JP4825545B2 - 車両用ウォッシャ装置 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、ポンプが吸入可能な下限液面高さの設定自由度を向上した車両用ウォッシャ装置を提供することである。
請求項1の発明は、容器状に形成され、洗浄液を貯留するウォッシャタンクと、その吸入口が前記ウォッシャタンク内と連通した状態で前記ウォッシャタンクに装着される複数のポンプと、前記複数のポンプの少なくとも一つに設けられ、一方の端部を前記吸入口に接続されるとともに、他方の端部が前記一方の端部よりも高い位置において前記ウォッシャタンク内に開口した吸入管路部とを備える車両用ウォッシャ装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記グロメットは、前記ウォッシャタンクへの装着方向を示す装着方向表示部を有することを特徴とする車両用ウォッシャ装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ウォッシャ装置において、前記複数のポンプは、前記吸入口の高さが略同じとなるように前記ウォッシャタンクに装着されたフロントウィンドウウォッシャ用ポンプ及びリアウィンドウウォッシャ用ポンプを含み、前記吸入管路部は、前記リアウィンドウウォッシャ用ポンプに備えられることを特徴とする車両用ウォッシャ装置である。
(1)複数のポンプの少なくとも一つに、一方の端部が吸入口に接続され、他方の端部がこれよりも高い位置でウォッシャタンク内に開口した吸入管路部を設けることによって、ウォッシャタンク本体の構成や複数のポンプのレイアウトを変更しなくても、吸入管路部のウォッシャタンク内における開口高さを変化させてポンプが吸入可能な下限液面高さを変更することができるから、この下限液面高さの設定自由度を向上することができる。
(2)吸入管路部をグロメットと一体に形成することによって、部品点数の増加を防止し、ウォッシャ装置の構造や組立工程が煩雑となることを防止できる。
(3)吸入管路部と一体に形成されたグロメットに、ウォッシャタンクへの装着方向を示す装着方向表示部を設けることによって、グロメットの組付け状態に起因する下限液面高さの誤差を低減することができる。
(4)吸入管路部をリアウィンドウウォッシャ用ポンプに備えることによって、洗浄液の残量が少なくなった場合に、リアウィンドウウォッシャ向けの洗浄液供給を停止することによって、ユーザに洗浄液不足を認知させるとともに、この状態においてもフロントウィンドウウォッシャ向けの洗浄液供給は可能として前方視界を確保することができる。
図1は、本実施例の車両用ウォッシャ装置におけるウォッシャタンク部を示す図である。
図2は、図1のII部拡大図であって、後述するウォッシャポンプ20,30及びポンプカバー40を取り外した状態を示す図である。
図3は、ウォッシャポンプ20,30,50の吸入下限液面高さを示す図である。図3において、図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図1のa−a部、b−b部、c−c部の矢視断面を示すものである。
この車両用ウォッシャ装置は、例えば乗用車等の車両に設けられるものであって、ウォッシャタンク内に貯留されたウォッシャ液(洗浄液)を、モータポンプによって加圧し、ノズルを介して洗浄対象物であるフロントウィンドウ、リアウィンドウ、ヘッドランプにそれぞれ噴射するものである。
フィラーパイプ11は、ウォッシャタンク10へのウォッシャ液の補給に用いられるものであって、ウォッシャタンク10の上面部から上方側に突き出して形成され、その先端部に開閉式のキャップが装着されている。
凹部13は、後述するウォッシャポンプ50が装着される部分であって、ウォッシャタンク10の車両側方側の面部における下側でありかつ車両前方側の一部を凹ませて形成されている。また、凹部13の後端部は、上述した凹部12の前端部と隣接して配置されている。この凹部13の深さは、後述するウォッシャポンプ50の形状に起因して、凹部12よりも深く設定されている。また、凹部13は、ウォッシャポンプ50の吸入口55が挿入される開口13aが形成されている(図3参照)。
ブラケットBは、ウォッシャタンク10を図示しない車体に対して固定するためのものであって、ウォッシャタンク10の上面、前面、後面等からそれぞれタブ状に突き出して形成され、図示しないボルトが挿入される開口が形成されている。
ウォッシャポンプ20,30は、ウォッシャ液を加圧してそれぞれフロントウィンドウウォッシャ用及びリアウィンドウウォッシャ用の図示しないノズルに供給する遠心式のモータポンプである。
