JP4825383B2 - MseI制限エンドヌクレアーゼをクローニングする方法及び製造する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの実施態様において、発現が細胞の生理的状態の変化を補正するように、従ってあらゆる増殖段階において同族の制限エンドヌクレアーゼによる切断に対して好ましくは完全な保護を与えるように、保護的修飾メチルトランスフェラーゼ活性の均衡の取れたレベルを産出するために先ず方法を実施すること;次いで制限エンドヌクレアーゼを導入すること及びその発現を提供することを含む、目的の制限修飾システムをクローニングし、発現する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
制限エンドヌクレアーゼは、1本鎖又は2本鎖DNAを分解するか又は切断するヌクレアーゼと呼ばれる酵素の部類に属する。制限エンドヌクレアーゼは、DNA分子に沿って特定のヌクレオチドの配列(「認識配列」)を認識し、結合することによって作用する。いったん結合すると、エンドヌクレアーゼは認識配列の範囲内で又は一方で分子を切断する。いかなる任意のエンドヌクレアーゼについても位置は固定しているが、切断の位置は種々の制限エンドヌクレアーゼの間で異なってもよい。様々な制限エンドヌクレアーゼが認識配列に対して様々な親和性を有する。今日までに調べられた幾千もの細菌種及び古細菌種の中で、200を超える、独特の特異性を認識する制限エンドヌクレアーゼが同定されている。
【0003】
制限エンドヌクレアーゼは、その組成並びに補因子の必要性、標的配列の性質、及び標的配列に関するDNA切断部位の位置に基づいて分類される(Yuan, R., Ann. Rev. Biochem., 50:285-315, 1981)。現在のところ、性状のよく判っている3種の制限エンドヌクレアーゼが知られている(I、II及びIII)。I型酵素は特異的な配列を認識するが、その配列に関して無作為に切断する。III型制限エンドヌクレアーゼは、特異的な配列を認識し、その配列の一方に対して定められた位置で切断するが、決して完全には消化しない。この2種の酵素はどちらとも実用的な用途には好適ではない。II型制限エンドヌクレアーゼは、特異的な配列(4〜8個の長さのヌクレオチド)を認識し、その配列の範囲内の位置か又はそれに極めて近い定められた位置で切断する。通常、それらは、その作用にMg2+イオンのみを必要とする。II型制限エンドヌクレアーゼがその他の細菌成分から精製された場合、実験室でDNA分子を特異的な断片に切断するのにそれらを用いることができる。この特性によって研究者はDNA分子を操作することができ、生じた構造を解析することができる。
【0004】
細菌は、単離によってせいぜいほんのわずかな制限エンドヌクレアーゼを処理する傾向があるにすぎない。制限エンドヌクレアーゼは、それらが生じる生物の名称に由来する3文字の頭字語によって命名される(Smith and Nathans, J. Mol. Biol., 81:419-423, 1973)。最初の文字は属に由来し、2番目と3番目の文字は種に由来する。従って、例えば、Deinococcus radiophilus種の株は、DraI、DraII及びDraIIIと命名された3種の異なるII型制限エンドヌクレアーゼを合成する。このような酵素はそれぞれ、配列、TTTAAA、PuGGNCCPy及びCACNNNGTGを認識して切断する。一方、Escherichia coliのRY13株は、たった1つのII型制限酵素であるEcoRIを合成し、それは、配列GAATTCを認識する(Roberts R. J., and Macelis D., Nucl. Acids Res., 28:306-7, 2000)。
【0005】
細菌及び古細菌の制限システムの第2の成分は、修飾メチラーゼである(Roberts and Halford, in 'Nucleases' 2nd ed., Linn et al., ed.'s, p.35-88, 1993)。このような酵素は制限エンドヌクレアーゼに相補的であり、細菌がそれ自体のDNAを保護し、外来の、侵入DNAから区別することができる手段を提供する。修飾メチラーゼは、相当する制限エンドヌクレアーゼと同じ認識配列を認識し、結合するが、DNAを切断する代わりに、メチル基を付加することにより配列の範囲内の1つか又はその他のヌクレオチドを化学的に修飾する。メチル化後、認識配列はもはや制限エンドヌクレアーゼによって切断されることはない。修飾メチラーゼの活性の効力によって細菌細胞のDNAは修飾され、従って、内因性の制限エンドヌクレアーゼの存在に感受性がない。制限エンドヌルレアーゼの認識と切断に感受性があるのは修飾されていない、従って識別することが可能な外来DNAだけである。
【0006】
自然状態では、II型制限エンドヌクレアーゼは、ウイルス及びプラスミドDNAのような外来DNAを、そのDNAが適当な修飾酵素によって修飾されていない場合、切断すると考えられている(Wilson and Murray, Annu. Rev. Genet. , 25:585-627, 1991)。このようにして細胞は外来DNAによる侵略から保護されている。従って、II型制限修飾システムの進化は、外来DNAによる感染からそれ自体を保護する細胞の必要性によって進んできたと広く考えられている(細胞性防御仮説)。
【0007】
遺伝子操作技術の出現によって、今や遺伝子をクローン化し、それらがコードしているタンパク質や酵素を、従来の精製技術で入手可能なものよりも大量に製造することが可能である。制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローンを単離する鍵は、遺伝子ライブラリの中でそのようなクローンを同定する簡単で信頼できる方法を開発することである。可能性のある困難さの1つは、プロモータ若しくはリボソームの結合部位の差異又は遺伝子のコドン組成の差異のように、起源となる生物の転写及び翻訳装置が大腸菌とは異なっているために制限エンドヌクレアーゼ遺伝子及びメチラーゼ遺伝子の中には、大腸菌で発現されない可能性があるものがあることである。メチラーゼ遺伝子の単離には、メチラーゼが十分に大腸菌で発現し、遺伝子を運んでいるプラスミドの少なくとも一部を完全に保護することが必要とされる。活性型でのエンドヌクレアーゼの単離には、メチラーゼが十分に発現して宿主DNAを完全に保護するか又はエンドヌクレアーゼによる切断に由来する致命的な損傷を妨げることが必要とされる。制限エンドヌクレアーゼをクローニングするもう1つの障害は、大腸菌株の一部がシトシン又はアデニンの修飾に有害に反応する;メチル化シトシン(Raleigh and Wilson, Proc. Natl. Acad. Sci., USA83:9070-9074, 1986)又はメチル化アデニン(Heitman and Model, J. Bact., 196:3243-3250; Raleigh et al., Genetics, 122:279-296, 1989; Waite-Rees, et al., J. Bacteriology, 173:5207-5219, 1991)を含有するDNAを破壊するシステムを生じるという発見である。シトシン特異的又はアデニン特異的メチラーゼ遺伝子は、それら自体又はそれらに相当するエンドヌクレアーゼ遺伝子と共にいずれにおいてもこのような株で容易にクローニングすることはできない。この問題を回避するためには、このようなシステムが欠損している大腸菌の変異株(McrA及びMcrB又はMrr)を使うことが必要である。
【0008】
制限遺伝子を大腸菌にクローニングするために、以下のようないくつかのアプローチが用いられてきた。
(1)ファージの制限に基づいた選定
最初にクローニングされたシステムでは、制限エンドヌクレアーゼのクローンを同定し、選定する手段としてバクテリオファージ感染が用いられた(EcoRII:Kosykh et al., Molec. Gen. Genet., 178:717-719, 1980; HhaII:Mann et al., Gene 3:97-112, 1978; PstI:Walder et al., Proc. Nat. Acad. Sci., USA 78:1503-1507, 1981)。細菌における制限−修飾システムの存在によって細菌はバクテリオファージの感染に抵抗することができるので、クローン化された制限−修飾遺伝子を運んでいる細胞は原則として、ファージにさらされたライブラリから生き残りとして選択的に単離される。しかしながら、この方法は限定された利点しか有さないことが判明した。具体的には、クローン化された制限−修飾遺伝子は、通常の条件下で選択的生き残りを提供する十分なファージ抵抗性を常に示すとは限らないことが判ったのである。
【0009】
(2)ベクターの修飾に基づいた選定
数の上で増えているシステムをクローニングするのに用いられる第2のアプローチには、活性のあるメチラーゼ遺伝子の選定が関与する(米国特許第5,200,333号及びBsuRI:Kiss et al., Nucl. Acid Res., 13:6403-6421, 1985を参照のこと)。制限遺伝子と修飾遺伝子は密接に連関していることが多いので、両遺伝子を同時にクローニングすることができることも多い。この選定では常に完全な制限システムが得られるとは限らないが、その代わり、メチルトランスフェラーゼ遺伝子だけを得る可能性がある(BspRI:Szomolanyi et al., Gene 10:219-225, 1980; BcnI:Janulaitis et al., Gene 20:197-204, 1982; BsuRI:Kiss and Baldauf, Gene 21:111-119, 1983;及びMspI:Walder et al., J. Biol. Chem., 258:1235-1241, 1983)。
【0010】
(3)天然プラスミドのサブクローニング
もう1つのクローニング法には、当初、プラスミド由来の大腸菌にクローニングするプラスミドとして特徴付けされた転移システムである(EcoRVI:Bougueleret et al., Nucl. Acid Res., 12:3659-3676, 1984; PaeR7I:Gingeras and Brooks, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 80:402-406, 1983; Theriault and Roy, Gene 19:355-359, 1982; PvuII:Blumenthal et al., J. Bacteriol., 164:501-509, 1985)。
【0011】
(4)複数工程のクローニング
直接的なメチラーゼ選定法は、種々の障害のためにメチラーゼ(及び/又はエンドヌクレアーゼ)クローンを得ることができないことがある。例えば、LunnenらのGene74(1)巻(1988年)の25〜32ページを参照のこと。制限−修飾遺伝子をクローニングするのに障害となる可能性の1つは、修飾により予め保護されていない宿主にエンドヌクレアーゼ遺伝子を導入しようとすることである。メチラーゼ遺伝子及びエンドヌクレアーゼ遺伝子を単一のクローンとして共に導入する場合、エンドヌクレアーゼが切断する機会を有する前にメチラーゼは宿主DNAを保護的に修飾しなければならない。従って、時には、遺伝子を順に、先ずメチラーゼを次いでエンドヌクレアーゼをクローニングすることが可能なこともある(米国特許第5,320,957号を参照のこと)。
【0012】
(5)DNAの損傷で誘導可能なSOS反応の誘導に基づいた選定
