JP4824208B2 - 電磁波吸収基盤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波吸収材料を含有する電磁波吸収基盤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有料道路では、所謂インテリジェント交通システム(ITS)における有料道路の自動料金収受システム(ETC)や道路上を走行する自動車の走行支援システム(AHS)等によって高度情報化がすすめられつつあるが、このようなシステムでは、電磁波の交信が激しく行われる。
【0003】
一般に、有料道路には傾斜した法面や垂直な壁面が多く存在するため、この法面や壁面が反射(乱反射)した電磁波によって、上記システムが悪影響を受けて誤作動を発生し易い環境となっている。特に、高速で移動する車両において上記システムが誤作動を発生することは好ましくない。このため、これらの法面や壁面が電磁波を反射することを防止できることが望まれている。
【0004】
さらに、これらの法面や壁面を緑化できることも望まれており、特に、有料道路の近くには、コンクリートによる擁壁が施されている場合が殆どであり、この擁壁を緑化して良好な景観を形成できることが好ましい。
【0005】
また、建築物(特に高層建築物)や土木構造物の壁面や屋根が電磁波を反射することによる電磁波障害に対しても早急な対策が求められており、現在、電磁波を吸収して電磁波の反射を防止できる各種の壁面素材や屋根素材が開発されている。しかしながら、これらの壁面素材や屋根素材を緑化することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、傾斜した法面や垂直な壁面に電磁波反射防止機能を付与できると共に植物を育成可能な電磁波吸収基盤の製造方法を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、電磁波を吸収する電磁波吸収材料を含有すると共に空隙が形成された板状の電磁波吸収基盤の製造方法であって、固化処理されると被混入固体になる液体状の被混入溶液に前記電磁波吸収材料が分散混入された被覆溶液を心材に被覆した粒状の中間粒状体を複数形成し、次に前記複数の中間粒状体を接触させた状態で前記各中間粒状体の被覆溶液中の被混入溶液を固化処理することで前記中間粒状体と前記中間粒状体との間に前記空隙が形成された板状に前記電磁波吸収基盤を成形する、ことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、被混入溶液に電磁波吸収材料が分散混入された被覆溶液を心材に被覆した粒状の中間粒状体を複数形成し、次に複数の中間粒状体を接触させた状態で各中間粒状体の被覆溶液中の被混入溶液を固化処理することで、被混入溶液を被混入固体に変化させて、中間粒状体と中間粒状体との間に空隙が形成された板状に電磁波吸収基盤が成形される。
【0009】
ここで、この電磁波吸収基盤は、電磁波吸収材料を含有するため、例えば傾斜した法面や垂直な壁面に電磁波吸収基盤を設置することで、法面や壁面に到来した電磁波を電磁波吸収材料が吸収し、これにより、法面や壁面に電磁波反射防止機能を付与することができる。
【0010】
さらに、この電磁波吸収基盤には空隙が形成されているため、空隙内に水分等を保持可能であり、これにより、電磁波吸収基盤上で植物を育成可能となる。
【0011】
請求項2に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、吸水性及び保水性を有する保水材を前記空隙に充填したことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収基盤の空隙に吸水性及び保水性を有する保水材を充填したため、電磁波吸収基盤上の植物に水分を安定供給することが可能となり、これにより、植物の育成を促進可能となる。
【0013】
請求項3に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1または請求項2に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、電磁波を反射する反射材を前記電磁波吸収基盤の裏面側に設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収基盤裏面側の反射材が電磁波を反射するため、電磁波吸収基盤に到来した電磁波が電磁波吸収基盤内を往復する。これにより、電磁波吸収基盤の電磁波吸収効率を向上でき、また、電磁波吸収基盤を薄くしつつ電磁波吸収効率を維持可能にできる。
【0015】
請求項4に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、前記心材を前記被覆溶液と共に攪拌することで前記心材に前記被覆溶液を被覆することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、心材を被覆溶液と共に攪拌することで心材に被覆溶液を被覆するため、大量の心材を被覆溶液と共に攪拌すると、各心材に被覆溶液が被覆されて、大量の中間粒状体が一度に製造される。これにより、大量の中間粒状体を効率的に製造することができる。