ウォッシャポンプ20,30は、ウォッシャタンク10の凹部12内に、ウォッシャポンプ20が前側、ウォッシャポンプ30が後側となるように、車両の前後方向に並べて配置されている。
モータ部21,31は、例えばその外形が円筒状に形成されたDCモータであって、その回転軸方向をほぼ直立させて配置されている。
ポンプ部22,32は、モータ部21,31によって駆動され、ウォッシャ液を加圧するインペラが収容される部分であって、モータ部21,31の下端部に接続されている。
コネクタ23,33は、モータ部21,31に電力を供給する図示しないハーネスが着脱可能に接続されるものであって、モータ部21,31の上端部に設けられている。
ホース24,34は、ポンプ部22,32において加圧されたウォッシャ液を、図示しないフロントウィンドウウォッシャノズル、及び、リアウィンドウウォッシャノズルにそれぞれ供給するものである。
吸入口25,35は、ポンプ部22,32からほぼ水平方向に突き出して形成され、開口12a,12bを介して、ウォッシャタンク10内に挿入されている。
ここで、ウォッシャポンプ20,30は、実質的に同じものが用いられ、その吸入口25,35がほぼ同じ高さとなるようにウォッシャタンク10に装着されている。
ウォッシャポンプ50は、図1に示すように、ウォッシャタンク10の凹部13内に配置されている。
また、ウォッシャポンプ50は、図3等に示すように、モータ部51、ポンプ部52、コネクタ53、ホース54(図1参照)、吸入口55を備えている。
ポンプ部52は、モータ部51によって駆動され、ウォッシャ液を加圧するインペラを収容する部分であって、モータ部51のウォッシャタンク10側(車幅方向内側)の端部に接続されている。
コネクタ53は、モータ部51に電力を供給する図示しないハーネスが着脱可能に接続されるものであって、モータ部51のポンプ部52とは反対側の端部に設けられている。
ホース54は、ポンプ部52において加圧されたウォッシャ液を、図示しないヘッドランプウォッシャノズルに供給するものである。
吸入口55は、ポンプ部52のウォッシャタンク10側の端面から突き出して形成され、開口13aを介してウォッシャタンク10内に挿入されている。
図3(b)に示すように、ウォッシャポンプ20に設けられるグロメット60は、ほぼ円筒状に形成され、その内径側に吸入口25が挿入されるとともに、その軸方向における中間部分において他の部分よりも外径を小さく形成され、この部分に開口12aの内周縁部が嵌め込まれるようになっている。
筒状部72は、本体部71のウォッシャタンク10の内部側の端部と連続して形成され、吸入口35にウォッシャ液が導入される吸入管路部である。筒状部72は、その先端部(吸入口35と反対側の端部)が吸入口35に対して上側となるように湾曲して形成され、その先端部はウォッシャタンク10の内部に開口している。この開口端部は、その周縁部がほぼ水平となるように配置されている。
このような構成とすることによって、ウォッシャポンプ30が吸入可能なウォッシャ液の最低液面高さLrは、ウォッシャポンプ20の最低液面高さLfよりも高く設定されている。これによって、ウォッシャポンプ20は、ウォッシャタンク10内のウォッシャ液残量が、例えば約290mlまで吸入可能であるのに対し、ウォッシャポンプ30は、残量が例えば約600mlまで吸入可能となっている。
ウォッシャポンプ50は、その吸入口55を、ウォッシャポンプ20の吸入口25よりも上側であってかつウォッシャポンプ30に接続されたグロメット70の筒状部72の開口端部よりも下側に配置することによって、その吸入可能な最低液面高さLhが、これらの最低液面高さLf,Lrの中間となっている。ウォッシャポンプ50は、ウォッシャタンク10内のウォッシャ液残量が、例えば約530mlまで吸入可能となっている。
これによって、本実施例の車両用ウォッシャ装置は、リアウィンドウウォッシャ、ヘッドランプウォッシャ、フロントウィンドウウォッシャの順にウォッシャ液が出なくなるようになっている。
図4は、比較例の車両用ウォッシャ装置におけるウォッシャタンク部を示す図である。
比較例のウォッシャタンク110は、フロントウィンドウウォッシャ用のウォッシャポンプ20に対して、リアウィンドウウォッシャ用のウォッシャポンプ30を高い位置に装着するものである。ウォッシャタンク110の側面には、前後方向に配列されかつ上下方向にオフセットして配置された凹部111,112が形成され、ウォッシャポンプ20,30は、これらの内部にそれぞれ収容される。