メチラーゼ遺伝子及びエンドヌクレアーゼ遺伝子をクローニングするもう1つの方法は、DNA損傷に関する比色アッセイに基づく(米国特許第5,492,823号を参照のこと)。メチラーゼに関してスクリーニングする場合、AP1−200のような感受性宿主の大腸菌株をプラスミドライブラリで形質転換する。メチラーゼの発現によって、McrA、McrBC、又はMrrである大腸菌株でSOS反応が誘導される。AP1−200株は、Mcr及びMrrシステムに対して温度感受性であり、大腸菌の損傷で誘導可能なdinD遺伝子座に融合したlacZを含む。メチラーゼ又はエンドヌクレアーゼをコードする組換えプラスミドの検出は、限定的な温度でのlacZの誘導に基づく。メチラーゼ遺伝子をコードする形質転換体は、X−galを含有するLB寒天プレート上で青いコロニーとして検出される(Piekarowicz et al., Nucleic Acids Res., 19:1831-1835, 1991;及びPiekarowicz et al., J. Bacteriology 173:150-155, 1991 )。同様に、大腸菌株、ER1992はdinD1−lacZ融合物を含有するが、メチル化依存性の制限システム、McrA、McrBC及びMrrを欠いている。このシステム(「エンド−ブルー(endo−blue)」法と呼ばれる)では、SOS反応を含めて、エンドヌクレアーゼが宿主細胞のDNAを損傷する場合、同族のメチラーゼの非存在下でエンドヌクレアーゼ遺伝子を検出することができる。X−galを補ったLB寒天プレート上で、SOS誘導された細胞は、深青色のコロニーを形成する(Fomenkov et al., Nucleic Acids Res., 22:2399-2403, 1994、及び米国特許第5,498,535号)。
【0013】
(6)N末端配列に基づいた同義性インバースPCR
修飾メチルトランスフェラーゼ遺伝子を同定することができない(米国特許第5,945,288号を参照のこと)、又はメチラーゼ遺伝子を同定することはできるが、制限エンドヌクレアーゼを特定するオープンリーディングフレームがはっきりしないということが起き得る。これらの場合、起源となった生物から十分な量及び純度で制限エンドヌクレアーゼを精製することができるときは、エンドヌクレアーゼ遺伝子を同定するための追加的な方法を特に適用することができる。この方法では、エンドヌクレアーゼを実質的な均一性まで精製して、ポリペプチドの配列決定を行う。得られたポリペプチド配列をDNA配列に逆翻訳し、起源となった生物のゲノムDNAから又はそれから作成した遺伝子ライブラリからエンドヌクレアーゼ遺伝子の一部を増幅するために同義性PCRプライマーを設計することができる。サザンブロット分析又は更なる直接若しくはインバースPCR法によって完全な遺伝子のDNA配列を得ることができる。同族のメチルトランスフェラーゼが得られない場合か又はそれを発現することができない場合、制限エンドヌクレアーゼのクローン単独の安定性及び利便性は、通常、ひどく危うくなる。
【0014】
上記の方法によって、特定のシステムのメチルトランスフェラーゼ及び制限エンドヌクレアーゼを得ることができてもよいが、それでもやはり、酵素製造のために使用可能な株の確立は問題である。困難さは好適なレベルでのメチルトランスフェラーゼの発現と共にあることが多い。このことは方法(6)と共に特に真実である。本来の宿主におけるエンドヌクレアーゼとは関係がなかったが、同じか又は関連した配列を認識し、エンドヌクレアーゼが認識配列を切断するのを妨げる、ヘテロ特異的なメチルトランスフェラーゼを用いて、かかるクローンを安定化することができることもある(米国特許第6,048,731号を参照のこと)。
【0015】
利用できる好適なヘテロ特異的メチルトランスフェラーゼがない、及び同族のメチルトランスフェラーゼにより宿主に与えられる保護の程度が不適当であるこいうことが生じる可能性がある;又は明らかに適当なレベルのメチルトランスフェラーゼを得ることができるが、かかるレベルは細胞に対して毒性があり、結果として保存することができない株を生じるということが起きる可能性がある;又は保護が明らかに適当であり、保護された細胞は生存可能であるが、メチルトランスフェラーゼとエンドヌクレアーゼ遺伝子の組合せによって検出可能なエンドヌクレアーゼを発現しない株を生じることが起きる可能性がある;又は保護が明白に適当であり、メチルトランスフェラーゼとエンドヌクレアーゼ遺伝子の組合せによって検出可能なエンドヌクレアーゼを発現する株を生じるが、商業的に有用なレベルの酵素を製造するには十分に好適ではないことが起きる可能性がある。
【0016】
制限エンドヌクレアーゼによる切断から宿主細胞を効果的に保護するのに必要な酵素の要求レベルを変更する数多くの因子を仮定することができる。かかる因子には、増殖の静止期の間に細胞に存在するよりも大量のDNAコピーが存在する急速な増殖;制限エンドヌクレアーゼの新しい合成が開始する前に修飾メチルトランスフェラーゼの新しい合成が必要とされる可能性がある休止状態からの回復;例えば、S−アデノシルメチオニンのような要求されるDNAメチルトランスフェラーゼ補因子のレベルが変化する可能性がある、種々の飢餓;及びDNA損傷又はその他の生理的障害のような特定の生理状態が挙げられる。さらに、メチルトランスフェラーゼのレベルが高くなりすぎ、例えば、同族部位に関係する無関係な部位に結合するか又はそれをメチル化することによって毒性となり、従って、調節タンパク質又はDNA凝縮タンパク質によるDNA配列の読み取りを妨害する可能性がある。従って、無制限に永続化するためには、メチルトランスフェラーゼの発現の絶対的なレベルを培養の期間にわたる条件に応じて変動させる必要がある可能性がある。
【0017】
制御の微細レベルに対するこの必要性は、修飾メチルトランスフェラーゼに独特なのではない。50年の研究のうちに、例えば、栄養を分解する、又は必須成分を合成する(trp、his)、又は有害因子に反応する(DNA損傷反応、熱ショック反応)異化及び同化遺伝子のセット(lac、ara、gal)のような種々の機能について多数の詳細な調節図式が記載されてきた。このような調節性の効果には、例えば、プロモータ活性(アクチベータ又はリプレッサによる)、転写安定性(レトロ調節要素による)における変化が、翻訳レベル(弱化又は翻訳連結)の変化が介在する。この高いレベルの理解にもかかわらず、機能に対する要求が生理的変化と共にいかに変化するのか及び機能の所望のレベルをいかにして達成するのかを前もって予測することは簡単ではない。
【0018】
精製された制限エンドヌクレアーゼ、及び、程度は少ないが修飾メチラーゼは、実験室で遺伝子を特徴付けるのに有用なツールなので、組換えDNA技術を介して、このような酵素を大量に合成する細菌株を入手しようとする商業的な動機がある。かかる株は、商業的に有用な量で製造する手段を提供することはもとより、精製の作業を簡略化するので有用である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、1つの実施態様において、発現が細胞の生理的状態の変化を補正するように、従ってあらゆる増殖段階において同族の制限エンドヌクレアーゼによる切断に対して好ましくは完全な保護を与えるように、保護的修飾メチルトランスフェラーゼ活性の均衡の取れたレベルを産出するために先ず方法を実施すること;次いで制限エンドヌクレアーゼを導入すること及びその発現を提供することを含む、目的の制限修飾システムをクローニングし、発現する方法に関する。
【0020】
本発明はさらに、静止期、対数増殖期、保存からの再生期又はその他の増殖期から選択してもよい決定的な増殖期の間に保護の程度を具体的に調べること、及び次いでそのような決定的な増殖期における機能について選択することにより好適な発現ベクターを同定することを含む、保護的修飾メチルトランスフェラーゼ活性の均衡の取れたレベルを産出するための方法に関する。
【0021】
上記方法は、MseI制限修飾システムのクローニングと発現によって例示され、システムはDNA(デオキシリボ核酸)断片にコードされており、断片は、2つの関連する酵素、すなわち、DNA配列5’−TTAA−3’を認識し、この認識配列のT残基間のリン酸二エステル結合を切断して2塩基の5’伸長を産出する酵素(Morgan R. D., Nucl. Acids Res., 16:3104, 1988)(以後、MseI制限エンドヌクレアーゼと呼ぶ)、及び同じDNA配列、5’−TTAA−3’を認識するが、メチル基を付加することによって修飾し、MseIエンドヌクレアーゼによる切断を妨げる、M.MseIとして知られる第2の酵素をコードする。さらに発明は、それぞれM.MseIとは配列で異なり、M.MseIと同じ機能を実行する、すなわち、メチル基を付加することにより配列5’−TTAA−3’を修飾してMseIエンドヌクレアーゼによる切断を妨げる酵素をコードする、2つの追加的なDNA断片に関する。本発明はまた、DNA断片、DNA断片を含有するベクター、このDNA断片を含有する形質転換された宿主の調製方法、及びかかる形質転換宿主からのMseI制限エンドヌクレアーゼの改良製造方法にも関する。
【0022】
【課題を解決する手段】
本発明に基づいて製造されるMseI制限エンドヌクレアーゼは、実質的に純粋であり、従来の技術で作られた制限エンドヌクレアーゼ調製物に一般的に見い出される混入物を含まない。
【0023】
MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子ではなく、MseIメチラーゼ遺伝子は、一般にメチラーゼ選定として引用される技術に従って得られた(米国特許第5,200,333号、その開示を参考として本明細書に組み入れる)。しかしながら、メチラーゼ選定によって得られたクローンはどれも検出可能なMseI制限エンドヌクレアーゼ活性を発現しておらず、且つ、一晩のインキュベートの後、MseI消化から完全には保護されてはいなかった。メチラーゼのクローンを配列決定し、他のN6−アデニンメチラーゼとの相同性に基づいてMseIメチラーゼ遺伝子を同定した。メチラーゼのクローンは検出可能なMseIエンドヌクレアーゼ活性を生じなかったが、エンドヌクレアーゼ遺伝子はメチラーゼ遺伝子に隣接して位置するらしいことが推測された。従って、Micrococcus種から、MseIメチラーゼ遺伝子に隣接するDNAをインバースPCR技術によって増幅し、配列を決定した。
【0024】
MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子の位置を決定し、確実に同定するために、Micrococcus種から得た高度に精製したMseI制限エンドヌクレアーゼタンパク質のN−末端アミノ酸配列を決定した。推定アミノ酸配列がMseIエンドヌクレアーゼのN−末端アミノ酸配列と一致したオープンリーディングフレームが、インバースPCR技術によって得られたDNA配列の中に認められ、メチラーゼ遺伝子の3’側に位置していた。MseIメチラーゼ遺伝子を増幅し、通常の高発現ベクターに適合するベクターでクローニングした。次いで、MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子を増幅し、ベクターのpETシリーズのような発現ベクターに連結して、別の適合ベクターで運ばれたMseIメチラーゼで予め修飾された宿主に導入した;しかしながら、得られたわずかなかかるコンストラクトではMseI活性は見い出されなかった。以下の更なる結果から、MseI発現のこの失敗は、メチラーゼの不適当な発現によるものであり、上手く行ったエンドヌクレアーゼの発現は致死的事象となったと思われる。本発明に従って完全に修飾しているベクターを入手した後、エンドヌクレアーゼ遺伝子の誘導に先だって細胞増殖の間、エンドヌクレアーゼの発現を抑制したベクターの構築によってエンドヌクレアーゼの発現も慎重に調節した。このような特別のコンストラクトでエンドヌクレアーゼ遺伝子とメチラーゼ遺伝子を運ぶ宿主を次いで増殖させ、誘導し、回収して、MseIエンドヌクレアーゼを作製するのに用いた。
【0025】
