9は、図示しない入力信号ライン及び出力信号ラインによって、後述のセンサ類や各ポンプ類及び撹拌機等に接続されており、当該センサからの入力信号に応じて、出力信号を各ポンプ類及び撹拌機に発信し、各ポンプ類及び撹拌機等の駆動・停止等の制御を行うように構成されている。
原水槽2とラインミキサー3の流入口3iとは、送泥ポンプP2を介装した送泥ラインL2で接続されている。
ラインミキサー3の排出口3oと貯泥槽4とは、スラリー搬送ラインL3で接続されている。
貯泥槽4と脱水機5とは、スラリー搬送ラインL4及びオーバーフローラインL52とにより接続されている。スラリー搬送ラインL4は貯泥槽4から脱水機5にスラリーを送り込むラインであって、スラリーポンプP4を介装している。オーバーフローラインL52は、脱水機5で処理しきれないスラリーを脱水機5から貯泥槽4に戻すラインである。
ここで分離水吸引ラインL51は、脱水機5でスラリーから分離した水を濾液槽6に吸引するためのラインであり、真空ポンプPvを介装している。補給水補填ラインL61は、濾液槽6に貯留した分離水の一部を前記真空ポンプPvへ補給水として戻すためのラインである。
濾液槽6の下流側の区画6Bは、第1の水回収ラインL62で前記切断機1と接続されていると共に、電磁弁Vを介装した第2の水回収ラインL63で原水槽2と接続されている。換言すれば、濾液槽6に貯留した水を、下流側の区画6Bに設けられた送水ポンプP6によって、切断機1或いは原水槽2へ戻すように構成されている。
ここで、貯留する切断汚水が高濃度である場合には、後述する凝集分離用の薬液が効かなくなってしまうので、その汚水を希釈する必要がある。レベルセンサ21は、その様な場合に、稀釈水補給量の制御におけるパラメータとして、液位を検知する。
液槽31はpH調整用の薬液を貯留しており、図1においてpH調整用の薬液は、「A液」と表示されている。一方の液槽32は、泥水の凝集分離用の薬液を貯留しており、該凝集分離用の薬液は、図1では「B液」と表示されている。
前述したように、液槽32には、濾液槽6と連通する第1の水回収ラインL62及び分岐ラインL620を経由して、脱水機5から分離されて濾液槽6に貯留された回収水が投入される。そして、撹拌機320によって、凝集分離用の薬液(B液)と投入された回収水とが撹拌されて、適正な溶液濃度となるように構成されている。適正濃度の凝集分離用の薬液(B液)は定量ポンプP32で計量され、ラインミキサー3に送り込まれる。
撹拌機41は、貯留したスラリーの固形分が沈殿しないように常時運転されており、以って、貯泥槽4に内の全体に亘って、常に同じ性状(濃度)を保つようにしている。
レベルセンサ42が検知したスラリー量が所定値を超えると、制御盤9の作用によって自動的にスラリーポンプP4が稼動し、脱水機5にスラリーを送り込むように構成されている。
図2において、脱水機5は、貯泥タンク51と、円筒状のフィルタ52と、吸引パイプ53と、掻き取り用エッジ54とを有している。
貯泥タンク51の下方には、スラリー搬送ラインL4との接続口51aが設けられており、貯泥タンク51の上方には、オーバーフローラインL52の接続口51bが形成されている。
フィルタ52の下方は、貯泥タンク51に溜まったスラリー中に浸されている。そして、フィルタ52が図示しない駆動装置によって回転されると、フィルタ52の外周面にスラリー中の汚泥が付着する。
この空気の侵入によって、フィルタ52表面に吸引された汚泥中の水分がフィルタ52内部に連行され、フィルタ52表面の汚泥が脱水される。脱水された汚泥は、「ケーキ」と称され、図2では符号Cで示されている。
反対に、フィルタ52の回転速度を遅くすれば、スラリー中の汚泥をフィルタ52の表面に吸引して、上方へ掻き揚げる量(脱水量に比例している)は減少するのである。
掻き取り用エッジ54は、フィルタ52表面と接触している側とは反対側の端部が下になるように、傾斜して配置されている。また、掻き取り用エッジ54のフィルタ52表面と接する側の端部は、上下方向についてはフィルタ52の回転中心軸近傍で、フィルタ52と接触している。
一方、フィルタ回転速度が遅い場合は、エッジ54でフィルタ52を強く押圧すると、フィルタ表面を削りこんでしまう恐れがある。従って、エッジ54がフィルタ52を押圧する力が弱くなるように制御する。