比較例の車両用ウォッシャ装置においては、ウォッシャポンプ20,30の吸入下限液面高さの差を変更する場合、例えば凹部111,112の位置や形状を変更する等、ウォッシャタンク10の設計を変更する必要が生じ、大幅な型改修等が必要となる。
(1)リアウィンドウウォッシャ用のウォッシャポンプ30に、一方の端部が吸入口35に接続され、他方の端部がこれよりも高い位置でウォッシャタンク10内に開口した筒状部72を設けることによって、ウォッシャタンク10の構成や、ウォッシャポンプ20,30のレイアウトを変更しなくても、比較的型改修等の設計変更が容易な筒状部72の形状等の変更によって、ウォッシャポンプ30が吸入可能な下限液面高さを変更することができるから、この下限液面高さの設定自由度を向上することができる。
また、各ポンプ相互間で吸入下限液面高さを異ならせることが考慮されていない既存のウォッシャタンクを用いる場合であっても、上述したような液面高さの差を容易に設定することができる。
さらに、高さの異なる筒状部72を有する複数種類のグロメット70を使い分けることによって、同じウォッシャタンク10を用いて吸入下限液面高さの異なる複数種類のウォッシャ装置に対応することができる。
(2)筒状部72をグロメット70の本体部71と一体に形成することによって、部品点数の増加を防止し、ウォッシャ装置の構造や組立工程が煩雑となることを防止できる。また、グロメット70の本体部71と同じ弾性材料によって筒状部72を形成することによって、筒状部72が可撓性をもつから、その組付け作業における作業性が向上する。
(3)グロメット70に、ウォッシャタンク10への正規の装着方向を示す装着方向表示部73を設けることによって、グロメット70の組付け状態に起因する下限液面高さの誤差を低減することができ、また、装着方向が容易に判別できるから組付け作業が容易となる。
(4)筒状部72をリアウィンドウウォッシャ用のウォッシャポンプ30に備えることによって、ウォッシャ液の残量が少なくなった場合に、リアウィンドウウォッシャ向けのウォッシャ液供給を停止することによって、ユーザにウォッシャ液不足を認知させるとともに、この状態においてもフロントウィンドウウォッシャ向けのウォッシャ液供給は可能として前方視界を確保することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、実施例の吸入管路部(筒状部)はグロメットと一体に形成されているが、これに限らず、別体の部材としてもよい。
また、実施例は、吸入管路部をリアウィンドウウォッシャ用のウォッシャポンプにのみ装着しているが、例えば、ヘッドランプウォッシャ用のポンプ等の他のポンプに装着してもよい。
さらに、実施例は、フロント及びリアウィンドウウォッシャ用のポンプを略同じ高さに配置しているが、各ポンプ間に高低差をつけて配置するとともに、さらに本発明の吸入管路部を設けるようにしてもよい。
20,30,50 ウォッシャポンプ
21,31,51 モータ部
22,32,52 ポンプ部
23,33,53 コネクタ
24,34,54 ホース
25,35,55 吸入口
40 ポンプカバー
60 グロメット
70 グロメット
71 本体部
72 筒状部
73 装着方向表示部
80 グロメット
Claims (4)
- 容器状に形成され、洗浄液を貯留するウォッシャタンクと、
その吸入口が前記ウォッシャタンク内と連通した状態で前記ウォッシャタンクに装着される複数のポンプと、
前記複数のポンプの少なくとも一つに設けられ、一方の端部を前記吸入口に接続されるとともに、他方の端部が前記一方の端部よりも高い位置において前記ウォッシャタンク内に開口した吸入管路部と
を備える車両用ウォッシャ装置。 - 請求項1に記載の車両用ウォッシャ装置において、
前記吸入管路部は、前記ポンプと前記ウォッシャタンクとの接続部に設けられるグロメットと一体に形成されること
を特徴とする車両用ウォッシャ装置。 - 請求項2に記載の車両用ウォッシャ装置において、
前記グロメットは、前記ウォッシャタンクへの装着方向を示す装着方向表示部を有すること
を特徴とする車両用ウォッシャ装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ウォッシャ装置において、
前記複数のポンプは、前記吸入口の高さが略同じとなるように前記ウォッシャタンクに装着されたフロントウィンドウウォッシャ用ポンプ及びリアウィンドウウォッシャ用ポンプを含み、
前記吸入管路部は、前記リアウィンドウウォッシャ用ポンプに備えられること
を特徴とする車両用ウォッシャ装置。
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