MseI制限−修飾システムをクローニングし、発現する好ましい方法は、メチラーゼ選定法に従ってメチラーゼ陽性クローンを得ること及びこのようなMseIメチラーゼ陽性クローンのDNA配列を決定することから成る。インバースPCR技術によりメチラーゼ遺伝子に隣接するDNAを入手し、配列を決定する。Micrococcus種からのMseIエンドヌクレアーゼタンパク質をほぼ均質まで精製してN−末端のアミノ酸配列を決定する。DNA配列及びアミノ酸配列のデータに基づいてMseIエンドヌクレアーゼ遺伝子を同定する。MseIメチラーゼの発現を調整して、宿主に対して毒性になるほど多量のメチラーゼを発現することなく、宿主ゲノムの完全な保護を達成する。急速な対数増殖期にある細胞から得られたDNAをMseIエンドヌクレアーゼの切断に対する保護について調べ、このような急速な増殖条件下で完全な保護を提供するコンストラクトを用いて、この完全なメチル化状態をモニターする。次いで、Micrococcus種のゲノムDNAから完全な遺伝子を増幅し、pVR−24(米国マサチューセッツ州、ベバリーのニューイングランド・バイオラボズ社)のような誘導に先立つ細胞増殖の間、MseIエンドヌクレアーゼの発現を制限するように設計された発現ベクターに連結することによりMseIエンドヌクレアーゼを発現する。十分な調節能を提供する適当な遺伝組成を持った(米国特許出願出願番号第09/689,359号)、MseIの切断に対して完全な保護を提供する、別の適合プラスミドで発現されたMseIメチラーゼ遺伝子を運ぶことによってMseI部位を予め修飾した宿主にコンストラクトを導入する。適当な発現条件を含めてMseIエンドヌクレアーゼ遺伝子及びメチラーゼ遺伝子を含有する宿主を増殖させ、細胞を回収し、それからMseIエンドヌクレアーゼを精製することによってMseIエンドヌクレアーゼが製造される。
【0026】
【発明の実施の形態】
1つの実施態様では、本発明は、同族の制限エンドヌクレアーゼが毒性にならずに存在するあらゆる増殖段階で好ましくは宿主DNAの完全な保護が認められるような形態で制限酵素による切断からDNAを保護する修飾メチルトランスフェラーゼ遺伝子を発現するベクター(完全に保護するメチルトランスフェラーゼベクター)を先ず提供し、次いで所望の制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を発現するベクターを提供することによって目的の制限エンドヌクレアーゼを製造する方法に関する。 本発明は、修飾メチルトランスフェラーゼが制限酵素による切断に対して保護しなければならないことを除いて、修飾メチルトランスフェラーゼ又は前記制限酵素の特性によって限定されない。
【0027】
好ましい実施態様では、メチルトランスフェラーゼの発現パターンに特に敏感である増殖段階の間に完全な保護を提供するために、メチルトランスフェラーゼの発現を操作することができる調節要素を同定することによって、完全に保護するメチルトランスフェラーゼベクターを入手してもよい。本発明に従って、以下の工程によってこれを実行してもよい:
(1) 公知の方法によってベクターにおけるメチルトランスフェラーゼ遺伝子を入手すること;
(2) 該遺伝子に関して好適な位置にプロモータのような調節要素を入れること;
(3) 所望の宿主細胞における形質転換;
(4) 指数増殖期にある間にプールした形質転換体からベクターを再単離すること;
(5) エンドヌクレアーゼによって消化することによる選定;及び
(6) 生き残っている、消化されていない、従って保護されたベクター集団による新しい宿主の再形質転換。
【0028】
この方法の工程(4)は、指数増殖期から、又はその他の種々の増殖段階から適宜、例えば、静止期から、炭素又は窒素又はその他の必須栄養素の飢餓により活性化された休止期から、又はDNAの損傷状態のような特別な生理的状態の細胞から、又は酸性培地若しくは毒性化合物のような生理的傷害の原因の存在下での細胞から、単離されたプールしたベクターによって実行されてもよいことは当業者に理解されるだろう。
【0029】
好ましい実施態様では、前記工程(2)の調節要素は、以下の工程を含む方法によって同定される。すなわち、
(a)種々の異なった調節要素を含有する断片のプールを所望の位置で、メチルトランスフェラーゼ遺伝子を含有するベクターにクローニングすること;及び
(b)前記工程(3)から(6)までを続行すること。
【0030】
さらに改善されたものを選択するために前記工程(3)から(6)までを含む選定方法を反復してもよいことは当業者にさらに理解されるだろう。
【0031】
前記工程(2a)、同一又は異なった位置で調節要素を含有する断片のプールをクローニングすることを反復し、続いて適宜、選定を反復してもよいことは当業者にさらに理解されるだろう。
【0032】
本発明は、プロモータ、オペレータ、エンハンサ又は下流の調節要素であってもよい調節要素の個性によって限定されない。
【0033】
好ましい実施態様では、前記工程(1)のメチルトランスフェラーゼはメチラーゼ選定法によって単離される(米国特許第5,200,333号)。 本発明は、この方法によって単離されるメチルトランスフェラーゼ遺伝子に限定されず、 上記の方法、例えば、ファージ選定、天然プラスミドのサブクローニング、DNAの損傷によって誘導可能なSOS反応の誘導に基づいた同定、精製タンパク質のアミノ酸配列に基づいたインバースPCR、又は他のメチルトランスフェラーゼの配列に対する類似性から配列データベースにおいて同定し、続いてPCRによるクローニング若しくは方法に基づいたサザンブロットのいずれかによって単離された遺伝子を包含する(Kong, et al., Nucleic Acids Res., 28:3216-3223, 2000)。
【0034】
好ましい実施態様では、前記工程(2a)の異なった調節要素の収集は、変異誘発された断片の調製物に存在する可能性があるような混入する染色体断片と共に、エラー傾向のPCRにより無作為に変異誘発されたS.tyhimuriumのhisプロモータのコピーを含む。本発明は、このようにして得られた断片に限定されず、大腸菌若しくは別の生物のゲノムDNAから単離された断片、又は無作為な位置若しくは特定の位置での同義性配列によるオリゴヌクレオチド合成によってもたらされる断片、又は無作為若しくは特定の断片収集の組換え的PCRによりもたらされる断片の収集を包含する。好ましい実施態様では、このようにして得られる調節要素は、SEQ ID NO:9の配列である。
【0035】
本発明による方法は、該当する制限エンドヌクレアーゼによる切断からの保護を与えるどのメチルトランスフェラーゼに適用されてもよく、単に、どれが特定の天然単離物における前記エンドヌクレアーゼと共に共起するだけではないことが当業者にさらに理解されるだろう。
【0036】
本発明は、さらに、それが含有される生物を先ず培養するのではなく、環境資源のDNAから所望の特異性のメチルトランスフェラーゼを単離することに関する。好ましい実施態様では、このような遺伝子は、米国ネバダ州のディクシー・バレー・ホット・スプリングにて68℃で増殖している原核生物の混合緑色細糸と台座の群生試料から得たDNAからメチラーゼ選定によって単離される。
【0037】
本発明はさらに、誘導の非存在下では極めて低いレベルのタンパク質が発現されるように、厳重な調節でベクターから発現された所望の制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の供給に関する(極めて低い基本的な発現が認められる)。好ましい実施態様では、この厳重な調節ベクターは、WO第99/11821号及び米国特許出願出願番号第09/486,356号に記載されているようなクローン化された目的遺伝子を介して読み取る、拮抗的な、且つ独立して調節可能なプロモータを伴うベクターを含むが、この目的のために使用される、予め存在するベクターpLT7Kに存在するよりも低いコピー数を提供することにより基本的な発現はさらに低くされている。好ましい実施態様では、pLT7Kの複製開始点をpACYC184のそれと交換することによってベクターのコピー数を低くする。その他の複製開始点も使用してもよい;例えば、pSC101(Stoker, et al., Gene 18:335-341, 1982)、pSYX20(米国特許第5,262,313号)、F(Shizuya, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89(18):8794-8797. 1992)、又はその他のコピー数の少ないベクター(Harayama, et al., Mol. Gen. Genet., 184:52-55, 1981及びWohlfarth, et al., J. Gen. Microbiol., 134:433-440, 1988)である。好ましい実施態様では、ベクターはpVR−24である。
【0038】
好ましい実施態様では、添付の米国特許出願、出願番号第09/701,626号に記載されるような、目的遺伝子を翻訳することができる方向で負の調節因子の発現を高いレベルで発現する株を採用することによって、基本的な発現レベルをさらに低下させることが達成される。
【0039】
上記の方法は、本発明のもう1つの実施態様、即ち、MseI制限−修飾システムのクローニング及び発現における例示となる。
【0040】
本発明は、また、MseI制限エンドヌクレアーゼを産生する微生物株を含む新規なDNAコンストラクト及び新規な組成物も提供する。本発明において関心が向けられている制限エンドヌクレアーゼ、MseIは、DNA配列5’−TTAA−3’を認識し、この認識配列のT残基間においてリン酸二エステル結合を切断して、2塩基5’伸長を生じる。
【0041】
MseI制限エンドヌクレアーゼを過剰発現させるために、公知のメチラーゼ選定法(米国特許第5,200,333号)を超えて追加の工程が必要とされ、それには、特に、宿主に対して毒性になるほど多量のメチルトランスフェラーゼを産生しないが、in vivoでMseIの消化から宿主のゲノムDNAを完全に保護するために微妙に均衡の取れたMseIメチルトランスフェラーゼの発現が包含される。極めて急激な細胞増殖の間(指数増殖期)でさえMseIエンドヌクレアーゼに対する完全な保護が認められるように発現を最適化したmseIM遺伝子を含有するベクターを先ず用いて、大腸菌宿主を修飾する。次いで、mseIR遺伝子を含有する、例えばpVR−25のような適合するベクターでこの宿主を形質転換し、その後適当な抗生物質プレート上で両ベクターを含有するコロニーを選定する。個々の形質転換体を増殖させ、MseIエンドヌクレアーゼ活性についてアッセイする(以下の実施例5のように)ことによってMseIエンドヌクレアーゼ産生コンストラクトを同定する。
【0042】
MseIメチラーゼ遺伝子及びMseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を好ましくは大腸菌でクローニングし、発現させる、本明細書に記載された方法は、以下の工程を採用する。
1)MseIによる切断から保護するDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子のクローニング
DNA修飾メチラーゼが相当する制限エンドヌクレアーゼと同じ認識配列を認識し、結合するが、DNAを切断する代わりに、メチル基を付加することによって配列の範囲内で1つの又はその他のヌクレオチドを化学的に修飾することは周知である。このメチル化の後、認識配列はもはや制限エンドヌクレアーゼによって結合されることはなく、切断されることもない。細菌細胞のDNAは常にその修飾メチラーゼによって完全に修飾されており、従って、内因性の制限エンドヌクレアーゼの存在には完全に非感受性である。この状況では、修飾されていない、従って識別可能な外来DNAのみが、制限エンドヌクレアーゼの認識及び攻撃に感受性である。本方法の第1の工程は、MseIによる切断から保護するDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子を同定することである。これを達成するためにMicrococcus種のDNAメチラーゼ(NEB446)をクローニングすることができる。別の方法としては、米国特許第5,179,015号に記載されたように、MseIのR−Mシステム以外のR−Mシステムから、MseI制限酵素による消化を防ぐためにDNAを保護的に修飾することができるDNAメチルトランスフェラーゼを同定することができる。本発明では、MseI制限酵素による消化からDNAを保護することができる3種のメチラーゼDNAを同定した。
【0043】