【0017】
また、心材を被覆溶液と共に攪拌して心材に被覆溶液を被覆するため、心材の全面に被覆溶液を洩れなく被覆できる。
【0018】
さらに、心材に被覆溶液を被覆する際に被覆溶液が攪拌されるため、被混入溶液への電磁波吸収材料の分散を補助することができる。
【0019】
請求項5に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、前記電磁波吸収材料を酸化処理したことを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が酸化処理されているため、特に被混入溶液が電磁波吸収材料の酸化度が高いほど電磁波吸収材料の分散性が良好になる性質を有する場合に、被混入溶液に電磁波吸収材料を良好に分散することができる。
【0021】
請求項6に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、前記電磁波吸収材料は高導電性を有することを特徴としている。
【0022】
請求項6に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が高導電性を有するため、電磁波吸収基盤の電磁波吸収性能を良好にすることができる。
【0023】
請求項7に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、前記被混入溶液に前記電磁波吸収材料を分散混入する際に前記被混入溶液を粘性の低い温度に調温することを特徴としている。
【0024】
請求項7に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、被混入溶液に電磁波吸収材料を分散混入する際に被混入溶液が粘性の低い温度に調温されるため、被混入溶液に電磁波吸収材料を一層良好に分散することができる。
【0025】
請求項8に記載の電磁波吸収基盤の製造方法は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の電磁波吸収基盤の製造方法において、前記被混入固体は耐熱性を有すると共に前記電磁波吸収材料は電磁波を吸収すると発熱することを特徴としている。
【0026】
請求項8に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が電磁波を吸収すると発熱するため、電磁波吸収基盤上の植物を加温することが可能となり、これにより、植物の育成を一層促進可能となる。しかも、被混入固体が耐熱性を有するため、電磁波吸収基盤(電磁波吸収材料)が発熱した際でも、電磁波吸収基盤(被混入固体)が劣化することを防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の電磁波吸収基盤の製造方法が適用されて製造された実施の形態に係る電磁波吸収基盤としての電磁波吸収発熱基盤10が斜視図にて示されている。
【0028】
本実施の形態に係る電磁波吸収発熱基盤10は、多数の空隙12が形成された板状とされており、空隙12含有率が30%程度の所謂ポーラスコンクリート状のものとされている。電磁波吸収発熱基盤10は、被覆固体14(図2参照)及び円柱状(直方体状等でもよい)の心材16(図4参照)により構成されており、被覆固体14は、耐熱性を有する被混入固体18に電磁波吸収材料としての電磁波吸収発熱材料20が分散混入された構成とされて、心材16を被覆している。
【0029】
この電磁波吸収発熱基盤10は、固化処理されると被混入固体18になる液体状の被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20が分散混入された被覆溶液24を心材16に被覆した略卵形粒状の中間粒状体26(図3及び図4参照)を複数形成し、次に、複数の中間粒状体26を接触させた状態で各中間粒状体26の被混入溶液22を固化処理(加熱処理(焼成処理を含む)や溶媒の気化処理等)することで、被混入溶液22を被混入固体18に変化させて(被覆溶液24を被覆固体14に変化させて)成形される。
【0030】
心材16としては、例えば人工軽量骨材、砕石、または石炭灰やガラス粉体を原料とした多孔質材料等が使用されており、心材16はおよそ、最大直径が2mmで最大長さが5mm、または、最大直径が5mmで最大長さが10mm等とされている。
【0031】
被混入溶液22としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミダゾピロロン樹脂、ビスマレイミド樹脂等の溶液、または、これらの樹脂の前駆体溶液が使用されている。
【0032】