所定量のケーキCが溜まったならば、ケーキCは図示しない搬送手段によってアスファルトプラントに送られ、再生アスファルトとしてリサイクルされる。或いは、セメント工場に送られ、セメント材料として利用される。その他にも、ケーキCの用途は多々存在する。
先ず、切断機1によって、改修するべきアスファルト舗装部分を切断する(ステップS1)。
切断時には大量の水が切削水として使用される。そして、アスファルト切削に用いられた水(切削泥水)は、例えばバキュームポンプ等による公知の手段を介装した切断汚水ラインL1によって、原水槽2に貯蔵される(ステップS2)。
ラインミキサー3では、送り込まれた切断汚水に、液槽31から供給されるpH調整用の薬液(A液)と、液槽32から供給される凝集分離用の薬液(B液)とが加えられ、混合され(ステップS3)、スラリーとなる(ステップS4)。
この貯泥槽4では、撹拌機41が常時稼動しており、スラリー中の固形物の沈殿を防止している。貯泥槽4に貯蔵されたスラリーが所定量以上になったことをレベルセンサ42が検知すると、スラリーポンプP4が稼動して、貯泥槽4内のスラリーを脱水機5のスラリータンク51に圧送する。
分離された水は、フィルタ52の中心部の吸引パイプ54及び分離水吸引ラインL51を経由して、濾液槽6のA室に吸引される(ステップS7の「水」のルート)。
一方、水分が分離した汚泥(ケーキ)は、掻き取り用エッジ54で掻き取られて、ケーキ槽7に貯留される(ステップS7の「ケーキ」のルート)。
濾液槽6のA室に吸引された濾過水の残りの部分は、仕切り6Cを透過して、濾液槽6のB室に流入する。
圧送ポンプP6で送水される濾過水の残りの部分は、第2の水回収ラインL63経由で(ステップS8の「原水希釈用」)、原水槽2に搬送される(ステップS11)。そして、ステップS2において原水の希釈水として利用される。
また、スラリーから分離された水の一部は補給水補填ラインL61に介装された真空ポンプPvに送られ、真空ポンプPvの補給水として再利用できる。
さらに、スラリーから分離された水の一部は原水槽2に送られ、高濃度原水の希釈水として再利用できる。
その結果、アスファルト切断で使用された水を「垂れ流し」にすることなく、必要な処理を行った上で、アスファルト切断作業或いはそれに関連する作業において、再利用することができる。
2・・・汚水貯蔵装置/原水槽
3・・・混合手段/ミキサー
4・・・スラリー貯蔵手段/貯泥槽
5・・・脱水装置/脱水機
6・・・濾液槽
7・・・ケーキ槽
8・・・発動電動機
9・・・制御版
21・・・レベルセンサ
31・・・薬液槽/A液槽
32・・・薬液槽/B液槽
P2・・・汚水搬送ポンプ
P31・・・B液定量ポンプ
P32・・・A液定量ポンプ
P4・・・スラリーポンプ
Pv・・・真空ポンプ
51・・・スラリー貯留槽
52・・・フィルタ
54・・・ケーキ掻き取り部材/掻き取り用エッジ
Claims (2)
- アスファルト舗装を切断する切断装置と、切断の際に発生した切断泥水を貯蔵する泥水貯蔵装置と、切断泥水に凝集剤を混合する混合装置と、混合装置で生じたスラリーを貯蔵するスラリー貯蔵装置と、スラリーをケーキと水とに分離する脱水装置とを有し、脱水装置でケーキから分離された水を前記切断装置へ供給する配管と、脱水装置の吸引装置にケーキから分離された水を供給する配管と、前記泥水貯蔵装置にケーキから分離された水を供給する配管とを有することを特徴とする水循環装置。
- 請求項1の水循環装置の運転方法において、切断手段によりアスファルト舗装を切断する工程と、切断の際に発生した切断泥水を泥水貯蔵手段で貯蔵する工程と、混合手段で切断泥水に凝集剤を混合する工程と、混合装置で生じたスラリーをスラリー貯蔵手段で貯蔵する工程と、脱水手段を用いてスラリーをケーキと水とに分離する工程と、脱水手段でケーキと分離された水を前記切断手段へ供給する工程と、ケーキと分離された水を脱水手段の吸引手段に供給する工程と、ケーキと分離された水を泥水貯蔵手段に供給する工程とを有することを特徴とする水循環装置の運転方法。
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