先ず、全ゲノムDNAをMicrococcus種(小球菌)(NEB#446)から精製した。およそ1〜10キロベース(kb)の長さの断片を作製するために頻回切断エンドヌクレアーゼ、Sau3AIでDNAを部分的に消化することによって、このDNAのランダムライブラリを構築した。予めBamHIで開裂し、脱リン酸化したベクター、pBR322にこのような断片を連結した。連結反応物で化学的に応答能のある(コンピテント)大腸菌ER2502細胞を形質転換した。形質転換体をプールし、プラスミドは1次プラスミドライブラリを形成するために精製された集団だった。この精製されたプラスミドの部分試料をMseIで消化して、in vivoにてMseIメチラーゼ遺伝子を発現していなかった、従って消化からプラスミドDNAを保護していなかったプラスミドをすべて破壊した。消化したプラスミドプールで再び大腸菌ER2502を形質転換して、MseIメチラーゼを発現している、無傷のプラスミドを回収した。個々のクローンを選び、プラスミドDNAを精製して、MseIエンドヌクレアーゼによる切断に暴露した。MseIによって切断されなかったプラスミドがMseIメチルトランスフェラーゼ遺伝子を含有していた。
【0044】
好ましい実施態様では、メチルトランスフェラーゼ遺伝子は、Micrococcus種(NEB#446)から入手可能な制限エンドヌクレアーゼMseIに対して保護するものであり、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:7で特定されるタンパク質をコードすることができる配列のセットの間から選択してもよい。このようなタンパク質は、例えば、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:6で述べられているDNA配列でコードされてもよい。
【0045】
MseIエンドヌクレアーゼによる切断からDNAを保護することができる代替メチルトランスフェラーゼDNAを探すために、1又はそれより多くのMseI制限部位を含有するベクターでMicrococcus種以外のDNA源に由来するクローンのライブラリを構築してもよい。次いで、保護しないクローンを破壊するための1回又はそれより多い回数のMseIによる消化、続いて保護されたクローンを回収するための消化したプラスミドによる形質転換によってこのクローンのライブラリを選定する。かかるライブラリは、米国ネバダ州のディクシー・バレー・ホット・スプリングにて68℃で増殖している原核生物の混合緑色細糸と台座の群生試料から単離されたDNA(『環境からのDNA』と命名された)から作成される。精製した環境からのDNAをNsiIエンドヌクレアーゼで消化し、予めPstI制限エンドヌクレアーゼで切断し、脱リン酸化したベクターpNEB193に連結した。エレクトロポレーションにより連結反応物で大腸菌ER2683を形質転換した。形質転換体をプールし、プラスミド集団を精製して1次プラスミドライブラリを作製した。このような精製プラスミドの部分試料を過剰のMseI制限エンドヌクレアーゼで完全に消化し、ER2683を形質転換するのに用いた。得られた形質転換体のプラスミドをミニプレップし、MseI制限酵素による消化及びそれに続く寒天ゲル電気泳動によって解析した。調べた9種のプラスミドがMseIの消化に抵抗性であることが見い出され、それぞれ、MseIによる切断からDNAを保護するように機能する2種の異なったメチラーゼ遺伝子の1つをコードしていることが判明した。2種のメチラーゼ遺伝子は、esaDix4IM(SEQ ID NO:3及びSEQ IDNO:4)及びesaDix5IM(SEQ ID NO:5及びSEQ ID NO:6)と命名された。このようなクローンから調製された細胞粗抽出物の分析では、エンドヌクレアーゼ活性は示されなかった。宿主自体のDNAを保護するのにこのようなメチルトランスフェラーゼ又はそのようなその他のものを用いてもよく、従ってMseIエンドヌクレアーゼを首尾よく発現させることができる。
【0046】
2) MseI制限−修飾システム全体の配列決定
MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子ではなくMseIメチラーゼ遺伝子は一般に、上記工程1)のように、メチラーゼ選定(米国特許第5,200,333号)と呼ばれる技法に基づいて得られる。しかしながら、メチラーゼ選定によって得られたクローンはいずれも検出可能なMseI制限エンドヌクレアーゼ活性を示さなかった。ABI373DNA配列決定装置によって通常の技法を用いて、1つのメチラーゼクローンを配列決定した。その他のN6−アデニンメチラーゼに対するアミノ酸の相同性に基づいてMseIメチラーゼ遺伝子を同定した。メチラーゼクローンはいかなる検出可能なMseIエンドヌクレアーゼ活性も産生しなかったが、エンドヌクレアーゼ遺伝子はメチラーゼ遺伝子に隣接して位置するらしいことが推測された。従って、Micrococcus種(NEB#446)から得られたMseIメチラーゼ遺伝子に隣接するDNAをインバースPCR技法によって、Micrococcus種のゲノムDNAから増幅して、配列を決定した。
【0047】
MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子の位置を決定し、それを同定するために、Micrococcus種から得た高度に精製したMseI制限エンドヌクレアーゼタンパク質のN−末端のアミノ酸配列を決定した。MseIエンドヌクレアーゼは以下の実施例IIIに述べるようにMicrococcus種(NEB#446)から精製してもよい。インバースPCR技法で得られた、メチラーゼ遺伝子の3’に位置するDNA配列の中に、推定アミノ酸配列が、MseIエンドヌクレアーゼのN−末端アミノ酸配列と一致するオープンリーディングフレームが認められた。
【0048】
別の方法としては、Micrococcus種(NEB#446)に由来するMseIエンドヌクレアーゼ遺伝子の一部をPCRで増幅するための同義性オリゴヌクレオチドのプライマーを設計するのに、MseI制限エンドヌクレアーゼのN−末端アミノ酸配列を用いることができる。次いで、得られたDNA配列を用いて、MseIエンドヌクレアーゼ遺伝子のこの元来の部分のどちら側でもDNAのインバースPCR増幅を導くことができ、上記のようにこのDNA配列においてmseIM遺伝子及びMseI遺伝子を同定することができる。MseI制限−修飾システム全体をクローニングし、配列を決定するために両方の方法を用いた。
【0049】
3) MseIメチルトランスフェラーゼの発現の微妙な最適化
MseIエンドヌクレアーゼ及びMseIメチルトランスフェラーゼに対する完全な遺伝子がいったん同定されると(それぞれ、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8及びSEQ ID NO:1並びにSEQ ID NO:2)、発現を提供するために種々の方法によってそれらを操作してもよい。上記で得られたメチラーゼのコンストラクトを用いて、pETシリーズのベクター(米国ウィスコンシン州、マジソン、ノバジェン社(Novagen))を用いたT7プロモータ制御のもとでMseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の発現を精力的に試みたが、MseI制限エンドヌクレアーゼを産生するクローンを得ることはできなかった。
【0050】
メチラーゼ遺伝子の前に第2の制御可能なプロモータを導入すること、エンドヌクレアーゼ遺伝子のためにコピー数の少ないレプリコンを用い、且つエンドヌクレアーゼ遺伝子の導入に先だって宿主においてLacIリプレッサのコピー数を増やすことを含む、方法の独特の組合せを用いて、組換えMseIエンドヌクレアーゼの過剰発現を制御した。
【0051】
細胞が指数増殖期で急激に増殖している場合、メチラーゼ選定によって得られたメチラーゼのコンストラクトは宿主の大腸菌の染色体DNAを完全には保護しないことが認められた。mseIRが細胞に上手く導入され、発現されるようにメチラーゼの発現を高め、従って宿主のDNAを完全に保護するために、Micrococcus種のDNAからメチラーゼ遺伝子を増幅し、種々の強度で構成プロモータの発現下にてベクターのファミリー(pNKシリーズ、以下の実施例IVを参照のこと)でクローニングした。この試みでは、2つの最高レベルのプロモータの発現に対してメチラーゼのコンストラクトは得られず、我々はメチラーゼの過剰発現による細胞への毒性のためであると考えている。2つのさらに低いレベルで発現しているプロモータを伴ったコンストラクトは、指数増殖期でチェックした場合、MseIによる切断に対して宿主を完全に保護することはできなかった。急激な増殖の間、宿主DNAを完全に保護するが、毒性レベルよりは低く保つようにメチラーゼの発現を高めるために、プロモータコンストラクトの1つでエラー傾向のPCRによってプロモータ領域において無作為変異誘発を行った。上記で引用したメチラーゼ選定技法を用いて、MseIメチラーゼを発現している変異クローンを選択し、次いで、指数増殖期の細胞を回収し、このような宿主細胞からDNAを精製し、MseIの切断からの完全な保護について調べることによって、急激な指数増殖の間にMseIの切断から宿主のゲノムDNAを完全に保護する能力について個々のクローンを調べた。次いで、MseIに対して完全に保護することが見い出されたコンストラクトの1つを、MseIエンドヌクレアーゼの発現に用いた。
【0052】
宿主細胞の増殖のあらゆる段階で完全な保護を達成するためにメチルトランスフェラーゼの発現を調整するこの方法が、エンドヌクレアーゼが宿主細胞で発現するのが困難であるか又は発現が不可能であることを示すその他のシステムに適用可能であることを立証してもよい(米国特許第6,025,179号及び第6,048,731号を参照のこと)。
【0053】
4)誘導可能なプロモータの制御下におけるMseI制限エンドヌクレアーゼの発現
本発明の組換えMseIの発現を最適化するために、誘導可能な又は構成プロモータが周知であり、組換え宿主において高いレベルでmseIR遺伝子を発現するのに用いてもよい。同様に、高いレベルの発現を達成するために、公知のコピー数の多いベクターを使用してもよい。本発明に従って、MseI制限エンドヌクレアーゼの発現に特に好ましい方法は、例えばpVR−24(米国マサチューセッツ州、ベバリー、ニューイングランド・バイオラボズ社)のような、誘導に先立つ細胞増殖の間、MseIエンドヌクレアーゼの発現を制限するように設計された発現ベクターである。このプラスミドは、複製機能(ori)をコードする断片、クロラムフェニコール耐性遺伝子(Cm)、クローニングに好適な制限エンドヌクレアーゼ部位に隣接するカナマイシン耐性をコードする遺伝子を含有する。cI857遺伝子は、ラムダ・バクテリオファージのリプレッサタンパク質の変異型をコードし、PL及びPR(ラムダ・バクテリオファージの主要なそれぞれ左側及び右側のプロモータ)を重ね合わせるDNA配列に条件付きで結合する。lacI遺伝子は、リプレッサタンパク質、LacIをコードし、PT7(バクテリオファージT7RNAポリメラーゼ転写プロモータ)を重ね合わせるように構築されているDNA配列(lacオペレータ)に条件付きで結合する。 簡単に言えば、IPTGの非存在下の高温(42℃)ではアンチセンス・プロモータが活性を持つが、PT7はLacIによって抑制される。30℃でIPTG存在下では発現はPT7から起きる(図14及び15を参照のこと)。中間の温度で中間の濃度のIPTGがあると、中間レベルの発現が得られる。
【0054】
制限エンドヌクレアーゼを過剰発現する安定的なクローンを得るために、宿主は一般に制限エンドヌクレアーゼの消化から予め保護される。本発明では、MseIメチラーゼ遺伝子をクローニングすることによって、又は、MseIの切断に対して完全な保護を提供する方式で別の適合プラスミドに発現されている、例えば、esaDix4IM若しくはesaDix5IMのようなMseIの切断に対して保護するもう1つのメチラーゼ遺伝子をクローニングすることによって、これを達成する。以下の実施例5に示されるように、新規のプロモータ配列をコードするDNA断片がMseIメチルトランスフェラーゼ遺伝子に先行する場合、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子コンストラクト及び/又はそのmRNAを含有する発現プラスミドの安定性が改善されうることが判明した。MseIエンドヌクレアーゼ及び保護的メチラーゼ遺伝子を含有する宿主を増殖させ、適当な発現条件で誘導し、細胞を回収して、それからMseIエンドヌクレアーゼを精製することによってMseIエンドヌクレアーゼは製造される。