電磁波吸収発熱材料20は、高導電性を有して電磁波を吸収すると発熱する性質を有する。さらに、電磁波吸収発熱材料20は、酸化処理するとより好ましい。また、電磁波吸収発熱材料20としては、特に制限がなく、例えば、カーボンファイバー、カーボン含有繊維、ニードルカーボン、フェライト、メタルファイバー等の導電性繊維等が使用されており、電磁波吸収発熱材料20は、長さが心材16に対応して0.01mmから20mm程度(例えば5mm)とされると共に、太さが例えば5μmとされている。さらに、電磁波吸収発熱材料20は、被混入固体18に対する重量比で0.01%から1.0%程度(例えば0.01%)になるように被混入溶液22に混入されている。
【0033】
被混入溶液22中に電磁波吸収発熱材料20を分散する際には、偏心ローター等のコンディショニングミキサー等で被混入溶液22を攪拌することで、電磁波吸収発熱材料20の破損(折損を含む)が防止されつつ被混入溶液22中に電磁波吸収発熱材料20が充分(均一)に分散される。なお、偏心ローター等のコンディショニングミキサー等を使用しなくても、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を破損(折損)しないように充分に分散できるものであれば他の攪拌機等を使用してもよい。
【0034】
被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を分散混入する際には、被混入溶液22が粘性の低い温度に調温される。例えば、被混入溶液22がポリイミド樹脂前駆体溶液である場合には、30℃から90℃に調温されることが好ましく、また、30℃から60℃に調温されることがより好ましい。
【0035】
心材16に被覆溶液24を被覆する際には、心材16表面を被覆溶液24が厚み例えば20μmから30μmで被覆するように、心材16表面積から算出した量の被覆溶液24のペースト内に心材16を大量に投入して、充分に攪拌する。これにより、各心材16に被覆溶液24を被覆して、大量の中間粒状体26を一度に製造する。
【0036】
被混入溶液22がポリイミド樹脂前駆体溶液である場合に、複数の中間粒状体26のポリイミド樹脂前駆体溶液を固化処理する際には、先ず、ネバネバと接着し合う状態の複数の中間粒状体26を、成形する電磁波吸収発熱基盤10に対応する大きさ(例えば縦50cm横50cm高さ3cm)を有する金属製箱状の型枠(受け皿)に充填する。次に、この型枠を焼成炉に入れて、80℃から120℃程度に加熱した後に加熱温度を300℃程度まで段階的に上げていく(例えば各中間粒状体26を120℃で60分、200℃で10分、250℃で60分、300℃で30分この順序で加熱する)ことで、ポリイミド樹脂前駆体をイミド転化させて(ポリイミド樹脂にして)固化させる。このように、ポリイミド樹脂が接合剤となった空隙12を有する電磁波吸収発熱基盤10は、容易に崩れない強度を有している。
【0037】
以上により成形される電磁波吸収発熱基盤10の比重はおよそ、心材16が発泡ガラスである場合の0.3kg/リットルから心材16が人工軽量骨材である場合の1.2kg/リットルまでであり、このため、電磁波吸収発熱基盤10は軽くて取り扱いが容易なものである。
【0038】
さらに、この電磁波吸収発熱基盤10は、厚みが厚いほど電磁波吸収性能ひいては発熱性能がよいが、大きな電磁波吸収発熱基盤10を製造する際には、補強材(例えばステンレス筋肉等)による補強が必要な場合がある。なお、本実施の形態では、電磁波吸収発熱基盤10の厚みが例えば20mm以上50mm以下とされている。
【0039】
また、この電磁波吸収発熱基盤10の各空隙12には、保水材としてのポリマー28が充填されており、ポリマー28は、高吸水性及び保水性を有している。ポリマー28としては、例えばNVA(N−ビニルアセトアミド)の架橋体で、非イオン性で広範囲のpH領域で安定的な給水倍率を示すもの(例えば昭和電工株式会社の商品名NA−010等)が使用されている。
【0040】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0041】
以上の構成の電磁波吸収発熱基盤10では、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20が分散混入された被覆溶液24を心材16に被覆した粒状の中間粒状体26を複数形成し、次に複数の中間粒状体26を接触させた状態で各中間粒状体26の被混入溶液22を固化処理することで、被混入溶液22を被混入固体18に変化させて空隙12が形成された板状に成形される。
【0042】
ここで、この電磁波吸収発熱基盤10は、電磁波吸収発熱材料20を含有するため、傾斜した法面や垂直な壁面に電磁波吸収発熱基盤10を設置することで、法面や壁面に到来した電磁波を電磁波吸収発熱材料20が吸収し、これにより、法面や壁面に電磁波反射防止機能を付与することができる。
【0043】
さらに、この電磁波吸収発熱基盤10には空隙12が形成されているため、空隙12内に水分等を保持可能であり、これにより、電磁波吸収発熱基盤10上に植物(例えばコケ植物)を育成可能となる。
【0044】
また、電磁波吸収発熱基盤10の空隙に吸水性及び保水性を有するポリマー28を充填したため、電磁波吸収発熱基盤10上の植物に水分を安定供給することが可能となり、これにより、植物の育成を促進可能となる。