【0055】
本発明はさらに、MseI制限エンドヌクレアーゼをコードする遺伝子及びMseIの切断から宿主DNAを保護するメチルトランスフェラーゼDNAをコードする遺伝子が微生物に導入され、MseIエンドヌクレアーゼの発現に好適な条件下で生物を増殖させ、それを回収し、それからMseIエンドヌクレアーゼを精製するように前記微生物を形質転換するために組換えDNA修飾法を用いる、MseI制限エンドヌクレアーゼの製造方法を提供する。
【0056】
上記で概略が述べられた工程は、本発明を実施するのに好ましい態様を表しているが、公知の技術に従って上述のアプローチを変えることができることは当業者に明らかであろう。
【0057】
実際に実施するにあたり好ましいため、本発明の実施態様を説明するために以下の実施例を示す。このような実施例はあくまでも例となるものであって、本発明は、本明細書の請求項を除いて、それらに制約されるとはみなされない。
【0058】
上記及び下記で引用した引用文献は参考として本明細書に組み入れられている。
【0059】
【実施例】
実施例1:MseIメチルトランスフェラーゼ遺伝子(mseIM)のクローニング
1LのLBブロス培地中で一晩、Micrococcus種(NEB#446)を増殖させ、細胞を回収し、製造元の指示書に従ってキアゲンのゲノムチップ100/GゲノムDNA精製キット(カタログ番号10243)を用いてゲノムDNAを単離した。Sau3AIでゲノムDNAを部分的に消化して1〜10kbの断片を作製し、この切断されたゲノムDNAの20μgを、BamHIで消化し、脱リン酸化した3μgのpBR322に連結した。連結混合物で大腸菌株ER2502を形質転換した。およそ100,000の形質転換体が得られた。形質転換体をプールし、100μg/mlのアンピシリンを含有する500mlのLBブロス培地で増殖させ、プラスミド集団を精製して1次プラスミド・ライブラリを形成した。このプラスミド・ライブラリ、2μgを過剰のMseI制限エンドヌクレアーゼで完全に消化してER2505を形質転換するのに用いた。得られた形質転換体のプラスミドを2回目の選定の対象とした。80の形質転換体が得られ、これらのうち16のプラスミドDNAをMseI制限酵素消化、続いて寒天ゲル電気泳動によって分析した。調べられた16のプラスミドのうち14はMseIの消化に抵抗性であることが判明し、およそ1.6kbのSau3AI断片上に同一のmseIM遺伝子(SEQ ID NO:1、SEQ IDNO:2)を持つことが判明した。これら14のクローンから調製された細胞の粗抽出物の分析は、MseI活性を示さなかった。
【0060】
実施例2:MseIエンドヌクレアーゼによる切断に対してDNAを保護している環境からのDNA試料からの2つのメチラーゼDNAのクローニング
MseIエンドヌクレアーゼによる切断からDNAを保護することができる代替メチルトランスフェラーゼDNAを探すために、Micrococcus種(NEB446)以外のDNA源からのクローンのライブラリを、1又はそれより多くのMseI制限部位を含有するベクター内に構築してもよい。次いで、このクローンのライブラリは保護していないクローンを破壊するために1又はそれより多くの回数のMseI消化、続いて上記実施例Iのような、保護されたクローンを回収するための消化されたプラスミドによる形質転換によって上記のように選定される。ネバダ州、ディクシーバレーのホットスプリングで68℃にて増殖している原核生物の混合緑色細糸と台座の群生試料から単離されたDNAから、かかるライブラリを創った。2μgのDNAをNsiIエンドヌクレアーゼで消化し、予めPstIで切断し、脱リン酸化した1μgのベクターpNEB193に連結した。エレクトロポレーションにより連結反応物で大腸菌ER2683を形質転換し、およそ1,000,000の形質転換体を得た。形質転換体をプールし、100μg/mlのアンピシリンを含有する500mlのLBブロス培地で増殖させ、プラスミド集団を精製して1次プラスミド・ライブラリを形成した。このプラスミド・ライブラリの1μgを過剰のMseI制限エンドヌクレアーゼで完全に消化して、ER2683を形質転換するのに用いた。得られた形質転換体のプラスミドをミニプレップし、MseI制限酵素消化とそれに続く寒天ゲル電気泳動によって解析した。調べられた9プラスミドは、MseI消化に抵抗性であることが判明し、両者共MseIによる切断からDNAを保護するように機能する2つの異なったメチラーゼ遺伝子のいずれか1つをコードすることが判明した。これら2つのメチラーゼをesaDix4IM及びesaDix5IM(SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びSEQ ID NO:5並びにSEQ ID NO:6)と命名した。これらのクローンから調製された細胞粗抽出物の分析は、エンドヌクレアーゼ活性を示さなかった。これらのメチルトランスフェラーゼ又はそのような他のものを用いて宿主自体のDNAを保護してもよく、従ってMseIエンドヌクレアーゼを上手く発現することができる。
【0061】
実施例3:N−末端アミノ酸配列及びインバースPCR法により得られたMseIメチラーゼに隣接するDNA配列を用いたMseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の同定及び配列決定
(A)Micrococcus種に由来するMseI制限エンドヌクレアーゼのほぼ均質になるまでの精製
30℃にてLB培地中でMicrococcus種(NEB#446)の細胞を増殖させた。20時間の増殖の後、遠心により細胞を回収し、使用するまで−70℃に保管した。手順のすべては氷上にて又は4℃にて行った。実施例VIと同様の図式に従ってMseIエンドヌクレアーゼを精製した。およそ10,000単位のMseI活性をほぼ均質になるまで精製した。16μlのピーク分画をSDS−PAGEタンパク質ゲルに載せて、電気泳動を行った。クマシーブルーR250にてゲルを染色し、MseI制限エンドヌクレアーゼ活性に相当する約21kDの顕著なバンドが認められた。
【0062】
(B)MseIタンパク質のアミノ末端の配列
記載されたように調製されたMseI制限エンドヌクレアーゼを電気泳動し、Matsudaira(Matsudaira, P., J. Biol. Chem., 262:10035-10038, 1987)の方法に従い、以前記載されたように改変して電気的にブロットした(Looney, et al., Gene 80:193-208, 1989)。クマシーブルーR−250で膜を染色し、約21kdのタンパク質バンドを切り出し、パーキンエルマー社(米国カリフォルニア州、フォスターシティ)のアプライド・バイオシステムズ・ディビジョンのモデル407Aガス相タンパク質シーケンサーによる連続分解を行った(Waite-Rees, et al., J. Bacteriol., 173:5207-5219, 1991)。21kDのタンパク質の最初の25残基は(Met)−Thr−His−Glu−Pro−Thr−Asp−Asp−Pro−Asp−Phe−Ile−Val−Met−Ala−Ala−Ser−Ala−Xxx−Asn−Leu−Ala−Asp−Xxx−Tyr(SEQ ID NO:10)に相当した。このデータを用いて、メチラーゼ遺伝子に隣接するDNA配列から推定されたアミノ酸配列と比較し、エンドヌクレアーゼ遺伝子を同定した。
【0063】
(C)mseIMメチラーゼに隣接するDNA配列の決定
インバースPCRの増幅のための鋳型調製:50μlの反応容量にて1xNEB緩衝液#4中で37℃にて1時間、1μgのMicrococcus種(NEB#446)のDNAを10単位のHaeII制限エンドヌクレアーゼで消化した。75℃にて20分間インキュベートすることによりHaeII酵素を熱失活させた。50μlの10xT4DNAリガーゼ緩衝液及び400μlのdHO、続いて5μl(2000NEB単位)のT4DNAリガーゼ(NEB#202)を加え、16℃にて16時間インキュベートすることによって、HaeIIで消化したDNAを環化した。次いで、続いて行うインバースPCR反応用鋳型として、この環化連結反応物の一部を用いた。
【0064】
以下に示した配列のプライマー、MseI−IP1及びMseI−IP2を合成した。これらプライマーをMseIエンドヌクレアーゼとハイブリッド形成させ、互いに関して反対向きに向かせる。
【0065】
プライマー MseI−IP1
5’−CTTCTGCAGCCGATTTCATAGTGATGGC−3’
(SEQ ID NO:11)
プライマー MseI−IP2
5’−GTTCTGCAGATCGGGATCATCCGTCGG−3’
(SEQ ID NO:12)
【0066】
産物を増幅するのに成功した反応では、以下を組合せて反応ミックスを作製した。
10μlの10xベント(登録商標名)反応緩衝液
6μlの4mM−dNTP溶液
5μlの10μM濃度のプライマーMseI−IP1
5μlの10μM濃度のプライマーMseI−IP2
3μlの100mM MgSO(Mg++の最終濃度5mM)
12.5μlの環化DNA鋳型(およそ25ng)
58μlのdH
2μl(4単位)のベント(登録商標名)エクソ−ポリメラーゼNEB#257
【0067】
PCRの増幅条件は:95℃にて3分間が1サイクル、続いて95℃にて30秒間、52℃にて30秒間及び72℃にて1.5分間が4サイクル、続いて95℃にて30秒間、62℃にて30秒間、72℃にて1.5分間が20サイクルであった。0.8%寒天ゲルの電気泳動によって10μlのPCR反応物を分析した。
【0068】
HaeII環状鋳型PCR反応においておよそ1350塩基対の産物が認められた。産物をゲルで精製し、25μlのDNA(1xTE)緩衝液に浮遊した。次いで、配列決定プライマーとして上記のPCRプライマーを用いて、製造元の指示書に従い、ABI373自動配列決定システムによってこのPCR産物の配列を決定した。さらに、以下のプライマーで同様の反応においてMseIエンドヌクレアーゼ領域をPCRで増幅し、PCR産物を配列決定した。
【0069】
プライマー MseI−IP3
5’−GGTTCTGCAGTTAAGGAGGTTTAACATATGACCCACGAACCGACGGATG−3’
(SEQ ID NO:13)
プライマー MseI−IP4
5’−GTTGGATCCGTCGACGCTTCTCGGCGTACCGAGCG−3’
(SEQ ID NO:14)
【0070】
MseIメチラーゼ遺伝子に隣接するDNA配列をアミノ酸翻訳したものとMseIエンドヌクレアーゼのN−末端アミノ酸配列から得られたアミノ酸配列のデータを比較することによってMseIエンドヌクレアーゼ遺伝子を同定する。MseIメチラーゼと同一方向を向き、メチラーゼ遺伝子と7個のアミノ酸残基が重なり合っているオープンリーディングフレームが見い出され、その中では、DNA配列をコードする最初の25個のアミノ酸が、MseIエンドヌクレアーゼタンパク質から決定されたアミノ酸配列に一致していた。
【0071】
ゲノムプライミングシステム(米国マサチューセッツ州、ベバリー、ニューイングランド・バイオラボズ)のGPS(登録商標名)−1を用いて、MseIメチラーゼ遺伝子及び制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を持つ挿入物の配列決定を行った。GPS(登録商標名)−1は、カナマイシン耐性のnptII遺伝子と共に修飾されたTn7を含有しており、製造元(米国マサチューセッツ州、ベバリー、ニューイングランド・バイオラボズ社)の指示書に従って、MseIメチラーゼ遺伝子の一部を含有するpVR−18及びpNEB193においてin vitroにて挿入物を作成した。次いで、GPS(登録商標名)−1キット(トランスプライマーのそれぞれ左端及び右端に対するプライマーS及びプライマーN)に含まれるプライマーを用いて、製造元の指示書に従ってABI373自動配列決定システムを用いて、これら挿入物の配列を決定した。