【0045】
さらに、電磁波吸収発熱材料20が電磁波を吸収すると発熱するため、電磁波吸収発熱基盤10上の植物を加温することが可能となり、しかも、電磁波吸収発熱材料20が高導電性を有するため、電磁波吸収発熱基盤10の電磁波吸収性能ひいては発熱性能を良好にすることができる。これにより、植物の育成を一層促進可能となる。また、被混入固体18が耐熱性を有するため、電磁波吸収発熱基盤10(電磁波吸収発熱材料20)が発熱した際でも、電磁波吸収発熱基盤10(被混入固体18)が劣化することを防止できる。
【0046】
このため、例えば本実施の形態の電磁波吸収発熱基盤10を法面に敷き詰めてこの電磁波吸収発熱基盤10上に厚み5mm程度に吹き付け客土と共に種ゴケ(植物)を播き、その後散水養生を続けると、6ヶ月程度で電磁波吸収発熱基盤10上を全面緑化可能となる。
【0047】
したがって、電磁波吸収発熱基盤10を有料道路の傾斜した法面(例えば3分勾配から5分勾配のコンクリートによる擁壁)や垂直な壁面に設置することで、インテリジェント交通システム(ITS)における有料道路の自動料金収受システム(ETC)や道路上を走行する自動車の走行支援システム(AHS)等が誤作動を発生することを効率的に防止できると同時に、法面や壁面を緑化して良好な景観を形成できる(法面や壁面に高付加価値を付与できる)。
【0048】
さらに、電磁波吸収発熱基盤10を建築物(特に高層建築物)や土木構造物の壁面(遮音壁を含む)や屋根に設置することで、この壁面や屋根による電磁波の反射を効率的に防止できると同時に、この壁面や屋根を緑化して省エネルギー効果を得ることができる。
【0049】
またここで、電磁波吸収発熱基盤10を製造する際には、心材16を被覆溶液24と共に攪拌することで心材16に被覆溶液24を被覆するため、大量の心材16を被覆溶液24と共に攪拌すると、各心材16に被覆溶液24が被覆されて、大量の中間粒状体26が一度に製造される。これにより、大量の中間粒状体26を効率的に製造することができる。
【0050】
また、心材16を被覆溶液24と共に攪拌して心材16に被覆溶液24を被覆するため、心材16の全面に被覆溶液24ひいては被覆固体14を洩れなく均等に被覆できる。したがって、心材16の耐水性及び耐候性(例えば耐紫外線性)が向上され、特に心材16が多孔質材料で形成されている場合に心材16の保温性の低下を防止でき、これにより、電磁波吸収発熱基盤10の発熱性能が低下することを防止できる。
【0051】
さらに、電磁波吸収発熱材料20が酸化処理されている際には、特にポリイミド樹脂前駆体溶液の如く被混入溶液22が電磁波吸収発熱材料20の酸化度が高いほど電磁波吸収発熱材料20の分散性が良好になる性質を有する場合に、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を良好に分散することができる。
【0052】
また、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を分散混入する際に被混入溶液22が粘性の低い温度に調温されるため、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を一層良好に分散することができる。
【0053】
しかも、心材16に被覆溶液24を被覆する際に被覆溶液24が攪拌されるため、被混入溶液22への電磁波吸収発熱材料20の分散を補助することができる。このため、被混入溶液22に電磁波吸収発熱材料20を更に一層良好に分散することができる。
【0054】
(変形例)
図5には、本発明の電磁波吸収基盤の製造方法が適用されて製造された実施の形態の変形例に係る電磁波吸収基盤としての電磁波吸収発熱基盤30が斜視図にて示されている。
【0055】
本変形例に係る電磁波吸収発熱基盤30では、裏面に反射材32が固定されており、反射材32は、電磁波吸収発熱基盤30に到来した電磁波を反射する。反射材32としては、例えば金網、パンチングメタル、メッシュ箔及び金属板等とされた構成である。
【0056】
ここで、本変形例に係る電磁波吸収発熱基盤30では、裏面側の反射材32が電磁波を反射するため、電磁波吸収発熱基盤30に到来した電磁波が電磁波吸収発熱基盤30内を往復する。これにより、電磁波吸収発熱基盤30の電磁波吸収効率及び発熱効率を向上でき、また、電磁波吸収発熱基盤30を薄くしつつ電磁波吸収効率及び発熱効率を維持可能にできる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収基盤が電磁波吸収材料を含有するため、例えば傾斜した法面や垂直な壁面に電磁波吸収基盤を設置することで、法面や壁面に電磁波反射防止機能を付与することができる。
【0058】
さらに、電磁波吸収基盤に空隙が形成されているため、空隙内に水分等を保持して電磁波吸収基盤上で植物を育成可能となる。
【0059】
請求項2に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収基盤の空隙に吸水性及び保水性を有する保水材を充填したため、電磁波吸収基盤上の植物に水分を安定供給して植物の育成を促進可能となる。