【0072】
実施例4:MseIMの発現の最適化
(1)構成プロモータの別の強度のもとにMseIメチラーゼ遺伝子を配置すること
MseIメチラーゼの構成的発現の範囲を達成するために、異なった強度の構成プロモータを含有するpNKベクターの関連するファミリー(N.Klecknerによる供与)を利用した。このようなプラスミドは、BamHI部位の上流にWT又は変異型pHisプロモータのどちらかを含有し、RS415プラスミドの誘導体である(Simons, et al., Gene, 53:85-96, 1987)。名称とプロモータ強度は以下のとおりである
【0073】
【表1】
Figure 0004825383
【0074】
BamHI、MunI及びBanIIで上記プラスミドを消化し、構成プロモータを含有するベクターの骨格をゲルで精製した(類似する大きさのプラスミド断片を除去することによってベクター骨格のゲルによる精製を助けるために、BanII消化を含めた)。
【0075】
上述の構成プロモータの下流に挿入するのにMseIメチラーゼ遺伝子を調製するために、ベント(登録商標名)DNAポリメラーゼ、1xサーモポル緩衝液、4mMのMgSO、100μlのPCR反応物における鋳型としてMseIメチラーゼ遺伝子を含有する80ngのpVR19プラスミド(R.Vaisvila)、及びメチラーゼ遺伝子に関してBamHI部位の上流に導入する、5’−GAACCGGATCCGACCCTGAGTGAGAACATGCC−3’(SEQ ID NO:15)プライマー並びにMfeI部位の下流に導入する5’−AGGTCGCAATTGCCAGGGGTCGTCTTCACTCGCTAC−3’(SEQ ID NO:16)プライマーを用いてPCRを行った。95℃にて10秒間、60℃にて60秒間及び72℃にて75秒間を25サイクル行った。キアクイックPCR精製プロトコールを用いて、得られた1019塩基対のPCR産物を精製し、BamHIとMunIで順に消化し、キアクイックPCR精製プロトコールを用いてもう1回精製した。
【0076】
4つのBamHI−MunIベクター骨格すべてにMseIメチラーゼ遺伝子を連結し、ER2688細胞を形質転換して、ルリア−ベルターニ(Luria−Bertani)(リットル当り1グラムのグルコースと1グラムのMgClを補った;以下補完LBという)寒天プレートに播いた。しかしながら、おそらく細胞における高いレベルのメチル化に由来する不安定性のために、発現の最も高い2つのレベルのもとにMseIメチラーゼを配置するという試みは失敗した。さらに低い2つのレベルの発現を含有するコンストラクト、pNKR1707MseIm及びpNKR2213MseImは、このような細胞から精製したプラスミドDNAのMseIによる制限(50μl容量における1μgのプラスミドDNA、20単位のMseIで37℃にて1時間)に対する感受性により判断されるように、細胞性DNAの完全なメチル化は生じなかった。
【0077】
(2)エラー傾向PCRによる無作為に変異誘発を行った構成プロモータのライブラリの構築
pNKR2213MseImと明らかに不安定なpNKR1786MseImとの間の、MseIメチラーゼに対する中間レベルのプロモータコンストラクトを見つけるために、構成プロモータ領域を無作為PCR変異誘発と選定の対象とした。変異誘発プロトコールでは、高レベルのTaqDNAポリメラーゼ(100μlの反応容量当り5単位)、不均等dNTPプール(1.2mMのdCTPとTTP;0.2mMのdATPとdGTP)、高レベルのMgCl2(7mM)、MnCl2(0.5mM)の存在、100μl容量当り2ngのpNKR1707MseIm及びサイクル数の多い(35)PCRを採用した。AgeI制限部位及びBamHI制限部位でMseIメチラーゼに隣接するプライマーはそれぞれ、5’−GCGATACAGACCGGTTCAGACAGGATAAAG−3’(SEQ ID NO:17)及び5’−GGTCGGATCCGGCGATACAGCGAG−3’(SEQ ID NO:18)。
【0078】
PCRの後、AgeI及びBamHIで変異誘発したプロモータコピーを切断し、キアゲンのゲル精製キットでゲルによる精製を行い、その内因性構成プロモータを精製して除いた、AgeI−BamHI制限部位を持つpNKRMseImコンストラクトに連結した。ER2688コンピテント細胞にエレクトロポレーションした後、20,000個のコロニーを得た。このようなコロニーをプールし、キアゲン精製プロトコールを用いてプラスミドを精製した。これによって、MseIメチラーゼ遺伝子の上流に無作為で変異誘発された構成プロモータのライブラリが構築された。
【0079】
(3)MseI制限切断に耐性のプラスミドをもたらすクローンの選定
安定な、高レベルのメチル化を生じる変異誘発された構成プロモータを処理するプラスミドを選定するために、5μgのプラスミドライブラリをMseI制限(5μgのDNA、50単位のMseI)に37℃で4時間暴露し、続いて65℃で20分インキュベートしてMseI制限エンドヌクレアーゼを不活化した。暴露したプールの一部(250ng)でER2688カルシウム−コンピテント細胞を形質転換し、補完LB寒天プレートに播いて、37℃にて一晩増殖させた。これによって63コロニーが生じた。
【0080】
63コロニーのうち6個を無作為に選択し、さらに個々の実験を行った;10mlの補完LB培地中での一晩の増殖の後、キアゲンのキア−プレップスピン・ミニプレップ・プロトコールを用いてプラスミドDNAを精製した。100ngの精製プラスミドDNAを37℃にて30分間20単位のMseIに暴露すると、6個すべて完全に制限されたということは、不適当なレベルのメチル化を示している。
【0081】
残りの57コロニーをプールし、キアゲンのプラスミド精製プロトコールを用いてプラスミドの精製を行った。このプラスミドのプールから、50ngをさらに長い(一晩)50単位のMseI暴露の対象とし、続いて65℃にて20分間インキュベートしてMseIの制限エンドヌクレアーゼを不活化した。暴露したプールの一部(4ng)でER2688カルシウム−コンピテント細胞を形質転換し、補完LB寒天プレートに播いて、37℃にて一晩増殖させた。これによって13コロニーが生じた。
【0082】
13コロニーのうち9個を無作為に選択し、さらに個々の実験を行った;一晩の増殖及び以前記載したようなプラスミドの精製の後、1μgのプラスミドDNAを50μlの反応容量中の50単位のMseIとともに37℃にて一晩インキュベートすると、9個のうち7個で完全にメチル化されたことが判明した。
【0083】
細胞に存在するメチル化のレベルをさらに立証するために、培養の対数増殖期の間にプラスミド精製のために7コロニーを回収した(一晩の培養を新鮮な補完LB増殖培地で1:100に希釈した4時間後、37℃にて、細胞を回収した。)。かかる細胞は、発現されたMseIメチラーゼによるメチル化が完全なメチル化を達成することができないような速度でDNAを複製していることが予想される。キアゲンのキア−プレップ精製プロトコールを用いて、このような対数的に増殖している培養からプラスミドDNAを精製し、0.5μgのこのプラスミドDNAを37℃にて一晩、50単位のMseIとインキュベートした。このさらにメチル化が困難な基準を用いて、7コロニーのうち3個が完全に保護され(メチル化され)、制限切断に抵抗性であった。
【0084】
安定で、完全なレベルのMseIメチル化を生じる3個のクローン(#4、#9及び#10)は、AgeI及びBamHIでマッピングすることによって、及びプロモータ領域の上流にアニーリング部位を持つプライマーを用いて配列決定することによって調べられたプロモータ領域を有していた(5’−GGATCTTCCAGTGGTGCATGAACG−3’(SEQ ID NO:19))。3クローンのうち2個(#9と#10)は同一であり;従って、記載された2段階選定工程によって、結果として、安定な、MseIメチル化の完全なレベルが得られる2つの別々のプロモータが見い出された。
【0085】
思いがけないことに、両プロモータ#4及び#9/#10は、実験設計したような変異誘発された構成プロモータではなかったが、その代わり、プラスミド調製物に存在する低レベルの大腸菌DNAの混入に起源があるに違いないAgeI−BamHI大腸菌配列であった。
【0086】
#4プロモータは、AgeI/BamHIのマッピングによれば、約1000塩基対の長さであると思われ、配列決定によれば、最初の438塩基対は、大腸菌K−12MG1655区分349(寄託受入番号、第AE000459号)の塩基番号7813〜8251と同一であった。配列データを調べると、BamHI部位は、塩基番号8814で見い出され、それによって1002塩基対のAgeI−BamHI大腸菌断片が得られた。この大腸菌配列は、yigW_2orfの5’末端及び2つの予測されたプロモータを含有しており、そのうちの1つは、MseIメチラーゼと同一方向を向いている(8672〜8704番目)。
【0087】
#9/#10プロモータのマッピングは、AgeI/BamHIによって約420塩基対の長さであると思われ;配列決定によれば、プロモータは大腸菌K−12MG1655の区分41(寄託受入番号、第AE000151号)の塩基番号2511〜2998と同一であった。これによって488塩基対のAgeI−BamHI大腸菌断片が決定され、それは、cof orfの5’末端及び塩基番号2605〜2632及び2714〜2742にてMseIメチラーゼと同じ方向を向いた2つの予測されたプロモータを含有する。この#9/#10の配列を用いてさらに調べた。
【0088】
(4)MseIメチラーゼ発現のさらなる最適化
上記の戦略を用いて、プラスミドpVR−25でMseIエンドヌクレアーゼの発現を許すMseIメチルトランスフェラーゼの発現レベルを達成した。思いがけないことに、初めて形質転換され、増殖させた場合、プラスミドpVR−25の中で最適化されたMseIメチラーゼ(上記#9)及びMseIエンドヌクレアーゼを持つER2566宿主細胞はMseIエンドヌクレアーゼを発現したが、このコンストラクトをグリセロール中で−70℃にて保存した場合、MseIは安定的に維持されなかった。
【0089】
宿主のMseIのさらに大きな修飾を達成するためにMseIメチラーゼのコンストラクトをさらに修飾した。上述したように、おそらく細胞における高いレベルのメチル化に由来する不安定性のために、最も高い2つのレベルの構成的な発現のもとにMseIメチラーゼを配置するという試みは失敗した。最大限、認容されるレベルのメチル化を達成するために、新しいM.MseI発現プラスミド、pVR−26を構築した。上記(3)で記載されたものに由来する第2のプロモータを挿入することによってpVR−26を構築した(表2を参照のこと)。M.MseIをコードする領域(mseIM遺伝子)及びプラスミドpNKR1707mseIM−9(PmeIとMfeIで消化された)からの上流のプロモータを含有する1.244−kbのDNA断片を切断し、EcoRIとHincIIで切断したベクターpNEB193(米国マサチューセッツ州、ベバリー、ニューイングランド・バイオラボズ社)におけるPlacUV5プロモータのすぐ下流に挿入することによって、これを行った。もう1つのMseIメチラーゼのコンストラクト、pVR27は、PlacUV5プロモータとpVR26からのlacIオペレータを含有する0.379−kbのPmeI−AflIII断片を削除することによって作成した。pVR−26mseIMメチラーゼ発現ベクターによってMseIエンドヌクレアーゼの安定な発現が得られた。
【0090】
【表2】
Figure 0004825383
【0091】
実施例5:MseI制限エンドヌクレアーゼ発現の最適化
(1)発現ベクターの構築
当該技術で周知のように、制限エンドヌクレアーゼは細胞毒性のタンパク質である。多くの場合、高い発現を助長にするように設計されたプラスミドに毒性遺伝子をクローニングする試みは極めて難しい。細胞毒性遺伝子を発現するのに特に好ましいプラスミドの1つは、pLT7Kである(Kong, et al., Nucl. Acids Res., 28:3216-3222, 2000)。このプラスミドは、複製機能をコードする断片(ori)、β−ラクタマーゼをコードする遺伝子、及びクローニングに好適な制限エンドヌクレアーゼに隣接するカナマイシン耐性をコードする遺伝子を含有する。cI857遺伝子は、PLとPR(ラムダバクテリオファージの主要な、それぞれ左側と右側のプロモータ)を重ね合わせるDNA配列(CIオペレータ)に条件付きで結合するラムダバクテリオファージのリプレッサタンパク質に由来する変異体をコードする。lacI遺伝子は、リプレッサタンパク質LacIをコードし、それは、PT7(バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼ転写プロモータ)を重ね合わせるように構築されたDNA配列(lacオペレータ)に条件付きで結合する。簡単に言えば、IPTG無しでの高温(42℃)では、アンチセンスのプロモータが活性を持ち、PT7はLacIによって抑制される。IPTGを伴った30℃では、発現はPT7から生じる。
【0092】
MseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の過剰発現にpLT7Kを適合させるために、NdeI制限エンドヌクレアーゼ部位とリボソーム結合部位を導入した。さらに、colEIレプリコンをp15Aレプリコンに変更し、コピー数を1/3に減らした(約50から約15に)。これを達成するために、AclIとBamHIでpLT7Kを消化した。cI857、ラムダPL、Kn耐性遺伝子及びT7プロモータを含有する得られた1.2−kbの断片をキアゲンのキアクイック・ゲル精製キット(カタログ番号28704)を用いて寒天ゲルから単離し、予めClaIとBamHIで消化したpACYC184−T7terΔPshAIベクターに連結した。pACYC184−T7terΔPshAIは、pACYC184−T7terのPshAI欠失誘導体である。このコンストラクトをpVR−24と命名した(図14)。
【0093】
正方向(5’−AGACTCCCCCATATGACCCACGAACCGACGGATG−3’)(SEQ ID NO:20)及び逆方向(5’−GGGTGGTCCCGCTAGCTATTAGTAGGGACCGGGG−3’)(SEQ ID NO:21)のプライマーのセットによるPCRによってmseIR遺伝子に対するオープンリーディングフレーム(ORF)を増幅した。下線を引いた塩基は正方向プライマーのNdeI切断部位の位置を示す。ベント(登録商標名)DNAポリメラーゼ、1xサーモポル緩衝液、100μ1のPCR反応物中の鋳型としての500ngのMicrococcus種(NEB#446)の染色体DNA及びプライマーを用いてPCRを行った。95℃にて15秒間、68℃にて60秒間、72℃にて45秒間から成るサイクルを25回行った。キアクイックPCR精製プロトコールを用いて、得られた700塩基対のPCR産物を精製し、クレノウ酵素で処理し、NdeIで消化して、キアクイックPCR精製プロトコールを用いて、もう1回精製した。
【0094】
MseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を含有する、得られた700塩基対のNdeI−平滑末端断片を、NdeIとStuIで消化したpVR−24ベクターに連結し、 予めMseIメチラーゼ遺伝子コンストラクト、pNKR1707MseIm−9で修飾した大腸菌ER2502細胞を、連結物で形質転換した。分析した18の形質転換体のうち、3個がmseIR遺伝子を含有していた。MseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を含有するDNA挿入体の配列を決定した後、MseI制限エンドヌクレアーゼを製造するために、1個の組換えプラスミド、pVR−25を選択した。
【0095】
(2)株の構築
宿主においてLacIリプレッサのコピー数を増やすために、米国特許出願 出願番号第09/689,359号に記載されたように、株ER2833(T7lacIq株)を構築した。
【0096】
(3)別の宿主及び異なったレベルでMseIメチラーゼを発現するプラスミドと組合せた大腸菌におけるMseI制限エンドヌクレアーゼの過剰発現の最適化大腸菌におけるMseI制限エンドヌクレアーゼの過剰発現を最適化するために、これらMseIメチラーゼを発現するプラスミド(pNKR1707MseIm−9、pCR−26及びpVR−27)の1つを持つことによってMseIエンドヌクレアーゼの自己消化から事前に保護された、発現株、ER2566/pCEF−8にpVR−25を移入した。ER2566/pCEF−8は、誘導可能なlacプロモータ及び、低レベルのT7リゾチームとT7RNAポリメラーゼの天然阻害を特徴とするpSYX20を基にしたプラスミド、pCEF−8の制御のもと、T7RNAポリメラーゼに対する遺伝子の染色体コピーを含有する宿主株である。さらなる情報については、Moffatt,B.A.及びStudier,F.W.の『T7リゾチームはT7RNAポリメラーゼによって転写を阻害する』(Cell, 49:221-227, 1987)を参照のこと。誘導されない細胞では、リゾチームはT7RNAポリメラーゼの基礎的な活性を低下させ、発現宿主中で安定に維持することができる標的遺伝子の範囲を増やす。さらに、F’エピゾーム上にlacIq遺伝子を1コピー有するもう1つの発現株、ER2833/pCEF−8を用いた。
【0097】
全体として、大腸菌におけるMseI制限エンドヌクレアーゼ発現の研究には6株を用いた(表2)。株はすべて、MseI制限エンドヌクレアーゼを発現するpVR−25プラスミド及びT7バクテリオファージのリゾチーム遺伝子をコードするpCEF−8プラスミドを含有する。MseI制限エンドヌクレアーゼの高い収量について選択するために、種々の増殖条件を用いて、形質転換された宿主細胞を増殖させた。最適化実験で好ましい培地は、ルリア−ベルターニ(1リットル当り1グラムのグルコースと1グラムのMgClを補った;以後補完LBという)培地であった。
【0098】
増殖条件は以下のとおりであった。
MseRM1: 個々のコロニーからの細胞を0.5リットルのLB培地中で42℃にて8時間増殖させ、その後、0.2mMの最終濃度でIPTGを加えてT7RNAポリメラーゼを誘導し、30℃にて一晩(15時間)細胞を増殖させた。必要に応じて抗生物質:30μg/mlのカナマイシン、100μg/mlのアンピシリン及び30μg/mlのクロラムフェニコールを加えた。最後に遠心によって培養したものを回収し、−20℃に凍結した。
【0099】
MseRM3: 各実験について、個々のコロニーからの細胞を0.5リットルのLB培地中で30℃にて一晩(17時間)増殖させ、その後、0.2mMの最終濃度でIPTGを加えてT7RNAポリメラーゼを誘導し、細胞を4時間増殖させ続けた。必要に応じて抗生物質:30μg/mlのカナマイシン、100μg/mlのアンピシリン及び30μg/mlのクロラムフェニコールを加えた。最後に遠心によって培養したものを回収し、−20℃に凍結した。
【0100】
MseRM4、MseRM5及びMseRM6: 細菌培養物は50%グリセロール中、−70℃における凍結保存溶液として保持された。播種に用いた培養物は、単一コロニーを得るために適当な抗生物質を含有したLBプレート上に筋状に播いた。個々のコロニーを1mlのLB培地に再浮遊し、30μg/mlのカナマイシン、100μg/mlのアンピシリン及び30μg/mlのクロラムフェニコールを補った500mlのLB培地を含有する1000−mlのフラスコに播種した。振盪培養器で37℃、250rpmにて細胞を一晩(16時間)増殖させた。その後、最終濃度0.2mMでIPTGを加えた。さらに4時間細胞を培養し、次いで4℃で5分間8,000rpmにて遠心することによって細胞を回収し、−20℃にて凍結した。
【0101】
高レベルの発現クローンを同定するために2つの好ましい制限エンドヌクレアーゼアッセイを用いた。
超音波破砕法: 誘導した細胞(500ml)を回収し、10mMのトリスHCl(pH7.5)及び1mMのEDTAを含有する超音波破砕用緩衝液20mlに再浮遊した。氷上にてマクロ−チップのプローブで30秒間の衝撃を4回行うことによって細胞を超音波破砕した。粗抽出物の一部をNEB緩衝液2緩衝液(50μl)中のラムダDNA(1μl)に加え、37℃にて1時間インキュベートした。0.8%のゲル電気泳動によってDNAを分画し、EtBr染色によって視覚化した。
【0102】
エクスプレス法: 一晩、培養物又は誘導培養物(10〜500ml)を1ml回収し、50mMのトリスHCl、pH7.5及び25%(容量/容量)のスクロースを含有する緩衝液0.2mlに再浮遊し、溶液が均質になるまで混合した。200mMのEDTA(pH8.0)を11μlそれに0.25MトリスHCl(pH8.0)中で新しく調製した10mg/mlのリゾチームを200μl溶液に加え、氷上で5分間インキュベートした。次いで11.5μlの1M、MgCl及び24.2μlの5%(容量/容量)Brij−58を加えた。溶液をゆっくり混合し、室温にて15分間インキュベートした。インキュベートした後、4℃にて15分間、微量遠心機の最大速度で細胞粗溶解物を遠心した。上清をピペットにより新しいエッペンドルフ管に移し、必要になるまで氷上で保管した。37℃にて1時間、MseI反応緩衝液(NEB緩衝液2)中で細胞抽出物の連続希釈によって、ラムダDNA基質(1.0μg)を消化した。電気泳動によりDNAを分画し、EtBr染色によって視覚化した。ラムダDNAのMseI消化と関係する適当なサイズのバンドの存在によって活性を決定した。
【0103】
MseI制限エンドヌクレアーゼ発現の最適化に関する結果を表3に要約した。
【0104】
MseRM1株によって様々な収量のMseI制限エンドヌクレアーゼ(0.08〜0.5x10U/g細胞の湿重量)が得られた。細胞は緩やかに増加し、遅延時間はことのほか長かった。
【0105】
lacを基にした組換え発現システムの安定性及び再現性を高めるために、F’エピゾーム上にlacI遺伝子を1コピー有する新しい宿主株ER2833を構築した(米国特許出願、出願番号第09/689,359)。実際、lacI宿主(MseRM3)における発現の安定性及びプラスミドの維持性は著しく高められた:MseI制限エンドヌクレアーゼの収量は、0.5〜1.4x10U/g細胞の湿重量であった。この株(実施例4を参照のこと)から精製されたMseI制限エンドヌクレアーゼは、実質的に非特異的エンドヌクレアーゼ及びエクソヌクレアーゼを含まず、最終的な収量は約150,000U/gであった。それは、元来のMicrococcus種(NEB#446)から得られるよりも約100倍多かった。
【0106】
【表3】
Figure 0004825383
【0107】
残念ながら、MseRM3株は、−70℃で保存し、回復させた後、MseI制限エンドヌクレアーゼ活性を示さなかった。この問題を解決するために、pVR−26及びpVR−27(上記実施例4)を構築することによってMseIメチラーゼの発現レベルを高めた。このような株(MseRM4、MseRM5及びMseRM6)では、−70℃で株を保存した後でさえ高いMseI制限エンドヌクレアーゼ収量が得られ、MseRM4(NEB#1284;米国マサチューセッツ州、ベバリー、ニューイングランド・バイオラボズ社)は、100リットルの製造用発酵槽でのスケールアップに用いられた(実施例4を参照のこと)。この大規模発酵でのMseI制限エンドヌクレアーゼの収量は細胞の湿重量当り0.5x10U/gであった。
【0108】
実施例6:組換えMseI制限エンドヌクレアーゼの製造
100リットルの発酵槽において、晩期対数増殖期に増殖した組換え大腸菌株NEB#1284からMseI制限酵素を製造した。この細胞の試料を、2000年8月28日、ブタペスト協定の規約と条件のもとにATCCに供託し、「ATCC受入番号PTA−2421」を受け取った。
【0109】
(A)細胞の増殖