【0060】
請求項3に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収基盤裏面側の反射材が電磁波を反射するため、電磁波吸収基盤の電磁波吸収効率を向上でき、また、電磁波吸収基盤を薄くしつつ電磁波吸収効率を維持可能にできる。
【0061】
請求項4に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、大量の心材を被覆溶液と共に攪拌すると、各心材に被覆溶液が被覆されることで、大量の中間粒状体を効率的に製造することができる。
【0062】
また、心材を被覆溶液と共に攪拌して心材に被覆溶液を被覆するため、心材の全面に被覆溶液を洩れなく被覆できる。
【0063】
さらに、心材に被覆溶液を被覆する際に被覆溶液が攪拌されるため、被混入溶液への電磁波吸収材料の分散を補助することができる。
【0064】
請求項5に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が酸化処理されているため、被混入溶液に電磁波吸収材料を良好に分散することを可能にできる。
【0065】
請求項6に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が高導電性を有するため、電磁波吸収基盤の電磁波吸収性能を良好にすることができる。
【0066】
請求項7に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、被混入溶液に電磁波吸収材料を分散混入する際に被混入溶液が粘性の低い温度に調温されるため、被混入溶液に電磁波吸収材料を一層良好に分散することができる。
【0067】
請求項8に記載の電磁波吸収基盤の製造方法では、電磁波吸収材料が電磁波を吸収すると発熱するため、電磁波吸収基盤上の植物の育成を一層促進可能となる。しかも、被混入固体が耐熱性を有するため、電磁波吸収基盤が発熱した際でも、電磁波吸収基盤が劣化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る電磁波吸収発熱基盤を示す斜視図である。
【図2】 電磁波吸収発熱基盤の被覆固体を示す断面図である。
【図3】 中間粒状体を示す斜視図である。
【図4】 中間粒状体を示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の変形例に係る電磁波吸収発熱基盤を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 電磁波吸収発熱基盤(電磁波吸収基盤)
12 空隙
14 被覆固体
16 心材
18 被混入固体
20 電磁波吸収発熱材料(電磁波吸収材料)
22 被混入溶液
24 被覆溶液
26 中間粒状体
28 ポリマー(保水材)
30 電磁波吸収発熱基盤(電磁波吸収基盤)
32 反射材
Claims (8)
- 電磁波を吸収する電磁波吸収材料を含有すると共に空隙が形成された板状の電磁波吸収基盤の製造方法であって、
固化処理されると被混入固体になる液体状の被混入溶液に前記電磁波吸収材料が分散混入された被覆溶液を心材に被覆した粒状の中間粒状体を複数形成し、
次に前記複数の中間粒状体を接触させた状態で前記各中間粒状体の被覆溶液中の被混入溶液を固化処理することで前記中間粒状体と前記中間粒状体との間に前記空隙が形成された板状に前記電磁波吸収基盤を成形する、
ことを特徴とする電磁波吸収基盤の製造方法。 - 吸水性及び保水性を有する保水材を前記空隙に充填したことを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 電磁波を反射する反射材を前記電磁波吸収基盤の裏面側に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 前記心材を前記被覆溶液と共に攪拌することで前記心材に前記被覆溶液を被覆することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 前記電磁波吸収材料を酸化処理したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 前記電磁波吸収材料は高導電性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 前記被混入溶液に前記電磁波吸収材料を分散混入する際に前記被混入溶液を粘性の低い温度に調温することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
- 前記被混入固体は耐熱性を有すると共に前記電磁波吸収材料は電磁波を吸収すると発熱することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の電磁波吸収基盤の製造方法。
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