50%グリセロール中−70℃での凍結保存溶液として、組換えMseI制限エンドヌクレアーゼを含有する形質転換された大腸菌宿主、NEB#1284を保存した。播種用に用いた培養物を、アンピシリン(100μg/ml)、クロラムフェニコール(30μg/ml)及びカナマイシン(50μg/ml)を含有するLB寒天プレートに筋状に播き、37℃にて一晩インキュベートして単一コロニーを得た。30μg/mlのカナマイシン、100μg/mlのアンピシリン及び30μg/mlのクロラムフェニコールを補った10mlのLB培地に播種するのに数個のコロニーを用いた。37℃、250rpmの振盪培養器にて細胞を3時間増殖させ、次いで30℃にてさらに3.5時間増殖させた(培養物の過剰増殖を回避するため)。この培養の最終的に補正されたクレットは122又は対数増殖期の中ほどであった。この培養物を用いて、30μg/mlのカナマイシン、100μg/mlのアンピシリン及び30μg/mlのクロラムフェニコールを補った100リットルのLBに播種した。2SCFMの通気(1分当りの標準立方フィート)及び200rpmの撹拌速度で30℃にて18時間、発酵を行った。最終補正クレットは313であった。この発酵から331グラムの細胞(湿重量)を連続流れ方式の遠心によって回収し、−70℃に保存した。1gの細胞から粗抽出物を作成し、上記の方法(実施例5を参照のこと)を用いて、酵素活性を推定した。 粗抽出物中のMseI制限エンドヌクレアーゼの収量は500,000#U/gであり、それは、Micrococcus種(NEB#446)の粗抽出物に比べて約100倍高い。
【0110】
(B)NEB#1284からのMseI制限エンドヌクレアーゼの精製
以下の工程はすべて氷上にて又は4℃のどちらかにて行った。990mlの緩衝液A(0.15MのNaCl、10mMのトリスHCl、pH7.5、10mMのBME、1mMのEDTA及び5%(容量/容量)のグリセロール)に330グラムの細胞を浮遊し、0.56のO.D.までガウリン・プレスによってpsig12Kにて4回破砕した。PEG6000を7.5%でNaClを0.5Mで加えることにより、1150mlの上清をPEG沈殿し、次いで4℃にて50分間インキュベートした。4℃にて12Kで30分間、PEGスラリーを遠心した。580mlの上清をNaClを含まない緩衝液Aで0.1MのNaClに希釈し、緩衝液Aで平衡化した430mlのヘパリンハイパーDカラムにかけた。1200mlの緩衝液Aでカラムを洗浄し、次いで4000mlの0.1MのNaCl〜1.0MのNaClの直線勾配を適用した。0.25M〜0.35MのNaClで制限酵素活性が溶出し、それをプールした。ヘパリンハイパーDプールをNaClを含まない緩衝液Aで0.1MのNaClに希釈し、緩衝液Aで平衡化した88mlのPEIカラムにかけた。100mlの緩衝液Aでカラムを洗浄し、1000mlの0.1M〜1.7MのNaClの直線勾配を適用した。0.7〜0.9MのNaClで制限酵素活性が溶出し、緩衝液C(50mMのNaCl、15mMのトリスpH7.5、10mMのBME、0.1mMのEDTA及び5%(容量/容量)のグリセロール)に対して一晩透析し、緩衝液Cで平衡化した20mlのソースQカラムにかけた。40mlの緩衝液Cでカラムを洗浄し、400mlの0.05MのNaCl〜1.0MのNaClの直線勾配を適用した。0.25M〜0.35MのNaClで制限酵素活性が溶出し、それをプールした。ソースQプールを緩衝液D(10mMのKPO4、pH7.0、0.075MのNaCl、10mMのBME、0.1mMのEDTA、及び5%(容量/容量)のグリセロール)に対して透析し、緩衝液Dで平衡化した20mlのヘパリンTSKカラムにかけた。40mlの緩衝液Dでカラムを洗浄し、400mlの緩衝液D中の0.075M〜1.0MのNaClの直線勾配を適用した。0.3〜0.4MのNaClで制限酵素活性が溶出し、それをプールした。最終濃度100μg/mlでBSAを加えた。プールしたものを保存用緩衝液(20mMのトリスHCl、pH7.5、0.1MのEDTA、1mMのDTT、50mMのNaCl、50%(容量/容量)のグリセロール、200μg/mlのBSA)に対して一晩透析した。この精製法で26,000,000単位のMseI制限エンドヌクレアーゼが得られた。この精製で得られたMseI制限エンドヌクレアーゼは実質的に非特異的なエンドヌクレアーゼ及びエクソヌクレアーゼを含んでいなかった。
【0111】
以下の基準を見ることによってMseI制限エンドヌクレアーゼ調製物の純度をチェックした。
【0112】
1.連結:ラムダDNAの5倍過剰消化の後、生じたDNA断片の95%を越えるものが、T4DNAリガーゼと連結された(16℃にて1〜2μMの5’末端濃度)。この連結断片のうち95%が再切断可能であった。
【0113】
2.持続消化:1μgのラムダと100単位の酵素を含有する50μlの反応物を16時間インキュベートした後、1単位の酵素で1時間行われた反応としてDNAバンドの同じバンドパターンが生じた。
【0114】
3.エクソヌクレアーゼ活性: 1μgの超音波破砕した3H DNA(105cpm/μg)を含有する50μlの反応において37℃にて4時間、100単位の酵素をインキュベートした後、0.4%未満の放射活性が放出された。
【0115】
試験はすべて、以下の反応緩衝液:NEB緩衝液2(50mMのNaCl、10mMのMgCl、10mMのトリスHCl、1mMのDTT、25℃にてpH7.9、100μg/mlのBSA補完)で行った。単位の決定:50μlの1xMseI反応緩衝液(NEB緩衝液2)中で、37℃にて1時間、連続希釈したMseIエンドヌクレアーゼでラムダDNA基質(1.0μg)を消化した。電気泳動によってDNAを分画し、EtdBrによって視覚化した。ラムダDNAのMseI消化に関係する適当なサイズのバンドの存在によって活性を決定した。制限エンドヌクレアーゼ活性の1単位は、特定したNEB緩衝液を用いて、50μlの総反応容量中の1μgの基質DNAを1時間で完全に消化するのに必要な量として定義される。
【0116】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】MseIDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子をコードする組換えプラスミドpVR18の制限地図を示す。
【図2】推定上のDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子をコードする組換えプラスミドpEsaDix4Iの制限地図を示す。
【図3】推定上のDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子をコードする組換えプラスミドpEsaDix5Iの制限地図を示す。
【図4】推定上のDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子をコードするpEsaDix4IプラスミドのMseIに対する感受性の寒天ゲル解析を示す。レーン1、切断されていないpEsaDix4I;レーン2、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpEsaDix4I;レーン3、切断されていないpUC19;レーン4、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpUC19;レーン4、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpEsaDix4I+pUC19;レーン5、分子量の基準(1kbのDNAラダー、ニューイングランドバイオラボズ社)。
【図5】推定上のDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子をコードするpEsaDix5IプラスミドのMseIに対する感受性の寒天ゲル解析を示す。レーン1、切断されていないpEsaDix5I;レーン2、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpEsaDix5I;レーン3、切断されていないpUC19;レーン4、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpUC19;レーン4、10単位のMseIと共に一晩インキュベートした後のpEsaDix5I+pUC19;レーン5、分子量の基準(1kbのDNAラダー、ニューイングランドバイオラボズ社)。
【図6】mseIM遺伝子のDNA配列(SEQ ID NO:1)及びそれにコードされたアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。
【図7】esaDix4IM遺伝子のDNA配列(SEQ ID NO:3)及びそれにコードされたアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)を示す。
【図8】esaDix5IM遺伝子のDNA配列(SEQ ID NO:5)及びそれにコードされたアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)を示す。
【図9】mseIR遺伝子のDNA配列(SEQ ID NO:7)及びそれにコードされたアミノ酸配列(SEQ ID NO:8)を示す。
【図10】エラー傾向PCRによって無作為に変異誘発された構成プロモータのライブラリの構築に用いられた組換えプラスミドpNKR1707mseIMの制限地図を示す。
【図11】MseI DNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子及び上流の調節要素をコードする組換えプラスミドpNKR1707mseIM−9の制限地図を示す。
【図12】最適プロモータ配列を含有するMseI DNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子(SEQ ID NO:9)の上流のDNA配列を示す。
【図13】MseI DNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子の制御された発現に用いられたプラスミドpVR−26及びpVR−27の構築を示す。
【図14】pVR−24発現ベクターの構築を示す。
【図15】MseI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子をコードするpVR−25の制限地図を示す。
【図16】T7リゾチーム遺伝子をコードするpCEF−8の制限地図を示す。
【図17】細胞毒性タンパク質をコードする遺伝子をクローニングするためのpVR−25における厳密な調節システムの作用機序を示す。
【図18】大腸菌MseRM4、MseRM5及びMseRM6から作製された細胞粗抽出物におけるMseI制限エンドヌクレアーゼ活性のアッセイを示す。増殖条件は実施例6に記載されている。
【図19】100リットル発酵槽における増殖後の、大腸菌株MseRM4(NEB#1284)から作製された細胞粗抽出物でのMseI制限エンドヌクレアーゼ活性のアッセイを示す。

Claims (7)

  1. 配列番号8に示されるアミノ酸配列を含んでなるMseI制限エンドヌクレアーゼをコードする単離されたDNA。
  2. 配列番号7に示される塩基配列を含んでなる、請求項1に記載のDNA。
  3. 請求項1又は2に記載のMseI制限エンドヌクレアーゼをコードするDNAを含んでなる組換えDNAベクター。
  4. 請求項3に記載のベクターで形質転換された形質転換細胞。
  5. さらに、配列番号2、配列番号4及び配列番号6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含んでなるメチルトランスフェラーゼをコードするDNAを含んでなる組換えDNAベクターを含む、請求項4に記載の形質転換細胞。
  6. ATCC受入番号PTA−2421株である、請求項4又は5に記載の形質転換細胞。
  7. MseI制限エンドヌクレアーゼの発現に好適な条件下にて請求項4〜6のいずれか1項に記載の形質転換細胞を培養することを含むMseI制限エンドヌクレアーゼの製造方法。
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